JPH1184043A - 原子炉の水素化物燃料、及びその燃料を用いた水素化物燃料集合体、並びにその燃料を用いた高速炉の炉心 - Google Patents

原子炉の水素化物燃料、及びその燃料を用いた水素化物燃料集合体、並びにその燃料を用いた高速炉の炉心

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JPH1184043A
JPH1184043A JP9246432A JP24643297A JPH1184043A JP H1184043 A JPH1184043 A JP H1184043A JP 9246432 A JP9246432 A JP 9246432A JP 24643297 A JP24643297 A JP 24643297A JP H1184043 A JPH1184043 A JP H1184043A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】炉心安全性を低下させることなく、効率よくマ
イナーアクチニドを消滅することができる原子炉の水素
化物燃料を提供する。 【解決手段】炉心1は、中心部側に配置された複数の炉
心燃料集合体2と、これら炉心燃料集合体2を取り囲む
複数の径方向ブランケット燃料集合体3とを備えてい
る。炉心燃料集合体2は、多数の内側炉心燃料集合体2
aと、これら内側炉心燃料集合体2aより外側に配置さ
れた多数の外側炉心燃料集合体2bと、これら内側炉心
燃料集合体2a及び外側燃料集合体2bの中に、非均質
装荷された36体の水素化物燃料集合体2cとから構成
されている。水素化物燃料集合体2cは、六角格子状に
配列されマイナーアクチニド、ウラン、ジルコニウム、
及び水素を含有する水素化物燃料棒10と、これら複数
の水素化物燃料棒10の束を取り囲むラッパ管11とを
備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速炉の炉心に装
荷される燃料集合体に備えられる原子炉の水素化物燃料
に係わり、特に、長寿命のマイナーアクチニドを消滅す
るのに好適な原子炉の水素化物燃料、及びその燃料を用
いた水素化物燃料集合体、並びにその燃料を用いた高速
炉の炉心に関する。
【0002】
【従来の技術】冷却材としてナトリウム等の液体金属を
使用する、従来の一般的な高速炉の構成は、例えば、安
成弘著「高速増殖炉」(同文書院)に開示されている。
すなわち、高速炉の炉心は、炉心燃料ペレットを装荷し
た炉心燃料集合体を複数個束ねた炉心領域と、これを取
り囲む、ブランケット燃料ペレットを装荷したブランケ
ット燃料集合体を複数個束ねた径方向ブランケット領域
とを備えている。そして、この炉心に装荷される燃料集
合体は、核燃料物質を被覆管に封入して束ねた燃料要素
束と、これら燃料要素束を取り囲むラッパ管と、燃料要
素束の上方に設けられる、中性子を散乱する物質を備え
た中性子反射領域及び冷却材流出部と、燃料要素束の下
方にある冷却材流入部から構成されている。またこのと
き、燃料要素束を形成する各燃料要素は、上下端部に栓
のある被覆管と、核分裂性物質を富化した炉心燃料ペレ
ット(若しくは燃料親物質を主成分とするブランケット
燃料ペレット)と、核分裂反応で生成した気体を収納す
るためのガスプレナムから構成されている。
【0003】以上のような構成の高速炉の炉心におい
て、燃料集合体下部の冷却材流入部から炉心へ流入した
冷却材(例えばナトリウム等)は、燃料集合体近傍を流
れる間に加熱され、燃料集合体上部の冷却材流出部から
流出する。
【0004】ところで、近年、軽水炉等を含む原子炉一
般から発生する使用済燃料の再処理において生成する高
レベル放射性廃棄物の管理負担軽減や、ポテンシャルリ
スク低減を目的に、廃棄物中に含まれる長寿命の放射性
核種を分離し、安定核種へ核変換する「群分離・消滅処
理」の研究が活発に進められている。そして、このよう
な長寿命核種のうちのいくつかを、高速炉の炉心に装荷
することで消滅させる技術が提唱されており、その公知
技術例として、例えば以下のものがある。
【0005】(1)エー・ゼアエッタ、エム・サルヴァ
トーレス、ワイ・ガーリングシー・プルニエ、プロシー
ディング・オブ・インターナショナル・コンファレンス
・オン・デザイン・アンド・セーフティー・オブ・アド
バンスト・ニュークリアー・パワー・プランツ、第1
巻、5.2−1頁から5.2−7頁(1992年)(A.Za
etta,M.Salvatores,Y.Guerin,C.Prunier, Proceedings
of International Conference on Design and Safety o
f Advanced Nuclear Power Plants.October 25−29, 19
92, Tokyo) この公知技術では、原子炉の使用済燃料に含まれる放射
性廃棄物のうち、ネプチニウム、アメリシウム、キュウ
リウム等のマイナーアクチニド核種を高速炉で消滅する
2つの方法が開示されている。すなわち、ネプチニウ
ム、アメリシウム等を炉心燃料集合体に均質に混合する
均質装荷法と、ネプチニウム、アメリシウムで構成する
ターゲット燃料集合体を径方向ブランケットに装荷する
非均質装荷法とが示されている。
【0006】(2)ピー・クーロン、アール・クラー
ク、ジェイ・トマシ、プロシーディング・オブ・インタ
ーナショナル・コンファレンス・オン・デザイン・アン
ド・セーフティー・オブ・アドバンスト・ニュークリア
ー・パワー・プランツ、第1巻、p3.6−1頁からp
3.6−5(P.Coulon, R.Clerc, J.Tommasi, Proceedi
ngs of International Conference on Design and Safe
ty of Advanced NuclearPower Plants.October 25−29,
1992, Tokyo)、この公知技術では、非均質装荷法の1
つの手法として、ターゲット燃料集合体を長寿命の核分
裂生成物(テクネチウム−99)と中性子減速材(カル
シウムハイドライド;CaH2)とから構成し、径方向ブ
ランケットに装荷して消滅する方法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術には以下の課題が存在する。 (A)公知技術(1)開示の均質装荷法 この手法においては、炉心領域へマイナーアクチニドを
装荷すると、反応度係数(ドップラー係数及びボイド反
応度)に対し炉心安全特性を悪化させる方向への影響を
与えるという不都合がある。これを図10を用いて説明
する。
【0008】(a)ドップラー係数への影響 一般に、原子炉では、燃料の温度が上昇すると、燃料に
よる中性子の吸収量が増大して反応度が低下する(ドッ
プラー効果)。これは主に、核燃料中の燃料親核種特に
ウラン−238の共鳴吸収反応が燃料温度の上昇により
増大することに起因している。この効果は、原子炉の固
有の安全性の根幹をなすものであり、中性子実効増倍率
k、温度Tとしたときのdk/dTは必ず負の値となる
ようになっている。このdk/dTは定数でなく温度の
関数となっており、特に、酸化物を燃料とする高速炉で
は、 dk/dT=KD/T で表される。この KD=(dk/dT)/T をドップラー係数とよび、常に負の値となる。この絶対
値が大きいほどドップラー効果が大きくなる。
【0009】ここで、図10は、代表的なマイナーアク
チニドであるネプチニウム−237(237Np)の中性子
捕獲断面積のエネルギー依存性を、ウラン−238(
238U)と比較して示したものである。横軸には中性子
のもつエネルギー(eV)をとって表している。図10
(a)の曲線がネプチニウムの捕獲断面積特性を示し、
図10(b)における曲線がウラン−238の捕獲断面
積特性を示している。これらを比較してわかるように、
100eV以下の低エネルギー領域においては、237Np
の中性子捕獲断面積はウラン−238よりも2桁(×1
2)ほど大きくなっている。したがって、炉心燃料集
合体に対して238Uの代わりに237Npを装荷すると、エ
ネルギーが低くなるにつれて中性子を捕獲する割合がよ
り大きくなるので、中性子スペクトルは硬くなる(高エ
ネルギー側へシフトする)。このように中性子スペクト
ルが高エネルギー側へシフトすると、共鳴領域の中性子
反応が相対的に減少するため、この共鳴領域における吸
収が支配的であるドップラー効果が減少する(すなわち
ドップラー係数の絶対値が小さくなる)。これにより、
燃料温度上昇時における燃料核種の中性子吸収量が低下
するため、反応度抑制効果が低減する。
【0010】(b)ボイド反応度への影響 ボイド反応度は、冷却材の密度が減少したときに投入さ
れる反応度の割合のことであり、高速炉の炉心中心付近
では正の値をとる。いま例えば冷却材の温度が何らかの
原因で上昇し、冷却材の密度がある値だけ減少した場合
を想定すると、冷却材減少によって中性子が減速されに
くくなるため、中性子の平均エネルギーがある値だけ高
くなる。ところで、図10(a)と図10(b)とを比
較してわかるように、高速炉の平均的な中性子エネルギ
ーである数百KeV(105eV)付近のエネルギー領
域においては、238Uの中性子捕獲断面積はエネルギー
依存性が小さくなりあまり低下しなくなるのに対し、
237Npの中性子捕獲断面積はエネルギーの増大につれて
急激に小さくなっている。例えば、例えば中性子エネル
ギーが105eVから106eVになったとすれば、238
Uでは中性子吸収断面積がほとんど変わらないのに対し
237Npでは中性子吸収断面積が1桁下がっている。した
がって、炉心燃料集合体に対して238Uの代わりに237
pを装荷すると、冷却材密度の減少によって中性子の平
均エネルギーが高くなる場合における中性子の数の減少
割合が238Uの場合より少なくなる。これにより、反応
度抑制効果が低減するため、ボイド反応度が増大する。
なお、上記は、冷却材の密度が減少するときの中性子エ
ネルギーの増大を図10(a)と図10(b)とで同一
値(上記例では105eV→106eV)で比較したが、
厳密には、(a)で述べた中性子スペクトルのシフトによ
り、237Npの場合のほうが238Uの場合よりも若干高エ
ネルギー側でのエネルギー増大となる(例えば238Uで
105eV→106eVであれば対応する237Npのエネル
ギー値は2×105eV→2×106eV)。したがっ
て、実際は、上記の反応度抑制効果の低減はさらに顕著
となる。
【0011】以上(a)(b)で説明したように、炉心領域へ
237Npを装荷すると、ドップラー係数及びボイド反応度
は、反応度抑制効果を低減し炉心安全特性を悪化させる
方向へ変化する。また、以上はネプチニウムを例にとっ
て説明したが、アメリシウム−241(241Am)やアメ
リシウム−243(243Am)等の他のマイナーアクチニ
ド核種の中性子捕獲断面積も237Npと類似の傾向となる
ことから、同様の影響を与える。
【0012】(B)公知技術(1)開示の非均質装荷法 この手法においては、ターゲット燃料集合体を、発熱へ
の寄与が小さい径ブランケット領域に装荷するため、上
記(A)と異なり炉心特性への影響は小さい。しかしな
がら、径ブランケット領域は、炉心領域と比べて中性子
束レベルが約1桁小さくなることから、マイナーアクチ
ニドの消滅率(=消滅したマイナーアクチニド量/装荷
したマイナーアクチニド量)が小さくなり、所要量のマ
イナーアクチニドを効率的に消滅させるのが困難であ
る。
【0013】(C)公知技術(2)開示の非均質装荷法 この手法においては、中性子減速材を用いることで中性
子のエネルギーが小さくなるので、上記(A)で述べた
ようにマイナーアクチニドの中性子捕獲断面積は大きく
なり、マイナーアクチニドの消滅率を高くすることがで
きる。しかしながらこの手法では、ターゲット燃料集合
体に多量の中性子減速材を装荷する必要があるため、タ
ーゲット燃料集合体に装荷できるマイナーアクチニドの
量が制限される。したがって結局、所要量のマイナーア
クチニドを効率的に消滅させるのは困難である。
【0014】本発明の目的は、炉心安全性を低下させる
ことなく、効率よくマイナーアクチニドを消滅すること
ができる原子炉の水素化物燃料及びその燃料を用いた水
素化物燃料集合体並びに高速炉の炉心を提供することに
ある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、マイナー
アクチニドと、ジルコニウムと、水素とを含む水素化物
で原子炉の水素化物燃料を構成する。この燃料を、例え
ば被覆管に封入して第1の燃料棒とし、炉心の中心部側
に配置される炉心燃料集合体の一部に用いれば、以下の
ような作用を奏する。当該炉心燃料集合体以外の他の炉
心燃料集合体からの高速中性子が当該炉心燃料集合体の
第1の燃料棒に含まれる水素に衝突して減速され、その
エネルギーが低くなる。これにより、この第1の燃料棒
を備えた炉心燃料集合体では比較的低エネルギー領域で
中性子束が大きくなる。そしてこのようにスペクトルが
軟らかくなった後の中性子が他の炉心燃料集合体へと再
び流入することにより、炉心全体でみたときにおける
237Np等のマイナーアクチニド装荷によるボイド反応度
の増大及びドップラー効果の減少を抑制し、炉心の安全
性を向上することができる。また、マイナーアクチニド
は比較的低エネルギー領域のほうが高エネルギー領域よ
りも中性子捕獲断面積が大きいが、上記のように第1の
燃料棒の水素で減速することにより中性子の捕獲を促進
することができ、さらに中性子束レベルが高い炉心中心
部側にマイナーアクチニドを装荷した燃料集合体を配置
するので、従来手法のように他の中性子減速材を用いる
ことなく、マイナーアクチニドの消滅率を高くすること
ができる。そして他の中性子減速材を用いない分、従来
手法に比べ、マイナーアクチニドの装荷量を増大させる
ことができるので、所要量のマイナーアクチニドを容易
に効率的に消滅させることができる。但しこのとき、水
素を炉心燃料集合体全体に均質配置したのでは、炉心全
体の特性として、比較的低エネルギー領域で中性子束が
大きくなるとともに比較的高エネルギー領域で中性子束
が小さくなるため、高速炉本来の目的である増殖が困難
となる。そこで、水素化物を含む第1の燃料棒を炉心燃
料集合体全体に均質配置せず炉心燃料集合体の一部に配
置(すなわち非均質配置)とすることにより、炉心全体
として高速炉本来の増殖を可能としつつ、第1の燃料棒
を備えた一部の燃料集合体において所要量のマイナーア
クチニドを効果的に消滅させることができる。
【0016】(2)上記(1)において、好ましくは、
前記水素化物はウランをさらに含む。これにより、ウラ
ン−238の中性子吸収効果によってドップラー係数の
絶対値をさらに大きくできるので、炉心安全性をさらに
向上することができる。
【0017】(3)上記(1)において、また好ましく
は、前記マイナーアクチニドは、ネプチニウム、アメリ
シウム、及びキュウリウムのうち少なくとも1つを含
む。
【0018】(4)上記目的を達成するために、本発明
は、高速炉の炉心に装荷され、燃料物質を被覆管に封入
した複数の燃料要素を備えた水素化物燃料集合体におい
て、前記複数の燃料要素は、前記燃料物質としてマイナ
ーアクチニドとジルコニウムと水素とを含有する水素化
物を前記被覆管に封入した複数の第1の燃料棒を含む。
【0019】(5)上記(4)において、好ましくは、
前記複数の燃料要素の束を取り囲むラッパ管をさらに有
し、前記複数の燃料要素は、前記燃料物質として水素を
含有せずマイナーアクチニドとジルコニウムとを含有す
る化合物を前記被覆管に封入した複数の第2の燃料棒を
さらに含み、これら第2の燃料棒は前記複数の燃料要素
の束のうち前記ラッパ管近傍の外周部分に配置され、前
記第1の燃料棒はそれ以外の部分に配置されている。こ
れにより、第1の燃料棒の水素化物で減速されたエネル
ギーの低い中性子が隣接する他の炉心燃料集合体に漏れ
出る前に、第2の燃料棒のマイナーアクチニドによって
吸収されるので、隣接する他の炉心燃料集合体に発生す
る出力ピークを低減することができる。
【0020】(6)上記(4)において、また好ましく
は、前記複数の燃料要素の束を取り囲むラッパ管をさら
に有し、前記複数の燃料要素は、前記燃料物質として長
寿命核分裂生成核種を前記被覆管に封入した複数の第3
の燃料棒をさらに含み、これら第3の燃料棒は前記複数
の燃料要素の束のうち前記ラッパ管近傍の外周部分に配
置され、前記第1の燃料棒はそれ以外の部分に配置され
ている。これにより、第1の燃料棒の水素化物で減速さ
れたエネルギーの低い中性子が隣接する他の炉心燃料集
合体に漏れ出る前に、第3の燃料棒の長寿命核分裂生成
核種によって吸収されるので、隣接する他の炉心燃料集
合体に発生する出力ピークを低減することができる。ま
た、マイナーアクチニドのみならず長寿命の核分裂生成
核種を消滅させることができる。
【0021】(7)上記(6)において、さらに好まし
くは、前記長寿命核分裂生成核種は、テクネチウム99
を含む。
【0022】(8)上記目的を達成するために、本発明
は、中心部側に配置された複数の炉心燃料集合体と、こ
れら複数の炉心燃料集合体を取り囲む複数のブランケッ
ト燃料集合体とを備えた高速炉の炉心において、前記複
数の炉心燃料集合体のうち一部が、マイナーアクチニド
とジルコニウムと水素とを含有する水素化物を被覆管に
封入した複数の燃料要素を備えている。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照しつつ説明する。本発明の第1の実施形態を図1〜
図7により説明する。本実施形態による水素化物燃料を
備えた水素化物燃料集合体を装荷した高速炉の炉心の構
造を表す横断面図を図1に示す。
【0024】図1において、炉心1は、電気出力100
万kW級の高速炉に適用されるものであり、中心部側に
配置された複数の炉心燃料集合体2と、これら炉心燃料
集合体2を取り囲み、劣化ウラン(U−238)を主成
分とする複数の径方向ブランケット燃料集合体3と、こ
れら径方向ブランケット燃料集合体3の更に外側を取り
囲む中性子反射体4と、主炉停止系制御棒5及び後備炉
停止系制御棒6と、以上すべてを内包するように外周側
に設けられる炉心槽8とを備えており、連続運転期間は
1年でかつ毎年3分の1の炉心燃料集合体2及びブラン
ケット燃料集合体3を交換する3バッチ取替炉心となっ
ている。
【0025】炉心燃料集合体2は、例えばピッチ約16
センチで炉心1に装荷されており、プルトニウムを備え
た多数の内側炉心燃料集合体2aと、これら内側炉心燃
料集合体2aより外側に配置され、内側炉心燃料集合体
2aよりやや富化度が高いプルトニウムを備えた多数の
外側炉心燃料集合体2bと、これら内側炉心燃料集合体
2a及び外側燃料集合体2bの中に、分散装荷(非均質
装荷)された36体の水素化物燃料集合体2cとから構
成されている。
【0026】水素化物燃料集合体2cの構造を表す側面
図を図2に、図2中III−III断面による横断面図を図3
に示す。これら図2及び図3において、水素化物燃料集
合体2cは、六角格子状に配列されマイナーアクチニ
ド、ウラン、ジルコニウム、及び水素を含有する(詳細
は後述)271本の水素化物燃料棒10と、これら複数
の水素化物燃料棒10の束を取り囲むステンレス製のラ
ッパ管11と、水素化物燃料棒10の上方及び下方にそ
れぞれ設けられ、中性子を散乱する物質を備えた上部遮
蔽体12及び下部遮蔽体13と、上部遮蔽体12のさら
に上方にある冷却材流出部14と、下部遮蔽体13のさ
らに下方にある冷却材流入部15と、隣接する集合体と
の間隔を保持するためにラッパ管11の側面に設けた上
部スペーサパッド101、中間スペーサパッド102、
及び下部スペーサパッド103とから構成されている。
このとき、水素化物燃料棒10とラッパ管11との間に
は冷却材ナトリウムの流路17が形成されており、この
結果、図3に示す水平断面において、水素化物、構造材
(ステンレス)、ナトリウムが占める割合はそれぞれ約
42%、約22%、約36%となっている。なお、この
水素化物燃料集合体2cの取り替え周期は、他の炉心燃
料集合体2a,2bよりも短い2サイクルとなってい
る。
【0027】水素化物燃料棒10の詳細構造を表す縦断
面図を図4に示す。この図4において、水素化物燃料棒
10は、例えば外径8.5mmでかつ長さが約2.7m
であり、上下端部に上部端栓111と下部端栓112が
ある被覆管16と、この被覆管16のほぼ軸方向中央部
に封入され、ネプチニウム・アメリシウム・キュウリウ
ム等のうち少なくとも1つを含むマイナーアクチニド、
ウラン、ジルコニウム、及び水素を含有する棒状の水素
化物(U−MA−Zr−H)からなる燃料物質としての
燃料ペレット18と、この燃料ペレット18の上方及び
下方の所定の長さにそれぞれ配置され、滅損ウラン酸化
物ペレットからなる軸方向ブランケット19,20と、
上部側の軸方向ブランケット19の上方に押えばね21
を介して設けられ、核分裂反応で生成した気体を収納す
るためのガスプレナム22とを備えており、その軸方向
の長さは炉心燃料集合体2cとほぼ同じで例えば100
センチとなっている。なお、特に図示しないが、この燃
料ペレット18と被覆管16との間には、ボンド材とし
て金属ナトリウムが充填されている。燃料ペレット18
の水素化物U−MA−Zr−Hは、アルゴンガス雰囲気
内において、ウラン、マイナーアクチニド、ジルコニウ
ムの金属片をアーク溶融させた後に、高温・高圧の状態
で水素を吸着させることにより製作する。各金属片の重
量割合や温度、圧力等の条件の違いに応じて、ウラン:
マイナーアクチニド:ジルコニウム:水素の原子数比
(以下単にU:MA:Zr:Hで表す)を変えることは
可能であるが、本実施形態では、この水素化物に関する
公知技術(ティー・ヤマモト、エッチ・スワリノ、エッ
チ・カヤノ、エム・ヤマワキ、ジャーナル・オブ・ニュ
ークリヤー・サイエンス・アンド・テクノロジー、第3
2巻、 第260頁から262頁(Journal of Nuclear
Science and Technology, 32[3],pp.260〜262,March 19
95)に開示された実績に基づき、水素の含有量が最も多
い、U:MA:Zr:H=1:4:10:27、密度
7.2g/ccの水素化物を用いている。なおこの結
果、燃料ペレット18の水素化物燃料の水素の原子数密
度は5.44×1022(個/cc)となり、常温の水に
含まれる水素の原子数密度の約1.6倍となっている。
【0028】以上のように構成した本実施形態の作用を
以下順次説明する。 (1)炉心の安全性向上 水素化物U−MA−Zr−Hを含む水素化物燃料棒10
を炉心1の中心部側に配置される水素化物燃料集合体2
cに用いることにより、水素化物燃料集合体2c以外の
他の炉心燃料集合体2a,2bからの高速中性子が、水
素化物燃料集合体2cの水素化物燃料棒10に含まれる
水素に衝突して減速され、そのエネルギーが低くなる。
これにより、この水素化物燃料集合体2cは比較的低エ
ネルギー領域において中性子束が大きくなる。これを図
5に示す。図5は、水素化物燃料集合体2cにおける中
性子束分布と炉心燃料集合体2全体における中性子束分
布のエネルギー依存性とを解析し、互いに比較したもの
である。図5に示すように、水素化物燃料集合体2cの
中性子束(曲線ア)は、1k(=103)eV以下の比
較的低いエネルギー領域において、炉心燃料集合体2全
体における中性子束(曲線イ)よりも大きくなってお
り、中性子スペクトルが軟化(低エネルギー側にシフ
ト)していることがわかる。そして、以上のように水素
化物燃料集合体2cでスペクトルが軟らかくなった後の
中性子の一部が、他の炉心燃料集合体2a,2bへと再
び流入する。これにより、前述したマイナーアクチニド
装荷時のスペクトル硬化による炉心1全体でのボイド反
応度の増大及びドップラー効果の減少を抑制し、炉心1
の安全性を向上することができる。なお、ドップラー効
果に関しては、水素化物燃料棒10がウランを含むこと
により、ウランを含まない後述する第2の実施形態より
も、ウラン−238の中性子吸収効果によってドップラ
ー係数の絶対値をさらに大きくしドップラー効果を増大
させる効果もある。
【0029】(2)マイナーアクチニド消滅の高効率化 図10を用いて前述したように、マイナーアクチニドは
比較的低エネルギー領域のほうが高エネルギー領域より
も中性子捕獲断面積が大きい。そこで、上記(1)で説
明したように本実施形態においては、水素化物燃料集合
体2cの水素化物燃料棒10の水素で炉心燃料集合体2
a,2bからの高速中性子を減速することにより、マイ
ナーアクチニドが中性子と核反応(特に、吸収反応)を
起こす確率が大きくなって中性子の捕獲を促進すること
ができ、さらに径方向ブランケット燃料集合体3よりも
中性子束レベルが高い炉心1中心部側の水素化物燃料集
合体2cにマイナーアクチニドを配置することにより、
従来手法のように他の中性子減速材を用いることなく、
マイナーアクチニドの消滅率を高くすることができる。
このとき、他の中性子減速材を用いない分、従来手法に
比べ、マイナーアクチニドの装荷量を増大させることが
できる。したがって、所要量のマイナーアクチニドを容
易に効率的に消滅させることができる。このことをさら
に比較例を用いて以下詳細に説明する。
【0030】本実施形態の比較例による燃料集合体2c
Aの横断面図を図6に示す。図3と同等の部材には同一
の符号を付す。この燃料集合体2cAは、前述した公知
技術(2)で開示された非均質装荷法(減速材としてカ
ルシウムハイドライドを用いる方法)に準じるものであ
り、ラッパ管11内に六角格子状に配置する271本の
燃料棒を、マイナーアクチニド酸化物(MAO2)で燃
料ペレットを形成した12本のマイナーアクチニド酸化
物燃料棒23と、ZrH1.6で燃料ペレットを形成した残
り259本のZrH1.6燃料棒24とによって構成してい
る。すなわち減速材としてカルシウムハイドライドの代
わりにジルコニウムハイドライドを用いたものである。
このとき、水素の装荷量を本実施形態の水素化物燃料集
合体2cと等しくなるようにし、これによって上記
(1)で説明した中性子スペクトル軟化作用が同等とな
るようにしている。この比較例の燃料集合体2cAにお
いては、上記したのと同様にしてZrH1.6燃料棒24の
水素で高速中性子を減速しマイナーアクチニド酸化物燃
料棒23による中性子の捕獲を促進することができ、さ
らにこの燃料集合体2cAを中性子束の高い炉心1中心
部側に配置すれば、マイナーアクチニドの消滅率を高く
することができる。しかしながら、1つの燃料集合体2
cAに装荷されるマイナーアクチニド酸化物燃料棒23
が12本と少ないため、燃料集合体2cAの1体に装荷
できるマイナーアクチニドの量が制限され、所要量のマ
イナーアクチニドを効率的に消滅させるのは困難とな
る。これに対し、本実施形態の燃料集合体2cにおいて
は、271本すべての水素化物燃料棒10に水素及びマ
イナーアクチニドを含ませるので、比較例の燃料集合体
2cAと比べて約7倍のマイナーアクチニドを装荷させ
ることができる。したがって、所要量のマイナーアクチ
ニドを容易に効率的に消滅させることができる。
【0031】(3)高速炉本来の増殖確保 上記(1)(2)で説明したように、水素化物燃料棒1
0を炉心燃料集合体2中に配置することにより、炉心1
の安全性能を向上しつつ、所要量のマイナーアクチニド
を効果的に消滅させることができる。但しこのとき、水
素を炉心燃料集合体2全体に均質配置したのでは、炉心
1全体の特性として、比較的低エネルギー領域で中性子
束が大きくなるとともに比較的高エネルギー領域で中性
子束が小さくなる。すなわち、炉心1全体の中性子束分
布特性が前述した図5の曲線アのようになってしまい、
一般的な高速炉の平均的な中性子エネルギーである10
5eV以上の高エネルギー領域における中性子束が低下
するため、高速炉本来の目的である増殖が困難となる。
【0032】そこで、本実施形態においては、水素化物
燃料棒10を炉心燃料集合体2全体に均質配置せず、炉
心燃料集合体2の一部を構成する水素化物燃料集合体2
cに配置(すなわち非均質配置)することにより、炉心
1全体としての中性子束分布特性としては図5の曲線イ
のようにして高速炉本来の増殖を可能としつつ、水素化
物燃料集合体2cにおいては中性子束分布特性を図5の
曲線アのようにして所要量のマイナーアクチニドを効果
的に消滅させることができる。
【0033】(4)水素原子数最適化によるマイナーア
クチニド消滅のさらなる高効率化 本願発明者等は、水素化物燃料棒10におけるウラン、
ジルコニウム、マイナーアクチニドに対する水素原子数
の割合がマイナーアクチニド消滅に与える影響を検討
し、図7に示す結果を得た。図7は、図1に示した炉心
の中心位置に配置した水素化物燃料集合体の水素化物燃
料棒10における水素原子数の割合を変化させたときの
燃料集合体1体あたりのマイナーアクチニドの消滅量
(kg/年)及び消滅率(%/年)を解析した結果であ
る。横軸は水素原子数密度をとり、図7は本実施形態の
水素化物燃料棒10におけるU:MA:Zr:H=1:
4:10:27のときの水素原子数を100%としたと
きの相対値で表しており、0%は水素が含まれずウラ
ン、マイナーアクチニド、及びジルコニウムの化合物
(U−MA−Zr)の場合に相当している。また縦軸の
マイナーアクチニドの消滅率及び消滅量は、いずれも水
素化物燃料集合体2cが炉内に3サイクル(3年)滞在
したと仮想し、その取り出し時点の値を滞在年数3年で
割った1年当たりの値としており、さらに消滅量につい
てはMAを最初に1050kg装荷した場合における量
で表している。なお、通常の取扱いでは、マイナーアク
チニドのうち、Cmの同位体(242Cm,243Cm,244
m,245Cm)については他のマイナーアクチニド核種と
比べて、半減期が概して短く(242Cm:163日、243
Cm:32年、244Cm:17.6年、245Cm:9300
年)いずれもα崩壊によりプルトニウムに自然崩壊する
こと、及び半減期が長い245Cmは核分裂性核種であるこ
とから、使用済燃料からマイナーアクチニドを取り出す
際に分離し炉外保管するものとしている。図7におい
て、曲線ウがマイナーアクチニドの消滅量を示し、曲線
エがマイナーアクチニドの消滅率を示している。図示の
ように、曲線ウ、エともに右上がりの特性となってい
る。つまり、曲線エのように水素の原子数密度が大きい
ほど消滅率が大きくなり、右端の原子数密度=100%
において消滅率が約24%となっている。その結果、マ
イナーアクチニドの消滅量も水素の原子数密度が大きい
ほど大きくなり、消滅量が大きくなっている。ここで、
本実施形態においては、U:MA:Zr:H=1:4:
10:27であり、図7において原子数密度=100%
に相当する。これにより、最もマイナーアクチニドを高
効率で消滅できることがわかる。
【0034】(5)水素化物の温度条件 本実施形態の水素化物燃料集合体2cでは、燃焼が進む
につれて、マイナーアクチニドの中性子吸収によって核
分裂性核種が生成され、例えばネプチニウム−237(
237Np)は下記の燃焼チェインによってプルトニウム−
238(238Pu)、プルトニウム−239(239Pu)等
が生成される。237 Np(n,γ)→238Pu(n,γ)→239Pu … 但し、(n,γ)は中性子捕獲反応を表す。このとき、
水素化物燃料集合体2c内部の中性子スペクトルは、前
述したように他の炉心燃料集合体2a,2bよりも軟ら
かく、プルトニウム等の核分裂性核種の核分裂断面積が
大きくなっている。そのため、燃焼に伴い、水素化物燃
料集合体2cの出力が増大する。これに対応して、本実
施形態においては、水素化物燃料集合体2cを2サイク
ルで取り出すことにより、水素化物燃料棒10の最大線
出力密度が500W/cmを超えないようにし、水素化
物の温度条件を満足させることができる。
【0035】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、炉心安全性を低下させることなく、効率よくマイナ
ーアクチニドを消滅することができる。この効果を具体
的に表1を用いて説明する。表1は、本実施形態におけ
る上記効果を明確にするため、マイナーアクチニド消滅
率、ボイド反応度、ドップラー係数について、均質装荷
による公知技術(1)の場合及びマイナーアクチニド未
装荷炉心(以下適宜、基準炉心という)の場合と比較し
て示したものである。
【0036】
【表1】
【0037】マイナーアクチニドの消滅 上記(2)(4)で説明したように、本実施形態におい
ては、高い効率でマイナーアクチニドを消滅させること
ができる。そして、表1に示すように、炉心1に装荷し
た36体の水素化物燃料集合体2cにマイナーアクチニ
ド(NpとAm)を1050kg装荷した場合には、上
記(5)で説明したように水素化物燃料集合体2cを2
サイクルで取り出すとすると、その約24%に相当する
約250kgを毎年消滅させることができる(但し、核
分裂によって消滅したものはその約29%に相当する約
70kg)。これは公知技術(1)よりも約70%向上
している。このとき一方、炉心燃料集合体2及び径方向
ブランケット集合体3で毎年約27kg生成されるた
め、差し引けば毎年正味223kg消滅できることにな
る。これは、同出力規模の軽水炉約10基で毎年生成さ
れるマイナーアクチニドの量に相当する。
【0038】反応度係数(ボイド反応度、ドップラー
係数) 上記(1)で説明したように、本実施形態においては、
中性子スペクトルを軟化することによってボイド反応度
及びドップラー係数を改善することができる。表1に示
すように、マイナーアクチニドを装荷しない炉心におけ
るボイド反応度(正の値)及びドップラー係数(負の
値)の絶対値を1.0すると、均質装荷法による公知技
術(1)ではそれぞれ1.4,0.7と基準炉心よりも
安全性の面で悪化しているのに対し、本実施形態ではそ
れぞれ0.7,1.1となり基準炉心よりも安全性が向
上している。
【0039】なお、上記第1の実施形態においては、水
素化物燃料集合体2cの水素化物燃料棒10の燃料ペレ
ット18を、マイナーアクチニド、ウラン、ジルコニウ
ム、及び水素を含有する棒状の水素化物(U−MA−Z
r−H)で構成したが、このうちウランを省略し、燃料
ペレット18を、マイナーアクチニド、ジルコニウム、
及び水素を含有する水素化物(MA−Zr−H)で構成
してもよい。この変形例においては、水素化物燃料棒1
0にウランが含まれないことにより、中性子吸収によっ
て生成されるプルトニウムの中性子吸収又は崩壊によっ
て新たに生成されるマイナーアクチニドの量を減少する
ことができる。その結果、上記実施形態と比べてマイナ
ーアクチニドの消滅量を年間約1%増大することができ
る。
【0040】また、本発明の本来の目的とは若干相違す
るが、公知技術(2)の非均質装荷法と同様にマイナー
アクチニドの消滅率の向上を主眼とする場合には、さら
に以下のような変形も可能である。すなわち、上記変形
例における水素化物燃料棒10の燃料ペレット18にお
けるマイナーアクチニドの原子数割合を小さくし、例え
ば水素化物MA−Zr−Hにおいて原子数比MA:Zr:
H=1:14:21とすると、水素とマイナーアクチニ
ドの原子数比(H/MA)は上記変形例の6.8から2
1に約3倍増大し、逆に水素化物燃料集合体2cの1体
当たりのマイナーアクチニド装荷量は約5分の1とな
る。この結果、水素化物燃料集合体2c内の中性子の減
速効果がより高められ、かつ中性子束分布の凹みが小さ
くなり中性子束のレベルが高くなるので、マイナーアク
チニドの消滅が加速され、燃料の取り出し時点の消滅率
を99%以上とすることができる。つまり、比較的少量
のマイナーアクチニドを取り出しまでにほぼ完全に消滅
させたい場合に好適である。なお、本変形例における水
素化物燃料集合体2cではマイナーアクチニドの装荷量
が少ないため、上記(5)で述べたマイナーアクチニド
から生成されるプルトニウムの蓄積による出力増大の問
題が緩和されるので、他の炉心燃料集合体2a,2cと
同様、炉内で3サイクル燃焼させることができる。
【0041】本発明の第2の実施の形態を図8及び図9
により説明する。本実施形態は、水素化物燃料集合体に
水素化物燃料棒以外の燃料棒を配置する場合の実施形態
である。第1の実施形態と同等の部材には同一の符号を
付し、説明を省略する。
【0042】本実施形態による水素化物燃料集合体の構
造を表す横断面図を図8に示す。この図8は、第1の実
施形態の図3に相当する図である。図8において、本実
施形態による水素化物燃料集合体202cは、図3の水
素化物燃料集合体2cにおける271本の水素化物燃料
棒10の束のうち、ラッパ管11近傍の最外周の燃料棒
54本を、水素を含有せずマイナーアクチニド、ウラ
ン、及びジルコニウムを含有するU−MA−Zr化合物
を被覆管に封入した非水素化物燃料棒225に置き換え
た構造となっている。その他の点は第1の実施形態とほ
ぼ同様である。
【0043】上記構成の水素化物燃料集合体202c
を、図1に示す高速炉の炉心1の中心位置に装荷した場
合における未燃焼時の径方向出力分布を図9に示す(曲
線オ)。縦軸には炉心中央断面における出力密度をとっ
ている。また横軸には炉心1の中心からの燃料棒の列数
で表した径方向位置xをとっており、径方向位置x=1
は、本実施形態による燃料集合体202cの中心にある
水素化物燃料棒10aに隣接する水素化物燃料棒10b
の位置に相当し、径方向位置x=9は最外周にある非水
素化物燃料棒225の位置に相当し、径方向位置x=1
0は水素化物燃料集合体202cに隣接する他の炉心燃
料集合体2a,2bの最外周の燃料棒の位置に相当す
る。なお、比較のために、上記第1の実施形態による水
素化物燃料集合体2cを高速炉の炉心1の中心位置に装
荷した場合における径方向出力分布を併せて示している
(曲線カ)。
【0044】図9において、第1の実施形態の水素化物
燃料集合体2cを装荷した場合では、燃料集合体2c内
部で水素化物燃料棒10によって中性子スペクトルが他
の場所よりも軟らかくなり、プルトニウムー239等の
核分裂性核種の核分裂断面積が大きくなる結果、水素化
物燃料集合体2cに隣接する径方向位置x=10で著し
い出力ピークが発生する。これに対して、本実施形態の
水素化物燃料集合体202cを装荷した場合は、水素化
物燃料棒10で減速されたエネルギーの低い中性子が隣
接する他の炉心燃料集合体2a,2bに漏れ出る前に、
最外周の非水素化物燃料棒225に備えられたU−MA
−Zr化合物中のマイナーアクチニドによって吸収され
るので、隣接する径方向位置x=10に発生する出力ピ
ークを低減することができる。
【0045】なお、上記第2の実施形態においては、マ
イナーアクチニド、ウラン、及びジルコニウムの化合物
(U−MA−Zr)のペレットを備えた非水素化物燃料
棒225を用いたが、この代わりに、長寿命の核分裂性
核種、例えばテクネチウム−99(99Tc)のペレット
を備えた非水素化物燃料棒275(図示せず)を用いて
もよい。この場合も同様の効果を得る。99Tcは密度1
1.5g/ccの金属であるが、例えばこれを用いた非
水素化物燃料棒を備えた水素化物燃料集合体を、第1の
実施形態と同じように36体配置すると、炉心1に装荷
される99Tcの量は約780kgとなり、毎年その約
6.4%に相当する約50kgを消滅できることにな
る。このとき、99Tcは他の炉心燃料集合体2a,2b
及びブランケット燃料集合体3で年間約30kgが生成
されることから、正味年間約20kg分を消滅できる。
これは、年間25kgの99Tcを生成する100万kW
e級の軽水炉の約0.8基分に相当する。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、マイナーアクチニド
と、ジルコニウムと、水素とを含む水素化物で原子炉の
水素化物燃料を構成するので、炉心安全性を低下させる
ことなく、効率よくマイナーアクチニドを消滅すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による水素化物燃料を
備えた水素化物燃料集合体を装荷した高速炉の炉心の構
造を表す横断面図である。
【図2】水素化物燃料集合体の構造を表す側面図であ
る。
【図3】図2中III−III断面による横断面図である。
【図4】水素化物燃料棒の詳細構造を表す縦断面図であ
る。
【図5】水素化物燃料集合体及び炉心燃料集合体全体に
おける中性子束分布のエネルギー依存性の解析結果を示
す図である。
【図6】比較例による燃料集合体の横断面図である。
【図7】水素化物燃料棒における水素原子数の割合を変
化させたときのマイナーアクチニドの消滅量及び消滅率
の解析結果を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態による水素化物燃料集
合体の構造を表す横断面図である。
【図9】水素化物燃料集合体を高速炉の炉心の中心位置
に装荷した場合における径方向出力分布を示した図であ
る。
【図10】ネプチニウム−237の中性子捕獲断面積の
エネルギー依存性を、ウラン−238と比較して示した
図である。
【符号の説明】
1 炉心 2 炉心燃料集合体 2a 内側炉心燃料集合体 2b 外側炉心燃料集合体 2c 水素化物燃料集合体(一部の炉心燃料集合
体) 3 ブランケット燃料集合体 10 水素化物燃料棒(第1の燃料棒、燃料要
素) 11 ラッパ管 16 被覆管 18 燃料ペレット(燃料物質) 225 非水素化物燃料棒(第2の燃料棒) 275 非水素化物燃料棒(第3の燃料棒)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤村 幸治 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号株式 会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 三田 敏男 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号株式 会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 小林 薫 茨城県日立市幸町三丁目1番1号株式会社 日立製作所日立工場内 (72)発明者 山脇 道夫 千葉県松戸市小金原9−21−2 (72)発明者 小無 健司 茨城県水戸市三の丸3丁目3番9−601号 (スカイタウン水戸三の丸)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マイナーアクチニドと、ジルコニウムと、
    水素とを含む水素化物からなる原子炉の水素化物燃料。
  2. 【請求項2】請求項1記載の原子炉の水素化物燃料にお
    いて、前記水素化物はウランをさらに含むことを特徴と
    する原子炉の水素化物燃料。
  3. 【請求項3】請求項1記載の原子炉の水素化物燃料にお
    いて、前記マイナーアクチニドは、ネプチニウム、アメ
    リシウム、及びキュウリウムのうち少なくとも1つを含
    むことを特徴とする原子炉の水素化物燃料。
  4. 【請求項4】高速炉の炉心に装荷され、燃料物質を被覆
    管に封入した複数の燃料要素を備えた水素化物燃料集合
    体において、 前記複数の燃料要素は、前記燃料物質としてマイナーア
    クチニドとジルコニウムと水素とを含有する水素化物を
    前記被覆管に封入した複数の第1の燃料棒を含むことを
    特徴とする水素化物燃料集合体。
  5. 【請求項5】請求項4記載の水素化物燃料集合体におい
    て、前記複数の燃料要素の束を取り囲むラッパ管をさら
    に有し、前記複数の燃料要素は、前記燃料物質として水
    素を含有せずマイナーアクチニドとジルコニウムとを含
    有する化合物を前記被覆管に封入した複数の第2の燃料
    棒をさらに含み、これら第2の燃料棒は前記複数の燃料
    要素の束のうち前記ラッパ管近傍の外周部分に配置さ
    れ、前記第1の燃料棒はそれ以外の部分に配置されてい
    ることを特徴とする水素化物燃料集合体。
  6. 【請求項6】請求項4記載の水素化物燃料集合体におい
    て、前記複数の燃料要素の束を取り囲むラッパ管をさら
    に有し、前記複数の燃料要素は、前記燃料物質として長
    寿命核分裂生成核種を前記被覆管に封入した複数の第3
    の燃料棒をさらに含み、これら第3の燃料棒は前記複数
    の燃料要素の束のうち前記ラッパ管近傍の外周部分に配
    置され、前記第1の燃料棒はそれ以外の部分に配置され
    ていることを特徴とする水素化物燃料集合体。
  7. 【請求項7】請求項6記載の水素化物燃料集合体におい
    て、前記長寿命核分裂生成核種は、テクネチウム99を
    含むことを特徴とする水素化物燃料集合体。
  8. 【請求項8】中心部側に配置された複数の炉心燃料集合
    体と、これら複数の炉心燃料集合体を取り囲む複数のブ
    ランケット燃料集合体とを備えた高速炉の炉心におい
    て、 前記複数の炉心燃料集合体のうち一部が、マイナーアク
    チニドとジルコニウムと水素とを含有する水素化物を被
    覆管に封入した複数の燃料要素を備えていることを特徴
    とする高速炉の炉心。
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