JPH1183182A - 給湯器 - Google Patents

給湯器

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JPH1183182A
JPH1183182A JP24242897A JP24242897A JPH1183182A JP H1183182 A JPH1183182 A JP H1183182A JP 24242897 A JP24242897 A JP 24242897A JP 24242897 A JP24242897 A JP 24242897A JP H1183182 A JPH1183182 A JP H1183182A
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hot water
heat exchanger
valve
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Toshihisa Saito
寿久 斉藤
Hisayasu Watanabe
久恭 渡辺
Takeshi Inoue
剛 井上
Tetsuya Sato
徹哉 佐藤
Yasushi Komaki
裕史 駒木
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  • Instantaneous Water Boilers, Portable Hot-Water Supply Apparatuses, And Control Of Portable Hot-Water Supply Apparatuses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】流量制御弁を駆動するモーター部の共通化を図
りつつ、バイパス比を俊敏に変化させることと燃焼制御
と総流量制御との干渉を低減することを両立させ得る給
湯器を提供する。 【解決手段】熱交換器13側からの流量を調整する第1
の流量制御弁60と、バイパス管24を流れる給水の流
量を調整する第2の流量制御弁50の各弁体を駆動する
モーター部として同一のものをそれぞれ用い、第1の流
量制御弁60の弁体の移動する全行程距離を第2の流量
制御弁50のそれよりも長く設定する。これにより、第
2の流量制御弁50の開度の変化速度が第1の流量制御
弁60のそれより速くなり、バイパス比を素早く変化さ
せることと、総流量制御を比較的ゆっくりと行って燃焼
制御との干渉を避けることの両立を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱交換器からの湯
とバイパス管を通じて前記熱交換器を迂回させた給水と
を混合して出湯することのできる給湯器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から使用されている給湯器には、開
栓当初からできるだけ設定温度に近い温度の湯を出湯す
るため、通水の無い状態で熱交換器内の湯を予め所定の
高温に保温しておき、出湯を開始する際に熱交換器から
の湯とバイパス管を通じて熱交換器を迂回させた給水と
を混合して適正な温度の湯を出湯するようにしたものが
ある。
【0003】このような給湯器では、たとえば熱交換器
側からの湯の流量を調整する第1の流量制御弁とバイパ
ス管に設けた第2の流量制御弁とを備えるとともに、第
1の流量制御弁の開度と第2の流量制御弁の開度とを逆
方向に変化させ、バイパス比を短時間で大きく変更する
ようになっている。
【0004】また、出湯開始直後に意図しない熱い湯の
出ることを防止するため、出湯が停止したとき、第2の
流量制御弁を第1の流量制御弁よりも大きく開いた待機
状態に設定し、出湯当初、多量の給水が混合される状態
を形成している。出湯開始後は、第2の流量制御弁を次
第に絞って全閉状態とし、それ以後は、第1の流量制御
弁だけで総流量を制御している。
【0005】また、通常はこれら第1、第2の流量制御
弁を共通部品化しており、第1の流量制御弁が全開から
全閉に至るまでの時間と、第2の流量制御弁が全開から
全閉に至るまでの時間はほぼ等しくなっている。すなわ
ち、各弁の開度の変化速度(流量制御速度)は互いに等
しくなっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】出湯開始直後の湯温を
許容誤差範囲内に確実に収めるためには、できる限りバ
イパス比を俊敏に変化させる必要がある。一方、出湯温
度の制御は、通常、比較的俊敏に変化するバーナーの燃
焼量と第1の流量制御弁の流量の双方を制御して行うの
で、第1の流量制御弁の流量制御速度(開度の変化速
度)を速くすると、これら2つの制御における時定数が
近接して互いが干渉し、ハンチングが生じ適切な制御を
行い難くなる。
【0007】したがって、従来から使用されている給湯
器のように第1の流量制御弁と第2の流量制御弁の流量
制御速度を互いに等しくしたものでは、バイパス比を俊
敏に変化させることと、燃焼制御と総流量制御との干渉
を避けることとを両立させることが出来ないという問題
があった。
【0008】本発明は、このような従来の技術が有する
問題点に着目してなされたもので、バイパス比を俊敏に
変化させることと、燃焼制御と総流量制御との干渉を低
減することを両立し得る給湯器を提供すること、およ
び、その際各流量制御弁の部品の共通化により装置価格
の低減を図ることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存
する。 [1]熱交換器(13)からの湯とバイパス管(24)
を通じて前記熱交換器(13)を迂回させた給水とを混
合して出湯することのできる給湯器において、前記熱交
換器(13)側からの流量を調整する第1の流量制御弁
(60)と、前記バイパス管(24)を流れる給水の流
量を調整する第2の流量制御弁(50)とを備え、前記
第2の流量制御弁(50)の開度の変化速度を前記第1
の流量制御弁(60)の開度の変化速度よりも速い速度
に設定したことを特徴とする給湯器。
【0010】[2]熱交換器(13)からの湯とバイパ
ス管(24)を通じて前記熱交換器(13)を迂回させ
た給水とを混合して出湯することのできる給湯器におい
て、前記熱交換器(13)側からの流量を調整する第1
の流量制御弁(60)と、前記バイパス管(24)を流
れる給水の流量を調整する第2の流量制御弁(50)と
を備え、前記第1の流量制御弁(60)および前記第2
の流量制御弁(50)は、それらの弁体を駆動するモー
ター部(80)として同一のものをそれぞれ備えて成
り、前記第1の流量制御弁の弁体(64)がその全行程
距離を移動するために要する前記モーター部(80)の
出力軸の回転量が、前記第2の流量制御弁の弁体(5
4)がその全行程距離を移動するために要する前記モー
ター部(80)の出力軸の回転量よりも多いことを特徴
とする給湯器。
【0011】[3]熱交換器(13)からの湯とバイパ
ス管(24)を通じて前記熱交換器(13)を迂回させ
た給水とを混合して出湯することのできる給湯器におい
て、前記熱交換器(13)側からの流量を調整する第1
の流量制御弁(60)と、前記バイパス管(24)を流
れる給水の流量を調整する第2の流量制御弁(50)と
を備え、前記第1の流量制御弁(60)および前記第2
の流量制御弁(50)は、それらの弁体を駆動するモー
ター部(80)として同一のものをそれぞれ備えて成
り、前記第1の流量制御弁の弁体(64)の移動する全
行程距離が前記第2の流量制御弁(50)のそれよりも
長いことを特徴とする給湯器。
【0012】[4]前記熱交換器(13)からの湯と前
記バイパス管(24)からの給水との混合比を変化させ
るとき、前記第1の流量制御弁(60)と前記第2の流
量制御弁(50)とを互いの開度が逆方向に変化するよ
うに駆動することを特徴とする[1]、[2]または
[3]記載の給湯器。
【0013】前記本発明は次のように作用する。バイパ
ス管(24)に設けた第2の流量制御弁(50)の開度
の変化速度を熱交換器(13)側からの湯の流量を調整
する第1の流量制御弁(60)の開度の変化速度よりも
速い速度に設定する。たとえば、第2の流量制御弁の弁
体(54)を駆動するモーターを第1の流量制御弁(6
0)の弁体(64)を駆動するモーターよりも速い速度
のものを用いる。これにより、バイパス比を俊敏に変化
させることと、燃焼制御と総流量制御との干渉を低減す
ることを両立させることができる。
【0014】また、弁体を駆動するモーター部(80)
を共通部品化して第1の流量制御弁(60)と第2の流
量制御弁(50)とで同一のモーター部(80)をそれ
ぞれ採用するとともに、第1の流量制御弁の弁体(6
4)がその全行程距離を移動するために要するモーター
部(80)の出力軸回転量が、第2の流量制御弁の弁体
(54)がその全行程距離を移動するために要するモー
ター部(80)の出力軸回転量よりも大きい側に設定す
る。
【0015】その1つの例として、第1の流量制御弁の
弁体(64)の移動する全行程距離を第2の流量制御弁
(50)のそれよりも長く設定する。たとえば、第1の
流量制御弁(60)の全行程距離を第2の流量制御弁
(50)のそれの2倍に設定すると、第1の流量制御弁
(60)の開度が50%変化する時間で第2の流量制御
弁(50)の開度は100%変化する。このように、全
行程距離を移動するに要するモーター部(80)の回転
量を異ならしめることで、モーター部(80)の共通化
を図りつつ第2の流量制御弁(50)の開度の変化速度
を第1の流量制御弁(60)の開度の変化速度よりも速
くすることができる。
【0016】なお、熱交換器(13)からの湯とバイパ
ス管(24)からの給水との混合比を変化させるとき、
第1の流量制御弁(60)と第2の流量制御弁(50)
とを互いの開度が逆方向に変化するように駆動すること
で、バイパス比をより俊敏に変化させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の一実
施の形態を説明する。各図は本発明の一実施の形態を示
している。本発明にかかる給湯器10は、水栓あるいは
風呂の浴槽内へ給湯する機能と、浴槽内の湯を追い焚き
する機能と、設定温度の湯を目標水位まで浴槽に湯張り
する自動湯張り機能とを備えている。図1に示すよう
に、給湯器10は、燃焼室11を備えており、当該燃焼
室11の下部には、バーナー12が、燃焼室11の上部
には、バーナー12からの熱を給水等に伝える熱交換器
13がそれぞれ配置されている。
【0018】給湯器10は、いわゆる1缶2水路型であ
り、熱交換器13には給水を流すための給湯用パイプ2
1と、追い焚き用に浴槽内の水を循環させる追い焚き用
循環パイプ31の双方が通っており、熱交換器13はバ
ーナー12からの熱をこれら双方のパイプ21、31内
の流体へ伝えて加熱する機能を備えている。
【0019】給湯用パイプ21のうち熱交換器13の入
側へ通じる給水側流路21aと、熱交換器13の出側か
ら延びる出湯側流路21bの間には、固定バイパス路2
2と、第2の流量制御弁50の介挿されたバイパス路2
4が接続されている。熱交換器13で加熱された湯に、
固定バイパス路22、バイパス路24を通じて給水を混
合するとともに、バイパス比を、第2の流量制御弁50
によって制御し得るようになっている。また、給湯用パ
イプ21の出湯側流路21b側には、出湯の総流量やバ
イパス比を制御するための第1の流量制御弁60が設け
られている。
【0020】給湯用パイプ21の入口部および出口部の
近傍にはそれぞれ、通水の有無や通水量を検知するため
のフローセンサ26a、26bが設けられている。ま
た、給湯用パイプ21の入口部近傍には、給水の温度を
検知するための入水サーミスタ27が、熱交換器13の
出口部近傍には、加熱後の湯温を検知するための熱交サ
ーミスタ28が、さらに給湯用パイプ21の出口部近傍
には、出湯温度を検知するための出湯サーミスタ29が
それぞれ取り付けられている。また熱交換器13の給湯
フィンパイプのUベント部には水管サーミスタ28aを
設けてある。
【0021】追い焚き用循環パイプ31は、浴槽40内
の水を熱交換器13側へ戻す風呂戻パイプ部31aと、
熱交換器13で加熱後の湯を浴槽40へ送り出す風呂往
パイプ部31bとから構成されている。風呂戻パイプ部
31aの途中には循環ポンプ32と、風呂戻パイプ部3
1a内の通水の有無を検知する風呂流水スイッチ33が
設けられている。また、風呂流水スイッチ33の近傍に
は、浴槽40側から流入する湯の温度を検知するための
風呂温度サーミスタ34が取り付けてある。
【0022】給湯用パイプ21の出湯側流路21bと、
風呂戻パイプ部31aとは、注湯電磁弁35を備えた注
湯パイプ36で接続されており、熱交換器13で加熱さ
れた給水を注湯パイプ36を介して浴槽40へ注湯する
ことができるようになっている。
【0023】給排気は、燃焼ファン14によって燃焼室
11の下方側から給気を送風することによって強制的に
行われ、排気は燃焼室11の上部から排出されるように
なっている。バーナー12近傍には点火装置15を設け
てある。またバーナー12へ供給される燃焼ガスは、ガ
ス電磁弁16、元ガス電磁弁17、ガス切替弁18によ
ってオンオフ制御される。さらにバーナー12へ供給さ
れる燃焼ガスのガス量は、ガス比例弁19によって調整
される。
【0024】給湯器10は、バーナー12の燃焼制御や
第2の流量制御弁50、第1の流量制御弁60の開度
(流量)の制御のほか給湯器10の動作を統括的に制御
する制御部71と、風呂リモコン、メインリモコンなど
を含む操作部72とを備えている。図1には明示してい
ないが、制御部71には、第2の流量制御弁50、第1
の流量制御弁60、入水サーミスタ27、熱交サーミス
タ28。水管サーミスタ28a、出湯サーミスタ29、
各種電磁弁16〜19、フローセンサ26a、26b、
燃焼ファン14など給湯器10内の各種電装部品が接続
されている。なお、制御部71は、CPU(中央処理装
置)、ROM(リード・オンリ・メモリ)、RAM(ラ
ンダム・アクセス・メモリ)等を主要部とする回路で構
成されている。
【0025】図2は、第1の流量制御弁60の断面を表
している。第1の流量制御弁60は、流体の入口部61
と出口部62とを備えた水調ボディ63を備えている。
入口部61から出口部62へ流す流体の流量調整を行う
弁体64は、水調シャフト65を回動することによりそ
の軸方向に往動し、当該水調シャフト65を180度回
すことで全開の状態から全閉の状態まで(全行程)をほ
ぼ移動するようになっている。
【0026】図3、第2の流量制御弁50の断面を表し
ている。第2の流量制御弁50は、流体の入口部51と
出口部52とを備えた水調ボディ53を備えている。入
口部51から出口部52へ流す流体の流量調整を行う弁
体54は、水調シャフト55を回動することによりその
軸方向に往動し、当該水調シャフト55を90度回すこ
とで全開の状態から全閉の状態までの全行程をほぼ移動
するようになっている。なお、ここでは、水調シャフト
55、水調シャフト65が一定角度回転した際における
弁体54、弁体64の移動量は互いに等しく、弁体64
の移動する全行程距離が弁体54の移動する全行程距離
の2倍に設定されている。
【0027】図4は、第1の流量制御弁60および第2
の流量制御弁50に共通使用されるモーター部80の要
部断面を示している。モーター部80は、内部にモータ
ー81と減速ギア部82とを備えている。出力軸83
は、図中、下方を向いており、その端部は第1の流量制
御弁60、第2の流量制御弁50の水調シャフト65、
55をはめ込むための雌型形状部84を成している。
【0028】図5は、モーター部80の出力軸83の回
転角度と、第2の流量制御弁50、第1の流量制御弁6
0における流量(開度)との関係を示したものである。
第1の流量制御弁60は、モーター部80の出力軸83
が180度回転することによって、流量91が0%から
100%へ変化するのに対して、第2の流量制御弁50
は、モーター部80の出力軸83が90度回転した時点
でその流量92が100%に到達する。第2の流量制御
弁50と第1の流量制御弁60は、同一仕様のモーター
部80で駆動され、それらの出力軸83の回転速度は互
いに等しい。従って、第2の流量制御弁50の開度の変
化速度は第1の流量制御弁60のそれの約2倍になる。
【0029】図6は、第1の流量制御弁60と第2の流
量制御弁50とを並行して逆方向に駆動した場合におけ
るバイパス比の変化を示したものである。縦軸は、第2
の流量制御弁50と第1の流量制御弁60の流量を合計
したものに対する第2の流量制御弁50の流量の比率を
示している。
【0030】また横軸は、モーター部80の有する出力
軸83の回転量を示しており、ここでは、出力軸83が
180度回転する量を30ステップとして示している。
たとえば、第2の流量制御弁50と第1の流量制御弁6
0とがともに30ステップかけて全開から全閉の状態に
移行する場合には、バイパス比は実線93で示すように
変化する。すなわち、ステップ0の位置97では、第2
の流量制御弁50が全開かつ第1の流量制御弁60が全
閉の状態にあり(バイパス比100%)、第2の流量制
御弁50を駆動する出力軸83は閉方向に、第1の流量
制御弁60を駆動する出力軸83は開方向にそれぞれ1
80度(30ステップ)回転し終えたとき(位置9
8)、バイパス比は0%になる。
【0031】また、第2の流量制御弁50、第1の流量
制御弁60がともに90度(15ステップ)で全開状態
から全閉状態に変化する場合には、バイパス比は実線9
4で示すように変化する。このように全閉から全開まで
に要する出力軸83の回転量が、第2の流量制御弁50
と第1の流量制御弁60とで互いに等しい場合には、バ
イパス比は図示するように直線的に変化する。
【0032】一方、第2の流量制御弁50が90度(1
5ステップ)で全開から全閉まで変化し、第1の流量制
御弁60が全開から全閉まで180度(30ステップ)
で変化する場合には、実線95あるいは実線96で示す
ようにバイパス比が変化する。すなわち、第2の流量制
御弁50が全開で第1の流量制御弁60が全閉の状態
(97)から、第2の流量制御弁50を閉方向に第1の
流量制御弁60を開方向にそれぞれ同時に駆動すると、
各モーター部80の出力軸83が90度(ステップ0〜
ステップ15)回転する間に、バイパス比は、実線95
に示すように100%から0%に変化する。ステップ1
5からステップ30までの間は、第2の流量制御弁50
が全閉状態のままで、第1の流量制御弁60の開度が次
第に増加する。したがって、バイパス比は0%を維持し
ているが、総流量はこの間徐々に増加する。
【0033】また第1の流量制御弁60が全開で第2の
流量制御弁50が全閉の状態(98)から、第2の流量
制御弁50を開方向に第1の流量制御弁60を閉方向に
それぞれ同時に駆動すると、各モーター部80の出力軸
83が90度(30ステップ〜15ステップ)回転する
間に、バイパス比は、実線96に示すように0%から約
70%(位置99)へと変化する。これ以後、第2の流
量制御弁50は全開状態のままであるが、第1の流量制
御弁60が次第に閉じるので、徐々にバイパス比は10
0%に近づくことになる。
【0034】このように、第2の流量制御弁50の流量
制御速度(開度の変化速度)を大きくすることで、第1
の流量制御弁60の流量制御速度を現状(180度で全
開から全閉に変化する設定)のまま維持しつつ、バイパ
ス比を急峻に変化させることができる。
【0035】本給湯器10は、出湯開始当初からほぼ設
定温度の湯を出湯する機能を備えている。当該機能を実
現するため、出湯されない状態下で熱交換器13内の湯
を所定の高温に保温し、出湯開始時に給水をバイパス路
24を通じて混合し、設定温度まで湯温を下げて出湯す
るようになっている。また出湯開始当初、必要以上に高
温の湯が出ないように、出湯前の待機状態において予め
出湯開始時のバイパス比が大きくなるように第2の流量
制御弁50と第1の流量制御弁60の開度をそれぞれ設
定している。ここでは、第2の流量制御弁50を約70
%の開度に、第1の流量制御弁60を約30%の開度に
それぞれ設定して出湯を待機している。
【0036】出湯が開始すると、第2の流量制御弁50
を次第に全閉状態へ向けて絞り、第1の流量制御弁60
だけで総流量制御を行い得る状態に移行させるが、上述
のように第2の流量制御弁50の流量制御速度を第1の
流量制御弁60のそれよりも大きくしているので、第2
の流量制御弁50だけで総流量制御を行う、バイパス比
0%の状態へ短時間のうちに移行することができる。ま
た、バイパス比を素早く変化させることができるので、
出湯当初からほぼ設定温度の湯を出すことができる。
【0037】第2の流量制御弁50を全閉した後は、出
湯温度の制御は、バーナー12の燃焼量を調整する燃焼
制御と第1の流量制御弁60の流量を調整する総流量制
御の双方を用いて行われる。すなわち、設定温度よりも
出湯温度が高い場合には、バーナーの燃焼量を小さくす
ることと、第1の流量制御弁60の流量をあげることが
並行して行われる。ここで、バーナーの燃焼制御の時定
数と第1の流量制御弁60による流量制御の時定数が近
接すると、互いの制御が干渉してハンチングが起こり、
出湯温度を適切に制御することが難しくなる。
【0038】本実施の形態では、バイパス比を急峻に変
化させるために第2の流量制御弁50の流量制御速度だ
けを大きくし、第1の流量制御弁60の流量制御速度を
大きく設定していないので、比較的俊敏に変化するバー
ナーの燃焼制御と第1の流量制御弁60による総流量制
御との間で時定数の差を一定以上確保され、ハンチング
現象が起こり難く、出湯温度の制御を容易に行うことが
できる。
【0039】また、先にも述べたように、出湯が停止し
たとき、第2の流量制御弁50および第1の流量制御弁
60の開度をそれぞれ次回の出湯に備えて待機位置へ変
化させるが、出湯停止後、待機位置へ移行している最中
に出湯が再開された場合であっても、第2の流量制御弁
50の開度の変化速度が第1の流量制御弁60の開度の
変化速度より速いので、出湯再開当初に熱い湯の出るこ
とを防止することができる。
【0040】すなわち、第2の流量制御弁50の開度の
変化速度が第1の流量制御弁60の開度の変化速度より
速いので、待機位置へ移行中に出湯が再開されても、第
2の流量制御弁50の弁体の方が、第1の流量制御弁6
0の弁体よりも待機位置により近い位置まで移行してい
る可能性が高い。したがって、バイパス比の高い状態で
の出湯となり、意図しない熱い湯の出ることが防止され
る。
【0041】以上説明した実施の形態では、モーター部
80を共通化しつつ第2の流量制御弁50側の開度の変
化速度を第1の流量制御弁60のそれよりも大きくする
ために、第2の流量制御弁50の弁体54の全行程距離
を第1の流量制御弁60の弁体64の全行程距離よりも
大きくしたが、出力軸83の単位回転量に対する弁体5
4の移動量を、弁体64のそれよりも大きくするように
してもよい。
【0042】また、モーター部80を共通化せず、第2
の流量制御弁50を駆動するモーターを第1の流量制御
弁60を駆動するモーターよりその回転速度の高いもの
を用いるようにしてもよい。
【0043】さらに実施の形態では、第2の流量制御弁
50の開度の変化速度を第1の流量制御弁60の開度の
変化速度の2倍に設定したが、第2の流量制御弁50の
開度の変化速度が第1の流量制御弁60のそれよりも大
きい値であれば、開度の変化速度の比は例示したものに
限られない。
【0044】なお、実施の形態では1缶2水路型の給湯
器を例に説明したが、風呂の追い焚きと給湯とを個別の
熱交換器で行うものであってもよい。
【0045】
【発明の効果】本発明にかかる給湯器によれば、バイパ
ス管に設けた第2の流量制御弁の開度の変化速度を熱交
換器側からの湯の流量を調整する第1の流量制御弁の開
度の変化速度よりも速い速度に設定したので、バイパス
比を俊敏に変化させることと、燃焼制御と総流量制御と
の干渉を低減することを両立させることができる。
【0046】また、第2の流量制御弁の弁体がその全行
程距離を移動するのに要するモーター部の回転量を第2
の流量制御弁の弁体がその全行程距離を移動するのに要
するモーター部の回転量より小さくしたので、モーター
部の共通化を図りつつ第2の流量制御弁の開度の変化速
度を第1の流量制御弁の開度の変化速度よりも速くする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る給湯器を示す説明
図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る給湯器の有する第
1の流量制御弁を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る給湯器の有する第
2の流量制御弁を示す断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る給湯器の有する第
1の流量制御弁および第2の流量制御弁に共通使用され
るモーター部を示す説明図である。
【図5】モーター部の出力軸の回転角度に対する第2の
流量制御弁および第1の流量制御弁の開度の変化特性を
示す説明図である。
【図6】第2の流量制御弁と第1の流量制御弁とを逆方
向に並行して駆動した場合におけるバイパス比の変化を
示す説明図である。
【符号の説明】
10…給湯器 12…バーナー 13…熱交換器 21…給湯用パイプ 22…固定バイパス路 24…バイパス路 29…出湯サーミスタ 31…追い焚き用循環パイプ 50…第2の流量制御弁 54、64…弁体 55、65…水調シャフト 60…第1の流量制御弁 71…制御部 80…モーター部 83…出力軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 徹哉 神奈川県大和市深見台3丁目4番地 株式 会社ガスター内 (72)発明者 駒木 裕史 神奈川県大和市深見台3丁目4番地 株式 会社ガスター内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱交換器からの湯とバイパス管を通じて前
    記熱交換器を迂回させた給水とを混合して出湯すること
    のできる給湯器において、 前記熱交換器側からの流量を調整する第1の流量制御弁
    と、前記バイパス管を流れる給水の流量を調整する第2
    の流量制御弁とを備え、 前記第2の流量制御弁の開度の変化速度を前記第1の流
    量制御弁の開度の変化速度よりも速い速度に設定したこ
    とを特徴とする給湯器。
  2. 【請求項2】熱交換器からの湯とバイパス管を通じて前
    記熱交換器を迂回させた給水とを混合して出湯すること
    のできる給湯器において、 前記熱交換器側からの流量を調整する第1の流量制御弁
    と、前記バイパス管を流れる給水の流量を調整する第2
    の流量制御弁とを備え、 前記第1の流量制御弁および前記第2の流量制御弁は、
    それらの弁体を駆動するモーター部として同一のものを
    それぞれ備えて成り、 前記第1の流量制御弁の弁体がその全行程距離を移動す
    るために要する前記モーター部の出力軸の回転量が、前
    記第2の流量制御弁の弁体がその全行程距離を移動する
    ために要する前記モーター部の出力軸の回転量よりも多
    いことを特徴とする給湯器。
  3. 【請求項3】熱交換器からの湯とバイパス管を通じて前
    記熱交換器を迂回させた給水とを混合して出湯すること
    のできる給湯器において、 前記熱交換器側からの流量を調整する第1の流量制御弁
    と、前記バイパス管を流れる給水の流量を調整する第2
    の流量制御弁とを備え、 前記第1の流量制御弁および前記第2の流量制御弁は、
    それらの弁体を駆動するモーター部として同一のものを
    それぞれ備えて成り、 前記第1の流量制御弁の弁体の移動する全行程距離が前
    記第2の流量制御弁のそれよりも長いことを特徴とする
    給湯器。
  4. 【請求項4】前記熱交換器からの湯と前記バイパス管か
    らの給水との混合比を変化させるとき、前記第1の流量
    制御弁と前記第2の流量制御弁とを互いの開度が逆方向
    に変化するように駆動することを特徴とする請求項1、
    2または3記載の給湯器。
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