JPH1182781A - 定流量弁 - Google Patents

定流量弁

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JPH1182781A
JPH1182781A JP25754897A JP25754897A JPH1182781A JP H1182781 A JPH1182781 A JP H1182781A JP 25754897 A JP25754897 A JP 25754897A JP 25754897 A JP25754897 A JP 25754897A JP H1182781 A JPH1182781 A JP H1182781A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より確実な作動を実現することができ、さら
に、バネ等の部品点数を少なくしても作動すると共に、
水温との関係で流量を変化させないタイプの定流量弁と
同じ構造を維持したままで、水温との関係で流量を変化
させることができる定流量弁の提供を図る。 【解決手段】 流入口11と流出口12とを備えた弁箱
1と、この弁箱1内に摺動可能に収められた可動体3と
を備える。流体経路を、流入口11、可動体3に設けた
縮径部35、2次圧室b1、弁座13、流出口12の順
とする。可動体3は、弁座13に接近離反して弁の開度
を調整する弁部37と、1次圧室aに対する受圧面33
と、2次圧室b1に対する受圧面34とを備える。そし
て、1次圧室aに対する受圧面33と、2次圧室b1に
対する受圧面34が、弁部37より上流側に配位され、
この可動体3が弁の開度を開く方向に付勢されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、主として給湯器等の
配水管経路に配置される定流量弁の改良に関するもであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の定流量弁としては、
実公平7−51613号や特許第2529763号に記
載のものが知られている。これらは、図4に示すよう
に、流入口501と流出口502とを備えた弁箱503
と、この弁箱503内に収められた可動体504とを備
える。可動体504は、弁体505と、弁作動体506
とを備える。弁箱503は、流入口501側に弁室60
1を有すると共に、流出口側に2次圧室602とを有す
る。そして、この弁室601と2次圧室602とは、縮
径部603を介して連通されており、この縮径部603
の上流側に、弁座507が形成されている。可動体50
4の内、弁体505は弁室601内に配位され、弁作動
体506は2次圧室602内に配位されている。両者は
結合されていないが、弁体505は、弁室601内に配
位された第1バネ508によって、下流側に付勢されて
おり、弁作動体506は2次圧室602内に配位された
第2バネ509によって、上流側に付勢されており、両
バネ508,509の付勢によって、弁体505及び弁
作動体506は一体的に連動して摺動する。弁体505
は、弁座507に接近離反して弁の開度を調整する弁部
600を有し、また、弁作動体506は、その下流側の
面に、受圧面605を有する。そして、流出口502に
は、水の温度によって伸縮する感熱エレメント604が
配位され、この感熱エレメントの伸縮が、第2バネ50
9を介して、弁作動体506に伝えられるものである。
【0003】作動に際しては、流入口501から流入し
た水が、矢印R1に示すように、弁室601から縮径部
603を経て2次圧室602内に流入すると共に、矢印
R2に示すように、開いた弁座507と弁部600との
間から2次圧室602内に流入する。流量が増えて、弁
室601内の圧力が2次圧室602内よりも相対的に高
まると、弁作動体506及び弁体505が、下流側に移
動して、弁の開きを小さくする。他方、流量が減少する
と、逆に、弁室601内の圧力が2次圧室602内より
も相対的に低くなり、弁作動体506及び弁体505
が、上流側に移動して、弁の開きを大きくする。これに
よって、流水の定流量化が図られるものである。
【0004】また、水温が上昇すると、感熱エレメント
604が伸長し、この感熱エレメントの伸長が、第2バ
ネ509を介して、弁作動体506に伝えられ、流量が
増大するものである。この作動が、ガス湯沸器に適用さ
れることによって、供給される水の流量及び温度に係わ
らず、常に、一定の加熱温度の水を出すことができるこ
ととなる。
【0005】ところが、この定流量弁は、縮径部603
及び弁座507の下流側に2次圧室602が設けられて
いるため、可動体504を、弁体505と弁作動体50
6とに2分割せざるを得ず、両者を一体に可動させるた
めにも、2つのバネ508,509が必要となる。即
ち、弁座507に対しては、弁座507よりも大きな弁
部600が上流側から当接し、他方、縮径部603及び
弁座507よりも下流側の2次圧室602内には、その
圧力を受けて作動するための充分な大きさの受圧面60
5を備えた弁作動体506を配位する必要がある。その
結果、上流側には弁体600を、下流側には弁作動体5
06をと言うように、弁座を挟んで、それより大きな部
材を、上流側と下流側とに配位せざるを得なくなる。こ
のような弁体600及び弁作動体506を弁箱内に配位
するには、両者を2分割して、上流側から弁体600
を、下流側から弁作動体506を、夫々挿入する必要が
あり、挿入後、両者を一体に可動させるためにも、2つ
のバネ508,509が必要となる。
【0006】また、弁体600及び弁作動体506は、
夫々、弁箱503に接触して摺動するが、スムーズな弁
の作動を実現するために、また、両者の結合を確実にす
るために、弁体600と弁作動体506との両者の各々
が、直線移動するように正確に芯出される必要があり、
弁箱503共々精度よく加工される必要がある。双方の
内、一方がスムーズに直線移動しないと、弁全体の作動
が不完全なものとなってしまう。
【0007】さらに、上記の定流量弁は、水温との関係
で、流量を変化させるために、感熱エレメント604を
用い、これの伸縮が第2バネ509を介して、弁作動体
506に伝えられるようにしているものであるが、感熱
エレメント604と言う別個の部材を用いなければ、言
い換えれば、水温との関係で流量を変化させないタイプ
の定流量弁と異なる構造にしなけれは、水温との関係で
流量を変化させることができない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本願発明は、より確実
な作動を実現することができ、さらに、バネ等の部品点
数を少なくしても作動し得る定流量弁の提供を図らんと
するものである。また、本願の第2の発明は、水温との
関係で流量を変化させないタイプの定流量弁と同じ構造
を維持したままで、水温との関係で流量を変化させるこ
とができるようにせんとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで本願発明は、次の
構成を特徴とする定流量弁を提供することにより、上記
の課題を解決する。本願の第1の発明に係る定流量弁
は、流入口11と流出口12とを備えた弁箱1と、この
弁箱1内に収められた可動体3とを備える。この弁箱1
は、流入口11側に1次圧室aを有すると共に、流出口
12側に2次圧室b1を有する。この1次圧室aと2次
圧室b1とは、縮径部35を介して連通され、この2次
圧室b1の下流側に、弁座13が形成されている。他
方、可動体3は、弁座13に接近離反して弁の開度を調
整する弁部37と、1次圧室aに対する受圧面33と、
2次圧室b1に対する受圧面34とを備える。そして、
1次圧室aに対する受圧面33と、2次圧室b1に対す
る受圧面34が、弁部37より上流側に配位され、この
可動体3が弁の開度を開く方向に付勢されているもので
ある。
【0010】前述の従来の定流量弁は、縮径部603及
び弁座507の下流側に2次圧室602が設けられてい
るため、弁座に対しては、弁座よりも大きな弁部600
が上流側から当接し、他方、縮径部603及び弁座50
7よりも下流側の2次圧室602内には、その圧力を受
けて作動するための充分な大きさの受圧面605を備え
た弁作動体506を配位する必要があった。これに対し
て、本願発明の定流量弁にあっては、1次圧室aと2次
圧室b1とを、縮径部35を介して連通し、この2次圧
室b1の下流側に、弁座13を形成している。そのた
め、弁座13よりも大きな可動体3の弁部37と、1次
圧室aに対する受圧面33と、2次圧室b1に対する受
圧面34との3者を、全て、弁座よりも上流側に配位す
ることができる。従って、従来のように、上流側には弁
体600を、下流側には弁作動体506をと言うよう
に、弁座を挟んで、それより大きな部材を、上流側と下
流側とに配位する必要がない。よって、従来のように、
弁体600及び弁作動体506を2分割して弁箱内に配
位する必要がなく、弁部37と、1次圧室aに対する受
圧面33と、2次圧室b1に対する受圧面34との3者
を備えた可動体3を、上流側から、弁箱内に配位するこ
とができる。また、従来では、弁体600と弁作動体5
06を挿入した後、両者を一体に可動させるために、2
つのバネ508,509が必要となったが、本願発明で
は、1つの弾性体4で可動し得るものである。勿論、組
立の都合等によって、可動体を適宜2分割することも可
能であるが、本願発明においては、可動体を複数に分割
したものとしても、或いは、単一の部材から構成して
も、何れの設計も可能であり、設計の自由度を増すこと
ができたものである。さらに、本願発明では、弁部37
と、1次圧室aに対する受圧面33と、2次圧室b1に
対する受圧面34との3者を備えた可動体3を、一体に
形成することが可能となり、従来のような、結合の不完
全性や芯出のずれを生ずる可能性が低くなり、可動体3
のスムーズな動きが実現し易く、弁全体の作動をより完
全なものとすることができる。
【0011】さらに、本願の第2の発明は、上記の第1
の発明に係る定流量弁において、可動体3を弁の開度を
開く方向に付勢する弾性体4が、形状記憶合金等の温度
変化によって伸縮するものであることを特徴とするもの
を提供する。これによって、感熱エレメント604と言
う別個の部材を用いなくとも、言い換えれば、水温との
関係で流量を変化させないタイプの定流量弁と同一の構
造のまま、弾性体4の種類を変更するだけで、水温との
関係で流量を変化させるタイプの定流量弁を提供できる
ものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本願発明の実
施の形態を説明する。図1は、本願発明の実施の形態に
係る定流量弁の断面図であり、図2は同定流量弁の作動
状態を示す断面図である。
【0013】この実施の形態に係る定流量弁は、流入口
11と流出口12とを備えた弁箱1と、この弁箱1内に
収められた可動体3とを備える。
【0014】弁箱1は、筒状をなす本体101と、この
本体の一端に螺合して流入口11を形成する流入部10
2と、本体101の他端を閉じる閉鎖部103とから構
成されているが、弁箱1の部品構成は、組付け上の利便
性等を考慮して適宜変更し得る。この弁箱1の一端の流
入口11と、閉鎖部103との間には、流出口12が設
けられている。
【0015】弁箱1の流入口11側には、1次圧室aが
設けられ、この1次圧室aの下流側に第1の2次圧室b
1が設けられている。第1の2次圧室b1の下流側に
は、弁座13が設けられ、この弁座13の下流側に、流
出口12に通じる流出路14が設けられている。この流
出路14のさらに他端側には、導通部15を介して、第
2の2次圧室b2が設けられている。そして、この2次
圧室b2の端部の外側に、前記の閉鎖部103が螺合し
ている。
【0016】可動体3は、弁体30と、この弁体30の
端部に設けられたバネ受け部38とが一体として可動す
るものである。まず、弁体30は、軸状部31と、この
軸状部31の一端側(流入口11側)に設けられた大径
部32とを備える。大径部32は、1次圧室aと第1の
2次圧室b1との間に摺動可能に配位されており、軸状
部31は、第1の2次圧室b1から導通部15内を通
り、第2の2次圧室b2に達している。
【0017】大径部32は、弁箱1の本体101の端部
内に収められており、弁体30の大径部32の外周面
が、本体101の内周面に接触した状態で、摺動可能と
なっている。この大径部32の上流側の面が1次圧用受
圧面33となり、下流側の面が2次圧用受圧面34とな
る。即ち、この大径部32は、1次圧室aと2次圧室b
1,b2とを区画する摺動可能な隔壁であり、この隔壁
として機能する大径部32には、上流側の1次圧室aと
下流側の第1の2次圧室b2とを連通する小孔35が、
適宜数形成されている。この小孔35が、縮径部35と
して機能し、1次圧室aと2次圧室b1,b2との間の
圧力差を生むこととなる。
【0018】軸状部31は、その外周面が、本体101
の導通部15内周面に接触した状態で、摺動可能となっ
ている。このように、前述の大径部32の外周と軸状部
31の外周の2箇所で、本体101に対して摺動可能に
接触しているため、両者の摺動は安定して行われる。ま
た、弁体30全体が、一つの部材によって構成されてい
るため、旋盤やNC加工機で製造する場合でも、一体と
なった芯出しが容易に行われる。そして、この軸状部3
1には(言い換えれば弁体30の大径部32より下流側
には)、第1の2次圧室b1と第2の2次圧室b2とを
連通する連通路36が形成されている。この連通路36
は、軸状部31内に軸方向に形成された通路で、一端が
第1の2次圧室b1内に開口し、他端が第2の2次圧室
b2内に開口している。
【0019】さらにこの軸状部31には、弁箱1の弁座
13と対応する位置に、弁部37が形成されており、弁
体30の摺動によって、弁体37が弁座13に接近離反
し、弁の開度が調整される。図1は弁の全開状態の図で
あり、図2は弁の全閉状態の図である。上記のように、
連通路36は、一端が第1の2次圧室b1内に開口して
いる。言い換えれば、この開口36aは弁座13より上
流側に位置しているものであり、この開口36aから連
通路36を介して連通する第2の2次圧室b2は、流体
経路で言えば、第1の2次圧室b1と等価であり、第1
の2次圧室b1と共に弁座13より上流側に位置するこ
ととなる。
【0020】弁体30は、弾性体4によって、上流側に
付勢されている。この実施の形態では、軸体3の軸状部
31と弁箱1との間に弾性体4が配位されているが、大
径部32と第1の2次圧室b1との間に弾性体を配位す
るようにしてもよい。この実施の形態をさらに詳しく説
明すると、軸状部31の端部には、筒状のバネ受け部3
8が設けられ、他方、弁箱1の閉鎖部103の内面側に
は、バネ受け104が設けられている。そして、両者の
間に、弾性体4として、コイルスプリング4が配位され
ている。このコイルスプリング4に、形状記憶合金製の
バネを採用することもできる。この形状記憶合金製のバ
ネの場合、温度の変化によって、その伸縮状態が変化
し、高温になるに従って、バネが伸長した状態となるも
のを採用することが望ましい。この形状記憶合金製のバ
ネを用いることによって、温度変化によって水量が変化
することになるが、形状記憶合金製のバネを用いない場
合には、温度変化によって水量が変化しないものにな
る。従って、同一の構造によって、弾性体を、温度変化
によって長さや弾性が変化するものと、温度変化があっ
ても長さや弾性が変化しないものとに変更するだけで、
2つのタイプの定流量弁を提供し得るものである。
【0021】軸状部31と筒状のバネ受け部38とを一
体に形成し、また、弁箱1の閉鎖部103とバネ受け1
04とを一体に形成してもよいが、この実施の形態の方
が加工や組付けが簡単にできる。バネ受け部38は、こ
の例では、弁座13の内径よりも若干大きくしている
が、必ずしも大きくする必要はなく、小さくした場合に
は、バネ受け部38と弁体30の双方を、筒状をなす本
体101の流入口11側から挿入して組付けることがで
きる。尚、バネ受け部38は、単に軸状部31の端部に
嵌められているだけで、本体101に対して接触してお
らず、弁体30ほど厳密な加工を行わずとも、弁体30
の正確な作動の障害にはならない。
【0022】さらに、この例では、弁箱1の閉鎖部10
3とバネ受け104とを別体にすると共に、閉鎖部10
3に螺合して、その内外を貫く調整ねじ5を設け、この
調整ねじ5の前進後退によって、バネ受け104を弁体
30に対して接近離反できるようにしている。これによ
って、弾性体4の付勢力を調整可能にしているものであ
る。図3に、ねじ5を前進させた状態を示す。
【0023】この軸状部31及びバネ受け部38は、第
2の2次圧室b2の受圧面をも構成するものであり、こ
の実施の形態では、弁体30の軸状部31の端面31a
と、バネ受け部38の端面38aが、受圧面となってい
る。このように、第2の2次圧室b2を設けて、この第
2の2次圧室b2内に位置する可動体の端面31a,3
8aを受圧面とすることによって、2次圧室b1,b2
側の受圧面の面積が、1次圧室a側の受圧面の面積と略
等しくなり、精度よく定流量弁として作動する点で有利
であるが、コンパクト化を求めるのであれば、第2の2
次圧室b2を設けずに実施してもよい。
【0024】次に、この定流量弁の作動状態を説明す
る。まず、水等の流体の経路について説明すると、流入
口11から流入した水は、1次圧室a内に入り、縮径部
35を経て、第1の2次圧室b1内に入る。第1の2次
圧室b1内に入った水は、2方向に分かれる。その一方
の流路は、弁部37と弁座13との間から、流出路14
を経て、流出口12から流出する流路である。他方の流
路は、弁体30に設けられた連通路36の開口36aか
ら、連通路36を通って、第2の2次圧室b2に入る流
路である。この後者の流路は、弁外に流出する流路では
なく、第1の2次圧室b1と第2の2次圧室b2とをつ
なぐものに過ぎない。即ち、前述のように、連通路36
の開口36aは弁座13より上流側の第1の2次圧室b
1に開口しているものであり、流体経路で言えば、第1
の2次圧室b1と等価となる。尚、弁体30の軸状部3
1の外周と、導通部15との間の接触部分の隙間を通っ
て、第2の2次圧室b2から、流出路14、流出口12
への水が流れる可能性は皆無とは言えないが、その流量
は極僅かであり、弁の作動上無視し得る程度のものであ
る。
【0025】次に、流入する流体の流量(圧力)と、弁
の開度の関係について説明すると、まず、弁の開度(即
ち、弁体30の位置)は、弁体30を流入口11側から
押す力(矢印x)と、弁体30を流入口11側へ押す力
(矢印y)とのバランスによって、決定される。弁体3
0を流入口11側から押す力(矢印x)は、1次圧室a
の圧力と1次圧室aに対する受圧面33の面積との積に
よって求められる。他方、弁体30を流入口11側へ押
す力(矢印y)は、2次圧室b1,b2の圧力と2次圧
室b1,b2に対する受圧面31a,38aの面積との
積(この実施の形態では、2次圧室が第1と第2に分か
れているため、より正確には、第1の2次圧室b1の圧
力と第1の2次圧室b1に対する受圧面31aの面積の
積と、第2の2次圧室b2の圧力と2次圧室b2に対す
る受圧面38aの面積と積との和)と、弾性体4の押圧
力と、の和によって求められる。
【0026】次に、流入する流体の流量(圧力)に変化
があった場合について説明する。まず、流入口11から
流入する水の流量が増大すると、1次圧室aの圧力が高
まり、縮径部35を介して連通している2次圧室b1,
b2の圧力との間に差圧が生じ、弁体30を流入口11
側から押す力(矢印x)が大きくなり、弁体30は弁座
13に接近し、弁部37と弁座13との間が狭くなる。
このように、流入口11から流入する水の流量が増大す
るのに比例して、弁部37と弁座13との間が狭くなる
ため、流出口12からの流出量は、変化しない。他方、
流入口11から流入する水の流量が減少すると、1次圧
室aの圧力が低下し、縮径部35を介して連通している
2次圧室b1,b2の圧力との間に逆の差圧が生じ、弁
体30を流入口11側へ押す力(矢印y)が大きくな
り、弁体30は弁座13から離反し、弁部37と弁座1
3との間が広くなる。このように、流入口11から流入
する水の流量が減少するのに比例して、弁部37と弁座
13との間が広くなるため、流出口12からの流出量
は、変化しない。従って、流入する流体の流量(圧力)
に変化が生じても、流出する流体の流量(圧力)は、常
に一定に保たれるものである。
【0027】この定流量弁は、例えば、ガス湯沸器の配
管系に用いられる。より具体的には、この定流量弁は、
ガス湯沸器における水道水の給水源とガス湯沸器のバー
ナーとの間に配位される。そして、給水源の圧力が変化
しても、バーナーに送られる水の量を常に一定に保つこ
とより、設定された温度条件の水(湯)を常に得ること
ができるようにしたものである。
【0028】そしてこの場合、給水源からの水の温度が
一定であると、設定された温度条件の水(湯)を常に得
ることができるが、夏場と冬場と言うように、給水源か
らの水の温度が変化すると、バーナーで加熱された水
(湯)の温度も変化する。そこで、前述のように、高温
になるに従って、バネが伸長した状態となる形状記憶合
金製のバネを用いることによって、夏場等で給水源から
の水の温度が高い場合には、弁体30を流入口11側へ
押す力(矢印y)を大きくして、弁の開度を大きくし、
バーナーへ送る水を増大させて、設定された温度条件の
水(湯)を得るようにすることができる。冬場では、そ
の逆に、弁の開度を小さくし、バーナーへ送る水を増大
させて、設定された温度条件の水(湯)を得るようにす
ることができるものである。
【0029】以上の実施の形態の他、本願発明は種々変
更して実施し得るものであり、例えば、縮径部35は、
弁体30の大径部32に設けたが、これに代えて、或い
は併用して、1次圧室aと第1の2次圧室b1とを結ぶ
細い流路を、弁箱1に設けるようにしてもよい。また、
第1の2次圧室b1と第2の2次圧室b2とを結ぶ連通
路36を弁体30内に設けたが、これに代えて、或いは
併用して、第1の2次圧室b1と第2の2次圧室b2と
を結ぶ流路を、弁箱1に設けるようにしてもよい。弁体
30は、弾性体4によって、弁を開く方向に付勢されて
いるが、弁体30を、他の弾性体によって、弁の閉じる
方向にも付勢させるようにしてもよい。また、流入口1
1を弁箱1の一端に設け、流出口12は弁箱1の側面に
設けたが、弁箱1の他端に流出口12を設けるようにし
てもよい。
【0030】
【発明の効果】以上、本願の第1の発明は、可動体を複
数に分割したものとしても、或いは、単一の部材から構
成しても、何れの設計も可能であり、また、同様に、弾
性体を1つとしてもよく、2つ以上配位してもよく、可
動体及び弾性体に関して、設計の自由度を増すことがで
きたものである。しかも、可動体を、単一の部材から構
成した場合には、従来のような、結合の不完全性や芯出
のずれを生ずる可能性が低くなり、可動体のスムーズな
動きが実現し易く、弁全体の作動をより完全なものとす
ることができるものである。
【0031】さらに、本願の第2の発明は、水温との関
係で流量を変化させないタイプの定流量弁と同一の構造
のまま、弾性体の種類を変更するだけで、水温との関係
で流量を変化させるタイプの定流量弁を提供できるもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施の形態に係る定流量弁の全開状
態の断面図である。
【図2】同定流量弁の全閉状態を示す断面図である。
【図3】同定流量弁のねじ5を前進させた状態を示す断
面図である。
【図4】従来の定流量弁の断面図である。
【符号の説明】 1 弁箱 3 可動体 4 弾性体 11 流入口 12 流出口 13 弁座 33 1次圧室に対する受圧面 34 2次圧室に対する受圧面 35 縮径部 37 弁部 a 1次圧室 b1 第1の2次圧室 b2 第2の2次圧室

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流入口(11)と流出口(12)とを備えた弁箱
    (1) と、この弁箱(1) 内に収められた可動体(3) とを備
    え、 弁箱(1) が、流入口(11)側に1次圧室(a) を有すると共
    に、流出口(12)側に2次圧室(b1)を有し、 この1次圧室(a) と2次圧室(b1)とが縮径部(35)を介し
    て連通され、 この2次圧室(b1)の下流側に、弁座(13)が形成され、 可動体(3) が、弁座(13)に接近離反して弁の開度を調整
    する弁部(37)と、1次圧室(a) に対する受圧面(33)と、
    2次圧室(b1)に対する受圧面(34)とを備え、 1次圧室(a) に対する受圧面(33)と、2次圧室(b1)に対
    する受圧面(34)が、弁部(37)より上流側に配位され、 この可動体(3) が弁の開度を開く方向に付勢されたこと
    を特徴とする定流量弁。
  2. 【請求項2】 可動体(3) を弁の開度を開く方向に付勢
    する弾性体(4) が、形状記憶合金等の温度変化によって
    伸縮するものであることを特徴とする請求項1記載の定
    流量弁。
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