JPH1182605A - 油圧緩衝器 - Google Patents

油圧緩衝器

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JPH1182605A
JPH1182605A JP25928797A JP25928797A JPH1182605A JP H1182605 A JPH1182605 A JP H1182605A JP 25928797 A JP25928797 A JP 25928797A JP 25928797 A JP25928797 A JP 25928797A JP H1182605 A JPH1182605 A JP H1182605A
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JP
Japan
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spool
cylinder
hydraulic
damping
valve
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JP25928797A
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Tatsuya Masamura
辰也 政村
Hiroshi Matsumoto
洋 松本
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KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ロッド反力たるシリンダ圧力の高低調整を可
能にしながら発生減衰力の高低調整をも可能にして、た
とえば、車両における車高調整を可能にするサスペンシ
ョンへの利用に最適とする。 【解決手段】 所定の減衰力を発生する減衰バルブ31
と、隔壁部材30に連設されて減衰バルブ31を迂回す
るバイパス路を隔壁部材30と共に形成するケーシング
32と、このケーシング32内に摺動可能に収装されて
その摺動時にバイパス路を開閉するスプール33と、こ
のスプール33をばねシート41の配在下に後退方向に
附勢する附勢ばね34とを有してなり、バイパス路が減
衰バルブ31を開閉可能に対向させるポート30bに独
立して形成されてなると共に、スプール33がアキュム
レータ側油室R3に連通する油圧室R内に臨在の基端へ
の油圧作用で附勢ばね34に抗して前進方向に摺動する
際にバイパス路を閉塞するように設定されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、発生減衰力の高
低調整を可能にする油圧緩衝器に関し、特に、ロッド反
力たるシリンダ圧力の高低調整を可能にしながら発生減
衰力の高低調整を可能にする油圧緩衝器の改良に関す
る。
【0002】
【従来技術とその課題】発生減衰力の高低調整を可能に
する油圧緩衝器としては、従来から種々の提案がある
が、その中でも、ロッド反力たるシリンダ圧力の高低調
整を可能にしながら発生減衰力の高低調整を可能にする
油圧緩衝器としては、たとえば、特開平9−12626
3号公報に開示の提案がある。
【0003】この公報開示の提案は、車高調整器として
機能する油圧シリンダがこの油圧シリンダの外部に配在
されているアキュムレータにいわゆる外部置き構造に設
定された減衰機構を介して連通されると共に、アキュム
レータにはその内圧を上昇させる油圧源が連通されてな
るとしている。
【0004】そして、減衰機構は、油の通過時に所定の
大きさの減衰力を発生させる減衰バルブを有すると共
に、この減衰バルブを迂回するバイパス路中に配在のス
プールが外力作用で附勢ばねに抗して摺動するとき、す
なわち、この減衰機構における内圧変化に基づく外力が
作用して摺動するときに、バイパス路を閉塞して減衰バ
ルブによる高い減衰力を発生させるように設定されてな
るとしている。
【0005】それゆえ、この従来提案によれば、油圧シ
リンダが、たとえば、車両におけるサスペンションに利
用される場合に、車両への積載荷重が大きくなって車高
が低下傾向になるときに、油圧源の駆動でアキュムレー
タの内圧を上昇させて油圧シリンダの内圧、すなわち、
ロッド反力たるシリンダ圧力を上昇させると共に、減衰
機構において高減衰力の発生を可能な状態にして、車両
における車高維持と不必要な車体振動の抑制を実現し得
ることになる。
【0006】しかしながら、上記の公報開示の提案にあ
っては、その車載性を配慮すると、また、減衰バルブの
径を大型化するのは適切ではないことを考慮すると、減
衰機構を含む全体のみならず、減衰機構自体を大型化で
きないことになる。
【0007】したがって、上記の減衰機構においては、
スプールおよび附勢ばねが減衰バルブを介装させるセン
ターロッドの軸芯部に開穿の空部に収装されてなると
し、スプールを後退方向に附勢する附勢ばねの有効径が
スプールの径に対してやや小さくなるほぼ同一に設定さ
れてなるとするから、スプールの径に対して附勢ばねの
径を大きくしてばね力やばね定数を大きく設定すること
が困難になる。
【0008】その結果、積載荷重がない空車状態から積
載荷重がある積車状態に至るときのロッド反力たるシリ
ンダ圧力が、たとえば、50Kgf/cm2から100
Kgf/cm2に変わると仮定するとき、ばね力を大き
く設定できないので、70Kgf/cm2あたりでスプ
ールが目一杯摺動してバイパス路を完全に閉塞すること
になる。
【0009】そして、このとき、減衰機構においては、
最大の減衰力を発生している状態になり、油圧シリンダ
は、この最大の減衰力の発生状態で伸縮することにな
る。
【0010】それゆえ、シリンダ圧力が70Kgf/c
2を超えて100Kgf/cm2に至るとしても、この
ときに伸縮する油圧シリンダにおいて減衰力が不足する
ことになり、その限りでは、車両に入力される路面振動
で車体がいたずらに振動されることになり、乗り心地が
悪化されるなどになる。
【0011】この発明は、上記した事情を鑑みて創案さ
れたものであって、その目的とするところは、積載荷重
の変化に応じてロッド反力たるシリンダ圧力の高低調整
を可能にしながら発生減衰力の高低調整をも可能にし
て、たとえば、車両における車高調整を可能にするサス
ペンションへの利用に最適となる油圧緩衝器を提供する
ことである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、この発明の構成を、シリンダ内でのピストンの
摺動時に荷重変化に感応して高低の減衰力を発生する荷
重感応バルブを有してなる油圧緩衝器において、荷重感
応バルブがシリンダ内にピストンで区画されるピストン
側油室とアキュムレータを構成するアキュムレータ側油
室とを区画する隔壁部材と、この隔壁部材に開穿されピ
ストン側油室とアキュムレータ側油室との連通を許容す
るポートに開閉可能に対向して所定の減衰力を発生する
減衰バルブと、上記隔壁部材に連設されて減衰バルブを
迂回するバイパス路を隔壁部材と共に形成するケーシン
グと、このケーシング内に摺動可能に収装されてその摺
動時にバイパス路を開閉するスプールと、このスプール
の先端側に配在されてこのスプールをばねシートの配在
下に後退方向に附勢する附勢ばねとを有してなり、バイ
パス路が減衰バルブを開閉可能に対向させるポートに独
立して形成されてなると共に、附勢ばねの有効径がスプ
ールの径より大きく設定されてなり、かつ、スプールが
アキュムレータ側油室に連通する油圧室内に臨在の基端
への油圧作用で附勢ばねに抗して前進方向に摺動しバイ
パス路における通過油量を調整するように設定されてな
るとする。
【0013】このとき、スプールの基端を臨在させる油
圧室における油圧は、ピストン側油室における油圧の高
圧化に伴うアキュムレータ側油室における油圧によって
決められるとし、また、アキュムレータは、シリンダの
外部あるいは内部のいずれにに配在されていても良い。
【0014】また、シリンダ内で摺動するピストンに
は、所定の大きさの減衰力を発生するメインの減衰バル
ブが配在されてなるとしても良い。
【0015】そしてまた、シリンダ内のピストン側油室
には、外部に配在の油圧供給源からの油圧がシリンダ内
に出没可能に挿通されピストンを連設させるピストンロ
ッドの軸芯部に開穿の透孔を介して供給可能とされてな
るとしても良い。
【0016】そしてさらに、スプールの先端が金属ベロ
ーズあるいはゴムブラダで形成される気密室内に臨在さ
れると共に金属ベローズあるいはゴムブラダを介してば
ねシートに隣接されてなるとしても良い。
【0017】そして、より具体的には、上記の油圧緩衝
器において、荷重感応バルブがピストン側油室に臨在さ
れると共に、シリンダの外周側に外筒を有する複筒型に
設定されてアキュムレータがシリンダと外筒との間に形
成され、かつ、このアキュムレータを構成するブラダの
下方の開口端が荷重感応バルブを構成しシリンダのボト
ム端を閉塞する隔壁部材の外周端と外筒の内周との間に
液密状態に挟持されてなるとする。
【0018】また、上記の油圧緩衝器において、シリン
ダの外部に外筒を有しない単筒型に設定されて荷重感応
バルブおよびアキュムレータがシリンダの外部に配在さ
れてなると共に、荷重感応バルブを収装するハウジング
がアキュムレータに一体化されてなるとする。
【0019】さらに、上記の油圧緩衝器において、車体
側部材とされるピストンロッドが車軸側部材とされる単
筒体からなるシリンダ内に出没可能に挿通されると共
に、荷重感応バルブがシリンダ内のピストン側油室に臨
在され、かつ、アキュムレータがシリンダ内の荷重感応
バルブの背後側に形成されてなるとする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、図示した実施の形態に基
づいて、この発明を説明するが、図1に示すように、こ
の発明の一実施の形態による油圧緩衝器1は、上端が車
両における車体側Bに連結されると共に、下端が車両に
おける車軸側Aに連結されるとしており、外部に配在の
油圧供給源Pに接続されてこの油圧供給源Pからの油圧
が供給されるときにこの油圧緩衝器1における内圧たる
シリンダ圧力を高圧化し得るように設定されてなる一方
で、外部に配在のリザーバタンクTに排出弁Vを介して
接続されてこの油圧緩衝器1からの油圧がリザーバタン
クTに排出されるときに上記のシリンダ圧力を低圧化し
得るようにも設定されている。
【0021】ちなみに、油圧供給源Pおよび排出弁V
は、コントローラCからの指令信号で作動するように設
定されており、コントローラCは、車両に装備の車高セ
ンサSからの入力信号に基づいて所定の信号を油圧供給
源Pおよび排出弁Vに出力するように設定されている。
【0022】また、排出弁Vは、ソレノイドV1への励
磁時に切り換えられる排出ポジションV2と、ソレノイ
ドV1への励磁が解除されているときにばねV3の附勢
力で維持される遮断ポジションV4とを有するノーマル
クローズの態様に設定されている。
【0023】ところで、油圧緩衝器1は、図示する実施
の形態では、図2に示すように、複筒型に設定されてい
て、車軸側部材とされるシリンダ10と、車体側部材と
されてシリンダ10内に図中で下端側となる先端側が出
没可能に挿通されるピストンロッド11とを有してな
り、このピストンロッド11が懸架ばね2(図1参照)
の附勢力でシリンダ10内から突出する傾向に、すなわ
ち、この油圧緩衝器1が懸架ばね2で伸長方向に附勢さ
れてなるとしている。
【0024】また、この油圧緩衝器1は、ピストンロッ
ド11の下端部に連設されると共にシリンダ10内に摺
動可能に収装されたピストン12に配在されてこのピス
トン12のシリンダ10内での摺動時に所定の大きさの
減衰力を発生するメインの減衰バルブ13,14と、い
わゆるベースバルブ部の態様に配在されてメインの減衰
バルブ13,14とは独立してシリンダ10内でのピス
トン12の摺動時に荷重変化に感応して高低の減衰力を
発生する荷重感応バルブ3とを有してなる。
【0025】少し説明すると、シリンダ10内は、ピス
トン12で上方のロッド側油室R1と下方のピストン側
油室R2に区画されてなると共に、ピストン12に開穿
の伸側のポート12aおよび圧側のポート12bを介し
てロッド側油室R1とピストン側油室R2の相互連通が
許容され、かつ、伸側のポート12aの下流端が伸側減
衰力を発生する減衰バルブ13で、また、圧側のポート
12bの下流端が圧側減衰力を発生する減衰バルブ14
でそれぞれ開閉可能に閉塞されてなるとしている。
【0026】それゆえ、この油圧緩衝器1にあっては、
ピストンロッド11がシリンダ10に対して出没される
その伸縮時には、ロッド側油室R1からの油が減衰バル
ブ13を介してピストン側油室R2に流出すると共に、
ピストン側油室R2からの油が減衰バルブ14を介して
ロッド側油室R1に流入することになる。
【0027】そして、各減衰バルブ13,14を油が通
過するときに所定の大きさの減衰力が発生されることに
なり、このとき、この油圧緩衝器1がいわゆるショック
アブソーバ機能を発揮することになる。
【0028】また、この油圧緩衝器1は、シリンダ10
の外周側に外筒15を有する複筒型に設定されており、
図示する実施の形態では、シリンダ10と外筒15との
間に形成されるいわゆるリザーバ室部分をアキュムレー
タ(符示せず)に設定している。
【0029】すなわち、このアキュムレータは、図示す
る実施の形態では、リザーバ室部分を縦方向に区切るよ
うに配在されたほぼ筒状に形成のブラダ16を有してな
り、外筒15とブラダ16との間をガス室Gに設定し、
ブラダ16とシリンダ10との間を油室たるアキュムレ
ータ側油室R3に設定している。
【0030】そして、このアキュムレータにおける油室
たるアキュムレータ側油室R3は、後述する荷重感応バ
ルブ3を介してシリンダ10内のピストン側油室R2に
連通されている。
【0031】それゆえ、シリンダ10に対するピストン
ロッド11の出没の際には、ピストン側油室R2で余剰
となるロッド侵入体積分に相当する量の油が荷重感応バ
ルブ3を介してアキュムレータ側油室R3に流出すると
共に、ピストン側油室R2で不足となるロッド退出体積
分に相当する量の油がアキュムレータ側油室R3から荷
重感応バルブ3を介して補給されることになる。
【0032】ちなみに、アキュムレータを構成するブラ
ダ16の下方の開口端たる下端16aは、図示する実施
の形態にあって、荷重感応バルブ3を構成しながらシリ
ンダ10の図中で下端となるボトム端を閉塞する隔壁部
材30の外周端と外筒15の内周との間に液密状態に挟
持されてなるとしており、これによって、ブラダ16の
下端16aを所定位置に定着させるための専用部品を不
要にしている。
【0033】また、ブラダ16の上方の開口端たる上端
16bは、図3に示すように、ピストンロッド11を軸
芯部に摺動可能に挿通させるベアリング17の上端側の
外周に形成の環状溝17a内に収装されながらこのベア
リング17の上端側の外周と外筒15の内周との間に液
密状態に挟持されてなるとしており、これによって、ブ
ラダ16の上端16bをこの部位に配在されるいわゆる
外周シール態様のシールに代替えさせている。
【0034】一方、この油圧緩衝器1は、シリンダ10
内のピストン側油室R2がピストンロッド11の軸芯部
に開穿された透孔11aおよびこの透孔11aに連通す
る外部に配在の管路Lを介して同じく外部に配在の油圧
供給源Pおよび排出弁Vに連通されてなるとしている。
【0035】したがって、この油圧緩衝器1にあって
は、油圧供給源Pからの油圧がピストンロッド11に開
穿の透孔11aを介してピストン側油室R2に供給され
る場合には、アキュムレータにおけるアキュムレータ側
油室R3における油圧が高くなるがゆえに、ピストン側
油室R2における油圧が高圧化される、すなわち、シリ
ンダ圧が高くなることになる。
【0036】また、この油圧緩衝器1にあっては、上記
と逆に、ピストン側油室R2における油圧が透孔11a
および排出弁Vを介してリザーバタンクTに排出される
場合には、アキュムレータにおけるアキュムレータ側油
室R3における油圧が低くなるがゆえに、ピストン側油
室R2における油圧が低圧化される、すなわち、シリン
ダ圧が低くなることになる。
【0037】その結果、この油圧緩衝器1にあっては、
シリンダ圧を高くするときにはピストンロッド11をシ
リンダ10内から突出させる傾向にし得ると共に、シリ
ンダ圧を低くするときにはピストンロッド11をシリン
ダ10内に没入させる傾向にし得ることになり、したが
って、シリンダ圧の高低調整でシリンダ10に対するピ
ストンロッド11の突出量を調整して車両の車高を高低
調整する車高調整器として機能することになる。
【0038】つぎに、荷重感応バルブ3は、前述したよ
うに、シリンダ10内でのピストン12の摺動時にこの
油圧緩衝器1における荷重変化に感応して高低の減衰力
を発生するように設定されているとするもので、この荷
重感応バルブ3で発生される減衰力は、前記のメインの
減衰バルブ13,14で発生される減衰力とは独立する
としている。
【0039】したがって、その意味では、この発明にお
いて、油圧緩衝器1は、たとえば、ピストン12にメイ
ンの各減衰バルブ13,14を有していない態様のもの
であっても良いことになるのはもちろんである。
【0040】なお、この荷重感応バルブ3については、
いわゆるベースバルブ部の態様に配在されていると前述
したが、以下の説明を勘案しながらその全体構成を看る
と、ベースバルブ部における減衰バルブで発生される減
衰力をこのベースバルブ部で高低調整可能にしているも
のと理解することもできる。
【0041】ところで、この荷重感応バルブ3は、図示
する実施の形態では、隔壁部材30と、減衰バルブ31
と、ケーシング32と、スプール33と、附勢ばね34
とを有してなり、スプール33が附勢ばね34に抗して
摺動する際に減衰バルブ31を迂回するバイパス路が閉
塞される傾向になるように設定されている。
【0042】少し説明すると、まず、隔壁部材30は、
シリンダ10内のピストン側油室R2とシリンダ10の
外部に配在のアキュムレータを構成するアキュムレータ
側油室R3とを区画するように配在されてなり、図示す
る実施の形態では、外筒15の下方の開口端たる下端を
閉塞するボトム部材18の内底に担持されながらシリン
ダ10のボトム端を閉塞するように配在されている。
【0043】そして、この隔壁部材30は、ボトム部材
18の内底に担持された状態のときに、図中で下端面と
なる背面とボトム部材18の内底との間に容室R4を区
画すると共に、この容室R4を外周側の肉厚を貫通する
ようにして開穿された連通孔30aを介してアキュムレ
ータ側油室R3に連通させるとしている。
【0044】また、この隔壁部材30は、内周側の肉厚
を貫通するようにして開穿されたピストン側油室R2と
容室R4、すなわち、アキュムレータ側油室R3との連
通を許容するポート30bを有しており、このポート3
0bの図中で下端となる一端側に減衰バルブ31を対向
させている。
【0045】それゆえ、この隔壁部材30は、ピストン
側油室R2とアキュムレータ側油室R3とを分離する隔
壁として機能するのはもちろんのこと、減衰バルブ31
を隣設させることからすれば、バルブシート部材として
も機能することになる。
【0046】そして、この隔壁部材30は、後述する減
衰バルブ31に対向するポート30bを有してなるが、
このポート30bは、同じく後述するバイパス路を構成
するものでないから、減衰バルブ31の特性のみに関与
させることを可能にしてバイパス路の特性には関与させ
ないように設定することが可能になる。
【0047】その結果、たとえば、前記した従来例とし
ての減衰機構にあっては、減衰バルブに対向するポート
がバイパス路の一部を構成するように設定されてなるこ
とに比較して、この発明にあっては、減衰バルブ31の
特性を十分に活かし得ると共に、後述するバイパス路の
特性をも十分に活かし得ることになる。
【0048】つぎに、減衰バルブ31は、前記したピス
トン12に配在の減衰バルブ13,14がメインの減衰
バルブとされることから比較すると、言わばサブの減衰
力を発生させるものである。
【0049】そして、この減衰バルブ31は、図示する
実施の形態では、環状リーフバルブからなり、図4にも
示すように、外周側の上面が隔壁部材30の下面側に形
成の環状シート部30cに隣接され、内周側の下面がこ
の減衰バルブ31の内周側に配在された環状シート部材
35に担持されてなるとしている。
【0050】また、この減衰バルブ31は、外周に周方
向の適宜の間隔に設けられた突出部31aを有してお
り、この突出部31aの外周端が隔壁部材30側に当接
されることでセンタリングされるとして、突出部31a
の形成でいわゆる凹部となる外周側を油の通路として確
保するようにしている。
【0051】それに対して、環状シート部材35は、減
衰バルブ31の内周に隣接する外周に周方向の適宜の間
隔に設けられた凹部35aを有しており、この凹部35
aを油の通路として確保すべく、凹部35aの形成でい
わゆる突出部となる外周側で減衰バルブ31を中心側か
らセンタリングさせている。
【0052】それゆえ、この減衰バルブ31は、ピスト
ン側油室R2からの油がこの減衰バルブ31を介して容
室R4、すなわち、アキュムレータ側油室R3に流出す
るこの油圧緩衝器1の圧側行程時にその外周側端を撓ま
せるようにして圧側の減衰力を発生させることになる。
【0053】そして、この減衰バルブ31は、上記と逆
に、アキュムレータ側油室R3からの油がこの減衰バル
ブ31を介してピストン側油室R2に流入するこの油圧
緩衝器1の伸側行程時にその内周側端を撓ませるように
して伸側の減衰力を発生させることになる。
【0054】ちなみに、この減衰バルブ31によって発
生される圧側の減衰力と伸側の減衰力を比較すると、こ
の減衰バルブ31においては、外周端側の方が内周端側
より撓み易いから、圧側の減衰力の方が伸側の減衰力よ
りも低い値になる。
【0055】ケーシング32は、減衰バルブ31を迂回
するバイパス路(符示せず)を形成すると共にこのバイ
パス路中に配在される後述のスプール33および附勢ば
ね34を収装させるように設定されている。
【0056】すなわち、このケーシング32は、図示す
る実施の形態では、下端側のセンターロッド部32a
と、このセンターロッド部32aより拡径形成されこの
センターロッド部32aの上端部に一体に連設された上
端側のケース部32bとを有してなる。
【0057】そして、下端側のセンターロッド部32a
が隔壁部材30の軸芯部を貫通する態様に隔壁部材30
に連設され、上端側のケース部32bがシリンダ10内
のピストン側油室R2内にシリンダ10の内周との間に
適宜の隙間を有する態様に臨在されてなるとしている。
【0058】また、下端側のセンターロッド部32aが
ほぼロッド状に形成されているのに対して、上端側のケ
ース部32bは、ほぼ筒状に形成されてなり、下端がセ
ンターロッド部32aの上端部に一体に連設されて封止
されている一方で、上端がキャップ36によってシール
36aの配在下に液密状態に封止されている。
【0059】ところで、下端側のセンターロッド部32
aは、その軸芯部にスプール33を摺動可能に収装させ
ると共に上端がケース部32b内に開口し下端が前記容
室R4に開口してバイパス路を構成する透孔32cを有
してなり、かつ、この透孔32cに一端が開口し他端が
シリンダ10内のピストン側油室R2に開口する径方向
に開穿の図中で上段となる横孔32dと、上記透孔32
cに一端が開口し他端が隔壁部材30の内周側に開口す
る径方向に開穿の図中で下段となる横孔32eとを有し
てなる。
【0060】そして、この下段の横孔32eは、隔壁部
材30に径方向に開穿されて外周側端たる先端が前記し
たアキュムレータ側油室R3に開口する横孔からなる連
通孔30dの内周側端たる基端に連通している。
【0061】その結果、上記のセンターロッド部32a
に開穿の上段の横孔32d,透孔32c,下段の横孔3
2eおよび隔壁部材30に開穿の連通孔30dが上記し
たこの実施の形態に言うバイパス路を構成することにな
り、しかも、このバイパス路は、前記した減衰バルブ3
1に対向するポート30bとは独立しているから、バイ
パス路の特性を減衰バルブ31の特性に関与することな
く設定し得ることになる。
【0062】スプール33は、上記のバイパス路中、す
なわち、このバイパス路を構成するセンターロッド部3
2aに開穿の透孔32c内に摺動可能に収装されてなる
とするもので、後述する附勢ばね34の附勢力に抗して
図中で上昇方向となる前進方向に摺動する際にバイパス
路を閉塞するように設定されている。
【0063】すなわち、スプール33は、図中で上下と
なる二つのランド部(符示せず)に挟まれる態様に形成
された通路としての環状凹部33aが、図示するよう
に、このスプール33の静止時たる後退時に上記の上段
および下段の横孔32d,32eに対向して相互の連通
を可能にすると共に、図示しないが、図中で上昇方向と
なる前進方向への摺動時には、下方のランド部が下段の
横孔32eを閉塞して上段の横孔32dと下段の横孔3
2eとの連通を阻止するように設定されいる。
【0064】また、このスプール33は、その基端、す
なわち、下方のランド部の基端が透孔32c内に下端側
から圧入されたストッパ37に担持されており、このと
き、スプール33の基端は、ストッパ37の圧入でスプ
ール33の基端との間に区画され前記アキュムレータ側
油室R3、すなわち、容室R4にオリフィス37aを介
して連通する油圧室Rに対向するとしている。
【0065】それゆえ、このスプール33は、油圧室R
における油圧作用で附勢ばね34に抗して摺動すること
になり、このとき、油圧室Rにおける油圧作用が余り大
きくないときには、バイパス路における油の通過量を抑
制する傾向に機能し、油圧室Rにおける油圧作用が大き
くなったときには、バイパス路を閉塞して油の通過を阻
止するように機能することになる。
【0066】そして、油圧室Rにおける油圧は、ピスト
ン側油室R2における油圧の高圧化に伴うアキュムレー
タ側油室R3、すなわち、容室R4における油圧によっ
て決められ、あるいは、シリンダ10内における振動周
波数が高周波数の成分を持つときには、ストッパ37に
形成のオリフィス37aにおけるオリフィス径によって
設定される低周波数の成分のみを抽出した一次遅れの油
圧によって決められることになる。
【0067】ちなみに、油圧室Rにおける油圧が一次遅
れの油圧とされ、その結果、この一次遅れの油圧でスプ
ール33が前進する場合には、このスプール33は、ア
キュムレータ側油室R3における油圧が瞬間的に低圧化
されてることになってもその影響を受けない、すなわ
ち、後退せずして前進したままの状態に維持されること
になる。
【0068】なお、オリフィス37aは、図示する実施
の形態では、ストッパ37に形成されてなるとして、部
品点数が増えることを防止しているが、これに代えて、
図示しないが、透孔32c内にストッパ37とは別に圧
入などされるオリフィス部品で設定されるとしても良
い。
【0069】そして、この場合には、スプール33の透
孔32c内からの脱落を阻止しながらオリフィス径を自
由に設定できることになり、したがって、上記した説明
とは逆に、シリンダ10内における振動周波数領域に応
じてスプール33が前進するようにして、その周波数の
動きを抑えて減衰力を高めることもできるなど、一次遅
れの油圧を自由に設定できることになる。
【0070】ちなみに、スプール33の先端、すなわ
ち、上方のランド部の上端は、尖端とされて、図示する
実施の形態では、センターロッド部32aの上端から突
出してケース部32b内に臨在されているが、このと
き、上方のランド部の外周は、透孔32cの上端側の内
周に介装されたOリングからなるシール38に摺接して
いて、この部分での液密状態が保持されるように配慮さ
れている。
【0071】そして、このとき、スプール33の径を小
さく設定しているので、Oリングからなるシール38に
よるシール性が如何なく発揮される一方で、シール38
の配在によるスプール33の摺動性の低下を危惧しなく
て済むことにもなる。
【0072】それゆえ、スプール33の先端が臨在され
るケース部32b内は、油浸状態になくいわゆる空気室
とされていて、スプール33の先端部分がこのケース部
32b内に円滑に出没することが許容されることにな
る。
【0073】なお、ケース部32b内を空気室に維持す
るについて、図示する実施の形態では、スプール33の
先端部たる上方のランド部の外周が透孔32cの上端側
の内周に介装されたシール38に摺接することで実現さ
れるとしているが、これに代えて、図示しないが、スプ
ール33の上方のランド部の外周にシールを介装し、透
孔32cの内周側にはシールを介装しないとしても良
い。
【0074】そして、この場合には、スプール33の外
周に介装されるシールがテフロンリングとされるとして
も良く、この場合には、上記のOリングよりその径を小
さく設定できるから、テフロンリングからなることと相
俟って、スプール33の摺動性を大幅に向上できること
になる。
【0075】ところで、スプール33の先端側の外周
は、バイパス路を構成する透孔32cの内周に介装のシ
ール38の内周に摺接していて、ここにおける透孔32
cからのケース部32b内への油の漏れを阻止するとし
ているが、実際には、僅かながらであろうが油の漏れが
発現され得る。
【0076】そこで、仮に、透孔32cからケース部3
2b内への油の漏れが発現されると予想されるのであれ
ば、図5および図6に示すように、スプール33の先端
部分に気密室rを形成するとするのが好ましいと言い得
る。
【0077】すなわち、図5に示す実施の形態において
は、金属ベローズ39の下端を透孔32cを形成するセ
ンターロッド部32bの上端に溶接などで連設して、金
属ベローズ39の内周側を気密室rに設定するとするも
のである。
【0078】また、図6に示す実施の形態においては、
ゴムブラダ40の下端をセンターロッド部32bの上端
外周に嵌着させて、このゴムブラダ40の内周側を気密
室rに設定するとするものである。
【0079】それゆえ、この図5および図6に示す実施
の形態のように、スプール33の先端部分を気密室r内
に臨在させるようにする場合には、シール38における
シール性能が低下することで、ケース部32b内への漏
油が発現される危惧がある場合にも、その漏油がケース
部32b内に充満されることを防止でき、スプール33
の先端部分のケース部32b内への出没を恒久的に保障
し得ることになる点で有利となる。
【0080】附勢ばね34は、前述したように、スプー
ル33を後退方向に附勢するように設定されてなるとす
るもので、図示する実施の形態では、コイルスプリング
からなり、スプール33の先端が臨在されているケース
部32b内に配在されてなるとしている。
【0081】そして、この附勢ばね34は、この発明に
あって、その有効径がスプール33の径に対して大幅に
大きくなるように設定されてなるとしており、したがっ
て、図示する実施の形態では、附勢ばね34の図中で下
端となる先端がばねシート41の配在下にスプール33
の先端に隣接されてなるとしている。
【0082】このとき、ばねシート41は、図示する実
施の形態では、有頭のほぼ円筒状に形成されてなるとし
て、下端外周に形成のリング状係止部41aに附勢ばね
34の先端を係止させる一方で、スプール33の先端を
附勢ばね34の内周側に位置決められる内周側に臨在さ
せながら上端下面に当接させている。
【0083】それゆえ、この発明による附勢ばね34に
あっては、有効径がスプール33の径に対して大きくな
るように設定されているから、前記した従来例としての
減衰機構において附勢ばねの有効径がスプールの径より
小さくなるほぼ同一に設定されている場合に比較して、
スプール33の径に対する附勢ばね34におけるばね力
やばね定数を大きくすることが可能になる。
【0084】したがって、この実施の形態によれば、こ
の附勢ばね34によって後退方向に附勢されているスプ
ール33の基端に作用する圧力、すなわち、油圧がかな
り大きくなるまで、このスプール33の摺動を許容する
ことになる。
【0085】また、図示する実施の形態による場合に
は、ばねシート41が附勢ばね34の内周側に位置決め
られるように設定されているから、スプール22の先端
をその内周側に臨在させる、すなわち、原理的には直列
される附勢ばね34を構造的には並列状態に位置決める
ことが可能になり、いわゆるスペースのいたずらな膨大
化を防止できることになる。
【0086】それゆえ、以上のように形成された荷重感
応バルブ3にあっては、スプール33が摺動しないで静
止状態にあるときには、減衰バルブ31を迂回するバイ
パス路を全面的に開放することになり、したがって、油
が減衰バルブ31を通過することがなく、減衰バルブ3
1による減衰力発生がないことになる。
【0087】そして、スプール33が摺動してバイパス
路を完全に閉塞するときには、全量の油が減衰バルブ3
1を通過することになり、このとき、この減衰バルブ3
1で設定される所定の大きさの減衰力が発生されること
になる。
【0088】また、スプール33がバイパス路を完全に
閉塞しないまでも、その摺動でバイパス路を閉塞する傾
向になる場合には、バイパス路における通過油量が調整
されて減衰バルブ31を通過する油量が調整されること
になり、それに引き合う大きさの、すなわち、いわゆる
中間の大きさの減衰力が発生されることになる。
【0089】ちなみに、この荷重感応バルブ3における
スプール33の摺動は、前記したように、スプール33
の基端が臨在する油圧室Rにおける油圧に基づくもの
で、この油圧室Rは、オリフィス37aを介して容室R
4、すなわち、アキュムレータ側油室R3に連通してい
る。
【0090】そして、この油圧室Rには、オリフィス3
7aを介してであるが、アキュムレータ側油室R3から
の油圧が作用し、このアキュムレータ側油室R3の油圧
は、シリンダ10内のピストン側油室R2と同じであ
り、このピストン側油室R2の油圧は、外部に配在の油
圧供給源Pからの供給油圧で高低変更される。
【0091】したがって、油圧緩衝器1が荷重の増大で
圧縮されて車両の車高が低下したために、車高を復帰さ
せるべく油圧供給源Pからの油圧をシリンダ10内のピ
ストン側油室R2に供給する場合には、このピストン側
油室R2が高圧化されたことに基づいてスプール33の
基端に油圧が作用することになる。
【0092】そして、その際に、スプール33の基端に
作用する油圧の大きさによって、スプール33がわずか
に摺動してバイパス路を狭めるようにするか、あるい
は、バイパス路を全面的に閉塞するかのいずれかにな
る。
【0093】また、シリンダ10内の振動周波数が微低
速から低速の領域にある場合には、油圧室Rにオリフィ
ス37aを介しての油圧、すなわち、アキュムレータ側
油室R3に対して一次遅れとなる油圧が作用することに
なり、このときにも、スプール33が摺動することにな
る。
【0094】さらに、この荷重感応バルブ3において
は、減衰バルブ31に対向するポート30bとこの減衰
バルブ31を迂回するバイパス路がそれぞれ独立するよ
うに設定されていて、減衰バルブ31の特性およびバイ
パス路の特性をそれぞれで設定通りに活かすことが可能
になり、したがって、バイパス路における通過油量の調
整幅を大きく設定できることから、高低差のある減衰力
調整が可能になる。
【0095】一方、このスプール33は、附勢ばね34
に抗して摺動するが、この発明にあっては、この附勢ば
ね34の有効径をスプール33の径に対して大幅に大き
くしているから、前記した従来例における場合に比較し
て、ロッド反力たるシリンダ圧力がかなりの大きさにな
っても、効果的にスプール33を摺動させることが可能
なる。
【0096】すなわち、積載荷重がない空車状態から積
載荷重がある積車状態に至るときのシリンダ圧力が、た
とえば、50Kgf/cm2から100Kgf/cm2
変わると仮定するとき、ばね力が大きく設定されている
から、70Kgf/cm2を過ぎてもスプール33が目
一杯摺動してバイパス路を閉塞するような事態が招来さ
れなくなる。
【0097】したがって、この荷重感応バルブ3にあっ
ては、さらに大きい減衰力の発生状態を実現し得ること
になり、油圧緩衝器1における減衰力が不足するような
事態を招来させなくなる。
【0098】それゆえ、以上のように形成されたこの実
施の形態による油圧緩衝器1にあっては、ピストン12
にメインの減衰バルブ13,14を有してなるから、こ
の各減衰バルブ13,14で発生される減衰力に荷重感
応バルブ3で発生される減衰力が加味されることにな
る。
【0099】そして、荷重感応バルブ3でいわゆるフル
に減衰力が発生される場合には、この油圧緩衝器1にお
ける発生減衰力が各減衰バルブ13,14と荷重感応バ
ルブ3とで発生される高いものになる。
【0100】また、荷重感応バルブ3で減衰力が発生さ
れない場合には、上記の各減衰バルブ13,14で発生
される減衰力のみとなり、したがって、この油圧緩衝器
1における発生減衰力が低いものになる。
【0101】そしてさらに、荷重感応バルブ3で中間の
減衰力が発生される場合には、各減衰バルブ13,14
による減衰力発生と相俟って中間の大きさの減衰力が発
生されることになる。
【0102】しかも、荷重感応バルブ3がシリンダ圧力
が大きくなる場合にも、減衰力の発生を可能にするか
ら、油圧緩衝器1における減衰力が不足するような事態
を招来させないことになり、その限りでは、車両に入力
される路面振動で車体がいたずらに振動されるようなこ
とがなく、車両における乗り心地が損なわれることを危
惧しなくて済むことになる。
【0103】また、この実施の形態による油圧緩衝器1
にあっては、外部の油圧供給源Pからの油圧をアキュム
レータに供給するようにしてシリンダ10内のピストン
側油室R2における油圧を高め、すなわち、ロッド反力
たるシリンダ圧力を高め、シリンダ10内からピストン
ロッド11を突出させることが可能になる。
【0104】そして、上記と逆に、ピストン側油室R2
からの油圧を排出弁Vを介してリザーバタンクTに排出
する場合には、シリンダ圧力を低下させて、シリンダ1
0内にピストンロッド11を没入させることが可能にな
る。
【0105】その結果、上記した実施の形態による油圧
緩衝器1によれば、この油圧緩衝器1が、たとえば、車
両におけるサスペンションに利用される場合に、車両に
おける積載荷重の変化で車高が高低変更されるとき、油
圧供給源Pあるいは排出弁Vの作動でシリンダ圧力を高
低調整すると共に、荷重感応バルブ3によって高低調整
された減衰力を発生させることで、車両における適切な
車高維持と減衰力発生を期待できることになる。
【0106】図7に示す実施の形態の油圧緩衝器1は、
シリンダ10の外部に図2中に符号15で示す外筒を有
しない単筒型に設定されてなるとし、かつ、アキュムレ
ータだけでなく、荷重感応バルブ3をもシリンダ10の
外部にいわゆる外置きの態様に配在されてなるとする。
【0107】そして、この油圧緩衝器1にあっては、荷
重感応バルブ3を収装するハウジング20がシリンダ1
0の下端を封止するボトム部材19に一体化されてな
る、すなわち、荷重感応バルブ3がハウジング20によ
ってボトム部材19に一体に連設されてなると共に、こ
のハウジング20に、すなわち、正確には、ハウジング
20に螺着される上端封止部材21にアキュムレータが
螺着されて一体化されてなるとしている。
【0108】ちなみに、この油圧緩衝器1にあって、シ
リンダ10内に収装のピストン12における構成、すな
わち、メインの減衰バルブ13,14を有すること、シ
リンダ10内に区画されるピストン側油室R2がピスト
ンロッド11の軸芯部に開穿の透孔11aを介して外部
に配在の油圧供給源P(図1参照)に連通されているこ
とについては、前記した図2に示す実施の形態の場合と
同様とされている。
【0109】また、シリンダ10内のピストン側油室R
2は、ボトム部材19に開穿の連通孔19aを介して、
ハウジング20内に形成の容室R5に連通しており、こ
の容室R5内に荷重感応バルブ3が収装されてなるとし
ている。
【0110】そして、この荷重感応バルブ3にあっても
その基本的な構成は、前記した図2に示す荷重感応バル
ブ3と同様であるので、その構成が同一となる部位には
図中に同一の符号を付するのみとしてその説明を省略す
る。
【0111】ただ、図示する実施の形態にあっては、ケ
ーシング32を構成するケース部32bの図中で下端と
なる開口端を封止するキャップ36は、中心部にエア抜
き孔36bを有していて、このエア抜き孔36bをハウ
ジング20の下端を封止するキャップ22に形成の通路
22aを介して外部たる大気中に連通させるとしてい
る。
【0112】それゆえ、この実施の形態による場合に
は、荷重感応バルブ3がいわゆる外部置き構造に設定さ
れるから、荷重感応バルブ3の構成の変更、すなわち、
減衰バルブ31やスプール33の変更、さらには、アキ
ュムレータの変更が容易になって、いわゆる自由度を持
たせ易くなる点で有利となる。
【0113】図8に示す実施の形態の油圧緩衝器1は、
車体側部材とされるピストンロッド11が車軸側部材と
される単筒体からなるシリンダ10内に出没可能に挿通
されてなり、前記した図7に示す実施の形態の場合と同
様に、シリンダ10の外部に図2中に符号15で示す外
筒を有しない単筒型に設定されてなるとする。
【0114】しかしながら、この油圧緩衝器1にあって
は、荷重感応バルブ3がシリンダ10内のピストン側油
室R2に収装されると共に、アキュムレータがシリンダ
10内の荷重感応バルブ3の背後側に形成されてなると
する。
【0115】そして、荷重感応バルブ3は、シリンダ1
0に形成された外周カシメ部10aとシリンダ10の内
周に嵌装されたストップリング42との間にこの荷重感
応バルブ3を構成する隔壁部材30が挟持されることで
ピストン側油室R2側のシリンダ10の内周の所定位置
に定着されるとしている。
【0116】また、アキュムレータは、荷重感応バルブ
3の図中で下端側となる背後側におけるシリンダ10内
で摺動するフリーピストン43を有してなり、このフリ
ーピストン43で荷重感応バルブ3側の油室たるアキュ
ムレータ側油室R3と背後側のガス室Gとを区画してい
る。
【0117】それゆえ、この実施の形態による場合に
は、外部からの油圧の供給でロッド反力たるシリンダ圧
力を高めることを実現し得ないが、油圧緩衝器1が単筒
構造に構成されているから、車載性に優れる点で有利と
なる。
【0118】
【発明の効果】以上のように、この発明にあっては、油
圧緩衝器が、たとえば、車両におけるサスペンションに
利用される場合に、車両における積載荷重の変化で車高
が高低変更されるとき、荷重感応バルブによって減衰力
を高低調整することが可能になるのはもちろんのこと、
このときに、荷重感応バルブが減衰バルブを迂回するバ
イパス路に配在されてその前進方向への摺動時にこのバ
イパス路における通過油量を調整するスプールの径に対
して、このスプールを後退方向に附勢する附勢ばねの有
効径の方が大きく設定されてなるとするから、空車状態
から大きな積載荷重が作用する積車状態に至るまでの広
範囲に亙って適切な減衰力の発生を期待できることにな
る。
【0119】しかも、この発明にあっては、荷重感応バ
ルブにおいて、減衰バルブに対向するポートとこの減衰
バルブを迂回するバイパス路がそれぞれ独立するように
設定されてなるから、減衰バルブの特性およびバイパス
路の特性をそれぞれで設定通りに活かすことが可能にな
り、したがって、バイパス路における通過油量の調整幅
を大きく設定できることから、高低差のある減衰力調整
が設定通り実現可能になる利点がある。
【0120】そして、このときに、シリンダ内に収装の
ピストンにメインの減衰力を発生させる減衰バルブが配
在されてなる場合には、荷重感応バルブのみによるより
も大きい減衰力の発生を期待できることになる利点があ
る。
【0121】また、油圧緩衝器におけるシリンダ内油
室、すなわち、ピストン側油室が外部に配在の油圧供給
源および排出弁に接続されてなる場合には、この油圧供
給源あるいは排出弁の作動でシリンダ圧力を高低調整す
ることが可能になり、車両における適切な車高維持を期
待できることになる利点がある。
【0122】そして、油圧供給源からの油圧を受けてシ
リンダ圧力を高めるアキュムレータがシリンダと外筒と
の間に配在される場合には、シリンダとアキュムレータ
を連結する部品を不要にしてコンパクト化が可能になり
車載性が向上される利点があり、アキュムレータがシリ
ンダの外部に配在されてなる場合には、アキュムレータ
における特性を変更可能にする利点がある。
【0123】その結果、この発明によれば、伸縮作動時
に所定の大きさの減衰力の発生を可能にするのはもちろ
んのこと、積載荷重の変化に応じてロッド反力たるシリ
ンダ圧力の高低調整を可能にしながら発生減衰力の高低
調整をも可能にして、たとえば、車両における車高調整
を可能にするサスペンションへの利用に最適となる利点
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態による油圧緩衝器の利
用状態を回路図と共に示す概略図である。
【図2】図1中の油圧緩衝器の下端側を拡大して示す部
分縦断面図である。
【図3】図1中の油圧緩衝器の上端側を図2と同様に示
す図である。
【図4】図2中の荷重感応バルブを構成する減衰バルブ
の配設状態を示す部分横断面図である。
【図5】他の実施の形態による荷重感応バルブを一部破
断して示す縦断面図である。
【図6】さらに他の実施の形態による荷重感応バルブを
図5と同様に示す図である。
【図7】この発明の他の実施の形態による油圧緩衝器の
下端側を一部破断して示す部分立面図である。
【図8】この発明のさらに他の実施の形態による油圧緩
衝器の下端側を図7と同様に示す図である。
【符号の説明】
1 油圧緩衝器 3 荷重感応バルブ 10 シリンダ 11 ピストンロッド 11a 透孔 12 ピストン 13,14 メインの減衰バルブ 15 外筒 16 ブラダ 16a 下端 20 ハウジング 30 隔壁部材 30b ポート 31 減衰バルブ 32 ケーシング 33 スプール 34 附勢ばね 39 金属ベローズ 40 ゴムブラダ 41 ばねシート G ガス室 P 油圧供給源 R 油圧室 R2 ピストン側油室 R3 アキュムレータ側油室

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ内でのピストンの摺動時に荷重
    変化に感応して高低の減衰力を発生する荷重感応バルブ
    を有してなる油圧緩衝器において、荷重感応バルブがシ
    リンダ内にピストンで区画されるピストン側油室とアキ
    ュムレータを構成するアキュムレータ側油室とを区画す
    る隔壁部材と、この隔壁部材に開穿されピストン側油室
    とアキュムレータ側油室との連通を許容するポートに開
    閉可能に対向して所定の減衰力を発生する減衰バルブ
    と、上記隔壁部材に連設されて減衰バルブを迂回するバ
    イパス路を隔壁部材と共に形成するケーシングと、この
    ケーシング内に摺動可能に収装されてその摺動時にバイ
    パス路を開閉するスプールと、このスプールの先端側に
    配在されてこのスプールをばねシートの配在下に後退方
    向に附勢する附勢ばねとを有してなり、バイパス路が減
    衰バルブを開閉可能に対向させるポートに独立して形成
    されてなると共に、附勢ばねの有効径がスプールの径よ
    り大きく設定されてなり、かつ、スプールがアキュムレ
    ータ側油室に連通する油圧室内に臨在の基端への油圧作
    用で附勢ばねに抗して前進方向に摺動しバイパス路にお
    ける通過油量を調整するように設定されてなる油圧緩衝
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009250403A (ja) * 2008-04-09 2009-10-29 Fuji Latex Kk ダンパー装置

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JP2009250403A (ja) * 2008-04-09 2009-10-29 Fuji Latex Kk ダンパー装置

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