JP2001195977A - プラズマディスプレイパネル背面板の製造方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネル背面板の製造方法

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JP2001195977A
JP2001195977A JP2000001388A JP2000001388A JP2001195977A JP 2001195977 A JP2001195977 A JP 2001195977A JP 2000001388 A JP2000001388 A JP 2000001388A JP 2000001388 A JP2000001388 A JP 2000001388A JP 2001195977 A JP2001195977 A JP 2001195977A
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rib
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Junichi Arai
潤一 新井
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B19/00Other methods of shaping glass
    • C03B19/06Other methods of shaping glass by sintering, e.g. by cold isostatic pressing of powders and subsequent sintering, by hot pressing of powders, by sintering slurries or dispersions not undergoing a liquid phase reaction

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Abstract

(57)【要約】 【課題】凹型を用いたリブの形成法で、高精細のリブ形
成が可能であり、コントラストと発光効率が良好で、リ
ブの強度と緻密性があり、リブ形状の焼き減りや収縮の
少ないPDP背面板の製造方法を提供すること。 【解決手段】少なくとも次の工程からなるPDP背面板
の製造方法を提供する。(a)少なくとも熱分解性有機
化合物と光反射性を示すガラス系無機粉末から構成さ
れ、ガラス系無機粉末の構成比率が5〜50重量%であ
り、リブの逆形状を有するガラス系凹型を形成する工
程。(b)少なくとも熱分解性有機化合物と光吸収性を
示すガラス系無機粉末からなるガラスペーストを、ガラ
ス系無機粉末の構成比率が70〜99.5重量%となる
様に、上記のガラス系凹型の凹部に充填する工程。
(c)ガラス系凹型に充填したガラスペーストの面と、
ガラス基板を接着する工程。(d)前記(c)までに形
成したガラス系凹型/ガラスペースト/ガラス基板から
なる構成物を焼成する工程。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大型画面表示装置
等に用いられるプラズマディスプレイパネル(以下、P
DPと略記)の放電表示セルを構成するリブおよびその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】大型画面表示装置等に用いられるPDP
は、構造または製造工程上の分類から前面板と背面板で
構成される。そして、PDPは前記の両板とリブに囲ま
れた放電空間中に封入した希ガスに電圧を印加すること
で、放電によるプラズマを発生させ、プラズマから放出
される紫外光が蛍光体を発光させて画像を形成する表示
装置である。
【0003】一般に、背面板と前面板の間で表示単位ご
との放電空間を区切る役割を担うリブは、背面板上に形
成される。図9に示した模式図の様に、背面板は、表示
単位を示す放電空間5ごとにアドレス電極6、誘電体層
7、リブ1、蛍光体層2が設けられた構造からなる。
【0004】背面板の製造工程の順番を図9を用いて説
明すると、一般にガラス基板4の上にアドレス電極6、
そして誘電体層7を形成した後にリブ1を形成し、最後
に、リブの間に蛍光体を埋め込み蛍光体層2を形成す
る。背面板を製造した後工程としては、別工程でバス電
極、透明電極、誘電体層等を形成した前面板と背面板
を、封着用ガラスペーストで張り合わせ、希ガスを封入
した完全な気密状態で封着させて、PDPの表示装置用
パネルとするものである。
【0005】前述したPDPの各構造は、ガラス系無機
粉末と熱分解性有機化合物を混合させたペーストを用い
て形成し、焼成で熱分解性有機化合物を燃焼させること
により形成される無機材料の焼結体である。リブの場合
は、ガラス粉末またはガラス粉末と骨材粉末からなる無
機材料をペースト化した、一般にガラスペーストと呼ば
れるペーストで形成した後に500℃〜600℃付近で
焼成する。
【0006】ここで,従来のリブの形成方法を説明す
る。方法としては、スクリーン印刷法、埋め込み法、フ
ォトペースト法等が検討されており、何れもガラスペー
ストを用いるが、方法により有機成分の構成が異なる。
それぞれのリブ形成方法について説明すると、スクリー
ン印刷法においては、ガラスペーストを十数回も繰り返
して印刷積層する必要がある。埋め込み法においては、
ガラスペーストを充填するためのレジスト型を形成する
際に、ウエットプロセスである現像工程が必要である。
フォトペースト法においても、1回以上の現像工程が必
要である。つまり、何れも優れたリブの製造方法とは言
い難い。
【0007】これに対して、リブと逆形状の凹型を用い
てリブを形成する製造方法ある。この方法は、工程が簡
便であり、現像等のウエットプロセスを必要としないた
め、近年注目されつつある。この凹型を用いたリブの形
成方法について以下に説明する。
【0008】凹型を用いた第1の方法としては、凹型に
充填したガラスペーストをガラス基板と接着させて凹型
を剥がし、ガラスペーストをガラス基板上に転写させる
ものである。この時、凹型を剥がす前に、凹型に充填し
たガラスペーストを固化させる。更に詳しく説明する
と、固化してからガラス基板と接触させても、ガラス基
板と接触させてから固化しても良い。第2の方法は、ガ
ラス基板上に塗布したガラスペーストを凹型で圧延し、
ガラスペーストを固化させた後に,ガラス系凹型を剥離
する方法である。何れの方法でも、ガラス系凹型は金属
等の無機材料や樹脂等の有機材料から形成され、生産時
にはこのガラス系凹型を繰り返し用いるものである。
【0009】次に、PDPに課されている要望について
説明する。まず第1に、近年では高画質なPDPが要望
されている。そのためには、放電空間を確保し、輝度を
向上させる高精細なリブパターンが必要である。具体的
には、リブ間のピッチが150μm以下、リブ幅が50
μm以下と微細なパターンである。
【0010】この様な高精細のリブの形成を、凹版を用
いた方法でも検討されている。しかしながら、凹型を剥
がす工程で、リブが微細であるが故に破損する場合があ
り、高精細なリブへの対応が困難である。
【0011】第2の要望としてコントラストと発光効率
の向上が挙げられている。そして、この課題を改善すべ
くパネル基板の構造として、下層から中層においては光
反射材料で形成されたリブ15、頂部においては光吸収
材料で形成されたリブ16の構造(図8)が検討されて
いる。図8に示すリブでは、蛍光体の発光が下層から中
層の光反射材料で反射して光損失量が低下するために発
光効率が向上し、リブ頂部の光吸収材料は、外来光の反
射が防止されるためにコントラストが向上する。
【0012】第3の要望としては、機械的強度が挙げら
れる。上述したように、背面板上にリブを形成した後工
程では、蛍光体層の形成、前面板との張り合わせの工程
がある。リブには、それらの工程作業、更には工程間の
搬送、表示装置として組み立てた後の搬送に耐えられる
だけの強度が必要である。
【0013】第4の要望としては、リブ内部の緻密性が
挙げられる。緻密性が低く、リブ内部に気孔がある場
合、背面板と前面板との間に希ガスを十分に封入できな
い。また、気孔中の空気が徐々に漏れて、希ガス濃度を
低下させて発光効率の低下を導く。更に、このリブの緻
密性は、機械的強度に影響し、緻密性の高いリブ程に強
度の高いリブとなる。
【0014】上述した様な機械的強度が高く、緻密性の
あるリブを形成するためには、ガラスペーストを構成す
る無機粉末を選定する必要がある。具体的には、ガラス
粉末の特性温度である歪点、徐冷点、軟化点、流動点、
作業点、屈伏点、転移点等の設定、骨材の配合比の設定
により、焼成工程後のリブの焼結状態を調節するもので
ある。
【0015】一般に、リブの機械的強度や緻密性を向上
させるためには、歪点、徐冷点、軟化点、流動点、作業
点、屈伏点、転移点に挙げられる特性温度の低いガラス
粉末を加工したガラスペーストを用いる。特性温度の低
いガラス粉末では、焼成時に個々の粉末粒子が互いに凝
着して焼き締まるために、強度を持ち、緻密な焼結体を
形成することができる。
【0016】第5の要望として、焼成時のリブの焼き減
りや収縮が少ないことが挙げられる。一般に、リブの強
度や、緻密性を向上させるためには特性温度の低いガラ
ス粉末を用いるが、その反面、焼成時にガラス粉末が低
粘度化して凝着を示すために、焼成後のリブに焼き減り
や収縮が生じる。その結果、リブ高さの不足や不均一、
リブ形状のダレ、波打ち等の歪みを生じる。
【0017】このリブ形状の歪みは、リブと前面板との
張り合わせが不十分となり、放電空間の間の気密性が不
十分となる。上述したように、両板とリブに囲まれた放
電空間中でプラズマを発生させて蛍光体層を発光させる
が、放電空間に気密性が不十分な場合、放電空間の間で
プラズマが漏洩し、表示の混色を招くものである。その
ため、放電空間を形成するリブは背面板と前面板と密着
した形態でなければならない。上記のようなリブ高さの
不均一が生じた場合、背面板と前面板を密着した形態に
するために、形成したリブの頂部を研磨してリブ頂部を
均一にする。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、凹版を用い
たリブの製造方法で、高精細のリブ形成に対応し、リブ
頂部が光吸収性を示し、リブに強度と緻密性があり、リ
ブ形状の焼き減りや収縮の少ないプラズマディスプレイ
背面板の製造方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明において上記の課
題を達成するために、まず請求項1では、少なくとも次
の工程からなること特徴とするプラズマディスプレイ背
面板の製造工程としたものでる。 (a)少なくとも熱分解性有機化合物と光反射性を示す
ガラス系無機粉末から構成され、ガラス系無機粉末の構
成比率が5〜50重量%であり、リブの逆形状を有する
ガラス系凹型を形成する工程。 (b)少なくとも熱分解性有機化合物と光吸収性を示す
ガラス系無機粉末からなるガラスペーストを、ガラス系
無機粉末の構成比率が70〜99.5重量%となる様
に、上記のガラス系凹型の凹部に充填する工程。 (c)ガラス系凹型に充填したガラスペーストの面と、
ガラス基板を接着する工程。 (d)前記(c)までに形成したガラス系凹型/ガラス
ペースト/ガラス基板からなる構成物を焼成する工程。
【0020】また、請求項2では、少なくとも次の工程
からなること特徴とするプラズマディスプレイ背面板の
製造工程としたものである。 (a)少なくとも熱分解性有機化合物と光反射性を示す
ガラス系無機粉末から構成され、ガラス系無機粉末の構
成比率が5〜50重量%であり、リブの逆形状を有する
ガラス系凹型を形成する工程。 (b)少なくとも熱分解性有機化合物と光吸収性を示す
ガラス系無機粉末からなるガラスペーストを、ガラス系
無機粉末の構成比率が70〜99.5重量%となる様
に、ガラス基板上に塗布する工程。 (c)ガラス基板上に塗布したガラスペーストをガラス
系凹型で圧延し、ガラス系凹型の凹部にガラスペースト
を充填する工程。 (d)前記(c)までに形成したガラス系凹型/ガラス
ペースト/ガラス基板からなる構成物を焼成する工程。
【0021】また請求項3では、請求項1、2に記載の
ガラス系凹型を構成するガラス系無機粉末と、ガラスペ
ーストを構成するガラス系無機粉末の、軟化点、流動
点、作業点の関係が、(ガラス系凹型)<(ガラスペー
スト)であり、その温度差が何れも5℃<温度差<20
0℃であることを特徴としたものである。
【0022】また、請求項4では、請求項1〜3に記載
のプラズマディスプレイパネルの製造方法において、ガ
ラス系凹型/ガラスペースト/ガラス基板からなる構成
物の焼成工程の前または後で、ガラス系凹型またはその
焼結体を研磨して、光吸収性を示すガラスペーストまた
はその焼結体の頂部を露出させることを特徴としたもの
である。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明のプラズマディスプ
レイのリブの製造方法について、図面を参照しながら説
明する。
【0024】請求項1の発明を図5を用いて説明する。
まず、リブの逆形状を有するガラス系凹型13を形成す
る(図5(A))。この時、ガラス系凹型13の構成
は、少なくとも熱分解性有機化合物と光反射性を示すガ
ラス系無機粉末の構成物であり、ガラス系無機粉末の構
成比率が5〜50重量%で構成されたものである。この
構成比率は、ガラス系凹型を形成した後に含まれるガラ
ス系無機粉末の重量比であり、ガラス系凹型を形成する
ためのガラスペースト、例えばガラス系無機粉末と希釈
溶剤などを含む熱分解性有機化合物の混合物の状態で
は、この限りではない。
【0025】次に、このガラス系凹型13の凹部にガラ
スペースト14を充填する(図5(B))。このガラス
ペースト14は、少なくとも熱分解性有機化合物と光吸
収性を示すガラス系無機粉末の混合物である。また、ガ
ラス系凹型に充填が完了した時点でのガラス系無機粉末
の構成比率が70〜99.5重量%である。例えば、ガ
ラスペースト14に溶剤等の希釈剤が含まれ、熱乾燥等
で除去が必要な場合は、溶剤が除去された時点でのガラ
ス系無機材料の構成比率を表している。従って、充填す
る前のガラスペーストでは、この構成比率の限りではな
い。
【0026】溶剤等を含み、溶剤の除去が必要なガラス
ペースト14では、溶剤の除去分が目減りする場合があ
る。この様な場合、ガラスペーストの充填と溶剤除去を
繰り返して充填する。
【0027】次に、ガラスペースト14を充填したガラ
ス系凹型13のガラスペースト面と、電極6を形成した
ガラス基板4の電極面の位置を合わせて接着させる(図
5(C))。この時、ガラスペースト14を硬化させて
からガラス基板4に当てる方法、ガラスペースト14を
未硬化のままガラス基板4と接触させてから硬化させる
方法、ガラスペースト14を未硬化のままガラス基板4
と接触させて硬化せずに次工程へ進む方法があり、何れ
かの方法を選択することができる。1番目の方法におい
ては、ガラスペースト14とガラス基板4の間に接着剤
や粘着剤等が必要である。2、3番目の方法では、ガラ
ス基板4の上で硬化させるために接着剤や粘着剤は不要
であるが、強度の向上を図るために接着剤や粘着剤を用
いても良い。
【0028】そして、最後に、ガラス系凹型13を剥離
することなく、ガラス系凹型13/ガラスペースト14
/ガラス基板4からなる層構成の状態(図5(C)の状
態)で焼成する。この焼成によりガラス系凹型13とリ
ブペースト14の熱分解性有機化合物は、昇温、加熱に
より燃焼して無くなり、溶融したガラス系無機粉末が焼
結して、ガラス基板4の上にリブを形成することができ
る。この時のリブ断面構造は、ガラスペースト14が焼
結したリブ16と、ガラス系凹型13のガラス系無機粉
末が焼結したリブ15からなり、リブ16がリブ15を
被覆した状態である(図5(D))。
【0029】この様な、請求項1に示したリブの製造方
法において、ガラス系凹型13に含まれるガラス系無機
粉末の比率が重要であり、ガラス系無機粉末の構成比率
は5〜50重量%である。一般に、リブを形成するガラ
スペーストでは、熱乾燥等で除去する溶剤類、希釈剤類
を除いた場合で、ガラス系無機粉末の構成比率が70〜
98重量%である。従って、ガラス系凹型13に含まれ
るガラス系無機粉末の構成比率は、一般のガラスペース
トよりも少ない設定としている。
【0030】つまり、ガラス系凹型13に含まれるガラ
ス無機粉末の構成比を5〜50重量%とすることで、上
述した様に内部のリブ16(光吸収性を示す)の表面
を、リブ16(光反射性を示す)が被覆した状態となる
ことに加えて、リブ16の頂部ではリブ15が薄く焼結
し、リブの下部やリブの間ではリブ15が厚めに焼結し
た断面構造(図5(D))を可能とする。この理由は、
ガラス系凹型のガラス系無機粉末が、そのまま下へ沈殿
した状態でリブ16に付着して焼結するためである。つ
まり、凹型の溝底部に位置するリブ16の頂部では付着
量が少なく、リブ16の間では付着量が多いために、図
5(D)の様な断面構造となる。
【0031】そして、この様な断面構造のリブ頂部で
は、外部のリブ15から光吸収性を示す内部のリブ16
が透けた状態で観察できる。そして、リブ間では光反射
性を示すリブ16のみが観察できる。つまり、これはリ
ブ頂部のみで光吸収性を示すリブの構造である。そし
て、この様なリブで製造したPDPパネルでは、コント
ラストの向上が可能となる。
【0032】ここで仮に、一般のリブ形成用のガラスペ
ーストでガラス系凹型13を形成した場合、ガラス系無
機粉末の構成比率が70〜98重量%と過剰であるため
に焼成後のリブ形状は図10のごとく、リブ幅の太い焼
結状態となってしまう。この様な形態は、放電空間が狭
く、高精細なPDPを形成する上で好ましくない。それ
故に、ガラス系無機粉末の構成比率の上限を50重量%
としている。
【0033】これに対し、ガラス系凹型に含まれるガラ
ス系無機粉末の構成比率の下限値は5重量%である。5
重量%よりも少ない場合では、外部のリブ16が薄くな
り、リブの全面で内部のリブ16が透けた状態となる。
そのため、リブ全体が光吸収性を示して発光効率の低下
を導く。
【0034】一方、ガラス系凹型13に充填するガラス
ペースト14に必要なガラス系無機粉末の構成比率は、
70〜99.5重量%である。一般にリブ形成に用いる
ガラスペーストでは、溶剤等を除いて固化した場合のガ
ラス系無機粉末の構成比率は70〜98重量%であるた
め、ガラス系凹型に充填するガラスペースト14とし
て、一般のガラスペーストを用いることも可能である。
【0035】また、本発明のリブ基板の製造工程では、
ガラス系凹型13/ガラスペースト14/ガラス基板4
の層構成の状態で焼成するために、ガラス系凹型を剥離
する必要がない。従って、従来の凹型を用いたリブ形成
で問題となる、凹型剥離時の強度を付与する必要がな
い。そのため、溶剤等を除いたガラスペースト14中の
ガラス系無機粉末の構成比率を99.5重量%にまで増
量することができる。
【0036】次に、請求項2の発明を図6を用いて説明
する。請求項1と同様に、まずリブの逆形状を有するガ
ラス系凹型13を用意する(図6(A))。このガラス
系凹型13は、請求項1で説明したのと同様のものであ
る。次に、電極6を形成したガラス基板4の電極面にガ
ラスペースト14を塗布する(図6(B))。このガラ
スペースト14を塗布する際に、ガラスペースト14に
含まれる溶剤等を除去することは可能であるが、溶剤の
除去によりガラスペースト14が完全に固化してしまう
と、次工程のガラス系凹型による圧延ができなくなるた
め、圧延が可能な程度の液状で塗布を完了することが望
ましい。塗布完了後のガラス系無機粉末の構成比率は、
請求項1と同様に、70〜99.5重量%である。
【0037】次に、ガラス基板4との位置を合わせて、
ガラス系凹型13でガラスペースト14を圧延して、ガ
ラス系凹型13の凹部にガラスペースト14を充填させ
る(図6(C))。その後、ガラスペースト14を完全
に硬化させる方法と、硬化せずに次工程の焼成へ進む方
法がある。何れも、ガラス基板4の上に接着剤や粘着剤
を用いて、接着強度の向上を図ることも可能である。
【0038】そして、最後に、ガラス系凹型13を剥離
することなく、ガラス系凹型13/ガラスペースト14
/ガラス基板4の層構成の状態(図6(C)の状態)の
まま焼成する。この焼成により、請求項1の説明と同様
に、ガラス系凹型13とリブペースト14の熱分解性有
機化合物が燃焼し、ガラスペースト14が焼結したリブ
16が、ガラス系凹型13のガラス系無機粉末が焼結し
たリブ15を被覆した断面構造ができる(図6
(D))。
【0039】この様に、上述した請求項1、2の発明
は、ガラス系凹型にガラスペーストを充填した状態でガ
ラス系凹型13/ガラスペースト14/ガラス基板4の
層を形成した後に、ガラス系凹型を剥離することなく、
ガラス系凹型ともに焼成するものである。従って、従来
の様にガラス系凹型を剥離する際にリブを破損すること
はなく、高精度に対応したリブの形成が可能となる。
【0040】また、従来ではリブを形成したガラス基板
を保管する際には、基板の破損等を避けるために基板間
の間隔を十分に確保する必要がある。そのため、広い作
業スペースや保管スペースが必要であり、慎重な取り扱
いが必要である。請求項1、2の発明によれば、焼成前
の基板においてガラス系凹型が保護幕として機能するた
め、積み重ねの保管も可能であり、作業スペースや保管
スペースの縮小が可能である。
【0041】次に請求項3を説明する。これは、請求項
1、2に記載のガラス系凹型13を構成するガラス系無
機粉末と、ガラスペースト14を構成するガラス系無機
粉末の、軟化点、流動点、作業点の関係が(ガラス系凹
型)<(ガラスペースト)である。この様な構成で、請
求項項1、2に記載の製造方法でPDP背面板を形成し
た場合、表面を被覆しているリブ15が、内部のリブ1
6よりも焼結性が高い状態となる。
【0042】ここで、特性温度について説明する。無機
材料の特性を示す指標の一つとして粘性がある。無機材
料を高温へと移行させると、転移領域(1013〜1014
ポイズ)から、溶融して液体となる領域(100〜101
ポイズ)まで粘度が連続的に変化する。この粘度に対し
て作業上あるいは製造上の目安として、低温側から、歪
点(1014.5ポイズ)、徐冷点(1013ホ゜イズ)、軟化
点(107.6ポイズ)、流動点(105ポイズ)、作業点
(104ポイズ)と規定されている。この様に、無機材
料の特性温度を示す指標は数種ある。実際に、無機材料
の粉末粒子を互いに焼結させるために必要な無機材料の
粘度は、104〜107ポイズ付近である。従って、リブ
の焼結状態においては、無機材料の軟化点、流動点、作
業点の特性温度の選定が特に重要である。
【0043】一般に、特性温度の低いガラスペーストで
形成したリブは、機械的な強度と緻密性が高いものの、
焼き減りや収縮が著しい傾向を示す。また、逆に特性温
度の高いガラスペーストで形成したリブは、機械的な強
度と緻密性は低いものの、焼き減りや収縮を抑えること
ができる傾向を示す。この様に、強度があり緻密性の高
いリブと、焼き減りや収縮の少ないリブは、ガラスペー
ストの特性温度に対して相対的な関係にあり、両立させ
ることは困難である。
【0044】ここで、上述した請求項3のごとく、特性
温度を(ガラス系凹型)<(ガラスペースト)の関係に
することで、表面を被覆しているリブ15が強度と緻密
性を向上させる機能を発現し、その一方でリブ16が焼
き減りと収縮を低減させる機能を発現させる。つまり、
強度と緻密性の向上と、焼き減りと収縮の低減の双方を
両立させることができる。
【0045】更に、請求項3の説明を続ける。上述した
様な、(ガラス系凹型)<(ガラスペースト)の特性温
度の関係にある双方の温度差は、軟化点、流動点、作業
点の何れも、5℃<温度差<200℃であることが好ま
しい。この様な条件において、焼成の際に、内部のリブ
15よりも表面のリブ16で流動性が増した状態で溶融
する。その結果、請求項1、2で説明したリブの断面構
造(図5(D)、図6(D))よりも、リブ16の頂部
におけるリブ15の付着量が更に少なく、より薄い膜の
状態で焼結する。または、リブ16の頂部にリブ15が
ほとんど無い状態となる。そのため光吸収性を示す内部
のリブ16が透ける状態が増す、又は完全に露出した状
態となる。この結果、リブ頂部での光吸収性が更に向上
し、コントラストの向上を図ることができる。
【0046】一方、特性温度の温度差が200℃よりも
高い場合、図11のごとく表面のリブ15が焼成時の軟
化でリブの下部に流れ落ちてしまう可能性がある。ま
た、ガラス粉末の軟化点が熱分解性有機化合物の燃焼温
度以下となり、有機成分の燃焼不良が生じる可能性があ
る。逆に、5℃よりも低い場合、表面のリブ15と内部
のリブ16の焼結状態に差がなくなる。この様に、ガラ
スペーストの特性温度の選定には、リブ形状や有機成分
の燃焼を考慮する必要がある。
【0047】次に請求項4を説明する。請求項1〜3で
説明したリブでも、頂部で光反射性を示すリブの形成が
可能であるが、研磨することで光吸収性を示すリブ16
を完全に露出させても良い。研磨する工程は、ガラス系
凹型13/ガラスペースト14/ガラス基板4を焼成す
る前でも後でも可能である。焼成前に研磨する場合、ガ
ラス系凹型をガラスペースト14が露出するまで研磨す
る。一方、焼成後の場合、外部のリブ15を内部のリブ
16が露出するまで研磨する。
【0048】本発明に用いる形態について更に詳しく説
明する。
【0049】ガラス系凹型について説明する。ガラス系
凹型の形成方法としては特に限定されないが、一般に、
予め形成した凸型母型上にガラス系凹型の形成材料を圧
延し、硬化することでガラス系凹型を形成することがで
きる(図7)。また、ガラス系凹型の形成材料をフィル
ム状としたものを切削することも可能である。
【0050】凸型母型を用いる場合、凸型母型材料とし
て金属、樹脂等を使用することができる。金属の凸型母
型の代表例としては、印刷技術で用いられている様な金
属を腐食させて形成する型がある。樹脂の凸型母型とし
ては、フォトマスクを介して感光性樹脂を硬化、現像し
て形成する型がある。
【0051】凸型母型上で圧延するガラス系凹型の形成
材料は、光反射性を示すガラス系無機粉末と、熱分解性
有機化合物の混合体であれば特に限定されないが、ガラ
ス系凹型を形成した時点のガラス系無機粉末の構成比率
が5〜50重量%となる様なガラスペースト状のものが
好ましい。
【0052】ガラス系凹型で用いる熱分解性有機化合物
は、ガラス系凹型の形成方法や硬化方式によって選定す
る必要がある。硬化方式としては、蒸発硬化型、熱硬化
型、2液硬化型、紫外線硬化型等がある。蒸発硬化型の
場合、汎用の天然樹脂、半合成樹脂、合成樹脂を溶剤に
溶解させた樹脂溶液を用いる。熱硬化型、2液硬化型、
紫外線硬化型では、反応性樹脂、反応性モノマー等と重
合開始剤、架橋剤等の組合せにより硬化状態を達成する
ことができる。また、これらの硬化形態を2つ以上組み
合わせてもよい。
【0053】また、ガラス系凹型で用いるガラス系無機
粉末は、少なくともガラス粉末と、光反射性を示す白色
顔料の混合物である。更に、必要に応じて骨材と呼ばれ
る無機粉末を添加する。
【0054】ガラス系凹型に充填するガラスペーストに
ついて説明する。本発明に用いるガラスペーストは、ガ
ラス系無機材料と熱分解性有機化合物の混合物である。
熱分解性有機化合物は、基本的に上記で説明したガラス
系凹型で用いる材料と同じである。硬化方法もガラス系
凹型と同様に、蒸発硬化型、熱硬化型、2液硬化型、紫
外線硬化型等を選定することができる。
【0055】ガラスペーストで用いるガラス系無機粉末
は、少なくともガラス粉末と、光吸収性を示す黒色顔料
等の混合物である。更に必要に応じて骨材を添加する。
【0056】ガラス系凹型、ガラスペーストに用いる熱
分解性有機化合物で、蒸発硬化型の場合に用いる樹脂と
しては、ニトロセルロース、アセチルセルロース、エチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセ
ルロース、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、クロロプレ
ンゴム、アクリルゴム、イソプレン系合成ゴム、環化ゴ
ム、アルギン酸、ポリエチレン、ポリエチレングリコー
ル、ポリエチレンノキサイド、ポリビニルピロリドン、
ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリプロ
ピレン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアク
リル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリクリル酸
ブチル、ポリメタアクリル酸ブチル、ポリスチレン、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸
ビニル、ポリエステル、ポリカーボネイト、ポリアクリ
ロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリア
ミド、ポリウレタン等がある。また、これらの樹脂は、
単独、混合または共重合体として用いることも可能であ
る。
【0057】溶剤としては、樹脂等を均一に溶解または
分散させるものであれば、特に限定されない。例えば、
トルエン、キシレンテトラリン、ミネラルスピリット等
の炭化水素系、メタノール、エタノール、イソプロパノ
ール、α−テルピネオール等のアルコール系、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン、イソホロン等のケトン系、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステル
系、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモ
ノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエー
テルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテ
ルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル
アセテート等のエチレングリコールグリコールエーテル
系、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメ
チルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエ
チルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブ
チルエーテルアセテート等のジエチレングリコールエー
テル系等が挙げられる。
【0058】紫外線硬化等で用いるいる反応性材料の代
表例を挙げる。反応性材料としては、分子内に不飽和基
を有するポリマー、オリゴマー、モノマーを有するもの
が挙げられるが、流動性のあるペーストであり、かつ焼
成による燃焼性が良好な材料としては、アクリル系オリ
ゴマー、アクリル系モノマーが好ましい。具体的に、エ
ポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレ
タンアクリレート等のオリゴマー、1,4−ブタジオー
ルジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタジオールジ
(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、1,6−ヘキサジオールジ(メタ)アクリレート、
1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオ
ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,10
−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエ
リストールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリ
ストールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、
ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレー
ト、グリセロールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキ
シルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール
ジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリグリセロールジ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート等の2官能モノマー、アリル(メタ)アクリレー
ト、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル
(メタ)アクリレート、ブトキシトリエチレングリコー
ル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルウ(メタ)ア
クリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)
アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリ
レート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アク
リレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の
単官能モノマー、その他にアミン系、ハロゲン系、シリ
コーン系等の(メタ)アクリレート類が挙げられる。こ
れらは、単独または2種類以上を混合して用いることが
できる。
【0059】紫外線硬化型に用いる重合開始剤として
は、ジエトキシアセトンフェノン、2−ヒドロキシシ−
2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンなどのア
セトフェノン系、イソブチルベンゾインエーテル、イソ
プロピルベンゾインエーテルなどのベンゾインエーテル
系、ベンジルジメチルケタール、ヒドロキシシクロヘキ
シルフェニルケトンなどのベンジルケタール系、ベンゾ
フェノンなどのベンゾフェノン系、2−クロロチオキサ
ントンなどのチオキサントン系などを用いる。これら
は、単独または2種類以上を混合して用いることができ
る。
【0060】ガラス系無機粉末に含まれるガラス粉末の
代表例として、ホウ酸(B2O3)、ケイ酸(SiO
2)、酸化鉛(PbO2)、酸化亜鉛(ZnO)、アル
ミナ(Al2O3)を主成分とした、PbO−B2O3
−SiO2系、ZnO−B2O3−SiO2系、PbO
−ZnO−B2O3−SiO2系、PbO−Al2O3
−B2O3−SiO2系等がある。
【0061】ガラス系無機粉末に添加が可能な骨材やそ
の他の成分としては、、リン酸(P2O3)、ソーダ
(Na2O)、酸化カルシウム(K2O)、酸化リチウ
ム(Li2O)、カルシア(CaO)、マグネシア(M
gO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム
(BaO)、チタニア(TiO2)、ジルコニア(Zr
O2)、イットリア(Y2O3)等の酸化物、炭化物、
ケイ化物、窒化物がある。
【0062】ガラス粉末は、上記のホウ酸(B2O
3)、ケイ酸(SiO2)、酸化鉛(PbO2)、酸化
亜鉛(ZnO)、アルミナ(Al2O3)等の無機混合
物を高温で溶融させた混合体を、粉砕して得られた粉末
状のものである。そして、骨材との組合せ、配合比の調
整、粒子径等で、ガラス系無機粉末全体の特性温度を調
節することができる。一般に、リブの焼成温度は500
〜600℃であり、軟化点400〜550℃、流動点4
50〜600℃、作業点500〜650℃のガラス粉末
が好ましい。ガラス粉末、骨材粉末の粒子径としては、
ガラス系凹型に充填できる範囲であれば良いが、高精細
なリブを形成する場合にはサブミクロンから十数ミクロ
ンのものが好ましい。
【0063】光反射性を示すための白色顔料としては、
Al2O3、TiO2が代表的である。また、光吸収性
を示す黒色顔料系としては、Cr2O3、Fe2O3、
Co2O3、CuO等がある。
【0064】リブをガラス基板に転写する際に、接着剤
や粘着剤を用いても良いが、固着する材料であれば特に
限定されることはなく、有機溶剤型、水溶性型、エマル
ジョン型、熱硬化型、紫外線硬化型、二液硬化型等を用
いることができる。
【0065】ガラス系凹型へのガラスペーストを充填す
る方法、ガラス基板へガラスペースト塗布する方法は、
スクリーン印刷、ロールコーター、ドクターブレードコ
ーター、ダイコーター等を用いる。ガラス系凹型への充
填形態は、図5(B)の様にガラスペーストがガラス系
凹型の凹部を完全に被覆する様な状態で充填してもよい
が、凹部の口切り状態に充填しても良い。この場合に形
成されるリブ断面図を図3に示す。
【0066】また、ガラスペーストがガラス系凹型の凹
部を完全に被覆する形態の場合(図5(B))、凹部の
溝から出ている部分が誘電体層として機能する。この様
な場合、ガラス基板上に誘電体層を形成する必要はな
い。但し、誘電体層を形成しがガラス基板を用いるでも
リブを形成することは可能である(図4)。
【0067】以下に、具体的な実施例により本発明を説
明する。<実施例1>
【0068】 ガラス系凹型用材料 PbO−B2O3−SiO2系低融点ガラス粉末 20重量部 Al2O3 3重量部 TiO2 6重量部 ペンタエリスリトールトリアクリレート 20重量部 エトキシジエチレングリコールアクリレート 40重量部 ジエチルアミノエチルメタクリレート 10重量部 ビス(2、4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイ ド 1重量部
【0069】上記のガラス系凹型を形成材料を、ニーダ
ーで混合した後に、セラミック三本ロールミルで十分に
混練して調合した。このガラス系凹型用のガラスペース
トを、形状がストライプ状で、幅40μm 深さ150
μm ピッチ150μmの金属製凸型にドクターコート
し、超高圧水銀ランプで1000mJ/cm2の条件で
照射して硬化させた後に剥離して、ガラス系凹型13
(図5(A))を形成した。
【0070】 ガラスペースト用材料 PbO−B2O3−SiO2系低融点ガラス粉末 67重量部 Al2O3 10重量部 TiO2 5重量部 エチルセルロース 3重量部 ジエチレングリコールモノエチルエーテル 15重量部
【0071】上記のガラスペースト組成を、ロールミル
にて十分に混連してガラスペースト14とした。このガ
ラスペースト14をガラス系凹型13にスクリーン印刷
で充填し、真空脱泡処理でした後に80℃で5分間の条
件で熱乾燥した(図5(B))。次に、電極6を形成し
たガラス基板4にアクリル系粘着剤をコーティングし、
その上に、ガラスペースト14を充填したガラス系凹型
13を重ねて圧延した(図5(C))。その後、ガラス
系凹型を剥離することなく、ピーク温度550℃で焼成
し、無機材料だけからなるリブを形成することができた
(図5(D))。
【0072】<実施例2>
【0073】 ガラス系凹型用ガラスペースト PbO−B2O3−SiO2系低融点ガラス粉末 20重量部 Al2O3 1重量部 TiO2 4重量部 EO付加トリメチロールプロパントリアクリレート 60重量部 2−ヒドロキシプロピルアクリレート 14重量部 ビス(2、4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイ ド 1重量部
【0074】上記のガラス系凹型を形成材料を、ニーダ
ーで混合した後に、セラミック三本ロールミルで十分に
混練して調合した。このガラス系凹型用のガラスペース
トを、形状がストライプ状で、幅30μm 深さ120
μm ピッチ140μmの金属製凸型に、スクリーン印
刷で全面コートし、超高圧水銀ランプで1000mJ/
cm2の条件で照射して硬化させた後に剥離して、ガラ
ス系凹型13(図6(A))を形成した。
【0075】 ガラスペースト PbO−B2O3−SiO2系低融点ガラス粉末 70重量部 Cr2O3 2重量部 Fe2O3 5重量部 Co2O3 3重量部 トリメチロールプロパントリアクリレート 10重量部 メトキシジエチレングリコールメタクリレート 9重量部 2、4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド 1重量部
【0076】上記のガラスペースト組成を、ロールミル
にて十分に混連してガラスペースト14とした。このガ
ラスペースト14を、電極6を形成したガラス基板4上
にスクリーン印刷で塗布した(図6(B))。次に、ガ
ラス基板上のガラスペースト14上にガラス系凹型13
を合わせ、ロールラミネーターで圧延し、その後に高圧
水銀ランプで紫外線を2000mJ/cm2の条件で両
面から照射した(図6(C))。その後、ガラス系凹型
を剥離することなく、ピーク温度550℃で焼成し、無
機材料だけからなるリブを形成することができた(図6
(D))。そして、光吸収性を示すリブ16の頂部が露
出するまで、リブ頂部を研磨し、リブ頂部が黒色、側面
が白色で、図1のごとく台形の良好な形状のリブを得
た。
【0077】<比較例>実施例1と同様のガラス系凹型
13及びガラスペースト14を用いた場合で、ガラス系
凹型13/ガラスペースト14/ガラス基板4(図5
(C))を焼成する前に、ガラス系凹型を剥離した例を
示す。
【0078】実施例1のガラス系凹型13にガラスペー
スト14をスクリーン印刷で充填し、真空脱泡処理後に
80℃で5分間の条件で熱乾燥した。次に、電極6を形
成したガラス基板4にアクリル系粘着剤をコーティング
し、その上に、ガラスペースト14を充填したガラス系
凹型3を重ねて圧延した。その後、ガラス系凹型を剥離
したところ、リブの一部がガラス系凹型に残ったままの
状態でリブの欠けが生じ、良好なリブを形成することが
できなかった。
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、凹版を用いたリブの製
造方法においても、高精細のリブ形成が可能であり、更
にコントラストと発光効率が良好で、リブに強度と緻密
性があり、リブ形状の焼き減りや収縮の少ないプラズマ
ディスプレイ背面板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリブ構造を示す断面図であり、リブ頂
部を研磨した場合の形態である。
【図2】本発明のリブ構造を示す断面図であり、リブ頂
部を研磨していない場合の形態である。
【図3】本発明のリブ構造を示す断面図であり、ガラス
ペーストをガラス系凹型の口切り一杯に充填した場合の
形態であり、ガラス系凹型用ペーストが誘電体層を兼用
する場合の状態である。
【図4】本発明のリブ構造を示す断面図であり、誘電体
層を形成したガラス基板を用いた場合の形態である。
【図5】本発明のガラス系凹型を用いたリブ製造方法の
一例である。
【図6】本発明のガラス系凹型を用いたリブ製造方法の
一例である。
【図7】本発明の凸型からガラス系凹型を形成する工程
を示す断面図である。
【図8】従来のリブ構造でリブ頂部に光吸収性材料を形
成した場合の形態である。
【図9】従来のプラズマディスプレイパネルの背面板の
断面模式図である。
【図10】ガラス系凹型用ガラスペースト中の熱分解性
有機化合物が少なかった場合のリブ構造を示す断面図で
ある。
【図11】ガラス系凹型用ガラスペーストの熱特性温度
が低かった場合のリブ構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1…リブ 2…蛍光体 4…ガラス基板 5…放電空間 6…電極 7…誘電体層 10…凸型 11…ガラス系凹型 13…光反射性を示すガラス系凹型(ガラス系無機粉末
と熱分解性有機化合物からなるガラス系凹型) 14…光吸収性を示すガラスペースト 15…光反射性を示すリブ 16…光吸収性を示すリブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01J 11/02 H01J 11/02 B Fターム(参考) 5C012 AA09 BD01 BD02 BD05 5C027 AA01 AA09 5C040 FA01 GB03 GB14 GF19 JA21 KA07 KA09 MA02 5C094 AA05 AA06 AA10 AA36 AA43 AA47 BA31 CA19 DA13 EA04 EC03 EC04 ED11 ED20 FA01 FA02 FB01 FB02 FB15 GB10 JA01 5G435 AA02 AA09 AA17 BB06 CC09 FF03 FF14 HH14 KK05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも次の工程からなること特徴とす
    るプラズマディスプレイ背面板の製造方法。 (a)少なくとも熱分解性有機化合物と光反射性を示す
    ガラス系無機粉末から構成され、ガラス系無機粉末の構
    成比率が5〜50重量%であり、リブの逆形状を有する
    ガラス系凹型を形成する工程。 (b)少なくとも熱分解性有機化合物と光吸収性を示す
    ガラス系無機粉末からなるガラスペーストを、ガラス系
    無機粉末の構成比率が70〜99.5重量%となる様
    に、上記のガラス系凹型の凹部に充填する工程。 (c)ガラス系凹型に充填したガラスペーストの面と、
    ガラス基板を接着する工程。 (d)前記(c)までに形成したガラス系凹型/ガラス
    ペースト/ガラス基板からなる構成物を焼成する工程。
  2. 【請求項2】少なくとも次の工程からなること特徴とす
    るプラズマディスプレイ背面板の製造方法。 (a)少なくとも熱分解性有機化合物と光反射性を示す
    ガラス系無機粉末から構成され、ガラス系無機粉末の構
    成比率が5〜50重量%であり、リブの逆形状を有する
    ガラス系凹型を形成する工程。 (b)少なくとも熱分解性有機化合物と光吸収性を示す
    ガラス系無機粉末からなるガラスペーストを、ガラス系
    無機粉末の構成比率が70〜99.5重量%となる様
    に、ガラス基板上に塗布する工程。 (c)ガラス基板上に塗布したガラスペーストをガラス
    系凹型で圧延し、ガラス系凹型の凹部にガラスペースト
    を充填する工程。 (d)前記(c)までに形成したガラス系凹型/ガラス
    ペースト/ガラス基板からなる構成物を焼成する工程。
  3. 【請求項3】請求項1、2に記載のプラズマディスプレ
    イパネルの製造方法において、ガラス系凹型を構成する
    ガラス系無機粉末と、ガラスペーストを構成するガラス
    系無機粉末の、軟化点、流動点、作業点の関係が、(ガ
    ラス系凹型)<(ガラスペースト)であり、その温度差
    が何れも5℃<温度差<200℃であることを特徴とす
    る請求項1,2のいずれかに記載のプラズマディスプレ
    イ背面板の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3に記載のプラズマディスプレ
    イパネルの製造方法において、ガラス系凹型/ガラスペ
    ースト/ガラス基板からなる構成物の焼成工程の前また
    は後で、ガラス系凹型またはその焼結体を研磨して、光
    吸収性を示すガラスペーストまたはその焼結体の頂部を
    露出させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
    に記載のプラズマディスプレイ背面板の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100822218B1 (ko) * 2006-12-29 2008-04-16 삼성에스디아이 주식회사 플라즈마 디스플레이 패널용 격벽 및 이를 구비한하부패널을 제조하는 방법
JP2014153265A (ja) * 2013-02-12 2014-08-25 Shinko Electric Ind Co Ltd マイクロ流路及びその製造方法、光学分析装置

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