JPH117676A - 磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録再生装置

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JPH117676A
JPH117676A JP9158932A JP15893297A JPH117676A JP H117676 A JPH117676 A JP H117676A JP 9158932 A JP9158932 A JP 9158932A JP 15893297 A JP15893297 A JP 15893297A JP H117676 A JPH117676 A JP H117676A
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JP
Japan
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tape
guide
magnetic tape
guide roller
magnetic
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Application number
JP9158932A
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English (en)
Inventor
Kouji Yamabuchi
浩二 山渕
Mitsunobu Yoshida
光伸 吉田
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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  • Registering, Tensioning, Guiding Webs, And Rollers Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成でテープダメージを受けないよう
な安定した状態で磁気テープを走行させる。 【解決手段】 供給側傾斜ガイド34および巻取側傾斜
ガイド35による傾向付けの結果、好適なヘッドタッチ
を得ることができる。供給側傾斜ガイド34および巻取
側傾斜ガイド35から間隔をあけそれぞれ配置される供
給側ガイドローラ33および巻取側ガイドローラ36
は、回転軸がテープ走行平面に対して垂直であり、磁気
テープ22と接触する案内部分に、下側で径が大きくな
るテーパ形状を用いているので、テープ皺を発生させず
に浮き走行状態を安定して形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気テープに対し
て回転ヘッドドラムで記録および/または再生を行う磁
気記録再生装置に関し、特に回転ヘッドドラム近傍での
磁気テープ走行系に関する。
【0002】
【従来の技術】図6は、従来からの磁気記録再生装置に
おけるテープ走行系を示す。テープカセット1から磁気
テープ2が供給され、回転ヘッドドラム3、キャプスタ
ン4、ピンチローラ5などを備えるビデオテープレコー
ダ(略称「VTR」)6でビデオ信号の記録および/ま
たは再生が行われる。磁気テープ2は、回転ヘッドドラ
ム3の周辺を除いて、ビデオテープレコーダ6のカセッ
ト基準平面上を走行する。カセット基準平面は、テープ
カセット1内での磁気テープ2の幅方向の中心を通る平
面であり、基板表面7とは平行である。なお、磁気テー
プ2の幅方向の両側のテープエッジは、基板表面7に近
い方を下側、基板表面7から遠い方を上側として示す。
【0003】回転ヘッドドラム3の回転軸は、テープカ
セット1の基準平面に対して傾斜し、回転ヘッドドラム
3に設けられるビデオヘッド8,9が磁気テープ2の走
行方向に対して斜めに走査することを可能にしている。
このビデオテープレコーダ6はいわゆるMローディング
方式であり、回転ヘッドドラム3の両側に設けられるテ
ープ案内体10a,10bが、記録・再生時にのみ磁気
テープ2を回転ヘッドドラム3に巻き付けるようにして
いる。
【0004】テープカセット1の供給側リール1aから
供給される磁気テープ2は、テンションローラ11、イ
ンピーダンスローラ12を経て上流側のテープ案内体1
0aに設けられる供給側ガイドローラ13および供給側
傾斜ガイド14に達する。供給側傾斜ガイド14で、磁
気テープ2は、走行平面がテープカセット1の基準平面
に対して傾斜するように変えられ、回転ヘッドドラム3
に供給される。回転ヘッドドラム3から巻き取られる磁
気テープ2は、巻取側傾斜ガイド15によって走行平面
がテープカセット1の基準平面に戻される。(巻取側傾
斜ガイド15は、巻取側ガイドローラ16とともに、下
流側のテープ案内体10bに設けられる。)磁気テープ
2は、巻取側ガイドローラ16を通って、キャプスタン
4およびピンチローラ5で一定速度で送られ、巻取側ガ
イド17を経て巻取側リール1bに巻取られる。
【0005】磁気テープ2の走行経路に関し、回転ヘッ
ドドラム3の上流および下流の両側にテープ案内体10
a,10bがそれぞれ設けられ、ローディング時には磁
気テープ2を回転ヘッドドラム3に巻き付ける。巻き付
けられた磁気テープ2の走行経路は、大略的にM字状と
なるので、Mローディング方式とも呼ばれ、非常に簡単
にテープ走行系を構成することができるので、広く採用
されている。テープ案内体10a,10b上の供給側傾
斜ガイド14および巻取側傾斜ガイド15は、テープカ
セット1の基準平面と回転ヘッドドラム3まわりの傾斜
した走行平面との間での変換を行うために、両平面に対
して傾斜するように設置される。
【0006】ところで、磁気記録再生装置では、一般的
にテープ走行系の走行調整で、以下に示すようなことが
要求される。
【0007】ヘッドタッチの確保(再生信号の質) トラックリニアリティの確保(互換性) テープの皺なし走行(テープダメージ) 前述のMローディング方式のテープ走行系は、基本的に
は幾何学的にテープが捩れないように各ガイド類が配置
され、テープガイドとテープガイドとの間の磁気テープ
は完全な平面となるように設計される。しかしながら、
幾何学的に全くテープが捩れないような走行系では、実
際にテープを走行させた場合、良好なヘッドタッチを得
ることができない。また回転ヘッドドラム3には、磁気
テープ2を案内するためのリードと呼ばれる螺旋状の段
差が設けられており、理論的にはこのリードに磁気テー
プ2の下側テープエッジが案内されるので、回転ヘッド
ドラム3に設けられるビデオヘッド8,9は、正確に走
行方向に対して傾斜したトラックをトレースすることが
できる。実際には、部品の精度や組立精度によるばらつ
きや、回転ヘッドドラム3の回転等によって生じる磁気
テープ2に対する掻き上げ力によって、磁気テープが正
確に回転ヘッドドラム3のリードに沿わず、不安定な走
行になってしまう。
【0008】図7は、ヘッドタッチおよびリニアリティ
確保のため、ガイドローラ13,16にアオリ方向の傾
向を付ける状態を示す。ガイドローラ13,16には、
図7(a)に示すように、磁気テープ2が巻き取られて
走行方向が変わる。ガイドローラ13,16に付けられ
る傾向は、巻き付けのセンタ方向であるアオリ方向であ
り、図6ではAの方向として示される。図7(b)に示
すように、中心軸13a,16aの傾斜で角度θを傾向
量として付けると、不安定であった回転ヘッドドラム3
の出入口でのヘッドタッチを確保することができる。ま
たドラム巻き付け中心部に比べて巻き付け両端部では磁
気テープ2が浮くので、この浮いた磁気テープ2に対
し、フランジ13b,16b付きのガイドローラ13,
16で高さを規制することによって、安定した記録・再
生を行うことができる。
【0009】図7(b)に示す傾向量θは、小さすぎる
と磁気テープ2は充分な下張り状態とはならず、回転ヘ
ッドドラム3の出入口部で磁気テープ2が沈み、フラン
ジ部13b,16bで規制することができなくなる。ま
た傾向量θが大きすぎるときには、磁気テープ2が充分
な浮き走行状態になり、ガイドローラ13,16のフラ
ンジ部13b,16bで規制することによって、磁気テ
ープ2を回転ヘッドドラム3のリードに押え付けること
ができて正確なトレースが可能となる。しかしながら、
ガイドローラ13,16のフランジ部13b,16bに
かかる力も大きくなって、図7(a)の点Pとして示す
部分にガイドローラ13,16のフランジ部13b,1
6bで磁気テープ2に皺(くぼみ)が発生する。このテ
ープ皺が発生した状態でテープ走行を繰り返すと、磁気
テープ2のテープエッジのダメージに発展する。これら
のテープダメージは、図7(b)に示すように、磁気テ
ープ2の上側のテープエッジがガイドローラ13,16
のフランジ部13b,16bに局部的に当たっているた
めに発生する。
【0010】この問題解決に関連する先行技術として
は、たとえば実開平3−106545に開示されている
ように、ガイドローラのフランジ部にテーパを設けるこ
とが提案されている。一方、浮き走行の力を発生させる
ために、ガイドローラの回転ローラ部分自体にテーパを
設ける試みも提案されている。たとえば、特開昭59−
77665、特開昭59−112453および実開昭6
0−51639などには、テーパを有する回転ローラが
開示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】実開平3−10654
5に開示されているような方法では、磁気テープをフラ
ンジに均一に接触させることができず、磁気テープに皺
が残ってテープダメージを発生させてしまう。またフラ
ンジ部がテーパになっているため、高さ方向のテープに
対する規制を充分に行うことができないという問題も残
る。特開昭59−77665および特開昭59−112
453に開示されている先行技術では、ガイドローラに
フランジを設けないので、テープの幅規制を他の部品で
行う必要がある。また、実開昭60−51639の先行
技術では、フランジ部にテーパが設けられているため、
テープの幅規制を充分に行うことができない。
【0012】近年、磁気テープなどの磁気記録媒体で
は、記録の長時間化が要望され、トラックピッチがます
ます狭くなり、テープ厚みも非常に薄くなってきてい
る。磁気記録再生装置では、従来よりもさらに正確なト
レースが必要となり、より安定したテープ走行が要求さ
れる。また厚手のテープでは発生しなかったテープの皺
が、テープの厚みが薄くなることによって発生しやすく
なり、皺を生じる状態で走行を繰り返すことによってテ
ープダメージがより深刻化する。
【0013】本発明の目的は、簡単な構成で厚みが薄い
テープでもテープダメージがなく、安定して高密度な記
録・再生を行うことができる磁気記録再生装置を提供す
ることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、テープカセッ
トから引出されて走行する磁気テープを、テープカセッ
ト内の磁気テープの基準平面に対して回転軸が傾斜する
回転ヘッドドラムに巻き付けて、信号の記録および/ま
たは再生を行うヘリカルスキャン方式の磁気記録再生装
置において、回転ヘッドドラムに近接して設けられる傾
斜ガイドと、傾斜ガイドから間隔をあけて設けられるガ
イドローラとを有するテープ案内体が、磁気テープの走
行経路に関して、回転ヘッドドラムの上流側および下流
側の近傍に、それぞれ配設され、各テープ案内体の傾斜
ガイドには、磁気テープの下側が上側よりも張力が大き
くなるような傾向が付けられ、各テープ案内体ガイドロ
ーラは、テープ走行平面に垂直な回転軸まわりに回転可
能であり、磁気テープの走行経路の上下方向を規制する
フランジを有し、フランジ間の磁気テープに接触する案
内部分は、上側の部分よりも下側の部分の方が大きい径
を有することを特徴とする磁気記録再生装置である。
【0015】本発明に従えば、磁気テープの基準平面に
対して回転軸が傾斜している回転ヘッドドラムに対し、
磁気テープの走行に関して上流側および下流側に近接し
て傾斜ガイドが設けられる。傾斜ガイドは、磁気テープ
の下側が上側よりも張力が大きくなる下張りの傾向が付
けられているので、ヘッドタッチおよびリニアリティを
確保することができる。ガイドローラは、磁気テープが
接触する案内部分が、上側部分よりも下側部分の方が大
きい径を有するので、磁気テープは回転ヘッドドラムへ
の巻き付け中心部に比べて巻き付け両端部で浮いた状態
で走行し、磁気テープをフランジによって充分に規制す
ることができる。ガイドローラの回転軸は、磁気テープ
の走行平面に垂直となるので、磁気テープのテープエッ
ジがガイドローラのフランジ部に均一に当たり、磁気テ
ープには皺が残らずテープダメージが発生しにくい。フ
ランジ部にテーパをつける必要がないので、テープの幅
方向の規制を充分に行うことができる。
【0016】また本発明で、前記ガイドローラの案内部
分は、上側に対して下側の径が大きくなるようなテーパ
形状を有することを特徴とする。
【0017】本発明に従えば、ガイドローラの磁気テー
プ案内部分に設ける径の変化は、上側に対して下側の径
が大きくなるようなテーパ形状であるので、形状が単純
で容易に製造することができ、製造コストを抑えること
ができる。
【0018】また本発明で、前記ガイドローラの案内部
分は、上側から途中までに、径が一定のストレート形状
部分と、径が拡大して下側に至るテーパ形状部分とを有
することを特徴とする。
【0019】本発明に従えば、ガイドローラの磁気テー
プ案内部分は、上側の部分がストレート形状であり、回
転振れなどの精度を高くすることができる。下側の部分
ではテーパ形状で径が大きくなるので、安定した浮き走
行状態を得ることができる。
【0020】また本発明で、前記テープ案内体は、磁気
テープのローディング時に移動可能であり、ローディン
グ完了時に、前記ガイドローラの回転軸が前記基準平面
に対して垂直になり、前記傾斜ガイドに前記傾向が付く
ような移動を行うことを特徴とする。
【0021】本発明に従えば、テープ案内体は磁気テー
プのローディング完了時に、磁気テープに傾斜ガイドで
下張りの傾向を付けることができ、ガイドローラで安定
した浮き走行状態を得ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態を
示す。磁気記録再生装置20のテープ走行系では、テー
プカセット21の供給側リール21aから磁気テープ2
2が供給され、回転ヘッドドラム23に所定角度以上巻
き付けられ、テープカセット21の巻取側リール21b
に巻き取られる。
【0023】磁気テープ22のローディング状態では、
(磁気テープ22の走行経路に関し、)回転ヘッドドラ
ム23の上流側および下流側にはテープ案内体30a,
30bが近接して配置されるようになる。テープ案内体
30a,30bは、磁気テープ22がローディング状態
ではないとき、特にテープカセット1の着脱時には、図
1における下方、すなわち斜線を施して示すカセットマ
ウス21c内に移動する。磁気テープ22は、供給側リ
ール21aからテンションローラ31およびインピーダ
ンスローラ32を経て供給側ガイドローラ33まで、基
準平面27上を走行する。磁気テープ22は、供給側傾
斜ガイド34で走行平面が基準平面27に対して傾斜す
るように変えられる。記録・再生するために回転ヘッド
ドラム23に巻付けられた磁気テープ22は、さらに走
行平面を変える。その後、磁気テープ22は、第1の傾
斜ガイドである巻取側傾斜ガイド35から巻取側ガイド
ローラ36および第2傾斜ガイド38を通って、テープ
走行平面が元の基準平面27に戻され、キャプスタン2
4とピンチローラ25によって一定速度で走行する。最
終に巻取側ガイド37を通って、巻取側リール21bに
巻取られる。供給側ガイドローラ33および巻取側ガイ
ドローラ36には、磁気テープ22の高さを規制するた
めのフランジが設けられる。
【0024】図2は、供給側傾斜ガイド34および巻取
側傾斜ガイド35の傾向付けを示す。W方向は、磁気テ
ープ22の下側を張るための傾斜である。これによって
組立て精度のばらつきにも左右されない良好なヘッドタ
ッチを得ることができる。なお図2で、傾斜方向Uは、
供給側傾斜ガイド34では、供給側ガイドローラから供
給側傾斜ガイド34までに磁気テープ22が走行する方
向と逆方向であり、傾斜直角方向は傾斜方向Uに垂直で
下張りの方向である。巻取側傾斜ガイド35では、傾斜
方向Uは、巻取側傾斜ガイド35から巻取側ガイドロー
ラ36に導かれる磁気テープ22の走行方向と逆方向で
あり、傾斜直角方向Vはこの走行方向と垂直で、下張り
の方向である。
【0025】図6に示すような従来の供給側ガイドロー
ラ13、供給側傾斜ガイドローラ14、巻取側傾斜ガイ
ド15および巻取側ガイドローラ16では、次の表1に
示すような傾向を付けた場合に、ヘッドタッチ、テープ
皺、テープ走行方向などで最適となる結果が得られてい
る。ただしテープ幅は6.35mmで、テープ厚は7.
0μmである。
【0026】
【表1】
【0027】図7に示すような通常のガイドローラ1
3,16を用いる場合には、表1に示すような傾向を付
ければ、ヘッドタッチを確保し、テープ皺の少ないテー
プ走行系を得ることができると判断される。しかしなが
ら、傾向付を、表1に示すような最適値に設定しても、
供給側ガイドローラ13および巻取側ガイドローラ16
のフランジ部13b,16bには若干のテープ皺が残
り、テープ走行を繰り返すと、僅かなテープダメージが
発生する。テープ厚みをさらに薄い5.3μm厚のもの
にすれば、このテープ皺の発生はより顕著となり、テー
プダメージの度合も一層激化する。すなわち、表1に示
す傾向付だけでは、テープ走行系として完全なものでは
なく、テープ皺が残ってテープダメージが発生してしま
うおそれがある。
【0028】図3は、本発明の基本的な内容として、供
給側ガイドローラ33および巻取側ガイドローラ36の
構成を示す。図3では、(a)で平面図、(b)で正面
図をそれぞれ示す。安定した浮き走行状態を得るため
に、供給側ガイドローラ33および巻取側ガイドローラ
36のローラ部分は、上側となる先端側に対して、下側
となる基端側が0.05〜0.2mm太くなるようなテ
ーパ形状を有する。しかしながら、供給側ガイドローラ
33および巻取側ガイドローラ36の回転軸33a,3
6aは、全く傾向付けは行わず、基本的にその回転軸3
3a,36aは磁気テープ22の走行平面28に対して
垂直としておく。したがって、磁気テープ22の上側の
テープエッジ22aは、供給側ガイドローラ33および
巻取側ガイドローラ36のフランジ33b,36bに真
っすぐに均一に当り、局部的にのみ当ることはない。こ
れによって、磁気テープ22の幅方向の走行位置が確実
に規制される。
【0029】このような構成によって良好なヘッドタッ
チを得ると同時に、安定した浮き走行状態を実現するこ
とができる。しかもその結果、供給側ガイドローラ33
および巻取側ガイドローラ36でのテープ皺の発生を抑
制することができる。供給側傾斜ガイド34および巻取
側傾斜ガイド35に適切な下張りの傾向付けを行い、ま
た上述のようなテーパ量を有する供給側ガイドローラ3
3および巻取側ガイドローラ36を用いることによっ
て、非常に優れたテープパスを形成することができる。
たとえば、テープ幅6.35mm、テープ厚5.3μ
m、ガイドローラ径3.8〜3.9mmでテーパによる
径の差が0.1mmの場合に、ヘッドタッチ、テープ
皺、テープ走行方向やその他の走行状態によって傾向付
けの評価を行えば、次の表2に示すような値が最適値と
して得られている。
【0030】
【表2】
【0031】なお、図1に示すようなテープパスでは、
供給側傾斜ガイド34および巻取側傾斜ガイド35の精
度が次の表3のように変化しても、同様に安定したテー
プ走行系が得られることが確認されている。
【0032】
【表3】
【0033】テープ厚みがより薄くなる場合や、テープ
幅が広い場合には、傾向付け量やテーパ量を少なくすれ
ばよいことが判明している。傾向付け量やテーパ量につ
いては、その量を大きくすることができる場合には精度
の許容範囲も大きくとることができ、生産が容易となる
ので好ましい。
【0034】以上のように磁気テープ22と接触して案
内する部分に、テーパを設ける供給側ガイドローラ33
および巻取側ガイドローラ36のみを用いるだけでは充
分なヘッドタッチを得ることができないけれども、供給
側傾斜ガイド34および巻取側傾斜ガイド35で傾向を
付けることによって、ヘッドタッチ、リニアリティの両
方を満足するテープパスを得ることができる。
【0035】図4は、供給側ガイドローラ33の取付け
方法を示す。ボス41は、テープ案内体30aであるガ
イドベース42に予め斜めに圧入しておく。ガイドベー
ス42がガイドレール43上を移動して、キャッチャ4
4で止まるときに位置決めが完了するようにする。この
ときガイドベース42には、ローディング力Fが作用す
る。傾斜ガイドローラ33は、ガイドベース42がキャ
ッチャ44に捕えられて位置決めが完了するときに、走
行平面28に対して回転軸33aが垂直となるようにす
ればよい。巻取側ガイドローラ36についても同様であ
る。さらに供給側傾斜ガイド34および巻取側傾斜ガイ
ド35についても、ローディング用に位置決めが完了し
た時点で表2に示すような傾向付が得られるように調整
すればよい。
【0036】図5は、本発明の実施の他の形態の供給側
ガイドローラ53の正面図を示す。本実施形態では、供
給側ガイドローラ53のテープ走行平面28に対して垂
直な回転軸53aの上下に設けられるフランジ部53
b,53c間の案内部分に、径が一定のストレート部5
3dと、径が拡大するテーパ部53eとを設ける構成を
示す。このような構成でも磁気テープ22に対しては、
下張りの力を作用させることができる。なおテーパ部5
3eは、フランジ部53b,53cの間のテープ幅に対
して、1/4以上あれば磁気テープ22にダメージを発
生させないことが確認されている。また表3に示す供給
側ガイドローラ33および巻取側ガイドローラ36のア
ジマス方向の許容範囲は小さいが、これは供給側ガイド
ローラ33および巻取側ガイドローラ36のテープと接
触するローラの材質が合成樹脂製の場合である。磁気テ
ープ22との摩擦係数が小さな金属製のローラを使用す
る場合は、さらに許容範囲が大きくなることが期待され
る。
【0037】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、回転ヘッ
ドドラムの上流側および下流側に近接して傾斜ガイドを
配置し、傾斜ガイドから間隔をあけてガイドローラを配
置する。傾斜ガイドによって磁気テープには下張りの傾
向が付けられるので、回転ヘッドドラムに設けられる磁
気ヘッドとの間で良好なヘッドタッチを得ることができ
る。ガイドローラには、磁気テープの基準平面に対して
垂直な回転軸まわりで、磁気テープとの接触部分に上側
に比べて下側の径が大きくなるような径の変化を持たせ
てあるので、安定した浮き走行状態を得ることができ
る。したがって、テープ案内体のガイドローラと傾斜ガ
イドとを従来の構成から変更することによって、あまり
大きな設計変更を行わずに、テープダメージの少ない非
常に安定した磁気テープの走行状態を実現することがで
き、磁気テープの薄型化や狭トラック化にも対応させる
ことができる。
【0038】また本発明によれば、ガイドローラの磁気
テープ案内部分を単純なテーパ形状とするので、低コス
トで下張り傾向を与え、安定した浮き走行状態を得るこ
とができる。
【0039】また本発明によれば、ガイドローラの磁気
テープ案内部分に先端側から径が一定のストレート形状
部分と、基端側で径が拡大するテーパ形状部分とを設け
るので、テーパ形状部分で安定した浮き走行状態を得る
ことができるとともに、ストレート形状部分で回転振れ
などに対する精度を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の磁気記録再生装置20
の平面図である。
【図2】図1の実施形態で供給側傾斜ガイド34および
巻取側傾斜ガイド35の傾向付けの状態を示す部分的な
平面図である。
【図3】図1の実施形態の供給側ガイドローラ33の平
面図および側面図である。
【図4】図1の実施形態の供給側ガイドローラ33の位
置決め状態を示す簡略化した側面断面図である。
【図5】本発明の実施の他の形態の供給側ガイドローラ
43の側面図である。
【図6】従来からの磁気記録再生装置の概略的な構成を
示す平面図である。
【図7】図6の磁気記録再生装置に用いられる供給側ガ
イドローラ13の平面図および側面図である。
【符号の説明】
20 磁気記録再生装置 21 テープカセット 21a 供給側リール 21b 巻取側リール 22 磁気テープ 23 回転ヘッドドラム 23a 回転軸 24 キャプスタン 25 ピンチローラ 27 基準平面 28 走行平面 30a,30b テープ案内体 33 53 供給側ガイドローラ 34 供給側傾斜ガイド 35 巻取側傾斜ガイド 36 巻取側ガイドローラ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テープカセットから引出されて走行する
    磁気テープを、テープカセット内の磁気テープの基準平
    面に対して回転軸が傾斜する回転ヘッドドラムに巻き付
    けて、信号の記録および/または再生を行うヘリカルス
    キャン方式の磁気記録再生装置において、 回転ヘッドドラムに近接して設けられる傾斜ガイドと、
    傾斜ガイドから間隔をあけて設けられるガイドローラと
    を有するテープ案内体が、磁気テープの走行経路に関し
    て、回転ヘッドドラムの上流側および下流側の近傍に、
    それぞれ配設され、 各テープ案内体の傾斜ガイドには、磁気テープの下側が
    上側よりも張力が大きくなるような傾向が付けられ、 各テープ案内体ガイドローラは、テープ走行平面に垂直
    な回転軸まわりに回転可能であり、磁気テープの走行経
    路の上下方向を規制するフランジを有し、フランジ間の
    磁気テープに接触する案内部分は、上側の部分よりも下
    側の部分の方が大きい径を有することを特徴とする磁気
    記録再生装置。
  2. 【請求項2】 前記ガイドローラの案内部分は、上側に
    対して下側の径が大きくなるようなテーパ形状を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気記録再生装置。
  3. 【請求項3】 前記ガイドローラの案内部分は、上側か
    ら途中までに、径が一定のストレート形状部分と、径が
    拡大して下側に至るテーパ形状部分とを有することを特
    徴とする請求項1記載の磁気記録再生装置。
  4. 【請求項4】 前記テープ案内体は、磁気テープのロー
    ディング時に移動可能であり、ローディング完了時に、
    前記ガイドローラの回転軸が前記基準平面に対して垂直
    になり、前記傾斜ガイドに前記傾向が付くような移動を
    行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    磁気記録再生装置。
JP9158932A 1997-06-16 1997-06-16 磁気記録再生装置 Pending JPH117676A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9158932A JPH117676A (ja) 1997-06-16 1997-06-16 磁気記録再生装置

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