JPH117894A - 背面基板用構造体およびその製造方法ならびにそれを用いて形成したプラズマディスプレイパネル - Google Patents

背面基板用構造体およびその製造方法ならびにそれを用いて形成したプラズマディスプレイパネル

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JPH117894A
JPH117894A JP9159950A JP15995097A JPH117894A JP H117894 A JPH117894 A JP H117894A JP 9159950 A JP9159950 A JP 9159950A JP 15995097 A JP15995097 A JP 15995097A JP H117894 A JPH117894 A JP H117894A
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JP
Japan
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paste
sintering
dielectric layer
barrier
working point
Prior art date
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Pending
Application number
JP9159950A
Other languages
English (en)
Inventor
Junichi Arai
潤一 新井
Yasumasa Akimoto
靖匡 秋本
Katsumi Ohira
克己 大平
Isao Kato
功 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Filing date
Publication date
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Publication of JPH117894A publication Critical patent/JPH117894A/ja
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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造時の焼成工程を4回以上から1回に減ら
しても不良品が出ないようにする。 【解決手段】 ガラス基板8の片面に積層した電極用ペ
ースト1、誘電体層用ペースト2、障壁用ペースト3、
蛍光体用ペースト4をガラス基板8ごと焼成してPDP
用の背面基板20を製造する際に、脱灰不良、脱気不
良、収縮による亀裂の欠陥を発生させないために、それ
ぞれのペーストに添加する焼結用成分の作業点を、電極
用ペースト1≦誘電体層用ペースト2≦障壁用ペースト
3≦蛍光体用ペースト4とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報表示装置や家
庭用TVなどに使用されるプラズマディスプレイパネル
(以下、PDPと略称する)に係わるものであり、特に
詳しくはその背面基板の製造において、焼成工程を4回
以上から1回に減らしても不良品が出ないようにする技
術に関する。
【0002】
【従来の技術】PDPは、周知のように前面基板と背面
基板から成る一対のガラス基板の内側に放電セルを設
け、この放電空間で放射される紫外線を利用することで
多数の発光素子を構成し、情報を表示するガス放射型の
フラットパネルディスプレイである。
【0003】図2に示すように、AC型の一般的なPD
P40は、背面基板20と、図示しない電極を備えた前
面基板30とからなり、背面基板20は、ガラス基板
8、電極1A、誘電体層2A、障壁3A、蛍光体4Aか
ら構成されている。また、蛍光体4Aを含まない、ガラ
ス基板8、電極1A、誘電体層2A、障壁3Aからなる
場合も、背面基板と呼ぶ場合がある。
【0004】背面基板20の製造工程を、従来の手順に
従い説明する。先ず、ガラス基板8に導電性のペースト
で所定の電極パターンを形成した後、焼成によりガラス
基板8の上に焼結して電極1Aとする。形成方法として
は、スクリーン印刷法またはフォトリソグラフィ法があ
る。
【0005】次に、ガラス基板8上の電極1Aの両端の
端子部を残して被覆する様に、誘電体層用ペーストを全
面にコーティングし、焼成により焼結して誘電体層2A
とする。AC型PDP40の場合、電極1Aを誘電体層
2Aで覆う構造に特徴があり、コンデンサとして電荷を
蓄積して放電開始の火種の役割を担う。形成方法として
は、スクリーン印刷法が用いられる。
【0006】誘電体層2Aの次は、絶縁性のペーストで
障壁形状を形成し、焼成により焼結して障壁3Aとす
る。障壁3Aは、この壁の構造により、ガラス基板8と
前面基板30との間隔を保ちながら各放電空間9を分離
することで、微細な放電管を形成すると共に、蛍光体4
Aによる発光の混色を、放電空間9の間で防ぐ役割を担
う。形成方法としては、スクリーン印刷法、埋め込み
法、サンドブラスト法、フォトリソグラフィ法などがあ
る。
【0007】障壁3Aの次は、放電空間9に蛍光体用ペ
ーストを埋め込み、焼成により焼結して蛍光体4Aとす
る。蛍光体4Aは、ヘリウム−キセノン混合ガスなどが
封入された放電空間9の中で、ガス放電によるプラズマ
で発生する紫外線により発光する。赤(R)、緑
(G)、青(B)の蛍光体を用いることで、カラー表示
が可能になる。形成方法としては、スクリーン印刷、フ
ォトリソグラフィ法で放電空間9に蛍光体用ペーストを
落とし込む。赤(R)、緑(G)、青(B)の3種の蛍
光体を同時に焼成する場合もあるが、一般に各蛍光体毎
に焼成が行われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した様に、従来の
背面基板の製造工程は、電極、誘電体層、障壁、蛍光体
を形成する工程の度に、それぞれの材料の焼成を繰り返
し焼結させている。すなわち、背面基板の製造工程で
は、最低でも4回の焼成工程が必要で生産性が低いと云
った問題点があった。そこで、先ず第1には電極、誘電
体層、障壁、蛍光体をその都度焼成して形成するのでは
なく、一括焼成して形成する同時焼成プロセスが望まれ
ている。
【0009】これまで、同時焼成の実例としては、例え
ば、障壁が電極に被ることなく放電空間の間隙寸法を確
保する目的で、誘電体層を形成し、且つ、誘電体層と障
壁を同時焼成する背面基板の製造方法が考案されている
(特開平7−57630号公報)。しかしながら、電
極、誘電体層、障壁を同時に、更には蛍光体も同時に焼
成する、つまり1回の焼成工程で背面基板を形成する方
法は実用化されていない。
【0010】また、従来の背面基板の製造において多用
されている、電極用、誘電体層用、障壁用および蛍光体
用の各ペーストを用いてそれぞれの層を形成した後に、
同時焼成する方法を試みているが、以下の問題点が生じ
て精度の高い背面基板を形成するには至っていない。
【0011】問題1:電極用の導電性ペースト、誘電体
層用の絶縁性ペースト、障壁用の絶縁性ペーストおよび
蛍光体用のペーストを塗布積層した厚膜の状態で、ガラ
ス基板と共に同時に焼成をおこなった場合、焼成による
脱灰が不完全であり、ペーストの有機成分が炭化した状
態で焼結していた(脱灰不良)。特に、障壁用ペース
ト、蛍光体用ペーストなどの上層部よりも、電極用ペー
スト、誘電体層用ペーストなどの下層部ほど脱灰不良の
傾向を示した。また、上層部の焼結用成分として使用し
たガラス成分の作業点が、下層部の焼結用成分として使
用したガラス成分の作業点よりも低い場合に、下層部の
炭化現象は著しかった。これは、先に軟化して流動性を
示した上層部が、緻密化して下層部を被覆するために、
下層部での脱灰が完全に遮断されてしまうためと思われ
る。
【0012】問題2:焼成工程を長時間として、脱灰を
良好に進めることができた場合でも、背面基板の各形成
部に気泡が密閉された状態で残留した(脱気不良)。特
に、障壁用ペースト、蛍光体用ペーストなどの上層部よ
りも、電極用ペースト、誘電体層用ペーストなどの下層
部付近で、気泡が多く観察された。また、前記問題1と
同様に、上層部の焼結用ガラス成分の作業点が、下層部
の焼結用ガラス成分の作業点よりも低い様な場合、気泡
が膨張したと思われる膨らみや、上層部の傾きも生じて
いた。これは、下層部の無機粒子の間(有機成分が燃焼
した後の空間)に残る気体(空気が大半)の脱気が不十
分なまま、上層部の軟化による緻密化が進行し、下層部
を被覆したためと思われる。この様な気泡は、背面基板
の精度低下、放電空間の密閉性低下を導く。
【0013】問題3:更に、下層部よりも上層部の焼結
用ガラス成分の作業点が低い場合は、誘電体層用ペース
ト、電極用ペーストなどの下層部に亀裂が生じた。有機
成分が燃焼し、且つ、焼結用ガラス成分が軟化していな
い状態は、結合力が低下しており、不安定である。この
時、先に軟化した上層部の緻密化は、収縮力として働く
ため、軟化していない不安定な下層部は、上層部の収縮
力と共に収縮して亀裂が生じるものと思われる(収縮に
よる亀裂)。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決する目的でなされたもので、PDPの背面基板を1
回の焼成工程で製造する様な同時焼成製法において、そ
の同時焼成方法の改良、実用化技術の提供を目的として
いる。
【0015】この目的を達成するための第1の発明は、
絶縁板の上に積層して設けた電極用材料、誘電体層用材
料および障壁用材料を絶縁板と共に焼成してPDPの背
面基板を形成する構造体において、前記各材料はそれぞ
れに焼結用成分を含有し、且つ、その焼結用成分の作業
点が電極用材料≦誘電体層用材料≦障壁用材料であるこ
とを特徴とするPDPの背面基板用構造体である。
【0016】第2の発明は、絶縁板の上に積層して設け
た電極用材料、誘電体層用材料、障壁用材料および蛍光
体用材料を絶縁板と共に焼成してPDPの背面基板を形
成する構造体において、前記各材料はそれぞれに焼結用
成分を含有し、且つ、その焼結用成分の作業点が電極用
材料≦誘電体層用材料≦障壁用材料≦蛍光体用材料であ
ることを特徴とするPDPの背面基板用構造体である。
【0017】第3の発明は、焼結用成分がガラス粉末で
あることを特徴とする前記第1または第2の発明のPD
Pの背面基板用構造体である。
【0018】第4の発明は、第1の焼結用成分を含有し
た電極用材料を絶縁板の上にパターン状に形成し、この
電極用材料と絶縁板の上に、作業点が第1の焼結用成分
の作業点以上である第2の焼結用成分を含有した誘電体
層用材料を積層し、この誘電体層用材料の上に、作業点
が第2の焼結用成分の作業点以上である第3の焼結用成
分を含有した障壁用材料をパターン状に形成し、第1の
焼結用成分の作業点未満の温度から、第3の焼結用成分
の作業点より高い温度まで緩やかに昇温させ、絶縁板に
近い材料の順にその焼結用成分を利用して焼結すること
を特徴とするPDP用背面基板の製造方法である。
【0019】第5の発明は、第1の焼結用成分を含有し
た電極用材料を絶縁板の上にパターン状に形成し、この
電極用材料と絶縁板の上に、作業点が第1の焼結用成分
の作業点以上である第2の焼結用成分を含有した誘電体
層用材料を積層し、この誘電体層用材料の上に、作業点
が第2の焼結用成分の作業点以上である第3の焼結用成
分を含有した障壁用材料をパターン状に形成し、この障
壁用材料によって囲われた凹部に、作業点が第3の焼結
用成分の作業点以上である第4の焼結用成分を含有した
蛍光体用材料を挿入し、第1の焼結用成分の作業点未満
の温度から、第4の焼結用成分の作業点より高い温度ま
で緩やかに昇温させ、絶縁板に近い材料の順にその焼結
用成分を利用して焼結することを特徴とするPDP用背
面基板の製造方法である。
【0020】第6の発明は、焼結用成分としてガラス粉
末が使用されることを特徴とする前記第4または第5の
発明のPDPの背面基板用構造体の製造方法である。
【0021】第7の発明は、障壁用材料の焼成によって
形成した前記第1または第2の発明の背面基板用構造体
の障壁の上に、障壁に臨む面に電極を備えて前面基板が
設置されたことを特徴とするPDPである。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0023】本発明者らは、図1に示すように、絶縁板
であるガラス基板8の片面に電極用ペースト1、誘電体
層用ペースト2、障壁用ペースト3、蛍光体用ペースト
4を積層して形成した背面基板用構造体10をガラス基
板8ごと焼成して、PDP40用背面基板20の製造時
に、脱灰不良、脱気不良、収縮による亀裂の欠陥を発生
させないようにするためには、各部を形成するそれぞれ
のペーストに添加する、例えばガラス粉末などからなる
焼結用成分の作業点を、(電極用ペースト1)≦(誘電
体層用ペースト2)≦(障壁用ペースト3)、または
(電極用ペースト1)≦(誘電体層用ペースト2)≦
(障壁用ペースト3)≦(蛍光体用ペースト4)、より
好ましくは(電極用ペースト1)<(誘電体層用ペース
ト2)<(障壁用ペースト3)、または(電極用ペース
ト1)<(誘電体層用ペースト2)<(障壁用ペースト
3)<(蛍光体用ペースト4)とすることを見い出し
た。
【0024】焼成工程において各ペーストから発生する
脱灰ガス、または焼結用成分の間の気体は、ガラス基板
8の面からは抜けず、上層部へしか抜けない。つまり、
電極用ペースト1、誘電体層用ペースト2などの下層部
の脱灰ガス、または焼結用成分の間の気体は、障壁用ペ
ースト3、蛍光体用ペースト4などの上層部を通過して
抜ける。
【0025】また、焼成時の脱灰ガス、または焼結用成
分の間の気体の抜けは、上層部の障壁用ペースト3、蛍
光体用ペースト4より進行し、下層部の電極用ペースト
1、誘電体層用ペースト2ほど遅い傾向にある。
【0026】すなわち、電極用ペースト1、誘電体層用
ペースト2、障壁用ペースト3、蛍光体用ペースト4を
積層して形成した厚膜形態の背面基板用構造体10を焼
成する場合、前述した脱灰ガス、焼結用成分の間の気体
の抜けの進行差、速度差を生じ易い。
【0027】この様な厚膜形態の背面基板用構造体10
において、各ペーストが含有する焼結用成分の作業点
を、(電極用ペースト1)<(誘電体層用ペースト2)
<(障壁用ペースト3)、または蛍光体用ペースト4を
含む背面基板用構造体10の場合は、(電極用ペースト
1)<(誘電体層用ペースト2)<(障壁用ペースト
3)<(蛍光体用ペースト4)とすることで、軟化によ
る緻密化が下層部より順次進行し、下層部での脱灰不良
や脱気不良を抑えることができる。
【0028】また、障壁用ペースト3や蛍光体用ペース
ト4より先に溶融する誘電体層用ペースト2は、ガラス
基板8の全面に近い面積で一様にコーティングされる。
そのため、脱気による緻密化で生じる収縮は極めて少な
く、後から軟化する上層部の障壁用ペースト3や蛍光体
用ペースト4を収縮させることはない。また、軟化する
誘電体層用ペースト2は粘着力の効果を発現するため、
上層部が軟化して収縮力が作用する場合でも、誘電体層
用ペースト2に亀裂が生じることはない。
【0029】ここで、背面基板用構造体10は図1の断
面図から分かる様に、障壁用ペースト3と蛍光体用ペー
スト4は、ガラス基板8を基準にした場合、同じ位置関
係にある。また、電極用ペースト1は、立体的に上部お
よび側方部分を誘電体層用ペースト2に完全被覆され、
ガラス基板8を基準にすると、誘電体層用ペースト2と
同じ位置関係に近い。そのため各ペーストが含有する焼
結用成分の作業点は、好ましくは(電極用ペースト1)
<(誘電体層用ペースト2)、(障壁用ペースト3)<
(蛍光体用ペースト4)であるが、(電極用ペースト
1)=(誘電体層用ペースト2)、(障壁用ペースト
3)=(蛍光体用ペースト4)でも良い。
【0030】また、焼結用成分の作業点が、(電極用ペ
ースト1)=(誘電体層用ペースト2)=(障壁用ペー
スト3)=(蛍光体用ペースト4)の場合、(電極用ペ
ースト1)<(誘電体層用ペースト2)<(障壁用ペー
スト3)<(蛍光体用ペースト4)の場合の2〜5倍の
焼成時間を必要とするが、同時焼成工程でガラス基板8
上の全てのペーストを焼結することができる。
【0031】この様な特性を発現させるために、電極用
ペースト1、誘電体層用ペースト2、障壁用ペースト
3、蛍光体用ペースト4を形成するペーストの基本構成
成分である、焼結用成分の作業点を設定する必要があ
る。
【0032】以下、電極用ペースト1、誘電体層用ペー
スト2、障壁用ペースト3、蛍光体用ペースト4の何れ
のペーストにも必要な焼結用成分について説明する。
【0033】背面基板用構造体10における焼結用成分
として、作業点が300〜650℃と比較的低い、鉛含
有ガラスの粉末を用いる。例えば、岩城硝子(株)製の
IWFフリット7570、T015、T029、T07
2、T077、T187、T191、7574、757
5、7578、7583、7590、日本電気硝子
(株)製のガラス粉末LS−1310、LS−135
0、LS−1370、LS−2010、GP−331、
GP−350、GA−8、GA−9などのガラスが挙げ
られる。これらのガラス粉末成分としては、PbO、S
iO2、MgO、Al23、ZnO、SnO2などから構
成される。
【0034】また、ペーストの共通構成成分としては、
前記ガラス粉末以外に、バインダー溶液成分が必要であ
る。以下、各構成成分について説明する。
【0035】バインダー溶液成分としては、ペーストに
必要な流動性を確保し、乾燥後は皮膜などの特定形状を
形成する機能を有する必要がある。バインダー溶液は、
一般にバインダー樹脂を溶剤中に溶解した溶液である。
【0036】バインダー樹脂としては、他の材料と反応
することなく、焼成工程で燃焼消失する材料であれば特
に限定されない。例えば、下記の樹脂が使用できる。ニ
トロセルロース、アセチルセルロース、エチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースな
どのセルロース系高分子、天然ゴム、ポリブタジエンゴ
ム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、イソプレン系合
成ゴム、環化ゴム、アルギン酸、パラフィン、ワックス
などの天然高分子、ポリエチレン、ポリエチレングリコ
ール、ポリエチレンノキサイド、ポリビニルピロリド
ン、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリ
プロピレン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ
アクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリクリ
ル酸ブチル、ポリメタアクリル酸ブチル、ポリスチレ
ン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポ
リ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリカーボネイト、ポリ
アクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、
ポリアミド、ポリウレタン、フェノール系樹脂、フッ素
系樹脂、エポキシ系樹脂などの合成高分子。これらの樹
脂は、単独、混合または共重合体として用いることが可
能である。
【0037】溶剤は、上記のバインダー樹脂を均一に溶
解または分散させるものが好ましい。例えば、以下の溶
剤が使用できる。トリエン、キシレンテトラリン、ミネ
ラルスピリットなどの炭化水素系、メタノール、エタノ
ール、イソプロパノール、α−テルピネオールなどのア
ルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロンなどの
ケトン系、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸
エチルなどのエステル系、エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、
エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコ
ールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコー
ルモノブチルエーテルアセテートなどのエチレングリコ
ールグリコールエーテル系、ジエチレングリコールモノ
メチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエー
テル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエ
チレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエ
チレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどの
ジエチレングリコールエーテル系。
【0038】次に、電極用ペースト1、誘電体層用ペー
スト2、障壁用ペースト3、蛍光体用ペースト4の各ペ
ーストについて説明する。これらのペーストには、焼結
用成分としてのガラス粉末と、バインダー溶液の他に、
各ペーストに必要とされる機能を付与する成分が必要で
ある。具体的には、電極1Aを形成する電極用ペースト
1であれば導電性材料、障壁3Aを形成する障壁用ペー
スト3であれば、骨格となる絶縁性の無機材料、蛍光体
4Aを形成する蛍光体用ペースト4であれば、無機蛍光
体粉末を添加する。
【0039】また、ペースト成分は、電極用ペースト
1、誘電体層用ペースト2、障壁用ペースト3、蛍光体
用ペースト4を形成(配設)する方法によっても異な
る。例えば、電極用ペースト1の場合はスクリーン印刷
法またはフォトリソグラフィ法、誘電体層用ペースト2
の場合はスクリーン印刷法、障壁用ペースト3の場合は
スクリーン印刷法、埋め込み法、サンドブラスト法、フ
ォトリソグラフィ法、蛍光体用ペースト4の場合はスク
リーン印刷法、フォトリソグラフィ法などで形成され
る。
【0040】スクリーン印刷法は、所定のパターンを有
する版を介して、ペーストを被転写体上にパターンニン
グする方法である。スクリーン印刷法で障壁用ペースト
3を形成する場合、ペーストをスクリーン印刷機で障壁
パターンを繰り返し印刷し、障壁3Aを所要の高さにま
で積層する必要がある。
【0041】埋め込み法は、例えば被転写体上に感光性
ドライフィルムを必要な高さに貼着し、所定パターンを
有するフォトマスクを通して露光した後、未露光部また
は露光部を現像で溶出させて所定パターン形状の溝を形
成し、次いで、この溝に所要のペーストを埋め込み、乾
燥させた後に感光性フィルムを除去することでパターニ
ングする方法である。
【0042】サンドブラスト法は、ペーストを基板全面
に必要な厚みで塗布して乾燥し、パターニングする部分
を覆うようにレジストパターンをフォトリソグラフィ法
により形成し、レジストで覆われていない部分を細かい
硬質粒子で切削して除去する方法である。
【0043】フォトリソグラフィ法は、ペーストに感光
機能を付与し、被転写体上に全面コーティングした後、
所定のパターンマスクを介して露光照射し、硬化部を残
して未硬化部を、または未硬化部を残して硬化部を現像
液で除去する方法である。
【0044】スクリーン印刷して形成する電極用ペース
ト1としては、上記のガラス粉末、バインダー溶液に導
電性材料を混合することで調合することができる。例え
ば1〜5μm程度の粒径を持つ金属粉末に数wt%のガ
ラス粉末を添加して、バインダー溶液と混練して導電性
ペーストとする。金属粉末としては、温度や湿度などの
雰囲気に安定な低温焼成用のニッケル(Ni)、パラジ
ウム(Pd)、金(Au)、白金(Pt)、銀(A
g)、銀−パラジウム合金(Ag−Pd)などが好適で
ある。
【0045】また、フォトリソグラフィ法によって形成
する電極用ペースト1としては、前記スクリーン印刷に
用いる電極用ペーストに光硬化性のポリマー、オリゴマ
ー、モノマーなどと光重合開始剤を添加することで、調
合が可能である。
【0046】次に、誘電体層用ペースト2としては、基
本的には上記のガラス粉末とバインダー溶液との混合で
調合することができる。必要に応じて、他の無機材料
や、無機顔料を添加しても良い。
【0047】スクリーン印刷法、埋め込み法、サンドブ
ラスト法によって形成する障壁用ペースト3としては、
上記のガラス粉末とバインダー溶液に、例えばアルミナ
粉末を混合することで調合することができる。アルミナ
は、縦横比が高く、不安定な障壁形状を確保するため
に、溶融するガラス粉末の流れを抑制し、障壁構造の骨
格の役割を担う。アルミナ粉末として、例えば、昭和軽
金属(株)製のアルミナA−42−6、A−420、A
−43−M、A−50−K、AL−150SG、AL−
170などが使用できる。
【0048】また、フォトリソグラフィ法によって形成
する障壁用ペースト3としては、前記絶縁性のペースト
に光硬化性のポリマー、オリゴマー、モノマーなどと光
重合開始剤を添加することで、調合が可能である。
【0049】スクリーン印刷して形成する蛍光体用ペー
スト4としては、上記のガラス粉末、バインダー溶液に
無機蛍光体粉末を混合することで調合することができ
る。蛍光体粉末としては、赤(R)用として(Y,G
d)BO3:Eu、Y23:Eu、緑(G)用として、
Zn2SiO4:Mn、BaAl1219:Mn、青(B)
として、BaMgAl1017:Eu、BaMgAl14
23:Euなどが使用できる。
【0050】また、フォトリソグラフィ法によって形成
する障壁用ペースト3としては、前記絶縁性のペースト
に光硬化性のポリマー、オリゴマー、モノマーなどと光
重合開始剤を添加することで、調合が可能である。
【0051】また、必要に応じて添加剤などを加えても
良い。例えば、フタル酸誘導体、マレイン酸誘導体、ア
ジピン酸誘導体、オレイン酸誘導体などの可塑剤、パラ
フィンおよび炭化水素樹脂、脂肪酸系などの滑剤、その
他に、増粘剤、消泡剤などが挙げられる。
【0052】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。 〔実施例1〕電極用ペースト1の調合:以下の成分を一
括して混合した後、三本ロールミルに5回通してペース
ト化した。 ガラス粉末 10wt% (岩城硝子(株)製 IWFT191 作業点438℃) バインダー溶液 40wt% (5wt%エチルセルロース/ブチルカルビトールアセテート) 銀粉末 50wt% (昭栄化学工業(株)製 Ag−029)
【0053】この様にして調合した電極用ペースト1を
使用し、ガラス基板8の上に幅50μm、高さ10μm
の形状で、スクリーン印刷によりパターニングした。
【0054】誘電体層用ペースト2の調合:以下の成分
を一括して混合した後、三本ロールミルに5回通してペ
ースト化した。 ガラス粉末 60wt% (岩城硝子(株)製 IWFT191 作業点438℃) バインダー溶液 40wt% (5wt%エチルセルロース/ブチルカルビトールアセテート)
【0055】この様にして調合した誘電体層用ペースト
2を使用し、電極用ペースト1を含めたガラス基板8の
一面を被覆する様に、厚さ20μmでスクリーン印刷し
てコーティングした。
【0056】障壁用ペースト3の調合:以下の成分を一
括して混合した後、三本ロールミルに5回通してペース
ト化した。 ガラス粉末 50wt% (岩城硝子(株)製 IWF7570 作業点560℃) バインダー溶液 40wt% (5wt%エチルセルロース/ブチルカルビトールアセテート) アルミナ粉末 10wt% (昭和軽金属(株)製 A−420)
【0057】この様にして調合した障壁用ペースト3を
使用し、誘電体層用ペースト2の上の所定の位置に、障
壁幅100μmのパターンでスクリーン印刷を7回繰り
返しし、高さ150μmに積層した。
【0058】この様にしてガラス基板8の上に電極用ペ
ースト1、誘電体層用ペースト2、障壁用ペースト3を
積層することで形成した背面基板用構造体10を、焼成
炉の中で室温より4℃/分で昇温し、脱灰温度400℃
に1時間保持し、さらに4℃/分で昇温し、ピーク温度
580℃に20分保持して焼成したところ、各構成部共
に脱灰不良による炭化、亀裂は認められなかった。ま
た、断面観察によっても、脱気不良による発泡は無く、
緻密な背面基板20を製造することができた。
【0059】〔実施例2〕蛍光体用ペースト4の調合:
以下の成分を一括して混合した後、三本ロールミルに5
回通して赤(R)、緑(G)、青(B)の3種類の蛍光
体用ペーストとした。 ガラス粉末 5wt% (岩城硝子(株)製 IWFT077 作業点575℃) バインダー溶液 55wt% (2%エチルセルロース/ブチルカルビトールアセテート) 蛍光体粉末 40wt% (化成オプトロニクス(株)製 赤(R)=(Y,Gd)BO3:Eu 緑(G)=Zn2SiO4:Mn 青(B)=BaMgAl1017:Eu)
【0060】この様にして調合した3種類の蛍光体用ペ
ースト4を、前記実施例1で製造した背面基板用構造体
10における障壁用ペースト3の間に順次スクリーン印
刷で埋め込んだ。
【0061】この様にしてガラス基板8の上に電極用ペ
ースト1、誘電体層用ペースト2、障壁用ペースト3、
蛍光体用ペースト4を積層して形成した背面基板用構造
体10を、前記実施例1と同様の条件で焼成したとこ
ろ、各構成部共に脱灰不良による炭化、亀裂は認められ
なかった。また、断面の観察によっも脱気不良による発
泡は無く、緻密な背面基板20を製造することができ
た。
【0062】〔実施例3〕実施例2で製造した背面基板
20の障壁3Aの上に前面基板30を載せて固定し、各
放電空間9に例えばヘリウム−キセノン混合ガスなどを
封入することで、PDP40を形成することができた。
【0063】なお、本発明は上記実施形態・実施例に限
定されるものではないので、特許請求の範囲に記載の趣
旨から逸脱しない範囲で各種の変形実施が可能である。
【0064】
【発明の効果】絶縁板の上に電極用材料、誘電体層用材
料および障壁用材料を積層し、絶縁板と共に焼成してP
DPの背面基板を形成する構造体においては、各材料が
含有する焼結用成分の作業点が電極用材料≦誘電体層用
材料≦障壁用材料とし、絶縁板の上に電極用材料、誘電
体層用材料、障壁用材料および蛍光体用材料を積層し、
絶縁板と共に焼成してPDPの背面基板を形成する構造
体においては、各材料が含有する焼結用成分の作業点が
電極用材料≦誘電体層用材料≦障壁用材料≦蛍光体用材
料としたので、上層が密閉されることによる脱灰不良が
起こらない。
【0065】また、下層の電極用材料→誘電体層用材料
→障壁用材料→蛍光体用材料の順に脱気されるので、脱
気不良も生じない。さらに、先に溶融する下層の電極用
材料、誘電体層用材料は、絶縁板と溶融した焼結用成分
によって粘着しているため、収縮は無く、後から溶融す
る上層の障壁用材料や蛍光体用材料を収縮させることも
ない。
【0066】つまり、本発明によれば、焼成工程を従来
の4回以上から1回に減少させることで製造工程の短
縮、低コスト化が図れると共に、同時焼成を行うため、
寸法精度の確保が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる背面基板用構造体を示す断面図で
ある。
【図2】プラズマディスパネルを示す断面図である。
【符号の説明】
1 電極用ペースト 1A 電極 2 誘電体層用ペースト 2A 誘電体層 3 障壁用ペースト 3A 障壁 4 蛍光体用ペースト 4A 蛍光体 8 ガラス基板 9 放電空間 10 背面基板用構造体 20 背面基板 30 前面基板 40 プラズマディスプレイパネル(PDP)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 功 東京都台東区台東一丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁板の上に積層して設けた電極用材
    料、誘電体層用材料および障壁用材料を絶縁板と共に焼
    成してプラズマディスプレイパネルの背面基板を形成す
    る構造体であって、前記各材料はそれぞれに焼結用成分
    を含有し、且つ、その焼結用成分の作業点が電極用材料
    ≦誘電体層用材料≦障壁用材料であることを特徴とする
    プラズマディスプレイパネルの背面基板用構造体。
  2. 【請求項2】 絶縁板の上に積層して設けた電極用材
    料、誘電体層用材料、障壁用材料および蛍光体用材料を
    絶縁板と共に焼成してプラズマディスプレイパネルの背
    面基板を形成する構造体であって、前記各材料はそれぞ
    れに焼結用成分を含有し、且つ、その焼結用成分の作業
    点が電極用材料≦誘電体層用材料≦障壁用材料≦蛍光体
    用材料であることを特徴とするプラズマディスプレイパ
    ネルの背面基板用構造体。
  3. 【請求項3】 焼結用成分がガラス粉末であることを特
    徴とする請求項1または2記載のプラズマディスプレイ
    パネルの背面基板用構造体。
  4. 【請求項4】 第1の焼結用成分を含有した電極用材料
    を絶縁板の上にパターン状に形成し、この電極用材料と
    絶縁板の上に、作業点が第1の焼結用成分の作業点以上
    である第2の焼結用成分を含有した誘電体層用材料を積
    層し、この誘電体層用材料の上に、作業点が第2の焼結
    用成分の作業点以上である第3の焼結用成分を含有した
    障壁用材料をパターン状に形成し、第1の焼結用成分の
    作業点未満の温度から、第3の焼結用成分の作業点より
    高い温度まで緩やかに昇温させ、絶縁板に近い材料の順
    にその焼結用成分を利用して焼結することを特徴とする
    プラズマディスプレイパネル用背面基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 第1の焼結用成分を含有した電極用材料
    を絶縁板の上にパターン状に形成し、この電極用材料と
    絶縁板の上に、作業点が第1の焼結用成分の作業点以上
    である第2の焼結用成分を含有した誘電体層用材料を積
    層し、この誘電体層用材料の上に、作業点が第2の焼結
    用成分の作業点以上である第3の焼結用成分を含有した
    障壁用材料をパターン状に形成し、この障壁用材料によ
    って囲われた凹部に、作業点が第3の焼結用成分の作業
    点以上である第4の焼結用成分を含有した蛍光体用材料
    を挿入し、第1の焼結用成分の作業点未満の温度から、
    第4の焼結用成分の作業点より高い温度まで緩やかに昇
    温させ、絶縁板に近い材料の順にその焼結用成分を利用
    して焼結することを特徴とするプラズマディスプレイパ
    ネル用背面基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 焼結用成分としてガラス粉末が使用され
    ることを特徴とする請求項4または5記載のプラズマデ
    ィスプレイパネルの背面基板用構造体の製造方法。
  7. 【請求項7】 障壁用材料の焼成によって形成した請求
    項1または2記載の背面基板用構造体の障壁の上に、障
    壁に臨む面に電極を備えて前面基板が設置されたことを
    特徴とするプラズマディスプレイパネル。
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