JPH1180132A - 2−ピペラジンカルボン酸塩の製造方法 - Google Patents
2−ピペラジンカルボン酸塩の製造方法Info
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- JPH1180132A JPH1180132A JP23822097A JP23822097A JPH1180132A JP H1180132 A JPH1180132 A JP H1180132A JP 23822097 A JP23822097 A JP 23822097A JP 23822097 A JP23822097 A JP 23822097A JP H1180132 A JPH1180132 A JP H1180132A
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Abstract
学純度を低下させることなく、高収率で2−ピペラジン
カルボン酸塩を製造する。 【解決手段】 式(1) 【化1】 (式中、R1 とR2 は、各々独立して炭素数1〜4の直
鎖または分岐のアルキル基もしくは水素原子を示す。ま
た、Xは無機酸あるいは有機酸を示し、nは0〜2の整
数である。)で表される2−ピペラジンカルボン酸誘導
体を、酸性水溶液中で加熱して、式(2) 【化2】 (式中、Yは無機酸あるいは有機酸を示し、mは1〜2
の整数である。)で表される2−ピペラジンカルボン酸
塩を製造する方法。
Description
ルボン酸塩の工業的製造に関するものである。この化合
物は、医薬、例えば抗エイズ剤の中間体、農薬などの合
成中間体として有用である。
としていくつかの方法が報告されている。例えば、WO
9635775号公報では、ラセミ体の2−ピペラジン
カルボキサミドをpH8の水溶液中で微生物処理するこ
とによってRの立体を有する原料のみを加水分解した
後、0.1M塩酸にて酸析することにより、(R)−2
−ピペラジンカルボン酸二塩酸塩を合成している。ま
た、Helvetica Chimica Acta、
Vol.XLIII 、Fasciculus III ,88
8頁(1960年)、およびTetrahedron
Asymmetry、8巻、7号、979頁(1997
年)には、ラセミ体の2−ピペラジンカルボン酸と式
(4)
−sulfonic acidとを水溶媒中で混合し、
析出した式(5)
換樹脂にて精製することにより、(S)−2−ピペラジ
ンカルボン酸を得る方法が報告されている。
ミ体原料から直接光学活性な2−ピペラジンカルボン酸
を合成できるものの、(R)−2−ピペラジンカルボキ
サミドに対して収率は44%と低く、基質濃度も20g
/L程度で生産性が悪いなど、工業的な方法とはいえな
い。また、微生物法は、微生物と出発原料の相性により
成績が容易に変化するため、幅広い基質に対する適応性
が低く、有用性に欠ける。一方、後者の方法では、光学
分割後に2−ピペラジンカルボン酸を取り出すのに際
し、イオン交換樹脂による精製、および濃縮、乾固等を
実施しなくてはならない。また、光学分割の収率も
(S)−2−ピペラジンカルボン酸に対して49%と低
いため、操作面、コストの両面において工業的製造には
著しく不利である。本発明は、より高収率に2−ピペラ
ジンカルボン酸塩を製造する方法の提供を目的とする。
数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基もしくは水素原
子を示す。また、Xは無機酸あるいは有機酸を示し、n
は0〜2の整数である。)で表される2−ピペラジンカ
ルボン酸誘導体を、酸性水溶液中で加熱して、式(2)
し、mは1〜2の整数である。)で表される2−ピペラ
ジンカルボン酸塩を製造する方法を提供するものであ
る。
体のR1 ,R2 としては、メチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、tert−
ブチル基、水素原子が挙げられ、R1 とR2 が同一でも
異なっていてもよい。特に使用されるものとしては、R
1 ,R2 がそれぞれ水素原子およびtert−ブチル基
である、式(3)
ペラジンカルボキサミドが挙げられる。本発明に使用さ
れる式(1)で表される2−ピペラジンカルボン酸誘導
体は、ラセミ体でも光学活性体のいずれでも使用でき
る。また、光学活性体は、例えば、ラセミ体のジアステ
レオマー法、優先晶析法等による光学分割、あるいは微
生物法等による速度論的光学分割などを実施することに
より供給できる。
表されるN−tert−ブチル−2−ピペラジンカルボ
キサミドの場合には、ラセミ体を適当な分割剤にて光学
分割することによって光学活性体を得る方法が最も簡便
である。この際に使用される分割剤は、目的の立体のN
−tert−ブチル−2−ピペラジンカルボキサミドを
分割できるものであれば特に制限はなく、例としては、
R体の場合にはL−ピログルタミン酸等を、S体の場合
には(+)−camphor−10−sulfonic
acid、L−乳酸、N−ベンジルオキシカルボニル
−L−アスパラギン酸等を挙げることができる。
は有機酸の具体例としては、塩酸、硫酸等の無機酸、酢
酸、アミノ酸、ヒドロキシカルボン酸等の有機酸が挙げ
られる。さらには、光学活性の原料を合成する一例であ
るジアステレオマー法による光学分割により得られるジ
アステレオマー塩をそのまま反応に供することも可能で
ある。
式(1)で表される2−ピペラジンカルボン酸誘導体を
酸性水溶液中で加熱することにより行れる。酸水溶液に
使用される酸としては、塩酸、硫酸等の無機酸、あるい
は酢酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸
等の有機酸が挙げられ、これらの中でも、塩酸、硫酸等
の無機酸類が好ましい。使用される酸の使用量は、通
常、2−ピペラジンカルボン酸誘導体に対して5〜50
モル倍量、好ましくは10〜20倍モル量である。酸水
溶液中の酸濃度は使用する酸により異なるが、塩酸の場
合には通常20重量%以上であり、市販の35%塩酸を
そのまま使用することが最も簡便である。また、硫酸の
場合には通常20〜85重量%、好ましくは50〜70
重量%である。反応温度は、使用する酸の種類によって
若干異なるが、通常40℃以上、好ましくは60〜90
℃である。
の種類と反応温度によって異なるが、原料の消失あるい
は反応が停止するまで行えばよく、通常1〜10時間の
範囲で反応は完結する。圧力は、通常常圧で行われる
が、加圧下で反応を実施しても何ら問題はない。ところ
で、通常、アミノ酸を酸性水溶液中で加熱すると、容易
にラセミ化が起こることが知られている。しかしなが
ら、式(1)の2−ピペラジンカルボン酸誘導体を用い
る本発明の方法では、光学純度の低下を伴うことなく反
応が進行する。よって、生成物である2−ピペラジンカ
ルボン酸塩の光学純度は、出発原料である2−ピペラジ
ンカルボン酸誘導体の光学純度とほぼ同等である。精製: 式(2)
し、mは1〜2の整数である。)で表される2−ピペラ
ジンカルボン酸塩は、反応液を冷却し、析出した固体を
濾過することによって容易に得られる。濾過温度は、通
常室温以下で実施するが、溶解ロスを少なくするために
5℃以下にすることが好ましい。また、反応液に貧溶媒
を添加することで、溶解ロスを低減させ、収率をさらに
改善することもできる。貧溶媒としては、水溶性溶媒で
あるメタノール、エタノール、イソプロパノール等のア
ルコール類や、テトラヒドロフラン、アセトニトリル等
が挙げられ、これらの中でもエタノールが好ましい。貧
溶媒の使用量は、貧溶媒の種類によっても異なるが、通
常反応液量に対して0.2〜5倍体積量であり、0.5
〜1.5倍体積量で十分である。また、これらの貧溶媒
を2種類以上混合して用いてもよく、その量比に特に制
限はない。濾取した固体を上述の貧溶媒で洗浄すること
により、高純度、高光学純度の2−ピペラジンカルボン
酸塩を簡便に得ることができる。
する。 (実施例1)(R)−N−tert−ブチル−2−ピペ
ラジンカルボキサミド 10.00g(54.0mmo
l、化学純度 100%、光学純度 99.0%ee)
および35%塩酸 100ミリリットルを300ミリリ
ットルセパラブルフラスコに仕込み、75℃で8時間反
応させた。次いで、50℃まで冷却した後、エタノール
100ミリリットルを添加し、さらに5℃まで冷却し
た。5℃にて1時間攪拌した後、析出した結晶を濾過
し、これをエタノール 50ミリリットルで洗浄した。
結晶を40℃で減圧乾燥させ、(R)−2−ピペラジン
カルボン酸二塩酸塩 10.41gを得た。得られた結
晶の化学純度98.9%、光学純度は98.0%ee、
収率は93.9%であった。
ボキサミド 0.287g(2.20mmol、化学純
度 99.0%、光学純度 99.5%ee)および3
5%塩酸 3.00gを30ミリリットル三つ口フラス
コに仕込み、75℃で2時間反応させた。次いで、室温
で冷却した後、エタノール 3ミリリットルを添加し、
さらに5℃まで冷却した。5℃にて1時間攪拌した後、
析出した結晶を濾過し、エタノール2ミリリットルで洗
浄した。結晶を40℃で減圧乾燥させ、(R)−2−ピ
ペラジンカルボン酸二塩酸塩 421mgを得た。得ら
れた結晶の化学純度99.2%、光学純度は98.8%
ee、収率は93.5%であった。
0ミリリットル三つ口フラスコに仕込み、氷冷して10
℃以下に保ちながら(S)−N−tert−ブチル−2
−ピペラジンカルボキサミド 0.50g(2.70m
mol、化学純度 100%、光学純度99.6%e
e)を添加した。75℃で3時間反応させた後、室温ま
で冷却し、エタノール 10ミリリットルを添加した。
さらに5℃まで冷却して1時間攪拌した後、析出した固
体を濾取した。固体をエタノール 2ミリリットルで洗
浄し、乾燥させ、(S)−2−ピペラジンカルボン酸−
硫酸塩 528mgを得た。得られた結晶の化学純度は
99.2%、光学純度は98.4%ee、収率は85.
0%であった。
ド−硫酸塩 0.553g(2.42mmol、純度9
9.5%)および35%塩酸 3.00gを30ミリリ
ットル三つ口フラスコに仕込み、75℃で2時間反応さ
せた。次いで、室温で冷却した後、エタノール 3ミリ
リットルを添加し、さらに5℃まで冷却した。5℃にて
1時間攪拌した後、析出した結晶を濾過し、エタノール
2ミリリットルで洗浄した。結晶を40℃で減圧乾燥
させ、2−ピペラジンカルボン酸二塩酸塩 432mg
を得た。得られた結晶の純度は98.4%、収率は8
6.5%であった。
有用な2−ピペラジンカルボン酸塩を、原料の2−ピペ
ラジンカルボン酸誘導体の光学純度を保持したまま、高
収率に製造することが可能となった。
Claims (6)
- 【請求項1】 式(1) 【化1】 (式中、R1 とR2 は、各々独立して炭素数1〜4の直
鎖または分岐のアルキル基もしくは水素原子を示す。ま
た、Xは無機酸あるいは有機酸を示し、nは0〜2の整
数である。)で表される2−ピペラジンカルボン酸誘導
体を、酸性水溶液中で加熱して、式(2) 【化2】 (式中、Yは無機酸あるいは有機酸を示し、mは1〜2
の整数である。)で表される2−ピペラジンカルボン酸
塩を製造する方法。 - 【請求項2】 反応に使用される式(1)で示される2
−ピペラジンカルボン酸誘導体と、得られる式(2)で
表される2−ピペラジンカルボン酸塩とが、ともに光学
活性体であることを特徴とする請求項1に記載の製造方
法。 - 【請求項3】 式(1)で表される2−ピペラジンカル
ボン酸誘導体が、式(3) 【化3】 で表されるN−tert−ブチル−2−ピペラジンカル
ボキサミドであることを特徴とする請求項1に記載の方
法。 - 【請求項4】 酸性水溶液中の酸が、無機酸であること
を特徴とする請求項1に記載の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1で得られた反応液に貧溶媒を添
加し、2−ピペラジンカルボン酸塩を析出させることを
特徴とする2−ピペラジンカルボン酸塩の精製方法。 - 【請求項6】 貧溶媒としてエタノールを使用すること
を特徴とする請求項5に記載の精製方法。
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JP23822097A JP3395594B2 (ja) | 1997-09-03 | 1997-09-03 | 2−ピペラジンカルボン酸塩の製造方法 |
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JP23822097A Expired - Fee Related JP3395594B2 (ja) | 1997-09-03 | 1997-09-03 | 2−ピペラジンカルボン酸塩の製造方法 |
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- 1997-09-03 JP JP23822097A patent/JP3395594B2/ja not_active Expired - Fee Related
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