JPH1180392A - 耐熱性成形品 - Google Patents
耐熱性成形品Info
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- JPH1180392A JPH1180392A JP24389597A JP24389597A JPH1180392A JP H1180392 A JPH1180392 A JP H1180392A JP 24389597 A JP24389597 A JP 24389597A JP 24389597 A JP24389597 A JP 24389597A JP H1180392 A JPH1180392 A JP H1180392A
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- fluororesin
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- Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】高温下での耐荷重変形性に優れたふっ素樹脂か
らなる耐熱性成形品の提供。 【解決手段】200℃における圧縮クリープが15%以
下である電離性放射線を照射したふっ素樹脂成形品から
なる耐熱性成形品。
らなる耐熱性成形品の提供。 【解決手段】200℃における圧縮クリープが15%以
下である電離性放射線を照射したふっ素樹脂成形品から
なる耐熱性成形品。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体製造装置や
液晶製造装置等で使用される耐熱性成形品、特に、ウェ
ハーキャリア、各種角槽、治具等、高温時における耐荷
重性が要求される用途に適用され得る耐熱性成形品に関
するものである。
液晶製造装置等で使用される耐熱性成形品、特に、ウェ
ハーキャリア、各種角槽、治具等、高温時における耐荷
重性が要求される用途に適用され得る耐熱性成形品に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ふっ素樹脂は耐薬品性や耐熱性等に優れ
ており、産業用、民生用として幅広い分野で実用されて
いる。しかし、ふっ素樹脂は、高温(一般的には150
℃以上)での荷重下でクリープ変形が発生する等の理由
により使用が制限される場合が多く見られる。このた
め、ふっ素樹脂にカーボン繊維、硝子繊維等の充填剤を
加えてクリープ変形を改善することが採用されてきてい
る。
ており、産業用、民生用として幅広い分野で実用されて
いる。しかし、ふっ素樹脂は、高温(一般的には150
℃以上)での荷重下でクリープ変形が発生する等の理由
により使用が制限される場合が多く見られる。このた
め、ふっ素樹脂にカーボン繊維、硝子繊維等の充填剤を
加えてクリープ変形を改善することが採用されてきてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、半導体製造装
置、液晶製造装置においては、各種角槽が治具と接触し
たり、あるいは治具とウェハー、硝子基板等の接触によ
って充填剤の摩損が生じ、洗浄液等への異物混入の原因
になる。同時に洗浄液等の薬品に充填剤が浸蝕され、液
汚染等からも基板不良品発生の原因となる。
置、液晶製造装置においては、各種角槽が治具と接触し
たり、あるいは治具とウェハー、硝子基板等の接触によ
って充填剤の摩損が生じ、洗浄液等への異物混入の原因
になる。同時に洗浄液等の薬品に充填剤が浸蝕され、液
汚染等からも基板不良品発生の原因となる。
【0004】本発明の目的は、優れた高温時の耐荷重変
形性を有し、しかも、ふっ素樹脂本来の良好な耐薬品性
等の特性を有する耐熱性成形品を提供することにある。
形性を有し、しかも、ふっ素樹脂本来の良好な耐薬品性
等の特性を有する耐熱性成形品を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するため、200℃における圧縮クリープが15%以
下である電離性放射線を照射したふっ素樹脂成形品から
なる耐熱性成形品を提供するものである。
成するため、200℃における圧縮クリープが15%以
下である電離性放射線を照射したふっ素樹脂成形品から
なる耐熱性成形品を提供するものである。
【0006】特定の条件下で、テトラフルオロエチレン
重合体に電離性放射線を照射し、これによって破断伸び
や破壊強度の劣化を抑制した改質テトラフルオロエチレ
ン重合体を得るための方法が提案されているが(特開平
6−116423号、特開平7−118423号、特開
平7−118424号)、本発明はこの放射線によって
改質されたふっ素樹脂を半導体製造装置や液晶製造装置
等の耐熱性成形品として使用したところに、発明として
の特異点を置くものである。
重合体に電離性放射線を照射し、これによって破断伸び
や破壊強度の劣化を抑制した改質テトラフルオロエチレ
ン重合体を得るための方法が提案されているが(特開平
6−116423号、特開平7−118423号、特開
平7−118424号)、本発明はこの放射線によって
改質されたふっ素樹脂を半導体製造装置や液晶製造装置
等の耐熱性成形品として使用したところに、発明として
の特異点を置くものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明においては、電離性放射線
としては、γ線、電子線、X線、中性子線、あるいは高
エネルギーイオン等が使用される。
としては、γ線、電子線、X線、中性子線、あるいは高
エネルギーイオン等が使用される。
【0008】また、本発明に使用されるふっ素樹脂とし
ては、テトラフルオロエチレン系重合体(以下PTFE
という)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(ア
ルキルビニルエーテル)系共重合体(以下PFAとい
う)、あるいはテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオ
ロプロピレン系共重合体(以下FEPという)が挙げら
れる。
ては、テトラフルオロエチレン系重合体(以下PTFE
という)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(ア
ルキルビニルエーテル)系共重合体(以下PFAとい
う)、あるいはテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオ
ロプロピレン系共重合体(以下FEPという)が挙げら
れる。
【0009】上記PTFEの中には、パーフルオロ(ア
ルキルビニルエーテル)、ヘキサフルオロプロピレン、
(パーフルオロアルキル)エチレン、あるいはクロロト
リフルオロエチレン等の共重合性モノマーに基づく重合
単位を0.2モル%以下含有するものも含まれる。ま
た、上記共重合体形式のふっ素樹脂の場合、その分子構
造の中に少量の第3成分を含むことは有り得る。
ルキルビニルエーテル)、ヘキサフルオロプロピレン、
(パーフルオロアルキル)エチレン、あるいはクロロト
リフルオロエチレン等の共重合性モノマーに基づく重合
単位を0.2モル%以下含有するものも含まれる。ま
た、上記共重合体形式のふっ素樹脂の場合、その分子構
造の中に少量の第3成分を含むことは有り得る。
【0010】本発明の耐熱性成形品のベースとなるこれ
らふっ素樹脂の使用形態としては、それぞれ単独で使用
する場合と、2種または2種以上の混合物の形で使用す
る場合の双方がある。
らふっ素樹脂の使用形態としては、それぞれ単独で使用
する場合と、2種または2種以上の混合物の形で使用す
る場合の双方がある。
【0011】また、上記単一のふっ素樹脂または相互に
混合したふっ素樹脂に対して、他の耐熱性材料を混合し
てもよい。この場合、電離性放射線照射は最終的な混合
物に対して行ってもよく、ふっ素樹脂に対して予め電離
性放射線を照射してから他の耐熱性材料と混合してもよ
い。
混合したふっ素樹脂に対して、他の耐熱性材料を混合し
てもよい。この場合、電離性放射線照射は最終的な混合
物に対して行ってもよく、ふっ素樹脂に対して予め電離
性放射線を照射してから他の耐熱性材料と混合してもよ
い。
【0012】他の耐熱性材料としては、酸素不在下にお
いて300℃以上に耐えられるものであることが好まし
く、具体的にはエチレン−テトラフルオロエチレン系共
重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン系共重
合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン系共重合
体、ビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレン
−テトラフルオロエチレン系共重合体等の含ふっ素共重
合体、あるいはポリイミド、芳香族ポリアミド、ポリア
リーレンスルフィド、芳香族ポリエステル等の高分子材
料が使用される。他の耐熱性材料として、無機系材料を
使用してもよい。
いて300℃以上に耐えられるものであることが好まし
く、具体的にはエチレン−テトラフルオロエチレン系共
重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン系共重
合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン系共重合
体、ビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレン
−テトラフルオロエチレン系共重合体等の含ふっ素共重
合体、あるいはポリイミド、芳香族ポリアミド、ポリア
リーレンスルフィド、芳香族ポリエステル等の高分子材
料が使用される。他の耐熱性材料として、無機系材料を
使用してもよい。
【0013】本発明による耐熱性成形品としては、半導
体製造装置や液晶製造装置に使用される部品、例えばウ
ェハーキャリア、一体成形角槽、溶接角槽、オーバーフ
ロー槽、硝子基板キャリア、各種保持治具等があげられ
る。従来、高温荷重性が要求されない小型サイズのウェ
ハー、硝子基板等の製造装置でふっ素樹脂成形品が適用
されているが、本発明の照射処理を施したふっ素樹脂成
形品は高温荷重性が要求される大型サイズのウェハー、
硝子基板等の製造装置への用途が期待される。
体製造装置や液晶製造装置に使用される部品、例えばウ
ェハーキャリア、一体成形角槽、溶接角槽、オーバーフ
ロー槽、硝子基板キャリア、各種保持治具等があげられ
る。従来、高温荷重性が要求されない小型サイズのウェ
ハー、硝子基板等の製造装置でふっ素樹脂成形品が適用
されているが、本発明の照射処理を施したふっ素樹脂成
形品は高温荷重性が要求される大型サイズのウェハー、
硝子基板等の製造装置への用途が期待される。
【0014】本発明の耐熱性成形品を得るための具体的
な方法としては、PTFE系のふっ素樹脂の場合は所定
形状に予備成形品を製造し、次にこれを焼成した後、電
離性放射線を照射する方法が多くの場合に採用される。
場合によっては、特定条件下で予め電離性放射線を照射
したふっ素樹脂を市販のふっ素樹脂に混合して、前記と
同じ方法で焼成することも可能であり、電離性放射線を
照射した粉末の混合量が30重量%を越える場合には、
焼成後冷却時に加圧する方法(ホットコイニング)が好
ましい。本発明の耐熱性成形品では、電離性放射線を照
射した粉末の混合量は大凡60〜90重量%の範囲が適
切である。
な方法としては、PTFE系のふっ素樹脂の場合は所定
形状に予備成形品を製造し、次にこれを焼成した後、電
離性放射線を照射する方法が多くの場合に採用される。
場合によっては、特定条件下で予め電離性放射線を照射
したふっ素樹脂を市販のふっ素樹脂に混合して、前記と
同じ方法で焼成することも可能であり、電離性放射線を
照射した粉末の混合量が30重量%を越える場合には、
焼成後冷却時に加圧する方法(ホットコイニング)が好
ましい。本発明の耐熱性成形品では、電離性放射線を照
射した粉末の混合量は大凡60〜90重量%の範囲が適
切である。
【0015】また、成形品の肉厚によって焼成品に対す
る電離性放射線の照射条件が適宜選択される。一般に肉
厚20mm以下の場合にはγ線、電子線照射のいずれも実
質的に採用可能であるが、20mm以上、特に30mmを越
える場合は、γ線もしくは電子線を線源とする二次放射
線のX線が実効的である。さらに、大型肉厚品の場合、
表層から傾斜的に電子線照射占領で処理する方法も採用
できる。この場合は、前記した全ての電離性放射線を採
用できるが、工業的にはγ線および電子線が実際的であ
る。
る電離性放射線の照射条件が適宜選択される。一般に肉
厚20mm以下の場合にはγ線、電子線照射のいずれも実
質的に採用可能であるが、20mm以上、特に30mmを越
える場合は、γ線もしくは電子線を線源とする二次放射
線のX線が実効的である。さらに、大型肉厚品の場合、
表層から傾斜的に電子線照射占領で処理する方法も採用
できる。この場合は、前記した全ての電離性放射線を採
用できるが、工業的にはγ線および電子線が実際的であ
る。
【0016】一方、PFA、FEP等の熱溶融系ふっ素
樹脂の場合は、通常、射出成形で製品形状を得るが、本
発明の耐熱性成形品はかかる成形品の表面加熱、表層の
電子線照射処理技術が実際的に応用され得られるもので
ある。表層の電子線照射処理厚みは成形品の肉厚と相関
するが、20mm以下の肉厚の場合、肉厚の20〜30
%、具体的には4〜6mmの表層の処理率が荷重下の耐変
形維持に必要である。製品の表層を限定的に電子線で架
橋処理する技術は一般に適用されているように電子線に
よる表層架橋技術を応用できるが、本発明の実施におい
ては表面温度を制限できるような特定の加工装置(例え
ば被電子線照射体が特定温度条件下で回転され、電子線
を表層に均質に照射できる)が必要であるが、特に限定
されるものではない。
樹脂の場合は、通常、射出成形で製品形状を得るが、本
発明の耐熱性成形品はかかる成形品の表面加熱、表層の
電子線照射処理技術が実際的に応用され得られるもので
ある。表層の電子線照射処理厚みは成形品の肉厚と相関
するが、20mm以下の肉厚の場合、肉厚の20〜30
%、具体的には4〜6mmの表層の処理率が荷重下の耐変
形維持に必要である。製品の表層を限定的に電子線で架
橋処理する技術は一般に適用されているように電子線に
よる表層架橋技術を応用できるが、本発明の実施におい
ては表面温度を制限できるような特定の加工装置(例え
ば被電子線照射体が特定温度条件下で回転され、電子線
を表層に均質に照射できる)が必要であるが、特に限定
されるものではない。
【0017】PFA、FEP系ふっ素樹脂の場合も予め
原料粉末(3mm径以下の不定形、球形、粉末状、ビーズ
状、ペレット状等)を所定の条件下で電離性放射線で照
射したものを未照射原料に60〜90重量%混合して融
点以上で加圧成形して耐熱性成形品を得る方法も適宜採
用される。一般にこの方法は、実際面では経済的な理由
から厚肉で且つ多品種少量生産の場合に多く採用され
る。溶融系ふっ素樹脂を溶接材として用い、加熱圧着に
よる各種角槽等の耐熱性成形品を得ることも適宜採用可
能である。
原料粉末(3mm径以下の不定形、球形、粉末状、ビーズ
状、ペレット状等)を所定の条件下で電離性放射線で照
射したものを未照射原料に60〜90重量%混合して融
点以上で加圧成形して耐熱性成形品を得る方法も適宜採
用される。一般にこの方法は、実際面では経済的な理由
から厚肉で且つ多品種少量生産の場合に多く採用され
る。溶融系ふっ素樹脂を溶接材として用い、加熱圧着に
よる各種角槽等の耐熱性成形品を得ることも適宜採用可
能である。
【0018】前記の各種方法で得られた成形品は、加熱
された状態でサイジング(寸法矯正)あるいはエージン
グ(融点よりも10℃程度低い温度)後機械加工を行う
ことにより寸法精度を向上させ、最終製品を得ることも
可能である。
された状態でサイジング(寸法矯正)あるいはエージン
グ(融点よりも10℃程度低い温度)後機械加工を行う
ことにより寸法精度を向上させ、最終製品を得ることも
可能である。
【0019】電離性放射線の照射は酸素不在のもとで行
うことが望ましく、また、その照射線量は1kGy〜5
MGyの範囲内であることが望ましい。そして更に、ふ
っ素樹脂の高温での耐クリープ性を改善する観点からす
ると、この電離性放射線のより好ましい照射線量は、1
0kGy〜1500kGyの範囲内が望ましい。
うことが望ましく、また、その照射線量は1kGy〜5
MGyの範囲内であることが望ましい。そして更に、ふ
っ素樹脂の高温での耐クリープ性を改善する観点からす
ると、この電離性放射線のより好ましい照射線量は、1
0kGy〜1500kGyの範囲内が望ましい。
【0020】また、電離性放射線の照射を行うに際して
は、ふっ素樹脂をその結晶融点以上に加熱しておくこと
が望ましい。すなわち、例えばふっ素樹脂としてPTF
Eを使用する場合には、この材料の結晶融点である32
7℃よりも高い温度にふっ素樹脂を加熱した状態で電離
性放射線を照射することが望ましく、あるいはまた、P
FAやFEPを適用する場合には、前者が310℃、後
者が275℃に特定される結晶融点よりも高い温度に加
熱して、放射線を照射することが望ましい。
は、ふっ素樹脂をその結晶融点以上に加熱しておくこと
が望ましい。すなわち、例えばふっ素樹脂としてPTF
Eを使用する場合には、この材料の結晶融点である32
7℃よりも高い温度にふっ素樹脂を加熱した状態で電離
性放射線を照射することが望ましく、あるいはまた、P
FAやFEPを適用する場合には、前者が310℃、後
者が275℃に特定される結晶融点よりも高い温度に加
熱して、放射線を照射することが望ましい。
【0021】ふっ素樹脂をその結晶融点以上に加熱する
ことは、ふっ素樹脂を構成する主鎖の分子運動を活発化
させることになり、その結果、分子間の架橋反応を効率
良く促進させることが可能となる。但し、過度の加熱
は、逆に分子主鎖の切断と分解を招くようになるので、
このような解重合現象の発生を抑制する意味合いから、
加熱温度はふっ素樹脂の結晶融点よりも10〜30℃高
い範囲内に抑えるべきである。
ことは、ふっ素樹脂を構成する主鎖の分子運動を活発化
させることになり、その結果、分子間の架橋反応を効率
良く促進させることが可能となる。但し、過度の加熱
は、逆に分子主鎖の切断と分解を招くようになるので、
このような解重合現象の発生を抑制する意味合いから、
加熱温度はふっ素樹脂の結晶融点よりも10〜30℃高
い範囲内に抑えるべきである。
【0022】一方、熱溶融ふっ素樹脂の場合は、融点以
上では製品の形状保持に問題があるので、表層加熱、表
層架橋反応が実用上好ましい。この表層加熱、電子線照
射の方法及び条件が実際面で適宜制御され採用される。
また、加熱溶融時に電子線照射を実施する際、予め射出
成形等で形成された成形品の形状保持(溶融変形防止)
方法に対して種々の手段が適宜採用され実用に供され
る。
上では製品の形状保持に問題があるので、表層加熱、表
層架橋反応が実用上好ましい。この表層加熱、電子線照
射の方法及び条件が実際面で適宜制御され採用される。
また、加熱溶融時に電子線照射を実施する際、予め射出
成形等で形成された成形品の形状保持(溶融変形防止)
方法に対して種々の手段が適宜採用され実用に供され
る。
【0023】200℃の圧縮クリープは、基本的にはA
STMD621−64に準拠し、縦10mm、横10mm、
高さ5mmの角状試料を200℃の雰囲気中に2時間置い
て予熱し、予熱後70kg/cm2 の荷重を24時間かけ、
その後荷重を取り去ると共に試料を取出し、室温に24
時間放置後、試料の厚さを測定し、次式から求めること
ができる。なお、圧縮クリープは試料の3点について求
め、平均値とする。
STMD621−64に準拠し、縦10mm、横10mm、
高さ5mmの角状試料を200℃の雰囲気中に2時間置い
て予熱し、予熱後70kg/cm2 の荷重を24時間かけ、
その後荷重を取り去ると共に試料を取出し、室温に24
時間放置後、試料の厚さを測定し、次式から求めること
ができる。なお、圧縮クリープは試料の3点について求
め、平均値とする。
【0024】圧縮クリープ=(L−Lt)×100/L L:試験前の室温での試料厚さ(mm) Lt:試験終了後、室温で24時間放置後の試料厚さ
(mm)
(mm)
【0025】
【実施例】 [実施例1〜5]厚さ2mmの市販のPTFEシートに対
して、0.1トール以下の真空中(すなわち酸素不在
下)で340℃の加熱温度のもと、照射線量が50kG
y(実施例1)、100kGy(実施例2)、300k
Gy(実施例3)、500kGy(実施例4)および1
000kGy(実施例5)となるように電子線を照射
し、各実施例それぞれのシート状耐熱性成形品を得た。
して、0.1トール以下の真空中(すなわち酸素不在
下)で340℃の加熱温度のもと、照射線量が50kG
y(実施例1)、100kGy(実施例2)、300k
Gy(実施例3)、500kGy(実施例4)および1
000kGy(実施例5)となるように電子線を照射
し、各実施例それぞれのシート状耐熱性成形品を得た。
【0026】表1にこれら実施例1〜5によって得られ
た耐熱性成形品と、市販のPTFEシート(比較例1:
放射線照射なし。比較例2:340℃で照射線量10M
Gy。)とを対象にして行った圧縮クリープの測定試験
結果を示す。
た耐熱性成形品と、市販のPTFEシート(比較例1:
放射線照射なし。比較例2:340℃で照射線量10M
Gy。)とを対象にして行った圧縮クリープの測定試験
結果を示す。
【0027】
【表1】
【0028】[実施例6、7]厚さ13mmの市販PFA
押出成形シートを対象に315℃で100kGy(実施
例6)、300kGy(実施例7)となるように電子線
を照射し、各実施例の耐熱性成形品を得た。
押出成形シートを対象に315℃で100kGy(実施
例6)、300kGy(実施例7)となるように電子線
を照射し、各実施例の耐熱性成形品を得た。
【0029】表2にこれら実施例6、7によって得られ
た耐熱性成形品と、市販の厚さ13mmPFAシート(比
較例3。放射線照射なし)とを対象にして行った圧縮ク
リープおよび熱変形温度の測定試験結果を示す。熱変形
温度の測定は、ASTMD648に準拠して行った。試
験片形状は長さ127mm×幅10mm×厚さ8mmとした。
荷重は0.45MPaで所定変形歪み(0.25mm)到
達温度を測定した。
た耐熱性成形品と、市販の厚さ13mmPFAシート(比
較例3。放射線照射なし)とを対象にして行った圧縮ク
リープおよび熱変形温度の測定試験結果を示す。熱変形
温度の測定は、ASTMD648に準拠して行った。試
験片形状は長さ127mm×幅10mm×厚さ8mmとした。
荷重は0.45MPaで所定変形歪み(0.25mm)到
達温度を測定した。
【0030】
【表2】
【0031】[実施例8]テトラフルオロエチレンとパ
ーフルオロ(アルキルビニルエーテル)とから構成され
る重合単位比が99.9対0.1モル比のPTFEのモ
ールディングパウダー(商品名:テフロン70J、三井
・デュポンフロロケミカル社製。平均粒子径50ミクロ
ン)を予備成型し、これを焼成することによって径φ1
00mm、高さ100mmのブロックを製作した。このブロ
ックから2mm厚のシートを切り出し、これに電子線を照
射することによってシート状の耐熱性成形品を得た。な
お、照射は0.1トール以下の真空下、340℃の加熱
のもとで行い、電子線を線量100kGy照射した。
ーフルオロ(アルキルビニルエーテル)とから構成され
る重合単位比が99.9対0.1モル比のPTFEのモ
ールディングパウダー(商品名:テフロン70J、三井
・デュポンフロロケミカル社製。平均粒子径50ミクロ
ン)を予備成型し、これを焼成することによって径φ1
00mm、高さ100mmのブロックを製作した。このブロ
ックから2mm厚のシートを切り出し、これに電子線を照
射することによってシート状の耐熱性成形品を得た。な
お、照射は0.1トール以下の真空下、340℃の加熱
のもとで行い、電子線を線量100kGy照射した。
【0032】[実施例9]平均粒子径40ミクロンのP
TFEモールディングパウダー(商品名:G−163、
旭硝子社製)に対し、0.1トール以下の真空下、34
0℃の加熱温度のもとで電子線を線量100kGy照射
した。この粉末を約20ミクロンの平均粒子径になるま
でジェットミルで粉砕した後、300℃で12時間熱処
理し、高温揮発成分(約0.1%)を除去した。このよ
うにして得られた電子線処理粉末を電子線未照射のPT
FEモールディングパウダーに対して90重量%添加し
て混合粉末を作り、焼成の工程を経て、150kg/cm2
の加圧冷却工程を経て厚さ2mmの耐熱性成形品を得た。
TFEモールディングパウダー(商品名:G−163、
旭硝子社製)に対し、0.1トール以下の真空下、34
0℃の加熱温度のもとで電子線を線量100kGy照射
した。この粉末を約20ミクロンの平均粒子径になるま
でジェットミルで粉砕した後、300℃で12時間熱処
理し、高温揮発成分(約0.1%)を除去した。このよ
うにして得られた電子線処理粉末を電子線未照射のPT
FEモールディングパウダーに対して90重量%添加し
て混合粉末を作り、焼成の工程を経て、150kg/cm2
の加圧冷却工程を経て厚さ2mmの耐熱性成形品を得た。
【0033】[比較例4]実施例9で使用したものと同
じPTFEパウダ(G163)を約20μmの平均粒径
になるまでジェットミル粉砕した後、300℃で12時
間熱処理し、予備成形後焼成することによって径100
mm、高さ100mmのブロックを製作した。このブロック
から厚さ2mmのPTFEシート(未照射品)を切り出
し、耐熱性成形品を得た。
じPTFEパウダ(G163)を約20μmの平均粒径
になるまでジェットミル粉砕した後、300℃で12時
間熱処理し、予備成形後焼成することによって径100
mm、高さ100mmのブロックを製作した。このブロック
から厚さ2mmのPTFEシート(未照射品)を切り出
し、耐熱性成形品を得た。
【0034】以上の実施例8、9および比較例4によっ
て得られた耐熱性成形品を対象に圧縮クリープを測定
し、結果を表3に示した。
て得られた耐熱性成形品を対象に圧縮クリープを測定
し、結果を表3に示した。
【0035】
【表3】
【0036】[実施例10]市販のPFA粉末(テフロ
ンMP10)を2mm厚に無荷重のまま320℃に加熱溶
融した状態で100kGyの電子線を照射した。溶融結
合により粗目状になった照射PFAをアトマイザー衝撃
式粉砕機で粗粉砕品を得た。この照射粗粉砕品90重量
%に対して未照射PFA(テフロンMP10)を10重
量%混合後、プレス金型で340℃に加熱加圧して厚さ
2mmの耐熱性成形品を得た。
ンMP10)を2mm厚に無荷重のまま320℃に加熱溶
融した状態で100kGyの電子線を照射した。溶融結
合により粗目状になった照射PFAをアトマイザー衝撃
式粉砕機で粗粉砕品を得た。この照射粗粉砕品90重量
%に対して未照射PFA(テフロンMP10)を10重
量%混合後、プレス金型で340℃に加熱加圧して厚さ
2mmの耐熱性成形品を得た。
【0037】実施例10によって得られた耐熱性成形品
と、市販PFA(テフロンMP10)をプレス成形して
得られたシート(比較例5。放射線照射なし)とを対象
にして行った圧縮クリープおよび耐熱変形温度の測定試
験結果を表4示す。
と、市販PFA(テフロンMP10)をプレス成形して
得られたシート(比較例5。放射線照射なし)とを対象
にして行った圧縮クリープおよび耐熱変形温度の測定試
験結果を表4示す。
【0038】
【表4】
【0039】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、表1〜4
それぞれにおける実施例と比較例の対比からも明らかな
ように、高温下の耐荷重変形性に著しく優れていること
が認められる。このことは、本発明はふっ素樹脂成形品
の応用範囲を半導体製造装置や液晶製造装置へと広げる
うえにおいて大きく貢献できることを意味している。本
発明の耐熱性成形品は、自動車部品、化学工業部品、精
密機械部品、製鉄、窯業製造部品、石油掘削部品、電気
製品部品、電気炉、乾燥炉部品、発電設備関係部品、原
子力関連部品、食品製造関連部品等、荷重下での耐熱性
が要求される分野に適用されるものである。
それぞれにおける実施例と比較例の対比からも明らかな
ように、高温下の耐荷重変形性に著しく優れていること
が認められる。このことは、本発明はふっ素樹脂成形品
の応用範囲を半導体製造装置や液晶製造装置へと広げる
うえにおいて大きく貢献できることを意味している。本
発明の耐熱性成形品は、自動車部品、化学工業部品、精
密機械部品、製鉄、窯業製造部品、石油掘削部品、電気
製品部品、電気炉、乾燥炉部品、発電設備関係部品、原
子力関連部品、食品製造関連部品等、荷重下での耐熱性
が要求される分野に適用されるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 27:18 29:10
Claims (4)
- 【請求項1】200℃における圧縮クリープが15%以
下である電離性放射線を照射したふっ素樹脂成形品から
なることを特徴とする耐熱性成形品。 - 【請求項2】前記ふっ素樹脂成形品は、酸素不存在のも
とで且つその結晶融点以上に加熱された状態において電
離性放射線を照射線量1kGy〜5MGy照射したもの
である請求項1記載の耐熱性成形品。 - 【請求項3】前記ふっ素樹脂が、テトラフルオロエチレ
ン系重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ
(アルキルビニルエーテル)系共重合体、またはテトラ
フルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン系共重合
体である請求項1記載の耐熱性成形品。 - 【請求項4】前記耐熱性成形品は、半導体製造装置部品
あるいは液晶製造装置部品である請求項1記載の耐熱性
成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24389597A JPH1180392A (ja) | 1997-09-09 | 1997-09-09 | 耐熱性成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24389597A JPH1180392A (ja) | 1997-09-09 | 1997-09-09 | 耐熱性成形品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1180392A true JPH1180392A (ja) | 1999-03-26 |
Family
ID=17110603
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24389597A Pending JPH1180392A (ja) | 1997-09-09 | 1997-09-09 | 耐熱性成形品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1180392A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006160807A (ja) * | 2004-12-03 | 2006-06-22 | Hitachi Cable Ltd | ふっ素樹脂シートの製造方法及び製造装置 |
JP2013189650A (ja) * | 2007-06-20 | 2013-09-26 | Sumitomo Electric Fine Polymer Inc | フッ素樹脂複合材の製造方法 |
JP2018035234A (ja) * | 2016-08-30 | 2018-03-08 | ダイキン工業株式会社 | 改質成形品の製造方法、成形品、ダイヤフラム及びダイヤフラムバルブ |
-
1997
- 1997-09-09 JP JP24389597A patent/JPH1180392A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006160807A (ja) * | 2004-12-03 | 2006-06-22 | Hitachi Cable Ltd | ふっ素樹脂シートの製造方法及び製造装置 |
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US9776289B2 (en) | 2007-06-20 | 2017-10-03 | Sumitomo Electric Fine Polymer, Inc. | Fluorocarbon resin composite, cookware, cooker, roller for office automation equipment, belt for office automation equipment, and method for producing them |
JP2018035234A (ja) * | 2016-08-30 | 2018-03-08 | ダイキン工業株式会社 | 改質成形品の製造方法、成形品、ダイヤフラム及びダイヤフラムバルブ |
WO2018043003A1 (ja) * | 2016-08-30 | 2018-03-08 | ダイキン工業株式会社 | 改質成形品の製造方法、成形品、ダイヤフラム及びダイヤフラムバルブ |
US11072672B2 (en) | 2016-08-30 | 2021-07-27 | Daikin Industries, Ltd. | Process for producing modified molded article, molded article, diaphragm, and diaphragm valve |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20030506 |