JPH1178928A - 動力舵取装置 - Google Patents

動力舵取装置

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Publication number
JPH1178928A
JPH1178928A JP23734997A JP23734997A JPH1178928A JP H1178928 A JPH1178928 A JP H1178928A JP 23734997 A JP23734997 A JP 23734997A JP 23734997 A JP23734997 A JP 23734997A JP H1178928 A JPH1178928 A JP H1178928A
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JP
Japan
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input shaft
power steering
groove
torque
rolling element
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Pending
Application number
JP23734997A
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English (en)
Inventor
Mitsugi Kikuchi
貢 菊地
Yoshikazu Kameda
佳数 亀田
Masaki Nakaoka
正樹 中岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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Publication of JPH1178928A publication Critical patent/JPH1178928A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D5/00Power-assisted or power-driven steering
    • B62D5/06Power-assisted or power-driven steering fluid, i.e. using a pressurised fluid for most or all the force required for steering a vehicle
    • B62D5/08Power-assisted or power-driven steering fluid, i.e. using a pressurised fluid for most or all the force required for steering a vehicle characterised by type of steering valve used
    • B62D5/083Rotary valves
    • B62D5/0835Rotary valves characterised by means for actively influencing the deflection angle of the valve, e.g. depending on driving parameters

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Transportation (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Power Steering Mechanism (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】転動体と付勢手段を用いて入力軸と出力軸との
間にプリセット荷重を発生させる構成とされた動力舵取
装置に関し、異音の発生を防止する。 【解決手段】ステアリングの中立状態において入力軸78
と出力軸52との間にプリセット荷重を付加する操舵力付
与機構を設けた動力舵取装置において、この操舵力付与
機構を、入力軸側に設けられると共にV溝99が形成され
たV溝部材98と、出力軸側に設けられると共にV溝91が
形成された埋栓リング90と、各V溝91,99間に介装され
るボール100 と、埋栓リング90またはV溝部材98の少な
くとも一方を軸方向に付勢することによりテーパコロ10
0 の転動を規制して入力軸78と出力軸52との間にプリセ
ット荷重を発生させるベローズスプリング106 とにより
構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は動力舵取装置に係
り、特に転動体と付勢手段を用いて入力軸と出力軸との
間にプリセット荷重を発生させる構成とされた動力舵取
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開平8−29525
4号公報に開示される如く、自動車用パワーステアリン
グ装置用の動力舵取装置が知られている。前記従来の動
力舵取装置は、ハウジング内にステアリングホイルに連
結される入力軸、および、ピニオンギヤと一体に回転す
る出力軸を備えている。
【0003】前記従来の装置において、入力軸と出力軸
とは、トーションバーと、複数のボールとを介して連結
されている。トーションバーは、捩れ方向に所定の剛性
を有する部材であり、その上端部および下端部が、それ
ぞれ入力軸および出力軸に固定されている。複数のボー
ルは、入力軸側に固定される第1ボール継手と出力軸側
に固定される第2ボール継手との間に配設されている。
第1ボール継手は、バネ部材を介して入力軸に固定され
ている。一方、上述した第2ボール継手は、出力軸に対
して直接固定されている。バネ部材は、入力軸を取り巻
くように配設されており、その捩れ方向および伸縮方向
に、それぞれ所定の捩れ剛性および伸縮剛性を備えてい
る。複数のボールは、バネ部材の伸縮剛性に応じた力で
第1ボール継手と第2ボール継手との間に挟持されてい
る。
【0004】これら複数のボールは、第1ボール継手お
よび第2ボール継手の双方に係止されており、第1ボー
ル継手から第2ボール継手に対して、所定の折れ点トル
クを最大値として回転トルクを伝達する。所定の折れ点
トルクは、バネ部材の伸縮剛性によって決定される値で
あり、その値が大きいほど、大きな値となる。即ち、前
記従来の装置において、第1ボール継手と第2ボール継
手との間に作用する捩れ方向トルクが折れ点トルクに比
して小さい間は、第1ボール継手と第2ボール継手とが
相対的に回転することなく、ボールを介してそのトルク
が第1ボール継手から第2ボール継手に伝達される。
【0005】そして、第1ボール継手と第2ボール継手
との間に作用する捩れ方向トルクが折れ点トルクを超え
ると、ボールを介して伝達されるトルクが、ほぼ折れ点
トルクに維持されたまま、第1ボール継手と第2ボール
継手とに相対的な回転が生ずる。前記従来の装置におい
て、第1ボール継手と第2ボール継手とに相対回転角が
生じていない場合は、入力軸と第1ボール継手との相対
回転角が、入力軸と出力軸との相対回転角となる。以
下、入力軸と出力軸との相対回転角を、特に作動角と称
す。入力軸と第1ボール継手との相対回転角は、バネ部
材に生じている捩れ角と等しい。
【0006】従って、入力軸に入力される操舵力が比較
的小さく、第1ボール継手と第2ボール継手との間に作
用する捩れ方向トルクが折れ点トルクに満たない場合
は、バネ部材に生じている捩れ角が入力軸と出力軸の作
動角となる。以下、第1ボール継手と第2ボール継手と
の間に、折れ点トルクに等しいトルクを作用させる操舵
力を、折れ点操舵力と称す。
【0007】バネ部材には、バネ部材の捩れ剛性と、バ
ネ部材に作用する捩れ方向トルクの大きさとに応じた捩
れ角が発生する。従って、従来の装置の入力軸に、折れ
点操舵力に満たない操舵力が入力されている間は、入力
軸と出力軸との間に、バネ部材の捩れ剛性と操舵力の大
きさとに応じた作動角が発生する。このため、従来の装
置の構造によれば、操舵力が折れ点操舵力に満たない領
域において、操舵力と作動角との間に、バネ部材の捩れ
剛性に応じた関係を形成することができる。尚、以下の
記載においては、操舵力と作動角との間に形成される関
係を、操舵力−作動角関係と称す。
【0008】入力軸に対して折れ点操舵力を超える操舵
力が入力され、第1ボール継手と第2ボール継手との間
に折れ点トルクを超えるトルクが作用すると、ボールに
よる拘束が解除されて第1ボール継手と第2ボール継手
との間に相対回転角が発生する。この際、ボールを介し
て伝達されるトルクは、上述の如く、ほぼ折れ点トルク
のまま維持される。
【0009】ボールを介して伝達されるトルク、即ち、
バネ部材に作用する捩れトルクがほぼ折れ点トルクに維
持されると、バネ部材に生ずる捩れ角が、折れ点トルク
に対する捩れ角に維持される。以下、この捩れ角を最大
捩れ角と称す。従って、入力軸に入力される折れ点操舵
力を超える領域では、バネ部材の捩れ角がほぼ最大捩れ
角に維持される。
【0010】即ち、前記従来の装置は、入力軸に入力さ
れる操舵力が折れ点操舵力を超えると、以後、第1ボー
ル継手と第2ボール継手との相対回転角を増加させるこ
とで入力軸と出力軸の作動角を増加させる。このような
領域では、入力軸と出力軸の作動角の増加に伴って、ト
ーションバーの捩れ角が増加する。従って、かかる領域
では、バネ部材を介して伝達されるトルクがほぼ一定値
に維持されたまま、トーションバーを介して伝達される
トルクが増加することで、入力軸から出力軸に伝達され
るトルクの総和が増加される。
【0011】このように、入力軸から出力軸に伝達され
るトルクが、ほぼトーションバーを介して伝達されるト
ルクの変化のみに応じて変化する領域では、操舵力の増
加量と作動角の増加量との割合が、トーションバーの捩
れ剛性に応じた値となる。従って、前記従来の装置によ
れば、操舵力が折れ点操舵力を超える領域において、操
舵力−作動角関係を、トーションバーの捩れ剛性に応じ
た関係とすることができる。
【0012】前記従来の装置において、操舵力−作動角
関係は、その操舵力が折れ点操舵力に達する前後で変化
する。前記従来の装置において、この折れ点操舵力は、
バネ部材の伸縮剛性によって決定される。従って、前記
従来の装置によれば、バネ部材の捩れ剛性、バネ部
材の伸縮剛性、および、トーションバーの捩れ剛性を
それぞれ適当な値に設定することで、所望の操舵力−作
動角関係を実現することができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年の車両
部品の共用化の要望に伴い、動力舵取装置も異なる車種
において共用することが望まれている。しかるに、前記
のように動力舵取装置の調整により操舵力−作動角特性
(ステアリング特性)は変化し、また車種により要求さ
れる操舵力−作動角特性は異なる。
【0014】具体的には、スポーティタイプの車両で
は、ステアリングの応答性の向上等を図るために折れ点
トルクが高いことが要求される。また、セダンタイプの
車両では、ステアリングの応答性よりも室内の静粛性が
要求され、よって路面の凹凸に起因した外力がステアリ
ングへ伝達されないよう、スポーティタイプに比べて折
れ点トルクを低く設定する必要がある。
【0015】このように、車種により要求される操舵力
−作動角特性は異なるため、異種車両間で動力舵取装置
の共用化を行なおうとした場合、車種に応じて動力舵取
装置の調整処理を行なうことが必要となる。前記したよ
うに、従来装置では操舵力−作動角特性を調整しようと
した場合、バネ部材の捩れ剛性の変更、或いはバネ
部材の伸縮剛性を変更(即ち、バネ部材の収縮量の調
整)することが一般的であった。
【0016】しかるに、上記した及びの調整方法で
は、バネ部材自体を車種に応じて変更しなければなら
ず、異なる捩れ剛性,異なる伸縮剛性を有するバネ部材
を多数種類製造する必要がある。よって、この方法で
は、バネ部材の製造が面倒となり、また製品コストが上
昇してしまうという問題点があった。また、バネ部材の
伸縮剛性を調整する方法としては、バネ部材の長さを調
整することが考えられる。しかるに、車載部品の軽量小
型化の要求により、動力舵取装置も軽量小型化が望まれ
ており、従ってバネ部材の配設スペースも必要最小限の
スペースとされている。従って、操舵力−作動角特性を
調整するために、種々の配設スペースを有した動力舵取
装置を製造することは、前記した部品共用化に反すると
共に軽量小型化の要求にも反することとなるという問題
点があった。
【0017】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、バネ部材(付勢部材)に変更を加えることなく、
操舵力−作動角特性の調整を行いうる動力舵取装置を提
供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明では、次の各手段を講じたことを特徴とするも
のである。請求項1記載の発明では、入力軸と出力軸と
の相対変位によりパワーシリンダーに供給されるパワー
ステアリングフルードの液圧を給排制御する制御弁を備
えると共に、前記入力軸と出力軸との間にプリセット荷
重を付加する操舵力付与機構を設けた動力舵取装置にお
いて、前記操舵力付与機構を、前記入力軸側に設けられ
ると共に第1の溝部が形成された第1の溝部材と、前記
出力軸側に設けられると共に第2の溝部が形成された第
2の溝部材と、前記第1の溝部と第2の溝部との間に介
装される転動体と、捩れ方向に対し所望の捩じり剛性を
有し、かつ前記第1または第2の溝部材の少なくとも一
方を軸方向に付勢することにより前記転動体の転動を規
制し、これにより前記入力軸と出力軸との間にプリセッ
ト荷重を発生させる付勢部材とを有した構成とし、か
つ、前記付勢部材の内部に前記パワーステアリングフル
ードが導入される圧力室を形成すると共に該圧力室内外
を連通する絞りを形成し、導入される前記パワーステア
リングフルードにより前記圧力室内に内圧を発生させる
構成としたことを特徴とするものである。
【0019】また、請求項2記載の発明では、前記請求
項1記載の動力舵取装置において、前記操舵力付与機構
に、前記圧力室内の内圧が所定値以上となった時に開弁
し、前記パワーステアリングフルードをリリーフポート
を介して前記圧力室外に逃がすリリーフ弁を設けたこと
を特徴とするものである。
【0020】また、請求項3記載の発明では、前記請求
項1または2記載の動力舵取装置において、前記操舵力
付与機構に、前記絞りの開度を調整する絞り開度調整機
構を設けたことを特徴とするものである。
【0021】また、請求項4記載の発明では、前記請求
項3記載の動力舵取装置において、前記絞り開度調整機
構を、前記圧力室に複数個形成された絞りと、前記入力
軸に対して回転可能に配設されると共に、前記絞りと対
向可能な位置に形成された開口部を有した調整プレート
とにより構成し、前記調整プレートを回転することによ
り前記開口部を移動させ、前記複数個の絞りを選択的に
開口させる構成としたことを特徴とするものである。
【0022】また、請求項5記載の発明では、入力軸と
出力軸との相対変位によりパワーシリンダーに供給され
るパワーステアリングフルードの液圧を給排制御する制
御弁を備えると共に、前記入力軸と出力軸との間にプリ
セット荷重を付加する操舵力付与機構を設けた動力舵取
装置において、前記操舵力付与機構を、前記入力軸側に
設けられると共に第1の溝部が形成された第1の溝部材
と、前記出力軸側に設けられると共に第2の溝部が形成
された第2の溝部材と、前記第1の溝部と第2の溝部と
の間に介装される転動体と、捩れ方向に対し所望の捩じ
り剛性を有し、かつ前記第1または第2の溝部材の少な
くとも一方を軸方向に付勢することにより前記転動体の
転動を規制し、これにより前記入力軸と出力軸との間に
プリセット荷重を発生させる付勢部材とを有した構成と
し、かつ、前記転動体の位置を前記入力軸の径方向に移
動させることにより、前記転動体の保持径を調整する保
持径調整機構を設けたことを特徴とするものである。
【0023】また、請求項6記載の発明では、前記請求
項5記載の動力舵取装置において、前記保持径調整機構
を、前記入力軸に対して回転可能な構成とされており、
前記入力軸の径方向に延在すると共に、前記転動体が内
部に装着される第1の長孔を有する第1のプレートと、
前記入力軸に対して回転可能な構成とされており、前記
第1の長孔の延在方向に対し交差する方向に延在すると
共に、前記転動体が内部に装着される第2の長孔を有す
る第2のプレートとにより構成し、前記第1及び第2の
プレートを相対的に回転させることにより、前記転動体
の保持径を調整する構成としたことを特徴とするもので
ある。
【0024】また、請求項7記載の発明では、入力軸と
出力軸との相対変位によりパワーシリンダーに供給され
るパワーステアリングフルードの液圧を給排制御する制
御弁を備えると共に、前記入力軸と出力軸との間にプリ
セット荷重を付加する操舵力付与機構を設けた動力舵取
装置において、前記操舵力付与機構を、前記入力軸側に
設けられると共に第1の溝部が形成された第1の溝部材
と、前記出力軸側に設けられると共に第2の溝部が形成
された第2の溝部材と、前記第1の溝部と第2の溝部と
の間に介装される転動体と、捩れ方向に対し所望の捩じ
り剛性を有し、かつ前記第1または第2の溝部材の少な
くとも一方を軸方向に付勢することにより前記転動体の
変位を規制し、これにより前記入力軸と出力軸との間に
プリセット荷重を発生させる付勢部材とを有した構成と
し、かつ、前記転動体の変位に対抗する方向に摩擦力を
付与する摩擦付与機構を設けたことを特徴とするもので
ある。
【0025】上記の各手段は、次のように作用する。請
求項1記載の発明によれば、転動体は第1の溝部材に形
成された第1の溝部と第2の溝部材に形成された第2の
溝部との間に保持される。この転動体は、第1の溝部材
と第2の溝部材との間に作用するトルクが十分に小さい
間は、第1の溝部と第2の溝部によって安定に保持され
る。この場合、第1の溝部材と第2の溝部材との相対回
転は、転動体によって禁止される。
【0026】転動体による相対回転の禁止は、第1の溝
部材と第2の溝部材との間に作用するトルクが所定値
(以下、折れ点トルクと称す)を超えることにより解除
される。この折れ点トルクは、付勢部材が相対的に第1
の溝部材を第2の溝部材側に付勢する付勢力(この付勢
力をプリセット荷重という)に応じて、即ち付勢部材が
伸縮方向に示す剛性によって決定される。
【0027】従って、操舵トルクが折れ点トルクより小
さな領域(即ち、ステアリングが中立位置及びその近傍
位置にある時)においては、第1の溝部と第2の溝部と
の間に介装された転動体により第1の溝部材と第2の溝
部材との相対回転は禁止されることにより、いわゆるス
テアリングの中立剛性を高めることができる。これによ
り、直線走行時における高いステアリング剛性を実現す
ることができる。
【0028】また、付勢部材の内部にパワーステアリン
グフルードが導入される圧力室を形成することにより、
圧力室内に内圧を発生させることができる。この内圧は
第1の溝部材を第2の溝部材に向け押圧する力(プリセ
ット荷重)として作用し、よってプリセット荷重は付勢
部材による付勢力と圧力室内の内圧との合力となる。ま
た、圧力室には絞りが形成されており、この絞りを調整
することにより圧力室内に発生する内圧の大きさを調整
することができる。これにより、付勢部材に変更を加え
ることなくプリセット荷重を調整することが可能とな
り、よって付勢部材の規定空間内においてプリセット荷
重の調整を行なうことができる。
【0029】また、請求項2記載の発明によれば、前記
操舵力付与機構に、圧力室内の内圧が所定値以上となっ
た時に開弁してパワーステアリングフルードをリリーフ
ポートを介して圧力室外に逃がすリリーフ弁を設けたこ
とにより、圧力室内の内圧が前記所定値以上に昇圧する
ことを抑制することができる。これにより、付勢部材に
過負荷が印加されることを防止することができる。
【0030】また、請求項3記載の発明によれば、前記
操舵力付与機構に、絞りの開度を調整する絞り開度調整
機構を設けたことにより、プリセット荷重の調整を容易
に行なうことができる。また、請求項4記載の発明によ
れば、絞り開度調整機構を、圧力室に複数個形成された
絞りと、この絞りと対向する開口部を有した調整プレー
トとにより構成したことにより、単に調整プレートを入
力軸に対して回転させ開口部を移動させることにより、
複数個の絞りを選択的に開口させることができる。
【0031】ここで、複数の絞りの内、開口部と対向し
た状態のものは絞りとして機能するが、プレート部分と
対向しているものは調整プレートに塞がれることにより
絞りとして機能しない。また、開口部と対向した絞りの
数が多いほど、換言すれば機能する絞りの数が多いほ
ど、圧力室の内圧は低下してプリセット荷重も低くな
る。よって、単に調整プレートを回転させるのみで、プ
リセット荷重の調整を行なうことが可能となり、調整作
業を容易に行なうことができる。
【0032】また、請求項5記載の発明によれば、保持
径調整機構を設け、転動体の位置を入力軸の径方向に移
動させて保持径を調整する構成とすることにより、プリ
セットトルクの調整を行なうことが可能となる。以下、
プリセットトルクの定義、及びプリセットトルクの調整
を行なうことができる理由について説明する。
【0033】転動体を入力軸の径方向に移動させること
により、入力軸中心から転動体までの距離(この距離を
保持径という)が変化する。いま、転動体を第1及び第
2の溝部材に形成された第1及び第2の溝部から離脱さ
せるのに必要とされるトルク(折れ点トルク)をプリセ
ットトルクと称することとすると、このプリセットトル
クは付勢手段の軸方向荷重(即ち、転動体を溝部に押し
付ける荷重)と保持径により決定されることとなる。具
体的には、プリセットトルクをTP , 保持径をR,プリ
セット荷重をFとすると、プリセットトルクTP は、 TP =R×F …(1) と表すことができる。
【0034】上記した各請求項に係る発明では、転動体
の保持径Rが一定であることを前提としていたため、プ
リセット荷重Fを変化させることにより、プリセットト
ルクTP を可変し、これにより操舵力−作動角特性を調
整する構成とされていた。これに対し、本請求項に係る
発明では、プリセット荷重Fを一定とし、保持径Rを変
化させることにより、プリセットトルクTP を可変し、
これにより操舵力−作動角特性を調整することを特徴と
するものである。
【0035】従って、上記の(1)式により、プリセッ
ト荷重Fを一定とした場合、保持径Rを大きく設定する
とプリセットトルクTP は増大し、逆に保持径Rを小さ
く設定するとプリセットトルクTP は減少する。よっ
て、保持径調整機構により、転動体の位置を入力軸の径
方向に移動させて保持径を調整する構成とすることによ
り、プリセットトルクTP の調整を行なうことが可能と
なる。
【0036】また、請求項6記載の発明によれば、前記
保持径調整機構を、それぞれ入力軸に対して回転可能な
第1及び第2のプレートにより構成し、第1のプレート
を入力軸の径方向に延在する第1の長孔を有する構成と
し、第2のプレートを前記第1の長孔の延在方向に対し
交差する方向に延在する第2の長孔を有する構成とする
ことにより、第1及び第2のプレートを同軸的に重ね合
わせることにより、第1及び第2の長孔が交差する位置
に各プレートを貫通する孔が発生する。転動体は、この
各長孔の交差位置に形成される孔内に配設される。
【0037】また、第1及び第2のプレートを相対的に
回転させることにより、第1及び第2の長孔は変位し、
これに伴い各長孔の交差位置に形成される孔は、入力軸
の径方向に変位する。従って、第1及び第2のプレート
を相対的に回転させることにより、孔内に配設された転
動体も入力軸の径方向に変位し、転動体の入力軸からの
距離である保持径を調整することができる。
【0038】これにより、請求項5に係る発明の作用で
説明したように、前記した(1)式に基づきプリセット
トルクTP は可変され、操舵力−作動角特性を調整する
ことができる。また、単に第1及び第2のプレートを相
対的に回転させるだけの簡単な操作により、操舵力−作
動角特性を調整することができる。更に、請求項7記載
の発明によれば、転動体の変位に対抗する方向に摩擦力
を付与する摩擦付与機構を設けたことにより、この摩擦
力は転動体が各溝部から離脱するのを妨げる力として作
用し、よってプリセットトルクを増大させることができ
る。いま、転動体の変位に対抗する方向に摩擦力をf,
プリセットトルクをTP , 保持径をR,プリセット荷重
をF,入力軸の中心位置から摩擦力が作用する位置まで
の距離をrとすると、プリセットトルクTP は、 TP =R×F+r×f …(2) と表すことができる。よって、(2)式から明らかなよ
うに、摩擦付与機構を設けることにより、プリセットト
ルクTP を増大させることができる。また、付与する摩
擦力を可変することにより、プリセットトルクTP の調
整を行なうことができる。
【0039】
【発明の実施の形態】続いて、本発明の実施の形態につ
いて図面と共に説明する。図1は、本発明の第1実施例
である動力舵取装置のシステム構成図を示す。本実施例
の動力舵取装置は、コントロールバルブ20を備えてい
る。コントロールバルブ20はハウジング22を備えて
いる。ハウジング22には、第1制御圧孔24、第2制
御圧孔26、液圧導入孔28、及び液圧開放孔30が形
成されている。
【0040】また、動力舵取装置は、パワーシリンダ3
2を備えている。パワーシリンダ32は、その内部にピ
ストン34を備えている。ピストン34には、リレーロ
ッド36が固定されている。ピストン34は、パワーシ
リンダ32の内部空間を第1液圧室38と第2液圧室4
0とに画成している。パワーシリンダ32は、第1液圧
室38に開口する第1液圧導入孔42、及び、第2液圧
室40に開口する第2液圧導入孔44を備えている。第
1液圧導入孔42は図示しない液圧通路を介してコント
ロールバルブ20の第1制御圧孔24に連通している。
また、第2液圧導入孔44は図示しない液圧通路を介し
てコントロールバルブ20の第2制御圧穴26に連通し
ている。
【0041】更に、動力舵取装置は、パワーステアリン
グオイルポンプ46及びリザーバタンク48を備えてい
る。リザーバタンク48にはパワーステアリングフルー
ド51(図中、梨地で示す)が貯留されている。パワー
ステアリングオイルポンプ46は、車両の運転中に、リ
ザーバタンク48から汲み上げたパワーステアリングフ
ルード51を、その吐出口50から圧送する。パワース
テアリングオイルポンプ46の吐出口50は、コントロ
ールバルブ20の液圧導入孔28に連通している。ま
た、リザーバタンク48はコントロールバルブ20の液
圧開放孔30に連通している。
【0042】コントロールバルブ20は、ハウジング2
2の内部に出力軸52を備えている。この出力軸52
は、その下端部の周囲に配設されるニードルベアリング
54、及び、その上端部の周囲に配設されるベアリング
56によって、ハウジング22の内部に回動可能に保持
されている。ベアリング56のインナレースは、ナット
57により、出力軸52の外周に固定されている。ま
た、ハウジング22の内部には、出力軸52の周囲を取
り巻くオイルシール58が配設されている。オイルシー
ル58はその上方側から下方側へ向けてパワーステアリ
ングフルード51が漏出するのを防止する。
【0043】出力軸52の、オイルシール58より上方
に位置する部位には、バルブボディ60が形成されてい
る。バルブボディ60は円筒状に成形された部材であ
り、その外周面に3つの環状溝61、62、63を備え
ている。環状溝61は、第1制御圧孔24に連通する位
置に、即ち、パワーシリンダ32の第1液圧導入孔42
に連通する位置に形成されている。環状溝62は、液圧
導入孔28に連通する位置に、即ち、パワーステアリン
グポンプ46の吐出孔50に連通する位置に形成されて
いる。また、環状溝63は、第2制御圧孔26に連通す
る位置に、即ち、パワーシリンダ32の第2液圧導入孔
44に連通する位置に形成されている。
【0044】環状溝61、62、63は、それぞれ、貫
通孔64、65、66を介して、バルブボディ60の内
周側に連通している。バルブボディ60の外周面の、環
状溝61より上側の部位、環状溝61と62との間の部
位、環状溝62と63との間の部位、及び、環状溝63
より下側の部位には、それぞれシールリング67が装着
されている。
【0045】出力軸52の、オイルシール58より下方
に位置する部位には、ピニオンギヤ68が形成されてい
る。ピニオンギヤ68は、その周囲に、螺旋状のギヤ歯
を備えている。ハウジング22は、ピニオンギヤ68と
係合するギヤ歯を有するラック70を把持している。ま
た、ハウジング22には、ラックガイド72、スプリン
グ74、及び、ストッパ76が組み付けられている。ラ
ック70は、ラックガイド72を介して伝達されるスプ
リング74の付勢力により、ピニオンギヤ68側へ付勢
されている。
【0046】ラック70は、図1の紙面に対してほぼ垂
直な方向を長手方向とする部材である。パワーシリンダ
32のリレーロッド36は、ラック70と直列に連結さ
れている。従って、ラック70には、ピニオンギヤ68
を介して入力される操舵力と、パワーシリンダ32によ
って発生されるアシスト圧との双方が伝達される。ラッ
ク70は左右の操舵輪に連結されている。従って、左右
の操舵輪には、操舵力とアシスト圧との双方が伝達され
る。
【0047】バルブボディ60の内周側には、入力軸
(バルブシャフト)78が配設されている。入力軸78
は円筒状の部材であり、その上端は図示しないステアリ
ングホイールに連結されている。入力軸78の外周面に
は8本のポート溝80が周方向に等間隔で設けられてい
る。上述の如く、環状溝61、62、63はそれぞれ貫
通孔64、65、66を介してバルブボディの内周面所
定の位置に開口している。ポート溝80は図1における
上下方向に延在しており、そのうちの互いに隣接しない
4本が貫通孔65に対向している。
【0048】また、入力軸78には、貫通孔65と対向
するポート溝80とは異なり、かつ互いに隣接しない4
本のポート溝80を、入力軸78の内周側へ連通するポ
ート孔82が設けられている。更に、入力軸78には、
その内周側と外周側とを連通する貫通孔84が形成され
ている。本実施例では、貫通孔84は後述するスプリン
グアッセンブリ96Aのベローズスプリング106の内
部に開口するよう構成されている(これについては、後
に詳述する)。
【0049】入力軸78の、ポート溝80より上側及び
下側には、それぞれ、ニードルベアリング86及び88
が配設されている。バルブボディ60の、ニードルベア
リング86に対向する部位には、埋栓リング90(第2
の溝部材)が圧入固定されている。入力軸78は、ニー
ドルベアリング86によって、及び、埋栓リング90を
介してニードルベアリング88によって、出力軸52に
対して相対的に回転できるように保持されている。
【0050】埋栓リング90は、円筒状に形成された部
材であり、図1中下端部がバルブボディ60の内周に圧
入されることにより、埋栓リング90の下方側から上方
側へ、あるいは、後述するバルブボディ60内周面のポ
ート溝92相互の間で、パワーステアリングフルード5
1が流出するのを防止する機能を有している。また、埋
栓リング90の図1中上端面には、複数(本実施例にお
いては3つ)のV溝91(溝部)が周方向に等ピッチで
形成されている。
【0051】コントロールバルブ20において、出力軸
52のバルブボディ60と、入力軸78とは、両者が相
対的に回転することにより流路の導通状態を変化させる
ロータリーバルブを構成している。図2は、入力軸78
とバルブボディ60とで構成されるロータリバルブの構
造を模式的に示す図である。尚、図2は、入力軸78と
バルブボディ60との間の相対回転角(以下、作動角θ
OPという)がゼロである状態を示している。
【0052】上述の如く、入力軸78は、その外周に等
ピッチで8本のポート溝80を備えていると共に、互い
に隣接しない4本のポート溝80に開口するポート孔8
2を備えている。一方、バルブボディ60は、パワーシ
リンダ32の第1液圧室38に連通する環状溝61及び
貫通孔64、パワーステアリングオイルポンプ46に連
通する環状溝62及び貫通孔65、及び、パワーシリン
ダ32の第2液圧室40に連通する環状溝63及び貫通
孔66を備えている。図2に示す如く、貫通孔64、6
5、66はそれぞれ4本ずつ設けられている。
【0053】図2に示す如く、バルブボディ60の内周
面には、8本のポート溝92が等ピッチで形成されてい
る。入力軸78とバルブボディ60とは、両者の作動角
θOPがゼロである場合に、バルブボディ60が備える8
本のポート溝92のそれぞれが、互いに隣接する2本の
ポート溝80の中間部に対向するように組み付けられて
いる。
【0054】パワーステアリングオイルポンプ46に連
通する4本の貫通孔65は、バルブボディ60の内周面
の、ポート溝92が形成されていない部位に開口してい
る。入力軸78とバルブボディ60とは、これらの貫通
孔65と入力軸78が備える貫通孔82とが互いに対向
しないように組付けられている。パワーシリンダ32に
連通する4本の貫通孔64及び4本の貫通孔66は、ポ
ート溝92に開口するように形成されている。また、貫
通孔64と貫通孔66とは、周方向に交互に配列されて
いる。
【0055】上記の構成において、入力軸78の外周面
と、バルブボディ60の内周面とは、貫通孔65と貫
通孔64との間に介在する可変オリフィス、即ちパワー
ステアリングオイルポンプ46とパワーシリンダ32の
第1液圧室38との間に介在する可変オリフィス(以
下、第1増圧オリフィスと称す)、貫通孔65と貫通
孔66との間に介在する可変オリフィス、即ち、パワー
ステアリングオイルポンプ46とパワーシリンダ32の
第2液圧室40との間に介在する可変オリフィス(以
下、第2増圧オリフィスと称す)、貫通孔64とポー
ト孔82との間に介在するオリフィス、即ち、パワーシ
リンダ32の第1液圧室38とリザーバタンク48との
間に介在する可変オリフィス(以下、第1減圧オリフィ
スと称す)、及び、貫通孔66とポート孔82との間
に介在する可変オリフィス、即ち、パワーシリンダ32
の第2液圧室40とリザーバタンク48との間に介在す
る可変オリフィス(以下、第2減圧オリフィスと称す)
を構成している。
【0056】入力軸78とバルブボディ60との相対回
転角度、即ち作動角θOPがゼロである場合は、第1増圧
オリフィスの有効開口面積と第2増圧オリフィスの有効
開口面積とが互いに等しくなり、かつ、第1減圧オリフ
ィスの有効開口面積と第2減圧オリフィスの有効開口面
積とが互いに等しくなる。この場合、パワーステアリン
グオイルポンプ46によって圧送されるパワーステアリ
ングフルード51が、パワーシリンダ32の第1液圧室
38及び第2液圧室40に等しく導かれるため、第1液
圧室38と第2液圧室40とが等圧となる。従って、こ
の場合は、パワーシリンダ32のリレーロッド36にア
シスト圧は作用しない。
【0057】入力軸78に対して、例えば、図2におけ
る反時計回り方向に操舵力が入力されると、入力軸78
とバルブボディ60との間に作動角θOPが生じ、第1増
圧オリフィスの有効開口面積及び第2減圧オリフィスの
有効開口面積が減少し、かつ、第2増圧オリフィスの有
効開口面積及び第1減圧オリフィスの有効開口面積が増
加する。
【0058】この場合、パワーステアリングオイルポン
プ46によって圧送されたパワーステアリングフルード
51がパワーシリンダ32の第2液圧室40に流入し易
く、かつ、第1液圧室38のパワーステアリングフルー
ド51がリザーバタンク48に流出し易い状態が形成さ
れ、第2液圧室40に第1液圧室38に比して高圧の液
圧が発生する。同様に、入力軸78に対して図2におけ
る時計回り方向に操舵力が入力されると、第1液圧室3
8に第2液圧室40に比して高圧の液圧が発生する。
【0059】第1液圧室38と第2液圧室40との間に
液圧差が発生すると、パワーシリンダ32のリレーロッ
ド36には、その液圧差に応じたアシスト圧が作用す
る。また、第1液圧室38と第2液圧室40との間の液
圧差は、入力軸78とバルブボディ60との間の作動角
θOPが大きいほど大きな値となる。従って、コントロー
ルバルブ20によれば、入力軸78とバルブボディ60
との間の作動角θOPが大きいほど、大きなアシスト圧を
発生させることができる。
【0060】再び図1を参照するに、入力軸78の内部
には、所定の捩れ剛性を有するトーションバー94が挿
入されている。トーションバー94は、その上端部にお
いて、ピン95を介して入力軸78に固定されている。
また、トーションバー94は、その下端部において出力
軸52に圧入固定されている。従って、ステアリングホ
イールを介して入力軸78に操舵トルクが付与される
と、トーションバー94に捩れが発生することで、入力
軸78とバルブボディ60との間には、操舵トルクに応
じた作動角θOPが生ずる。
【0061】そして、この作動角に応じた、即ち、操舵
力に応じたアシスト圧が、パワーシリンダ32のリレー
ロッド36に作用する。図6に、作動角θOPとアシスト
圧P ASIST との関係(以下、作動角−アシスト圧関係と
称す)を示す。同図に示す如く、アシスト圧PASIST
作動角θOPがゼロのときにゼロとなり、θOPが大きくな
るにつれて増加する。
【0062】バルブボディ60の外周面の、埋栓リング
90より上側の部位にはスプリングアッセンブリ96が
組み付けられている。スプリングアッセンブリ96の構
成については後述する。ハウジング22の内周面の上端
部には、キャップ110がスプリングアッセンブリ96
を上方から覆うように螺着されている。キャップ110
の上端部と入力軸78との間にはオイルシール112が
介装されている。
【0063】図3は、スプリングアッセンブリ96の拡
大断面図である。同図に示す如く、スプリングアッセン
ブリ96は、V溝部材98(第1の溝部材)を備えてい
る。V溝部材98は円筒状に形成された部材であり、そ
の下端部にフランジ98aを備えている。フランジ98
aの下面には、埋栓リング90のV溝91(図4参照)
と同一ピッチで形成された3つのV溝99が設けられて
いる。スプリングアッセンブリ96は、V溝部材98の
V溝99が、埋栓リング90のV溝91と対向するよう
に組み付けられている。このV溝部材98のV溝99と
埋栓リング90のV溝91との間には、ボール100が
配設されている(図1及び図4参照)。
【0064】V溝部材98のフランジ98aの外周面に
は、スプリング保持部材102が固定されている。スプ
リング保持部材102は環状に形成された部材であり、
V溝部材98のV溝99に対応する部位に、内径側に延
びてボール100の径方向外向きの変位を阻止するボー
ル保持部102aを備えている。スプリング保持部材1
02にはベローズスプリング106が溶接される。かか
る溶接を可能とするため、本実施例においては、スプリ
ング保持部材102を低カーボンの鋼材より構成してい
る。
【0065】一方、V溝部材98はそのV溝99により
ボール100を保持する機能を有している。従って、ボ
ール100との係合によるV溝99の摩耗を抑制するた
め、V溝部材98は高い硬度を有していなければならな
い。そこで、本実施例においては、V溝部材98を、例
えば、焼入れ処理が施された鋼材より構成している。た
だし、V溝部材98とスプリング保持部材102とを低
カーボン材料より一体に構成し、スプリング保持部材1
02に相当する部位に防炭処理を施した後、浸炭焼入れ
処理を施すこととしてもよく、あるいは、V溝部材98
に相当する部位に高周波焼入れ処理を施すこととしても
よい。
【0066】スプリングアッセンブリ96は、また、固
定部材104を備えている。固定部材104は、その上
端部に形成されたフランジ104aと、フランジ104
aより下方に延びるスリーブ104bとを備える部材で
ある。固定部材104と、V溝部材98及びスプリング
保持部材102とは、ベローズスプリング106により
連結されている。また、固定部104のベローズスプリ
ング106との連結位置より内側位置には単数または複
数の絞り120及びリリーフポート122が固定部10
4を貫通して形成されている(この連通孔114につい
ては、後に詳述する)。この絞り120は常に開口され
た構成とされているが、リリーフポート122にはリリ
ーフバルブ124(リリーフ弁)が設けられており、通
常時においてリリーフポート122はリリーフバルブ1
24により閉弁された構成とされている。
【0067】ベローズスプリング106は、本実施例で
はその全体が蛇腹形状とされた弾性変形部とされてお
り、軸方向及び捩れ方向の双方に対して所定の剛性を有
した構成とされている。このベローズスプリング106
の下端部はスプリング保持部材102の上面に溶接さ
れ、また上端部は固定部材104に形成されたフランジ
104aの下面に溶接されている。
【0068】スプリングアッセンブリ96は、固定部材
104のフランジ104aの内周面が、入力軸78の外
周面に形成された圧入部78aに圧入固定されることに
より、入力軸78に対して組み付けられている。スプリ
ングアッセンブリ96が正規の位置に組み付けられた状
態で、ベローズスプリング106には軸方向の収縮変形
が生じている。従って、ボール100は、ベローズスプ
リング106の発する付勢力(以下、この付勢力をプリ
セット荷重という)により、埋栓リング90のV溝91
とV溝部材98のV溝99との間に挟持される。
【0069】図4は、コントロールバルブ20のバルブ
ボディ60と入力軸78との連結部を模式的に示す図で
ある。同図に示す状態は、入力軸78に入力される操舵
力が比較的小さい場合に実現される。上述の如く、ボー
ル100はベローズスプリング106のプリセット荷重
により、埋栓リング90のV溝91とV溝部材98のV
溝99との間に挟持されている。ボール100は、埋栓
リング90とV溝部材98との間に作用するトルクが所
定トルク(以下、この所定トルクをプリセットトルクと
いう)に満たない場合は、埋栓リング90とV溝部材9
8との間に相対回転角が発生するのを阻止する。
【0070】上記プリセットトルクは、埋栓リング90
のV溝91とV溝部材98のV溝99とがボール100
を乗り越えるように相対変位を開始する際のトルクであ
り、ベローズスプリング106のプリセット荷重が大き
いほど大きな値となる。また、後に詳述するように、プ
リセットトルクはボール100の入力軸78の中心位置
からの径方向距離(以下、この距離を保持径という)に
よっても変化する。
【0071】コントロールバルブ20において、入力軸
78にプリセットトルクに満たない操舵トルクが入力さ
れると、この操舵トルクはベローズスプリング106を
介してV溝部材98に伝達される。この際、V溝部材9
8と埋栓リング90との間には相対回転角は発生せず、
入力軸78とバルブボディ60との間に生ずる作動角θ
OPは、ベローズスプリング106の捩れ角θE に等しい
角度となる。ここで、ベローズスプリング106の捩れ
角θE は、ベローズスプリング106の捩れ剛性と、ベ
ローズスプリング106に作用するトルクの大きさに応
じた値となる。また、トーションバー94には作動角θ
OPに等しい捩れ角の捩れ変形が生ずる。
【0072】従って、コントロールバルブ20におい
て、図4に示す状態が形成されている場合は、入力軸7
8とバルブボディ60との間に、ベローズスプリング1
06の捩れ剛性とトーションバー94の捩れ剛性との和
に応じた、操舵トルクと作動角との関係(以下、作動角
−操舵トルク特性と称す)が形成される。図5は、入力
軸78に対してプリセットトルクを越える操舵トルクが
入力された場合の、入力軸78とバルブボディ60との
連結部を模式的に示す図である。入力軸78に対してプ
リセットトルクを越える操舵トルクが入力されると、V
溝部材98のV溝99と埋栓リング90のV溝91と
は、ボール100を乗り越えるように相対回転を開始
し、V溝部材98とシールリング100との間に相対回
転角θR が生ずる。
【0073】この場合、ベローズスプリング106の捩
れ角θE は相対回転角θR の分だけ小さくなる。従っ
て、操舵トルクがプリセットトルクを越えると、操舵ト
ルクの変化に対するベローズスプリング106の捩れ角
θE の変化率は小さく抑制される。図5に示す状態にお
いて、入力軸78とバルブボディ60との間に生ずる作
動角θOPは、相対回転角θR と、ベローズスプリング1
06の捩れ角θE との和に等しい角度となる。従って、
操舵トルクの変化に対するベローズスプリング106の
捩れ角θE の変化率が小さく抑制されることで、図5に
示す状態においては、主に相対回転角θR が増減するこ
とにより作動角θOPが変化する。
【0074】この場合、入力軸78からバルブボディ6
0に伝達されるトルクの変化は主にトーションバー94
の捩れ角の増減により支配される。従って、コントロー
ルバルブ20において、図5に示す状態が形成されてい
る場合は、即ち、入力軸78に対してプリセットトルク
を越える操舵トルクが入力されている場合は、入力軸7
8とバルブボディ60との間には、主にトーションバー
94の捩れ剛性に応じた作動角−操舵トルク関係が形成
される。
【0075】図7は、コントロールバルブ20によって
実現される作動角−操舵トルク特性の例を実線で示す。
上述の如く、コントロールバルブ20の作動角−操舵ト
ルク特性は、操舵トルクがプリセットトルクに満たない
領域ではベローズスプリング106の捩れ剛性とトーシ
ョンバー94の捩れ剛性との和に、また、操舵トルクが
プリセットトルクを越える領域では主にトーションバー
94の捩れ剛性に、それぞれ支配される。
【0076】先に図6を用いて説明したように、コント
ロールバルブ20は作動角θOPに応じたアシスト圧P
ASIST を発生させる。従って、本実施例の動力舵取装置
において、操舵トルクとアシスト圧PASIST との関係
(以下、操舵トルク−アシスト圧関係と称す)は、図7
に示す操舵トルクー作動角特性と、図6に示す作動角ー
アシスト圧特性より、図8に示すものとなる。
【0077】図8に示す如く、操舵トルクが上記プリセ
ットトルクTC よりも小さな領域では、アシスト圧は比
較的小さく抑制される。一方、操舵トルクが上記プリセ
ットトルクTC よりも大きな領域では、比較的大きなア
シスト圧が発生される。従って、本実施例の動力舵取装
置によれば、直進走行時における操舵の安定性が確保さ
れることで、良好な操舵フィーリングを得ることが可能
となっている。このように、本実施例において、スプリ
ングアッセンブリ96、ボール100、及び埋栓リング
90のV溝91は、ステアリング中立位置近傍でプリセ
ット荷重を発生させる中立プリセット機構を構成し、本
発明の操舵力付与機構に相当する。
【0078】ところで、前記したように異なる車種間で
動力舵取装置を共用しようとした場合、プリセット荷重
の変更を行ない作動角−操舵トルク特性を車種に応じた
特性に調整する必要がある。従来では、この作動角−操
舵トルク特性の調整を行なおうとした場合、ベローズス
プリングのバネ定数を変更したり、またバネ定数に応じ
たストロークを付与すること等により行なっていたた
め、種々のバネ定数を有するベローズスプリングを用意
する必要が生じたり、動力舵取装置内におけるベローズ
スプリングの配設スペースが変化してしまい、実際的に
は共用化が困難であった。
【0079】これに対し、本実施例に係る動力舵取装置
は、スプリングアセンブリ96Aを構成する固定部材1
04に絞り120を形成し、この絞り120により作動
角−操舵トルク特性の調整を行なうことを特徴とするも
のである。以下、本実施例における作動角−操舵トルク
特性の調整について説明する。ここで、図9に注目す
る。図9は、本実施例に係る動力舵取装置のスプリング
アセンブリ96A近傍を拡大して示す図である。同図に
示されるように、入力軸78にスプリングアセンブリ9
6Aを取り付けた状態において、キャップ110の内部
にはベローズスプリング106に画成されることによ
り、スプリングアセンブリ96Aの内部に圧力室116
が、またスプリングアセンブリ96Aの外部に外室11
8が形成される。また、入力軸78に形成された貫通孔
84は、圧力室116内に開口するよう形成されてい
る。従って、入力軸78の内部空間をリザーバタンク4
8に向け流れてくるパワーステアリングフルード51
(以下、リターンフルードという)は、貫通孔84を介
して圧力室116内に導入される(このリターンフルー
ドの圧力室116内への流れを図中矢印で示す)。
【0080】また、固定部材104には絞り120が形
成されているため、圧力室116に導入されたリターン
フルードは、この絞り120を通り外室118に流出す
る(リターンフルードの圧力室116から外室118の
流れも図中矢印で示す)。この際、絞り120において
圧力室116から外室118に流出するリターンフルー
ドの流量は制限されるため、よって圧力室116内には
内圧が発生する。この内圧はV溝部材98を埋栓リング
90に向け押圧する力(プリセット荷重)として作用
し、よってボール100に付与されるプリセット荷重F
は、ベローズスプリング106によるバネ力F1 と圧力
室116内の内圧F2 との合力となる(F=F1
2 )。
【0081】また、圧力室116内の内圧F2 は、絞り
120を調整することにより調整することが可能であ
る。具体的には、絞り120の径寸法を大きく設定すれ
ば内圧F2 は低くなり、逆に絞り120の径寸法を小さ
く設定すれば内圧F2 は高くなる。これにより、ベロー
ズスプリング106に変更を加えることなく、即ちベロ
ーズスプリング106のバネ定数を変更したり、またベ
ローズスプリング106のストローク量を変更すること
なく、プリセット荷重Fを調整することが可能となる。
よって、プリセット荷重Fを調整するに際し、従来のよ
うにベローズスプリング106の配設スペースが異なる
ようなことはなくなり、異なる車種間における動力舵取
装置の共用化を容易に行うことができる。
【0082】ここで、プリセット荷重とプリセットトル
クとの関係について説明する。プリセットトルクは、前
記のようにボール100を各V溝91,99から離脱さ
せるのに必要とされるトルクであり、このプリセットト
ルクはベローズスプリング106によるプリセット荷重
(即ち、ボール100を各V溝91,99に押し付ける
荷重)と保持径(即ち、ボール100の入力軸78の中
心位置からの径方向距離)により決定されることとな
る。具体的には、プリセットトルクをTP , 保持径を
R,プリセット荷重をFとすると、プリセットトルクT
P は、 TP =R×F …(1) と表すことができる。
【0083】本実施例に係る動力舵取装置では、ボール
100はスプリング保持部材102により径方向への移
動が規制されているため、保持径R(図9に矢印で示
す)は一定で調整することができない構成となってい
る。よって、プリセット荷重Fを変化させることによ
り、プリセットトルクTP を調整することが可能とな
る。また、前記のようにプリセット荷重Fは、ベローズ
スプリング106によるバネ力F1 と圧力室116内の
内圧F2 との合力(F=F1 +F2 )となるため、上記
の(1)式は、 TP =R×(F1 +F2 ) …(3) と表すことができる。よって、同式よりベローズスプリ
ング106によるバネ力F1 を一定に固定しても、絞り
120を調整し圧力室116内の内圧F2 を可変するこ
とにより、プリセットトルクTP を調整することができ
る。従って、例えば絞り120の径寸法を大きく設定し
た時の操舵トルクー作動角特性が図7に実線で示す特性
であったとすると、絞り120の径寸法を小さく設定し
圧力室116の内圧F2 を高く設定することによりプリ
セットトルクTP は増大し、よって操舵トルクー作動角
特性を図7に破線で示す特性に変更することができる。
このように、本実施例の動力舵取装置によれば、ベロー
ズスプリング106に変更を加えることなく、操舵トル
クー作動角特性を調整することができる。
【0084】一方、動力舵取装置を上記構成とすること
により、圧力室116には常に内圧が印加されることと
なるが、この圧力が必要以上に上昇した場合、ベローズ
スプリング106に過負荷が印加され、またコントロー
ルバルブ20の本来のパワーステアリング動作に影響を
及ぼすことが考えられる。そこで本実施例では、固定部
材104にリリーフポート122及びリリーフバルブ1
24を設けた構成としている。
【0085】このリリーフバルブ124は、圧力室11
6内の内圧が所定値以上となった時に開弁するよう設定
されており、よってリリーフバルブ124が開弁するこ
とにより、圧力室116内のリターンフルードはリリー
フポートを介して外室118に流出する。これにより、
圧力室116内の内圧が所定値以上に昇圧することを抑
制することができ、これによりベローズスプリング10
6に過負荷が印加されることを防止することができると
共に、円滑なパワーステアリング動作を維持させること
ができる。
【0086】ところで、上記の動力舵取装置では、プリ
セット荷重を調整するのに絞り120の径寸法を調整す
る構成とされていため、車種に応じた絞り径寸法を有し
た固定部材104を用意する必要があり、部品の共用化
という面では十分とはいえない。そこで、操舵力付与機
構に絞り120の開度を任意に調整可能とした絞り開度
調整機構を設けることが考えられる。図10は、この絞
り開度調整機構126を設けた動力舵取装置を示してい
る。
【0087】本実施例では、圧力室116に複数個形成
された絞り120と、この絞り120と対向する開口部
130を有した絞り調整プレート128とにより絞り開
度調整機構126を構成している。絞り120は同一径
寸法としても、また異なる径寸法としてもよい。本実施
例では4個の絞り120を固定部材104に形成した構
成とされており、また各絞り120は入力軸78の中心
に対し同心円上に位置するよう形成されている。
【0088】一方、絞り調整プレート128は、中央に
形成されている装着孔134を入力軸78に挿通するこ
とにより入力軸78に回転可能に装着されるものであ
り、固定部材104の上部に設けられた環状のリリーフ
バルブ124の上部に配設される。また、絞り調整プレ
ート128の上部にはスナップリング132が配設され
ており、抜け方向(上方向)への移動が規制された構成
とされている。図11に示されるように、絞り調整プレ
ート128に形成された開口部130は、本実施例では
約180の角度範囲に渡り形成されている。この開口部
130は、絞り調整プレート128の回転(図中、矢印
A1,A2で示す方向の回転)に伴い、複数の絞り12
0に選択的に対向するよう構成されている。
【0089】図11に示す例では、3個の絞り120が
開口部130と対向する位置に絞り調整プレート128
は回転されている。従って、圧力室116内のリターン
フルードは、この3個の絞り120を通り外室118に
流出する。また、残る1個の絞り120aは絞り調整プ
レート128に塞がれており、よってリターンフルード
は絞り120aを通過することができず絞りとして機能
しない。これに対し、絞り調整プレート128を矢印A
2方向に回転して開口部130を図中破線で示す位置ま
で回転させると、4個の絞りは全て開口部130と対向
することとなり、よって絞り開度は増大しプリセット荷
重は小さくなる。逆に、絞り調整プレート128により
塞がれる絞り120の数が多くなるよう開口部130を
移動させることにより、プリセット荷重を大きくするこ
とができる。よって、絞り開度調整機構126を設ける
ことにより、単に絞り調整プレート128を回転させる
のみでプリセット荷重の調整を行なうことが可能とな
り、調整作業を容易に行なうことができる。また、一つ
のスプリングアセンブリ96Bで種々のプリセット荷重
を実現できるため、種々の車種に対する動力舵取装置の
共用化を完全に図ることができる。
【0090】続いて、本発明の第2実施例について説明
する。図12は本発明の第2実施例に係る動力舵取装置
のシステム構成図を示しており、図13は第2実施例に
設けられるスプリングアッセンブリ96B近傍を拡大し
て示しており、更に図14乃至図16は第2実施例に設
けられる保持径調整機構136を示している。尚、図1
2乃至図16において、図1乃至図11に示した構成と
同一構成については、同一符号を付してその説明を省略
する。
【0091】前記したように、プリセットトルクT
P は、 TP =R×F …(1) と表すことができ、このプリセットトルクTP を変化さ
せることにより、操舵トルクー作動角特性を調整するこ
とができる。前記の第1実施例では、ボール100の保
持径R(図9に矢印で示す)が一定で調整不能な構成と
されていたため、プリセット荷重Fを調整可能な構成と
し、これによりプリセットトルクTP を調整する構成と
されていた。
【0092】これに対し、本実施例に係る動力舵取装置
では、保持径調整機構136を設けることによりボール
100の保持径Rを調整可能な構成とし、これによりプ
リセットトルクTP を調整するよう構成したことを特徴
とするものである。尚、(1)式から明白であるが、プ
リセットトルクTP を変化させる方法として、プリセッ
トトルクFと保持径Rを共に調整可能な構成とすること
が考えられる。しかるに、本実施例の説明では、説明の
便宜上、プリセット荷重Fとしてはベローズスプリング
106からの付勢力のみ作用し、第1実施例で説明した
ようなプリセット荷重Fを調整する機構は設けられてい
ない例について説明する。
【0093】保持径調整機構136は、第1調整プレー
ト138と第2調整プレート140とよりなる極めて簡
単な構成とされている。この第1及び第2の調整プレー
ト138,140は重ね合わせて使用されるものであ
り、それぞれ入力軸78に対して回転可能な構成とされ
ている。第1調整プレート138は、図14及び図15
に示されるように環状のプレートであり、その中心部分
には装着孔148が形成されている。また、第1調整プ
レート138には後述する第2の長孔の存在する径方向
に対し直交する方向(図中、矢印X方向)に延在する一
対の第1の長孔142が穿設されている。この第1の長
孔142の幅寸法W1は、ボール100の球径よりも若
干大きく設定されている。また、第1調整プレート13
8の外周所定位置には、後述する保持径の調整処理時に
操作者により操作されるノブ150が設けられている。
【0094】一方、第2調整プレート140は、図14
及び図16に示されるように環状プレートであり、その
中心部分には入力軸78に対し回転可能となる径寸法を
有した装着孔149が形成されている。この装着孔14
9の内周位置には、軸方向に突出した環状のリブ146
が形成されており、前記した第1調整プレート138の
装着孔148はこのリブ146に回転可能な状態で嵌入
し、これにより第1調整プレート138と第2調整プレ
ート140は同軸的に回転可能な構成となる。
【0095】また、第2調整プレート140には径方向
(図中、矢印Y方向)に延在する一対の第2の長孔14
4が穿設されている。この第2の長孔144の幅寸法W
2も、ボール100の球径よりも若干大きく設定されて
いる。更に、第2調整プレート140の外周所定位置に
は、後述する保持径の調整処理時に操作者により操作さ
れるノブ152が設けられている。
【0096】図14は、第1及び第2調整プレート13
8,140を同軸的に重ね合わせ保持径調整機構136
を組み立てた状態を示している。この状態において、第
1の長孔142と第2の長孔144とは交差するよう構
成されている。この交差位置においては、第1及び第2
の長孔142,144が対向するため、各長孔142,
144は協働して第1及び第2調整プレート138,1
40を貫通する孔を形成する。ボール100はこの孔内
に装着されるが、前記のように各長孔142,144の
幅寸法W1,W2はボール100の球径よりも若干大き
く設定されている。このため、ボール100は孔内にお
いて転動可能な構成となっている。上記構成とされた保
持径調整機構136は、図13に示されるように、埋栓
リング90AとV溝部材98との間に介装される。
【0097】尚、本実施例で用いる埋栓リング90A及
びV溝部材98に形成されているV溝91,99は、入
力軸78の径方向(図13に矢印Yで示す方向)に長く
延在するよう構成されている。よって、各V溝91,9
9間に介装されるボール100は、このV溝91,99
の形成範囲にわたり図13に矢印Yで示す方向に移動可
能な構成とされている。
【0098】上記構成とされた保持径調整機構136を
用いて保持径の調整を行うには、ノブ150,152を
操作することにより第1及び第2調整プレート138,
140を相対的に図14に矢印A1,A2方向に回転さ
せる。この各プレート138,140の回転に伴い第1
及び第2の長孔142,144も変位し、これに伴い各
長孔142,144の交差する位置に形成される孔の位
置も入力軸78の径方向に変位する。従って、孔内に配
設されているボール100も入力軸78の径方向に変位
する。
【0099】具体的には、図14に示す状態より、ノブ
152の位置をそのままにして、ノブ150を矢印A1
方向に回転操作すると、第2調整プレート140に対し
て第1調整プレート138は矢印A1方向に回転し、よ
ってボール100は入力軸78の径方向外側に変位す
る。これにより、入力軸78の中心位置とボール100
との距離である保持径(図14に矢印Rで示す)を大き
くすることができる。逆に、ノブ152の位置をそのま
まにしてノブ150を矢印A2方向に回転操作すると、
保持径Rを小さくすることができる。
【0100】従って、上記の(1)式により、プリセッ
ト荷重Fを一定とした場合、保持径Rを大きく設定する
とプリセットトルクTP は増大し、逆に保持径Rを小さ
く設定するとプリセットトルクTP は減少する。このよ
うに、保持径調整機構136によりプリセットトルクT
P の調整が可能となり、よって操舵力−作動角特性の調
整を行うことができる。また、単に第1及び第2調整プ
レート138,140を相対的に回転させるだけの簡単
な操作により、操舵力−作動角特性を調整することがで
き、調整作業を容易に行うことができる。
【0101】続いて、本発明の第3実施例について説明
する。図17は本発明の第3実施例に係る動力舵取装置
のシステム構成図を示しており、図18は第3実施例に
設けられるスプリングアッセンブリ96C近傍を拡大し
て示しており、また図19は第3実施例に設けられる摩
擦付与機構154を拡大して示しており、更に図20は
第3実施例に係る動力操舵装置の操舵力−作動角特性を
示している。尚、図17乃至図20において、図1乃至
図11に示した構成と同一構成については、同一符号を
付してその説明を省略する。
【0102】本実施例に係る動力舵取装置は、ボール1
00の変位に対抗する方向に摩擦力を付与する摩擦付与
機構154を設けたことを特徴とするものである。本実
施例においては、摩擦付与機構154はスプリングアセ
ンブリ97Cを構成するV溝部材98の入力軸78と対
向する部位に配設されている。摩擦付与機構154はテ
フロンリング156とOリング158とにより構成され
ており、このテフロンリング156及びOリング158
はV溝部材98の入力軸78と対向する位置に形成され
た凹部160内に配設されている(図19に詳しい)。
テフロンリング156は可撓性を有しており、入力軸7
8と対峙するよう配設されている。また、このテフロン
リング156は、入力軸78の径方向に変位可能な構成
とされている。また、Oリング158は耐油性ゴムによ
り形成されており、テフロンリング156の配設位置に
対し、凹部160の奥部に配設されている。このOリン
グ158は、テフロンリング156を入力軸78に向け
押圧するバネとして機能する。
【0103】上記のように、Oリング158によりテフ
ロンリング156を入力軸78に向け押圧することによ
り、テフロンリング156と入力軸78との間には摩擦
力が発生する。また、貫通孔84を介して入力軸78の
外部に流出したリターンフルードの一部は、入力軸78
とV溝部材98との間に形成される間隙162を通り凹
部160内に進行し、テフロンリング156を入力軸7
8に押圧する力を発生される。
【0104】このようにして発生するこの摩擦力は、入
力軸78に対するV溝部材98の移動を規制する力とし
て作用し、従ってこの摩擦力はボール100が各V溝9
1,99から離脱するのを妨げる力として作用する。こ
れにより、プリセットトルクを増大させることができ
る。即ち、テフロンリング156と入力軸78との間に
発生する摩擦力(ボール100の変位に対抗する方向に
作用する摩擦力)をf,プリセットトルクをTP , 保持
径をR,プリセット荷重をF,入力軸78の径寸法(入
力軸78の中心から摩擦力が作用する位置までの距離)
をrとすると、プリセットトルクTP は、 TP =R×F+r×f …(4) と表すことができる。よって、(4)式から明らかなよ
うに、摩擦付与機構154を設けることにより、プリセ
ットトルクTP を増大させることができる。また、上記
の摩擦力は、Oリング158を適宜選定しテフロンリン
グ156が入力軸78を押圧する力を可変することによ
り、またテフロンリング156の入力軸78と当接する
部位を粗面化すること等により調整することが可能であ
る。よって、摩擦付与機構154を設けることにより、
ベローズバネ106に変更を加えることなく操舵トルク
−作動角特性を調整することができる。
【0105】また、摩擦付与機構154を設け入力軸7
8とV溝部材98との間に安定した摩擦を付与すること
により、図20に示すように操舵トルク−作動角特性に
一定のヒステリシス幅を持たせることができる。これに
より、高速走行時における手応え管を増大するこどがで
き、操舵フィーリングを向上することができる。また、
コントロールバルブ20まわりに摩擦を付加する構成で
は、路面からの入力が入力軸78に伝わり難くなってし
まうが、本実施例のように入力軸78とV溝部材98と
の間に摩擦を付与することにより、ピニオンギヤ68の
動きが入力軸78に伝わり易くなるため、操舵にダイレ
クト感を与えることもできる。更に、摩擦付与機構15
4が発生する摩擦力により、パワーステアリング装置の
異音の原因となるコントロールバルブ20の自励振動も
抑えることができ、室内の静粛性を向上することもでき
る。
【0106】尚、上記各実施例においては、バルブボデ
ィ60側のV溝として、埋栓リング90にV溝91を形
成することとしたが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、スプリングアッセンブリ96が組み付けられる
時点で、バルブボディ60側のV溝の位置が固定されて
いれば、他の任意の部材に形成してもよい。例えば、埋
栓リング90とは別体の部材にV溝を形成し、この部材
をバルブボディ60側に固定することとしてもよく、あ
るいは、直接バルブボディ60にV溝を形成してもよ
い。
【0107】また、上記各実施例においては、バルブボ
ディ60側に固定のV溝91を形成し、スプリングアッ
センブリ96を入力軸78側に組み付けることとした
が、本発明はこれに限定されるものではなく、入力軸7
8側に固定のV溝を形成し、スプリングアッセンブリを
バルブボディ側に組み付ける構成としてもよい。この場
合、スプリングアッセンブリが、上記実施例のスプリン
グアッセンブリ96とは上下逆向きに、固定部材がバル
ブボディ60の内周に圧入されるように組み付けられる
構成とすればよい。
【0108】更に、上記各実施例においては、V溝9
1、99の間にボール100を配設することとしたが、
ボールの他、ローラ等の任意の転動体を用いることがで
きる。また、前述の各実施例においては溝部は全てV溝
となっているが、これに限定されることはなく、所定荷
重が発生できる構成であれば、U溝等のようにどのよう
な形状を採用しても良い。
【0109】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、次に述べる
種々の効果を実現することができる。請求項1記載の発
明によれば、付勢部材に変更を加えることなくプリセッ
ト荷重を調整することが可能となり、よって付勢部材の
規定空間内においてプリセット荷重の調整を行なうこと
ができる。
【0110】また、請求項2記載の発明によれば、圧力
室内の内圧が前記所定値以上に昇圧することを抑制する
ことができ、よって付勢部材に過負荷が印加されること
を防止することができる。また、請求項3記載の発明に
よれば、プリセット荷重の調整を容易に行なうことがで
きる。
【0111】また、請求項4記載の発明によれば、単に
調整プレートを入力軸に対して回転させ開口部を移動さ
せることにより複数個の絞りを選択的に開口させること
ができ、よって調整作業を容易に行なうことができる。
また、請求項5記載の発明によれば、保持径調整機構に
より転動体の位置を入力軸の径方向に移動させて保持径
を調整することにより、プリセットトルクの調整を行な
うことが可能となり、付勢部材に変更を加えることなく
プリセット荷重を調整することが可能となる。
【0112】また、請求項6記載の発明によれば、単に
第1及び第2のプレートを相対的に回転させるだけの簡
単な操作により、操舵力−作動角特性を調整することが
できる。更に、請求項7記載の発明によれば、摩擦付与
機構を設けることによりプリセットトルクを増大させる
ことができ、また付与する摩擦力を可変することによ
り、プリセットトルクの調整を行なうことができる。よ
って、付勢部材に変更を加えることなくプリセットトル
クを調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である動力舵取装置の構成
図である。
【図2】第1実施例の動力舵取装置のコントロールバル
ブの構成を模式的に示す図である。
【図3】第1実施例のスプリングアセンブリを拡大して
示す断面図である。
【図4】第1実施例の動力舵取装置が備えるバルブボデ
ィとバルブシャフトとの連結部の、V溝部材とシールリ
ングとの間に相対回転が生じていない状態を模式的に示
す図である。
【図5】第1実施例の動力舵取装置が備えるバルブボデ
ィとバルブシャフトとの連結部の、V溝部材とシールリ
ングとの間に相対回転が生じた状態を模式的に示す図で
ある。
【図6】第1実施例の動力舵取装置のアシスト圧−作動
角関係を示す図である。
【図7】第1実施例の動力舵取装置の作動角−操舵トル
ク関係を示す図である。
【図8】第1実施例の動力舵取装置の操舵トルク−アシ
スト圧関係を示す図である。
【図9】第1実施例に設けられるスプリングアセンブリ
近傍を拡大して示す断面図である。
【図10】絞り開度調整機構を設けたスプリングアセン
ブリの構成を拡大して示す断面図である。
【図11】絞り開度調整機構の構造及び動作を説明する
ための図である。
【図12】本発明の第2実施例である動力舵取装置の構
成図である。
【図13】第2実施例に設けられるスプリングアセンブ
リ近傍を拡大して示す断面図である。
【図14】保持径調整機構の構造を説明するための図で
あり、(A)は保持径調整機構の平面図、(B)は保持
径調整機構の断面図である。
【図15】保持径調整機構を構成する第1のプレートを
説明するための図であり、(A)は第1のプレートの平
面図、(B)は第1のプレートの断面図である。
【図16】保持径調整機構を構成する第2のプレートを
説明するための図であり、(A)は第2のプレートの平
面図、(B)は第2のプレートの断面図である。
【図17】本発明の第3実施例である動力舵取装置の構
成図である。
【図18】第3実施例に設けられるスプリングアセンブ
リ近傍を拡大して示す断面図である。
【図19】摩擦付与機構を拡大して示す図である。
【図20】第3実施例の動力舵取装置の作動角−操舵ト
ルク関係を示す図である。
【符号の説明】
20 コントロールバルブ 22 ハウジング 32 パワーシリンダ 51 パワーステアリングフルード 52 出力軸 60 バルブボディ 78 入力軸 90,90A 埋栓リング 91 V溝 94 トーションバー 96A,96B,96C スプリングアセンブリ 98 V溝部材 99 V溝 100 ボール 104 固定部材 106 ベローズスプリング 110 キャップ 114 連通孔 116 圧力室 118 外室 120 絞り 122 リリーフポート 124 リリーフバルブ 126 絞り調整機構 128 絞り調整プレート 130 開口部 136 保持径調整機構 138 第1調整プレート 140 第2調整プレート 142 第1の長孔 144 第2の長孔 154 摩擦付与機構 156 テフロンリング 158 Oリング

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力軸と出力軸との相対変位によりパワ
    ーシリンダーに供給されるパワーステアリングフルード
    の液圧を給排制御する制御弁を備えると共に、前記入力
    軸と出力軸との間にプリセット荷重を付加する操舵力付
    与機構を設けた動力舵取装置において、 前記操舵力付与機構を、 前記入力軸側に設けられると共に第1の溝部が形成され
    た第1の溝部材と、 前記出力軸側に設けられると共に第2の溝部が形成され
    た第2の溝部材と、 前記第1の溝部と第2の溝部との間に介装される転動体
    と、 捩れ方向に対し所望の捩じり剛性を有し、かつ前記第1
    または第2の溝部材の少なくとも一方を軸方向に付勢す
    ることにより前記転動体の転動を規制し、これにより前
    記入力軸と出力軸との間にプリセット荷重を発生させる
    付勢部材とを有した構成とし、 かつ、前記付勢部材の内部に前記パワーステアリングフ
    ルードが導入される圧力室を形成すると共に該圧力室内
    外を連通する絞りを形成し、導入される前記パワーステ
    アリングフルードにより前記圧力室内に内圧を発生させ
    る構成としたことを特徴とする動力舵取装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の動力舵取装置において、 前記操舵力付与機構に、 前記圧力室内の内圧が所定値以上となった時に開弁し、
    前記パワーステアリングフルードをリリーフポートを介
    して前記圧力室外に逃がすリリーフ弁を設けたことを特
    徴とする動力舵取装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の動力舵取装置に
    おいて、 前記操舵力付与機構に、 前記絞りの開度を調整する絞り開度調整機構を設けたこ
    とを特徴とする動力舵取装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の動力舵取装置において、 前記絞り開度調整機構を、 前記圧力室に複数個形成された絞りと、 前記入力軸に対して回転可能に配設されると共に、前記
    絞りと対向可能な位置に形成された開口部を有した調整
    プレートとにより構成し、 前記調整プレートを回転することにより前記開口部を移
    動させ、前記複数個の絞りを選択的に開口させる構成と
    したことを特徴とする動力舵取装置。
  5. 【請求項5】 入力軸と出力軸との相対変位によりパワ
    ーシリンダーに供給されるパワーステアリングフルード
    の液圧を給排制御する制御弁を備えると共に、前記入力
    軸と出力軸との間にプリセット荷重を付加する操舵力付
    与機構を設けた動力舵取装置において、 前記操舵力付与機構を、 前記入力軸側に設けられると共に第1の溝部が形成され
    た第1の溝部材と、 前記出力軸側に設けられると共に第2の溝部が形成され
    た第2の溝部材と、 前記第1の溝部と第2の溝部との間に介装される転動体
    と、 捩れ方向に対し所望の捩じり剛性を有し、かつ前記第1
    または第2の溝部材の少なくとも一方を軸方向に付勢す
    ることにより前記転動体の転動を規制し、これにより前
    記入力軸と出力軸との間にプリセット荷重を発生させる
    付勢部材とを有した構成とし、 かつ、前記転動体の位置を前記入力軸の径方向に移動さ
    せることにより、前記転動体の保持径を調整する保持径
    調整機構を設けたことを特徴とする動力舵取装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の動力舵取装置において、 前記保持径調整機構を、 前記入力軸に対して回転可能な構成とされており、前記
    入力軸の径方向に延在すると共に、前記転動体が内部に
    装着される第1の長孔を有する第1のプレートと、 前記入力軸に対して回転可能な構成とされており、前記
    第1の長孔の延在方向に対し交差する方向に延在すると
    共に、前記転動体が内部に装着される第2の長孔を有す
    る第2のプレートとにより構成し、 前記第1及び第2のプレートを相対的に回転させること
    により、前記転動体の保持径を調整する構成としたこと
    を特徴とする動力舵取装置。
  7. 【請求項7】 入力軸と出力軸との相対変位によりパワ
    ーシリンダーに供給されるパワーステアリングフルード
    の液圧を給排制御する制御弁を備えると共に、前記入力
    軸と出力軸との間にプリセット荷重を付加する操舵力付
    与機構を設けた動力舵取装置において、 前記操舵力付与機構を、 前記入力軸側に設けられると共に第1の溝部が形成され
    た第1の溝部材と、 前記出力軸側に設けられると共に第2の溝部が形成され
    た第2の溝部材と、 前記第1の溝部と第2の溝部との間に介装される転動体
    と、 捩れ方向に対し所望の捩じり剛性を有し、かつ前記第1
    または第2の溝部材の少なくとも一方を軸方向に付勢す
    ることにより前記転動体の変位を規制し、これにより前
    記入力軸と出力軸との間にプリセット荷重を発生させる
    付勢部材とを有した構成とし、 かつ、前記転動体の変位に対抗する方向に摩擦力を付与
    する摩擦付与機構を設けたことを特徴とする動力舵取装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1719690A1 (en) * 2005-05-05 2006-11-08 Delphi Technologies, Inc. Steering system with leads and pulls compensation

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1719690A1 (en) * 2005-05-05 2006-11-08 Delphi Technologies, Inc. Steering system with leads and pulls compensation
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