JPH1183799A - ダイヤモンド電極を用いた複数被測定物質の濃度測定方法および濃度センサ - Google Patents

ダイヤモンド電極を用いた複数被測定物質の濃度測定方法および濃度センサ

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JPH1183799A
JPH1183799A JP10111811A JP11181198A JPH1183799A JP H1183799 A JPH1183799 A JP H1183799A JP 10111811 A JP10111811 A JP 10111811A JP 11181198 A JP11181198 A JP 11181198A JP H1183799 A JPH1183799 A JP H1183799A
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昭 藤嶋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数物質が存在する系での各物質の濃度を測
定することができる濃度センサおよび測定方法を提供
し、該濃度センサの電極表面は耐久性に問題を残す層を
特に必要とせず、酸化電位領域および還元電位領域の広
範囲な領域で測定が行える。 【解決手段】 導電性ダイヤモンドを用いた検出極を一
個または複数個有する電気化学測定装置にて、2種類以
上の被測定物質が含まれる試料について、各被測定物質
の反応電位を測定し、得られた各被測定物質の反応電位
の違いを利用して、複数の被測定物質の各濃度を求め
る。該測定方法は1種の被測定物質が含まれる試料につ
いても、被測定物質の濃度を求めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は導電性ダイヤモンド
を電極素材として用い、複数の被測定物質が含まれる試
料に対して、該電極界面での電位を変化させることによ
って得られる応答電流の変化から、複数の被測定物質の
各濃度を測定することができる濃度センサおよび測定方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】電極を検出素子として用い、電極界面で
起こる反応に基づく電流または電位変化を検知して、イ
オン、無機化合物、有機化合物、高分子化合物、生体関
連物質等の各種物質を電気化学的に測定する濃度センサ
が知られている。このような濃度センサにおける電極に
は、炭素系材料、金属酸化物、金属、半導体等が電極材
料として用いられており、センサ性能は主にこれらの電
極材料の特性に依存する。
【0003】従来の濃度センサとして、例えば、白金電
極上で起こる過酸化水素の酸化電流を測定して、過酸化
水素濃度を電気化学的に求める濃度センサが開発されて
いる(「電気化学測定法 上」藤島 他著、技報堂出版
株式会社 1984年11月15日発行、第238〜2
39頁)。
【0004】また、前記過酸化水素濃度を測定するため
の電極材料と、酵素・微生物等の分子認識物質を組み合
わせてなる、いわゆるバイオセンサ、具体的には、血液
中或いは尿中の血糖値や尿糖値を測定するためのグルコ
ースセンサが開発されている(「アドバンストセンサハ
ンドブック」高橋 他著、株式会社培風館 1994年
5月20日発行、第335〜339頁)。
【0005】これら従来の濃度センサは単独種類の物質
を測定対象にしたものであり、複数物質が存在する系の
試料に対して一つのセンサで各物質の濃度を測定するこ
とはできない。また、従来の濃度センサおよび測定方法
では、他の物質が影響することがあり、目的とする物質
の正確な測定が出来ない場合がある。例えば、前記従来
の過酸化水素センサは、白金電極に約+0.9V(可逆
水素電極に対する値。以後本明細書で表記する電位は全
て、可逆水素電極に対する値とする。)の電位を印加し
た時の過酸化水素の酸化電流値から、過酸化水素濃度を
決定するものである。しかしながら、例えば、血液中或
いは尿中に存在するアスコルビン酸や尿酸等の有機酸
は、+0.9Vの電位では過酸化水素と同様に酸化さ
れ、酸化電流はそれらを含んだものになるので、上記過
酸化水素を測定するための濃度センサを用い、アスコル
ビン酸や尿酸等の有機酸を含んだ系で過酸化水素濃度を
測定した場合、測定値に大きな誤差を与えることにな
る。
【0006】この理由から同様に、上述のグルコースセ
ンサによる血液中のグルコースを測定する場合も同様な
問題がある。即ち、グルコースセンサを用いた場合、次
の式 (A): グルコース+酸素 → グルコノラクトン+過酸化水素 式(A) の反応が、グルコース酸化酵素触媒により進行し、発生
した過酸化水素量を測定し、当量比からグルコース濃度
が決定される。したがって、上記のアスコルビン酸や尿
酸等の有機酸を含んだ系で過酸化水素濃度を測定する場
合と同様に、グルコースセンサを用いたグルコースの測
定は、血液、尿等の測定試料に対しては、血液中或いは
尿中に存在するアスコルビン酸や尿酸の影響を受けるこ
とになり、グルコース濃度を正確に測定することができ
ない。
【0007】さらにグルコースセンサに用いられるグル
コース酸化酵素のような分子認識物質は、通常、グルコ
ースセンサにおいて高分子膜等の基質内に固定して用い
られるが、基質からの逸脱や物質自体の触媒活性の低下
等により、一般的に安定性に乏しく、長期的な使用には
適さないという短所がある。
【0008】一方、ダイヤモンドを電極として用いたセ
ンサの例には以下に述べるようなものがある。特公平2
−22900号公報には、イオン注入法により導電性を
付加したダイヤモンドからなる電気化学的試験・分析用
電極が示されており、該電極を用いた分析の利点とし
て、電解による水素発生および酸素発生(または、金属
の溶出)の生じない電位領域(電位窓)の広いこと、ま
た電位窓における残余電流(ノイズとみなされるベース
電流)が低いので電気化学的試験・分析用指示電極とし
て優れていることが示されている。
【0009】特開平2−266253号公報には、電極
および酵素センサの製造方法として、気相法により基体
上に形成した不純物混入の導電性ダイヤモンド類層に対
して、エッチングを行い電極としており、さらに該電極
を酵素含有導電性樹脂で被覆した酵素センサを得ること
が示されている。
【0010】特開平8−240555号公報には、トラ
ンスデューサが半導体ダイヤモンド膜で構成され、その
表面に分子を認識するための生体関連物質が被覆あるい
は固定されてなるダイヤモンド薄膜バイオセンサが示さ
れている。
【0011】前記特開平2−266253号公報および
特開平8−240555号公報のいずれのセンサも、そ
の表面などに酵素・微生物等の分子認識物質層が固定さ
れているが、これらの分子認識物質層は事実上、本来ダ
イヤモンド自体が有する耐蝕性、耐久性に優れた特徴に
悪影響を与える。また、これらのセンサは、単独種類の
物質を測定するためのものであり、複数種類の物質が存
在する系における各物質の濃度を測定することに関して
示唆はない。
【0012】ダイヤモンド電極の研究に関する論文数
は、ここ1、2年で急速に増加している。その中でもSw
ain らはダイヤモンド電極を用いて、Fe(CN)6
3-/4-、Ru(NH3 6 3+/2+、IrCl6 2-/3-、4−
メチルカテコール、ドーパミン、メチルビオロゲン、フ
ェロセン、ハイドロキノン、アスコルビン酸等の酸化還
元特性を調べており、ダイヤモンド電極はセンサとして
有望であると述べている〔G.M. Swain et al., Anal. C
hem., 67, (1995), 2812-2821; G. M. Swain et al. E
lectrochem. Soc. Proceedings, 96-9, (1996),138-148
〕。
【0013】しかしながら彼らの論文には、基本的に単
独種類の物質が存在する系について応答を見ており、多
成分系で複数の物質の測定を行う示唆はない。また、Zh
u らはダイヤモンド電極を用いた時の、過酸化水素濃度
と応答電流の関係を示している〔J. Z. Zhu 等 Fresen
ius J. Anal. Chem., 352, (1995), 389-392〕が、多成
分系で複数の物質の測定を行う示唆はない。
【0014】次に、既存のダイヤモンド電極以外の電極
を用いて、多成分系における特定の物質の測定を行った
報告として、Kitaらは白金電極表面にNafion膜を修飾し
て、グルコースの電解酸化を行っている〔 H. Kita等、
J. Electroanal. chem., 382, (1995), 103-110 〕。該
測定手段では、Nafion膜を用いることにより、アスコル
ビン酸等の影響を受けずに、グルコースのみを測定する
ことが可能であることを報告している。しかしながらこ
の手法では、測定対象物質はグルコースのみであり、グ
ルコース以外の他の物質、例えば、アスコルビン酸等の
測定は不可能である。白金電極は電位窓が狭いため測定
可能な物質の種類は限定され、該方法では、複数物質が
存在する系での各物質の濃度を測定することはできな
い。また、前記測定に用いる電極に設けるNafion膜の耐
久性にも問題がある。
【0015】次に、水銀電極を用いたポーラログラフィ
により、水銀電極の水素過電圧の大きいこと、還元領域
の電位窓が非常に大きいことを利用して、多成分系にお
ける特定の物質の測定を行うことが知られている(「電
気化学測定法 上」藤島 他著、技報堂出版株式会社
1984年11月15日発行、197頁〜203頁)。
しかしながら、水銀電極を用いたポーラログラフィの適
用は還元領域に限定されており、酸化領域では水銀が溶
解し適用できないため、電位の選択の幅が狭く、測定可
能な物質は限定される。また本発明で提案する導電性ダ
イヤモンド電極のように、反応電位の違いを利用した被
測定物質の選択的な測定を行うこともできない。
【0016】
【発明が解決しようとする問題点】そこで本発明は、複
数物質が存在する系での各物質の濃度を測定することが
できる濃度センサおよび測定方法を提供し、該濃度セン
サはその耐久性を確保するために、電極表面に酵素・微
生物等の分子認識物質層、或いはナフィオン膜等の耐久
性に問題を残す層を特に必要としないで機能し、しかも
酸化領域および還元領域の広範囲な領域で測定が行える
濃度センサを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者は導電性ダイヤ
モンドを検出極として用いた電気化学反応における物質
の酸化開始あるいは還元開始電位、すなわち反応電位
が、同じ物質に対してダイヤモンド以外の材質の電極を
用いた場合の反応電位と大きく異なる場合があることを
見出し、この現象を利用することにより、複数の物質が
含まれる試料中で各物質の濃度を知ることができる本発
明を完成させた。
【0018】即ち、本発明の濃度測定方法は、導電性ダ
イヤモンドを用いた検出極を一個または複数個有する電
気化学測定装置にて、2種類以上の被測定物質が含まれ
る試料について、各被測定物質の反応電位の違いを利用
して、検出極の電位を変化させることによって得られる
応答電流の変化から、複数の被測定物質の各濃度を求め
ることを特徴とする濃度測定方法である。
【0019】本発明の濃度測定方法は、1種の被測定物
質が含まれる試料についても、反応電位を変化させるこ
とによって、被測定物質の濃度を求めることができる。
すなわち、本発明の1種の被測定物質が含まれる試料に
ついての濃度測定方法は、導電性ダイヤモンドを用いた
検出極を用い、1種類の被測定物質が含まれる試料につ
いて前記検出極の電位を変化させることによって、得ら
れる応答電流の変化から、被測定物質の濃度を求めるこ
とを特徴とする。
【0020】別の本発明の濃度測定方法は、導電性ダイ
ヤモンドを用いた電極および導電性ダイヤモンド以外の
材質の電極を各々検出極として有する電気化学測定装置
にて、2種類以上の被測定物質が含まれる試料につい
て、同一被測定物質に対する材質の異なる検出極での反
応電位の違いを利用して、同一電位における各検出極の
応答電流から、複数の被測定物質の各濃度を求めること
を特徴とする濃度測定方法である。
【0021】本発明の複数被測定物質の濃度測定が可能
な濃度センサは、導電性ダイヤモンドを用い且つ生体関
連物質を含まない検出極と、対極と、参照極と、前記各
電極に電圧を印加する電圧印加装置とを有する。
【0022】別の本発明の複数被測定物質の濃度測定が
可能な濃度センサは、導電性ダイヤモンドを用いた電極
と導電性ダイヤモンド以外の材質を用いた電極の組合せ
を検出極と対極の組合せとするか、或いは対極と検出極
の組合せとする電極と、且つ参照極と、前記各電極に電
圧を印加する電圧印加装置とを有する。この検出極と対
極の選定は電圧印加装置により印加される電位によって
決定される。
【0023】さらに別の本発明の複数被測定物質の濃度
測定が可能な濃度センサは、導電性ダイヤモンドを用い
た一番目の検出極と、導電性ダイヤモンド以外の材質を
用いた二番目の検出極と、対極と、参照極と、前記各電
極に電圧を印加する電圧印加装置とを有する。この濃度
センサにおいて、一番目の検出極または二番目の検出極
は、対極および/または参照極を兼用していてもよい。
【0024】導電性ダイヤモンドを用いた電極は、導電
性ダイヤモンド以外の材質の電極よりも水の電位窓が非
常に広いので、本発明の複数の物質の濃度を知ることが
できる濃度測定方法および濃度センサは、広範囲の各種
物質の電気化学反応を検出することが可能となる。ま
た、導電性ダイヤモンドを用いた電極は、残余電流が非
常に小さいので、本発明の複数の物質の濃度を知ること
ができる濃度測定方法および濃度センサは、S/N比が
良く、感度が高い。
【0025】
【発明の実施の形態】被測定物質が単独の場合の本発明
の濃度を求める測定方法は次の、基本測定原理に示す方
法による。
【0026】複数の被測定物質が複数種類の場合の本発
明の各濃度を求める測定方法は、次の単独種類の物質の
測定原理を変化させて複数の被測定物質の測定に適合さ
せた、測定パターンI、測定パターンII、測定パターン
III に大きく分けられる。また、複数の被測定物質の各
濃度を求める方法は、測定パターンI、測定パターンI
I、測定パターンIII を組み合わせてもよい。複数の測
定パターンを組み合わせることにより、3成分系以上の
被測定物質の各濃度を求めることが可能となる。
【0027】基本測定原理(単独種類の物質の測定原
理): 基本測定原理は被測定物質Aのみが含まれる試料中の被
測定物質Aの濃度を求める方法であり、この基本測定原
理は、本発明の複数被測定物質A、B等の濃度測定方法
に利用される基本要素である。
【0028】基本測定原理の電極反応を行うのに使用さ
れる電気化学測定装置(即ち、濃度センサ)の基本構成
例を図13に示す。図13において、1は電解槽であ
り、該電解槽1中には被測定物質が含まれる電解液2が
収容されている。該電解液2には導電性ダイヤモンドの
薄膜が形成された検出極3と、電極の材質は問わない対
極4と、参照極5が浸されており、これらの各電極は、
ポテンシオスタット、乾電池、直流電源等の電圧を印加
できる装置であれば何でも良い電圧印加装置6から電圧
を印加できるように構成されている。
【0029】図1は被測定物質Aのみが含まれる試料に
対して、導電性ダイヤモンドを検出極に用いた図13に
示すような電気化学測定装置により電気化学反応を行っ
たときの、検出極における電流−電位曲線をパターン化
した概念的なグラフである。図1の電流−電位曲線は、
被測定物質Aの電極表面への拡散(供給)が律速である
領域における電位E1 の時の電流値はI1 であり、被測
定物質Aの電極表面での反応が律速になる位置での電位
2 、即ち、応答電流が一定でない領域の電位E2 の時
の電流値I2 を示す。
【0030】図2は、電位E1 および電位E2 における
物質濃度と応答電流の関係を予め求めて作製した検量線
を示す。なお設定電位の値は、目的物質が反応する電位
であればいずれでも良いが、該物質の電極表面への拡散
が律速になり、応答電流がほぼ一定になる領域の電位を
選択することが、測定誤差を小さくする上で、特に好ま
しい。
【0031】図1において、電位E1 の時の電流値I1
が得られたとすると、図2の曲線E 1 の検量線から被測
定物質Aの濃度CA を求めることができる。なお、設定
電位E1 は、応答電流がほぼ一定になる電位領域である
ため、電流−被測定物質Aの濃度のグラフを得る実験を
安定して行える利点がある。しかしながら、該物質の電
極表面での反応が律速であり、応答電流が一定でない領
域の電位、例えばE2の時の電流値I2 を用いても、同
様に図2の曲線E2 の検量線から濃度CA を求めること
ができる。
【0032】また、ダイヤモンド電極は電位窓が広いの
で、検出極としてダイヤモンド電極を用いる本発明の濃
度測定法は、従来の白金等の既存の電極を用いた場合よ
りも、被測定物質の種類が飛躍的に増加する。またダイ
ヤモンド電極は残余電流(即ち、バックグラウンド電
流)が殆どなく、S/N比が高いので測定精度が高い。
【0033】測定パターンI(ダイヤモンド電極単独方
式の複数物質の測定パターン): 本測定パターンIは、被測定物質が複数種類、例えば、
被測定物質A、Bが存在する系において、検出極として
導電性ダイヤモンド電極を単独使用した電気化学測定装
置(即ち、濃度センサ)にて、電気化学反応を測定する
ことにより各被測定物質A、Bの濃度を求める方法であ
る。本測定パターンIは、検出極での被測定物質A、B
の酸化開始電位あるいは還元開始電位が離れている場合
に、それらの電位の差を利用した測定法である。
【0034】本測定パターンIの電極反応を行うのに使
用される電気化学測定装置の基本構成例には、前記基本
測定原理に使用される装置と同じ図13に示す電気化学
測定装置が使用できる。
【0035】図3は被測定物質A、Bの両方が含まれる
試料に対して、上記電気化学測定装置にて電気化学反応
を行ったときの、検出極における電流−電位曲線をパタ
ーン化した概念的なグラフである。図3の電流−電位曲
線において、曲線A+Bは、検出極にて測定された結果
に基づき作成された電流−電位曲線をパターン化した概
念的なグラフを示す。
【0036】被測定物質A、Bの両方が含まれる試料に
ついて得られた図3の電流−電位曲線A+Bは、被測定
物質Aと被測定物質Bとの測定結果の和として示されて
いる。なお、被測定物質Aの電流−電位曲線Aは、予め
行った測定により図3の曲線Aであることが示されてい
る。また被測定物質Bの電流−電位曲線Bは、同様に図
3の曲線Bであることが示されている。図3において、
電位E1 においては物質Bの電流値はゼロであり、得ら
れる電流値は被測定物質Aのみによる電極表面での反応
の結果である。また、電位E2 においては、得られる電
流値は被測定物質Aと被測定物質Bとの電極表面での反
応の結果の和である。
【0037】したがって、被測定物質Aについて電位E
1 における、電流−被測定物質A濃度の検量線と、被測
定物質Aについて電位E2 における、電流−被測定物質
A濃度の検量線を予め作成しておき、次いで、被測定物
質A,Bが存在する系で、ダイヤモンド電極を動作さ
せ、電位E1 の時の電流値I1 が得られたとすると、酸
化電流値I1 は被測定物質Aの酸化電流値I1Aのみであ
るため、前記基本測定原理で説明したように予め図4に
示す酸化電流値と被測定物質Aの濃度との関係の検量線
を作成しておくことにより、該検量線から被測定物質A
の濃度CA が決定できる。次いで、先に求めた被測定物
質Aの濃度CA の電位E2 における電流値I2Aを図4の
検量線から求め、該電流値I2Aを電流値I2 から差し引
くことにより、電位E2 における被測定物質Bの電流値
2Bを得ることができる。次いで、被測定物質Bについ
て予め作成しておいた、図5に示す酸化電流値と被測定
物質Bの濃度との関係の検量線の電位E2 における、電
流−被測定物質B濃度の検量線から電流値I2Bに基づく
被測定物質Bの濃度CB を得ることができる。
【0038】測定パターンII(ダイヤモンド電極とその
他の電極の併用方式の複数物質の測定パターン): 本測定パターンIIは、検出極として、導電性ダイヤモン
ドを使用した電極と導電性ダイヤモンド以外の材質を使
用した電極を検出極として両方併用した場合の電気化学
測定装置にて、例えば、被測定物質A、Bについて電気
化学反応を測定することにより各被測定物質A、Bの濃
度を求める方法である。本測定パターンIIは、被測定物
質A、Bの酸化特性が導電性ダイヤモンド以外の材質の
電極、例えば、白金電極でほぼ類似し、一方、ダイヤモ
ンド電極では被測定物質A,Bの酸化電位が離れている
か、または一方の酸化しか起こらない場合に適用できる
測定法である。
【0039】図14は本測定パターンIIに従った複数被
測定物質の濃度測定に用いることができる本発明の電気
化学測定装置(即ち、濃度センサ)である。図14にお
いて、被測定物質A、Bを含む電解液12が収容されて
いる電解槽11には、第1電圧印加装置161に繋がっ
ている導電性ダイヤモンド電極からなる第1検出極13
1と第1対極141と第1参照極151からなる電極グ
ループ(i)と、該電極グレープ(i)とは別のグルー
プの第2電圧印加装置162に繋がっている導電性ダイ
ヤモンド以外の材質の電極、例えば、白金電極からなる
第2検出極132と、第2対極142と、第2参照極1
52からなる電極グループ(ii)が浸漬されている。
【0040】図14に示す電気化学測定装置において、
被測定物質A,Bが存在する系で、電極グループ(i)
と電極グループ(ii)を同様に作動させた場合、電極グ
ループ(ii)の白金電極からなる第2検出極132にお
いては、被測定物質AとBの電流−電位曲線は図6に示
す電流−電位曲線A+Bとなる。この電流−電位曲線A
+Bは、被測定物質Aの電流−電位曲線Aと、被測定物
質Bの電流−電位曲線Bの和となったものである。
【0041】本測定パターンIIは、導電性ダイヤモンド
以外の材質の第2検出極132での、各被測定物質Aお
よびBの各曲線の変異位置が同様であり、変化曲線が同
様なカーブとなっている場合であって、且つ他方の電極
グループ(i)のダイヤモンド電極からなる第1検出極
131においては、被測定物質AとBの電流−電位曲線
は図7に示す曲線A+Bとなり、前記測定パターンIで
説明した図3の被測定物質AとBの各曲線と同じカーブ
となっている場合に本測定パターンIIは適用できる。
【0042】したがって、電極グループ(i)と電極グ
ループ(ii)に同じ電位Eを印加したとき、第2検出極
132では図6に示すように、酸化電流値IPtが測定さ
れ、一方、ダイヤモンド電極からなる第1検出極131
では図7に示すように酸化電流値ID が測定される。酸
化電流値ID は被測定物質Aの酸化電流値IDAのみであ
るため、予め被測定物質Aについて作成された図8の白
金電極およびダイヤモンド電極における応答電流値と被
測定物質Aの濃度との関係の検量線から、被測定物質A
の濃度CA が決定できる。
【0043】また白金電極上で電位Eで測定される酸化
電流値IPtは、被測定物質Aの酸化電流値IPtA と被測
定物質Bの酸化電流値IPtB の和であるので、図7の電
流−電位曲線から得られた電位Eの被測定物質Aの酸化
電流値IDAを酸化電流値IPtから差し引いたものは、被
測定物質Bの酸化電流値IPtB に相当する。したがっ
て、予め被測定物質Bについて作成された、白金電極に
おける応答電流値と被測定物質Bの濃度との関係を示す
図9の検量線から、被測定物質Bの濃度CB が決定でき
る。
【0044】本測定パターンIIは、前記の測定パターン
I(ダイヤモンド電極単独方式の複数物質の測定パター
ン)と同様に、ダイヤモンド電極で被測定物質A、Bの
酸化電位が離れていることを利用するため、基本的には
測定パターンIの複数物質の測定法で代用することが可
能である。しかしながら本測定パターンIIは低電位側の
電位1点のみを用いれば良いため、何らかの理由で高電
位を印加できない系に対して、特に有効な測定手段であ
る。
【0045】なお、本測定パターンIIを行う装置は、前
記図14に示す装置の外に、図15に示すような、導電
性ダイヤモンドの検出極兼対極134と、導電性ダイヤ
モンド以外の材質の対極兼検出極144と、参照極15
からなる単純化された電極グループを含む電気化学測定
装置(濃度センサ)を用いることができる。図15の電
気化学測定装置は、図14に示す電気化学測定装置にお
ける複数の電極グループを廃止して一つの単純化したグ
ループとし、参照極15を共通化し、さらに導電性ダイ
ヤモンドの検出極兼対極134と、導電性ダイヤモンド
以外の材質の対極兼検出極144の間で(例えば白金)
の電極間で符号を反転させられるように構成したもので
ある。
【0046】また、本測定パターンIIを行うことができ
る別の電気化学測定装置の構成例は、図16に示す構成
の装置が適用できる。図16において、導電性ダイヤモ
ンドの第1検出極131と、導電性ダイヤモンド以外の
材質の第2検出極132、例えば、白金電極とし、対極
14と参照極15からなる電極グループを電解液12中
に浸漬して濃度センサを構成することができる。図16
の濃度センサでは2種類の検出極に対して、対極14と
参照極15をそれぞれ一個に共通化させているので、濃
度センサの部品数を減らすことができ、省スペースとな
る。
【0047】測定パターンIII (ダイヤモンド電極単独
方式): 本測定パターンIII は、複数の被測定物質、例えば、被
測定物質AあるいはBのいずれか一方が、酸化および還
元電流の両方を与え、他は少なくとも片方しか与えない
場合、例えば、図10の電流−電位曲線となる場合に適
用できる測定パターンである。被測定物質A,Bが存在
する系で、導電性ダイヤモンドの電極を動作させ、図1
0の電流−電位曲線に示すように、電位E- の時の電流
値I- 、電位E+ の時の電流I+ が得られたとすると、
電流値I- は被測定物質Aの還元電流値I-Aのみである
ため、被測定物質Aについての応答電流値と被測定物質
Aの濃度の関係を示す図11の検量線から、被測定物質
Aの濃度CA が決定できる。また電流値I+ は被測定物
質Aの酸化電流値I+Aと、被測定物質Bの酸化電流値I
+Bの和であるが、I-Aより求められた被測定物質Aの濃
度CA に相当する電流値I+Aを、図11の検量線から求
めて差し引けば、残りの電流値I+Bは被測定物質Bに由
来するものとなる。同様にして、電位E+ における応答
電流値と被測定物質Bの濃度の関係を示す図12の検量
線を用いて被測定物質Bの濃度CB を求めることができ
る。
【0048】本測定パターンIII に利用可能な電気化学
測定装置の例には、例えば、図13に示すような構成の
電気化学測定装置を用いることができる。
【0049】その他の電気化学測定装置:上記各測定パ
ターンI〜III で示した電気化学測定装置以外にも、本
発明の全ての測定パターンに適用できる電気化学測定装
置には、図17及び図18に示すものが挙げられる。こ
れらの電気化学測定装置においては、対極と参照極とを
兼用させていることを特徴とし、図17の電気化学測定
装置では、一方の電極がダイヤモンド電極からなる検出
極13であり、他方の電極は対極兼参照極145であ
る。また、図18の電気化学測定装置では、一方の電極
がダイヤモンド電極からなる検出極兼対極兼参照極13
45であり、他方の電極はダイヤモンド電極以外の材
質、例えば、白金等の検出極兼対極兼参照極1346で
ある。図17及び図18の電気化学測定装置は、いずれ
も、対極の表面積が検出極よりもはるかに大きい系、例
えば、マイクロ電極を用いる場合に適している。
【0050】回転ディスク電極を用いた電気化学測定装
:図19は、本発明の濃度センサの一態様であり、検
出極に回転ディスク電極を用いた電気化学測定装置を示
す。図19において、31は電解槽であり、該電解槽3
1中には被測定物質が含まれる電解液32が収容されて
いる。該電解液32には導電性ダイヤモンドの薄膜が形
成され回転ディスクとなった検出極33(回転ディスク
電極)、対極34、及び参照極35が浸漬されている。
検出極33には、該電極を回転させるための回転駆動機
構37が連絡されている。これらの各電極は、ポテンシ
オスタット等の電圧印加装置36から電圧を印加できる
ように構成されている。
【0051】検出極33の先端を拡大した破線円の図面
において、検出極33の下面は、周囲が電気絶縁層39
で取り囲まれ、中央に導電性ダイヤモンドの薄膜からな
るダイヤモンド極38が形成され、該ダイヤモンド極3
8に前記回転駆動機構37に連絡されるリード部40が
つながっている。
【0052】マイクロ電極系電気化学測定装置:図20
は、本発明の濃度センサの一態様であり、導電性ダイヤ
モンドからなる検出極をマイクロ電極系とした電気化学
測定装置を示す。
【0053】図20の電気化学測定装置において、先端
は検出部50となっており、その拡大図を破線円で示
す。検出部50の中心に微小(マイクロ)な導電性ダイ
ヤモンド電極からなる検出極43を設け、白金電極等の
対極44には検出極43より表面積が十分に大きいもの
を用い、該検出極43と対極44の間は電気絶縁層49
が取り巻いており、マイクロ電極系電気化学測定装置の
検出部50を形成している。
【0054】該マイクロ電極系電気化学測定装置の他方
端には、検出部50の各電極に電圧を印加するための電
池等の電源(図示せず)、検出極43での測定値を元に
して演算制御する制御部51、および制御部51で得ら
れた結果を表示する表示部52が設けられている。
【0055】該マイクロ電極系電気化学測定装置を用い
て、被測定物質が含まれる電解液55を収容する容器5
3或いは試料板54上に滴下された電解液55の静止溶
液中で検出極43を作動させると、被測定物質の電極表
面への3次元的な拡散に基づく電流のみが流れ、高感度
かつ再現性の良いセンサ応答を得ることができる。
【0056】試料接触系電気化学測定装置:上記の本発
明の濃度センサの各態様の電気化学測定装置は、何れも
被測定物質が含まれる電解液中に各電極を浸漬して測定
するものであるが、次の図21〜図25に示される本発
明の濃度センサは、電極表面の面−液界面で起こる反応
を見る観点から構成されたものであり、電極の電解液中
への浸漬操作を必要としない、即ち、電極の少なくとも
一面が、電解液に単に接触する形態の電気化学測定装置
である。
【0057】図21は、参照極25、導電性ダイヤモン
ドを用いた検出極23および対極24が一列に配列さ
れ、各電極間は電気絶縁層271、272により隔離さ
れている構成の電気化学測定装置である。これらの電極
に対して、被測定物質が含まれる電解液22が各電極の
一面で接触した状態で測定が行われる。測定時には、各
電極に対して、電圧印加装置26から所定の電位が付与
される。
【0058】図22は、図21の電気化学測定装置にお
ける1個の検出極に変えて、導電性ダイヤモンドを用い
た検出極231と導電性ダイヤモンド以外の材質を用い
た検出極232の2個とし、それに伴い、電気絶縁層2
71、272、273をさらに増加した以外は、図21
と同様な構成の電気化学測定装置である。
【0059】図23は、図21の電気化学測定装置と各
電極配置は同じであるが、導電性ダイヤモンドを用いた
電極231と導電性ダイヤモンド以外の材質の電極23
2を設け、両方の符号を互いに反転させることができる
ようにしたものである。即ち、一方の電極が検出極であ
るときは他方の電極は対極とし、またその逆も可能とし
た。その他の構成は図21の電気化学測定装置と同様で
ある。図24は、電極を2つのみとし、一方は導電性ダ
イヤモンドを用いた検出極23と、他方は対極兼参照極
245とした以外は、図21の電気化学測定装置と同様
な電気化学測定装置である。このように、各電極機能を
兼用することにより、部品点数が減り、回路が単純化で
きる利点が生まれる。
【0060】図25は、電極を2つのみとし、一方は導
電性ダイヤモンドを用いた検出極兼対極兼参照極234
5とし、他方は導電性ダイヤモンド以外の材質の検出極
兼対極兼参照極2346とした以外は、図21の電気化
学測定装置と同様な電気化学測定装置である。このよう
に、各電極機能を兼用することにより、部品点数が減
り、回路が単純化できる利点が生まれる。
【0061】ダイヤモンド電極の作製:本発明の電気化
学測定装置に使用されるダイヤモンド電極の基体には、
例えば、シリコン、マンガン、バナジウム、タリウム、
アルミニウム、チタン、タングステン、モリブデン、ゲ
ルマニウムおよびクロム等の金属酸化物、窒化物および
炭化物、Al2O3-Fe系、TiC-Ni系、TiC-Co系およびB4C-Fe
系等のサーメタット並びに各種セラミックス等を挙げる
ことができる。
【0062】ダイヤモンドに導電性を付加するための不
純物には、例えば、B、Al、Ca、InおよびTl等
の周期律表第IIIb族元素やN 、P 、Sb、Bi等の周期律表
第Vb族元素を挙げることができる。これらの中でも好ま
しいのは、Bである。本発明の濃度センサの検出極に用
いることができるダイヤモンド薄膜電極の作製法は公知
のいかなる製造方法によって作成されたものでもよい。
例えば、次に示すマイクロ波プラズマCVD法によって
製造してもよい。
【0063】反応室内にn型シリコン単結晶(100)
等の基板を設置し、ここに水素を一定量、キャリアガス
として流す。このキャリアガスは、反応室に到達する前
に、酸化ホウ素を溶解させたアセトン/メタノール
(9:1)混合溶液中を通過しており、炭素、ホウ素を
含むものである。アセトン/メタノールはダイヤモンド
の炭素源になり、酸化ホウ素は不純物として含まれるホ
ウ素源になる。この状態で反応室内にマイクロ波を一定
条件で与えて、プラズマ放電を起こさせると、キャリア
ガス中の炭素源から炭素ラジカルが生成し、基板上にs
p3構造を保ったまま堆積して、ダイヤモンドの薄膜が
形成される。
【0064】成膜時間を変えることにより、ダイヤモン
ドの膜厚を制御することが可能である。ちなみに5kW
のマイクロ波を約10時間与えると、数10μm の膜厚
で最大数cm角サイズのダイヤモンドを形成することが
できる。また混合溶液中の炭素原子に対するホウ素原子
の割合を変えることにより、ダイヤモンド薄膜中のホウ
素の混入量を制御することが可能である。ホウ素の混入
量とダイヤモンドの抵抗値の間には相関があり、ホウ素
の混入量を増やすと、抵抗値が減少し、導電性を増加さ
せることができる。ちなみに混合溶液中の炭素原子に対
するホウ素原子の割合を1%程度に設定すると、0.0
01〜0.01Ωcm程度の比抵抗のダイヤモンド薄膜
を形成することができる。
【0065】さらに酸等の溶液中で基板を溶解して、ダ
イヤモンド薄膜単体として取り出すことも可能である。
このダイヤモンド薄膜に適当なリード線を、銀ペースト
等の手法により取り付けて、電極として使用する。
【0066】対極および参照極:本発明の電気化学的測
定装置に使用される導電性ダイヤモンド以外の電極材料
は、単体金属あるいは合金からなるグループ;金属酸化
物からなるグループ;半導体からなるグループ;炭素系
材料からなるグループ;および金属硫化物からなるグル
ープに属する材料が使用される。
【0067】単体金属あるいは合金からなるグループに
は、Ti、V、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、
Nb、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、Sn、Ta、
W、Os、Ir、 Pt、Au、Hg、Pb等の単体金
属とそれらを組合わせた組成の合金が具体的に挙げられ
る。
【0068】金属酸化物からなるグループには、TiO
2 、MnO2 、PbO2 、WO3 、ペロブスカイト酸化
物、ブロンズ酸化物、スピネル酸化物、パイロクロール
酸化物等が具体的に挙げられる。
【0069】半導体からなるグループには、Si、G
e、ZnO、CdS、TiO2 、GaAs等が具体的に
挙げられる。
【0070】炭素系材料からなるグループには、グラフ
ァイト、カーボンペースト、グラッシーカーボン、HO
PG(高配向性熱分解グラファイト)等が具体的に挙げ
られる。
【0071】金属硫化物からなるグループには、RuS
2 、PdS、PdS2 、CdS、In2 3 、Os
2 、CoS2 、PbS、NiS2 、MoS2 等が挙げ
られる。
【0072】本発明の電気化学的測定装置に使用される
導電性ダイヤモンド以外の電極材料は、その電極界面に
単体金属、合金、無機化合物、有機化合物、高分子化合
物、生体関連物質等が、単層あるいは複数層修飾されて
いても良い。修飾方法は電解メッキ、無電解メッキ、蒸
着、スパッタ等の物理修飾、あるいは吸着、共有結合等
の化学修飾等の中から適当な方法を選択する。
【0073】参照極に使用される材料は、電位を安定に
するものならば何を用いても良いが、好ましくは、例え
ば可逆水素電極、銀・塩化銀電極、飽和カロメル電極等
が用いられる。また対極は白金、グラッシーカーボン、
ダイヤモンド等、高耐食性の材料が通常用いられる。
【0074】電流−電位曲線の測定:前記「ダイヤモン
ド電極の作製」の手法により作製したダイヤモンド電極
を検出極とし、また比較のため白金電極を検出極とし
て、電位スイープ法により種々の反応系での電流−電位
曲線を測定する。具体的には、図13に示す構成の電解
セル中で、被測定物質を含むリン酸緩衝液(pH7.0
に設定されたもの)からなる電解液等を用いて、参照極
に対するダイヤモンドの電位を制御し、電位を50mV
/secの速度でスイープしながら応答電流をモニター
することにより、電流−電位曲線を得る。このような手
法により得られた、各種物質存在下における電流−電位
曲線を図33〜図44に示す。
【0075】図33は、検出極として白金を用い、H2
2 を+1mM含有させた電解液とH2 2 を含有させ
ていない電解液についての電流密度−電位のグラフを示
す。
【0076】図34は、検出極に導電性ダイヤモンドを
使用した以外は図33について説明した条件と同じよう
にして得た電流密度−電位のグラフを示す。
【0077】図35は、検出極として白金を用い、アス
コルビン酸を+1mM含有させた電解液とアスコルビン
酸を含有させていない電解液についての電流密度−電位
のグラフを示す。
【0078】図36は、検出極に導電性ダイヤモンドを
使用した以外は図35について説明した条件と同じよう
にして得た電流密度−電位のグラフを示す。
【0079】図37は、検出極として白金を用い、尿酸
を+1mM含有させた電解液と尿酸を含有させていない
電解液についての電流密度−電位のグラフを示す。
【0080】図38は、検出極に導電性ダイヤモンドを
使用した以外は図37について説明した条件と同じよう
にして得た電流密度−電位のグラフを示す。
【0081】図39は、検出極として白金を用い、グル
コースを+1mM含有させた電解液とグルコースを含有
させていない電解液についての電流密度−電位のグラフ
を示す。
【0082】図40は、検出極に導電性ダイヤモンドを
使用した以外は図39について説明した条件と同じよう
にして得た電流密度−電位のグラフを示す。
【0083】図41は、検出極として白金を用い、メタ
ノールを+1mM含有させた電解液とメタノールを含有
させていない電解液についての電流密度−電位のグラフ
を示す。
【0084】図42は、検出極に導電性ダイヤモンドを
使用した以外は図41について説明した条件と同じよう
にして得た電流密度−電位のグラフを示す。
【0085】図43は、検出極として白金を用い、酸素
が含有される電解液と酸素が含有されていない電解液に
ついての電流密度−電位のグラフを示す。
【0086】図44は、検出極に導電性ダイヤモンドを
使用した以外は図43について説明した条件と同じよう
にして得た電流密度−電位のグラフを示す。
【0087】図33〜図44に示すグラフにおける結果
は、全て、電極サイズを考慮しなくて良いように、電流
絶対値ではなく電流密度を用いている。
【0088】回転ディスク電極を用いた電流−電位曲線
の測定:前記電流−電位曲線の測定に、検出極に回転デ
ィスクダイヤモンド電極を用いた電気化学測定装置を用
い、ダイヤモンド電極を検出極として電位スィーブ法に
より種々の反応系での電流−電位曲線を測定する。この
様な手法により得られた、各種物質存在下における電流
−電位曲線を図47〜図59に示す。
【0089】図47は、図19の電気化学測定装置にお
ける検出極に回転ディスクダイヤモンド電極を用いた電
気化学測定装置を用い、尿酸を+0.2mM含有させた
リン酸緩衝液と尿酸を含有させていないリン酸緩衝液中
で測定した電流密度−電位曲線を示す。検出極の回転数
は2000rpmである。
【0090】図48は、図19の電気化学測定装置にお
ける検出極に回転ディスクダイヤモンド電極を用いた電
気化学測定装置を用い、過酸化水素を+10mM含有さ
せたリン酸緩衝液と過酸化水素を含有させていないリン
酸緩衝液中で測定した電流密度−電位曲線を示す。検出
極の回転数は2000rpmである。
【0091】図49は、図19の電気化学測定装置にお
ける検出極に回転ディスクダイヤモンド電極を用いた電
気化学測定装置を用い、尿酸を0.4mM、過酸化水素
を+4mM含有させたリン酸緩衝液と過酸化水素を含有
させていないリン酸緩衝液中で測定した電流密度−電位
曲線を示す。検出極の回転数は2000rpmである。
【0092】図50は、図19の電気化学測定装置にお
ける検出極に回転ディスクダイヤモンド電極を用いた電
気化学測定装置を用い、牛の血清を1.5vol.%含
有させたリン酸緩衝液と、牛の血清を1.5vol.
%、尿酸+0.08mM含有させたリン酸緩衝液中で測
定した電流密度−電位曲線を示す。検出極の回転数は2
000rpmである。
【0093】図51は、図19の電気化学測定装置にお
ける検出極に回転ディスクダイヤモンド電極を用いた電
気化学測定装置を用い、アスコルビン酸を+1mM含有
させたリン酸緩衝液とアスコルビン酸を含有させていな
いリン酸緩衝液中で測定した電流密度−電位曲線を示
す。検出極の回転数は2000rpmである。
【0094】図52は、図19の電気化学測定装置にお
ける検出極に回転ディスクダイヤモンド電極を用いた電
気化学測定装置を用い、グルコースを+5mM含有させ
たリン酸緩衝液とグルコースを含有させていないリン酸
緩衝液中で測定した電流密度−電位曲線を示す。検出極
の回転数は1000rpmである。
【0095】図53は、電解液に0.5Mの硫酸と0.
5Mの硫酸にグルコースを+5mM含有させた電解液を
使用した以外は図52の場合と同じ測定方法による電流
密度−電位曲線を示す。
【0096】各種被測定物質の検量線の作成:前記「電
流−電位曲線の測定」の手法で作成した電流−電位曲線
を基にして、各種物質濃度と適当な電位における応答電
流の関係を求め、検量線を作成した。なお設定電位の値
は、目的物質が反応する電位であればいずれでも良い
が、該物質の電極表面への拡散が律速になり、応答電流
がほぼ一定になる電位領域が、誤差が生じにくく、特に
好ましい。さらに共存物質の影響を考慮して、最終的に
電位を決定する。
【0097】例えば、ダイヤモンド電極を検出極とし、
電解液としてリン酸緩衝液(pH7.0)に1mMのア
スコルビン酸を含有したものと、含有させないものの2
種類を用いた図36の電流−電位曲線に示されるよう
に、ダイヤモンド電極上でアスコルビン酸は、+0.8
V付近から酸化され始め、1〜2Vの電位領域でほぼ一
定の酸化電流が流れる。この領域で例えば電位を1.5
Vに設定した時の応答電流は、アスコルビン酸の濃度に
依存して変化し、その時の応答電流とアスコルビン酸濃
度の間には、少なくとも0〜10mMの濃度領域で、図
29に示す電流−アスコルビン酸濃度の検量線(図29
の■プロット参照)が得られ、該検量線は応答電流とア
スコルビン酸濃度が直線的な比例関係となっている。ま
た、過酸化水素やグルコースとの共存下での測定を想定
して、過酸化水素やグルコースが酸化する電位、例え
ば、+2.5Vにおける電流検量線も作成した(図29
の▲プロット参照)。
【0098】上記手法と同様の手法により、白金電極上
と、ダイヤモンド電極上で、それぞれ過酸化水素、アス
コルビン酸、尿酸、グルコースの各種物質の検量線を作
成し、それらを図26〜図32に示す。
【0099】図26は、白金電極を検出極とし、電解液
として各種濃度の過酸化水素を含んだリン酸緩衝液(p
H7.0)に対し、+1.5vにおける酸化電流値を求
めて得た、応答電流−過酸化水素濃度の検量線を示す。
【0100】図27は、ダイヤモンド電極を検出極と
し、電解液として各種濃度の過酸化水素を含んだリン酸
緩衝液(pH7.0)に対し、+2.5vにおける酸化
電流値および−0.7vにおける還元電流値を求めて得
た、応答電流−過酸化水素濃度の検量線を示す。
【0101】図28は、白金電極を検出極とし、電解液
として各種濃度のアスコルビン酸を含んだリン酸緩衝液
(pH7.0)に対し、+1.5vにおける酸化電流値
を求めて得た、応答電流−アスコルビン酸濃度の検量線
を示す。
【0102】図29は、ダイヤモンド電極を検出極と
し、アスコルビン酸についての+1.5vおよび+2.
5vにおける酸化電流値を求めて得た、応答電流−アス
コルビン酸濃度の検量線を示す。
【0103】図30は、白金電極を検出極とし、電解液
として各種濃度の尿酸を含んだリン酸緩衝液(pH7.
0)に対し、+1.5vにおける酸化電流値を求めて得
た、応答電流−尿酸濃度の検量線を示す。
【0104】図31は、ダイヤモンド電極を検出極と
し、電解液として各種濃度の尿酸を含んだリン酸緩衝液
(pH7.0)に対し、+1.5vおよび+2.5vに
おける酸化電流値を求めて得た、応答電流−尿酸濃度の
検量線を示す。
【0105】図32は、ダイヤモンド電極を検出極と
し、電解液として各種濃度のグルコースを含んだリン酸
緩衝液(pH7.0)に対し、+2.5vにおける酸化
電流値を求めて得た、応答電流−グルコース濃度の検量
線を示す。
【0106】本発明の濃度測定方法は、図33〜図44
に示す各種物質の電流密度−電位のグラフに示す応答特
性から、基本測定原理、測定パターンI〜III の単独に
よる測定方法、或いはこれらの測定方法を組み合わせる
ことにより、被測定物質を過酸化水素、アスコルビン
酸、尿酸、グルコース、メタノール、酸素等の各種物質
の単独或いは2種類以上の組み合わせとすることができ
る。
【0107】次に、検出極に回転ディスク電極を用いた
電気化学装置による各種被測定物質の検量線の作成を説
明する。検出極に回転ディスク電極を用いた電気化学装
置を使用する場合、検出極を一定の回転数で回転させた
状態で被測定物質の応答電流を測定し、検量線を作成す
る。検量線の作成手順は検出極を回転させる以外は、検
出極に回転ディスク電極を使用していない電気化学装置
の場合と同様である。
【0108】検出極を一定速度で回転させると被測定物
質の検出極表面への拡散が促進されるため、被測定物質
の拡散電流が増加し被測定物質の検出感度が向上する。
【0109】図54に、検出極に回転ディスクダイヤモ
ンド電極を用いた電気化学装置を使用し、電解液として
各種濃度の尿酸を含んだリン酸緩衝液(pH7.0)を
使用し、+1.5V及び+2.5Vにおける酸化電流を
求めて得た、応答電流−尿酸濃度の検量線を示す。
【0110】図55に、図54に示した尿酸濃度0.2
mMの時の応答電流と検出極の回転数の平方根の関係を
示す。
【0111】図56に、検出極に回転ディスクダイヤモ
ンド電極を用いた電気化学装置を使用し、電解液として
各種濃度の過酸化水素を含んだリン酸緩衝液(pH7.
0)を使用し、+2.5Vにおける酸化電流を求めて得
た、応答電流−過酸化水素濃度の検量線を示す。
【0112】図57に、検出極に回転ディスクダイヤモ
ンド電極を用いた電気化学装置を使用し、電解液として
各種濃度の過酸化水素を含んだリン酸緩衝液(pH7.
0)を使用し、−0.7Vにおける還元電流を求めて得
た、応答電流−過酸化水素濃度の検量線を示す。
【0113】図58に、検出極に回転ディスクダイヤモ
ンド電極を用いた電気化学装置を使用し、電解液として
各種濃度のアスコルビン酸を含んだリン酸緩衝液(pH
7.0)を使用し、+2.0Vにおける酸化電流を求め
て得た、応答電流−アスコルビン酸濃度の検量線を示
す。
【0114】図59に、図58に示した応答電流と検出
極の回転数の平方根の関係を示す。
【0115】
【実施例】上記の測定パターンI〜III の測定方法のい
ずれかを適用し、上記図26〜図32についての各種物
質についての検量線を用いて、以下に各複数物質が存在
する系における各物質の濃度を測定する具体的な実施例
を説明する。
【0116】〔実施例1〕過酸化水素とアスコルビン酸の測定(その1 ) 本実施例1は、測定パターンIを適用した、過酸化水素
とアスコルビン酸が含まれる試料についての2成分系の
測定方法に関する。
【0117】図34および図36の各電流密度−電位の
グラフに示すように、ダイヤモンド電極上で過酸化水素
およびアスコルビン酸の酸化は、各々+1.8Vおよび
+0.7Vから始まる。この差を利用して、あらかじめ
15mMの過酸化水素と約1mMアスコルビン酸を加え
た2成分系でダイヤモンド電極を動作させ、+1.5V
と+2.5Vの電位における応答電流I1 、I2 を求め
ると各々、0.13mAcm-2、2.57mAcm-2
なった。
【0118】I1 はアスコルビン酸に由来する電流であ
るため、図29に示すアスコルビン酸の検量線から、ア
スコルビン酸濃度は0.9mMと求められる。またI2
はアスコルビン酸と過酸化水素の酸化電流の和である
が、I1 より求められたアスコルビン酸濃度に相当する
電流を、図29のアスコルビン酸の検量線から求めると
0.24mAcm-2となり、この値を差し引くと、 2.57−0.24=2.33mAcm-2 となる。この電流値は過酸化水素に由来するので、図2
7の過酸化水素の検量線から、過酸化水素濃度は13.
7mMと求めることができる。したがって、アスコルビ
ン酸、過酸化水素共に、予め加えた濃度とほぼ一致し、
この本発明の測定方法を実際にセンサに適用する場合に
有効であることが確認できた。
【0119】〔実施例2〕過酸化水素とアスコルビン酸の測定(その2) 本実施例2は、測定パターンIIを適用した、過酸化水素
とアスコルビン酸が含まれる試料についての2成分系の
測定方法に関する。
【0120】図33および図34の各電流密度−電位の
グラフに示すように、過酸化水素の酸化の始まる電位は
白金電極とダイヤモンド電極で異なり、各々+0.8V
および+1.8Vである。これに対して、アスコルビン
酸の酸化は、図35および図36の各電流密度−電位の
グラフに示すように両電極ともにほぼ同じで、約0.7
Vから始まる。
【0121】この酸化特性の差を利用して、過酸化水素
とアスコルビン酸の2成分系で両電極を動作させ、例え
ば両電極に+1.5Vの電位を印加して、その時の応答
電流IPt、ID を求めると、ID はアスコルビン酸に由
来する電流であるので、予め作成した図29のアスコル
ビン酸の検量線からアスコルビン酸濃度が決定できる。
またIPtはアスコルビン酸と過酸化水素の酸化電流の和
であるので、ID より求めたアスコルビン酸濃度に対応
する電流を、図28に示すアスコルビン酸の検量線から
求めて差し引けば、得られた値は過酸化水素に由来する
電流値となる。したがって、同様に図26の過酸化水素
の検量線から過酸化水素濃度を求めることができる。
【0122】〔実施例3〕過酸化水素とアスコルビン酸の測定(その3) 本実施例3は、測定パターンIII を適用した、過酸化水
素とアスコルビン酸が含まれる試料についての2成分系
の測定方法に関する。
【0123】図34の電流密度−電位のグラフに示すよ
うに、ダイヤモンド電極上では過酸化水素の還元が+
0.2V以下で起こる。一方、図36の電流密度−電位
のグラフに示すように、アスコルビン酸の還元はほとん
ど起こらない。このことを利用して、過酸化水素とアス
コルビン酸の2成分系でダイヤモンド電極を動作させ、
例えば+1.5Vおよび−0.7Vの電位を印加してそ
の時の応答電流I+ およびI- を求めると、I+ はアス
コルビン酸の酸化に由来する電流であり、I- は過酸化
水素の還元に由来する電流であるから、得られた電流値
に基づき両物質の濃度を図27の過酸化水素の検量線お
よび図29のアスコルビン酸の検量線から求めることが
できる。
【0124】〔実施例4〕過酸化水素と尿酸の測定(その1) 本実施例4は、測定パターンIを適用した、過酸化水素
と尿酸が含まれる試料についての2成分系の測定方法に
関する。
【0125】図34、図38の各電流密度−電位のグラ
フに示すように、ダイヤモンド電極上で過酸化水素およ
び尿酸の酸化は、各々+1.8Vおよび+0.8Vから
始まる。この差を利用して、表題の2成分系でダイヤモ
ンド電極を動作させ、例えば+1.5Vおよび+2.5
Vの電位を印加してその時の応答電流I1 およびI2
求めると、I1 は尿酸に由来する電流であるので、図3
1の尿酸の検量線から尿酸濃度が決定できる。またI2
は尿酸と過酸化水素の酸化電流の和であるので、I1
り求められた尿酸濃度に対応する電流を、図31の尿酸
の検量線から求めて差し引けば、得られた値は過酸化水
素に由来する電流値となる。したがって、同様に図27
の過酸化水素の検量線から過酸化水素濃度を求めること
ができる。
【0126】〔実施例5〕過酸化水素と尿酸の測定(その2) 本実施例5は、測定パターンIIを適用した、過酸化水素
と尿酸が含まれる試料についての2成分系の測定方法に
関する。
【0127】図33および図34の各電流密度−電位の
グラフに示すように、過酸化水素の酸化の始まる電位は
白金電極とダイヤモンド電極で異なり、各々+0.8V
および+1.8Vである。これに対して、尿酸の酸化は
図37および図38の各電流密度−電位のグラフに示す
ように両電極ともにほぼ同じで、約0.8Vから始ま
る。
【0128】この酸化特性の差を利用して、過酸化水素
と尿酸の2成分系で両電極を動作させ、例えば両電極に
+1.5Vの電位を印加して、その時の応答電流IPt
Dを求めると、ID は尿酸に由来する電流であるの
で、予め作成した図31の尿酸の検量線から尿酸濃度が
決定できる。またIPtは尿酸と過酸化水素の酸化電流の
和であるので、ID より求められた尿酸濃度に対応する
電流を、図30に示す尿酸の検量線から求めて差し引け
ば、得られた値は過酸化水素に由来する電流値となる。
したがって、同様に図26の過酸化水素の検量線から過
酸化水素濃度を求めることができる。
【0129】〔実施例6〕過酸化水素と尿酸の測定(その3) 本実施例6は、測定パターンIII を適用した、過酸化水
素と尿酸が含まれる試料についての2成分系の測定方法
に関する。
【0130】図34の電流密度−電位のグラフに示すよ
うに、ダイヤモンド電極上では過酸化水素の還元が+
0.2V以下で起こる。一方、図38に示すように、尿
酸の還元はほとんど起こらない。このことを利用して、
過酸化水素と尿酸の2成分系でダイヤモンド電極を動作
させ、例えば+1.5Vおよび−0.7Vの電位を印加
してその時の応答電流I+ およびI- を求めると、I+
は尿酸の酸化に由来する電流であり、I- は過酸化水素
の還元に由来する電流であるから、両物質の濃度を図3
1の尿酸の検量線および図27の過酸化水素の検量線か
ら求めることができる。
【0131】〔実施例7〕グルコースの測定 本実施例7は、基本測定原理を適用した、グルコースの
みが含まれる試料についての1成分系の測定方法に関す
る。
【0132】図40に示すように、ダイヤモンド電極上
でグルコースの酸化は、約+2.2Vから始まる。この
ことを利用して、グルコースの1成分系でダイヤモンド
電極を動作させ、例えば+2.5Vの電位を印加してそ
の時の応答電流Iを求めると、Iはグルコースの酸化に
由来する電流であるので、図32に示す予め作成したグ
ルコース濃度と応答電流の関係の検量線から、グルコー
スの濃度を決定することができる。
【0133】測定可能な濃度範囲は、検出器の精度にも
依るが、少なくとも1〜10mMの間は確保され、血糖
値の正常値(約5〜6mM)はその範囲内に含まれるの
で、血糖値測定に利用できる。また回転ディスク電極等
の手法を用いて感度を向上させれば、さらに低濃度領域
まで測定範囲が広がる。
【0134】なお、図39の電流密度−電位のグラフに
示すように、既存の電極として白金電極を用いると、グ
ルコースの酸化反応において+1.6V以下の電位領域
では、ダイヤモンド電極ほど顕著な酸化電流は流れな
い。+1.6V以上の領域では、酸素発生に伴う電流が
大量に流れるため、グルコースを測定することは困難で
ある。
【0135】〔実施例8〕グルコースとアスコルビン酸の測定 本実施例8は、測定パターンIを適用した、グルコース
とアスコルビン酸が含まれる試料についての2成分系の
測定方法に関する。
【0136】図40および図36の各電流密度−電位の
グラフに示すように、ダイヤモンド電極上でグルコース
およびアスコルビン酸の酸化は、各々+2.2Vおよび
+0.7Vから始まる。この差を利用して、グルコース
とアスコルビン酸の2成分系でダイヤモンド電極を動作
させ、例えば+1.5Vと+2.5Vの電位を印加して
その時の応答電流I1 、I2 を求めると、I1 はアスコ
ルビン酸に由来する電流であり、予め作成した図29の
アスコルビン酸の検量線からアスコルビン酸濃度が決定
できる。
【0137】また、I2 はアスコルビン酸とグルコース
の酸化電流の和であるので、I1 より求められたアスコ
ルビン酸濃度に相当する電流を、図29のアスコルビン
酸の検量線から求めて差し引けば、得られた値はグルコ
ースに由来する電流値となる。したがって、同様に図3
2のグルコースの検量線を用いてグルコース濃度を求め
ることができる。測定可能な濃度範囲は、検出器の精度
にも依るが、少なくとも1〜10mMの間は確保され、
血糖値の正常値(約5〜6mM)はその範囲内に含まれ
るので、血糖値測定に利用できる。また回転ディスク電
極等の手法を用いて感度を向上させれば、さらに低濃度
領域まで測定範囲が広がる。
【0138】〔実施例9〕グルコースと尿酸の測定 本実施例9は、測定パターンIを適用した、グルコース
と尿酸が含まれる試料についての2成分系の測定方法に
関する。
【0139】図40と図38の各電流密度−電位のグラ
フに示すように、ダイヤモンド電極上でグルコースおよ
び尿酸の酸化は、各々+2.2Vおよび+0.8Vから
始まる。この差を利用して、グルコースと尿酸の2成分
系でダイヤモンド電極を動作させ、例えば、+1.5V
と+2.5Vの電位を印加してその時の応答電流I1
2 を求めると、I1 は尿酸に由来する電流であるの
で、予め作成した図31の尿酸の検量線から尿酸濃度が
決定できる。
【0140】またI2 は尿酸とグルコースの酸化電流の
和であるが、I1 より求められた尿酸濃度に相当する電
流を、図31の尿酸の検量線から求めて差し引けば、得
られた値はグルコースに由来する電流値となる。したが
って、同様に図32のグルコースの検量線を用いてグル
コース濃度を求めることができる。測定可能な濃度範囲
は、検出器の精度にも依るが、少なくとも1〜10mM
の間は確保され、血糖値の正常値(約5〜6mM)はそ
の範囲内に含まれるので、血糖値測定に利用できる。ま
た回転ディスク電極等の手法を用いて感度を向上させれ
ば、さらに低濃度領域まで測定範囲が広がる。
【0141】〔実施例10〕グルコース、過酸化水素およびアスコルビン酸の測定 本実施例10は、測定パターンIおよび測定パターンII
I を組み合わせた、グルコース、過酸化水素およびアス
コルビン酸の3成分系の測定方法に関する。
【0142】図40、図34および図36の各電流密度
−電位のグラフに示すように、ダイヤモンド電極上でグ
ルコース、過酸化水素、アスコルビン酸の酸化は各々+
2.2V、+1.8V、+0.7Vから始まる。一方、
過酸化水素の還元は+0.2V以下で起こるが、アスコ
ルビン酸、グルコースの還元はほとんど起こらない。
【0143】これらのことを利用して、グルコース、過
酸化水素およびアスコルビン酸の3成分系でダイヤモン
ド電極を動作させ、例えば+1.5V、+2.5V、−
0.7Vの電位を印加して、その時の応答電流I1 、I
2 、I- を求めると、I1 はアスコルビン酸に由来する
電流であるので、図29のアスコルビン酸の検量線から
アスコルビン酸濃度が決定できる。またI- は過酸化水
素の還元に由来する電流であるので、図27の過酸化水
素の検量線から過酸化水素濃度が決定できる。さらにI
2 はグルコースと過酸化水素およびアスコルビン酸の酸
化電流の和であるので、先に求められたアスコルビン
酸、過酸化水素濃度に相当する電流を、図29および図
27の各検量線から求めて差し引けば、得られた値はグ
ルコースに由来する電流値となる。したがって、同様に
図32のグルコースの検量線を用いてグルコース濃度を
求めることができる。
【0144】〔実施例11〕グルコース、過酸化水素および尿酸の測定 本実施例11は、測定パターンIおよび測定パターンII
I を組み合わせて、グルコース、過酸化水素および尿酸
の3成分系の測定方法に関する。
【0145】図40、図34および図38の電流密度−
電位のグラフに示すように、ダイヤモンド電極上でグル
コース、過酸化水素、尿酸の酸化は各々+2.2V、+
1.8V、+0.8Vから始まる。一方、過酸化水素の
還元は+0.2V以下で起こるが、尿酸、グルコースの
還元はほとんど起こらない。
【0146】これらのことを利用して、グルコース、過
酸化水素および尿酸の3成分系でダイヤモンド電極を動
作させ、例えば、+1.5V、+2.5V、−0.7V
の電位を印加して、その時の応答電流I1 、I2 、I-
を求めると、I1 は尿酸に由来する電流であるので、図
31の尿酸の検量線から尿酸濃度が決定できる。またI
- は過酸化水素の還元に由来する電流であるので、図2
7の過酸化水素の検量線から過酸化水素濃度が決定でき
る。さらにI2 はグルコースと過酸化水素および尿酸の
酸化電流の和であるので、先に求められた尿酸、過酸化
水素濃度に相当する電流を、図31および図27の各検
量線から求めて差し引けば、得られた値はグルコースに
由来する電流値となる。したがって、同様に図32のグ
ルコースの検量線を用いてグルコース濃度を求めること
ができる。
【0147】〔実施例12〕回転ディスク電極を用いた電気化学測定装置による濃度
測定 図19の検出極に回転ディスク電極を用いた電気化学測
定装置を用いて、神経伝達物質の一つであるドーパミン
を1mM含んだ0.1M HClO4 からなる電解液に
ついて、導電性ダイヤモンドを有する検出極を500〜
5,000rpmの高速回転させながら、スィープ速度
50mV/secで検出極上の電気化学反応を観察し
た。その結果、図45に示す電流値−電位のグラフを得
た。なお、電位は銀塩化銀電極に対する値である。
【0148】図45のグラフによれば、酸化電流は検出
極の回転数の平方根に比例して増加しており、このこと
は検出極を高速回転させることにより、被測定物質の応
答電流を増幅させることが可能であることを示す。
【0149】なお、図45のグラフに関して、検出極の
回転数の平方根と酸化電流の関係をプロットすると、図
46のような直線性が得られた。一方、残余電流は回転
数に依らず一定であるため、回転数を増加させること
で、ドーパミンの検出感度を高めることができる。
【0150】〔実施例13〕回転ディスクダイヤモンド電極を用いた尿酸の測定 本実施例13は、基本測定原理を適用した、尿酸が含ま
れる試料についての1成分系の測定に関する。
【0151】図47に示すように尿酸が含まれる試料の
場合、検出極として回転ディスクダイヤモンド電極を用
いると、応答電流が増幅され、検出感度を高められる。
検出極を2000rpmで回転させた場合、図54に示
すように10-4mMから室温での尿酸の水への溶解限界
である0.4mMまで尿酸酸化の拡散電流は尿酸濃度に
対して直線的に増加する。
【0152】このことを利用して、尿酸の1成分系で回
転ディスクダイヤモンド電極を動作させ、たとえば+
1.5Vの電位を印可してその時の応答電流Iを求める
と、Iは尿酸の酸化に由来する電流であるので、図54
に示す検量線から、尿酸の濃度を決定することができ
る。本実施例では応答電流−尿酸濃度の関係は比例関係
であるため、特に簡便で、応答電流Iに比例定数を掛け
ることで容易に尿酸の濃度の決定することができる。ま
た、印可する電位が+1.5Vから+2.5Vの範囲内
であれば応答電流の検量線は変化せず、電位に依存しな
い係数を用いることができる。
【0153】〔実施例14〕回転ディスクダイヤモンド電極を用いた過酸化水素と尿
酸の測定 本実施例14は、測定パターンIを適用した、過酸化水
素と尿酸が含まれる試料についての2成分系の測定に関
する。
【0154】図49に示すように尿酸と過酸化水素が含
まれる試料の場合、図47と図48の尿酸と過酸化水素
のそれぞれの応答電流の和の応答電流が得られる。図4
9の+1.5Vでの応答電流が0.4mAで、この電位
では尿酸の応答電流のみが得られ、過酸化水素の応答電
流がないことから、応答電流は尿酸のみに由来する電流
であり、図54の尿酸の検量線から、尿酸の濃度が0.
4mMと決定できる。
【0155】+2.5Vの+2.8mA応答電流Iは尿
酸の応答電流I1と過酸化水素の応答電流I2の和であ
る。+1.5Vでの尿酸の応答電流から、尿酸の濃度が
0.4mMと決定されるので、+2.5Vでの過酸化水
素に由来する応答電流I2はI−I1で求められ、本実
施例14では+2.4mAである。図56の過酸化水素
の検量線からこの試料の過酸化水素濃度は4mMと決定
される。
【0156】〔実施例15〕回転ディスクダイヤモンド電極を用いた過酸化水素と尿
酸の測定 本実施例15は、測定パターンIを適用した、過酸化水
素と尿酸が含まれる試料についての2成分系の測定に関
する。
【0157】図49に示すように尿酸と過酸化水素が含
まれる試料の場合、図47と図48の尿酸と過酸化水素
のそれぞれの応答電流の和の応答電流が得られる。図4
9の+1.5Vでの応答電流が0.4mAで、この電位
では尿酸の応答電流のみが得られ、過酸化水素の応答電
流がないことから、応答電流は尿酸のみに由来する電流
であり、図54の尿酸の検量線から、尿酸の濃度が0.
4mMと決定できる。
【0158】−0.7Vの応答電流は、尿酸の応答電流
がないことから、過酸化水素のみに由来する応答電流で
ある。−0.7Vでの過酸化水素に由来する応答電流は
本実施例15では−0.015mAで、図57の過酸化
水素の検量線からこの試料の過酸化水素濃度は4mMと
決定される。
【0159】〔実施例16〕牛血清を含んだ試料中での尿酸の測定 本実施例16は、基本測定原理を適用した、牛の血清と
尿酸が含まれる試料についての1成分系の測定に関す
る。
【0160】図50に示すように尿酸と血清が含まれる
試料の場合、図47の尿酸の応答電流と、血清中の種々
の成分の応答電流の和の応答電流が得られる。1.5v
ol.%の牛血清を含む試料の+2.0Vでの応答電流
I1と、1.5vol.%の牛血清と尿酸を含む試料の
応答電流I2の差I2−I1は、1.5vol.%の牛
血清を含む試料と、1.5vol.%の牛血清と尿酸を
含む試料の尿酸濃度の差に由来している。応答電流の差
は0.07mAで、図54の尿酸の検量線で応答電流−
尿酸濃度が比例系であることから、尿酸の濃度の差が
0.08mMと決定できる。
【0161】〔実施例17〕回転ディスクダイヤモンド電極を用いたアスコルビン酸
の測定 本実施例17は、基本測定原理を適用した、アスコルビ
ン酸が含まれる試料についての1成分系の測定に関す
る。
【0162】図59に示すようにアスコルビン酸が含ま
れる試料の場合、回転ディスクダイヤモンド電極を用い
ると、応答電流が増幅され、検出感度を高められる。さ
らに図58に示す通り、同一回転数における応答電流−
アスコルビン酸濃度の関係は比例関係にあり、アスコル
ビン酸の濃度の決定が簡便である。このことを利用し
て、アスコルビン酸の1成分系でダイヤモンドを動作さ
せ、たとえば+2.0Vの電位を印可してその時の応答
電流Iを求めると、Iはアスコルビン酸の酸化に由来す
る電流であるので、図58に示す検量線から、アスコル
ビン酸の濃度を決定することができる。本実施例17で
は応答電流−アスコルビン酸濃度の関係は比例関係であ
るため、特に簡便で、応答電流Iに比例定数を掛けるこ
とで容易にアスコルビン酸の濃度を決定することができ
る。
【0163】〔実施例18〕グルコースの測定 本実施例18は、基本測定原理を適用した、グルコース
が含まれる試料についての1成分系の測定に関する。
【0164】図52に示すように検出極に導電性ダイヤ
モンドを用い、電解液にグルコースが含まれる中性のリ
ン酸緩衝溶液を用いるとグルコースの酸化電流に由来す
る応答電流が得られる。しかし、図53に示すように検
出極に導電性ダイヤモンドを用い、電解液にグルコース
が含まれる酸性の硫酸溶液を用いるとグルコースの酸化
に由来する応答電流が増大する。図52の中性の試料で
は5mMグルコースの+3.0Vでの応答電流は+0.
7mA/cm2 であるが、図53の酸性の試料では5m
Mグルコースの+3.0Vでの応答電流は+18mA/
cm2 で、中性の試料の応答電流の25.7倍である。
従って、グルコース濃度を測定しようとする試料が中性
の場合でも硫酸等の酸性溶液で25.7倍以下の倍率で
希釈して電解液が酸性となるよう調製し、ダイヤモンド
を検出極に使用することで、応答電流が増幅される。そ
の結果、グルコースの検出感度が向上する。
【0165】
【発明の効果】本発明の濃度センサ及び濃度測定方法
は、各種物質の電流密度−電位のグラフに示す応答特性
から、基本測定原理、測定パターンI〜III の単独によ
る測定方法、或いはこれらの測定方法を組み合わせるこ
とにより、1種類以上の広範囲な被測定物質の組み合わ
せの各濃度測定が可能となる。
【0166】本発明の濃度センサは、電極表面に酵素・
微生物等の分子認識物質層、或いはナフィオン膜等の耐
久性に問題を残す層を特に必要としない。したがって、
例えば、ダイヤモンドの耐蝕性、耐久性等の特徴を損な
わない為、腐食性溶液中、高温、高圧等の極限環境下で
の利用における耐久性がある。
【0167】本発明の濃度センサおよび濃度測定方法
は、酸化領域および還元領域の広範囲な領域で測定が行
えるので、被測定物質の選択の幅が広い。
【0168】本発明の濃度センサおよび濃度測定方法
は、導電性ダイヤモンド電極のそれ以外の材質の電極と
異なる反応特性を利用するため、試料中の溶存酸素等の
妨害物質の影響が小さく、選択性の高い被測定物質の濃
度測定が可能となる。
【0169】本発明の濃度センサは検出極の微細加工お
よび表面の被覆・固定などを特に必要としないので、経
済性に優れ、また容易に作成することができる。
【0170】検出極に回転ディスクダイヤモンド電極を
用いた電気化学測定装置で複数物質の濃度を測定した場
合、検出極を一定速度で回転させると被測定物質の検出
極表面への拡散が促進されるため、被測定物質の拡散電
流が増加し被測定物質の検出感度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】被測定物質Aのみが含まれる試料に対して、導
電性ダイヤモンドを検出極に用いた電気化学測定装置に
より電気化学反応を行ったときの、検出極における電流
−電位曲線をパターン化した概念的なグラフである。
【図2】電位E1 および電位E2 における応答電流値と
被測定物質Aの濃度の関係を示す検量線である。
【図3】被測定物質A、Bの両方が含まれる試料に対し
て、電気化学反応を行ったときの検出極における電流−
電位曲線をパターン化した概念的なグラフである。
【図4】酸化電位E1 およびE2 における応答電流値と
被測定物質Aの濃度との関係を示す検量線である。
【図5】酸化電位E2 における応答電流値と被測定物質
Bの濃度の関係を示す検量線である。
【図6】被測定物質A、Bの両方が含まれる試料に対し
て、電気化学反応を行ったときの検出極における被測定
物質AとBの電流−電位曲線を示す。
【図7】被測定物質A、Bの両方が含まれる試料に対し
て、電気化学反応を行ったときの検出極における被測定
物質AとBの電流−電位曲線を示す。
【図8】白金電極とダイヤモンド電極における応答電流
値と被測定物質Aの濃度の関係を示す検量線である。
【図9】白金電極における応答電流値と被測定物質Bの
濃度との関係を示す検量線である。
【図10】被測定物質AおよびBが存在する系で、被測
定物質Aのみが酸化および還元電流の両方を与える場合
の検出極における電流−電位曲線をパターン化した概念
的なグラフである。
【図11】電位E+ と電位E- における応答電流値と被
測定物質Aの濃度の関係を示す検量線である。
【図12】電位E+ における応答電流値と被測定物質B
の濃度の関係を示す検量線である。
【図13】本発明の基本測定原理の電極反応を行うのに
用いることができる電気化学測定装置(即ち、濃度セン
サ)の基本構成例である。
【図14】測定パターンIIに従った複数被測定物質の濃
度測定を行うことができる本発明の電気化学測定装置
(即ち、濃度センサ)である。
【図15】測定パターンIIを行うことができる別の電気
化学測定装置の構成例である。
【図16】測定パターンIIを行うことができる別の電気
化学測定装置の構成例である。
【図17】本発明の全ての測定パターンに適用できる電
気化学測定装置の構成例を示す。
【図18】本発明の全ての測定パターンに適用できる電
気化学測定装置の構成例を示す。
【図19】本発明の濃度センサの一態様であり、検出極
に回転ディスク電極を用いた電気化学測定装置を示す。
【図20】本発明の濃度センサの一態様であり、導電性
ダイヤモンドからなる検出極および対極をマイクロ電極
系とした電気化学測定装置を示す。
【図21】本発明の濃度センサの一態様であり、電極の
電解液中への浸漬操作を必要としない、即ち、電極の少
なくとも一面が、電解液に単に接触する形態の試料接触
系電気化学測定装置を示す。
【図22】本発明の濃度センサの一態様であり、電極の
電解液中への浸漬操作を必要としない、即ち、電極の少
なくとも一面が、電解液に単に接触する形態の別の試料
接触系電気化学測定装置を示す。
【図23】本発明の濃度センサの一態様であり、電極の
電解液中への浸漬操作を必要としない、即ち、電極の少
なくとも一面が、電解液に単に接触する形態の別の試料
接触系電気化学測定装置を示す。
【図24】本発明の濃度センサの一態様であり、電極の
電解液中への浸漬操作を必要としない、即ち、電極の少
なくとも一面が、電解液に単に接触する形態の別の試料
接触系電気化学測定装置を示す。
【図25】本発明の濃度センサの一態様であり、電極の
電解液中への浸漬操作を必要としない、即ち、電極の少
なくとも一面が、電解液に単に接触する形態の別の試料
接触系電気化学測定装置を示す。
【図26】白金電極を検出極とし、過酸化水素について
の+1.5vにおける酸化電流値を求めて得た、応答電
流−過酸化水素濃度の検量線を示す。
【図27】ダイヤモンド電極を検出極とし、過酸化水素
についての+2.5vにおける酸化電流値および−0.
7vにおける還元電流値を求めて得た、応答電流−過酸
化水素濃度の検量線を示す。
【図28】白金電極を検出極とし、アスコルビン酸につ
いての+1.5vにおける酸化電流値を求めて得た、応
答電流−アスコルビン酸濃度の検量線を示す。
【図29】ダイヤモンド電極を検出極とし、アスコルビ
ン酸についての+1.5vおよび+2.5vにおける酸
化電流値を求めて得た、応答電流−アスコルビン酸濃度
の検量線を示す。
【図30】白金電極を検出極とし、尿酸についての+
1.5vにおける酸化電流値を求めて得た、応答電流−
尿酸濃度の検量線を示す。
【図31】ダイヤモンド電極を検出極とし、尿酸につい
ての+1.5vおよび+2.5vにおける酸化電流値を
求めて得た、応答電流−尿酸濃度の検量線を示す。
【図32】ダイヤモンド電極を検出極とし、グルコース
についての+2.5vにおける酸化電流値を求めて得
た、応答電流−グルコース濃度の検量線を示す。
【図33】検出極として白金を用い、H2 2 を+1m
M含有させた電解液とH2 2 を含有させていない電解
液についての電流密度−電位のグラフを示す。
【図34】検出極に導電性ダイヤモンドを使用した以外
は図33について説明した条件と同じようにして得た電
流密度−電位のグラフを示す。
【図35】検出極として白金を用い、アスコルビン酸を
+1mM含有させた電解液とアスコルビン酸を含有させ
ていない電解液についての電流密度−電位のグラフを示
す。
【図36】検出極として導電性ダイヤモンドを用いた以
外は図35について説明した条件と同じようにして得た
電流密度−電位のグラフを示す。
【図37】検出極として白金を用い、尿酸を+1mM含
有させた電解液と尿酸を含有させていない電解液につい
ての電流密度−電位のグラフを示す。
【図38】検出極として導電性ダイヤモンドを用いた以
外は図37について説明した条件と同じようにして得た
電流密度−電位のグラフを示す。
【図39】検出極として白金を用い、グルコースを+1
mM含有させた電解液とグルコースを含有させていない
電解液についての電流密度−電位のグラフを示す。
【図40】検出極として導電性ダイヤモンドを用いた以
外は図39について説明した条件と同じようにして得た
電流密度−電位のグラフを示す。
【図41】検出極として白金を用い、メタノールを+1
M含有させた電解液とメタノールを含有させていない電
解液についての電流密度−電位のグラフを示す。
【図42】検出極として導電性ダイヤモンドを用いた以
外は図41について説明した条件と同じようにして得た
電流密度−電位のグラフを示す。
【図43】検出極として白金を用い、酸素が含有される
電解液と酸素が含有されていない電解液についての電流
密度−電位のグラフを示す。
【図44】検出極として導電性ダイヤモンドを用いた以
外は図43について説明した条件と同じようにして得た
電流密度−電位のグラフを示す。
【図45】ドーパミンを含んだ電解液について、導電性
ダイヤモンドの検出極を高速回転させて、検出極上で電
気化学反応を観察した電流値−電位のグラフを示す。
【図46】図45のグラフに関して、検出極の回転数の
平方根と酸化電流の関係をプロットして得たグラフであ
る。
【図47】検出極に回転ディスクダイヤモンド電極を用
いた電気化学測定装置を用い、尿酸を+0.2mM含有
させたリン酸緩衝液と尿酸を含有させていないリン酸緩
衝液中で測定した電流密度−電位曲線を示す。
【図48】検出極に回転ディスクダイヤモンド電極を用
いた電気化学測定装置を用い、過酸化水素を+10mM
含有させたリン酸緩衝液と過酸化水素を含有させていな
いリン酸緩衝液中で測定した電流密度−電位曲線を示
す。
【図49】検出極に回転ディスクダイヤモンド電極を用
いた電気化学測定装置を用い、尿酸を0.4mM、過酸
化水素を+4mM含有させたリン酸緩衝液と過酸化水素
を含有させていないリン酸緩衝液中で測定した電流密度
−電位曲線を示す。
【図50】検出極に回転ディスクダイヤモンド電極を用
いた電気化学測定装置を用い、牛の血清を1.5vo
l.%含有させたリン酸緩衝液と、牛の血清を1.5v
ol.%、尿酸+0.08mM含有させたリン酸緩衝液
中で測定した電流密度−電位曲線を示す。
【図51】検出極に回転ディスクダイヤモンド電極を用
いた電気化学測定装置を用い、アスコルビン酸を+1m
M含有させたリン酸緩衝液とアスコルビン酸を含有させ
ていないリン酸緩衝液中で測定した電流密度−電位曲線
を示す。
【図52】検出極に回転ディスクダイヤモンド電極を用
いた電気化学測定装置を用い、グルコースを+5mM含
有させたリン酸緩衝液とグルコースを含有させていない
リン酸緩衝液中で測定した電流密度−電位曲線を示す。
【図53】電解液に0.5Mの硫酸と0.5Mの硫酸に
グルコースを+5mM含有させた電解液を使用した以外
は図52の場合と同じ測定方法による応答電流−尿酸濃
度の検量線を示す。
【図54】検出極に回転ディスクダイヤモンド電極を用
いた電気化学装置を使用し、電解液として各種濃度の尿
酸を含んだリン酸緩衝液(pH7.0)を使用し、+
1.5V及び+2.5Vにおける酸化電流を求めて得
た、応答電流−尿酸濃度の検量線を示す。
【図55】図54に示した尿酸濃度0.2mMの時の応
答電流と検出極の回転数の平方根の関係を示す。
【図56】検出極に回転ディスクダイヤモンド電極を用
いた電気化学装置を使用し、電解液として各種濃度の過
酸化水素を含んだリン酸緩衝液(pH7.0)を使用
し、+2.5Vにおける酸化電流を求めて得た、応答電
流−過酸化水素濃度の検量線を示す。
【図57】検出極に回転ディスクダイヤモンド電極を用
いた電気化学装置を使用し、電解液として各種濃度の過
酸化水素を含んだリン酸緩衝液(pH7.0)を使用
し、−0.7Vにおける還元電流を求めて得た、応答電
流−過酸化水素濃度の検量線を示す。
【図58】検出極に回転ディスクダイヤモンド電極を用
いた電気化学装置を使用し、電解液として各種濃度のア
スコルビン酸を含んだリン酸緩衝液(pH7.0)を使
用し、−0.7Vにおける還元電流を求めて得た、応答
電流−アスコルビン酸濃度の検量線を示す。
【図59】図58に示した応答電流と検出極の回転数の
平方根の関係を示す。
【符号の説明】
1,11,31 電解槽 2,12,22,32 電解液 3,13,23,33,43,231,232 検出
極 4,14,24,34,44 対極 5,15,25,35 参照極 6,16,26,36 電圧印加装置 27,39,49,271,272,273 電気絶
縁層 37 回転駆動機構 38 ダイヤモンド極 40 リード部 50 検出部 51 制御部 52 表示部 53 容器 54 試料板 55 電解液 131 第1検出極 132 第2検出極 134 検出極兼対極 141 第1対極 142 第2対極 144 対極兼検出極 145,245 対極兼参照極 151 第1参照極 152 第2参照極 161 第1電圧印加装置 162 第2電圧印加装置 1345,1346,2345,2346 検出極兼
対極兼参照極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 597108235 魚崎 浩平 北海道札幌市厚別区厚別東1条5丁目3− 27 (72)発明者 國松 敬二 北海道札幌市厚別区下野幌テクノパーク2 −3−6 イムラ・ジャパン株式会社内 (72)発明者 中田 俊秀 北海道札幌市厚別区下野幌テクノパーク2 −3−6 イムラ・ジャパン株式会社内 (72)発明者 斎藤 俊哉 北海道札幌市厚別区下野幌テクノパーク2 −3−6 イムラ・ジャパン株式会社内 (72)発明者 数田 真弓 北海道札幌市厚別区下野幌テクノパーク2 −3−6 イムラ・ジャパン株式会社内 (72)発明者 藤嶋 昭 神奈川県川崎市中原区中丸子710−5 (72)発明者 橋本 和仁 神奈川県横浜市栄区飯島町2073−2−D 213 (72)発明者 魚崎 浩平 北海道札幌市厚別区厚別東1条5丁目3− 27

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性ダイヤモンドを用いた検出極を用
    い、1種類の被測定物質が含まれる試料について前記検
    出極の電位を変化させることによって得られる応答電流
    の変化から、被測定物質の濃度を求めることを特徴とす
    る濃度測定方法。
  2. 【請求項2】 導電性ダイヤモンドを用いた検出極を一
    個または複数個用い、2種類以上の被測定物質が含まれ
    る試料について各被測定物質の反応電位の違いを利用し
    て、前記検出極の電位を変化させることによって得られ
    る応答電流の変化から、個々の被測定物質の濃度を求め
    ることを特徴とする濃度測定方法。
  3. 【請求項3】 前記反応電位の違いは、導電性ダイヤモ
    ンドを用いた電極上での複数種類の被測定物質の酸化あ
    るいは還元開始電位の違いである請求項2記載の濃度測
    定方法。
  4. 【請求項4】 前記反応電位の違いは、導電性ダイヤモ
    ンドを用いた電極上での複数種類の被測定物質の一方の
    みが酸化開始電位および還元開始電位の両方を有し、他
    の被測定物質は少なくとも一方しか有しないという違い
    である請求項2記載の濃度測定方法。
  5. 【請求項5】 導電性ダイヤモンドを用いた電極および
    導電性ダイヤモンド以外の材質の電極を各々検出極とし
    て用い、2種類以上の被測定物質が含まれる試料につい
    て同一被測定物質に対する材質の異なる検出極での反応
    電位の違いを利用して、同一電位における前記検出極の
    応答電流から、個々の被測定物質の濃度を求めることを
    特徴とする濃度測定方法。
  6. 【請求項6】 請求項3、4又は5記載の濃度測定方法
    を組み合わせることにより、2種類以上の被測定物質が
    含まれる試料について個々の被測定物質の濃度を求める
    ことを特徴とする濃度測定方法。
  7. 【請求項7】 導電性ダイヤモンドを用いた電極が回転
    された状態で電気化学的測定に使用される請求項1,
    2,3,4,5、または6記載の濃度測定方法。
  8. 【請求項8】 被測定物質が、イオン、無機化合物、有
    機化合物、高分子化合物、生体関連物質から選ばれたも
    のである請求項1、2、3、4、5、6、または7記載
    の濃度測定方法。
  9. 【請求項9】 導電性ダイヤモンドを用い且つ生体関連
    物質を含まない検出極と、対極と、参照極と、前記各電
    極に電圧を印加する電圧印加装置とを有する複数被測定
    物質の濃度測定が可能な濃度センサ。
  10. 【請求項10】 導電性ダイヤモンドを用いた電極と導
    電性ダイヤモンド以外の材質を用いた電極の組合せを検
    出極と対極の組合せとするか、或いは対極と検出極の組
    合せとする電極と、且つ参照極と、前記各電極に電圧を
    印加する電圧印加装置とを有する複数被測定物質の濃度
    測定が可能な濃度センサ。
  11. 【請求項11】 前記検出極と対極の選定は前記電圧印
    加装置により印加される電位によって決定される請求項
    10記載の濃度センサ。
  12. 【請求項12】 導電性ダイヤモンドを用いた一番目の
    検出極と、導電性ダイヤモンド以外の材質を用いた二番
    目の検出極と、対極と、参照極と、前記各電極に電圧を
    印加する電圧印加装置とを有する複数被測定物質の濃度
    測定が可能な濃度センサ。
  13. 【請求項13】 少なくとも1個の検出極が、回転ディ
    スク電極である請求項9、10、11または12記載の
    濃度センサ。
  14. 【請求項14】 少なくとも1個の検出極が、マイクロ
    電極である請求項9、10、11または12記載の濃度
    センサ。
  15. 【請求項15】 少なくとも一個の検出極が、対極およ
    び/または参照極を兼用している請求項9、10、11
    または12記載の濃度センサ。
  16. 【請求項16】 検出極に使用される前記導電性ダイヤ
    モンド以外の材質が、次のグループ: (1)単体金属あるいは合金からなるグループ; (2)金属酸化物からなるグループ; (3)半導体からなるグループ; (4)炭素系材料からなるグループ;および (5)金属硫化物からなるグループ から選ばれたもの、あるいはこれらの材質の表面を単体
    金属、合金、無機化合物、有機化合物、高分子化合物、
    生体関連物質から選ばれたもので修飾されたものである
    請求項9、10、11または12記載の濃度センサ。
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