JPH1178945A - ステアリング装置 - Google Patents

ステアリング装置

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JPH1178945A
JPH1178945A JP24898697A JP24898697A JPH1178945A JP H1178945 A JPH1178945 A JP H1178945A JP 24898697 A JP24898697 A JP 24898697A JP 24898697 A JP24898697 A JP 24898697A JP H1178945 A JPH1178945 A JP H1178945A
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angle
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貴史 山本
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忠幸 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反力の変動により運転者が車両操作に違和感
を感じることのないステアリング装置を提供する。 【解決手段】 ステアリング装置100は、可変ギヤ比
アクチュエータ4とパワーアシストアクチュエータ12
とを有している。可変ギヤ比アクチュエータ4にてステ
アリング操舵角に基づく操舵輪転舵角制御をするために
必要なトルクの少なくとも一部がパワーアシストアクチ
ュエータ12によって補償される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステアリング操舵
角に応じて操舵輪を転舵させるステリング装置に関し、
特に、可変ギヤ比機構とパワーアシスト機構とを有する
ステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、可変ギヤ比機構を有するステアリ
ング装置が知られている。可変ギヤ比機構は、運転状態
を表すパラメータ(例えば、車速v)に応じて、入力角
(ステアリング操舵角)θhに対する出力角(ピニオン
軸角)θpの比を変化させることを目的とする。可変ギ
ヤ比機構では、出力角目標値θp と出力角θpとの偏差
e(=θp −θp)が0となるように制御される。本明
細書では、「X」という表記は「X」の上に〜を付し
た表記と同義であると定義する。Xは任意の記号であ
る。
【0003】一方、パワーアシスト機構は、ステアリン
グホイールの操舵によって発生する操舵トルクに応じて
操舵補助力を付与することを目的とする。
【0004】このように、可変ギヤ比機構とパワーアシ
スト機構はその目的が異なることから、従来のステアリ
ング装置ではそれらの機構はそれぞれ独立に制御されて
いた。
【0005】特開平4−310474号公報は、可変ギ
ヤ比機構とパワーアシスト機構とを有するステアリング
装置を開示している。この公報に記載のステアリング装
置では、可変ギヤ比機構とパワーアシスト機構とが切換
制御される。従って、この公報に記載のステアリング装
置では、可変ギヤ比機構とパワーアシスト機構のうちい
ずれか一方の特性に従った制御しか実現され得ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】可変ギヤ比機構を有す
る従来のステアリング装置は、以下に示す(1)〜
(4)の課題を有していた。以下、各課題を詳しく説明
する。
【0007】(1)車速に応じて反力が変動するため、
運転者が車両操作に違和感を感じることがある。
【0008】反力は、路面とタイヤとの間に発生する
S.A.T(セルフアライニングトルク)に基づくもの
が支配的である。通常のステアリング時(Kv=1、θh
=θp)に発生する反力TSATは、近似的に(数1)によ
って表される。
【0009】
【数1】 TSAT=CSAT・θh =CSAT・θp ここで、θhは入力角(ステアリング操舵角)を示し、
θpは出力角(ピニオン軸角)を示し、CSATは所定の定
数を示す。
【0010】可変ギヤ比機構では、(数2)の関係が満
たされるように制御される。
【0011】
【数2】θp=Kv・θh ここで、Kvは可変ギヤ比を表す係数を示す。
【0012】(数1)、(数2)から、反力TSATは、
(数3)によって求められる。
【0013】
【数3】TSAT=CSAT・θp= CSAT・Kv・θh (数3)によれば、ステアリング操舵角θhが同一であ
っても、反力TSATは係数Kvによって変動することがわ
かる。Kvは車速vの関数であることから、反力T
SATは、運転者の操舵には関係なく車速vによって変動
し得る。このことは、運転者が車両操作に違和感を感じ
る原因となる。
【0014】(2)電流制限(トルク制限)により、可
変ギヤ比アクチュエータの追従特性が悪化することがあ
る。
【0015】可変ギヤ比制御は、可変ギヤ比アクチュエ
ータのモータに与える電流を制御することによって行わ
れる。このような電流制御は、PWMデューティ比に応
じた高速な電圧のスイッチングによって達成される。
【0016】(数4)は、モータの回路式を示す。
【0017】
【数4】V−kθθ=LI+RI ここで、I:モータ電流、V:モータ電圧、kθ:逆起
電力定数、L:インダクタンス、R:抵抗、θ:モー
タ回転角速度である。また、記号・は時間による微分を
示す。本明細書では、「X」という表記は「X」の上
に・を付した表記と同義であると定義する。Xは任意の
記号である。
【0018】(数4)から、定常状態(I=0)での
最大電流Imaxは、(数5)によって表される。
【0019】
【数5】Imax=(Vmax−kθθ)/R このように、モータに流れる電流Iは最大電流Imax
よって制限される。また、モータ駆動回路およびモータ
には、機器の保護の点から定格電流が定められている。
この点からもモータに流れる電流Iが制限される。
【0020】このような電流制限により、位置制御(e
→0)に必要なトルクを可変ギヤ比アクチュエータのみ
によって発生させることが困難となる場合がある。位置
制御に必要なトルクが不足すると、可変ギヤ比アクチュ
エータの追従特性が悪化する。
【0021】(3)可変ギヤ比アクチュエータの初期応
答性が悪い。
【0022】位置制御に必要なトルク指令値Toptは、
(数6)に従って求められる。
【0023】
【数6】Topt=CT(s)e ここで、CT(s)はフィードバック補償器を示し、e
は出力角目標値θP と出力角θPとの偏差を示す。
【0024】(数6)から、トルク指令値Toptは、偏
差eの大きさに比例して大きくなる。このことは、偏差
eが小さい操舵初期には、トルクが十分に発生しないこ
とを意味する。従って、操舵初期には、可変ギヤ比アク
チュエータの応答が遅延する傾向がある。
【0025】(4)ラックがストッパに衝突する時の速
度が大きいため、運転者が車両操作に違和感を感じた
り、車両耐久性上不利となるおそれがある。
【0026】可変ギヤ比アクチュエータが十分に追従し
ている(e≒0)場合には、(数7)に示す関係が成立
する。
【0027】
【数7】Kvθh−θp=0 (数7)の両辺を微分すると、(数8)に示す関係が成
立する。
【0028】
【数8】Kvθh =θp (数8)から、ラックがストッパに衝突する時の衝突速
度θp は、ステアリング操舵角の速度θh のKv倍であ
ることがわかる。このため、運転者が車両操作に違和感
を感じたり、車両耐久性上不利となるおそれがある。
【0029】本発明の目的は、反力の変動により運転者
が車両操作に違和感を感じることのないステアリング装
置を提供することにある。
【0030】本発明の他の目的は、電流制限(トルク制
限)により可変ギヤ比アクチュエータの追従特性が悪化
することのないステアリング装置を提供することにあ
る。
【0031】本発明の他の目的は、偏差eが小さい初期
操舵時においても応答性のよいステアリング装置を提供
することにある。
【0032】本発明の他の目的は、ラックがストッパに
衝突する時の衝撃を緩和することができるステアリング
装置を提供することにある。
【0033】
【課題を解決するための手段】本発明のステアリング装
置は、ステアリング操舵角に対する操舵輪転舵角を可変
とする可変ギヤ比アクチュエータと、ステアリング装置
に操舵補助力を付与するパワーアシストアクチュエータ
とを有するステアリング装置であって、該可変ギヤ比ア
クチュエータにてステアリング操舵角に基づく操舵輪転
舵角制御をするために必要なトルクの少なくとも一部が
該パワーアシストアクチュエータによって補償される。
これにより、上記目的が達成される。
【0034】本発明の他のステアリング装置は、ステア
リング操舵角に対する操舵輪転舵角を可変とする可変ギ
ヤ比アクチュエータと、ステアリング装置に操舵補助力
を付与するパワーアシストアクチュエータとを有するス
テアリング装置であって、該可変ギヤ比アクチュエータ
にてステアリング操舵角に基づく操舵輪転舵角制御をす
るために必要なトルクと、該可変ギヤ比アクチュエータ
の規定トルクとの差分が該パワーアシストアクチュエー
タによって補償される。これにより、上記目的が達成さ
れる。
【0035】本発明の他のステアリング装置は、ステア
リング操舵角に対する操舵輪転舵角を可変とする可変ギ
ヤ比アクチュエータと、ステアリング装置に操舵補助力
を付与するパワーアシストアクチュエータとを有するス
テアリング装置であって、該可変ギヤ比アクチュエータ
は、トルクセンサの出力と該パワーアシストアクチュエ
ータの目標電流とに基づいてフィードフォワード制御さ
れる。これにより、上記目的が達成される。
【0036】本発明の他のステアリング装置は、ステア
リング操舵角に対する操舵輪転舵角を可変とする可変ギ
ヤ比アクチュエータと、ステアリング装置に操舵補助力
を付与するパワーアシストアクチュエータとを有するス
テアリング装置であって、該パワーアシストアクチュエ
ータは、操舵輪転舵角が最大転舵角に近づくにつれてア
シスト力が減少するように制御される。これにより、上
記目的が達成される。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態を説明する。
【0038】(実施の形態1)図1は、本発明の実施の
形態1のステアリング装置100の構成を示す。
【0039】ステアリング装置100は、ステアリング
ホイール1と、入力角センサ2と、トルクセンサ3と、
可変ギヤ比アクチュエータ4と、出力角センサ5と、パ
ワーアシストアクチュエータ12と、操舵輪転舵機構1
0(ラックアンドピニオン式)と、車速センサ13と、
EMPS/VGRSコントローラ17とを含んでいる。
【0040】ここで、EMPSは電動モータパワーステ
アリングシステムの略称であり、VGRSは可変ギヤ比
ステアリングシステムの略称である。コントローラ17
は、両システムを統合的に制御する。
【0041】入力角センサ2は、ステアリングホイール
1の回転に応じた入力角(ステアリング操舵角)θh
検出する。入力角センサ2の出力は、EMPS/VGR
Sコントローラ17に供給される。
【0042】トルクセンサ3は、ステアリングホイール
1の回転によってステアリング軸1aに加わる操舵トル
クT^を検出する。トルクセンサ3の出力は、EMPS
/VGRSコントローラ17に供給される。
【0043】可変ギヤ比アクチュエータ4は、モータ4
aを含んでいる。モータ4aの回転は、EMPS/VG
RSコントローラ17から出力されるVGRS電流IF
に従って制御される。モータ4aの回転軸は、ピニオン
軸7に接続されている。
【0044】出力角センサ5は、モータ4aの回転に応
じた出力角(ピニオン軸角)θpを検出する。出力角セ
ンサ5の出力は、EMPS/VGRSコントローラ17
に供給される。
【0045】パワーアシストアクチュエータ12は、モ
ータ12aと、ギヤ6とを含んでいる。モータ12aの
先端にはギヤ12bが設けられている。ギヤ12bとギ
ヤ6とは互いに噛み合うように配置されている。ギヤ6
は、ピニオン軸7と同軸に配置されている。モータ12
aの回転は、EMPS/VGRSコントローラ17から
出力されるEMPS電流Iaに従って制御される。
【0046】操舵輪転舵機構10は、ピニオン軸7の回
転を操舵輪FW1、FW2が接続されたラック8の軸方
向の運動に変換する。操舵輪FW1、FW2は、タイロ
ッド9a、9bを介してラック8に接続される。ピニオ
ン軸7の回転に従って、操舵輪転舵機構10のラック8
が左右にシフトすることにより、操舵輪FW1、FW2
が転舵される。ハードウェア的な要因により、ラック8
のシフト可能な範囲が予め決められている。そのシフト
可能な範囲の終端にはストッパ16a、16bが設けら
れている。
【0047】車速センサ13は、車速vを検出する。車
速センサ13の出力は、EMPS/VGRSコントロー
ラ17に供給される。
【0048】EMPS/VGRSコントローラ17は、
可変ギヤ比アクチュエータ4とパワーアシストアクチュ
エータ12とを統合的に制御する。具体的には、EMP
S/VGRSコントローラ17は、車速vと入力角θh
と出力角θpと操舵トルクT^とに基づいて、VGRS電
流IFとEMPS電流Iaとを生成する。
【0049】上述した出力角θpは、操舵輪FW1、F
W2の転舵角とは異なるものである。しかし、以下の説
明では、出力角θpと操舵輪FW1、FW2の転舵角と
を同一視することとする。入力角θhに基づいて出力角
θpを制御することと、入力角θhに基づいて操舵輪FW
1、FW2の転舵角を制御することとは実質的に同等で
あるからである。例えば、出力角θpに対する操舵輪F
W1、FW2の転舵角の比が一定である場合には、出力
角θpを制御することと操舵輪FW1、FW2の転舵角
を制御することとは同等である。
【0050】また、出力角センサ5の代わりに、操舵輪
FW1、FW2の転舵角を検出するセンサを出力角セン
サとして用いることにより、入力角θhに基づいて操舵
輪FW1、FW2の転舵角を直接的に制御することがで
きる。入力角θhに基づいて操舵輪FW1、FW2の転
舵角を直接的に制御することもまた本発明の範囲に含ま
れる。
【0051】図2は、EMPS/VGRSコントローラ
17の構成を示す。
【0052】EMPS/VGRSコントローラ17は、
係数マップ部18と、補償器19と、トルク配分ロジッ
ク部27と、トルク−電流変換部20、28と、VGR
Sモータ駆動回路21と、EMPSモータ駆動回路26
と、EMPS目標電流算出部23とを含んでいる。
【0053】図3A〜図3Cは、上述した構成を有する
EMPS/VGRSコントローラ17によって実行され
る処理の手順を示す。
【0054】図3Aは、EMPS/VGRSコントロー
ラ17によって実行される処理のうちVGRS系統の処
理の手順(ステップS110〜S150)を示す。以
下、処理の手順をステップごとに説明する。
【0055】ステップS110:EMPS/VGRSコ
ントローラ17は、入力角センサ2から出力される入力
角θhと、出力角センサ5から出力される出力角θpと、
車速センサ13から出力される車速vとをそれぞれ読み
込む。
【0056】ステップS120:係数マップ部18は、
係数Kvを決定する。例えば、係数Kvは、車速センサ1
3から出力される車速vに基づいて決定される。
【0057】ステップS130:出力角目標値θp
設定される。出力角目標値θp は、係数マップ部18
から出力される係数Kvに入力角センサ2から出力され
る入力角θhを乗算することによって得られる。すなわ
ち、θp は、(数9)に従って求められる。
【0058】
【数9】θp = Kvθ ここで、Kは入力角θhに対する出力角目標値θp
比を示す。上述したように、Kvは可変である。
【0059】ステップS140:出力角目標値θp
出力角θpとの偏差eが(数10)に従って求められ
る。
【0060】
【数10】e=θp − θp ステップS150:補償器19は、オーバーシュートす
ることなく偏差eを0にするようにトルク指令値Topt
を決定する。このような制御は、例えば、(数11)に
従ってPID制御のパラメータを適切にとることにより
達成される。
【0061】
【数11】Topt=CT(s)e ここで、sはラプラス演算子である。
【0062】ステップS150は、図3CのステップS
310に続く。
【0063】図3Bは、EMPS/VGRSコントロー
ラ17によって実行される処理のうちEMPS系統の処
理の手順(S210〜S220)を示す。以下、処理の
手順をステップごとに説明する。
【0064】ステップS210: EMPS/VGRS
コントローラ17は、トルクセンサ3から出力される操
舵トルクT^と、車速センサ13から出力される車速v
と、出力角センサ5から出力される出力角θpとをそれ
ぞれ読み込む。
【0065】ステップS220:EMPS目標電流算出
部23は、EMPS目標電流Ia を算出する。EMP
S目標電流Ia の算出方法は、本発明の本質とは無関
係である。EMPS目標電流算出部23は、任意の方法
に従ってEMPS目標電流I a を算出し得る。すなわ
ち、Ia は、(数12)に従って求められる。
【0066】
【数12】Ia =Kia(v,T^,θp) ここで、Kiaは任意の関数である。
【0067】例えば、EMPS目標電流算出部23は、
「基本アシスト項」と「戻しおよびダンパ制御項」とに
基づいてEMPS目標電流Ia を算出し得る。「基本
アシスト項」は、例えば、操舵トルクT^に応じて求め
られる。「戻しおよびダンパ制御項」は、例えば、車速
vと出力角θpとに応じて、粘性成分(θp に比例す
る)と戻し成分(θpに比例する)とを算出することに
よって求められる。
【0068】ステップS220は、図3CのステップS
370に続く。
【0069】図3Cは、EMPS系統とVGRS系統と
を統合するための処理の手順(ステップS310〜S3
80)を示す。以下、処理の手順をステップごとに説明
する。
【0070】ステップS310:トルク配分ロジック部
27は、理想の反力Foptを算出する。理想の反力Fopt
は、トルク指令値Toptに伝達関数W(s)を乗算する
ことによって得られる。すなわち、Foptは(数13)
に従って求めらる。
【0071】
【数13】Fopt=W(s)Topt ここで、伝達関数W(s)は、高周波ノイズを除去する
フィルターである。
【0072】図4は、伝達関数W(s)の周波数とゲイ
ンとの関係を示す。図4において、fは所定の周波数を
示す。このような伝達関数W(s)を使用することによ
り、理想の反力Foptをなめらかにすることができる。
これにより、係数Kvが急激に変化した場合であっても
反力が急激に変化することが防止される。その結果、操
舵フィーリングの違和感が解消される。
【0073】ステップS320:トルク配分ロジック部
27は、VGRSトルク指令値Fを決定する。すなわ
ち、Fは、(数14)に従って決定される。
【0074】
【数14】 F=Topt (|Fopt|≧|Topt|の場合) F=Fopt (|Fopt|<|Topt|の場合) (数14)によれば、偏差e=0の場合には、F=0
となる。偏差e=0の場合には、Topt=CT(s)e=
0、かつ、|Fopt|≧|Topt|=0が成立するからで
ある。従って、保舵時には、可変ギヤ比アクチュエータ
4はトルクを発生しないように制御される。
【0075】ステップ330:トルク配分ロジック部
は、EMPS配分トルクDTを算出する。EMPS配分
トルクDTは、トルク指令値ToptからVGRSトルク
指令値Fを減算することによって得られる。すなわ
ち、DTは(数15)に従って求められる。
【0076】
【数15】 DT=Topt−F= Topt− W(s)Topt =(1−W(s))Topt このように、トルク配分ロジック部27は、補償器19
によって決定されたトルク指令値Toptを可変ギヤ比ア
クチュエータ4とパワーアシストアクチュエータ12と
に配分する。すなわち、トルク配分ロジック部27は、
トルク指令値Toptの一部をVGRSトルク指令値F
としてトルク−電流変換部20に供給し、トルク指令値
optの残りをEMPS配分トルクDTとしてトルク−
電流変換部28に供給する。
【0077】ステップS340:トルク−電流変換部2
0は、VGRSトルク指令値FをVGRS目標電流I
F に変換する。
【0078】ステップS350:VGRSモータ駆動回
路21は、モータ4aに流れる電流がVGRS目標電流
F に近づくようにモータ4aを駆動する。
【0079】ステップS360:トルク−電流変換部2
8は、EMPS配分トルクDTを追加の目標電流DIa
に変換する。
【0080】ステップS370: EMPS目標電流算
出部23から出力されるEMPS目標電流Ia とトル
ク−電流変換部28から出力される追加の目標電流DI
aとが加算される。その結果、EMPS目標電流(更新
値)Ia 〜〜が得られる。すなわち、Ia 〜〜は、(数1
6)に従って求められる。
【0081】
【数16】Ia 〜〜=Ia +DIa ステップS380:EMPSモータ駆動回路26は、モ
ータ12aに流れる電流がEMPS目標電流(更新値)
a 〜〜に近づくようにモータ12aを駆動する。
【0082】上述したステップS310において、理想
の反力Foptは、(数17)に従って算出されてもよ
い。
【0083】
【数17】Fopt=M1θh+M2θh +M3θh ・・+M4 ここで、M1〜M4は、所定の係数を示す。M1〜M4は、
optが人間の操舵フィーリングに最も合致した反力を
表すように実験により決定される。(数17)によれ
ば、反力Foptは、係数Kvとは無関係に求められる。こ
れにより、係数K vが急激に変化した場合であっても反
力が急激に変化することが防止される。その結果、操舵
フィーリングの違和感が解消される。
【0084】図5は、補償器19の構成を示す。補償器
19は、比例ゲイン19aと、微分器19bと、微分ゲ
イン19cと、積分器19dと、積分ゲイン19eとを
含んでいる。補償器19は、トルク指令値Toptを(数
18)に従って決定する。
【0085】
【数18】Topt=GPe+GD+GI∫edt ここで、GPは比例ゲイン、GDは微分ゲイン、GIは積
分ゲインを示す。
【0086】このように、ステアリング装置100によ
れば、可変ギヤ比アクチュエータ4を位置制御(e→
0)するために必要なトルクの少なくとも一部がパワー
アシストアクチュエータ12によって補償される。これ
により、可変ギヤ比アクチュエータ4の制御とパワーア
シストアクチュエータ12の制御とを統合的に共存させ
ることが可能となる。
【0087】(実施の形態2)以下、本発明の実施の形
態2のステアリング装置200を説明する。ステアリン
グ装置200は、図1に示されるステアリング装置10
0と同一の構成を有している。
【0088】図6は、EMPS/VGRSコントローラ
17の構成を示す。図6において、図2に示される構成
要素と同一の構成要素には同一の参照番号を付し、その
説明を省略する。
【0089】EMPS/VGRSコントローラ17によ
って実行される処理のうち、EMPS系統の処理の手順
とVGRS系統の処理の手順とは、図3Aおよび図3B
に示される処理の手順と同一である。従って、ここでは
その説明を省略する。
【0090】図7は、EMPS系統とVGRS系統とを
統合するための処理の手順(ステップS710〜S78
0)を示す。以下、処理の手順をステップごとに説明す
る。
【0091】ステップS710:このステップは、図3
AのステップS150が実行された後に実行される。ト
ルク−電流変換部20は、トルク指令値ToptをVGR
S目標電流IF に変換する。
【0092】ステップS720:電流飽和処理部29
は、VGRS目標電流IF に対して電流飽和処理を行
う。これにより、VGRS目標電流IF が所定の上限
値I0を上回らないように制限され、VGRS目標電流
F が所定の下限値(−I0)を下回らないように制限
される。I0は、例えば、機器の定格電流である。電流
飽和処理の結果、VGRS目標電流IF は、VGRS
目標電流(更新値)IF 〜〜に変換される。すなわち、
F 〜〜は、(数19)に従って決定される。
【0093】
【数19】 IF 〜〜=I0 (I0<IF の場合) IF 〜〜=IF (−I0≦IF ≦I0の場合) IF 〜〜=−I0 (IF <−I0の場合) ステップS730:VGRSモータ駆動回路21は、モ
ータ4aに流れる電流がVGRS目標電流(更新値)I
F 〜〜に近づくようにモータ4aを駆動する。
【0094】ステップS740:電流検出部30は、モ
ータ4aに実際に流れる電流(実電流)IF ^を検出す
る。
【0095】ステップS750:VGRS目標電流IF
から実電流IF ^が減算されることにより、電流不足量
ΔIFが算出される。すなわち、ΔIFは、(数20)に
従って求められる。
【0096】
【数20】ΔIF=IF −IF ^ ステップS760:VGRS電流−EMPS電流変換部
31は、VGRS電流としての電流不足量ΔIFをEM
PS電流ΔIaに換算する。
【0097】ステップS770:このステップは、図3
BのステップS220が実行された後に実行される。E
MPS目標電流算出部23から出力されるEMPS目標
電流Ia とVGRS電流−EMPS電流変換部31か
ら出力される電流ΔIaとが加算される。その結果、E
MPS目標電流(更新値)Ia 〜〜が得られる。すなわ
ち、Ia 〜〜は、(数21)に従って求められる。
【0098】
【数21】Ia 〜〜=Ia +ΔIa ステップS780:EMPSモータ駆動回路26は、モ
ータ12aに流れる電流がEMPS目標電流(更新値)
a 〜〜に近づくようにモータ12aを駆動する。
【0099】このように、ステアリング装置200によ
れば、可変ギヤ比アクチュエータ4を位置制御(e→
0)するために必要なトルクの少なくとも一部がパワー
アシストアクチュエータ12によって補償される。これ
により、可変ギヤ比アクチュエータ4のモータ4aに流
れる電流が制限されることにより可変ギヤ比アクチュエ
ータ4を位置制御(e→0)するために必要なトルクが
不足する場合でも、その不足分のトルクをパワーアシス
トアクチュエータ12によって補償することが可能とな
る。その結果、電流制限(トルク制限)により、可変ギ
ヤ比アクチュエータ4の追従特性が悪化することを回避
することができる。
【0100】(実施の形態3)以下、本発明の実施の形
態3のステアリング装置300を説明する。ステアリン
グ装置300は、図1に示されるステアリング装置10
0と同一の構成を有している。
【0101】図8は、EMPS/VGRSコントローラ
17の構成を示す。図8において、図2に示される構成
要素と同一の構成要素には同一の参照番号を付し、その
説明を省略する。
【0102】EMPS/VGRSコントローラ17によ
って実行される処理のうち、EMPS系統の処理の手順
とVGRS系統の処理の手順とは、図3Aおよび図3B
に示される処理の手順と同一である。従って、ここでは
その説明を省略する。
【0103】図9は、EMPS系統とVGRS系統とを
統合するための処理の手順(ステップS910〜S95
0)を示す。以下、処理の手順をステップごとに説明す
る。
【0104】ステップS910:このステップは、図3
BのステップS220が実行された後に実行される。フ
ィードフォワード補償器32は、トルクセンサ3から出
力される操舵トルクT^とEMPS目標電流算出部23
から出力されるEMPS目標電流Ia とに基づいて、
位置制御フィードフォワードトルクTffを算出する。す
なわち、Tffは、(数22)に従って求められる。
【0105】
【数22】Tff=H1(s)T^+H2(s)αIa ここで、H1(s)は(数23)に従って求められる。
2(s)は(数24)に従って求められる。sはラプ
ラス演算子である。αはトルク定数である。
【0106】
【数23】H1(s)={Kv(Ip2+Cps+Kp)}
/{(Kvp+Ih)s2+(Kvp+Ch)s+K
pv
【0107】
【数24】H2(s)=−(Ih2+Chs)/{(Kv
p+Ih)s2+(Kvp+Ch)s+Kpv} なお、(数23)および(数24)における記号の意味
については、後述する図10を参照されたい。
【0108】ステップS920:補償器19から出力さ
れる位置制御フィードバックトルクTfb(=Topt)と
フィードフォワード補償器32から出力される位置制御
フィードフォワードトルクTffとが加算される。その結
果、トルク指令値Fが得られる。すなわち、Fは、
(数25)に従って求められる。
【0109】
【数25】F=Tff+Tfb ステップS930:トルク−電流変換部20は、トルク
指令値FをVGRS目標電流IF に変換する。
【0110】ステップS940:VGRSモータ駆動回
路21は、モータ4aに流れる電流がVGRS目標電流
F に近づくようにモータ4aを駆動する。
【0111】ステップS950:EMPSモータ駆動回
路26は、モータ12aに流れる電流がEMPS目標電
流Ia に近づくようにモータ12aを駆動する。
【0112】図10は、ステアリング系のバネ−マス−
ダンパモデルを示す。図10を参照して、上述した(数
23)および(数24)の算出について説明する。
【0113】可変ギヤ比アクチュエータ4のところでモ
デルを分離する。ステアリング軸1aについての運動方
程式は(数26)に示される。ピニオン軸7〜ラック8
〜操舵輪FW1、FW2についての運動方程式は(数2
7)に示される。また、定常状態では、可変ギヤ比アク
チュエータ4は(数28)の条件を満たしている。
【0114】
【数26】T^−TVGRS=Ihθh ・・+Chθh
【0115】
【数27】 TVGRS+TEMPS=Ipθp ・・+Cpθp +Kpθp
【0116】
【数28】Kvθh−θp=0 (数26)のラプラス変換式は(数29)に示される。
(数27)のラプラス変換式は(数30)に示される。
(数29)および(数30)を(数28)に代入するこ
とにより、トルクTVGRSは、(数31)によって与えら
れる。
【0117】
【数29】θh=(T^−TVGRS)/(Ih2+Chs)
【0118】
【数30】 θp=(TVGRS+TEMPS)/(Ip2+Cps+Kp
【0119】
【数31】TVGRS=H1(s)T^+H2(s)TEMPS ここで、 H1(s)および H2(s)は、(数23)お
よび(数24)に示したとおりである。
【0120】また、パワーアシストアクチュエータ12
において、トルクTEMPSと電流Ia との関係は、(数
32)に示される。
【0121】
【数32】TEMPS=αIa (数32)を(数31)に代入することにより、(数3
3)が得られる。
【0122】
【数33】TVGRS=H1(s)T^+H2(s)αIa 本実施の形態では、(数33)を考慮して、可変ギヤ比
アクチュエータ4の位置制御フィードフォワードトルク
ffを(数22)に示すように定義することとしてい
る。
【0123】このように、ステアリング装置300によ
れば、可変ギヤ比アクチュエータ4のモータ4aは、位
置制御フィードフォワードトルクTffと位置制御フィー
ドバックトルクTfbとに基づいて駆動される。位置制御
フィードフォワードトルクTffは、トルクセンサ3から
出力される操舵トルクT^に依存して決定される。トル
クセンサ3は、ステアリング操舵角の2階微分θ
h ・・(加速度)の応答性を有している。従って、トルク
センサ3の出力(操舵トルクT^)をモータ4aの位置
制御に利用することにより、偏差eの応答性よりも早い
応答性が得られる。これにより、偏差eが小さい操舵初
期においても素早い応答性を実現することができる。
【0124】図11Aは、従来の制御によって出力角θ
pが出力角目標値θp に追従する様子を示す。図11B
は、本発明の制御によって出力角θpが出力角目標値θp
に追従する様子を示す。図11Aでは、偏差e(=θ
p −θp)の発生につれて出力角θpがなだらかに立ち
上がるのに対し、図11Bでは、トルクセンサ3の立ち
上がりに応答して制御入力が発生するため、偏差eが小
さい操舵初期においても出力角θpが素早く立ち上がる
ことが分かる。
【0125】(実施の形態4)以下、本発明の実施の形
態4のステアリング装置400を説明する。ステアリン
グ装置400は、図1に示されるステアリング装置10
0と同一の構成を有している。
【0126】図12は、EMPS/VGRSコントロー
ラ17の構成を示す。図12において、図2に示される
構成要素と同一の構成要素には同一の参照番号を付し、
その説明を省略する。
【0127】EMPS/VGRSコントローラ17によ
って実行される処理のうち、EMPS系統の処理の手順
とVGRS系統の処理の手順とは、図3Aおよび図3B
に示される処理の手順と同一である。従って、ここでは
その説明を省略する。
【0128】図13は、EMPS系統とVGRS系統と
を統合するための処理の手順(ステップS1310〜S
1350)を示す。以下、処理の手順をステップごとに
説明する。
【0129】ステップS1310:このステップは、図
3AのステップS150が実行された後に実行される。
反力増加ロジック部33は、追加のEMPS目標電流D
aを算出する。DIaは、(数34)に従って求められ
る。
【0130】
【数34】 DIa=G(s)(θp -・−θp ) (|θp|>θpe−εpeの場合) DIa=0 (|θp|≦θpe−εpeの場合) ここで、θpは出力角を示す。θp -・はストッパ16a
(または16b)付近においての出力角速度の目標値を
示す。θp は出力角速度を示す。θpeはラック8がスト
ッパ16a(または16b)に衝突する時の最大出力角
(最大転舵角)を示す。θpe>0する。εpeは所定の定
数を示す。εpe>0とする。G(s)はフィードバック
補償器を示す。
【0131】(数34)によれば、最大転舵角の付近以
外の領域では、DIa=0としている。これは、最大転
舵角の付近以外の領域でアシストトルクの不足によりス
テアリングホイール1が重くなることを避けるためであ
る。
【0132】εpeは、例えば、(数35)に示すように
決定され得る。
【0133】
【数35】εpe=max(θp )・max(Tpe) ここで、max(θp )は出力角速度θp の最大値を示
し、max(Tpe)はフィードバック補償器G(s)に
よってθp -・−θp →0と制御されるのに必要な応答時
間Tpeの最大値を示す。
【0134】フィードバック補償器G(s)は、(数3
6)に示されるようにPID制御のパラメータを適切に
とることによって構成され得る。
【0135】
【数36】 DIa= G(s)(θp -・−θp =GP(θp -・−θp )+GI∫(θp -・−θp )dt +G
D(θp -・・−θp ・・) ここで、GPは比例ゲイン、GDは微分ゲイン、GIは積
分ゲインを示す。ここで、出力角速度の目標値θp -・
例えば可変ギヤ比アクチュエータを備えないステアリン
グ装置と同程度の速度とする意味で、θh と等しくなる
ように設定すればよい。また、ラック8がストッパ16
aに衝突する際に過大な衝撃を与えない程度の一定値と
してもよい。
【0136】ステアリングホイール1の切り込み時のみ
にθp -・=θh となるように出力角速度の目標値θp -・
設定してもよい。ステアリングホイール1の戻し時に
は、出力角速度θp を特に制御する必要がないからであ
る。ここで、ステアリングホイール1の切り込み時かス
テアリングホイール1の戻し時かは、出力角速度θp
符号と出力角θpの符号とを比較することにより判別す
ることができる。sign(θp )=sign(θp
であることは、ステアリングホイール1の切り込み時で
あることを示す。sign(θp )≠sign(θp
であることは、ステアリングホイール1の戻し時である
ことを示す。
【0137】ステップS1320:EMPS目標電流算
出部23から出力されるEMPS目標電流Ia と反力
増加ロジック部33から出力される追加のEMPS目標
電流DIaとが加算される。その結果、EMPS目標電
流(更新値)Ia 〜〜が得られる。すなわち、I
a 〜〜は、(数37)に従って求められる。
【0138】
【数37】Ia 〜〜=Ia +DIa ステップS1330:EMPSモータ駆動回路26は、
モータ12aに流れる電流がEMPS目標電流(更新
値)Ia 〜〜に近づくようにモータ12aを駆動する。
【0139】ステップS1340:トルク−電流変換部
20は、トルク指令値ToptをVGRS目標電流IF
変換する。
【0140】ステップS1350:VGRSモータ駆動
回路21は、モータ4aに流れる電流がVGRS目標電
流IF に近づくようにモータ4aを駆動する。
【0141】このように、ステアリング装置400によ
れば、最大転舵角の付近において、EMPS目標電流I
a に電流DIaが加算される。これにより、ラック8が
ストッパ16a(または16b)に近づくにつれて(す
なわち、操舵輪転舵角が最大転舵角に近づくにつれて)
出力角速度θp が減少するようにアシストトルクが減少
する。その結果、ラック8がストッパ16a(または1
6b)に衝突する時の衝撃が緩和される。
【0142】
【発明の効果】本発明のステアリング装置によれば、可
変ギヤ比アクチュエータにてステアリング操舵角に基づ
く操舵輪転舵角制御をするために必要なトルクの少なく
とも一部がパワーアシストアクチュエータによって補償
される。これにより、可変ギヤ比アクチュエータの制御
とパワーアシストアクチュエータの制御とを統合的に共
存させることが可能となる。特に、理想の反力を可変ギ
ヤ比アクチュエータに与えることにより、操舵フィーリ
ングの違和感を解消することができる。さらに、可変ギ
ヤ比アクチュエータのモータに流れる電流が制限される
ことにより可変ギヤ比アクチュエータにてステアリング
操舵角に基づく操舵輪転舵角制御をするために必要なト
ルクが不足する場合でも、その不足分のトルクをパワー
アシストアクチュエータによって補償することが可能と
なる。その結果、電流制限(トルク制限)により可変ギ
ヤ比アクチュエータの追従特性が悪化することを防止す
ることができる。
【0143】また、本発明の他のステアリング装置によ
れば、可変ギヤ比アクチュエータは、トルクセンサの出
力とパワーアシストアクチュエータの目標電流とに基づ
いてフィードフォワード制御される。これにより、偏差
eが小さい操舵初期においても素早い応答性を実現する
ことができる。
【0144】また、本発明の他のステアリング装置によ
れば、パワーアシストアクチュエータは、操舵輪転舵角
が最大転舵角に近づくにつれてアシスト力が減少するよ
うに制御される。これにより、ラックがストッパに衝突
する時の衝撃が緩和される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のステアリング装置10
0の構成を示す図である。
【図2】実施の形態1におけるEMPS/VGRSコン
トローラ17の構成を示す図である。
【図3A】EMPS/VGRSコントローラ17によっ
て実行される処理のうちVGRS系統の処理の手順を示
す制御フロー図である。
【図3B】EMPS/VGRSコントローラ17によっ
て実行される処理のうちEMPS系統の処理の手順を示
す制御フロー図である。
【図3C】EMPS系統とVGRS系統とを統合するた
めの処理の手順を示す制御フロー図である。
【図4】伝達関数W(s)の周波数とゲインとの関係を
示す図である。
【図5】補償器19の構成を示す図である。
【図6】実施の形態2におけるEMPS/VGRSコン
トローラ17の構成を示す図である。
【図7】EMPS系統とVGRS系統とを統合するため
の処理の手順を示す制御フロー図である。
【図8】実施の形態3におけるEMPS/VGRSコン
トローラ17の構成を示す図である。
【図9】EMPS系統とVGRS系統とを統合するため
の処理の手順を示す制御フロー図である。
【図10】ステアリング系のバネ−マス−ダンパモデル
を示す図である。
【図11A】従来の制御によって出力角θpが出力角目
標値θp に追従する様子を示す図である。
【図11B】本発明の制御によって出力角θpが出力角
目標値θp に追従する様子を示す図である。
【図12】実施の形態4におけるEMPS/VGRSコ
ントローラ17の構成を示す図である。
【図13】EMPS系統とVGRS系統とを統合するた
めの処理の手順を示す制御フロー図である。
【符号の説明】
1 ステアリングホイール 2 入力角センサ 3 トルクセンサ 4 可変ギヤ比アクチュエータ 4a VGRSモータ 5 出力角センサ 6 ギヤ 7 ピニオン軸 8 ラック 9a、9b タイロッド 10 操舵輪転舵機構 12 パワーアシストアクチュエータ 12a EMPSモータ 12b ギヤ 13 車速センサ 16a、16b ストッパ 17 EMPS/VGRSコントローラ 100 ステアリング装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B62D 125:00 137:00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリング操舵角に対する操舵輪転舵
    角を可変とする可変ギヤ比アクチュエータと、ステアリ
    ング装置に操舵補助力を付与するパワーアシストアクチ
    ュエータとを有するステアリング装置であって、 該可変ギヤ比アクチュエータにてステアリング操舵角に
    基づく操舵輪転舵角制御をするために必要なトルクの少
    なくとも一部が該パワーアシストアクチュエータによっ
    て補償される、ステアリング装置。
  2. 【請求項2】 ステアリング操舵角に対する操舵輪転舵
    角を可変とする可変ギヤ比アクチュエータと、ステアリ
    ング装置に操舵補助力を付与するパワーアシストアクチ
    ュエータとを有するステアリング装置であって、 該可変ギヤ比アクチュエータにてステアリング操舵角に
    基づく操舵輪転舵角制御をするために必要なトルクと、
    該可変ギヤ比アクチュエータの規定トルクとの差分が該
    パワーアシストアクチュエータによって補償される、ス
    テアリング装置。
  3. 【請求項3】 ステアリング操舵角に対する操舵輪転舵
    角を可変とする可変ギヤ比アクチュエータと、ステアリ
    ング装置に操舵補助力を付与するパワーアシストアクチ
    ュエータとを有するステアリング装置であって、 該可変ギヤ比アクチュエータは、トルクセンサの出力と
    該パワーアシストアクチュエータの目標電流とに基づい
    てフィードフォワード制御される、ステアリング装置。
  4. 【請求項4】 ステアリング操舵角に対する操舵輪転舵
    角を可変とする可変ギヤ比アクチュエータと、ステアリ
    ング装置に操舵補助力を付与するパワーアシストアクチ
    ュエータとを有するステアリング装置であって、 該パワーアシストアクチュエータは、操舵輪転舵角が最
    大転舵角に近づくにつれてアシスト力が減少するように
    制御される、ステアリング装置。
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