JP3179062B2 - 廃液吸収体 - Google Patents

廃液吸収体

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宏 尾上
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カネボウ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェットプリ
ンターやプロッター、FAX等、印刷機の印字ヘッドに
おいて生ずる廃液を吸収する廃液吸収体に好適に用いら
れるものに関する。
【0002】
【従来の技術】印字ヘッドのノズルからインクを記録用
紙に噴射して印刷を行うインクジェットプリンターは、
一定の印刷機能を維持するため、印刷前にノズルを洗浄
する必要がある。この洗浄のため、ノズルからごく僅か
のインクを吐出させる。これによってノズル内に残存し
ていたインクの固形分や不純物等は押し出され、気泡の
発生や吐出不良を抑えることが可能となる。
【0003】このとき吐出させたインクを一旦吸収して
保持するため、ノズル近傍にポリウレタンやポリビニル
アルコールを主原料とした連続発泡体が廃液吸収体とし
て使用されている。例えば特開平9−220812号公
報には水溶性のポリビニルアルコールに酸を触媒とし、
ホルムアルデヒドを結合させることによって得られる連
続発泡体を廃液吸収体として用いることが記載されてい
る。
【0004】さらに廃液吸収体で一旦吸収保持されたイ
ンクは、空気ポンプによって押し出され、最終的に廃液
タンクまで送り出され貯蔵される。
【0005】しかしこれらの廃液吸収体は連続発泡体で
あるため、直接インクを受け止める表面には気孔が点在
する。このため一旦廃液吸収体に保持したインクを空気
ポンプで廃液タンクまで押し出す際、気孔部分にインク
が付着していると吸収体の表面に泡が発生する。この泡
が破裂するとインクが印字ヘッド内に飛散、固化してし
まうため、ノズルが吐出不良になるという問題が生じ
る。
【0006】特にインク中には顔料を溶媒に分散させる
ため界面活性剤が多く使用されており、泡が発生しやす
いため改善が望まれていた。
【0007】また、このような連続発泡体は吸収体とし
ての強度が低いため、インク吸収時に膨潤してしまう。
このため廃液吸収体を保持しているケースのひび割れ等
の要因となり、寸法安定性の改善が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は一旦吸
収保持したインクを空気ポンプで廃液タンクまで押し出
す際、表面に泡が発生せず、適度な通気性および剛性を
保持して寸法安定性に優れた廃液吸収体を供給するにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは吸収体を構
成する素材の選定、調合、並びに製造方法を研究し、本
発明の完成に至った。即ち、マトリックス繊維と熱融着
繊維からなり、通気量が200cc/cm 2 /s以上で
あることを特徴とする廃液吸収体である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明で使用するマトリックス繊
維と熱融着繊維のポリマーは特に限定されない。例えば
合成繊維の場合、ポリエチレンテレフタレートやポリブ
チレンテレフタレートのような芳香族ポリエステル、ポ
リ乳酸やポリカプロラクトンのような脂肪族ポリエステ
ル、ポリプロピレンやポリエチレンのようなポリオレフ
ィン、ナイロン6やナイロン66などのポリアミド、お
よびこれらの共重合体などを使用することができる。ま
た、これら2種以上の繊維の混合であっても構わない。
【0011】マトリックス繊維には天然繊維を用いるこ
とも出来る。この場合、セルロース、羊毛、コットン、
シルクなどを使用することができる。また、これら2種
以上の繊維の混合であっても構わない。
【0012】熱融着繊維は上記のポリマーよりなる単一
成分繊維でもよいが、鞘成分に低融点のポリマー、芯成
分にそれより高融点のポリマーを持つシース・コア型コ
ンジュゲート繊維を用いれば、芯成分の支持機能を維持
したまま熱融着機能を果たすことができるので更に好適
である。かかる熱融着繊維としては通常のポリエチレン
テレフタレートポリマーを芯成分に、低融点の共重合ポ
リエチレンテレフタレートポリマーを鞘成分に持つカネ
ボウ合繊(株)のベルコンビ等が既に市販されている
が、これらのみに限定はしない。
【0013】本発明の廃液吸収体はこれらマトリックス
繊維と熱融着繊維からなることが必要である。マトリッ
クス繊維と熱融着繊維からなると、不織布表面にはポリ
ウレタンやポリビニルアルコールを主原料とした連続発
泡体のような気孔は形成されない。このため、一旦保持
したインクを空気ポンプで廃液タンクまで押し出す際、
泡の発生を抑えることが可能となる。また熱融着繊維に
よる接着であるため、不織布中のマトリックス繊維と熱
融着繊維あるいは熱融着繊維どうしの交絡部分で熱接着
される。このためインク吸収時に膨潤が抑制され、優れ
た寸法安定性を保持することが可能となる。
【0014】マトリックス繊維と熱融着繊維の比率は9
0:10〜20:80であることが好ましい。この範囲
内であるとマトリックス繊維と熱融着繊維、あるいは熱
融着繊維同士の交点における接着が十分であり、不織布
基材に形態安定性を付与するほか、適度な剛性を保持す
ることが可能となる。このため、製品にする際の打ち抜
き加工が容易となるため好ましい。
【0015】これらのマトリックス繊維と熱融着繊維
は、開繊、カーディング、クロスレイによって不織布と
した後に加熱処理を施し、熱融着せしめて3次元的に交
絡させることも可能である。かかる加熱処理によりマト
リックス繊維と熱融着繊維、あるいは熱融着繊維同士の
交点において接着し、不織布基材に形態安定性を付与す
る他、意図的に凹凸を不織布基材に付与することも可能
となる。
【0016】加熱処理は熱融着繊維の融着性発現温度以
上で行われるが、単独の工程としても或いは加熱成形工
程に伴って行うこともできる。
【0017】マトリックス繊維と熱融着繊維の繊度は2
〜15デニールであることが好ましい。この範囲内であ
ると適度な通気性が得られるため、一旦吸収保持したイ
ンクを廃液タンクまでスムーズに押し出すことが可能と
なる。そのためインク固形分による目詰まりが抑えられ
好ましい。さらにこの範囲内であると、適度な剛性を保
持することが可能となる。このため、製品にする際の打
ち抜き加工が容易となるため好ましい。
【0018】また廃液吸収体の通気性と剛性をコントロ
ールするため、2種類以上の繊度の繊維を混綿すること
も可能である。通常繊度の大きい繊維の混率が高くなる
にともない、通気性と剛性は増加する。これらの混率は
実際に廃液吸収体が使用される部位によって、適宜変更
することが可能である。
【0019】本発明の廃液吸収体は、厚さが0.5mm
以上であることが好ましい。0.5mm以上であると適
度な剛性を保持することが可能となる。このため、製品
にする際の打ち抜き加工が容易となるため好ましい。
【0020】また本発明の廃液吸収体は、密度が0.0
05〜0.3g/cm3であることが好ましい。この範
囲であると、適度な剛性を保持することが可能なうえ、
目付けムラも発生せず好ましい。
【0021】さらに廃液吸収体の片面にスパンボンドを
積層することが好ましい。廃液吸収体中にマトリックス
繊維と熱融着繊維との接着が不十分な部分があると、表
面に毛羽が発生しノズルと接触してしまうため吐出不良
の原因となるが、スパンボンドを積層することによりこ
の毛羽の発生が抑制されるため好ましい。
【0022】スパンボンドのポリマーは特に限定されな
い。合成繊維の場合、ポリエチレンテレフタレートやポ
リブチレンテレフタレートのような芳香族ポリエステ
ル、ポリ乳酸やポリカプロラクトンのような脂肪族ポリ
エステル、ポリプロピレンやポリエチレンのようなポリ
オレフィン、ナイロン6やナイロン66などのポリアミ
ド、およびこれらの共重合体などを使用することができ
る。
【0023】廃液吸収体とスパンボンドの積層は、廃液
吸収体の片面にスパンボンドを重ねあわせた後に加熱処
理を施すことによって行う。加熱処理は熱融着繊維の融
着性発現温度以上で行われるが、これにより廃液吸収体
の表面に存在する熱融着繊維がスパンボンドと接着する
ことが可能となる。
【0024】
【発明の効果】本発明は一旦吸収保持したインクを空気
ポンプで廃液タンクまで押し出す際、表面に泡が発生せ
ず、適度な通気性および剛性を保持して寸法安定性に優
れた廃液吸収体である。
【0025】
【実施例】(泡の発生の測定方法および評価方法)サン
プルを1cm×2cmに切り出す。このサンプル表面上
からインクを滴下していくと同時に、側面から空気ポン
プによって空気を吹き込み、インクを押し出す。この
時、サンプル表面上に泡が発生するかどうかを目視で観
察を行う。評価は泡がまったく発生しなければ◎、時々
発生すれば○、常時発生すれば△とした。
【0026】(廃液吸収体の通気性の測定方法および評
価方法)カトーテック株式会社製KES−F8AP1に
よるフラジール型通気度を測定し、単位時間内に単位面
積を通過する空気の通過量を計測した。評価は通気量が
400cc/cm2/s以上を◎、200cc/cm2
s以上400cc/cm2/s未満を○、200cc/
cm2/s未満を△とした。
【0027】(廃液吸収体の剛性の測定方法および評価
方法)JIS L 1018に基づくガーレ法による曲
げ反発性を測定した。サンプルを3cm×5cmに切り
出して一端を試験機の可動アームに固定し、定速回転さ
せる。この時サンプルが振り子から離れるときの目盛り
を計測し、剛性を算出する。評価は剛性が500mgf
以上であれば◎、300mgf以上500mgf未満で
あれば○、300mgf以下であれば△とした。
【0028】(毛羽の発生の測定方法および評価方法)
サンプル表面に毛羽が発生しているかどうかを目視で観
察を行う。評価は毛羽がまったく発生しなければ◎、所
々に発生していれば○、全面に発生していれば△とし
た。
【0029】実施例1 表1に示した組成の廃液吸収体をカーディング、クロス
レイを行った後に150℃・90秒間加熱処理を施すこ
とによって製造した。製造した廃液吸収体の表面にイン
クを滴下し、側面から空気ポンプによってインクを押し
出しても表面上に泡はまったく発生しなかった。また通
気量は560cc/cm2/s、剛性は365mgfで
あり、毛羽は所々に発生していた。これらの評価結果を
表2に示す。
【0030】実施例2 表1に示した組成の廃液吸収体をカーディング、クロス
レイを行った後に150℃・90秒間加熱処理を施すこ
とによって製造した。製造した廃液吸収体の表面にイン
クを滴下し、側面から空気ポンプによってインクを押し
出しても表面上に泡はまったく発生しなかった。また通
気量は420cc/cm2/s、剛性は418mgfで
あり、毛羽はまったく発生しなかった。これらの評価結
果を表2に示す。
【0031】比較例1 水溶性ポリビニルアルコールに酸を触媒とし、ホルムア
ルデヒドを結合させることによって得られる連続発泡体
を用いた。厚さは0.8mm、密度は0.125g/c
3とした。この連続発泡体の表面にインクを滴下し、
側面から空気ポンプによってインクを押し出すと表面上
に泡が常時発生した。また通気量は681cc/cm2
/s、剛性は292mgfであり、毛羽はまったく発生
しなかった。これらの評価結果を表2に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−158967(JP,A) 特開 平9−158024(JP,A) 特開 平8−311755(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D04H 1/00 - 18/00 B41J 1/00 - 35/38

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マトリックス繊維と熱融着繊維からな
    り、通気量が200cc/cm 2 /s以上であることを
    特徴とする廃液吸収体。
  2. 【請求項2】 前記マトリックス繊維と熱融着繊維を開
    繊、カーディング、クロスレイによって不織布とした後
    に加熱処理を施し、不織布中のマトリックス繊維と熱融
    着繊維あるいは熱融着繊維どうしの交絡部分で熱接着さ
    れ、3次元的に交絡させた構造であることを特徴とする
    請求項1に記載の廃液吸収体。
  3. 【請求項3】 前記廃液吸収体の片面にスパンボンドを
    積層した請求項1〜2いずれか1つに記載の廃液吸収
    体。
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JP2007030235A (ja) * 2005-07-25 2007-02-08 Seiko Epson Corp 廃インク液吸収体及びそれを含むインクジェット式記録装置

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