JPH1181949A - エンジンのデコンプ装置 - Google Patents

エンジンのデコンプ装置

Info

Publication number
JPH1181949A
JPH1181949A JP24683897A JP24683897A JPH1181949A JP H1181949 A JPH1181949 A JP H1181949A JP 24683897 A JP24683897 A JP 24683897A JP 24683897 A JP24683897 A JP 24683897A JP H1181949 A JPH1181949 A JP H1181949A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cam
recess
engine
cap member
opening
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP24683897A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3450997B2 (ja
Inventor
Mitsunori Watanabe
光則 渡辺
Akira Oi
亮 大井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Makita Numazu Corp
Original Assignee
Fuji Robin KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Robin KK filed Critical Fuji Robin KK
Priority to JP24683897A priority Critical patent/JP3450997B2/ja
Publication of JPH1181949A publication Critical patent/JPH1181949A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3450997B2 publication Critical patent/JP3450997B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Valve Device For Special Equipments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 構造が簡単でしかも小型化が容易な構成を備
えたエンジンのデコンプ装置を提供する。 【解決手段】 カムギヤ24にカム20を一体成形し、
カムギヤの軸方向でカムと反対側の面に形成されている
凹所30Aとこの凹所に対向するカムの内部とが連通す
ることでカムの輪郭面20Aに臨む開口30Bを形成
し、周面の一部に開口に臨出可能な切り欠き部31Bが
形成されている軸部31Aを有しカムの回転速度に応じ
て揺動量が可変のフライウエイト31を、開口内にてカ
ムのカムシャフト19と平行する方向で揺動可能に支持
し、凹所に対して着脱可能なキャップ部材32を該凹所
を覆う状態で配置し、キャップ部材には、エンジン始動
時、フライウエイトの軸部の中で切り欠き部以外の周面
をカムの輪郭面に臨ませる習性を付与する弾性部32A
2が形成され、凹所に装着されることでフライウエイト
の抜け止めを行うように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンのデコン
プ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、可搬型小形エンジンに
は、始動時、燃焼室に配置されている機関弁を開閉する
際、圧縮行程での圧力を低下させてピストンの圧縮抵抗
を軽減するデコンプ装置が装備され、オペレータの労力
を軽減する構成を備えたものがある(例えば、特開平9
−184410号公報)。従来、この種、デコンプ装置
の原理としては、通常の燃焼サイクルに用いられる機関
弁の開放量を始動時に限って幾分大きくし、上昇過程に
あるピストンに作用する圧縮圧力を逃がして圧縮抵抗を
軽減するようになっている。上記の原理を用いた装置と
しては、図6に示す構成を備えたものがある。図6は、
上記公報に記載されたデコンプ装置を示す模式図であ
り、同図において、デコンプ装置Dは、カムCの軸(以
下、カム軸という)C1の近傍でカム軸C1の軸方向と
直交する方向に軸方向を有する支軸Eを支点とするデコ
ンプレバーFを備えている。支軸Eをはさんだデコンプ
レバーFの一方端はカムCのカム面に対向できる向きに
折り曲げられて作動片F1を構成し、デコンプレバー4
の他方端は作動片4Aとは反対方向に折り曲げられて駆
動片F2を構成している。デコンプレバーFの下方には
カムCの一部により支持されている支点軸Gを基点とし
て揺動可能な遠心レバーHが配置されており、その揺動
端側にはデコンプレバーFの駆動片F2が嵌入してい
る。上記構成においては、支点軸Gに捲装されている弦
巻バネJの一端が遠心レバーHに掛けられることで遠心
レバーHが遠心力に抗する方向に揺動付勢されている。
これによって、デコンプレバーFは、支軸Eを支点とし
て、図6において反時計方向に付勢され、作動片F1が
カムCのカム面に対向するように突出させられている。
一方、遠心レバーHは、カム軸C1が所定以上の回転数
になると、弦巻バネJの付勢力以上に遠心力が作用する
ことで今までとは反対側に揺動する。このため、デコン
プレバーFは支軸Eを支点として、図6において時計方
向に揺動し、作動片F1をカム面と対向する位置から二
点鎖線で示すように対向しない位置に向け退避させる。
デコンプレバーFの作動片F1がカム面と対向している
状態はエンジンの始動時に相当し、遠心力の作用が大き
くない状態であり、デコンプレバーFの作動片F1がカ
ム面から退避する状態は遠心力の作用が大きいエンジン
の始動後の状態である。このため、エンジンを始動する
際には、デコンプレバーFの作動片F1がカム面に対向
することで通常の燃焼工程でのカムCのリフト量が僅か
に増加し、機関弁を僅かに開放させるので圧縮圧力の低
減が可能になる。エンジンの始動後、エンジン回転数が
上昇すると遠心力が増加するのに合わせて遠心レバーH
が弦巻バネGの付勢に抗して外側に向け拡がるのでデコ
ンプレバーFの作動片F1がカム面から退避して通常の
燃焼サイクルに応じた機関弁の開閉制御が行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、従来のデコンプ
装置には、次のような問題があった。つまり、図6に示
した構成からも明らかなように構造が大型化したり部品
点数が多いことにより構造が複雑となる。具体的には、
カム軸C1に加えて支軸Eや支点軸Gが必要となること
で部品点数が多くなるばかりでなく、支軸Eに取り付け
られているデコンプレバーFがカム軸C1と平行する方
向に作動片F1や駆動片F2を備えていることからカム
軸C1の軸方向での占有スペースが大きくなる。カム軸
C1の軸方向での占有スペースに関しては、遠心レバー
Hの裏側を閉鎖するために用いられるカバーの形状も影
響する。つまり、カバーの内側面にはデコンプレバーF
の支軸Eの端部が対向している関係上、支軸Eとカバー
とが干渉しないようにする必要がある。このため、デコ
ンプレバーFから突出した端部を避けるためにカバーの
形状が決められることになるので、いわゆる、デコンプ
レバーFの裏面に平行させて近接させた形状のカバーを
用いてデコンプレバーFとカバーとの間の空間を小さく
することができない。このことからもデコンプ装置Dに
おけるカム軸C1の軸方向での占有面積が大きくなり、
小型化が阻まれてしまう。
【0004】本発明の目的は、上記従来のデコンプ装置
における問題に鑑み、構造が簡単でしかも小型化が容易
な構成を備えたデコンプ装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、小形エンジン(1)の始動
時における吸気弁(7)及び又は排気弁(8)の開放量
を僅かに大きくして圧縮圧力を通常の燃焼サイクル時よ
りも低い圧力に設定するためのデコンプ装置であって、
カムギヤ(24)にカム(20)を一体成形し、上記カ
ムギヤ(24)の軸方向でカム(20)と反対側の面に
形成されている凹所(30A)とこの凹所(30A)に
対向するカム(20)の内部とが連通することで上記カ
ム(20)の輪郭面(20A)に臨む開口(30B)を
形成し、周面の一部に上記開口(30B)に臨出可能な
切り欠き部(31B)が形成されている軸部(31A)
を有し上記カム(20)の回転速度に応じて揺動量が可
変のフライウエイト(31)を、上記開口(30B)内
にて上記カム(20)のカムシャフト(19)と平行す
る方向で揺動可能に支持し、上記凹所(30A)に対し
て着脱可能なキャップ部材(32)を該凹所を覆う状態
で配置し、上記キャップ部材(32)には、エンジン始
動時、上記フライウエイト(31)の軸部(31A)の
うちで切り欠き部(31B)以外の周面を上記カムの輪
郭面(20A)に臨ませる習性を付与する弾性部(32
A2)が形成され、上記凹所(30A)に装着されるこ
とで上記フライウエイト(31)の抜け止めを行うよう
に構成されていることを特徴としている。
【0006】請求項2記載の発明は、請求項1記載のエ
ンジンのデコンプ装置において、上記キャップ部材(3
2)の弾性部(32A2)は、延長方向一端がキャップ
部材(32)の底面(32A)と一体化され、延長方向
他端が上記フライウエイト(31)の一部に当接する可
撓片(32A20)で構成されていることを特徴として
いる。
【0007】
【作用】請求項1記載の発明では、カムにおける軸方向
のカム面と反対側の面に形成されている凹所とこの凹所
に対向するカムの内部とが連通することでカムの輪郭面
に臨む開口内にて軸部が揺動自在に支持されているフラ
イウエイトを設け、そのフライウエイトの軸部の一部に
開口に臨出可能な切り欠き部を形成してカムの輪郭面と
対向できるようにしているので、フライウエイトの一部
がカムの輪郭面の外形寸法を変更するための部材として
用いられる。これにより、敢えて輪郭面の外形寸法を変
更するための特別な部材を必要としないので構成部品点
数を少なくすることができる。また、エンジンの回転に
よる遠心力の作用を受けてフライウエイトの軸部に有す
る切り欠き部あるいは切り欠き部以外の軸部の周面をカ
ムの輪郭面に臨出制御する弾性部材がキャップ部材の一
部で構成されているので、敢えてこのような弾性部材を
準備する必要がないので、これによっても部品点数の低
減による構成の簡略化が図れる。しかも、凹所とこの凹
所に対向するカムの内部とが連通することでカムの輪郭
面に臨む開口内にてフライウエイトが揺動自在に支持さ
れているので、フライウエイトはカムの軸方向で凹所と
カムの内部とに軸方向の一部が格納されることになり、
カムの軸方向での占有スペースを小さくすることができ
る。
【0008】請求項2記載の発明では、キャップ部材の
弾性部がキャップ部材の底面と一体の可撓片であるの
で、キャップ部材とは別にフライウエイトに対する弾性
力を付与するための部材を準備しなくても、キャップ部
材の一部を用いるだけですむので、エンジン低回転時で
のデコンプ動作を行わせるための部品数を少なくして小
型の装置とすることができる。
【0009】
【実施例】以下、図示実施例により請求項記載の発明の
詳細を説明する。図1は、請求項記載の発明に係るデコ
ンプ装置が適用される可搬型エンジンの要部構造を示す
図であり、同図に示した可搬型エンジン1はケース2の
内部に収容されているシリンダヘッド3とシリンダブロ
ック4およびクランクケース5と後で詳しく説明する動
弁装置6とを主要部として備えるオーバーヘッドバルブ
方式の4サイクルエンジンで構成されている。つまり、
シリンダヘッド3には、この種4サイクルエンジンと同
様に、吸気弁7、排気弁8および点火プラグ9が配設さ
れており、シリンダブロック4およびクランクケース5
には、これら両部材によって軸方向両端が支持されてい
るクランクシャフト10が設けられている。クランクシ
ャフト10の軸方向一端には冷却用回転羽根11を介し
て作業機械の駆動軸12が連結され、軸方向他端にはス
タータ13に連動可能な係合円板14が連結されてい
る。クランクシャフト10にはコネクティングロッド1
5を介してピストン16が取り付けられ、ピストン16
はシリンダブロック4内のシリンダ4A内で摺動可能と
されている。シリンダヘッド3の頂部には、図示されな
い気化器および排気マフラに連通する吸気ポートおよび
排気ポートが形成されており、これら各ポートに対して
上記吸気弁7および排気弁8がそれぞれ配置されてい
る。
【0010】一方、動弁装置6は、シリンダヘッド3の
上部に位置するシリンダヘッドカバー3A内に配置され
ているロッカーアーム18と、クランクシャフト10の
回転中心に平行するカムシャフト19に取り付けられて
いるカム20と、カム20のカム面に一部が当接するカ
ムフォロワ部材をなす2個のリフタ21と、該リフタ2
1およびロッカーアーム18間に位置する2本のプッシ
ュロッド22とを備えている。ロッカーアーム18は、
シリンダヘッドカバー3A内に配置されているロッカー
シャフト18Aにより揺動可能に支持されており、吸気
弁7および排気弁8のステムエンドを押圧作動できる位
置関係とされている。
【0011】図1において、カム20はクランクシャフ
ト10に取り付けられているカム駆動ギヤ23に対して
回転比が1:2の割合に設定されているカムギヤ24に
よって回転駆動されるようになっている。
【0012】一方、上述したカム20には、デコンプ装
置が設けられている。デコンプ装置は、図2および図3
に示すように、カム20とカムギヤ24とが一体成形さ
れたカムブロック30と、フライウエイト31とキャッ
プ部材32とを備えている。以下、各部材について説明
する。カムブロック30には、図2および図3(A)に
示すように、軸方向におけるカム20の輪郭面(以下、
符号20Aで示す)と反対側の面に凹所30Aが形成さ
れており、その凹所30Aとカム20における上記凹所
30Aに対向する位置との連通箇所には、カム20の輪
郭面20Aに臨む開口30Bが形成されている。
【0013】図2および図3(A)において、開口30
Bには、フライウエイト31の軸部31Aが臨出可能に
配置されている。つまり、フライウエイト31は、カム
シャフト19と平行する方向の軸部31Aを有し、その
軸部31Aの一部に切り欠き部31Bが形成されてい
る。切り欠き部31Bは、図4(A)に示すように、軸
部31Aの直径に沿った切り欠き面を有しており、軸部
31Aが僅かに回転することで切り欠き部31Bの切り
欠き面を選択的にカム20の輪郭面20Aに臨ませるこ
とができる。このため、カム20の輪郭面20Aに対し
切り欠き部31Bの切り欠き面が突出した場合には、図
4(B)において実線で示すように、その切り欠き部3
1Bの切り欠き面がカム20の回転方向上流側から下流
側に向けて高さが高くなる状態で露出する。これによ
り、カム20における輪郭面20Aの外形寸法は、図4
(B)中、実線で示すように、輪郭面20Aの面上から
切り欠き部31Bの切り欠き面の一部が突出した状態で
露出する分(図4(B)では、輪郭面20Aに対して切
り欠き部31Bの右側上部が露出した分)だけ増大化さ
れる。なお、図4(A)中、符号31Cは、後述するキ
ャップ部材32の底面32Aに嵌合支持される支軸ピン
を示している。
【0014】一方、図2および図3(A)においてキャ
ップ部材32は、可撓性を有する樹脂材を用いてカムブ
ロック30の凹所30Aに対向する面が開放された成形
部品で構成されている。キャップ部材32は、開放面と
反対側の端面が底部として形成され、その底面32Aが
平坦面とされている。キャップ部材32の周縁は、カム
ブロック30の凹所30Aの深さに対応した高さに形成
されており、その周方向に沿って複数箇所には係止爪3
2Bが設けられている。係止爪32Bは、カムブロック
30のカムギヤ24側の面にまで貫通し、その面に形成
されている係合孔24Aに係合することができ、これに
よりキャップ部材32がカムブロック30の凹所30A
内に嵌合されて抜け止めされる。キャップ部材32は、
周縁の高さがカムブロック30の凹所30Aの深さに対
応させてあるので、凹所30A内に嵌合した際には底面
32Aが、図3(A)に示すように、カムギヤ24の側
面と同一平坦面を構成するようになっている。また、前
記底面32Aは凹所30Aの内部に位置させるようにし
ても良い。
【0015】上述したキャップ部材32の底面32Aに
は、フライウエイト31の支持ピン31Cと対応する軸
支用孔32A1に加えて、エンジン始動時、フライウエ
イト31の軸部31Aにおける切り欠き部31B以外の
周面をカム20の輪郭面20A上に臨ませるための弾性
部32A2が設けられている。つまり、図2に示すよう
に弾性部32A2は、底面32Aの一部を円弧状に残し
た可撓片32A20で構成され、その延長方向一端が底
面32Aに一体化され、延長方向他端が揺動できるよう
になっている。可撓片32A20の延長方向他端は、図
5に示すように、フライウエイト31の一部に当接させ
てあり、図5において、通常、フライウエイト31を反
時計方向に揺動させる弾性力を付与するようになってい
る。本実施例では、弾性部32A2の弾性力として、エ
ンジンを始動する際にフライウエイト31の軸部31A
における切り欠き部31Bの切り欠き面をカム20の輪
郭面20Aの面上に突出させた状態で臨ませることがで
きる弾性力とされている。換言すれば、エンジンの始動
後、エンジンの正常運転時での回転数により得られる遠
心力が発生した際にフライウエイト31が揺動できる弾
性力とされている。このため、エンジンの始動後、カム
シャフト19が所定回転以上に達した段階では、フライ
ウエイト31が弾性部32A2の弾性力に抗して揺動す
るので軸部31Aが僅かに回転することで切り欠き部3
1Bの切り欠き面がカム20の輪郭面20Aから突出し
ない状態で開口30Bに臨むことになる。これにより、
図4(B)において二点鎖線で示してあるように、切り
欠き部31Bの切り欠き面はカム20の輪郭面20Aの
下側に位置して輪郭面20Aから突出しない状態とな
る。弾性部32A2の弾性力によるフライウエイト31
の揺動量は、カムブロック30の凹所内壁に形成された
ストッパ32Cにフライウエイト31の揺動端が当接す
ることで規定され、上述した切り欠き部31Bの切り欠
き面の一部を輪郭面20Aの面上に突出させた状態で露
出させることができるようになっている。
【0016】本実施例は以上のような構成であるから、
カムブロック30の開口30Bにてフライウエイト31
が軸支される。つまり、フライウエイト31の軸部31
Aが凹所30Aの開口30Bに配置され、その軸部31
Aおよび支軸ピン31Cがカムギヤ24の側面およびキ
ャップ部材32の軸支用孔32A1に挿通されることで
揺動自在に支持される。キャップ部材32は、凹所30
A内に装着されて係止爪32Bがカムギヤ24側の係合
孔24Aに係合することで凹所30Aからの抜け止めが
なされる。このため、開口30B内で支持されたフライ
ウエイト31は、キャップ部材32に有する弾性部32
A2が当接することにより、切り欠き部31Bの切り欠
き面を開口30Bから臨出させてカム20の輪郭面20
Aの面上に切り欠き面の一部を突出させる。これによ
り、図3(B)および図4(B)において実線で示すよ
うに、輪郭面20Aの面上には、軸部31Aにおける切
り欠き部31Aの切り欠き面の一部が突出した状態で位
置するので、輪郭面20Aの外形寸法が僅かに増加され
る。
【0017】上述したフライウエイト31の切り欠き部
31Bは、図3(B)に示すように、切り欠き面の一部
がカム20の回転方向((図3(B)中、矢印Rで示す
方向)の上流側から下流側に向かうに従ってリフタ21
を徐々に押し上げることができる傾斜面となっているの
で、いわゆる、リフタ21に対して段差が衝突するのと
違って、滑らかにリフタ21を載り上げさせることがで
きる。このように、カム20の輪郭面20Aの面上にフ
ライウエイト31の切り欠き部31Bの切り欠き面の一
部が突出した状態で臨出することにより、リフタ21の
移動量が僅かに大きくされ、吸気弁7及び又は排気弁8
が僅かに開放されてピストンの圧縮時での圧縮抵抗が軽
減される。なお、吸気弁7又は排気弁8のいずれかを僅
かに開放させても良く、好ましくは排気弁8のみを僅か
に開放させても良い。
【0018】一方、始動後、エンジンの回転数が上昇
し、カムシャフト19の回転速度が増加すると、フライ
ウエイト31に作用する遠心力も増加する。このため、
キャップ部材32に有する弾性部32A2の弾性力に抗
してフライウエイト31が揺動し、図4(B)および図
5において二点鎖線で示すように、フライウエイト31
がその揺動端をカムシャフト19から遠ざけるように揺
動する。これによりフライウエイト31の軸部31Aも
連動して僅かに回転することができるので、切り欠き部
31Bの切り欠き面が輪郭面20Aから突出しない状態
で開口30Bに臨む。この結果、カム20の輪郭面20
Aは、通常の燃焼サイクルに用いられる外形寸法とされ
るので、吸気弁7又は排気弁8のストロークを通常の燃
焼サイクルに対応させることができる。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
によれば、カムにおける軸方向のカム面と反対側の面に
形成されている凹所とこの凹所に対向するカムの内部と
が連通することでカムの輪郭面に臨む開口内にて軸部が
揺動自在に支持されているフライウエイトを設け、その
フライウエイトの軸部の一部に開口に臨出可能な切り欠
き部を形成してカムの輪郭面と対向できるようにしてい
るので、フライウエイトの一部がカムの輪郭面の外形寸
法を変更するための部材として用いられる。これによ
り、敢えて輪郭面の外形寸法を変更するための特別な部
材を必要としないので構成部品点数を少なくすることが
できる。また、エンジンの回転による遠心力の作用を受
けてフライウエイトの軸部に有する切り欠き部あるいは
切り欠き部以外の軸部の周面をカムの輪郭面に臨出制御
する弾性部材がキャップ部材の一部で構成されているの
で、敢えてこのような弾性部材を準備する必要がないの
で、これによっても部品点数の低減による構成の簡略化
が図れる。しかも、凹所とこの凹所に対向するカムの内
部とが連通することでカムの輪郭面に臨む開口内にてフ
ライウエイトが揺動自在に支持されているので、フライ
ウエイトはカムの軸方向で凹所とカムの内部とに軸方向
の一部が格納されることになり、カムの軸方向での占有
スペースを小さくすることができる。
【0020】請求項2記載の発明によれば、キャップ部
材の弾性部がキャップ部材の底面と一体の可撓片である
ので、キャップ部材とは別にフライウエイトに対する弾
性力を付与するための部材を準備しなくても、キャップ
部材の一部を用いるだけですむので、エンジン低回転時
でのデコンプ動作を行わせるための部品数を少なくして
小型の装置とすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1および2記載の発明によるデコンプ装
置が適用される可搬型エンジンの要部を説明するための
図である。
【図2】請求項1および2記載の発明の実施例によるデ
コンプ装置の要部構成を説明するための分解斜視図であ
る。
【図3】図2に示した要部構成の組立状態を説明するた
めの図であり、(A)は断面図、(B)は(A)中、符
号Bで示す方向の矢視図である。
【図4】図2および図3に示した要部構成に用いられる
フライウエイトの構成を示す図であり、(A)は斜視
図、(B)は平面図である。
【図5】図2に示した要部構成の作用を説明するための
底面図である。
【図6】デコンプ装置の従来例を説明するための模式図
である。
【符号の説明】
1 可搬型エンジン 6 動弁装置 10 クランクシャフト 18 ロッカーアーム 19 カムシャフト 20 カム 20A 輪郭面 24 カムギヤ 30 カムブロック 30A 凹所 30B 開口 31 フライウエイト 31A 軸部 31B 切り欠き部 32 キャップ部材 32A 底面 32A2 弾性部 32A20 可撓片 32B 係止爪

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 小形エンジン(1)の始動時における吸
    気弁(7)及び又は排気弁(8)の開放量を僅かに大き
    くして圧縮圧力を通常の燃焼サイクル時よりも低い圧力
    に設定するためのデコンプ装置であって、 カムギヤ(24)にカム(20)を一体成形し、 上記カムギヤ(24)の軸方向でカム(20)と反対側
    の面に形成されている凹所(30A)とこの凹所(30
    A)に対向するカム(20)の内部とが連通することで
    上記カム(20)の輪郭面(20A)に臨む開口(30
    B)を形成し、周面の一部に上記開口(30B)に臨出
    可能な切り欠き部(31B)が形成されている軸部(3
    1A)を有し上記カム(20)の回転速度に応じて揺動
    量が可変のフライウエイト(31)を、上記開口(30
    B)内にて上記カム(20)のカムシャフト(19)と
    平行する方向で揺動可能に支持し、 上記凹所(30A)に対して着脱可能なキャップ部材
    (32)を該凹所を覆う状態で配置し、 上記キャップ部材(32)には、エンジン始動時、上記
    フライウエイト(31)の軸部(31A)のうちで切り
    欠き部(31B)以外の周面を上記カムの輪郭面(20
    A)に臨ませる習性を付与する弾性部(32A2)が形
    成され、上記凹所(30A)に装着されることで上記フ
    ライウエイト(31)の抜け止めを行うように構成され
    ていることを特徴とするエンジンのデコンプ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のエンジンのデコンプ装置
    において、 上記キャップ部材(32)の弾性部(32A2)は、延
    長方向一端がキャップ部材(32)の底面(32A)と
    一体化され、延長方向他端が上記フライウエイト(3
    1)の一部に当接する可撓片(32A20)で構成され
    ていることを特徴とするエンジンのデコンプ装置。
JP24683897A 1997-09-11 1997-09-11 エンジンのデコンプ装置 Expired - Lifetime JP3450997B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24683897A JP3450997B2 (ja) 1997-09-11 1997-09-11 エンジンのデコンプ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24683897A JP3450997B2 (ja) 1997-09-11 1997-09-11 エンジンのデコンプ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1181949A true JPH1181949A (ja) 1999-03-26
JP3450997B2 JP3450997B2 (ja) 2003-09-29

Family

ID=17154459

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24683897A Expired - Lifetime JP3450997B2 (ja) 1997-09-11 1997-09-11 エンジンのデコンプ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3450997B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6848407B2 (en) 2002-03-29 2005-02-01 Misato Kobayashi Decompression device for power generator engine
CN100453773C (zh) * 2003-08-20 2009-01-21 科勒公司 包括在发动机停机过程中防止非故意失效的部件的自动减压装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6848407B2 (en) 2002-03-29 2005-02-01 Misato Kobayashi Decompression device for power generator engine
CN100453773C (zh) * 2003-08-20 2009-01-21 科勒公司 包括在发动机停机过程中防止非故意失效的部件的自动减压装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3450997B2 (ja) 2003-09-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4490846B2 (ja) エンジンのデコンプ装置
KR101291490B1 (ko) 내연 기관의 밸브 작동 장치
US5711264A (en) Combustion engine compression release mechanism
JPH10159524A (ja) エンジンのデコンプ機構
US7174871B2 (en) Mechanical compression and vacuum release mechanism
JPH1181949A (ja) エンジンのデコンプ装置
JP3450996B2 (ja) エンジンのデコンプ装置
JPH0629525B2 (ja) 内燃機関の動弁機構
JPH05133230A (ja) 2サイクルエンジンの排気バルブ装置
JP5142804B2 (ja) 内燃機関の動弁装置
JPH04191408A (ja) 四サイクルエンジンのオートデコンプ装置
JP3366171B2 (ja) エンジンのデコンプ機構
JPS63246404A (ja) 内燃機関の減圧装置
JPS60156976A (ja) 小形内燃機関における遠心式自動減圧装置
JPH0717769Y2 (ja) エンジンの自動デコンプ装置
JPS6137777Y2 (ja)
JP2509668Y2 (ja) エンジンのデコンプ装置付カム軸
JPH0396605A (ja) 動弁機構のバルブタイミング・リフト量可変機構
JP3023980B2 (ja) 内燃機関の動弁装置
JPS632565Y2 (ja)
JPH0610107Y2 (ja) エンジンのオ−トデコンプ装置
JPH0144724Y2 (ja)
JP2003013719A (ja) デコンプ装置
JP2000337114A (ja) 内燃機関の動弁装置
JPH0533621A (ja) 内燃機関の動弁装置

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090711

Year of fee payment: 6

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090711

Year of fee payment: 6

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120711

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130711

Year of fee payment: 10

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term