JPH1181124A - 廃インク吸収体 - Google Patents

廃インク吸収体

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JPH1181124A
JPH1181124A JP24951497A JP24951497A JPH1181124A JP H1181124 A JPH1181124 A JP H1181124A JP 24951497 A JP24951497 A JP 24951497A JP 24951497 A JP24951497 A JP 24951497A JP H1181124 A JPH1181124 A JP H1181124A
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寿史 神代
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃インクの保液性及び拡散性に優れ、しかも
廃インクを吸収したとしてもほとんど膨張しない廃イン
ク吸収体を提供すること。 【解決手段】 本発明の廃インク吸収体は、公定水分率
が5%以上の繊維を含み、かつ絡合した繊維シートから
なる保液層の少なくとも片側に、公定水分率が5%未満
の繊維を含む繊維シートからなる拡散層を有するもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は不要なインクを吸収
し、保持して、周囲の汚染を防止できる廃インク吸収
体、特にインクジェット記録装置に用いることのできる
廃インク吸収体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インク液滴を微小なオリフィスか
ら吐出し、紙などの記録媒体上に付着させて、ドット記
録を行うインクジェット記録装置が市販されている。こ
のインクジェット記録装置の種類の1つとして、ドット
記録が必要な時にのみインク液滴を吐出する、ドロップ
オンデマンド方式がある。このドロップオンデマンド方
式を採用するインクジェット記録装置においては、常時
インク液滴が吐出されているわけではないため、インク
ジェット記録装置を使用していない時に、インクが増粘
したり、オリフィス及び/又はインク供給路付近で固着
したり、或いはオリフィスの先端にゴミが付着したりす
る。そのため、空吐出や減圧吸引を行うことによって、
正常にインク液滴を吐出できる状態へと回復動作を行っ
ている。この空吐出や減圧吸引により生じる廃インクは
廃インク吸収体に吸収、保持され、インクジェット記録
装置の廃棄と同時に、この廃インク吸収体も廃棄され
る。このように、廃インク吸収体はインクジェット記録
装置を廃棄するまでの長期間使用されるため、優れた吸
液性が必要である。
【0003】この廃インク吸収体として、パルプをバイ
ンダーで接着した繊維シート間に、パルプを主体とする
二次元的に配列した繊維シートを多数積層したものが知
られている。この廃インク吸収体は吸液性が優れている
ものの、吸液することによって廃インク吸収体の厚さ方
向に膨張するため、インクジェット記録装置の小型化が
困難であったり、この膨張した廃インク吸収体が印字制
御回路部分と接触してインクジェット記録装置が誤動作
を生じたり、ショートする可能性があった。また、廃イ
ンク吸収体はインクジェット記録装置の幅よりもやや小
さい大きさのものを、インクジェット記録装置に収容し
て使用されるが、インク液滴を記録媒体上にドット記録
する動作は記録媒体の端部から順に行うため、空吐出や
減圧吸引はインクジェット記録装置の端部において行わ
れ、廃インクは廃インク吸収体の端部に滴下される。し
かしながら、前記の廃インク吸収体は吸液性のパルプを
主体としているため廃インクの拡散性が悪く、廃インク
吸収体全体を使用することが困難で、最悪の場合には、
廃インクがオーバーフローしてしまう可能性があった。
【0004】他方、廃インク吸収体として、高吸水性繊
維を含むニードルパンチフェルトも知られているが、高
吸水性繊維を使用しているがために更に廃インクの拡散
性が悪く、廃インク吸収体全体を使用することが困難で
あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題を
解決するためになされたものであり、廃インクの保液性
及び拡散性に優れ、しかも廃インクを吸収したとしても
ほとんど膨張しない廃インク吸収体を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の廃インク吸収体
は、公定水分率が5%以上の繊維を含み、かつ絡合した
繊維シートからなる保液層の少なくとも片側に、公定水
分率が5%未満の繊維を含む繊維シートからなる拡散層
を有するものである。そのため、廃インクが廃インク吸
収体の端部に滴下されると、廃インクは拡散層によって
吸液されることなく、主として拡散層を通じて廃インク
吸収体全体に拡散する。また、廃インク吸収体の実質的
に廃インクを保持する保液層は絡合しているため、吸液
した際にほとんど膨張しない。更に、廃インク吸収体は
公定水分率が5%以上の繊維を含む保液層を有するた
め、保液性にも優れている。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の保液層は公定水分率が5
%以上の繊維を含み、かつ絡合した繊維シートからなる
ため、廃インクの保液性に優れ、吸液した際にもほとん
ど膨張しない。なお、本発明における公定水分率はJI
S L 1003に規定される方法により測定される値を
いう。この公定水分率が5%以上の繊維を使用するの
は、公定水分率が5%未満では廃インクの保液性に劣る
ためで、より好ましくは公定水分率7%以上の繊維を使
用する。この公定水分率が5%以上の繊維としては、例
えば、レーヨン繊維、ポリノジック繊維、キュプラ繊
維、アセテート繊維、ビニロン繊維、テンセル繊維(溶
剤抽出法により得られるセルロース繊維)、パルプ、ア
クリル繊維の加水分解系や橋かけポリアクリル酸塩系や
橋かけカルボキシメチルセルロース系などの高吸水性繊
維を1種類以上使用できる。これらの中でも絡合しやす
く、安価であるレ−ヨン繊維が好適である。なお、仮に
インクジェット記録装置が発火した場合であっても、被
害を最小限に抑えることができるように、難燃性かつ公
定水分率が5%以上の繊維(例えば、難燃レーヨン繊
維)を使用したり、繊維シートを形成した後に難燃処理
を施すのが好ましい。
【0008】この公定水分率が5%以上の繊維は廃イン
クの保液性に優れるように、保液層全体の30mass
%以上占めるのが好ましく、40mass%以上占める
のがより好ましく、50mass%以上占めるのが最も
好ましい。この公定水分率が5%以上の繊維以外の繊維
としては、例えば、繊維径10μm以下の極細繊維を混
合して保液性を向上させたり、熱融着性繊維を混合し、
この熱融着性繊維を融着することにより、吸液した際の
廃インク吸収体の膨張を確実に防止することができる。
この熱融着性繊維としては、全溶融型の熱融着性繊維で
あっても良いし、繊維表面の少なくとも一部が溶融する
一部溶融型の熱融着性繊維であっても良いが、融着後で
あっても繊維形状を維持することのできる一部溶融型の
熱融着性繊維の方がより好ましい。この好適である一部
溶融型の熱融着性繊維としては、例えば、ナイロン66
/ナイロン6、ナイロン6/共重合ナイロン、ポリエチ
レンテレフタレート/共重合ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリプロピレン/ポリエチレンなどの組合わせから
なる、芯鞘型、偏芯型、或はサイドバイサイド型のもの
を使用できる。なお、この熱融着性繊維を融着する場
合、後述の絡合処理の後に融着すると、繊維同士の接合
点が多い状態で固定されるため、廃インク吸収体が吸液
した際の膨張をより確実に防止することができる。更
に、加圧した状態で熱融着性繊維を融着すると、より一
層繊維同士の接合点が増え、廃インク吸収体が吸液した
際の膨張を更に確実に防止することができるため、好適
な融着方法である。そのため、絡合処理後に、加熱加圧
して熱融着性繊維を融着するのが最も好ましい。
【0009】本発明の廃インク吸収体の保液層は絡合し
ているため、吸液した際の廃インク吸収体の膨張を防止
することができる。この絡合方法としてはニードルパン
チ法や水流絡合法を例示できる。これらの中でもニード
ルパンチにより絡合していると、嵩高く、廃インク吸収
量の多い保液層を形成しやすいため好適である。この好
適であるニードルパンチは常法により行うことができる
が、十分に絡合させて、廃インク吸収体の膨張を防止で
きるように、針密度10本/cm2以上でニードルパン
チするのが好ましい。
【0010】上述のような保液層は不織布、織物、編物
などの繊維シートからなるが、微細な空隙を多数有し、
保液性に優れる不織布であるのが好ましい。この好適で
ある不織布は、湿式法、好適にはカード法やエアレイ法
などの乾式法により繊維ウエブを形成した後、ニードル
や水流によって絡合処理を施すことによって容易に製造
できる。
【0011】本発明の廃インク吸収体は上述のような保
液層の少なくとも片側に、公定水分率が5%未満の繊維
を含む繊維シートからなる拡散層を有している。このよ
うに本発明の廃インク吸収体は拡散層がほとんど吸液す
ることなく、廃インクを速やかに廃インク吸収体全体に
拡散することができる。なお、拡散層を両側に有する場
合には、更に廃インクの拡散性が向上するのは勿論のこ
と、インクジェット記録装置を構成する筐体と接触して
いない拡散層は廃インクの蒸散層として作用することが
できるため、より長期間安定して吸液することができ
る。
【0012】この公定水分率が5%未満の繊維を使用す
るのは、公定水分率が5%以上では廃インクの拡散性に
劣るためで、より好ましくは公定水分率0〜3%の繊維
を使用する。この公定水分率が5%未満の繊維として
は、例えば、ガラス繊維、シリカアルミナ繊維、シリカ
繊維、アルミナ繊維、ロックウールなどの無機繊維や、
メタ型又はパラ型の芳香族ポリアミド繊維、ポリアミド
繊維、ポリアミドイミド繊維、芳香族ポリエーテルアミ
ド繊維、ポリベンツイミダゾール繊維、アクリル繊維、
ポリウレタン繊維、ポリクラール繊維、ポリオレフィン
系繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ビニリデン繊維、ベンゾ
エート繊維、ポリエステル繊維などの有機繊維を1種類
以上使用できる。これらの中でも無機繊維は不燃性で、
仮にインクジェット記録装置が発火した場合であって
も、被害を最小限に抑えることができるため、好適に使
用することができる。この無機繊維の中でも、シリカ成
分を含む繊維は水に対する濡れ性が高いものの、吸水性
はなく、拡散層における廃インクの拡散性に優れている
ため、特に好適に使用することができる。また、この公
定水分率が5%未満の繊維はキャピラリー効果による廃
インクの拡散性に優れるように、繊維径が0.01〜2
0μmであるのが好ましい。繊維径が0.01未満であ
ると、繊維シートの形成が困難であり、繊維径が20μ
mを越えると、廃インクの拡散性が低下するためで、好
ましくは0.1〜10μm、より好ましくは0.5〜5
μmである。なお、公定水分率が5%未満の繊維が異形
断面形状を有する場合には、異形断面積と同じ面積を有
する円形の直径を繊維径とみなす。
【0013】この公定水分率が5%未満の繊維は廃イン
クの拡散性に優れるように、拡散層全体の30mass
%以上占めるのが好ましく、50mass%以上占める
のがより好ましく、70mass%以上占めるのが最も
好ましい。この公定水分率が5%未満の繊維以外の繊維
としては、前述の保液層を構成できる繊維と同様のもの
を使用できる。これらの中でも、フィブリル化したパル
プを混合すると、均一かつ強度的に優れる拡散層を形成
できるので好適である。なお、このフィブリル化したパ
ルプの混合量は拡散速度を損なわないように、拡散層の
1〜5mass%とするのが好ましい。また、この拡散
層の見掛密度は拡散性に優れるように、0.05〜0.
3g/cm3であるのが好ましく、0.1〜0.25g
/cm3であるのがより好ましい。また、拡散層の面密
度は50〜200g/m2程度であるのが好ましい。
【0014】上述のような拡散層は不織布、織物、編物
などの繊維シートからなるが、全方向への拡散性に優れ
る不織布であるのが好ましい。なお、この拡散層の繊維
シートを構成する繊維が実質的に二次元的に配列してい
ると、廃インクが廃インク吸収体の厚さ方向に拡散する
よりも廃インク吸収体の水平方向に拡散しやすく、廃イ
ンク吸収体全体で吸液することができるため好適な実施
態様である。この繊維が二次元的に配列した織物や編物
は、常法により製造することができ、繊維が二次元的に
配列した不織布は、例えば、湿式法により繊維ウエブを
形成した後、結合することにより製造できる。この繊維
ウエブを結合する方法としては、エマルジョンやラテッ
クスなどのバインダーによる接着方法や、熱融着性繊維
を混合しておき融着する融着方法などの、繊維配向を変
えない結合方法を例示できる。
【0015】本発明の廃インク吸収体は上述のような保
液層の少なくとも片側に拡散層を有するものであるが、
接着することなく単に積層したものであっても良いし、
接着して積層したものであっても良い。後者のように接
着して積層すると、接着によって張りが生じ、廃インク
吸収体をインクジェット記録装置の筐体に収納する際の
作業性に優れる、という効果が生じる。この接着方法と
しては、保液層及び/又は拡散層に熱融着性繊維を混合
しておき、この熱融着性繊維を融着することにより接着
する方法、保液層と拡散層との間に液状又は不織布状な
どの固体状接着材を介在させて接着する方法、或いはこ
れらを併用する方法などがある。
【0016】本発明の廃インク吸収体においては、前述
のような保液層と拡散層とを基本構成としているが、更
に様々な特性を付加するために、各種の層を保液層及び
/又は拡散層の外側に設けることができる。例えば、公
定水分率が2%以下の繊維を含み(好ましくは50ma
ss%以上含む)、隣接する保液層又は拡散層を構成す
る繊維シートの平均孔径よりも平均孔径の大きい繊維シ
ートからなる層(A層という)を設けることができる。
このA層がインクジェット記録装置の筐体と接触するよ
うに廃インク吸収体を設置すると、滴下された廃インク
が廃インク吸収体の滴下面の反対面にまで到達したとし
ても、このA層による吸収作用や拡散作用よりも保液層
による吸液作用や拡散層による拡散作用の方が優勢とな
るため、廃インクがインクジェット記録装置の筐体から
漏出するのを防止することができる。つまり、前記A層
は液漏れ防止層として作用する。また、前記A層が滴下
される廃インクと直接接触するように廃インク吸収体を
設置すると、廃インク中に含まれる粒子を除去できるた
め、拡散層における粒子による目詰まりを防ぐことがで
きたり、保液層における粒子による保液性の低下を抑制
することができる。つまり、前記A層は粒子濾過層とし
て作用する。本発明における平均孔径は孔径分布測定機
(コールターエレクトロニクス社製)によって測定した
値をいう。なお、この保液層や拡散層以外の液漏れ防止
層や粒子濾過層なども単に積層しても良いし、保液層と
拡散層との接着方法と同様の方法により接着しても良
い。
【0017】本発明の廃インク吸収体の好適な態様とし
ては、保液層/拡散層の2層、拡散層/保液層/拡散層
の3層、保液層/拡散層/液漏れ防止層の3層、粒子濾
過層/保液層/拡散層の3層、粒子濾過層/保液層/拡
散層/液漏れ防止層の4層、拡散層/保液層/拡散層/
液漏れ防止層の4層、粒子濾過層/拡散層/保液層/拡
散層の4層、或は粒子濾過層/拡散層/保液層/拡散層
/液漏れ防止層の5層からなる。
【0018】前述のように本発明の廃インク吸収体は廃
インクの保液性及び拡散性に優れ、しかも廃インクを吸
収したとしてもほとんど膨張しないので、インクジェッ
ト記録装置の廃インク吸収体として好適に使用すること
ができる。この廃インク吸収体は拡散層が滴下した廃イ
ンクと速やかに接触できるように、インクジェット記録
装置の筐体中に収容するのが好ましい。例えば、滴下し
た廃インクと直接接触するのが拡散層であるように収容
する。
【0019】以下に、本発明の実施例を記載するが、以
下の実施例に限定されるものではない。
【0020】
【実施例】
(実施例)難燃レーヨン繊維(公定水分率11%、線密
度0.17mg/m、繊維長51mm)70mass%
と、芯成分がポリエチレンテレフタレートからなり鞘成
分が融点110℃の共重合ポリエチレンテレフタレート
からなる芯鞘型熱融着性繊維(線密度0.33mg/
m、繊維長51mm)30mass%とを混綿し、カー
ド機により開繊して繊維ウエブを形成した。次いで、こ
の繊維ウエブを針密度100本/cm2でニードルパン
チした後、温度170℃、圧力1.5MPaの条件下で
プレス圧着することにより芯鞘型熱融着性繊維の鞘成分
のみを融着して、面密度900g/m2、見掛密度0.
12g/cm3の不織布(保液層)を形成した。
【0021】他方、湿式抄造法によって、シリカアルミ
ナ繊維(公定水分率0%、繊維径1〜3μm、繊維長1
〜5mm)97mass%を、フィブリル化したパルプ
2mass%、及びアクリル系接着剤1mass%によ
り接着して、面密度100g/m2、見掛密度0.13
g/cm3の繊維が二次元的に配向した不織布(拡散
層)を2枚形成した。
【0022】更に、ポリエチレンテレフタレ−ト繊維
(公定水分率0.4%、線密度0.22mg/m、繊維
長38mm)70mass%とポリエチレンテレフタレ
−ト繊維(公定水分率0.4%、線密度0.33mg/
m、繊維長51mm)30mass%とを混綿し、カー
ド機により開繊して繊維ウエブを形成した。次いで、こ
の繊維ウエブを千鳥状彫刻カレンダ−ロ−ル(シ−ル面
積7.5%)により、温度205℃、圧力2.0MPa
の条件下で部分的に接着し、面密度35g/m2、見掛
密度0.12g/cm3の不織布(液漏れ防止層)を形
成した。この不織布は拡散層を構成する不織布よりも平
均孔径が大きかった。
【0023】そして、融点110℃の共重合ナイロン樹
脂からなるクモの巣状不織布を3枚用意した。次いで、
液漏れ防止層を構成する不織布、クモの巣状不織布、拡
散層を構成する不織布、クモの巣状不織布、保液層を構
成する不織布、クモの巣状不織布、拡散層を構成する不
織布の順に積層し、温度170℃、圧力0.2MPaの
条件下におけるプレス圧着によってクモの巣状不織布の
みを融着し、面密度1,200g/m2、厚さ10mmの
廃インク吸収体を製造した。
【0024】(比較例1)パルプを酢酸ビニル−スチレ
ン共重合バインダーにより接着した繊維シート間に、ポ
リプロピレンを芯成分としポリエチレンを鞘成分とした
芯鞘型複合繊維とパルプとが二次元的に配列した繊維シ
ートを多数枚積層した、面密度1,200g/m2、厚さ
10mmの廃インク吸収体を用意した。
【0025】(比較例2)橋かけポリアクリル酸塩系高
吸水性繊維1〜2mass%と、レーヨン繊維29〜3
0mass%と、アクリル−塩化ビニリデン共重合繊維
69〜70mass%とを構成繊維とするニードルパン
チフェルト(面密度1,200g/m2、厚さ10mm)
からなる廃インク吸収体を用意した。
【0026】(保液性試験)実施例及び比較例1〜2の
廃インク吸収体を、それぞれ10cm×30cmの大き
さに裁断した後、重量(Wb)を測定した。次いで、こ
の廃インク吸収体をジエチレングリコール30%と水道
水70%とからなる溶液(粘度3.5cp、表面張力5
4dyn/cm)中に5分間完全に浸漬した。その後、
溶液中から引き上げ、廃インク吸収体の10cm辺が上
側となるように垂直に設置し、60Hzの振動を5分間
与えて余分な溶液を除去した後、重量(Wa)を測定し
た。廃インク吸収体を溶液に浸漬する前後の重量から次
式により液保持率を算出した。この結果は表1に示す。 液保持率(%)={(Wa−Wb)/V}×100 V:廃インク吸収体の体積(cm3)、つまり300c
3
【0027】
【表1】
【0028】(拡散性試験)実施例及び比較例1〜2の
廃インク吸収体を、それぞれ2cm×21cmの大きさ
に裁断した。次いで、この廃インク吸収体の一端から1
cmまでの部分を、ジエチレングリコール30%と水道
水70%とからなる溶液(粘度3.5cp、表面張力5
4dyn/cm)中に浸して垂直に設置し、液面からの
溶液の上昇高さ(cm)を経時的に測定した。この結果
は表2に示す通りであった。
【0029】
【表2】
【0030】(吸液時の膨張性試験)実施例及び比較例
1〜2の廃インク吸収体を、それぞれ10cm×10c
mの大きさに裁断した後、廃インク吸収体に金属プレー
ト(1.5g/cm2)を載せた状態で厚さ(Tb)を測
定した。次いで、この廃インク吸収体をジエチレングリ
コール30%と水道水70%とからなる溶液(粘度3.
5cp、表面張力54dyn/cm)中に12時間完全
に浸漬した。その後、廃インク吸収体を溶液中から引き
上げ、金網上に1時間放置して余分な溶液を除去した。
次いで、この吸液した廃インク吸収体に金属プレート
(1.5g/cm2)を載せた状態で厚さ(Ta)を測定
した。そして、廃インク吸収体を溶液に浸漬する前後に
おける厚さの変化から体積変化率を次式から算出した。
この結果は表3に示す。 体積変化率(%)=(Ta/Tb)×100
【0031】
【表3】
【0032】以上の結果から、本発明の廃インク吸収体
は保液性、拡散性、吸液時の膨張性のいずれの点におい
ても優れていることがわかる。
【0033】
【発明の効果】本発明の廃インク吸収体は、公定水分率
が5%以上の繊維を含み、かつ絡合した繊維シートから
なる保液層の少なくとも片側に、公定水分率が5%未満
の繊維を含む繊維シートからなる拡散層を有するもので
ある。そのため、廃インクが廃インク吸収体の端部に滴
下されると、廃インクは拡散層によって吸液されること
なく、主として拡散層を通じて廃インク吸収体全体に拡
散する。また、廃インク吸収体の実質的に廃インクを保
持する保液層は絡合しているため、吸液した際にほとん
ど膨張しない。更に、廃インク吸収体は公定水分率が5
%以上の繊維を含む保液層を有するため、保液性にも優
れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B41J 2/175 B41J 3/04 102Z 2/18 102R 2/185

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 公定水分率が5%以上の繊維を含み、か
    つ絡合した繊維シートからなる保液層の少なくとも片側
    に、公定水分率が5%未満の繊維を含む繊維シートから
    なる拡散層を有することを特徴とする、廃インク吸収
    体。
  2. 【請求項2】 公定水分率が5%未満の繊維が無機繊維
    であることを特徴とする、請求項1記載の廃インク吸収
    体。
  3. 【請求項3】 公定水分率が5%未満の繊維の繊維径が
    0.01〜20μmであることを特徴とする、請求項1
    又は請求項2記載の廃インク吸収体。
  4. 【請求項4】 拡散層である繊維シートを構成する繊維
    が実質的に二次元的に配列していることを特徴とする、
    請求項1〜請求項3のいずれかに記載の廃インク吸収
    体。
  5. 【請求項5】 保液層を構成する繊維シートがニードル
    パンチ法により絡合していることを特徴とする、請求項
    1〜請求項4のいずれかに記載の廃インク吸収体。
  6. 【請求項6】 保液層である繊維シートを構成する繊維
    として熱融着性繊維を含み、この熱融着性繊維が融着し
    ていることを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれ
    かに記載の廃インク吸収体。
  7. 【請求項7】 保液層及び/又は拡散層の外側に、公定
    水分率が2%以下の繊維を含み、隣接する保液層又は拡
    散層を構成する繊維シートの平均孔径よりも平均孔径の
    大きい繊維シートからなる層を更に有することを特徴と
    する、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の廃インク
    吸収体。
  8. 【請求項8】 インクジェット記録装置に用いることを
    特徴とする、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の廃
    インク吸収体。
JP24951497A 1997-08-29 1997-08-29 廃インク吸収体 Expired - Fee Related JP3621567B2 (ja)

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