JPH1178435A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

Info

Publication number
JPH1178435A
JPH1178435A JP9251099A JP25109997A JPH1178435A JP H1178435 A JPH1178435 A JP H1178435A JP 9251099 A JP9251099 A JP 9251099A JP 25109997 A JP25109997 A JP 25109997A JP H1178435 A JPH1178435 A JP H1178435A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tire
tread
concave portion
degrees
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9251099A
Other languages
English (en)
Inventor
Keishi Morinaga
啓詩 森永
Hiroyuki Teratani
裕之 寺谷
Yuji Yamaguchi
裕二 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP9251099A priority Critical patent/JPH1178435A/ja
Publication of JPH1178435A publication Critical patent/JPH1178435A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/03Tread patterns
    • B60C11/0302Tread patterns directional pattern, i.e. with main rolling direction

Landscapes

  • Tires In General (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた氷上性能を有する空気入りタイヤを提
供する。 【解決手段】 トレッド部が、発泡ゴムより成り、該発
泡ゴムをタイヤ接地面とほぼ平行に切断すると、その切
断面には、樹脂で被覆された長尺状の凹部が複数個存在
し、該凹部は切断面の幅方向センター部においてはタイ
ヤの周方向に対し45度以内に配向しており、トレッド
幅の80%の位置においては、タイヤの周方向に対し2
0〜70度に配向していることを特徴とする空気入りタ
イヤ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた氷上性能を
有する空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】スパイクタイヤが規制されて以来、氷雪
路面上でのタイヤの制動・駆動性能(氷上性能)を向上
させるため、特にタイヤのトレッドについての研究が盛
んに行われてきている。前記氷雪路面においては、該氷
雪路面と前記タイヤとの摩擦熱などにより水膜が発生し
やすく、該水膜が、タイヤと氷雪路面との間の摩擦係数
を低下させる原因になっている。このため、前記タイヤ
のトレッドの水膜除去能力やエッヂ効果が、前記氷上性
能に大きく影響する。従って、タイヤにおける前記氷上
性能を向上させるためには、前記トレッドの水膜除去能
力やエッヂ効果を改良することが必要である。
【0003】そこで、特開平4- 38207号公報など
においては、短繊維入り発泡ゴムを前記トレッドに用い
ることにより、該トレッドの表面に前記ミクロな排水溝
を形成することが記載されている。しかし、この場合、
該短繊維は熱収縮によりカールしたり、モールド加硫時
にサイプ部に押し込まれて屈曲してしまい、走行により
該トレッドが摩耗しても、摩耗面と略平行でない該短繊
維は、該トレッドから容易に離脱せず、当初のねらいの
ような前記ミクロな排水溝が効率的に形成できず、前記
氷雪路面上での摩擦係数の向上が十分でない。また、前
記短繊維の離脱は走行条件などに大きく左右され、確実
に前記氷上性能を向上させることができない。また、前
記ミクロな配向は、タイヤにかかる負荷が大きい場合に
は潰れてしまうなどの問題がある。
【0004】また、特開平4- 110212号公報など
においては、前記トレッドに中空繊維を分散させること
により、前記氷雪路面と前記トレッドとの間に存在する
前記水膜を該中空繊維の中空部分で排除し得るタイヤが
開示されている。しかしながら、このタイヤの場合、該
中空繊維のゴム中への混練り時や成形時における圧力、
ゴム流れ、温度などによって該中空繊維が潰れてしま
い、実際には該中空繊維は中空形状を保つことができ
ず、依然として前記氷上性能が十分でないという問題が
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記従来にお
ける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題
とする。すなわち、本発明は、氷上に生ずる前記水膜の
除去能力に優れ、氷面との間の摩擦係数が大きく、前記
氷上性能に優れる空気入りタイヤを提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決する手段】本発明者らは、タイヤのトレッ
ドに、内表面が樹脂で被覆された長尺状気泡を存在さ
せ、摩耗により長尺状凹部が表面に現われた場合に、そ
のミクロな排水溝としての機能および、エッヂ効果を利
用することにより、氷上性能を向上させ得ることを見出
した。
【0007】そして、本発明者らが、タイヤの氷上性能
をさらに向上させるべく鋭意検討した結果、上記長尺状
気泡の配向をより精密にコントロールすることにより、
タイヤの氷上性能は、大幅に向上されることが解かっ
た。
【0008】すなわち、本発明は、トレッド部が、発泡
ゴムより成り、該発泡ゴムをタイヤ接地面とほぼ平行に
切断すると、その切断面には、樹脂で被覆された長尺状
の凹部が複数個存在し、該凹部は切断面の幅方向センタ
ー部においてはタイヤの周方向に対し45度以内、好ま
しくは、30度以内に配向しており、タイヤトレッド幅
の80%の位置においては、それぞれ、タイヤの周方向
に対し20〜70度に配向していることを特徴とする空
気入りタイヤであり、前記長尺状凹部の平均幅(W)が
500以下μmであり、かつ、該平均幅(W)と長手方
向最大長さ(L )との比L/Wが3以上であることが好
ましい。ここで、タイヤトレッド幅の80%の位置と
は、図2における、wの両端の位置を言う。
【0009】又、本発明の別の態様は、トレッド部が発
泡ゴムより成り、走行後の接地部に、内壁が樹脂で被覆
された長尺状凹部を少なくとも含むタイヤであって、該
凹部はタイヤ接地面の幅方向センター部においてはタイ
ヤの周方向に対し45度以内好ましくは、30度以内に
配向しており、タイヤトレッド幅の80%の位置におい
ては、それぞれ、タイヤの周方向に対し20〜70度に
配向していることを特徴とする空気入りタイヤであり、
前記長尺状凹部の平均幅(W)が500μm以下であ
り、かつ、該平均幅(W)と長手方向最大長さ(L )と
の比L/Wが3以上であることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の空気入りタイヤについ
て、以下に詳細に説明する。本発明の空気入りタイヤ
は、トレッド接地面とほぼ平行な切断面内、及び、走行
後のタイヤの接地面内に、樹脂で被覆された長尺状の凹
部が複数個存在することを特徴とし、該凹部は、幅方向
センター部においてはタイヤの周方向に対し45度以
内、好ましくは、30度以内の、また、タイヤトレッド
幅の80%の位置においては、それぞれ、タイヤの周方
向に対し20〜70度の配向角(a)を持たなければな
らない。
【0011】即ち、樹脂の配向方向をトレッド幅方向の
センター部においては比較的タイヤ周方向に、一方、シ
ョルダー部近傍へ行くに従い、センター部に比べ配向が
幅方向に近く、即ち周方向に対する角度が大きくなるよ
うに樹脂の配向分布を制御することにより、氷上ブレー
キング性能が向上する。但し、タイヤトレッド幅の80
%の位置における配向角(a)が90°、即ち、タイヤ
幅方向になってしまうと、逆に、氷上性能が低下する現
象が見られ、 大きくとも70°になるように制御しなけ
れば、 高い氷上性能は得られない。この理由は、明確で
はないが、氷上水膜の除去が効率的に行なわれるためと
考えられる。
【0012】aが、上記範囲を外れると、タイヤ走行時
に、摩擦熱などにより路面とタイヤの間に生じた水膜の
除去が十分に行なえず、氷上性能が十分に上がらない。
ここで、タイヤトレッド幅とは、トレッド接地面とほぼ
平行な切断面、又は、走行後のタイヤの接地面の幅(図
2のW)を表わす。
【0013】本発明の空気入りタイヤのトレッドの接地
面とほぼ平行面で切断したときの、切断面内、又は、走
行後のタイヤの接地面内に存在する長尺状の凹部は、そ
の、平均幅(W)が500μm以下であり、かつ、該平
均(W)と長手方向最大長さ(L)との比、L/Wが3
以上であることが好ましい。前記平均幅(W)が500
μmを超えると、該空気入りタイヤの耐カット性、耐ブ
ロック欠け性が低下し、乾燥路面での耐摩耗性が悪化す
るため好ましくない。前期比(L/W)が3未満である
と、摩耗したトレッドの表面に現われる長尺状の排水溝
としての長尺状の凹部の長さを長くすることができず、
又、容積を大きくすることができないため、該タイヤの
水排除性能を向上させることができない点で好ましくな
い。なお、前記比(L/W)の上限は特に制限はない
が、5〜20程度が選択される。
【0014】上記の凹部は、トレッド内に、長尺状の気
泡を存在させることにより、得ることができる。本発明
の空気入りタイヤのトレッドは、前記、長尺状の気泡以
外に、球状の気泡をも含むことができ、その結果、本発
明の空気入りタイヤは、トレッドをタイヤ接地面とほぼ
平行な面で切断した、その切断面内、または、走行後の
タイヤの接地面内に、前記長尺状の凹部以外に球状の凹
部をも含むことができる。
【0015】球状の気泡、又は、凹部を含む場合、長尺
状の気泡又は凹部の割合は、それぞれ、全気泡、又は、
全凹部の10体積%以上であることが好ましく、さらに
好ましくは、50体積%以上である。長尺状の気泡又は
凹部の割合が10体積%未満であると、長尺状気泡によ
る排水路が少ないため、水排除性能が十分でないことが
ある。
【0016】本発明の空気入りタイヤのトレッドに用い
られる発泡ゴム(以後、単にトレッドゴムと称すること
がある)の平均発泡率(気泡含有量)Vsは、3〜40
(体積)%が好ましく、5〜35(体積)%がさらに好
ましい。平均発泡率が3(体積)%未満であると、長尺
状の気泡の量も少なくなり、トレッドが摩耗したときに
タイヤ接地面に生ずる排水溝の量も少なくなるため、空
気入りタイヤの氷上性能を向上することができず、40
(体積)%を超えると、前記氷上性能は、向上させるこ
とができるものの、トレッドの破壊限界が大幅に低下
し、耐久性の点で好ましくない。
【0017】ここで、平均発泡率Vsとは、長尺状気泡
の発泡率、又は、長尺状気泡と球状気泡の発泡率の合計
を意味し、次式によって算出できる。 Vs=(ρ0 /ρ1 −1)x100% 式中、ρ1 は発泡ゴムの密度(g/cm2 )を、ρ0
発泡ゴムにおける固相部の密度(g/cm2 )を表わ
し、エタノール中の重量と空気中の重量を測定し、これ
らから算出した。
【0018】本発明の空気入りタイヤのトレッドゴムに
用いられるゴム成分としては、特に制限はなく、天然ゴ
ム、及び/又は、合成ゴムを、適宜、単独で又は、混合
して用いることができる。合成ゴムとしては、スチレン
−ブタジエン共重合体(SBR), ブタジエンゴム(B
R), イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(II
R)、エチレン−プロピレン三元共重合体(EPDM)
等が挙げられる。中でも、ガラス転移温度が低く、氷上
性能の効果が大きい点で、シス−1、4−ポリブタジエ
ンが好ましく、シス含有率が90%以上のものが特に好
ましい。
【0019】気泡の内壁、又は、凹部を被覆している樹
脂の種類は、特に制限されず、例えば、ポリエチレン
(PE)、ポリプロピレン(PP), ポリブチレン、ポ
リブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、
シンジオタクティック−1、2ポリブタジエン(SP
B), ポリビニルアルコールPVA), ポリ塩化ビニル
(PVC), 等の結晶性高分子、ポリメチルメタクリレ
ート(PMMA), アクリロニトリルブタジエンスチレ
ン共重合体(ABS), ポリスチレン、ポリアクリロニ
トリル等の非結晶性高分子等が挙げられるが、タイヤの
製造の容易さから、融点が加硫最高温度よりも低い結晶
性高分子が好ましく、マトリックスゴムとの接着性がよ
く、原料も入手し易いPE、PPが、特に好ましい。
【0020】本発明の空気入りタイヤのトレッドゴム
は、発泡剤を含んでなる。前記発泡剤としては、例え
ば、ジノトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、
アゾジカルボンアミド(ADCA)、ジニトロソペンタ
スチレンテトラミン、ベンゼンスルホニルヒドラジド誘
導体、オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OB
SH),二酸化炭素を発生する重炭酸アンモニウム、重
炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、窒素を発生するニ
トロソスルホニルアゾ化合物、N,N−7−ジメチル−
ジニトロソフタルアミド、、トルエンスルホニルヒドラ
ジド、p−トルエンスルホニルカルバジド、p、p’−
オキシ−ビス(ベンゼンスルホニルセミカルバジド)等
が挙げられる。これらの中でも、ジニトロソペンタメチ
レンテトラミン、アゾジカルボンアミドが、タイヤの製
造加工性の点から好ましく、アゾジカルボンアミドが特
に好ましい。これらの発泡剤は、一種単独で使用して
も、二種以上を併用してもよい。
【0021】又、効率的な発泡を行なう観点から、発泡
助剤を併用するのが好ましい。発泡助剤としては、例え
ば、尿素、ステアリン酸亜鉛、ベンゼンスルフィン酸亜
鉛、亜鉛華などが挙げられるが、生産性、加工性の観点
から、尿素、ステアリン酸亜鉛、ベンゼンスルフィン酸
亜鉛が好ましい。これらは、単独で使用しても、二種以
上を併用してもよい。これらの、発泡剤、発泡助剤を適
宜選択することにより、前記平均発泡率Vsを所望の範
囲に調整することができる。
【0022】本発明の空気入りタイヤに用いるトレッド
ゴムは、たとえば、ゴムマトリックスに樹脂を配合し、
発泡させることにより得ることができる。ここで配合す
る樹脂の形状は短繊維状、長尺状のものなどを用いるこ
とができる。
【0023】又、該樹脂は、それ自身が発泡剤を含有し
ていてもよく、また、マトリックスゴムとの接着性を高
めるための添加剤を含有していてもよい。
【0024】本発明の空気入りタイヤのトレッドの発泡
ゴムに配合する樹脂の量は、ゴム成分100重量部に対
して0.5〜30重量部が好ましく、1.0〜10重量
部がより好ましい。
【0025】樹脂層の厚みとしては、0.5〜50μm
が好ましい。なお、前記平均発泡率Vs、及び、前記凹
部の割合、樹脂層の厚みは、前記発泡剤の種類、量、組
み合わせる前記発泡助剤の種類、量、樹脂の配合量、樹
脂の中空率などを変えることにより、適宜変化させるこ
とができる。
【0026】本発明の空気入りタイヤのトレッドゴム
は、上記各成分の他にも、カーボンブラック、シリカな
どの補強性充填剤、無機充填材、軟化剤、加硫剤、加硫
助剤、老化防止剤、カップリング剤など、通常ゴム業界
で用いる配合剤を適宜使用することができる。
【0027】本発明の空気入りタイヤの製造方法には特
に制限はなく、例えば、タイヤの加硫最高温度よりも低
い融点を持つ樹脂を発泡剤を含むマトリックスゴムに配
合、混練りしたゴム組成物を、熱入れ、押し出して未加
硫トレッドとし、成型、加硫することにより得ることが
できる。この場合、タイヤを製造するにあたり、樹脂の
融点が、加硫最高温度よりも10℃以上低くなるように
加硫条件を設定するのが好ましく、その差が、20℃以
上であることがより好ましい。
【0028】一方、該樹脂の融点が混練り温度、熱入れ
温度、押し出し温度のいずれかよりも低いと、当該工程
中に樹脂の形状が変化し、時として、樹脂が、マトリッ
クスゴム中に微細に分散してしまうことがあり好ましく
ない。
【0029】各工程で用いる装置、温度以外の条件につ
いては、特に制限はなく、目的に応じて、適宜選択する
ことができる。装置は、市販品を好適に用いることがで
きる。
【0030】前記樹脂の配向をそろえる方法としては、
例えば、樹脂を含むゴム組成物を流路断面積が出口に向
かって減少する押し出し機の口金から押し出すことによ
り該樹脂を一定の方向に配向させればよい。樹脂のゴム
組成物中での配向の程度は、流路断面積の減少程度、押
出速度、ゴム組成物の粘度などによって変化する。
【0031】また、上記配向分布を得る手段としては、
トレッド押し出し機から口金までの流路を調整する方
法、一軸方向へ押し出し配向したシートを角度付きで才
断した物を貼り合わせ、上記配向範囲内のトレッドゴム
とする方法などがあるが、後者の方法では、生産工数が
増えるため、生産性が低下する。従って、前者の方法を
用い、押し出し機のトレッド幅方向の流路減少率を変え
ること、および、押し出し機バレルの先から口金までの
間に形成される流路の途中に、平物押し出し物の幅方向
の中の異なる位置又は、筒状押し出し物の周方向の中の
異なる位置で配向を異ならせる配向制御流路、例えば、
絞り込み流路、末広がり流路、分割流路から選択される
少なくとも二つを設けることにより制御することが好ま
しい。
【0032】加硫条件は、その最高温度が、前記樹脂の
融点よりも高くなるように設定するのが好ましい。そう
することにより、該樹脂は加硫中に溶融し、マトリック
スゴムより低粘度となるため、発泡剤の発泡反応によっ
て発生したガスが樹脂内に移動してくるため、効率的に
長尺状の気泡を形成することができる。
【0033】本発明のタイヤは、いわゆる乗用車用のみ
ならず、トラック、バス用などの各種の乗り物に好適に
適用できる。
【0034】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的
に説明するが、本発明の主旨を越えない限り、本実施例
に限定されるものではない。
【0035】未加硫トレッドの調製 表1の配合に従い調製した、各実施例、比較例に用いる
トレッドゴム組成物を押し出し機にて配向させ、未加硫
のトレッドを調製した。配向角は、比較例1、4、5、
及び、実施例4〜9に用いたゴム組成物は、一方向に配
向させて押し出したトレッドを角度を変えて才断し、比
較例1以外は、センターで2つを併せる事によって調整
した。
【0036】又、比較例2、3、及び、実施例1〜3に
おいては、押し出し機のトレッド幅方向の流路減少率を
変えること、および、押し出し機バレルの先から口金ま
での間に形成される流路の途中に、分割流路と絞り込み
流路を設けることにより制御した。
【0037】なお、配合した樹脂は、表1に示すよう
に、平均径が23〜195μm 、平均長さが2mmの中
実繊維であり、ポリエチレン(HDPE,重量平均分子
量(Mw)1.8x105)であり、DuPont社製
DSCにより、昇温速度10℃/分、サンプル重量約5
mgの条件にて測定した融点ピーク温度(融点)が13
5℃であった。
【0038】タイヤの製造 上記で調製したゴム組成物をトレッドに用いて、サイズ
185/70R13の乗用車用ラジアルタイヤを作成
し、常法により加硫、成型した。このタイヤにおいて、
カーカスは1層で、タイヤ周方向に対し90°の角度で
配置されたポリエステルコードで補強されており、コー
ドの打ち込み数は、50本/5cmである。ベルトは、
2層で、1x5x0.23構造のスチールコードにより
補強されており、コードの打ち込み角度は、タイヤの周
方向に対し25°、コードの打ち込み数は、40本/5
cmである。
【0039】加硫済タイヤのトレッドにおけるブロック
のサイズは、タイヤの周方向の寸法が35mmであり、
タイヤの幅方向の寸法が30mmである。又、ブロック
に形成されているサイプは、幅が0. 4mmであり、タ
イヤ周方向の間隔が約7mmになっている。
【0040】得られたタイヤを乗用車に装着する際、図
3における矢印の方向が、タイヤの回転方向となるよう
にした。こうすることにより、氷上の水分を進行方向後
方にV字型に排出するため、タイヤの氷上性能を最大限
に引き出すことができる。
【0041】各種の測定は下記の方法によった)。 (1)長尺状凹部の大きさ スライスした面、或いは、約20,000km走行後のト
レッドの表面の電子顕微鏡写真を撮り、樹脂被覆層のあ
る凹部のみ50個の幅と長さを測定し、平均値をそれぞ
れ算出した。 (2)長尺状凹部の配向 上記写真中、樹脂被覆層のある長尺状凹部のタイヤ周方
向に対する配向角(絶対値)をトレッドセンター部(セ
ンターラインから左右に1mm以内)、及び、トレッド
幅の80%の位置(トレッド幅の80%のラインから左
右に1mm以内)において、それぞれ求めた。
【0042】なお、写真測定箇所は、ブロック中の、
溝、及び、サイプの端から0.5mm以上離れた所と
し、同様の測定を、総側定数が50になるまで、周方向
何ヶ所かで行い、その平均値を求めた。
【0043】(3)タイヤ氷上性能 タイヤを国産1600CCクラスの乗用車に装着し、該乗
用車を一般アスファルト路上に200km走行させた後、
氷上平坦路を走行させ、時速20km/h の時点でブレー
キを踏んでタイヤをロックさせ、停止するまでの距離を
測定した。結果は、距離の逆数をコントロールタイヤを
100として指数表示した。数値が大きいほど氷上性能
に優れることを示す。 (4)耐摩耗性 タイヤを国産1600ccクラスの乗用車(FF車)の前輪
に装備し、一般路を20,000km走行させた後のタイ
ヤ溝深さを測り、摩耗量を算出した。結果は、摩耗量の
逆数をコントロールタイヤを100として指数表示し
た。数値が大きいほど耐摩耗性が良好であることを示
す。
【0044】
【表1】 トレッドゴム配合表 *1:BR01(日本合成ゴム(株)製) *2:Si69(デグサAG製) *3:ノクラック6C(大内新興化学工業(株)製) *4:ノクセラーDM(大内新興化学工業(株)製) *5:ノクセラーCZ(大内新興化学工業(株)製) *6:ビニホールV (永和化成工業(株)製) *7:ベンゼンスルフィン酸亜鉛(大塚化学(株)製) *8:尿素/ステアリン酸亜鉛ブレンド物(85/15)
【0045】
【表2】 80%端部とは、トレッド幅の80%の位置を指す。
【0046】比較例1は、タイヤ周方向に配向したもの
であり、比較例2、そして、実施例1〜3、比較例3と
なるに連れて、又、比較例4、実施例4〜6、及び、比
較例5となるに連れて、それぞれ、徐々に、センター部
の配向角、タイヤトレッド幅の80%の位置における配
向角ともに大きくなっている。比較例1、2、及び、実
施例1〜3から判るように、配向角が、本発明の範囲内
にある限りは、凹部の配向角を変えることにより、耐摩
耗性を損なうことなく、氷上性能を最適に調整できるこ
とが判る。
【0047】また、比較例2、3、及び、実施例1〜3
と、比較例4、5、及び、実施例4〜6とを比較する
と、センター部における配向角が同じ場合は、タイヤト
レッド幅の80%の位置における配向角が大きい方が、
氷上性能が優れていることが判る。
【0048】実施例7〜9は、配合するポリエチレン繊
維の直径を変えることにより、得られる長尺状凹部の幅
を変えている。実施例5、及び、7〜9を比較すること
により、配向角が同じ場合、L/Wが大きい方がその効
果は、より顕著であること、さらに、好ましい範囲の中
にある場合の方が、その効果が顕著であることが判る。
【0049】なお、実施例では示していないが、センタ
ーラインを境として、逆方向に配向している方が、全て
同方向に配向している場合よりも氷上性能はより向上さ
れ、かつ、タイヤトレッド幅の80%の位置における配
向角が同じであっても、センターラインから等距離の位
置では、配向角がほぼ同じであり、センターラインから
離れていくに従って、配向角が大きくなっている場合の
方が氷上性能がさらにその効果が顕著であることが判っ
た。
【0050】
【発明の効果】本発明のタイヤにおいては、凹部が周方
向に対し左右に45度以内に配向しているため、氷上性能
に優れており、かつ、該凹部の表面が、樹脂層で被覆さ
れているため、水路形状保持性、水路エッジ部摩耗性、
荷重入力時の水路保持性などにも優れる。
【0051】
【図面の簡単な説明】
【図1】樹脂の配向角を示す。
【図2】トレッド幅の80%の領域wは、センターライ
ンを中心に、左右同じ長さである。
【図3】長尺状凹部の配向の様子を示す。 3−X:比較例1の全ての凹部がほぼ周方向に配向して
いる状態を示す。 3−Y:比較例2、3、及び実施例1〜4の配向に分布
を持った状態を示す。 3−Z:比較例4、5、及び実施例5〜9のセンターラ
インの同側では、凹部が平行に並んでいる状態を示す。
【符号の説明】
a:配向角 W:トレッド幅 w:トレッド幅の80%の領域

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トレッド部が、発泡ゴムより成り、該発
    泡ゴムをタイヤ接地面とほぼ平行に切断すると、その切
    断面には、樹脂で被覆された長尺状の凹部が複数個存在
    し、該凹部は切断面の幅方向センター部においてはタイ
    ヤの周方向に対し45度以内に配向しており、タイヤト
    レッド幅の80%の位置では、タイヤの周方向に対し2
    0〜70度に配向していることを特徴とする空気入りタ
    イヤ。
  2. 【請求項2】 前記長尺状凹部のセンター部における配
    向が、タイヤの周方向に対し30度以内であることを特
    徴とする特許請求の範囲1項記載の空気入りタイヤ。
  3. 【請求項3】 前記長尺状凹部の平均幅(W)が500
    以下μmであり、かつ、該平均幅(W)と長手方向最大
    長さ(L)との比L/Wが3以上であることを特徴とす
    る特許請求の範囲1項または2項記載の空気入りタイ
    ヤ。
  4. 【請求項4】 トレッド部が発泡ゴムより成り、走行後
    の接地部に、内壁が樹脂で被覆された長尺状凹部を少な
    くとも含むタイヤであって、該凹部はタイヤ接地面の幅
    方向センター部においてはタイヤの周方向に対し45度
    以内に配向しており、タイヤトレッド幅の80%の位置
    においては、それぞれ、タイヤの周方向に対し20〜7
    0度に配向していることを特徴とする空気入りタイヤ。
  5. 【請求項5】 前記長尺状凹部の配向が、タイヤの周方
    向に対して30度以内であることを特徴とする特許請求
    の範囲4項記載の空気入りタイヤ。
  6. 【請求項6】 前記長尺状凹部の平均幅(W)が500
    μm以下であり、かつ、該平均幅(W)と長手方向最大
    長さ(L)との比L/Wが3以上であることを特徴とす
    る特許請求の範囲4項または5項記載の空気入りタイ
    ヤ。
JP9251099A 1997-09-16 1997-09-16 空気入りタイヤ Pending JPH1178435A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9251099A JPH1178435A (ja) 1997-09-16 1997-09-16 空気入りタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9251099A JPH1178435A (ja) 1997-09-16 1997-09-16 空気入りタイヤ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1178435A true JPH1178435A (ja) 1999-03-23

Family

ID=17217639

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9251099A Pending JPH1178435A (ja) 1997-09-16 1997-09-16 空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1178435A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009167340A (ja) * 2008-01-18 2009-07-30 Bridgestone Corp ゴム組成物、加硫ゴム及びタイヤ
JP2020122160A (ja) * 2015-10-19 2020-08-13 株式会社ブリヂストン ゴム組成物及びタイヤ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009167340A (ja) * 2008-01-18 2009-07-30 Bridgestone Corp ゴム組成物、加硫ゴム及びタイヤ
JP2020122160A (ja) * 2015-10-19 2020-08-13 株式会社ブリヂストン ゴム組成物及びタイヤ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2221302C (en) Pneumatic tire, method of manufacturing a pneumatic tire, rubber composition, and vulcanized rubber composition
JP4608032B2 (ja) タイヤ用の加硫ゴム成形体
JP4171531B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5030367B2 (ja) タイヤ
JP4605976B2 (ja) ゴム組成物、加硫ゴム、及びタイヤ
JP4679173B2 (ja) ゴム組成物、加硫ゴムおよびタイヤ
JP3766183B2 (ja) ゴム組成物、加硫ゴム及びタイヤ
JP4008537B2 (ja) 加硫ゴムの製造方法、及びトレッドの製造方法
JPH1178435A (ja) 空気入りタイヤ
JP3779437B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2002127714A (ja) 重荷重用スタッドレスタイヤ
JPH1177695A (ja) ゴム組成物及びその製造方法、タイヤトレッド、並びに、タイヤ及びその製造方法
JPH1178416A (ja) 空気入りタイヤ
JP3779426B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP3779427B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4694659B2 (ja) タイヤ用のゴム組成物、タイヤ用の加硫ゴム及びタイヤ
JP3851421B2 (ja) ゴム組成物の製造方法
EP3495408A1 (en) Rubber member, method for producing same, and tire
JP3904680B2 (ja) ゴム組成物、加硫ゴム及びタイヤ
JP3779424B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4518577B2 (ja) タイヤの製造方法
JP3779425B2 (ja) 空気入りタイヤ
JPH1180423A (ja) タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ
JP2003105116A (ja) 未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物およびその製造方法、並びに、それを用いたタイヤ
JP3483066B2 (ja) 更生タイヤの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041129

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20041202

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050131

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050324

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050406

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 3

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080422

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 4

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090422

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100422

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110422

Year of fee payment: 6

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110422

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120422

Year of fee payment: 7

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120422

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120422

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130422

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140422

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250