JPH117935A - 非水電解液電池用セパレータ - Google Patents

非水電解液電池用セパレータ

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JPH117935A
JPH117935A JP9156390A JP15639097A JPH117935A JP H117935 A JPH117935 A JP H117935A JP 9156390 A JP9156390 A JP 9156390A JP 15639097 A JP15639097 A JP 15639097A JP H117935 A JPH117935 A JP H117935A
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JP
Japan
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layer
separator
electrolyte battery
melting point
temperature
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JP9156390A
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Yoshihiro Uetani
慶裕 植谷
Akira Otani
彰 大谷
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Nitto Denko Corp
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Nitto Denko Corp
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  • Cell Separators (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 析出リチウムによる内部短絡および発熱反応
の抑制、低温でのシャットダウン機能ならびに高温での
形状保持が可能な安全性の高い非水電解液電池用セパレ
ータを提供する。 【解決手段】 下記(a)層、(b)層および(c)層
を少なくとも1層ずつ含む積層構造を有し、最外層の少
なくとも一方が(b)層である多孔質フィルムをセパレ
ータとした。 (a)ポリエチレンとポリプロピレンなどのような非相
溶な2種類の樹脂を20:80〜80:20の重量比で
含む層 (b)ポリエチレンなどの融点が140℃以下の樹脂を
主成分とする層 (c)ポリプロピレンなどの融点が160℃以上の材料
を主成分とする層

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解液電池用
セパレータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近来、電気機器のコードレス化などに対
応する電池として、高エネルギー密度、高起電力、自己
放電の少なさから、リチウム電池が注目を集めている。
このリチウム電池は負極構成材料としてのリチウムが高
い反応性を有し、非水系の電解液を用いるため、外部短
絡や正・負極の誤接続、充電器の故障、誤作動などによ
り異常電流が流れた場合、電解液の抵抗による発熱によ
って電池温度が著しく上昇し、この電池を組み込んだ装
置などに熱的なダメージを与えるおそれがある。そこで
リチウム電池用セパレータには、温度の異常上昇時に電
気抵抗を増大させることにより電池反応を遮断し、温度
の過昇を防止するシャットダウン特性(以下、「SD特
性」という。)を有することが求められる。また、安全
性の確保という点で、SD特性はリチウムの融点より十
分低温で発現する必要があり、かつ、セパレータはさら
に高温でもその形状を保持してSD特性により増大した
電気抵抗を維持することが求められる。
【0003】このようなセパレータとして、ポリプロピ
レン(以下、「PP」という。)層とポリエチレン(以
下、「PE」という。)層の積層多孔質フィルム(特開
平6−20671号公報、特開平8−222197号公
報)や、PPとPEの混合物からなる多孔質フィルム
(特開平4−206257号公報、特開平5−3313
06号公報)が提案されている。これらはいずれも、P
Eがその融点に達すると溶融し、その溶融物が多孔質フ
ィルムの孔を閉塞することでSD特性を発現する。この
とき、PEよりも融点の高いPPは溶融せず、さらに高
温でもセパレータの形状を保持する支持体として機能す
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】金属リチウムを負極と
して用いるリチウム2次電池では、充電の際、負極上に
リチウムが析出する。また、負極にリチウムイオンを吸
蔵するカーボンや黒鉛を用いるリチウムイオン2次電池
では、急速充電や過充電時に本来は析出しない金属リチ
ウムが負極上に析出する。これらの負極上の金属リチウ
ムは析出量が増えるとセパレータの孔内に侵入し、充電
が進むにつれて成長し、遂には正極表面に到達し、いわ
ゆるデンドライトショートに至る。また捲回型電池の場
合、充電の際の正・負極の体積の増加により両電極にか
かる面圧が増大するため、セパレータ内への析出リチウ
ムの侵入が加速し、デンドライトショートは充電の進行
に伴いさらに容易に起こるようになる。デンドライトシ
ョートが発生した部分は他の部分よりも電気抵抗が極め
て小さいため、この部分に電流が集中し、ジュール熱に
よる発熱が大きくなり、電池温度が上昇する。このとき
SD特性によりセパレータの電気抵抗が増大しても、デ
ンドライトショートした部分は析出リチウムにより導通
しているので、SD特性のみでは電池温度の上昇を抑制
することができない。
【0005】また、過充電や急速充電によりデンドライ
ト状に析出した金属リチウムは電解液と発熱反応を起こ
す。この反応は常温ではほとんど起こらない。しかし、
充電の条件や電解液の組成、正・負極の材料などによっ
ても異なるが、通常120〜150℃で急激に反応を開
始し、さらなる温度上昇を招くおそれがある。
【0006】前述した従来のセパレータのうち、特開平
6−20671号公報に記載されたPE層が最外層に存
在する積層多孔質フィルムは、このPE層を負極側に設
置すれば、PEが溶融して析出リチウムを覆い、電解液
との発熱反応を抑制することが期待できるが、このよう
なセパレータは析出リチウムによる内部短絡を防止する
機能は有していない。また、特開平5−331306号
公報に記載されたPPとPEの混合物の多孔質フィルム
では、PEの含有率によっては析出リチウムと電解液と
の反応を抑制できるが、そのPE含有率では内部短絡の
防止が期待できず、逆に内部短絡防止が期待できるPE
含有率では析出リチウムと電解液との反応を抑制するこ
とができない。
【0007】以上のように、従来のセパレータは、安全
性を十分に確保するうえで求められる機能を十分に備え
ているとは言えなかった。
【0008】本発明は、高い安全性を確保できる非水電
解液電池用セパレータを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の非水電解液電池用セパレータの構成は、材
質または組成の異なる3以上の層を積層した多孔質フィ
ルムからなることを特徴とする。
【0010】上記目的を達成するために、本発明の非水
電解液電池用セパレータの別の構成は、下記(a)層、
(b)層および(c)層を少なくとも1層ずつ含む積層
構造を有し、最外層の少なくとも一方が(b)層である
多孔質フィルムからなることを特徴とする。
【0011】(a)非相溶な2種類の樹脂を20:80
〜80:20の重量比で含む層 (b)融点が140℃以下の樹脂を主成分とする層 (c)融点が160℃以上の材料を主成分とする層
【0012】このような構成にしたことにより、(1)
過充電や急速充電によって析出した金属リチウムによる
内部短絡を防止し、(2)析出リチウムと電解液との反
応を抑制し、(3)低温でSD特性を発現し、高温まで
形状保持する、という3つの機能を兼ね備えた安全性の
高い非水電解液電池用セパレータを提供することができ
る。
【0013】上記目的を達成するために、本発明の非水
電解液電池用セパレータの別の構成は、下記(d)層、
(e)層および(f)層を少なくとも1層ずつ含む積層
構造を有し、最外層の少なくとも一方が(e)層である
多孔質フィルムからなることを特徴とする。
【0014】(d)充電時に負極上に析出した金属リチ
ウムによる正・負極の短絡を防ぐ機能を有する層 (e)過熱時に140℃以下で溶融して析出した金属リ
チウムを覆い、且つ、電池反応の進行を妨げる機能を有
する層 (f)140℃以上の温度下でセパレータの形状を保持
する機能を有する層
【0015】このような構成にしても、前記(1)〜
(3)と同様の効果を得ることができる。
【0016】前記非水電解液電池用セパレータにおいて
は、(a)層は、ポリエチレンとポリプロピレンとのポ
リマーアロイからなることが好ましい。このような構成
にしたことにより、析出した金属リチウムによる内部短
絡を確実に抑制することができる。
【0017】また、前記非水電解液電池用セパレータに
おいては、前記融点が140℃以下の樹脂がポリエチレ
ンであり、前記融点が160℃以上の材料がポリプロピ
レンであることが好ましい。このような構成にしたこと
により、前記(2)および(3)の機能を好適な温度
で、確実に発現することができる。
【0018】また、前記非水電解液電池用セパレータに
おいては、(a)層を介して(b)層と(c)層が積層
した構造を有することが好ましい。このような構成にし
たことにより、各層の密着性がよくなり、層間の剥離強
度の高いセパレータとすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の電池用セパレータは、材
質または組成の異なる層を積層することにより複数の機
能を付与したものである。以下、その構成の具体的な一
例として、各々が異なる機能を有する(a)、(b)お
よび(c)層の3層を含む電池用セパレータについて説
明する。
【0020】(a)層は、主として、析出した金属リチ
ウムイオンのセパレータ孔内への侵入を抑制し、内部短
絡を防ぐ機能を担う層である。この機能は、非相溶な2
種類以上の樹脂を含む層とすることで得ることができ
る。(a)層としては、特にPEとPPとのポリマーア
ロイが好適に用いられる。PEとPPとのポリマーアロ
イからなる多孔質フィルムを用いると、PEやPPの単
独の多孔質フィルムを用いた場合に比べ、内部短絡が極
めて起こりにくくなる。この原因は明らかではないが、
PEとPPの海島構造によるものであると考えられる。
内部短絡を抑制する効果を十分に発現させるため、
(a)層がPPとPEとから構成されている場合、下記
式(1)で表されるこの層のPEの含有率は20%〜8
0%、好ましくは40%〜60%、さらに好ましくは4
5%〜55%とする。
【0021】 PE含有率(%)={PE重量/(PE重量+PP重量)}×100 (1)
【0022】(b)層は、主として、過充電や急速充電
により析出した金属リチウムを覆うことにより、金属リ
チウムと電解液との接触面積を低減して反応を抑制する
機能を担う。そのために、セパレータの最外層の一方ま
たは両方が(b)層により構成される。また、この層
は、140℃以下でSD機能を発現させる役割も担うこ
とが好ましい。この層には融点が140℃以下の樹脂を
主成分として用いればよく、PEや、PEとPPとの混
合物などが好適に用いられる。混合物を用いる場合は、
溶融した樹脂が十分に流動できるような混合比であるこ
とが必要であり、PPとPEの混合物の場合、PEの含
有率は、その溶融粘度によっても異なるが、通常60%
以上、好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%
以上とする。なお、このときのPEの含有率は、(a)
層と同様に式(1)により算出される。
【0023】(c)層は、140℃以上の高温でもセパ
レータとしての形状を保持するという機能を担う層であ
り、この機能は、融点が160℃以上の材料を主成分と
することで得られる。この層の材料としては、PP、ポ
リテトラフルオロエチレン、ポリイミドなどの合成樹
脂、ガラス繊維などを用いることができるが、PPが好
ましい。なお、(c)層については、他の層の多孔性を
損なわなければ必ずしも多孔質フィルムである必要はな
く、織布や不織布、または穿孔により多数の孔を空けた
フィルムなどでもよい。
【0024】上記の各々異なる機能を有する3層を少な
くとも一層ずつ含むように積層することにより、これら
の3つの機能をすべて併せ持つセパレータが得られる。
これらの層を積層する際、(b)層が最外層の少なくと
も一方にあれば、積層する順番、数は特に制限されな
い。ただし、(a)層を介して(b)層と(c)層とが
積層するようにすると、各層の密着性がよく好ましい。
【0025】本発明のセパレータの製造方法について、
その一例を以下に説明する。
【0026】まず、所定の層構造となるように前記材料
を溶融共押出しし、これを延伸多孔化する。この延伸に
先立ち、フィルムを120℃〜170℃の温度範囲で所
定時間(通常、数秒〜数時間)加熱するアニーリングを
施すことが好ましく、これにより延伸を経て得られる多
孔質フィルムの空孔率が高くなる。
【0027】延伸は、ロール延伸やテンター延伸などの
慣用の延伸方法により行うことができる。延伸はフィル
ムの押出方向と同一方向に一軸延伸するのが好ましい。
また、空孔率が高く、孔径が小さく均一な多孔質フィル
ムとするため、低温延伸した後、ついで加熱下で高温延
伸することが好ましい。
【0028】低温延伸は通常、−20℃〜50℃、好ま
しくは0℃〜30℃程度の室温付近の温度で行う。延伸
率は通常、5〜150%、好ましくは20〜100%で
あり、延伸速度は通常、100〜1000%/分であ
る。なお、延伸率は、下記式(2)により算出した値で
ある。
【0029】 延伸率(%)=(L1 −L0 )/L0 ×100 (2) ここで、L0 は低温延伸前の寸法、L1 は低温延伸後の
寸法である。
【0030】次いで行う高温延伸は、延伸状態を保った
まま、フィルムを90〜130℃の温度で前記延伸方向
と同一の方向に一軸延伸する。延伸率は通常、10〜5
00%、好ましくは20〜300%であり、延伸速度は
通常、10〜400%/分である。なお、延伸率は下記
式(3)により算出した値である。
【0031】 延伸率(%)=(L2 −L1 )/L0 ×100 (3) ここで、L0 およびL1 は上記と同様であり、L2 は高
温延伸後の寸法である。
【0032】延伸処理後、寸法変化の防止と多孔構造の
固定のため、セパレータを緊張状態あるいは緩和状態に
保ち、前記高温延伸と同程度の温度範囲で加熱すること
が好ましい。この加熱時間は通常2秒〜10分である。
【0033】このようにして得られる積層多孔質フィル
ムをセパレータとして用いることにより、極めて安全性
の高い非水電解液電池が得られる。以下、この電池の構
成の一例について説明する。
【0034】まず、帯状の正極と負極とをセパレータを
介して積層捲回し電極体とする。このとき電池温度上昇
時に前記(b)層の溶融物が負極表面を被覆できるよ
う、(b)層が負極側となるように積層する。この電極
体を電解液と共に電池缶に収納し、その他必要な部材を
適宜配することにより電池を得る。
【0035】この電池の正極活物質としては、(CF)
n で示されるフッ化黒鉛、LiCoO2 、LiNi
2 、LiMn2 4 、V2 5 、CuO、Ag2 Cr
4 などの金属酸化物、TiS、CuSなどの硫化物な
どが用いられる。特に高電圧、高エネルギー密度が得ら
れ、サイクル特性に優れることからLiCoO2 、Li
NiO2 が好適に用いられる。一方、負極活物質として
は、金属リチウム、リチウム合金、カーボンやグラファ
イトなどのリチウムイオンを吸蔵または吸着する能力を
有する炭素材料、あるいはリチウムイオンをドーピング
したポリアセチレンやポリピロールなどの導電性高分子
などが用いられ、単位体積当たりのエネルギー密度が大
きい点から、炭素材料が好適に用いられる。これら正・
負極活物質を各々ステンレス鋼製網などの集電体を芯材
として成形することで帯状の正極および負極とする。
【0036】また、電解液としては、エチレンカーボネ
ート、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、γ−
ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒ
ドロフランなどの単独または2種類以上の混合溶媒に、
LiClO4 、LiPF6 、LiAsF6 などを電解質
として溶解した有機電解液が使用できる。
【0037】なお、前記(d)層は前述した(a)層と
同様とすることが好ましく、前記(e)層は前述した
(b)層と同様とすることが好ましく、前記(f)層は
前述した(c)層と同様とすることが好ましい。
【0038】
【実施例】PPとPEの混合物(重量比5:5)からな
る層、PEからなる層(実施例1)またはPPとPEの
混合物からなる層(重量比1:9)(実施例2)、PP
からなる層を用い、これらの層を表1に示す順番で積層
した3層構造の多孔質フィルムを作製し、2種類のセパ
レータを得た。
【0039】なお、PPとPEの混合物からなる層は
(a)層または(d)層に、PEからなる層またはPP
とPEの混合物からなる層は(b)層または(e)層
に、PPからなる層は(c)層または(f)層に各々対
応する。
【0040】まず、これらのセパレータの耐熱温度の測
定を以下の手順で行った。多孔質フィルムの延伸方向の
長さが一定になるように2辺を固定し、これを所定温度
で15分間加熱した後、室温まで冷却してサンプルとし
た。加熱温度を種々変えたサンプルを用意し、室温にて
その電気抵抗を測定した。そして、加熱温度と電気抵抗
の関係をグラフ化して、SD特性により一旦電気抵抗が
増加した状態から再度低下する温度を求め、その温度を
セパレータの耐熱温度とした。
【0041】電気抵抗の測定は、JIS C 2313
に準じて測定した。電解液としてはプロピレンカーボネ
ートと1,2−ジメトキシエタンを同容量ずつ混合した
液に、電解質である無水過塩素酸リチウムを1Mの濃度
になるように溶解して用いた。そして、抵抗計にて1k
Hzの交流抵抗を測定し、下記式(4)により多孔質フ
ィルムの電気抵抗値R(Ω・cm2 )を算出した。な
お、R0 は電解液の抵抗値(Ω)、R1 は電解液中に多
孔質フィルムを浸漬した状態で測定した電気抵抗値
(Ω)、Sは多孔質フィルムの断面積(cm2 )であ
る。
【0042】 R=(R1−R0)×S (4)
【0043】次に、正極活物質としてのコバルト酸リチ
ウム、導電材としての炭素粉末、および結着材としての
ポリフッ化ビニリデン(PVdF)をn−メチル−2−
ピロリドン(NMP)に加えてスラリーを調製し、この
スラリーを厚さ25μmのアルミ箔上に塗布した後、1
00℃で乾燥してNMPを除去し、ロールプレスにて圧
着し、正極を作製した。負極活物質として黒鉛、結着材
としてPVdFをNMPに加えてスラリーを調製し、こ
のスラリーを厚さ25μmの銅箔上に塗布した後、10
0℃で乾燥してNMPを除去し、ロールプレスにて圧着
し、負極を作製した。
【0044】これらの正・負極と、先と同様に作製した
セパレータを用いて電池を組み立てた。このとき、表1
の第1層が正極側となるようにセパレータを配置した。
電解液には、エチレンカーボネートとジエチルカーボネ
ートとの混合溶媒(体積比1:1)に六フッ化リン酸リ
チウム(LiPF6 )を濃度が1Mとなるように溶解
し、調製したものを用いた。この電池を25℃の雰囲気
下で、0.3mA/cm 2 の電流密度で5回予備充放電
を行った。充電時には4.1V、放電時には2.8Vに
なった時点で充電、放電を停止した。充電終了から放電
開始、および放電終了から充電開始までの間隔は1時間
とした。5回目の放電が終了した後、短絡試験および発
熱試験を行った。
【0045】(A)短絡試験 予備充放電後の放電状態の電池を6mA/cm2 の電流
密度で60分間充電し、電圧を観察した。電圧の変化
が、ある5分間で200mV以上低下する部分があれば
短絡あり、それ以外は短絡無しとした。
【0046】(B)発熱試験 予備充放電後の放電状態の電池を3mA/cm2 の電流
密度で、電池の電圧が4.1Vになるまで充電し、続け
て4.1Vの電圧を維持するように電流を調整しながら
充電した。この充電を150分間行った。この後、6m
A/cm2 の電流密度で20分間充電した。この電池を
24時間室温で放置した後、80℃の恒温器中に入れ、
電池の温度を測定して最大の温度を発熱温度として測定
した。以上の結果を表1に示す。
【0047】PE、PPまたはその混合物からなる層を
表1に示すように積層し、5種類のセパレータ(比較例
1〜5)を作製した。これらのセパレータを用いて、実
施例と同様の耐熱試験、短絡試験および発熱試験を行っ
た。結果を実施例の結果とともに表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】表1より、実施例1および2のセパレータ
は(1)急速充電によっても短絡せず、(2)電池の発
熱を抑制し、(3)高温まで膜としての形状を維持す
る、という3つの機能すべてを併せ持つが、比較例1〜
5のセパレータではこの3つの機能すべてを併せ持つも
のはなかった。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
過充電時や急速充電時にも高い安全性を有する非水電解
液電池用セパレータを提供することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 材質または組成の異なる3以上の層を積
    層した多孔質フィルムからなる非水電解液電池用セパレ
    ータ。
  2. 【請求項2】 下記(a)層、(b)層および(c)層
    を少なくとも1層ずつ含む積層構造を有し、最外層の少
    なくとも一方が(b)層である多孔質フィルムからなる
    非水電解液電池用セパレータ。 (a)非相溶な2種類の樹脂を20:80〜80:20
    の重量比で含む層 (b)融点が140℃以下の樹脂を主成分とする層 (c)融点が160℃以上の材料を主成分とする層
  3. 【請求項3】 前記(a)層が、ポリエチレンとポリプ
    ロピレンとのポリマーアロイからなる請求項2に記載の
    非水電解液電池用セパレータ。
  4. 【請求項4】 前記融点が140℃以下の樹脂がポリエ
    チレンであり、前記融点が160℃以上の材料がポリプ
    ロピレンである請求項2または3に記載の非水電解液電
    池用セパレータ。
  5. 【請求項5】 前記(a)層を介して前記(b)層と前
    記(c)層とを積層した構造を有する請求項3または4
    に記載の非水電解液電池用セパレータ。
  6. 【請求項6】 下記(d)層、(e)層および(f)層
    を少なくとも1層ずつ含む積層構造を有し、最外層の少
    なくとも一方が(e)層である多孔質フィルムからなる
    非水電解液電池用セパレータ。 (d)充電時に負極上に析出した金属リチウムによる正
    ・負極の短絡を防ぐ機能を有する層 (e)過熱時に140℃以下で溶融して析出した金属リ
    チウムを覆い、且つ、電池反応の進行を妨げる機能を有
    する層 (f)140℃以上の温度下でセパレータの形状を保持
    する機能を有する層
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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