JPH1181484A - 滑り転動軸受け構造およびそれを用いた構造物の免震装置 - Google Patents

滑り転動軸受け構造およびそれを用いた構造物の免震装置

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JPH1181484A
JPH1181484A JP23844497A JP23844497A JPH1181484A JP H1181484 A JPH1181484 A JP H1181484A JP 23844497 A JP23844497 A JP 23844497A JP 23844497 A JP23844497 A JP 23844497A JP H1181484 A JPH1181484 A JP H1181484A
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sliding
holding
rolling bearing
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JP23844497A
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Motoharu Yatsuhashi
元治 八橋
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Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造が簡単でコストが安く、低摩擦係数の高
性能な滑り転動軸受け構造と、滑り転動支承において球
の位置ずれを最小限に押さえて全体的な摩擦係数の増大
を確実に無くすことができる構造物の免震装置とを提供
する。 【解決手段】 回転する球や回転軸などの断面円形の回
転体1を保持部2により滑り転動保持する滑り転動軸受
けにおいて、保持部2は、断面視でその凹部2aがほぼ
円弧形状であって、この凹部2aの内表面に回転体1が
1箇所にほぼ点接触する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転する球や回転
軸等の荷重を支持する回転体を保持する滑り転動軸受け
構造と、支承手段により構造物を基礎に対して水平方向
に移動自在に支持する構造物の免震装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、球や回転軸等の回転する部材に
荷重を支持する構造として、回転する球を転がり保持す
る転がり軸受けがある。この転がり軸受けは、ローラ上
に搬送物を転がり送る搬送用軸受けや基礎と建築物との
間に介装する免震用軸受けに限られず、摩擦係数を小さ
くするため、多数の小ボールと1の大ボールとの組み合
わせによる軸受けが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記小
ボールと大ボールを用いる軸受けでは構造が複雑でコス
トが高く、機械的強度が低いという問題点がある。これ
に対して、滑り軸受けを採用しようとしても、一般に、
滑り摩擦係数は高く、例えば鉄同士であれば0.52、
鉄と炭素とでは0,15、さらに最も滑り摩擦係数の低
いものと称されるポリ4フッ化エチレンでも0.05で
ある。また、有機物では過度の高面圧に対して問題があ
る。したがって、従来は滑り摩擦係数を0.05以下に
して摩擦係数の低い滑り軸受けを構成することは、単に
材料を選択するだけでは困難であった。
【0004】また、前述の軸受け構造の応用例として、
免震装置の支承手段がある。従来の免震装置の支承手段
としては、球を支持部材上で転動させる転がり支承手段
や、滑り体を支持部材上にて摺動させる滑り支承手段等
がある。転がり支承手段は、バネとダンパとを組み合わ
せたものと併用され、この種の複合支承においては、支
承手段により構造物を水平方向に移動自在に支持し、か
つ、バネとダンパの組み合わせによる復元力及び減衰力
で構造物の振動を良好に減衰する。
【0005】しかしながら、前記複合支承は、前述のよ
うに、転がり支承手段の他に、バネおよびダンパの組み
合わせ等を必要とするため、三種以上の異なる装置が必
要となり、コストが高く装置全体も複雑化する。また、
滑り支承手段は、摩擦係数を小さくすることができず、
ダンパー不要であるが、免震性能を向上させるのに困難
な点がある。
【0006】また、転がり支承手段において支持部材が
平板上である場合は、球と上下の支持部材との接触が略
点接触になるので、この接触部分の圧力は非常に大きく
なるため、球や支持部材の材質、形状などが制約を受
け、ひいては、装置全体のコスト等に影響が及ぶという
問題点がある。また、滑り支承手段にあっては、滑り体
と支持部材との接触部分に異物等が侵入すると、摺動抵
抗が増大し免震性能が影響される恐れがある。
【0007】以上のような種々の問題点を解消するた
め、出願人はこの種の免震装置において、球(ボール)
を凹状内周面に装着して滑動状態で保持する保持部材
と、前記球を転動状態で支持する転がり支持部材とから
主に構成することを案出した(未公知)。
【0008】ここで、前記凹状内周面と球との曲率半径
は、経験則から1.10前後にすることができる。しか
し、前記保持部材と球との間を滑動させるために、例え
ばグリース等の半流動性潤滑剤を保持部材の凹状内周面
に内封するが、この半流動性潤滑剤の漏れを防ぐために
ゴム製のパッキン等の封止部材で封入することが考えら
れる。
【0009】しかるに、前記凹状内周面と球との曲率半
径比が大きいと球が回転を始めたときに球の中心位置が
ずれるので、球は封止部材の先端部を強く押することに
なる。金属からなる球と封止部材の材料との摩擦係数は
かなり大きいので支承手段全体の転がり摩擦係数は非常
に大きくなる。このように、滑り転動支承で摩擦係数が
大きくなると、地震応答加速度も大きくなり、免震効果
が悪くなる不具合が生じる。
【0010】本発明は、前記問題点を解消するべくなさ
れたものであって、滑り転動の構造を採用することによ
り、構造が簡単でコストが安く、低摩擦係数の高性能な
滑り転動軸受け構造を提供することを第1の目的とす
る。また、本発明は、滑り転動支承において球の位置ず
れを最小限に押さえて全体的な摩擦係数の増大を確実に
無くすことができる構造物の免震装置を提供することを
第2の目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の第1の
目的を達成するため、次の構成を有する。請求項1の発
明は、回転する球や回転軸などの断面円形の回転体を保
持部により滑り転動保持する滑り転動軸受けにおいて、
保持部は、断面視で回転体がほぼ点接触しかつ滑るよう
に構成し、前記保持部と回転体との接触点の移動を制限
する構造にしたことを特徴とする滑り転動軸受け構造で
ある。請求項2の発明は、断面視で保持部の内面がほぼ
円弧形状であって、このほぼ円弧形状内面に回転体がほ
ぼ点接触するようになっていることを特徴とする請求項
1に記載の滑り転動軸受け構造である。請求項3の発明
は、断面視で保持部の内面が直線部を含み、この直線部
に回転体が接触するようになっていることを特徴とする
請求項1に記載の滑り転動軸受け構造である。請求項4
の発明は、移動を制限する構造は、回転体の保持部に対
する接触位置がずれないように回転体を回転可能に挟持
する位置ずれ規制部材であることを特徴とする請求項1
ないし3のうちのいずれか1に記載の滑り転動軸受け構
造である。請求項5の発明は、移動を制限する構造は、
円弧形状内面の曲率半径Rと回転体の半径rとの比R/
rが1.08以下となる構成にしたことを特徴とする請
求項2に記載の滑り転動軸受け構造である。
【0012】また、本発明は前記第2の目的を達成する
ため、次の構成を有する。請求項6の発明は、支承手段
により構造物を基礎に対して水平方向に移動自在に支持
する構造物の免震装置において、前記支承手段は、前記
基礎と前記構造物との間に配設された球と、前記基礎お
よび構造物のうちの一方に固定されかつ球面状の凹部内
に前記球を滑動状態で保持する保持部材と、前記基礎お
よび構造物のうちの他方に固定されて前記球を転動状態
で支持する転がり支持部材とを有する滑り転動軸受け構
造を用い、前記保持部材内周面の曲率半径Rと球半径r
との比R/rを1.08以下としたことを特徴とする構
造物の免震装置である。
【0013】請求項1の発明によれば、保持部は、断面
視で回転体がほぼ点接触しかつ滑るようにするので、滑
り転動時の保持部と回転体との接触点の移動が制限さ
れ、摩擦係数が小さくかつ安定した特性が得られる。し
たがって、軸受けの回転抵抗が減少する。また、請求項
2の発明によれば、断面視で保持部の内面がほぼ円弧形
状であって、この内面に回転体がほぼ点接触するように
なっているので、滑り転動時の保持部と回転体との接触
点の移動が制限され、高面圧に適し、摩擦係数が小さく
安定する。なお、単一円弧に点接触するばあいと複数円
弧の組み合わせに対して複数点で接触する場合も含まれ
る。また、請求項3の発明によれば、断面視で保持部の
内面が直線部を含み、この直線部に回転体がほぼ点接触
することができる。この場合に、回転体と保持部との接
触点が複数になった場合に高面圧に適し、かつ、接触点
の移動が制限されて摩擦係数が小さく安定する。また、
請求項4の発明によれば、回転体の保持部に対する接触
位置がずれないように回転体を回転可能に挟持する位置
ずれ規制部材を有するので、確実に、同位置で回転体が
保持部に接触し、摩擦係数が安定する。また、請求項5
の発明によれば、移動を制限する構造として、円弧形状
内面の曲率半径Rと回転体の半径rとの比R/rを0.
18以下に構成するので、該内面に対して回転体が回転
すると接触点位置が一定の範囲内に制限される。したが
って、請求項2の作用効果に加えて、保持部に別途の位
置ずれ規制部材などの構造を付け加える必要がなく、構
造が簡単になるという作用効果を奏する。
【0014】請求項6の発明によれば、転がり支持部材
における球の転動により、構造物と基礎とを相対的に変
位可能とし、良好な免震効果が得られる。それと同時
に、保持部内の球の滑動によって生ずる滑り摩擦と転が
り支持部材上の転がり摩擦により地震エネルギーが吸収
されるので、ダンパ効果が得られるようになる。よっ
て、構造物と基礎とを相対的に変位させる支承手段に、
ダンパ効果を具備させることができるので、従来の少な
くともダンパを削除することができる。
【0015】発明者は、後述するように、前記滑り支持
部材の球面状の凹部内周面の曲率半径Rと球半径rとの
比R/rを1.08以下にすることにより回転中の球の
移動を制限できることを見いだしたものである。すなわ
ち、本発明は、前記比R/rを1.08以下にする構成
により球とパッキン材との摩擦力を小さくし全体として
軸受けの回転摩擦係数の増大を押さえることができるも
のである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を詳細に説明する。図1は、実施形態1に係る滑
り転動軸受け構造の説明断面図である。図1に示すよう
に、実施形態1の滑り転動軸受け構造は、回転する球や
回転軸などの断面円形の複数の回転体1を保持部2によ
り滑り転動保持する滑り転動軸受けに関するものにおい
て、保持部2は、断面視でその複数の凹部2aが円弧形
状であって、この凹部2aの内表面に回転体1が夫々一
か所でほぼ点接触しかつ滑るように構成したものであ
る。そして、回転体1と保持部2との接触点の移動を制
限する構造として、実施形態1では、保持部2の円弧形
状内面の曲率半径Rと回転体の半径rとの比R/rが
1.08以下としたものである。また、保持部2は基礎
4に固定され、凹部2a内の回転体1は搬送物3を載せ
て転動する。なお、保持部2の凹部2aと回転体1との
接触軌跡は、回転体1の滑り転動で具体的には小円ある
いは長円形状を呈するので、完全な点接触ではなく点接
触に近いほぼ点接触状態を呈するものである。
【0017】図2〜図3は、実施形態1に係る滑り転動
軸受け構造を用いた構造物の免震装置の説明図である。
図2に示すように、免震装置は、支承手段10として基
礎12と構造物14との間に配設された回転体例えば鋼
球からなる球16と、前記構造物(または基礎)14に
固定されかつ球面状の凹部18内に前記球16を滑動状
態で支持する保持部20と、前記基礎(または構造物)
12に固定されて前記球16を転動状態で支持する受け
皿(転がり支持部材に相当)22とを有する。
【0018】また、前記受け皿22は、中心位置から外
方に行くに従って前記保持部20側に近づくほぼすり鉢
形状を呈して前記ボールを転動させる傾斜面22aを有
する。前記保持部20の凹部18内周面の曲率半径Rと
球16半径rとの比R/rを1.08以下としたもので
ある。また、保持部20内にはグリース等の潤滑剤が充
填されるものにして、ゴム等の樹脂製弾性体からなるゴ
ムパッキン24を保持部20下端部に固定して、この潤
滑剤の落下を防止する。なお、パッキン材としてゴム弾
性体の替わりに金属製のリング(スリンガーとも称され
る)を使用することもできる。この金属製リングにすれ
ば、ゴムパッキンよりも摩擦係数の面で有利となる。
【0019】前記の免震装置の支承手段10では、保持
部20の凹部18内で球16は、1箇所でほぼ点接触し
て滑り転動する。この場合、免震装置に用いる滑り転動
軸受け構造の具体的な数値例を挙げると、球16と凹部
18との摩擦係数μ=0.05、構造物14の重量によ
り保持部20が球16に及ぼす荷重W=5(ton)、
球16の半径r=38.1(cm)とする。
【0020】ここで、摩擦力と荷重Wの合成力が前記凹
部18内周面(曲率半径R)の中心Oと球16(半径
r)の中心Pとを通る直線Lが凹部18と球16との接
触点Aを通ったとき安定する。また、前記合成力が中心
を通らない場合、球16に回転するモーメントが働き自
動調整される。
【0021】このような関係の上で、ゴムパッキン24
が球16に摺接する摩擦等も含み、全体的な回転摩擦係
数の増大を抑えるには、前記のように、前記保持部20
の凹部18内周面の曲率半径Rと球16半径rとの比R
/rを1.08以下に設定する。
【0022】このように前記比R/rを設定することに
より前記支承手段10の滑り転動状態および摩擦係数を
安定させる原理を説明する。〔地震発生前の球の動作〕
図3に示すように、地震発生前に球16の位置は、点線
で表され、そのときには、その球16の中心Pは受け皿
22の中心と保持部20内の凹部18の曲率半径Rの中
心Oとが一直線となり、垂線になる。
【0023】〔地震発生時の球の動作〕そして、地震発
生時には、球16は受け皿22上を転がり(回転し
て)、保持部20内の接触点で滑ることになる。そのと
き、保持部20の曲率半径Rの方が球16の半径rより
大きいから、球16の位置が横にずれ、球16と保持部
30とは点Aで点接触(ほぼ点接触)することになる。
【0024】〔接触点の位置〕保持部20曲率の中心O
と球16の中心Pと接触点Aは、一直線になる。荷重W
のベクトル(破線で示す)との角度をθとすると、摩擦
に対抗する力はμWcosθ(破線で示す)となる。
【0025】〔θの導出法〕図3から、
【数1】 この結果は、球16の受け皿22上における自然降下条
件と全く一致する。
【0026】〔横方向のずれ〕球の中心の横方向へのず
れd=(R−r)sinθ
【表1】
【0027】〔R/r、μ、球の横方向へのずれとの関
係〕図4は、保持部20の凹部18内周面の曲率半径R
と球16の半径rとのR/rに対する摩擦係数μの関係
の実測値(4次近似曲線)を示す。また、図5は球16
の保持部20に対する横方向へのずれ(横ずれ)の計算
値と実測値を示す。図4および図5を参照すると、摩擦
係数μは、前記比R/rの増加にしたがい急激に大きく
なる。また、球の横ずれdも前記比R/rの増加にした
がいさらに急激に大きくなる。
【0028】図4から、前記比R/rが1.08以下で
あると、摩擦係数μが0.05以下になることが理解さ
れる。しかも、図5からこの比R/rが1.08以下で
あると横ずれは、0.300mm以下になり、保持部2
0の凹部18内周面に対する球16の接触点位置が安定
する。すなわち、前記比R/rが1.08以下であるな
らば、保持部に対する回転体の移動を制限する構造とし
て十分に機能できることが理解される。そして、滑り転
動軸受け構造では、回転体は保持部凹部内で滑り、回転
体例えば球は受け皿上を転動するが、その摩擦係数μ
は、滑り摩擦が含まれるにもかかわらず、0.02以下
という従来では実現不可能である値が得られた。
【0029】このように前記比R/rを1.08以下に
する構成により、球の横ずれを少なくしすなわち回転体
と保持部の接触点の移動を制限する。これにより、回転
体と保持部との滑り摩擦係数を安定化しかつ小さくな
る。また、移動が少ないので回転体とゴムパッキンとの
摩擦力が小さくなり、全体として滑り転動支承の回転摩
擦係数の増大を押さえることができるものである。
【0030】発明者は、上記の結果から、前記比R/r
がほぼ1.10以上では摩擦係数μと球の横ずれdが大
きすぎるが、前記比R/rが1.08以下であるならば
摩擦係数μと球の横ずれを小さくする対策すなわち移動
制限手段として十分に機能できると結論付けて、本発明
をなしたものである。
【0031】これに対して、従来の滑り転動軸受けにお
いて、摩擦係数μは回転体と保持部内面との接触する点
が安定せず、摩擦係数が不安定で大きいが、実施形態の
滑り転動軸受け構造によれば、接触点が一定状態で滑る
ので摩擦係数μが安定してかつ小さくなるものである。
【0032】図6は、実施形態2に係る滑り転動軸受け
構造の説明図である。この滑り転動軸受け構造において
は、断面視で保持部26の内面が2つの直線部27、2
7で構成され、それら直線部27、27に回転体1がそ
れぞれほぼ点接触するようになっている。そして、回転
体1の保持部26に対する接触位置がずれないように回
転体1を径方向から回転可能に挟持する位置ずれ規制部
材28を回転体1を取り囲んで壁状に垂下形成してい
る。なお、この実施形態2では、前記図1と同様に部分
に同一番号を付している。
【0033】実施形態2によれば、断面視で保持部の内
面の直線部27、27に回転体1が2箇所でほぼ点接触
する。また、位置ずれ規制部材28により回転体1の直
線部27、27に対する接触位置29、29が変化しな
いようにするので、摩擦係数が低い状態で安定する。
【0034】図7は、実施形態3に係る滑り転動軸受け
構造の説明図である。この実施形態3は、図1の実施形
態1と同様の回転する球や回転軸などの断面円形の回転
体を保持部により滑り転動保持する滑り転動軸受けにお
いて、保持部30は、断面視でその凹部30aがほぼ円
弧形状であって、この凹部30aの内表面に回転体1が
1箇所でほぼ点接触するようになっていると共に、回転
体1の保持部30に対する接触位置32がずれないよう
に回転体1を回転可能に挟持するフランジ形状の位置ず
れ規制部材31を回転体1の表面ないしその近傍位置に
向けて突出形成している。なお、この実施形態3では、
前記図1と同様の部分に同一番号を付している。
【0035】上記実施形態3によれば、断面視で保持部
30の内面に回転体1が1箇所でほぼ点接触し、また、
位置ずれ規制部材31により回転体の凹部30aに対す
る接触位置32が変化しないようにするので、摩擦係数
が低い状態で安定する。
【0036】図8は、実施形態4に係る滑り転動軸受け
構造の説明図である。この実施形態4は、実施形態1と
同様の回転する球や回転軸などの断面円形の回転体1を
保持部33により滑り転動保持する滑り転動軸受けにお
いて、保持部33は、断面視でその凹部33aが2つの
ほぼ円弧形状の内周面34、34が下開きのV字形状を
組み合わせて形成されてなり(移動制限手段に相当)、
この凹部33aの内周面34、34表面に回転体1が二
点でほぼ点接触するようになっている。
【0037】したがって、前記保持部33は、組合わさ
った内周面34、34により回転体1を挟みつけるの
で、回転体1は保持部33に対する接触位置35、35
がずれないように回転体1を回転可能に挟持するように
形成されている。なお、この実施形態4では、前記図1
と同様の部分に同一番号を付している。また、保持部3
3の下端部にゴムパッキン24が固定されている。
【0038】上記実施形態4によれば、断面視で保持部
の内面に回転体1が2箇所でほぼ点接触し、より高面圧
に適する。また、内周面34、34で挟持するので接触
点の位置ずれがなく、接触位置35、35が変化しない
ようにするので、摩擦係数が低い状態で安定する。
【0039】なお、前記実施形態1〜4によれば、回転
体と保持部内面が、1点または2点で接触しているが、
本発明の接触点の数はこれに限定されず、その他摩擦係
数の減少効果が得られる範囲で何点選んでもよいもので
ある。
【0040】また、前記各実施形態のように、本発明の
滑り転動軸受け構造は免震装置に用いるのに好適である
が、本発明の実施範囲はこれに限定されないことは明ら
かである。例えば、本発明の滑り転動軸受け構造は、保
持部が床などに固定されて搬送物がポールに支えられて
低摩擦で運搬する手段としても実施可能である。また、
回転体に軸を用いた一般的な軸受け構造として用いるこ
とにも好適である。
【0041】
【発明の効果】以上説明した通り、請求項1の発明によ
れば、保持部は、断面視で回転体がほぼ点接触しかつ滑
るようにしたので、滑り転動時の保持部と回転体との接
触点の移動が制限され、摩擦係数が小さくかつ安定した
特性が得られる。したがって、軸受けの回転抵抗が減少
する。また、請求項2の発明によれば、断面視で保持部
の内面が円弧形状であって、この内面に回転体が一点で
接触するようになっているので、構造が簡単で摩擦係数
が小さく安定する。また、請求項3の発明によれば、断
面視で保持部の内面が直線部を含み、この直線部に回転
体が接触することができるのでより高面圧に適する。ま
た、請求項4の発明によれば、回転体の保持部に対する
接触位置がずれないように回転体を回転可能に挟持する
位置ずれ規制部材を有するので、同位置で回転体が保持
部に接触し、したがって、滑り摩擦係数が安定する。ま
た、請求項5の発明によれば、保持部に別途の位置ずれ
規制部材などの構造を付け加える必要がなく、構造が簡
単になるまた、請求項6の発明によれば、滑り転動支承
において球の位置ずれを最小限に押さえて、全体的な摩
擦係数の増大を確実に無くすことができる球とパッキン
材との摩擦力を小さくし全体として支承手段の全体的な
回転摩擦係数の増大を押さえることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る滑り転動軸受け構造
の説明図である。
【図2】実施形態1の滑り転動軸受けを用いた免震装置
の説明図である。
【図3】本発明の原理を説明する、支承手段としての軸
受け構造説明図である。
【図4】同じく、軸受け構造における、摩擦係数と比R
/rとの関係説明図である。
【図5】同じく、軸受け構造における、球の横ずれとR
/rとの関係例説明図である。
【図6】実施形態2に係る滑り転動軸受け構造の説明図
である。
【図7】実施形態3に係る滑り転動軸受け構造の説明図
である。
【図8】実施形態4に係る滑り転動軸受け構造の説明図
である。
【符号の説明】
1 回転体 2 保持部 10 支承手段 16 球 18 凹部 20 保持部 22 受け皿 24 ゴムパッキン 26 保持部 27 直線部 28 位置ずれ規制部材 29、29 接触位置 30 保持部 30a 凹部 31 位置ずれ規制部材 32 接触位置 33 保持部 33a 凹部 34、34 球状の内周面 35、35 接触位置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転する球や回転軸などの断面円形の回
    転体を保持部により滑り転動保持する滑り転動軸受けに
    おいて、 保持部は、断面視で回転体がほぼ点接触しかつ滑るよう
    に構成し、 前記保持部と回転体との接触点の移動を制限する構造に
    したことを特徴とする滑り転動軸受け構造。
  2. 【請求項2】 断面視で保持部の内面がほぼ円弧形状で
    あって、このほぼ円弧形状内面に回転体がほぼ点接触す
    るようになっていることを特徴とする請求項1に記載の
    滑り転動軸受け構造。
  3. 【請求項3】 断面視で保持部の内面が直線部を含み、
    この直線部に回転体が接触するようになっていることを
    特徴とする請求項1に記載の滑り転動軸受け構造。
  4. 【請求項4】 移動を制限する構造は、回転体の保持部
    に対する接触位置がずれないように回転体を回転可能に
    挟持する位置ずれ規制部材であることを特徴とする請求
    項1ないし3のうちのいずれか1に記載の滑り転動軸受
    け構造。
  5. 【請求項5】 移動を制限する構造は、円弧形状内面の
    曲率半径Rと回転体の半径rとの比R/rが1.08以
    下となる構成にしたことを特徴とする請求項2に記載の
    滑り転動軸受け構造。
  6. 【請求項6】 支承手段により構造物を基礎に対して水
    平方向に移動自在に支持する構造物の免震装置におい
    て、 前記支承手段は、前記基礎と前記構造物との間に配設さ
    れた球と、前記基礎および構造物のうちの一方に固定さ
    れかつ球面状の凹部内に前記球を滑動状態で保持する保
    持部材と、前記基礎および構造物のうちの他方に固定さ
    れて前記球を転動状態で支持する転がり支持部材とを有
    する滑り転動軸受け構造を用い、 前記保持部材内周面の曲率半径Rと球半径rとの比R/
    rを1.08以下としたことを特徴とする構造物の免震
    装置。
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