JP2001314990A - レーザ加工装置及び多層プリント配線板の製造装置 - Google Patents

レーザ加工装置及び多層プリント配線板の製造装置

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JP2001314990A
JP2001314990A JP2001086846A JP2001086846A JP2001314990A JP 2001314990 A JP2001314990 A JP 2001314990A JP 2001086846 A JP2001086846 A JP 2001086846A JP 2001086846 A JP2001086846 A JP 2001086846A JP 2001314990 A JP2001314990 A JP 2001314990A
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laser
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laser beam
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Yasuji Hiramatsu
靖二 平松
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Ibiden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで、微少径のビアホールを形成し得
る多層プリント配線板の製造装置及び製造方法を提供す
る。 【解決手段】 CO2レーザ発振器60からのレーザ光
をテルル結晶94によって短波長化し、レーザ光の回折
を抑制するとともに、レーザ光を集光した場合にその集
光限界の限界値を小さくすることにより、レーザ光のス
ポット径を小さくし、基板10上の層間絶縁樹脂にビア
ホール用の孔を明ける。このため、深い孔を形成するた
めにレーザ光の出力を上げた場合でも、孔径を広げるこ
とがないので、小径のビアホール用の孔を形成すること
が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、多層プリント配
線板の製造装置及びレーザ加工装置に関し、特には低コ
ストで微細な孔を形成できる多層プリント配線板の製造
装置及びレーザ加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ビルドアップ多層配線板は、層間樹脂絶
縁材と導体回路層とを交互に有し、層間樹脂絶縁材層に
孔を設け、この孔の壁面に導体膜を形成することで上層
と下層とを電気的に接続している。層間樹脂絶縁層の孔
(ビアホール)は、層間樹脂を感光性とすることによ
り、露光、現像処理して形成されることが一般的であ
る。
【0003】しかしながら、多層プリント配線板のビア
ホールの孔径は、100μm以下が主流となりつつあ
り、より小径のビアホールを形成するための技術が求め
られている。このような要請からビルドアップ多層配線
板の孔明けにレーザ光による加工法の採用が検討されて
いる。孔明けにレーザを用いる技術としては、例えば、
特開平3−54884号にて提案されている。この技術
では、レーザ光源からの光を加工用ヘッドで受けて偏向
させ、所定の樹脂絶縁材に照射し、スルーホールを形成
している。ここで、多層プリント配線板のビア、スルー
ホール用孔を明けるためには、層間樹脂にて発熱し得る
波長のレーザを用いることが必要となり、係るレーザ光
源としては、CO2 レーザやエキシマレーザなどがあ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】エキシマレーザは、K
rFで248nm、XeClで308nm、ArFで1
93nmと短波長であり、小径のビアホールを形成する
のに適している。しかしながら、エキシマレーザは、装
置の価格が高く、更に、波長が非常に短いため、レンズ
等の部品が劣化し易く頻繁に交換することが必要となる
他、高価なエキシマガスを短い周期で補充・交換するこ
とが要求されるため、工業化に用いた場合、製品コスト
を押し上げることになる。
【0005】この点、波長の相対的に長いCO2 レーザ
は、高出力で装置の価格が安いだけではなく、レンズ等
の補修が不要であり、且つ、補充用のCO2 が廉価であ
るので、工業化に適しているものの、深い孔を形成する
ためにレーザ光の出力を高くすると、ビアホールの孔径
が大きくなる。また、波長(10.6μm )の10倍程
度の100μmの孔は容易に形成し得るが、波長の5倍
程度の50μm以下の孔を明けることが困難であった。
このような問題は、多層プリント配線板に限らず、CO
2 レーザを加工用レーザ光源として使用する場合に生ず
るものである。
【0006】本発明は、上述した課題を解決するために
なされたものであり、その目的とするところは、低コス
トで、微少径のビアホールを形成し得る多層プリント配
線板の製造装置、また、微小径の孔を形成し得るレーザ
加工装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、ビアホ
ール等の孔径が大きくなるという原因について鋭意研究
した結果、CO2 レーザは、その波長が10.6μmと
長く、レーザ光の回折の影響で集光した際にスポット径
が大きくなり、出力を上げると設定値以上に孔径が大き
くなることが判った。
【0008】このため、レーザ光の波長を短波長化する
ことにより、レーザ光の回折を抑制できるとともに、集
光した際のスポット径を極力小さくでき、小径のビアホ
ール等の孔を形成できるとの知見を得た。本願発明は、
このような知見に基づき発案されてなり、請求項1の多
層プリント配線板の製造装置は、CO2 レーザ光源、レ
ーザ光の向きをX−Y方向へ偏向させるための走査ヘッ
ドもしくは多層プリント配線板の位置を変位せしめるX
−Yテーブルを有する多層プリント配線板の製造装置で
あって、前記CO2 レーザ光源から発振したレーザ光
は、高調波発生手段により短波長化され、樹脂絶縁層に
孔を形成させることを技術的特徴とする。
【0009】また、請求項2の多層プリント配線板の製
造装置では、加工用レーザ光源、該加工用レーザ光源か
ら発振したレーザ光を二倍波に短波長化する高調波発生
手段、レーザ光の向きをX−Y方向へ偏向させるための
走査ヘッドもしくは多層プリント配線板の位置を変位せ
しめるX−Yテーブルを有する多層プリント配線板の製
造装置であって、前記加工用レーザ光源の波長が、72
0nm以下からレーザ光源の最短波長以上、或いは、60
00nm以上からレーザ光源の最長波長以下であり、樹脂
絶縁層に孔を形成させることを技術的特徴とする。
【0010】請求項3のレーザ加工装置は、CO2 レー
ザ光源、レーザ光の向きをX−Y方向へ偏向させるため
の走査ヘッドもしくは被加工物の位置を変位せしめるX
−Yテーブルを有するレーザ加工装置であって、前記C
2 レーザ光源から発振したレーザ光は、高調波発生手
段により、短波長化されて、樹脂絶縁層に孔を形成させ
ることを技術的特徴とする。
【0011】請求項4のレーザ加工装置は、加工用レー
ザ光源、該加工用レーザ光源から発振したレーザ光を二
倍波に短波長化する高調波発生手段、レーザ光の向きを
X−Y方向へ偏向させるための走査ヘッドもしくは被加
工物の位置を変位せしめるX−Yテーブルを有するレー
ザ加工装置であって、前記加工用レーザ光源の波長が、
720nm以下からレーザ光源の最短波長以上、或いは、
6000nm以上からレーザ光源の最長波長以下であり、
樹脂絶縁層に孔を形成させることを技術的特徴とする。
【0012】本願発明は、レーザ光源からのレーザ光を
高調波発生手段によって短波長化し、レーザ光の回折を
抑制するとともに、レーザ光を集光した場合にその集光
限界の限界値を小さくすることにより、レーザ光のスポ
ット径を小さくする。その結果、深い孔を形成するため
にレーザ光の出力を上げた場合でも、孔径を広げること
がない。このため、ビアホールを始めとして小径の孔を
形成することが可能となる。前記レーザ光源としては、
CO2 ガスレーザが望ましい。この理由は、装置が廉価
で高出力であり、また、ランニングコストが低いからで
ある。
【0013】前記高調波発生手段としては、非線形光学
結晶の導波路やバルクを使用できる。具体的には、非線
形光学結晶の高調波出力側に、CO2 レーザ光源からの
レーザ光を反射せしめ非線形光学結晶により発生した高
調波を透過せしめる手段を付与しておく。光源波長のレ
ーザ光は反射され、短波長化されたレーザ光はそのまま
透過されるため、加工は短波長化されたレーザ光のみで
行われる。
【0014】加工用レーザ光源からのレーザ光を反射せ
しめ、非線形光学結晶により発生した高調波を透過せし
める手段としては、例えば、コリメータレンズの表面に
フッ化トリウムの薄膜(コーティング)を形成する。
【0015】なお、非線形光学結晶の入射側、即ち、加
工用レーザ光源側には、加工用レーザ光源からのレーザ
光を全透過せしめる機能を付与しておくとよい。入出射
効率を向上させるためである。
【0016】非線形光学結晶の入射側に、加工用レーザ
光源からのレーザ光を全透過せしめる機能を付与する手
段としては、層数、膜厚を調製したフッ化トリウム、シ
リコン等の薄膜を集光レンズの表面、非線形光学結晶の
端面に形成しておく。
【0017】また、非線形光学結晶をレーザ光源内に取
り込み、非線形光学結晶の入射側に、光源波長のレーザ
光の一部を反射させる機能を付与しておくか、あるい
は、加工用レーザ光源内にハーフミラーを利用して共振
器を構成してもよい。共振器型の高調波発生装置は、変
換効率が高く実用的であり、また、非線形光学結晶には
高い出力を与えた方が変換効率が高いからである。
【0018】非線形光学結晶としては、テルルが望まし
い。光源レーザとして最適なCO2レーザは、遠赤外線
帯域であり、この帯域の波長の位相整合を実現できるか
らである。テルルを使用した場合は、CO2 レーザ光に
対して位相整合できるようにc軸に対してθ=14.3
°でカットしておく。
【0019】CO2 レーザの波長は10.6μmであ
り、発生する第2高調波は5.3μmの波長である。こ
のため、第2高調波の10倍程度の50μm の孔を容易
に形成することができる。ここで、層間樹脂絶縁材に孔
を明けるためには、波長が360nm以下か、或いは、3
000nm以上である必要がある。このため、二倍波に短
波長化される加工用レーザ光源の波長は、720nm以下
か、或いは、6000nm以上であることが要求される。
本願発明は、アスペクト比(孔の深さ/孔の径)が1.
5以下の孔を形成する場合に特に有益である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施態様について
図を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施態様
に係る多層プリント配線板の製造装置を示している。
第1実施態様では、レーザ光源として波長10.6μm
のCO2 レーザ発振器60を用いる。該CO2 レーザ発
振器60は、全反射ミラー60Bと部分反射ミラー60
Aとの間にCO2 ガスを封止してなる共振器型で、励起
されたCO2 からのエネルギーが部分反射ミラー60A
を介してレーザ光として発射される。
【0021】CO2 レーザ発振器60から照射されたビ
ーム径20mmのレーザ光は、フッ化トリウム薄膜コー
ティングされたジンクセレン(ZnSe)の集光レンズ
92(メレスグリオ社製)により集光されて金属テルル
94に入射する。該集光レンズ92の表面は、波長1
0.6μmに対して全透過(AR: ANTI-REFLECTION)
である。
【0022】テルル94は、長さが5mmであり位相整
合できるようにc軸に対してθ=14.3°でカットさ
れている。波長10.6μmの入射光は、テルル中で波
長5.3μmの第2高調波に変換されて、テルル結晶9
4から出射して、コリメートレンズ90へ入射する。な
お、テルル結晶94の入射、出射端面には波長10.6
μmに対しては、全透過(AR)の性質を示すフッ化ト
リウム薄膜がコーティングされており、入射、出射効率
を向上させてある。
【0023】テルル94から出射した波長5.3μmの
第2高調波は、コリメートレンズ90で平行光にされ
る。コリメートレンズ90(メレスグリオ社製)の表面
には、層数、膜厚さの調製されたフッ化トリウム薄膜が
コーティングされ、波長10.6μmのレーザ光を全反
射(HR:WHOLE-REFLECTION)し、波長5.3μmの第
2高調波を全透過(AR)する。即ち、未変換の光源波
長である10.6μmの波長のレーザ光をカットする。
このため、加工に寄与するレーザ光は、5.3μmの波
長のみとなる。
【0024】波長5.3μmのレーザ光は、光学系のミ
ラー66で反射され、基板上の焦点を鮮明にするための
転写用マスク62を経由してガルバノヘッド70へ送ら
れる。
【0025】ガルバノヘッド(走査ヘッド)70は、レ
ーザ光をX方向にスキャンするガルバノミラー74Xと
Y方向にスキャンするガルバノミラー74Yとの2枚で
1組のガルバノミラーから構成されており、このミラー
74X、74Yは制御用のモータ72X、72Yにより
駆動される。モータ72X、72Yは後述するコンピュ
ータからの制御指令に応じて、ミラー74X、74Yの
角度を調整すると共に、内蔵しているエンコーダからの
検出信号を該コンピュータ側へ送出するよう構成されて
いる。
【0026】ガルバノミラーのスキャンエリアは30×
30mmである。また、ガルバノミラーの位置決め速度
は、該スキャンエリア内で400点/秒である。レーザ
光は、2つのガルバノミラー74X、74Yを経由して
それぞれX−Y方向にスキャンされてf−θレンズ76
を通り、基板10の後述する接着剤層に当たり、ビアホ
ール用の孔(開口部)20を形成する。
【0027】基板10は、X−Y方向に移動するX−Y
テーブル80に載置されている。上述したように各々の
ガルバノヘッド70のガルバノミラーのスキャンエリア
は30mm×30mmであり、500mm×500mmの基板1
0を用いるため、X−Yテーブル80のステップエリア
数は289(17×17)である。即ち、30mmのX方
向の移動を17回、Y方向の移動を17回行うことで基
板10の加工を完了させる。
【0028】該製造装置には、CCDカメラ82が配設
されており、基板10の四隅に配設されたターゲットマ
ーク(位置決めマーク)11の位置を測定し、誤差を補
正してから加工を開始するように構成されている。
【0029】引き続き、図2を参照して該製造装置の制
御機構について説明する。該制御装置は、コンピュータ
50から成り、該コンピュータ50が入力部54から入
力された多層プリント配線板の孔座標データ(加工デー
タ)と、上記CCDカメラ82にて測定したターゲット
マーク11の位置とを入力し、加工用データを作成して
記憶部52に保持する。そして、該加工用データに基づ
き、X−Yテーブル80、レーザ60、ガルバノヘッド
70を駆動して実際の孔明け加工を行う。
【0030】ここで、該コンピュータ50による加工用
データの作成処理について、図3を参照して更に詳細に
説明する。コンピュータ50は、先ず、CCDカメラ8
2の位置へ、X−Yテーブル80を駆動してターゲット
マーク11を移動する(第1処理)。そして、CCDカ
メラ82で4点のターゲットマーク11の位置を捕らえ
ることで、X方向のずれ量、Y方向のずれ量、基板の収
縮量、回転量等の誤差を測定する(第2処理)。そし
て、測定した誤差を補正するための誤差データを作成す
る(第3処理)。
【0031】引き続き、コンピュータ50は、それぞれ
の加工孔の座標からなる孔座標データを第3処理にて作
成した誤差データにて修正し、実際に開ける孔の座標か
ら成る実加工データを作成する(第4処理)。そして、
該実加工データに基づき、ガルバノヘッド70を駆動す
るためのガルバノヘッドデータを作成すると共に(第5
処理)、X−Yテーブル80を駆動するためのテーブル
データを作成し(第6処理)、レーザ60を発振させる
タイミングのレーザデータを作成する(第7処理)。こ
れら作成したデータを上述したように一旦記憶部52に
保持し、該データに基づき、X−Yテーブル80、レー
ザ60、ガルバノヘッド70を駆動して実際の孔明け加
工を行う。
【0032】引き続き、本発明の第1実施態様に係る製
造装置を用いる多層プリント配線板の製造行程につい
て、図4及び図5を参照して説明する。先ず、図4中の
工程(A)に示す500×500mmで厚さ1mmのガラス
エポキシ又はBT(ビスマレイミドトリアジン)から成
る基板10の両面に18μmの銅箔12がラミネートさ
れて成る銅張積層板10aを出発材料とし、工程(B)
に示すようにその銅箔を常法に従いパターン状にエッチ
ングすることにより、基板10の両面に内層銅パターン
14a、14b、及び、ターゲットマーク11を形成す
る。
【0033】ここで、層間樹脂絶縁材を用意する。DM
DG(ジメチルグリコールジメチルエーテル)に溶解し
たクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬製:
分子量2500)を70重量部、ポリエーテルスルフォ
ン(PES)30重量部、イミダゾール硬化剤(四国化
成製:商品名2E4MZ−CN)4重量部、さらにこの
混合物に対してエポキシ樹脂粒子の平均粒径5.5μm
を35重量部、平均粒径0.5μmのものを5重量部を
混合した後、さらにNMPを添加しながら混合し、ホモ
ディスパー攪拌機で粘度12pa.sに調整し、続いて3本
ロールで混練して接着剤溶剤(層間樹脂絶縁材)を得
る。
【0034】工程(B)に示す基板10を水洗いし、乾
燥した後、その基板10を酸性脱脂してソフトエッチン
グして、塩化パラジウムと有機酸からなる触媒溶液で処
理して、Pd触媒を付与し、活性化を行い、無電解めっ
き浴にてめっきを施し、銅導電体14a、14b、ター
ゲットマーク11及びビアホールパッドの表面にNi−
P−Cu合金の厚さ2.5μmの凹凸層(粗化面)を形
成する。
【0035】そして、水洗いし、その基板10をホウふ
っ化スズーチオ尿素液からなる無電解スズめっき浴に5
0°Cで1時間浸漬し、Ni−Cu−P合金粗化面の表
面に厚さ0.3μmのスズ置換めっき層を形成する。
【0036】工程(C)に示すよう当該基板10に、上
記接着剤をロールコータを用いて塗布して、水平状態で
20分間放置してから、60°Cで30分の乾燥を行
い、厚さ50μmの接着剤層16を形成し、その後加熱
炉で170°Cで5時間加熱し、接着剤層16を硬化さ
せる。なお、この接着剤層16は透光性を有する。これ
は該接着剤層16に被覆されたターゲットマーク11を
CCDカメラ82にて認識し易いようにするためであ
る。
【0037】その後、該基板10を図1に示すX−Yテ
ーブル80に載置し、上述したよう基板10に形成され
たターゲットマーク11をCCDカメラ82にて測定す
ることで、該基板10のズレを測定・修正してから、レ
ーザ発振器60からのパルス光を照射して、基板の接着
剤層16に対してビアホール用の孔20を形成する(工
程(D)参照)。
【0038】即ち、集光レンズ92、コリメートレンズ
94、非線形光学結晶であるテルル94を用いて光学系
を構成した本実施態様の構成により、孔明け加工を行
う。CO2 レーザ発振器60からの出力は5000Wで
パルス時間は、1μsecである。高調波の出力は、ピ
ークで1600Wであり、変換効率は32%であった。
ここで、照射エネルギーを0.8mJに設定した。
【0039】本実施態様では、5. 3μm の第2高調波
のレーザ光が、厚さ50μmの接着剤層(層間樹脂絶縁
材)16を貫いて底部(内層銅パターン14a,14
b)を露出させ、深さ50μmの孔20を形成する。し
かも孔20の上径(開口部の径)は40μmと小径のビ
アホールを得ることができる。このように低コストのC
2 レーザ光源から発振したレーザ光を変調して短波長
化させた5.3μmのレーザ光波長を利用することで、
微細で深い孔を形成することが可能となる。
【0040】ここで、比較のために集光レンス、コリメ
ートレンズ、テルルを用いずに光学系を構成し、マスク
62の径を直径0.6mmにし、照射エネルギーを0.
4mJに設定してレーザ光を照射して上記50μmの接
着剤層16にビアホール用の孔の形成試験を行った結果
について説明する。ここで、CO2 レーザ60からの出
力は5000Wでパルス時間は、1μsecである。高
調波の出力は、ピークで1600Wであり、波長は1
0.6μmである。
【0041】この試験において形成された孔の上径は4
0μmであり、孔の深さは30μmであり、50μmの
接着剤層16を貫いて底部(内層銅パターン14a、1
4b)を露出させることはできなかった。同様の光学系
で照射エネルギーを0.8mJまで高めたところ、50
μmの厚さの接着剤層16を貫いて底部を露出させるこ
とはできたが、孔の上径は60μmであり、開口部の径
が広がってしまった。
【0042】このように、波長10.6μmでは、出力
を上げると接着剤層を貫いて孔を開けることが可能であ
るが、孔の径も広がってしまう。また、出力を下げると
孔の径を小さくできるが、接着剤層を貫くことはでき
ず、上層と下層との接続がとれなくなる。
【0043】引き続き、図4及び図5を参照して、多層
プリント配線板の製造方法の説明を続ける。本実施態様
では、基板(500mm×500mm)に短波長化されたレ
ーザ光によりランダムな5000の孔を明ける。ここ
で、上述したようにそれぞれのガルバノミラーのスキャ
ンエリアは30×30mmであり、位置決め速度は、該ス
キャンエリア内で400点/秒である。他方、X−Yテ
ーブル80のステップエリア数は289(17×17)
である。即ち、30mmのX方向の移動を17回、Y方向
の移動を17回行うことでレーザ加工を完了させる。こ
のX−Yテーブル80の移動速度は15000mm/分で
ある。一方、CCDカメラ82による4点のターゲット
マーク11の認識時間は、テーブル80の移動時間を含
め9秒である。このような製造装置により基板10を加
工すると、加工時間は269.5秒であった。
【0044】孔20の形成された基板10を、クロム酸
に1分間浸漬し、樹脂層間絶縁層中のエポキシ樹脂粒子
を溶解して、工程(E)に示すように当該樹脂層間絶縁
層16の表面を粗化し、その後、中和溶液(シプレイ社
製)に浸漬した後に水洗いする。この粗面化処理を行っ
た基板10にパラジウム触媒(アトテック製)を付与す
ることにより、接着剤層16及びビアホール用の孔20
に触媒核を付ける。
【0045】ここで、液状レジストを用意する。DMD
Gに溶解させたクレゾールノボラック型エポキシ樹脂
(日本化薬製:商品名EOCN−103S)のエポキシ
基25%をアクリル化した感光性付与のオリゴマー(分
子量4000)、イミダゾール硬化剤(四国化成製:商
品名2PMHZ−PW)、感光性モノマーであるアクリ
ル系イソシアネート(東亜合成製:商品名アロニックス
M215)、光開始剤としてのベンゾフェノン(関東化
学製)、光増感剤としてのミヒラーケトン(関東化学
製)を以下の組成でNMPを用いて混合して、ホモディ
スパー攪拌機で粘度3000cps に調整し、続いて3本
ロールで混練して液状レジストを得る。 樹脂組成物;感光性エポキシ/M215/BP/MK/
イミダゾール=100/10/5/0.5/5
【0046】図5中の工程(F)に示すよう上記の触媒
核付与の処理を終えた基板10の両面に、上記液状レジ
ストをロールコーターを用いて塗布し、60°Cで30
分の乾燥を行い厚さ30μmレジスト層24を形成す
る。
【0047】その後、レジスト層24の非除去部をフォ
トエッチング、又は、小出力のレーザ照射により露光し
た後、工程(G)に示すようレジスト層をDMTGで溶
解現像し、基板10上に導体回路パターン部26a及び
ターゲットマークを形成するパターン部26bの抜けた
メッキ用レジスト26を形成し、更に、超高圧水銀灯に
て1000 mJ/cm2 で露光し、100°Cで1時間、
その後、150°Cで3時間の加熱処理を行い、層間絶
縁層(接着剤層)16の上に永久レジスト26を形成す
る。
【0048】そして、工程(H)に示すよう上記永久レ
ジスト26の形成された基板10に、予めめっき前処理
(具体的には硫酸処理等及び触媒核の活性化)を施し、
その後、無電解銅めっき浴による無電解めっきによっ
て、レジスト非形成部に厚さ15μm程度の無電解銅め
っき28を析出させて、外層銅パターン30、ビアホー
ル32、ターゲットマーク111を形成することによ
り、アディティブ法による導体層を形成する。
【0049】そして、前述の工程を繰り返すことによ
り、アディティブ法による導体層を更にもう一層形成す
る。この際に、層間絶縁層(接着剤層)16の上に形成
したターゲットマーク111を用いて、CCDカメラ8
2にて誤差を測定し、レーザによりビアホール用の孔を
形成する。このように配線層をビルトアップして行くこ
とより6層の多層プリント配線板を形成する。
【0050】引き続き、本発明の第2実施態様に係る製
造装置の構成について、図6を参照して説明する。図1
を参照して上述した第1実施態様では、全反射ミラー6
0Bと部分反射ミラー60Aとの間にCO2 ガスを封止
してなるCO2 レーザ発振器60の外部にテルル結晶9
4を配設した。これに対して、第2実施態様において
は、CO2 レーザ発振器160が、テルル結晶194と
全反射ミラー160Bとの間にCO2 ガスを封止してな
る。即ち、CO2 レーザ発振器160の内部にテルル結
晶194を配設してある。該テルル結晶194には、第
1実施態様の部分反射ミラー60Aと同様に、CO2
ス中で励起したエネルギーの一部のみを通過させるよう
に、全反射ミラー160Bと対向する面が部分反射する
よう構成されている。
【0051】テルル結晶等の非線形光学結晶では、高い
出力のレーザ光が入射された方が高調波への変換効率が
高いため、CO2 レーザ発振器160内部の高出力のレ
ーザ光をテルル結晶へ入射させ、高い効率で高調波に変
換している。
【0052】上述した実施態様では、走査ヘッドとして
ガルバノヘッドを用いたが、ポリゴンミラーを採用する
ことも可能である。更に、走査ヘッドを用いることな
く、X−Yテーブルを移動することで、レーザの照射位
置を調整するようにも構成できる。
【0053】上記実施態様では、CO2 レーザの波長を
一個のテルル結晶にて二倍にしたが、テルル結晶を二段
設けることで、レーザの波長を四倍にすることも可能で
ある。また、レーザ発振器としてCO2 レーザを用いた
が、本発明では、アルゴン等の種々のレーザ源の高調波
を用いることができる。ここで、層間樹脂絶縁材に孔を
明けるためには、波長が360nm以下か、或いは、30
00nm以上である必要がある。即ち、360nm超300
0nm未満の波長のレーザ光は、樹脂を通過して発熱しな
いためである。従って、二倍波にして用いる際には、7
20nm以下か、或いは、6000nm以上の波長のレーザ
光源を用いる必要があり、更に、四倍波を用いる場合に
は、1440nm以下か、或いは、12000nm以上の波
長のレーザ光源を用いる必要がある。
【0054】また更に、上記実施態様においては、非線
形光学結晶として、テルルを用いたが、レーザ光との位
相整合がとれて、10μm から5μm のレーザ光を通過
させ得る限り、種々の材質の非線形光学結晶を用いるこ
とができる。例えば、ガリウムセレンGaSe、硫化ア
ンチモンAg3 SBS3 、硫化砒素Ag3 ASS3 、硫
化水銀HgS、セレンSe等を用いることも可能であ
る。また、被加工物として多層プリント配線板を用いた
が、これに限定されない。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明ではレー
ザ光源の波長を変調して短波長化するため、低価格の光
源を用いてビアホールを始めとして微細な孔を形成する
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1実施態様に係る多層プリント配
線板の製造装置の模式図である。
【図2】図1に示す製造装置の制御機構のブロック図で
ある。
【図3】図2に示す制御機構による処理の工程図であ
る。
【図4】第1実施態様に係る多層プリント配線板を製造
する工程図である。
【図5】第1実施態様に係る多層プリント配線板を製造
する工程図である。
【図6】本願発明の第2実施態様に係る多層プリント配
線板の製造装置の模式図である。
【符号の説明】
10 基板(被加工物) 11 ターゲットマーク 16 接着剤層(層間樹脂絶縁材) 50 コンピュータ 52 記憶部 54 入力部 60 レーザ発振器 62 マスク 70 ガルバノヘッド(走査ヘッド) 80 X−Yテーブル 82 CCDカメラ 90 コリメートレンズ 92 集光レンズ 94 テルル結晶(高調波発生手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CO2 レーザ光源、レーザ光の向きをX
    −Y方向へ偏向させるための走査ヘッドもしくは多層プ
    リント配線板の位置を変位せしめるX−Yテーブルを有
    する多層プリント配線板の製造装置であって、 前記CO2 レーザ光源から発振したレーザ光は、高調波
    発生手段により短波長化され、樹脂絶縁層に孔を形成さ
    せることを特徴とする多層プリント配線板の製造装置。
  2. 【請求項2】 加工用レーザ光源、該加工用レーザ光源
    から発振したレーザ光を二倍波に短波長化する高調波発
    生手段、レーザ光の向きをX−Y方向へ偏向させるため
    の走査ヘッドもしくは多層プリント配線板の位置を変位
    せしめるX−Yテーブルを有する多層プリント配線板の
    製造装置であって、 前記加工用レーザ光源の波長が、720nm以下からレー
    ザ光源の最短波長以上、或いは、6000nm以上からレ
    ーザ光源の最長波長以下であり、樹脂絶縁層に孔を形成
    させることを特徴とする多層プリント配線板の製造装
    置。
  3. 【請求項3】 CO2 レーザ光源、レーザ光の向きをX
    −Y方向へ偏向させるための走査ヘッドもしくは被加工
    物の位置を変位せしめるX−Yテーブルを有するレーザ
    加工装置であって、 前記CO2 レーザ光源から発振したレーザ光は、高調波
    発生手段により、短波長化されて、樹脂絶縁層に孔を形
    成させることを特徴とするレーザ加工装置。
  4. 【請求項4】 加工用レーザ光源、該加工用レーザ光源
    から発振したレーザ光を二倍波に短波長化する高調波発
    生手段、レーザ光の向きをX−Y方向へ偏向させるため
    の走査ヘッドもしくは被加工物の位置を変位せしめるX
    −Yテーブルを有するレーザ加工装置であって、 前記加工用レーザ光源の波長が、720nm以下からレー
    ザ光源の最短波長以上、或いは、6000nm以上からレ
    ーザ光源の最長波長以下であり、樹脂絶縁層に孔を形成
    させることを特徴とするレーザ加工装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7603070B2 (en) 2006-01-17 2009-10-13 Samsung Electronics Co., Ltd. Heat roller of image forming apparatus
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