JPH1177343A - 積層部材のレーザ加工方法及びレーザ加工装置 - Google Patents

積層部材のレーザ加工方法及びレーザ加工装置

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JPH1177343A
JPH1177343A JP9244061A JP24406197A JPH1177343A JP H1177343 A JPH1177343 A JP H1177343A JP 9244061 A JP9244061 A JP 9244061A JP 24406197 A JP24406197 A JP 24406197A JP H1177343 A JPH1177343 A JP H1177343A
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laser beam
hole
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Yoshimizu Takeno
祥瑞 竹野
Masaharu Moriyasu
雅治 森安
Masayuki Kaneko
雅之 金子
Satoshi Nishida
聡 西田
Takayuki Yuyama
崇之 湯山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工速度を減少させることなく、樹脂の完全
除去を達成できる、すなわち、高信頼性と高効率の両立
が可能なレーザ加工方法を提供すること。 【解決手段】 本発明に係るレーザ加工方法は、複数の
導体層とこの複数の導体層間に設けられた樹脂層とから
なる積層部材16に孔部19を形成する孔部形成工程
と、レーザ光のビームON時間が短くピークパワーが高
いレーザ光22を孔部19に照射し孔部形成工程におい
て除去できなかった孔部19の残留樹脂20を除去する
残留樹脂除去工程とを含んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆるプリント
基板と呼称される積層配線基板へのブラインドバイアホ
ール加工、溝加工等のレーザを用いた加工方法、特に微
細な導通穴を迅速かつ高品質に形成できる加工方法並び
にこの加工に最適なパルス状のレーザビームを発生する
レーザ加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の電子機器の高性能化に伴い、配線
の高密度化が要求されており、この要求を満たすために
プリント基板の多層化、小形化が要求されている。この
ような多層化、小形化を実現するために、ブラインドバ
イアホール(BVH)と呼称される穴径150μm程度
の層間導通接続用の微細とまり穴の形成が必須となる。
しかし、現状のドリル加工ではφ0.2mm以下の穴あ
けは困難であることに加え、高密度プリント基板では絶
縁層厚さが100μm以下となり、この精度で深さ制御
を行うことが困難なため、ドリル加工では微細BVH形
成は不可能である。
【0003】このドリル加工に代わるBVH形成方法と
してIBM ジャーナル オブ リサーチ アンド デ
ィベロップメント(IBM J.Res.Develo
p.)第26巻、第3号、306〜317ページ(19
82年)や特公平4−3676号公報で示される炭酸ガ
スレーザ等のレーザビームを応用する方法が注目され、
一部実用化されている。これらのレーザビームによる加
工方法は、プリント基板を構成する絶縁基材である樹脂
やガラス繊維と導体層である銅に対する炭酸ガスレーザ
の光エネルギーの吸収率の差を利用したものである。
【0004】図18は従来のレーザ加工方法を説明する
図で、図18(a)はレーザ加工中のプリント基板を、
図18(b)はレーザ加工後のプリント基板を示してい
る。図において、101はプリント基板、102はプリ
ント基板101の表面に設けられ除去部102aが取り
除かれている銅箔、103は炭酸ガスレーザ加工装置か
ら照射されるレーザ光である。
【0005】図18(a)に示すように、プリント基板
101の表面の銅箔102に必要な穴径の銅箔除去部1
02aをエッチング等により形成し、この除去部102
aを介してレーザ光103を照射することにより、プリ
ント基板101における樹脂やガラスを選択的に分解・
除去してプリント基板101に微細な加工穴104を形
成する。ここで、銅は炭酸ガスレーザをほとんど反射す
るという特性を有しているので、銅箔102が取り除か
れている部分のみが加工され、銅箔102が存在する部
分は加工されず、図18(b)に示すような加工穴10
4を形成することができる。
【0006】また、図19に示すように加工部の内部に
内層銅箔102bを予め積層しておけば絶縁基材の分解
・除去は内層銅箔102bで停止するため、内層銅箔1
02bで確実に停止するとまり穴104を形成すること
ができる。
【0007】しかし、図19に示したように銅箔で停止
するとまり穴を炭酸ガスレーザで加工した場合には、十
分にレーザビームを照射したとしても厚さ1μm以下の
絶縁基材である樹脂が内層銅箔上に残留してしまう。こ
のため、レーザ加工後、残留樹脂を過マンガン酸などで
エッチングして残留樹脂を完全に除去する必要がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来のレーザ加工方法
は上記のようになされているので、とまり穴を形成する
ときに、加工穴が100μm程度まで小さくなると、エ
ッチング液が穴内まで行き渡りにくくなり、残留樹脂を
完全に除去できない穴が発生しやすくなる。そして、こ
の状態のままめっきを施しBVHを形成すると、めっき
膜と内層銅箔の間に一部の樹脂が残留したままになり、
熱サイクル等により応力がかかると、これを起点として
めっき膜が剥がれてしまう。
【0009】これはレーザを照射してもほとんど温度が
上昇しない銅箔に樹脂内部で発生した熱が熱伝導により
奪われるためで、これを防ぐためには、樹脂で発生した
熱が熱伝導により銅箔に奪われる前に除去に必要なエネ
ルギーを投入する必要がある。すなわち、レーザ光のビ
ームON時間を短く、ピークパワーを高くする必要があ
る。
【0010】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、樹脂の完全除去を達成できる、
すなわち、信頼性が高いレーザ加工方法を提供すること
を目的とする。さらに、この発明は加工速度を減少させ
ることなく、樹脂の完全除去を達成できる、すなわち、
高信頼性と高効率の両立が可能なレーザ加工方法を提供
することを目的とする。また、高信頼性と高効率の両立
が可能なレーザ加工装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明に係るレーザ加
工方法は、複数の導体層とこの複数の導体層間に設けら
れた樹脂層とからなる積層部材に孔部を形成する孔部形
成工程と、レーザ光のビームON時間が短くピークパワ
ーが高いレーザ光を孔部に照射し残留樹脂を除去する残
留樹脂除去工程とを含んでいる。
【0012】また、残留樹脂除去工程におけるレーザ光
のビームON時間は500ns以下である。さらに、残
留樹脂除去工程におけるレーザ光は、Qスイッチ発振さ
れたパルスにより取り出されたQスイッチレーザビーム
である。
【0013】また、孔部形成工程は、レーザ光により孔
部を形成する。さらに、孔部形成工程におけるレーザ光
のビームON時間は1μs以上である。さらにまた、孔
部形成工程におけるレーザ光は、複数のQスイッチパル
スからなるパルス列を周期的に複数形成し、これらのパ
ルスにより取り出されたレーザビームである。さらに、
孔部形成工程におけるレーザ光は、ビームON時間が長
くピークパワーが低いレーザ光である。
【0014】この発明に係るレーザ加工装置は、対向し
て設けられた一対の反射ミラーと、この反射ミラー間に
設けられた放電管と、この放電管と反射ミラー間に設け
られレーザ光の偏光を制御する電気光学振幅変調器と、
放電管にパルス電流を投入するパルスレーザ電源と、電
気光学振幅変調器にパルス電圧を印加するパルス発生器
と、パルスレーザ電源において投入されるパルス電流と
パルス発生器において印加されるパルス電圧との同期を
制御する同期制御器とを備えている。また、同期制御器
はパルス電流が投入されているときに、複数のパルス電
圧が印加されるようにする。
【0015】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.本実施の形態におけるレーザ加工装置
は、レーザ光のビームON時間が長くピークパワーが低
い通常のレーザ光のみでなく、レーザ光のビームON時
間が短くピークパワーが高いQ−スイッチ発振により取
り出されるレーザ光をも1つのレーザ加工装置で取り出
すことができるようにしたものである。
【0016】図1はこの実施の形態1の炭酸ガスレーザ
加工装置を示す図である。図において、1は銅よりなる
凹面形状の全反射ミラー、2は全反射ミラー1に対向配
置されたZnSeよりなる凹面形状の部分反射ミラーで
あり、この部分反射ミラー2と全反射ミラー1とが安定
型のレーザ共振器を構成する。
【0017】3はレーザ共振器内に発生するレーザビー
ム、4a、4bはレーザビーム3のP偏光成分のみを透
過させS偏光成分は反射させるブリュースター窓、5は
4分の1波長板、6は放電管、7はCdTeよりなり外
部から印加される電圧により偏光状態を変える電気光学
振幅変調器、8は電気光学振幅変調器7に印加する電圧
を発生するパルス発生器、9は放電管6にパルス電流を
投入するパルスレーザ電源、10はパルス発生器8とパ
ルスレーザ電源9にトリガパルスを与える同期制御器、
10aは部分反射ミラー2より発振器外部に取り出され
たレーザビームである。
【0018】次に、この実施の形態の炭酸ガスレーザ加
工装置の動作について説明する。まず、図1に示したパ
ルスレーザ電源9から放電管6にパルス電流が投入され
ており、かつパルス発生器8から電気光学振幅変調器7
に電圧が印加されていない場合の動作を説明する。図2
はこのときの動作を説明するための図である。図におい
て説明を簡単にするためにパルス発生器8、パルスレー
ザ電源9、同期制御器10は図示しておらず、その他は
図1に示したレーザ加工装置と同じであるので説明は省
略する。
【0019】パルスレーザ電源9から放電管6にパルス
電流が投入されると、レーザビーム3はブリュースター
窓4a及び4分の1波長板5を通過して電気光学振幅変
調器7に至る。このとき、ブリュースター窓4a、bで
囲まれた放電管6を通過するレーザビーム3はP偏光成
分だけの直線偏光のみとなるので、4分の1波長板5を
通過するレーザビーム3は右回りの円偏光となる。
【0020】電気光学振幅変調器7には電圧が印加され
ていないため、電気光学振幅変調器7に至ったレーザビ
ーム3は右回りの円偏光のまま電気光学変調器7を通過
し、全反射ミラー1で反射する。このときの全反射によ
ってレーザビーム3は左回りの円偏光となる。そして、
左回りの円偏光のまま再び電気光学振幅変調器7を通過
したレーザビーム3は、再度4分の1波長板5を通過す
る際にS偏光成分の直線偏光になる。しかし、このとき
のレーザビーム3はP偏光成分ではないためにブリュー
スター窓4a、bで囲まれた放電管6を通過することは
できず、この場合レーザ発振は起こらない。
【0021】次にパルスレーザ電源9から放電管6にパ
ルス電流が投入されている最中に、パルス発生器8から
電気光学振幅変調器7に4分の1波長電圧が印加される
場合の動作を説明する。図3はこのときの動作を説明す
るための図である。図において説明を簡単にするために
パルス発生器8、パルスレーザ電源9、同期制御器10
は図示しておらず、その他は図1に示したレーザ加工装
置と同じであるので説明は省略する。
【0022】電気光学振幅変調器7に電圧が印加されて
いないときと同様に、ブリュースター窓4aから4分の
1波長板5を通過したレーザビーム3は右回りの円偏光
となる。次に、電気光学振幅変調器7には電圧が印加さ
れているので、電気光学振幅変調器7に至ったレーザビ
ーム3は電気光学振幅変調器7を通過する際には電気光
学振幅変調器7によりS偏光成分の直線偏光になる。
【0023】そして、レーザビーム3は全反射ミラー1
で反射し、再び電気光学振幅変調器7を通過したレーザ
ビーム3は、電気光学振幅変調器7により左回りの円偏
光になり、さらに再度4分の1波長板5を通過する際に
P偏光成分の直線偏光になる。このレーザビーム3はP
偏光成分であるのでブリュースター窓4a、bで囲まれ
た放電管6を通過することができ、レーザビーム3は放
電管8を介して部分反射ミラー2に到達できるためレー
ザ発振が起こる。
【0024】さらに、パルスレーザ電源9から放電管6
にパルス電流が投入されている最中に、パルス発生器8
から電気光学振幅変調器7への電圧の印加を繰り返し行
った場合の動作を説明する。まず、同期制御器10がパ
ルス発生器8及びパルスレーザ電源9にトリガパルスを
与える。パルスレーザ電源9はこのトリガパルスが与え
られた時刻から投入されるパルス電流のパルスが立ち上
がるように放電管6にパルス電流を投入する。そして、
パルス発生器8もこのトリガパルスが与えられた時刻か
らオン・オフを繰り返すことにより電気光学振幅変調器
7にパルス幅の小さいパルスを複数印加する。
【0025】図4はパルスレーザ電源から投入されるパ
ルス電流とパルス発生器から印加されるパルス電圧との
関係を示す図である。図4に示すように、パルスレーザ
電源9から放電管6にパルス電流が投入されている最中
に、パルス発生器8のオン・オフを繰り返すことによ
り、パルス発生器8より電気光学振幅変調器7にパルス
幅の小さいパルスを複数印加することができ、図5に示
すような高いピーク強度と短いパルス幅を有するレーザ
ビームを取りだすことができる。このような手法をQス
イッチング、このような手法で取り出されたレーザビー
ムをQスイッチレーザビームと呼んでいる。
【0026】なお、本実施の形態では、Qスイッチング
を繰り返し行い取り出したQスイッチレーザビームの周
波数が10kHz、ピークパワーが1.8MW、半値全
幅が30nsで、1サイクル当たりに取り出されるレー
ザエネルギーが約50mJであった。
【0027】また、パルスレーザ電源から放電管に電流
が投入されている最中にパルス発生器から電気光学振幅
変調機に4分の1波長電圧が印加された場合にはQスイ
ッチパルスと比較して長いパルス幅でピークパワーの低
い通常のレーザビームが取り出される。本実施の形態で
は、レーザビームのパルス周波数が200Hz、ピーク
パワーが3kW、半値全幅が48μsで、1パルス当た
りに取り出されるレーザエネルギーは約150mJであ
った。
【0028】本実施の形態のレーザ加工装置では、同期
制御器を設け、この同期制御器によりパルスレーザ電源
及びパルス発生器の同期の制御を行わせることにより、
Qスイッチ発振されたパルスにより取り出されるQスイ
ッチレーザビームとこのQスイッチレーザビームより長
いパルス幅でピークパワーの低い通常のレーザビームと
を1つのレーザ加工装置で実現することができ、さまざ
まな加工を施せると共に装置を簡単で安価にすることが
できる。
【0029】実施の形態2.図6はこの実施の形態2に
おける積層部材を加工するレーザ加工装置の構成を示し
た模式図である。図において、11は実施の形態1で説
明した炭酸ガスレーザ加工装置(以下、炭酸ガス発振器
と呼ぶ)で、通常のレーザ光とQ−スイッチ発振により
取り出されるレーザ光とを出力することができる。12
は転写マスク、13a,bは炭酸ガス発振器11から照
射されるレーザビームが所定の位置にくるように位置決
めをする位置決めミラー、14はレーザビームが対象物
上で結象するようにする転写レンズ、15は縦横方向に
移動可能な加工する対象物を載せる加工テーブル、16
はレーザ加工の対象物であるプリント基板、17はレー
ザビームである。
【0030】次に、動作について説明する。パルス炭酸
ガスレーザ発振器11から出射したレーザビーム17の
一部は転写マスク12を通過し、図示しない制御装置に
より制御される2枚の位置決めミラー13a,bを経て
転写レンズ14で加工テーブル15上に設置したプリン
ト基板16上に転写マスク12の像を結像させる。な
お、本実施の形態では、厚さ0.8mmの両面銅張りガ
ラスエポキシ基板の表裏面に厚さ100μmのガラスエ
ポキシ層を形成したプリント基板16を用い、基板表面
にφ100μmの像を結ぶように結像させた。
【0031】次にとまり穴を加工する加工方法を説明す
る。図7はこの実施の形態2による積層部材のレーザ加
工方法の工程の一部を示した模式図である。図におい
て、11はパルス炭酸ガスレーザ発振器、16はレーザ
加工の対象物であるプリント基板、17はパルス炭酸ガ
スレーザ発振器11から出射されるレーザビーム、18
は加工部の内部に設けられた内層銅箔、19はプリント
基板16の加工穴、20は残留樹脂である。
【0032】まず、同期制御器10よりパルスレーザ電
源9のみにトリガパルスを送り、レーザビーム17を通
常発振させて加工穴19を形成する。この時レーザビー
ムは発振器出口で3kWのピークパワーと半値全幅で4
8μsを有し、1サイクル当たりに取り出されるレーザ
エネルギーは約150mJである。なお、加工穴19を
形成するために1加工穴当たり5パルス照射した。この
時点では、加工穴19の底面の銅箔18上には厚さ0.
7μmのエポキシ樹脂からなる残留樹脂膜20が存在し
ていた。
【0033】以下に残留樹脂が発生する機構について説
明する。図8は炭酸ガスレーザをエポキシ樹脂に照射し
た場合の加工表面からの深さと透過エネルギーとの関係
を示した図である。なお、加工表面での透過エネルギー
を1とした。図8に示すように、レーザ光は樹脂の表面
からある程度の深さまで浸透して吸収される。例えば、
炭酸ガスレーザをエポキシ樹脂に照射した場合、表面か
ら深さ40μmまで進む間に透過される透過エネルギー
は45%であるので、表面から深さ40μmまで進む間
に表面に吸収されるエネルギーの55%しか樹脂材料に
吸収されないことになる。そのため、表面からの深さが
浅い場合には、エポキシ樹脂が炭酸ガスレーザから照射
されたレーザビームのエネルギーを十分に吸収すること
ができない。
【0034】したがって、形成するとまり穴が加工表面
から浅い場合、即ち、図7に示す銅箔18上の厚さが薄
い樹脂に対してレーザ光を照射すると、図9に示すよう
に、レーザ光は一部エネルギーを樹脂に吸収されなが
ら、底面の銅箔に達する。そして、銅箔に達したレーザ
光は銅箔で反射されるが、銅箔の炭酸ガスレーザに対す
る反射率は95%と高いため、樹脂を透過してきたレー
ザ光はほとんど銅箔に吸収されず再び樹脂中に反射され
る。その後、反射されたレーザ光は、一部樹脂に吸収さ
れ、樹脂を透過してしまう。そのため、レーザ光のエネ
ルギーは、一部が樹脂に吸収されるのみで他は全て透過
してしまう。しかも、この樹脂に吸収されたエネルギー
もレーザ照射してもほとんど温度が上昇しない銅箔に熱
伝導により奪われてしまう。
【0035】図10は上記の事項を考慮して、銅箔上の
厚さ1μmのポリイミド樹脂に、1平方cm当り5MW
のパワー密度の炭酸ガスレーザを10μs照射した場合
の銅箔と樹脂の最高到達温度の分布を示したものであ
る。図から銅箔とポリイミドの界面から0.2μm程度
(表面からの距離が0.8μm程度)はポリイミドの分
解温度に達しないことがわかる。これはレーザを照射し
てもほとんど温度が上昇しない銅箔にポリイミド内部で
発生した熱が熱伝導により奪われるためである。
【0036】これを防ぐためには、ポリイミドで発生し
た熱が熱伝導により銅箔に奪われる前に除去に必要なエ
ネルギーを投入する必要がある。すなわち、レーザ光の
ビームON時間を短く、ピークパワーを高くする必要が
ある。そこで、本実施の形態では、このような残留樹脂
を除去するために、Qスイッチレーザビームを照射し残
留樹脂の除去を行う。以下、残留樹脂の除去工程を説明
する。
【0037】図11に示すように、通常発振させたパル
スON中に電気光学振幅変調器に2進数的にオン・オフ
のパルス電圧が印加されるように、同期制御器よりパル
スレーザ電源とパルス発生器にトリガパルスを送り、Q
スイッチレーザビームを加工穴に照射する。この時、Q
スイッチレーザビームは電気光学振幅変調器に印加する
パルス電圧の周波数は10kHzで、発振器出口で1.
8MWのピークパワーと半値全幅で30ns、1パルス
当たりに取り出されるレーザエネルギーは約50mJで
あった。このQスイッチレーザビームパルスを1加工穴
当たり2パルス照射した。これにより、加工穴底面の銅
箔上のエポキシ樹脂を完全に除去することができた。
【0038】上記の方法により、1枚当たり2000穴
の加工を施したプリント基板を10枚作成した。このと
き2枚の位置決めミラーを毎秒200ヶ所の位置決めが
出来るように制御することにより、一枚当たりの加工に
約2分を要した。この基板をデスミア処理した後、めっ
き、パターン形成を行い信頼性評価用基板を作成した。
この基板で−65℃(30分)、125℃(30分)の
ヒートサイクル試験を行ったところ、いずれの基板でも
650サイクルで抵抗変化率1%と高い信頼性が得られ
た。
【0039】比較形態1.また、従来の手法と比較する
ために、通常発振のレーザビームのみでQスイッチレー
ザビームの照射を行わずに加工を施した基板を10枚作
成し、同様のヒートサイクル試験を行ったところ、いず
れの基板も100サイクルで抵抗変化率が10%を越
え、350サイクルで配線が断線する基板が発生した。
これは、先に説明したように通常のレーザビームのみの
加工では加工穴に残留樹脂が残ってしまうため、熱サイ
クルにより応力がかかると、これを起点としてめっき膜
が剥がれてしまうからである。以上のように、本発明に
よれば、従来の手法よりも導通信頼性の面において著し
く改善される。
【0040】比較形態2.さらに、通常発振のパルスを
照射せず、Qスイッチレーザビームのみで加工を施した
基板を10枚作成し、同様のヒートサイクル試験を行っ
たところ、加工穴を形成するために1穴当たり200パ
ルスが必要であった。このため加工時間は1枚当り約4
0分必要となった。なお、ヒートサイクル試験ではいず
れの基板も650サイクルで抵抗変化率1%と高い導通
信頼性が得られた。このように、一般的にレーザビーム
を短パルス高ピーク化するに伴い、除去される物質の温
度が上昇するため、単位エネルギー当りの除去深さが減
少し、その結果、加工時間が長くなり効率が低下する。
【0041】本実施の形態では、加工穴をレーザ光によ
り形成しているが、これは特に限定するものではなく、
ドリル加工等により加工穴を形成し、その後、短パルス
高ピークのレーザ光を加工穴に照射させるようにしても
よい。ただし、ドリル加工の場合には、細かな加工穴の
形成には不向きである。
【0042】以上のように、この実施の形態2では、通
常レーザ光により孔部を形成させた後に、短パルス高ピ
ークのレーザ光により孔部に残留する残留樹脂を除去す
るようにしたので、高い導通信頼性を保ったまま従来の
手法よりもより短い時間で加工ができ、能率が著しく改
善される。
【0043】実施の形態3.図12はこの実施の形態の
QスイッチレーザビームのパルスON時間を変化させた
場合における、導通信頼性の変化を示した図である。加
工時にQスイッチレーザビームのパルスON時間を30
nsから1μsまで変化させ、各々のパルスON時間に
おいて基板を10枚作成した。縦軸は上記のヒートサイ
クル試験において1000サイクル経過後、抵抗変化率
が10%以上となった基板の枚数を示している。図よ
り、QスイッチのレーザビームのパルスON時間が50
0ns以下では1000サイクル後の抵抗変化率が10
%以上となることはなく、高い導通信頼性が得られるこ
とがわかる。
【0044】図13は加工に用いるレーザビームのパル
スON時間と、実施の形態2で用いたプリント基板表面
に深さ100μmの穴、2000個を基板1枚に加工す
るのに必要な時間の関係を示した図である。ここで、そ
れぞれのパルスON時間での1パルスの照射エネルギー
がほぼ一定となるようにし、加工時間は底面銅箔上の残
膜が1μm以下となるまでの時間とした。図よりパルス
幅が1μs以下になると加工時間が著しく長くなり能率
が悪いことがわかる。以上のことから、1μs以上のパ
ルスON時間のパルスで底面銅箔上の残膜が1μm以下
となるまでの加工を行い、その後、100ns以下のパ
ルスON時間のパルスで残留膜を除去することにより、
効率よく導通信頼性の確保と高能率の両立が達成でき
る。
【0045】実施の形態4.図14はこの実施の形態4
による積層部材のレーザ加工方法に用いた装置の模式図
である。図において、11は通常のパルス炭酸ガスレー
ザ発振器、21は波長532nmの第二高調波を発振す
るQスイッチパルスYAGレーザ発振器である。その他
は実施の形態2で説明したものと同じであるので説明は
省略する。
【0046】次に、動作について説明する。図におい
て、パルス炭酸ガスレーザ発振器11から出射されたパ
ルス炭酸ガスレーザビーム17の一部は転写マスク12
を通過し、図示しない制御装置により制御される2枚の
位置決めミラー13a、bを経て転写レンズ14で加工
テーブル15上に設置したプリント基板16上に転写マ
スク12の像を結像する。本実施の形態では、厚さ0.
8mmの両面銅張りガラスエポキシ基板の表裏面に厚さ
100μmのガラスエポキシ層を形成したプリント基板
を用い、基板表面にφ100μmの像を結ぶように結像
させた。
【0047】また、QスイッチパルスYAGレーザ発振
器21から出射されたQスイッチパルス第二高調波YA
Gレーザビーム22は図示しない制御装置により制御さ
れる2枚の位置決めミラー13c、dを経て集光レンズ
14で集光し、加工テーブル15と2枚の位置決めミラ
ー13c、dによる位置決めにより、パルス炭酸ガスレ
ーザビーム17での穴あけが終了したプリント基板16
上の加工穴に照射される。
【0048】図15はこの実施の形態3による積層部材
のレーザ加工方法の工程を示した模式図である。図にお
いて、16はレーザ加工の対象物であるプリント基板、
17はパルス炭酸ガスレーザ発振器11から出射される
レーザビーム、18は加工部の内部に設けられた内層銅
箔、19はプリント基板16の加工穴、20は残留樹
脂、22はQスイッチパルス第二高調波YAGレーザ発
振器21から出射されるレーザビームである。
【0049】まず、パルス炭酸ガスレーザ発振器11か
ら出射されたパルス炭酸ガスレーザビーム17をプリン
ト基板16に照射して加工穴19を形成する。この時レ
ーザビームは発振器出口で3kWのピークパワーと半値
全幅で48μsを有し、1サイクル当たりに取り出され
るレーザエネルギーは約150mJであり、加工穴19
を形成するために1加工穴当たり5パルス照射した。こ
の時点では、加工穴19の底面の銅箔18上には厚さ
0.7μmのエポキシ樹脂からなる残留樹脂膜20が残
留していた。
【0050】このようにしてパルス炭酸ガスレーザビー
ム17により加工穴19が形成された後、Qスイッチパ
ルスYAGレーザ21から発振したQスイッチYAGレ
ーザビーム22を加工穴19に照射する。この時、Qス
イッチパルス第二高調波YAGレーザビーム22は周波
数10kHzで、発振器出口で0.1MWのピークパワ
ーと半値全幅で10ns、1パルス当たりに取り出され
るレーザエネルギーは約1mJであった。このQスイッ
チレーザビームパルスを1加工穴当たり4パルス照射し
た。これにより、加工穴19底面の銅箔18上のエポキ
シ樹脂20を完全に除去することができた。
【0051】上記の方法により、1枚当たり2000穴
の加工を施したプリント基板を10枚作成した。このと
き二組の2枚の位置決めミラーそれぞれを毎秒200ヶ
所の位置決めが出来るように制御することにより、一枚
当たりの加工に約4分を要した。この基板をデスミア処
理した後、めっき、パターン形成を行い信頼性評価用基
板を作成した。この基板で−65℃(30分)、125
℃(30分)のヒートサイクル試験を行ったところ、い
ずれの基板でも650サイクルで抵抗変化率1%と高い
信頼性が得られた。
【0052】比較形態3.また、従来の手法と比較する
ために、パルス炭酸ガスレーザビームのみでQスイッチ
YAGレーザビームの照射を行わずに加工を施した基板
を10枚作成し、同様のヒートサイクル試験を行ったと
ころ、いずれの基板も100サイクルで抵抗変化率が1
0%を越え、350サイクルで配線が断線する基板が発
生した。以上のように、本発明によれば、従来の手法よ
りも導通信頼性の面において著しく改善される。
【0053】比較形態4.さらに、パルス炭酸ガスレー
ザを照射せず、QスイッチYAGレーザビームのみで加
工を施した基板を10枚作成し、同様のヒートサイクル
試験を行ったところ、加工穴を形成するために1穴当た
り500パルスが必要であった。このため加工時間は1
枚当り約100分必要となった。なお、ヒートサイクル
試験ではいずれの基板も650サイクルで抵抗変化率1
%と高い信頼性が得られた。以上のように、本発明によ
れば、高い信頼性を保ったまま従来の手法よりもより短
い時間で加工ができ、能率が著しく改善される。
【0054】実施の形態5.図16はこの実施の形態5
による積層部材のレーザ加工方法に用いたQ−スイッチ
炭酸ガスレーザ装置を示す図である。図において、1は
銅よりなる凹面形状の全反射ミラー、2は全反射ミラー
1に対向配置されたZnSeよりなる凹面形状の部分反
射ミラーであり、この部分反射ミラー2と全反射ミラー
1が安定型のレーザ共振器を構成する。
【0055】3はレーザ共振器内に発生するレーザビー
ム、4a、4bはレーザビーム3のP偏光成分のみを透
過させS偏光成分は反射させるブリュースター窓、5は
4分の1波長板、6は放電管、7はCdTeよりなり外
部から印加される電圧により変更状態を変える電気光学
振幅変調器、8は電気光学振幅変調器7に印加する電圧
を発生するパルス発生器、10はパルス発生器8にトリ
ガパルス19を与える制御装置、10aは部分反射ミラ
ー2より発振器外部に取り出されたレーザビーム、23
は放電管6に電流を投入する連続レーザ電源である。
【0056】図17は図16に示したレーザ装置を用い
たこの実施の形態5による積層部材のレーザ加工に用い
たパルスの形態を示した模式図である。なお、加工に用
いた装置構成、被加工材は実施の形態2の図6の場合と
同じとした。まず、パルス発生器8を制御し、パルス幅
500nsのQスイッチパルスを100kHzで100
パルス発振したパルス列24を200Hzで発振させ、
1加工穴当たり6パルス照射した。この時レーザビーム
は発振器出口で3kWのピークパワーで、パルス列1サ
イクル当たりに取り出されるレーザエネルギーは約15
0mJであり、加工穴を形成するために1加工穴当たり
5パルス照射した。この時点では、加工穴底面の銅箔上
には厚さ0.7μmのエポキシ樹脂が残留していた。
【0057】次にパルス発生器8を制御し、パルス幅3
0nsのQスイッチパルス25を10kHzで発振さ
せ、Qスイッチパルス列で加工された加工穴に照射し
た。この時、Qスイッチレーザビームは、発振器出口で
1.8MWのピークパワーで1パルス当たりに取り出さ
れるレーザエネルギーは約50mJであった。このQス
イッチレーザビームパルスを1加工穴当たり2パルス照
射した。これにより、加工穴底面の銅箔上のエポキシ樹
脂を完全に除去することができた。
【0058】上記の方法により、1枚当たり2000穴
の加工を施したプリント基板を10枚作成した。このと
き2枚の位置決めミラーを毎秒200ヶ所の位置決めが
出来るように制御することにより、一枚当たりの加工に
約2分を要した。この基板をデスミア処理した後、めっ
き、パターン形成を行い信頼性評価用基板を作成した。
この基板で−65℃(30分)、125℃(30分)の
ヒートサイクル試験を行ったところ、いずれの基板でも
650サイクルで抵抗変化率1%と高い信頼性が得られ
た。
【0059】以上のように、本発明によれば、レーザ電
源として安価な連続出力の電源が使用できるので、安価
な装置で導通信頼性の確保と高能率の両立が達成でき
る。
【0060】
【発明の効果】この発明にかかるレーザ加工方法は、複
数の導体層とこの複数の導体層間に設けられた樹脂層と
からなる積層部材に孔部を形成する孔部形成工程と、レ
ーザ光のビームON時間が短くピークパワーが高いレー
ザ光を前記孔部に照射し残留樹脂を除去する残留樹脂除
去工程とを含んでいるので、ビームON時間が短くピー
クパワーが高いレーザ光により孔部に残留している残留
樹脂を完全に除去することができ、導通信頼性が高い加
工方法を実現することができる。
【0061】残留樹脂除去工程におけるレーザ光のビー
ムON時間は500ns以下であるので、導通信頼性が
低下することがなく高い導通信頼性を得ることができ
る。
【0062】残留樹脂除去工程におけるレーザ光は、Q
スイッチ発振されたパルスにより取り出されたQスイッ
チレーザビームであるので、ビームON時間が短くピー
クパワーが高いレーザ光を容易に照射させることができ
る。
【0063】孔部形成工程は、レーザ光により孔部を形
成するので、孔部形跡工程におけるレーザ光により能率
良く孔部を形成し、残留樹脂除去工程におけるビームO
N時間が短くピークパワーが高いレーザ光により孔部に
残留している残留樹脂を完全に除去することができ、導
通信頼性の確保と高能率の両立が達成できる加工方法を
実現できる。
【0064】孔部形成工程におけるレーザ光のビームO
N時間は1μs以上であるので、加工時間を短くするこ
とができ、高能率な加工方法を実現することができる。
【0065】孔部形成工程におけるレーザ光は、複数の
Qスイッチパルスからなるパルス列を周期的に複数形成
し、これらのパルスにより取り出されたレーザビームで
あるので、安価な連続出力のレーザ電源でビームON時
間が短くピークパワーが高いレーザ光を照射させること
ができ、安価な装置で導通信頼性の確保と高能率の両立
が達成できる加工方法を実現できる。
【0066】孔部形成工程におけるレーザ光は、ビーム
ON時間が長くピークパワーが低いレーザ光であるの
で、安価な装置で導通信頼性の確保と高能率の両立が達
成できる加工方法を実現できる。
【0067】この発明にかかるレーザ加工装置は、対向
して設けられた一対の反射ミラーと、この反射ミラー間
に設けられた放電管と、この放電管と反射ミラー間に設
けられレーザ光の偏光を制御する電気光学振幅変調器
と、放電管にパルス電流を投入するパルスレーザ電源
と、電気光学振幅変調器にパルス電圧を印加するパルス
発生器と、パルスレーザ電源において投入されるパルス
電流とパルス発生器において印加されるパルス電圧との
同期を制御する同期制御器とを備えているので、ビーム
ON時間が短くピークパワーが高いレーザ光とこのレー
ザ光より長いパルス幅でピークパワーの低い通常のレー
ザビームとを1つのレーザ加工装置で実現することがで
き、さまざまな加工が施せると共に装置を簡単で安価に
することができる。
【0068】同期制御器はパルス電流が投入されている
ときに、複数のパルス電圧が印加されるようにするの
で、Qスイッチ発振によりビームON時間が短くピーク
パワーが高いレーザ光を照射させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の炭酸ガスレーザ装置
の構成図である。
【図2】 図1に示した炭酸ガスレーザ装置の動作を説
明する図である。
【図3】 図1に示した炭酸ガスレーザ装置の動作を説
明する図である。
【図4】 パルス電流とパルス電圧との関係を示す図で
ある。
【図5】 図1に示した炭酸ガスレーザ装置のパルス波
形を示す図である。
【図6】 本発明の実施の形態2のレーザ加工装置の模
式図である。
【図7】 本発明の実施の形態2のレーザ加工方法の工
程を示す図である。
【図8】 被加工材中での透過エネルギー分布を示す概
略図である。
【図9】 レーザビームの伝搬経路を示す模式図であ
る。
【図10】 被加工部材の温度分布を示す概略図であ
る。
【図11】 パルス電流とパルス電圧との関係を示す図
である。
【図12】 本発明の実施の形態3のビームON時間と
不良基板枚数の関係を示す図である。
【図13】 本発明の実施の形態3のビームON時間と
概略加工時間の関係を示す図である。
【図14】 本発明の実施の形態4のレーザ加工装置の
模式図である。
【図15】 本発明の実施の形態4のレーザ加工方法の
工程を示す図である。
【図16】 本発明の実施の形態5のレーザ装置の断面
図である。
【図17】 本発明の実施の形態5のパルスの形態を示
す概略図である。
【図18】 従来のレーザのプリント基板の穴あけ方法
を示す模式図である。
【図19】 従来のレーザのプリント基板の穴あけ方法
を示す模式図である。
【符号の説明】
1 全反射ミラー 2 部分反射
ミラー 3 共振器内のレーザビーム 4 ブリュー
スター窓 5 4分の1波長板 6 放電管 7 電気光学振幅変調器 8 パルス発
生器 9 パルスレーザ電源 10 同期制御
器 10a レーザビーム 11 炭酸ガス発振器 12 転写マ
スク 13 位置決めミラー 14 転写レ
ンズ 15 加工テーブル 16 プリン
ト基板 17 パルス炭酸ガスレーザビーム 18 内層銅
箔 19 加工穴 20 残留樹
脂 21 Qスイッチパルス第二高調波YAGレーザ発振
器 22 Qスイッチパルス第二高調波YAGレーザ発振
ビーム 23 連続レーザ電源 24 Qスイ
ッチパルス列 25 Qスイッチパルス 101 プリント基板 102 銅箔 102a 除去部 102b 内
層銅箔 103 レーザ光 104 加
工穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西田 聡 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 湯山 崇之 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の導体層とこの複数の導体層間に設
    けられた樹脂層とからなる積層部材に孔部を形成する孔
    部形成工程と、レーザ光のビームON時間が短くピーク
    パワーが高いレーザ光を前記孔部に照射し残留樹脂を除
    去する残留樹脂除去工程とを含んでいることを特徴とす
    るレーザ加工方法。
  2. 【請求項2】 残留樹脂除去工程におけるレーザ光のビ
    ームON時間は500ns以下であることを特徴とする
    請求項1記載のレーザ加工方法。
  3. 【請求項3】 残留樹脂除去工程におけるレーザ光は、
    Qスイッチ発振されたパルスにより取り出されたQスイ
    ッチレーザビームであることを特徴とする請求項1また
    は請求項2記載のレーザ加工方法。
  4. 【請求項4】 孔部形成工程は、レーザ光により孔部を
    形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項
    記載のレーザ加工方法。
  5. 【請求項5】 孔部形成工程におけるレーザ光のビーム
    ON時間は1μs以上であることを特徴とする請求項4
    記載のレーザ加工方法。
  6. 【請求項6】 孔部形成工程におけるレーザ光は、複数
    のQスイッチパルスからなるパルス列を周期的に複数形
    成し、これらのパルスにより取り出されたレーザビーム
    であることを特徴とする請求項4または請求項5記載の
    レーザ加工方法。
  7. 【請求項7】 孔部形成工程におけるレーザ光は、ビー
    ムON時間が長くピークパワーが低いレーザ光であるこ
    とを特徴とする請求項6記載のレーザ加工方法。
  8. 【請求項8】 対向して設けられた一対の反射ミラー
    と、前記反射ミラー間に設けられた放電管と、前記放電
    管と前記反射ミラー間に設けられレーザ光の偏光を制御
    する電気光学振幅変調器と、前記放電管にパルス電流を
    投入するパルスレーザ電源と、前記電気光学振幅変調器
    にパルス電圧を印加するパルス発生器と、前記パルスレ
    ーザ電源において投入されるパルス電流と前記パルス発
    生器において印加されるパルス電圧との同期を制御する
    同期制御器とを備えたことを特徴とするレーザ加工装
    置。
  9. 【請求項9】 同期制御器はパルスレーザ電源において
    パルス電流が投入されているときに、前記パルス発生器
    において複数のパルス電圧が印加されるようにすること
    を特徴とする請求項8記載のレーザ加工装置。
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