JPH1179849A - 窒化珪素系焼結体およびその製造方法 - Google Patents

窒化珪素系焼結体およびその製造方法

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成二 中畑
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 窒化珪素系焼結体を得る方法の一つに、Si
の窒化反応焼結によって窒化珪素系焼結体を得る方法が
ある。この方法において均一な窒化を行い緻密な焼結体
を効率良く製造する。 【解決手段】 窒化珪素および/またはサイアロンを主
成分とする結晶粒子と粒界相とからなり、粒界相を構成
する成分がNa、K、Mg、CaおよびSrの群から選
ばれた一種以上の元素を含む第一の成分と、YとLa系
列元素の群から選ばれた一種以上の元素を含む第二の成
分とからなり、この第一の成分と第二の成分との酸化物
換算のモル比が、第一の成分:第二の成分=1:1〜
6:1の範囲内にあり、結晶粒子の平均短径が0.1μ
m以下、平均長径が3μm以下であり、平均長径の焼結
体内の標準偏差値が1.5μm以内であるSiの窒化反
応による窒化珪素系焼結体を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車部品、OA
器機を始めとする各種装置の構造部品として有用であ
り、従来からの方法に比べより安価に製造可能で、特に
常温での機械的強度ならびに耐摩耗性に優れた窒化珪素
系焼結体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】窒化珪素系セラミックスは一般の金属に
比べ軽量であり、また他のセラミックス材料に比べ耐熱
性、耐摩耗性、機械的強度・靱性の点で優れており、各
種の構造部品として用いる場合に極めてバランスのとれ
た材料である。このため従来より自動車のエンジン部品
やOA器機を始めとする各種装置の構造部品として、幅
広くその応用途の開発が進められている。
【0003】窒化珪素系セラミックスの製造方法には主
として二種の方法がある。その第一はSi34粉末を原
料としこれに焼結助剤を添加して焼結する方法であり、
その第二はSi粉末を原料としこれに同様な焼結助剤を
添加し窒化反応焼結する方法である。この内の後者は、
原料粉末としてSi34粉末に代えて安価なSi粉末を
用い、さらに焼結時の収縮が小さく変形が少なく最終加
工での取り代が少なくなるため原料費が安くなり、前者
に比べて工業的に有利である。しかしながら、その反面
上記の第一の方法とほぼ同程度の条件で後者の方法で製
造すると、焼結体内に窒化されていないSi粒子や空孔
が残留し易いため均質かつ緻密な焼結体が得難く、それ
故、その実用特性は前者のそれよりも劣るという問題点
がある。
【0004】そこで後者の方法では窒化を完遂するため
に高圧の窒素ガス雰囲気で加熱するか、または極めて長
時間かけて窒化もしくは焼結するかいずれかの手順を採
り入れて、未窒化のSi粒子が残留せず焼結性の良い粉
末または窒化成形体を得る多くの試みがなされてきた。
【0005】例えば特公昭61−38149号公報に
は、Si粉末にIIa、IIIa、IIIb、IVaお
よびVaの各族元素の化合物群から選ばれた一種以上の
焼結助剤の粉末を添加し、成形後1200〜1450℃
の窒素雰囲気中で窒化して相対密度75〜80%の窒化
成形体とし、その後加圧窒素雰囲気中1600〜220
0℃で焼結する反応焼結法が開示されている。この方法
によって平均粒径が0.5〜2μmの繊維状結晶粒子か
らなり、600〜800MPa程度の曲げ強度を有する
窒化珪素系焼結体が得られている。また特開平7−45
345号公報には、Si粉末もしくはそれにSi34
末を加えた主成分粉末に、Nd23、Sm23の少なく
とも一種とY23とからなる従成分粉末を添加した混合
粉末を成形し、窒素雰囲気中1000〜1500℃で窒
化した後、加圧窒素ガス中1600〜2200℃で焼結
する方法が開示されている。実施例によれば550〜9
20MPa程度の曲げ強度を有する窒化珪素系焼結体が
得られている。しかしながら、これらの方法では最終的
に高圧の窒素ガス雰囲気で焼結するかまたはHIP処理
を行わないと、緻密なものが得られない。
【0006】また特公平6−33173号公報には、S
i粉末とIIIa族元素金属との合金を予め粉砕し12
50〜1450℃で溶融窒化して、残留Siの少ないS
i−IIIa族系窒化物を作り、これをさらに粉砕後S
34粉末とIIa、IIIa、IIIb族元素の化合
物とを追加混合し、その成形体を焼結する方法が開示さ
れている。実施例によれば700〜1100MPa程度
の曲げ強度を有する窒化珪素系焼結体が得られている。
同様な方法が特開昭63−103867号公報にも記載
されている。これらの方法では、予めSi粉末と焼結助
剤粉末との間の親和性を高めて、その後の焼結性を改善
しようとしているが、その成形体までの製造工程は極め
て煩雑であり、安価な製造方法とは言えない。またこの
ような方法では、Siと金属の合金を窒化する際の発熱
を抑えるために、窒化に当たり重量で80%以上のSi
34粉末を混合する必要があり、反応焼結によるコスト
メリットは少ない。
【0007】さらに特開平8−245267号公報に
は、市販のSi粉末を窒素以外の雰囲気中300〜80
0℃で熱処理をして、予めSi粒子内に窒素空孔を形成
しておき、この粉末に希土類元素、Al、MgおよびC
aの化合物群から選ばれた少なくとも一種からなる焼結
助剤粉末をそれらの元素換算で0.1〜15モル%、S
c、Ni、V、Cr、Mn、Fe、Co、Cu、Ti、
Zn、GaおよびGeの化合物群から選ばれた少なくと
も一種の窒素空孔形成剤を0.5〜15モル%添加し、
混合した後その成形体を窒素雰囲気中1300〜140
0℃で窒化して窒化成形体とし、さらに1500〜18
00℃で焼結する方法が開示されている。実施例によれ
ば800〜1400MPa程度の曲げ強度を有する窒化
珪素系焼結体が得られている。また予め市販のSi粉末
を化学処理後、窒素以外の雰囲気中300〜800℃で
熱処理をする類似の方法が特開平8−310868号公
報に開示されている。しかしながら、これらの方法も原
料粉末の特別な処理が必要であり、安価な製造方法とは
言えない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、以上
述べた問題点を解消してより製造コストの低減が図れる
反応焼結法により、機械的強度と耐摩耗性に優れた新規
の窒化珪素系焼結体を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明が提供する窒化珪素系焼結体は、シリコン(以下
Siと記述)の窒化反応焼結によって得られる窒化珪素
系焼結体であって、窒化珪素(以下Si34と記述)を主
成分とする結晶粒子と粒界相とからなり、粒界相を構成
する成分がナトリウム(以下Naと記述)、カリウム(以
下Kと記述)、マグネシウム(以下Mgと記述)、カルシ
ウム(以下Caと記述)、ストロンチウム(以下Srと記
述)の群から選ばれた一種以上の元素を含む第一の成分
と、イットリウム(以下Yと記述)とランタノイド(以下
Laと記述)系列元素の群から選ばれた一種以上の元素
を含む第二の成分とからなり、この第一の成分と第二の
成分とのそれぞれの酸化物換算のモル比が、第一の成
分:第二の成分=1:1〜6:1の範囲内にあり、なお
かつ窒化珪素系結晶粒子の平均短径が1μm以下、平均
長径が3μm以下であり、平均長径の焼結体内の標準偏
差値が1.5μm以内である窒化珪素系焼結体である。
【0010】なおここで窒化珪素系焼結体とは、Si3
4および/またはサイアロンを主成分とする焼結体のこ
とであり、窒化珪素系結晶粒子とは、Si34および/
またはサイアロンを成分とする結晶粒子である。また同
結晶粒子の平均短径および平均長径とは、焼結体の任意
の二次元断面内に存在する結晶粒子のそれぞれ最も短い
外径および最も長い外径の算術平均値である。
【0011】また本発明によれば、このような窒化珪素
系焼結体を得るための中間体として、Siの窒化反応に
よって生じたSi34粒子が球状であり、その平均粒径
が窒化前のSiの平均粒径よりも小さい窒化成形体が提
供される。またその望ましい形態として、以上に加え主
成分Si34の80%以上の結晶相がα型結晶相である
窒化成形体も提供される。
【0012】上記した本発明の窒化珪素系焼結体の製造
方法は以下の通りである。すなわちその第一の工程で
は、主成分粉末としてSi34に換算した量で75〜9
8重量%相当のSi粉末と、従成分粉末として以下の内
容の組成の粉末2〜25重量%とを秤量してそれらを混
合する。従成分粉末の組成・成分は、Na、K、Mg、
Ca、Srの群から選ばれた一種以上の元素を含む第一
の化合物と、YとLa系列元素の群から選ばれた一種以
上の元素を含む第二の化合物とからなり、その場合第一
の化合物と第二の化合物とのモル比がそれぞれの酸化物
に換算した値で、第一の化合物:第二の化合物=1:1
〜6:1の範囲内となるように秤量する。第二の工程で
は、主成分のSi粉末とこの従成分粉末との混合粉末を
成形する。第三の工程では、その成形体をまず窒素を含
む非酸化性雰囲気中1200〜1320℃の温度範囲内
で一次窒化し、引き続き同雰囲気中1350〜1400
℃の温度範囲内で二次窒化を行い、窒化成形体とする。
第四の工程では、この窒化成形体を窒素を含む非酸化性
雰囲気中1600〜1800℃の温度範囲内で焼結す
る。
【0013】また以上の工程の中で、主成分粉末として
Si34粉末を30重量%以下、残部Si粉末の混合組
成とする製造方法もある。
【0014】さらに上記の一次・二次の窒化工程と焼結
工程は、その雰囲気中の一酸化炭素(以下COと記述)ガ
スの量を1000ppm以下とする製造方法もある。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明で提供される窒化珪素系焼
結体は、前述のように従成分に特定の成分を選び、それ
らを特定の割合で含有させたものである。なお本発明の
窒化珪素系焼結体には、必要に応じこれらの成分に加え
アルミナ(以下Al23と記述)、窒化アルミニウム(以
下AlNと記述)等の他の従成分を含んでもよい。これ
らの成分はその組み合わせおよびその量比によっては、
焼結までの過程で最終的に主成分である窒化珪素に固溶
するものもある。Al23、AlNが特定量固溶してサ
イアロンの結晶相が形成されることもある。また特に微
細なものであれば、焼結までの過程で、その一部または
全部が最終的に主成分である窒化珪素および/またはサ
イアロン結晶粒子の内部に取り込まれることもある。し
かしながら、窒化珪素に固溶する成分を除けば、概ね主
成分結晶粒子の粒界に存在する。
【0016】したがって本発明の窒化珪素系焼結体中に
は、Na、K、Mg、Ca、Srの群から選ばれた一種
以上の元素と、Y、La系列元素の群から選ばれた一種
以上の元素とが含まれる。なお上記のように場合によっ
てはAl23やAlNを併用するとSi34と反応し、
主結晶相がサイアロンとなることもある。単独成分また
は他成分との反応物としてサイアロンやSi34の結晶
粒子内に取り込まれているものもあるが、その殆どはそ
れらの元素およびSi、N、Oを含むガラス相または結
晶相として焼結体の結晶粒界に存在する。この第一の成
分と第二の成分の焼結体中の存在比率は、それぞれの酸
化物換算のモル比で第一の成分:第二の成分=1:1〜
6:1の範囲内にある。このような特定の成分と特定の
量比とし、上記した窒化・焼結の工程を経ることによ
り、結晶粒子の平均短径が1μm以下、平均長径が3μ
m以下であり、平均長径の焼結体内の標準偏差値が1.
5μm以内、好ましくは1μm以内の微細かつ均一粒径
分布の窒化珪素系焼結体が得られる。
【0017】またこのような従成分の構成とすることに
より、窒化反応時のSi粒子の微細化が容易に進み、微
細で焼結活性な球状Si34粒子が窒化後に容易に形成
される。すなわち窒化反応によって生じたSi34粒子
が球状であり、その平均粒径が窒化前のSiの平均粒径
よりも小さい粒子からなる窒化成形体が得られる。また
このようにして形成された窒化成形体の望ましい形態と
して、以上に加え主成分Si34の80%以上の結晶相
がα型結晶相であるものもある。このような窒化成形体
が、上記した微細かつ均一な粒径分布の窒化珪素系焼結
体を容易に形成し得るための中間体となる。
【0018】次に本発明の窒化珪素系焼結体の製造方法
について述べる。本発明の窒化珪素系焼結体の製造方法
は、まず第一の工程で主成分粉末としてSi粉末をSi
34に換算した量で75〜98重量%相当、従成分粉末
として下記内容の成分・組成粉末を2〜25重量%秤量
して、それらを混合する。この場合主成分粉末であるS
iの粉末は、その平均粒径が25μm以下のものである
のが好ましい。平均粒径が25μmを越えると、本発明
の窒化工程において窒化反応が十分進まなくなる恐れが
あるからである。なお主原料としてSi粉末の一部分を
Si34に置き換えて配合することによって、窒化工程
初期で窒化反応を制御し、窒化反応を促進して窒化後の
焼結性を向上させるα型で球状のSi34微細粒子の形
成を容易にする。置換量は30重量%までで十分にその
効果が得られる。それ以上置換しても原料コストが上が
るのみで、それに見合った効果は得られない。
【0019】従成分の内その第一の成分は、Na、K、
Mg、Ca、Srの群から選ばれた一種以上の元素を含
む第一の化合物である。その第二の成分は、YとLa系
列元素の群から選ばれた一種以上の元素を含む第二の化
合物である。これらの第一・第二の化合物の粉末を、第
一の化合物と第二の化合物とのモル比がそれぞれの酸化
物に換算した値で、第一の化合物:第二の化合物=1:
1〜6:1の範囲内となるようにする。
【0020】主成分粉末と従成分粉末の秤量・混合は以
下のようにする。まずSi粉末を相当するSi34にモ
ル比換算した量で75〜98重量%に相当する量となる
ように秤取する。すなわち例えばその相当する量が90
重量%であれば、Si粉末秤量値=3Si/Si3
4(分子量比、およそ0.60となる)×90重量%のよ
うな計算式で計算される。従成分の粉末はこのSi34
にモル比換算した量75〜98重量%の範囲の主成分の
特定量Xに対し、その酸化物に換算した総量が(100
−X)重量%となるように秤取する。混合は公知の方法
で行う。
【0021】従成分の総量を上記の範囲とするのは、下
限未満の量では窒化段階での球状で微小なSi34粒子
の形成が難しくなる。その結果得られる窒化珪素系焼結
体中に未窒化のSiが残留したり空孔が多くなり、実用
可能なものが得られない。また上限を越えると窒化は十
分進むが、得られる窒化珪素系焼結体の曲げ強度が低下
するため好ましくない。また従成分の第一・第二の成分
の添加量比を上記の範囲とするのは以下の理由による。
その比が1:1未満、すなわち第一の成分の量がその酸
化物換算で50モル%より少なくなると、窒化初期の核
形成段階において、焼結活性なα型Si34微細球状粒
子の前駆体である結晶核が十分な密度で確保できない。
一方その比が6:1を越える、すなわち第二の成分の量
がその酸化物換算で約33.3モル%より少なくなる
と、窒化の進展段階において核形成段階で形成された結
晶核が微細化されず、焼結活性なα型Si34微細球状
粒子の形成が難しくなる。したがって、いずれの場合に
も易焼結性の窒化成形体が得られなくなる。
【0022】以上述べたように本発明の従成分の内、第
一の成分は主に窒化初期の核形成反応を、第二の成分は
主に核形成後の窒化反応を制御する機能を果たす。第一
の成分である化合物は、Si粒子の表面に架橋状態で結
合しているSiO2を主成分とする酸化物層と反応し
て、その結合を分断し非架橋状態にする。その結果Si
粒子表面から同粒子内部への窒素の拡散と同粒子表面に
多数のα相Si34の結晶核の形成が促され、窒化の進
行とともに微細球状のα相Si34の結晶粒子の形成を
容易にする。
【0023】また第二の成分である化合物は、窒化がさ
らに進行する次の段階で、未窒化Si粒子内部またはそ
の表面に移動する。この場合同化合物の金属元素は結合
半径が大きいため、Si粒子内に移動後多数の空孔が同
粒子内に容易に形成される。そのため同空孔を通じたS
i粒子表面からその内部に向かっての窒素原子、あるい
はSi原子の内部から表面への拡散が引き続き促され
る。その際空孔を介して拡散するSi原子が、上記した
生成直後のα相Si34の結晶核の周辺部と次々に反応
することによって、Si粒子は窒化されるとともに再分
断されさらに細分化されて、より微細粒子になる。この
ようにして、当初の主成分粒子(Si粒子)よりも小さな
粒径でその分布幅の小さいα相Si34粒子を多量に含
む窒化成形体が得られる。したがって、この窒化成形体
は易焼結性であり、従来の方法に比べ窒化および焼結に
要する時間を短くすることができるとともに、高い窒素
ガス圧の負荷によって窒化の促進を図ることが不要とな
る。
【0024】なお以上のような従成分の役割を十分に機
能させるため、本発明の第三の工程である窒化工程は二
段階で行う。その第一段階は上記した核形成段階に相当
し、常圧の窒素を含む非酸化性雰囲気中で1200〜1
320℃の温度範囲内で行う。前記のようにこの過程を
本発明では一次窒化工程と称する。処理時間は温度によ
って異なるが、通常は1〜5時間程度とする。この下限
温度未満の温度では前記した窒化反応速度が急速に低下
し、窒化時間短縮の本発明の効果が得られない。α相S
34の結晶核の生成密度が下がるために分断微細化さ
れた活性化された窒化珪素粒子が得られなくなる。また
この上限温度を越える温度では、生成したα相Si34
結晶核の生成密度が下がり、その結果窒化粒子が粗大化
するために、微細化された易焼結性の窒化珪素粒子が得
られなくなる。
【0025】次にその第二段階は上記した窒化進展段階
に相当し、常圧の窒素を含む非酸化性雰囲気中1350
〜1400℃の温度範囲で行う。前記のようにこの過程
を本発明では二次窒化工程と称する。処理時間は温度に
よって異なるが、通常は1〜5時間程度とする。この下
限温度未満の温度では第二の成分の移動速度が低下する
ため、上記した粒子内部への窒化速度が低下する。それ
故均一な窒化に要する時間が顕著に長くなる。この上限
温度を越えると上記第一段階同様生成した窒化粒子が粗
大化して、易焼結性の窒化成形体が得られない。その結
果焼結で窒化珪素またはサイアロン粒子の異常粒成長が
生じて、十分な曲げ強度の焼結体が得られない。またS
iの融点は1420℃であり、1400℃を越えると部
分的にその融点以上の温度に加熱される恐れがあるた
め、一部に未窒化Siの溶融部分が窒化処理後に残留
し、その部分が次の焼結工程で未窒化欠陥となるので好
ましくない。なお以上述べた二段階の窒化工程は、通常
は連続した加熱によって行う。
【0026】本発明の第四の工程である焼結工程は、窒
化を終えた窒化成形体を常圧の窒素を含む非酸化性雰囲
気中1600〜1800℃の温度範囲で行う。この焼結
過程では、上記した窒化成形体内に形成された微細なα
相Si34粒子が、そのβ相への変態を経て微細な柱状
のβ相結晶粒子が形成され、この粒子を主体とするネッ
トワーク組織が形成される。また上記の様な従成分を主
体とする粒界相は、焼結後の冷却過程で結晶化が進み、
その結果優れた耐摩耗性も兼ね備えた窒化珪素系焼結体
が得られる。上記の焼結温度範囲とするのは、1600
℃未満の温度では従成分を主体とする液相の発生量が十
分ではなく、緻密化が不十分となるからであり、180
0℃を越える温度では主成分のSi34またはサイアロ
ンの熱分解が生じたり、その結晶粒子が異常粒成長して
粗大化し易いからである。したがって、この温度範囲内
で焼結を行わないと本発明の所望する曲げ強度のものが
得られない。
【0027】なお以上の第一次・第二次窒化の工程およ
び焼結の工程は、窒素を含有する非酸化性雰囲気中で行
われるが、窒素以外にアンモニアガスやその他の不活性
ガスを含んでもよい。また同雰囲気内の一酸化炭素ガス
(以下COガスと記述)の含有量は、1000ppm以下
であるのが望ましい。1000ppmを越えると、主成
分粒子表面に存在するSiを含む酸化物が還元され昇華
性のSiOに変化し易くなる。このようにSi粒子表面
のSiO2膜が還元されると、生成したSiOが揮発性
のため、同成分のガス化によって窒化工程での窒化反応
と窒化粒子の微細化が促進されず、また焼結工程での焼
結の進行を遅らせる可能性があるからである。
【0028】
【実施例】
(実施例1) 平均粒径が10μmの主成分Si粉末、
同じく主成分で平均粒径0.5μm、α相含有率95%
のSi34粉末および平均粒径1μm以下の各種従成分
粉末を表1に記載の成分の組み合わせ・組成で秤取し
て、パラフィンをそれぞれの粉末の総量に対し4重量%
添加し、エチルアルコール中ボールミルによって粉砕混
合した。粉砕されたスラリーをスプレードライヤーにて
乾燥造粒し顆粒とした。造粒前のスラリー中の粉末の平
均粒径は、いずれの試料も0.4〜0.8μmの範囲に
入っていた。また造粒された顆粒の平均粒径は、いずれ
の試料も120μm程度であった。得られた各造粒粉末
を長さ46mm、幅8mm、厚み5mmの形状に乾式成
形した後、内壁を窒化硼素(BN)で被覆したカーボン製
の耐火ケース内に配置し、いずれも常圧の窒素雰囲気中
表1に示す温度・時間プログラムで一次・二次の窒化お
よび焼結を行った。なおその場合の雰囲気中のCOガス
の量は500ppmであった。
【0029】試料はそれぞれ40個ずつ準備し、その内
の10個は二次窒化まで同一条件で進め、その時点で炉
より取り出して以下に述べる窒化成形体の試料とした。
その他の30個については、一次・二次の窒化工程およ
び焼結工程は、連続加熱プログラムで処理した。このよ
うにして得られた窒化成形体については、その組織内の
窒化粒子の形状を走査電子顕微鏡によって観察し、さら
に同成形体中の主成分中のα相Si34粒子の割合をX
線回折によって確認した。この場合のα相Si34粒子
の割合については、αーSi34の(102)、(210)
両回折線のピーク高さの総和と、βーSi34の(10
1)、(210)両回折線のピーク高さの総和との比から
試算した。窒化成形体中の窒化粒子の大きさを確認した
ところ、特に出発主原料のSi粉末の一部を、Si34
に換算して30重量%相当量程度までSi34粉末に換
置き換えた試料7〜9では、同じ従成分量で出発主原料
を全量Si粉末とした試料4に比べ、α相含有率が高く
なった。
【0030】また焼結体については、走査電子顕微鏡に
よる組織観察によって主成分粒子の形状と大きさおよび
その分布状態を確認し、さらにX線回折によってα相と
β相の比率を確認した。次いで曲げ強度試片を作製して
相対密度(理論密度に対するアルキメデス法によって計
測した実測密度の比率)とJISに基づく三点曲げ強度
についても確認した。その結果を表2に示す。なお表1
の「混合組成」欄の数値の単位は重量%である。その内
のSi粉末の重量%値は相当するSi34の重量%に換
算した値である。また同欄の「モル比」は第一の従成分
と第二の従成分の添加されたモル比(ただしそれは第一
成分/第二成分の数値)である。さらに同欄の従成分の
「他」とは、本発明で定義した第一・第二の従成分には
属さない従成分である。なお本発明試料の焼結体のビッ
カース硬度はいずれも1500kgf/mm2以上であ
った。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】以上表2の結果より以下のことが分かる。 (1)出発原料混合物中の主成分原料SiのSi34に換
算した混合重量割合を残部とした場合、従成分の総添加
量が2〜25重量%であり、なおかつ同出発原料混合物
中の従成分の内、第一成分と第二成分とのモル比が第一
成分/第二成分の値で1/1〜6/1の範囲内の組成で
混合物とする工程(試料1〜15参照)、同混合物の成形
体を窒素を含む非酸化性雰囲気中1200〜1320℃
の温度範囲内で第一次窒化し、さらに同雰囲気中135
0〜1400℃の温度範囲内で第二次窒化窒化する工程
(試料16〜25参照)およびその後窒素を含む非酸化性
雰囲気中1600〜1800℃の温度範囲内で焼結する
工程(試料26〜30参照)の順に製造することによっ
て、焼結後のSi34および/またはサイアロンからな
る結晶粒子サイズの分布幅が小さくなり、同粒子の長径
の標準偏差が1.5μm以下とすることができる。その
結果柱状で微細な同粒子を主体とする三次元ネットワー
ク構造の組織からなる機械的強度・耐摩耗性に優れた窒
化珪素系焼結体が得られる。
【0034】(2)出発原料の主成分の一部をSi粉末か
らSi34に換算した量で出発原料混合物全体の30重
量%以下Si34粉末の配合形態に置き換えることによ
って、窒化反応過程での微細球状α相粒子化が促進さ
れ、その結果、確実に100kg/mm2以上の曲げ強
度の焼結体が得られる(試料4と試料7〜10の対比)。 (3)また以上のような原料混合工程および窒化工程を踏
むことによって、球状で微細かつ比較的均一サイズのα
相を主体とする窒化粒子からなる窒化成形体を得ること
ができる。その結果、上記した優れた特性の窒化珪素系
焼結体が得られる。 (4)従成分の種類を本発明内範囲内で変えても(例えば
試料13、試料17および試料31〜35参照)、また
は必要により第三の従成分を追加混合しても(試料36
〜38参照)本発明の上記した効果は得られる。
【0035】(実施例2) 実施例1のNo.17の未窒化
成形体を表3に示す各種窒化条件・各種焼結条件にて処
理した。その窒化成形体および焼結体を実施例1と同様
の内容で評価した。その結果を表4に示す。
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】表4の結果より以下のことが分かる。 (1)窒化・焼結工程の雰囲気中のCOガスの量を100
0ppm以下に抑えることにより、焼結後の長径が大き
くなるとともに、そのバラツキも大きくなる。 (2)窒化・焼結工程の雰囲気中の窒素圧力を上げること
によって、焼結後より曲げ強度の高いものが得られる。
【0039】(実施例3) (特開平8−310868
号公報に開示の製法との対比) 主成分原料に実施例1と同じSi粉末、従成分原料に実
施例1と同じCaO、Sm23の粉末を用意した。別途
このSi粉末を予めpH5の水中で洗浄し、酸素雰囲気
中500℃で2時間加熱し、不対電子濃度が8×1015
/cm3の熱処理Si粉末を調製した。またモル比がC
aO/Sm23で2/1の割合で混合調製した従成分粉
末を調製した。その後Si34に換算した重量部で90
%に相当する量の上記Si粉末・上記熱処理Si粉末の
それぞれと、重量部で10%の上記従成分粉末とを混合
して、Si原料が異なる二種の同一成分・組成からなる
混合粉末を調製した。この二種の混合物を実施例1と同
様にして均一に粉砕混合し、造粒後成形体とした。これ
らの成形体をCOガス量500ppmの常圧窒素雰囲気
中、それぞれ表5に記載の窒化・焼結条件で熱処理し
た。なお窒化および焼結はいずれも連続プログラムで実
施した。No.48は窒化・焼結条件を本発明範囲内とした
ものであり、No.49は同条件を特開平8−310868
号公報に開示範囲内の条件としたものである。これらの
試料について窒化成形体の段階と焼結体の段階で、実施
例1と同一内容の評価を行った。その結果を表6に示
す。
【0040】
【表5】
【0041】
【表6】
【0042】同表の結果から明らかなように、特開平8
−310868号公報に開示の製法に順じて、窒化反応
を促進するために、予め弱酸性の水で水洗を行い粒子表
面を加熱酸化した試料No.48は、一段の窒化で高いα相
の割合の窒化成形体が得られるが、焼結後の結晶粒子サ
イズのバラツキが本発明品に比べ大きくなり、その結果
本発明品に比べ曲げ強度の高いものが得られないことが
分かる。
【0043】(実施例4) 実施例1の試料No.1、No.
4、No.6、No.8の焼結体試料から試験片を切り出し、ロ
ーラーチップ摩擦摩耗試験を行った。試験は試片の片面
を#500のダイヤモンド砥粒で研磨仕上げした後、模
式的に図1に示したように負荷荷重21.7kgのSU
J2(軸受け鋼)製のローラーの下に同試片の研磨面を接
触させて配置した後、同研磨面上のローラーを摺動距離
2000m、摺動速度3.08m/secの摺動条件下
で回転摺動させて実施した。なおこの場合の摺動部分の
潤滑は、SAE#30のCC級のエンジンオイルによっ
て行った.試験終了後摩耗痕体積を測定し、これより
「比摩耗量=摩耗痕体積/(荷重×摺動距離)」の計算式
によって比摩耗量を試算した。その結果を表7に示す。
この結果より本発明のものは、本発明外のものよりも耐
摩耗性に優れていることが分かる。
【0044】
【表7】
【0045】
【発明の効果】本発明によって、従来から行われてきた
長時間または高圧の窒素雰囲気中での窒化や、事前のS
i粉末の特別な処理を行うことなく、窒素を含む常圧の
非酸化性雰囲気中で短時間で窒化・焼結でき、従来のも
の以上に安価かつ均質・緻密で機械的強度・耐摩耗性に
優れた反応焼結窒素窒化珪素系焼結体およびその中間体
である易焼結性の窒化成形体が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例4の摩耗試験を模式的に示した
図である。
【符号の説明】
1、試験片 2、荷重負荷用のローラー 3、荷重
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年6月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】また第二の成分である化合物は、窒化がさ
らに進行する次の段階で、未窒化Si粒子内部またはそ
の表面に移動する。この場合同化合物の金属元素は結合
半径が大きいため、Si粒子内に移動後多数の空孔が同
粒子内に容易に形成される。そのため同空孔を通じたS
i粒子表面からその内部に向かっての窒素原子、あるい
はSi原子の内部から表面への拡散が引き続き促され
る。その際空孔を介して拡散するSi原子が、上記した
生成直後のα相Si34の結晶核の周辺部と次々に反応
することによって、Si粒子は窒化されるとともに微細
粒子を形成する。このようにして、当初の主成分粒子
(Si粒子)よりも小さな粒径でその分布幅の小さいα
相Si34粒子を多量に含む窒化成形体が得られる。し
たがって、この窒化成形体は易焼結性であり、従来の方
法に比べ窒化および焼結に要する時間を短くすることが
できるとともに、高い窒素ガス圧の負荷によって窒化の
促進を図ることが不要となる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】なお以上のような従成分の役割を十分に機
能させるため、本発明の第三の工程である窒化工程は二
段階で行う。その第一段階は上記した核形成段階に相当
し、常圧の窒素を含む非酸化性雰囲気中で1200〜1
320℃の温度範囲内で行う。前記のようにこの過程を
本発明では一次窒化工程と称する。処理時間は温度によ
って異なるが、通常は1〜5時間程度とする。この下限
温度未満の温度では前記した窒化反応速度が急速に低下
し、窒化時間短縮の本発明の効果が得られない。またこ
の上限温度を越える温度では、生成したα相Si34
晶核の生成密度が下がり、その結果窒化粒子が粗大化す
るために、微細化された易焼結性の窒化珪素粒子が得ら
れなくなる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】次にその第二段階は上記した窒化進展段階
に相当し、常圧の窒素を含む非酸化性雰囲気中1350
〜1400℃の温度範囲で行う。前記のようにこの過程
を本発明では二次窒化工程と称する。処理時間は温度に
よって異なるが、通常は1〜5時間程度とする。この下
限温度未満の温度では第二の成分の移動速度が低下する
ため、上記した粒子内部への窒化速度が低下する。それ
故均一な窒化に要する時間が顕著に長くなる。この上限
温度を越えると部分的にSiの融点以上の温度に加熱さ
れる恐れがあるため、一部に未窒化Siの溶融部分が窒
化処理後に残留し、その部分が次の焼結工程で未窒化欠
陥となるので好ましくない。なお以上述べた二段階の窒
化工程は、通常は連続した加熱によって行う。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン(Si)の窒化反応焼結によって
    得られる窒化珪素系焼結体であって、窒化珪素(Si3
    4)および/またはサイアロンを主成分とする結晶粒子
    と、粒界相とからなり、該粒界相がナトリウム(Na)、
    カリウム(K)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(C
    a)、ストロンチウム(Sr)の群から選ばれた一種以上
    の元素を含む第一の成分と、イットリウム(Y)とランタ
    ノイド(La)系列元素の群から選ばれた一種以上の元素
    を含む第二の成分とからなり、該第一の成分と該第二の
    成分とのそれぞれの酸化物換算のモル比が、第一の成
    分:第二の成分=1:1〜6:1の範囲内にあり、該結
    晶粒子の平均短径が1μm以下、平均長径が3μm以下
    であり、平均長径の焼結体内の標準偏差値が1.5μm
    以内であることを特徴とする窒化珪素系焼結体。
  2. 【請求項2】 シリコン(Si)の窒化反応によって得ら
    れる窒化成形体であって、窒化反応によって生じたSi
    34粒子が球状であり、その平均粒径が窒化前のSiの
    平均粒径よりも小さいことを特徴とする窒化成形体。
  3. 【請求項3】 前記Si34粒子の結晶相は、α相が8
    0%以上であることを特徴とする請求項2に記載の窒化
    成形体。
  4. 【請求項4】 シリコン(Si)の窒化反応焼結によって
    得られる窒化珪素系焼結体の製造方法であって、主成分
    粉末としてSi34に換算した量で75〜98重量%相
    当のSi粉末と、従成分粉末としてNa、K、Mg、C
    a、Srの群から選ばれた一種以上の元素を含む第一の
    化合物と、Yとランタノイド(La)系列元素の群から選
    ばれた一種以上の元素を含む第二の化合物とからなる粉
    末を合計で2〜25重量%とを、該第一の化合物と該第
    二の化合物とのモル比がそれぞれの酸化物に換算した値
    で、第一の化合物:第二の化合物=1:1〜6:1の範
    囲内となるように混合し混合粉末とする工程と、該混合
    粉末を成形し成形体とする工程と、該成形体を1200
    〜1320℃、窒素を含む非酸化性雰囲気中で一次窒化
    し、さらに1350〜1400℃、窒素を含む非酸化性
    雰囲気中で二次窒化を行って窒化成形体とする工程と、
    該窒化成形体を1600〜1800℃、窒素を含む非酸
    化性雰囲気中で焼結する工程とを含むことを特徴とする
    窒化珪素系焼結体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記主成分粉末は、Si34粉末を30
    重量%以下、残部Si粉末であることを特徴とする請求
    項4に記載の窒化珪素系焼結体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記窒化工程と焼結工程は、その雰囲気
    中の一酸化炭素(CO)ガスの量が1000ppm以下で
    あることを特徴とする請求項4または5に記載の窒化珪
    素系焼結体の製造方法。
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