JP2770464B2 - ヘッドドラム装置 - Google Patents

ヘッドドラム装置

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JP2770464B2
JP2770464B2 JP1218807A JP21880789A JP2770464B2 JP 2770464 B2 JP2770464 B2 JP 2770464B2 JP 1218807 A JP1218807 A JP 1218807A JP 21880789 A JP21880789 A JP 21880789A JP 2770464 B2 JP2770464 B2 JP 2770464B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は記録再生装置等に用いられているヘッドドラ
ム装置上での磁気記録テープと磁気ヘッドとの走行安定
性に関するものである。
従来の技術 近年、磁気記録を利用した記録再生装置はVTR等に幅
広く使用され、その動向として、狭トラック回転ドラ
ム、磁気記録テープの薄手化が進みつつある。このよう
な状況下において、機構的な課題としては記録されたト
ラックを磁気ヘッドが正しくトレースし機械間の互換を
保つため、リニアリティの確保,テープ走行安定性の確
保,経時変化の低減が挙げられ、その解決に向け取り組
みが行われている。
以下に従来の記録再生装置のヘッドドラム装置につい
て述べる。
第5図,第12図は第1および第2の従来の磁気記録再
生装置のヘッドドラム装置を示すもので、まず第1の従
来例である第5図から説明する。第5図はヘッドドラム
装置を示すもので1は回転ドラム、2は回転ドラム1に
構成された複数の溝、3は対となる第1の記録ヘッド、
4は対となる第2の記録ヘッド、5は回転ドラム1に構
成された磁気ヘッド3,4の突き出し用の窓、6は固定ド
ラム、7は固定ドラム6に構成された磁気記録テープを
規制するリード、8は回転ドラム1を駆動するモータユ
ニットである。
第6図は第5図の回転ドラム1上に構成された複数の
溝2の詳細を示す拡大図である。溝2は三角上の断面持
ち、全周に渡って均一な断面積で構成されている。
このように構成されたヘッドドラム装置は、モータユ
ニット8の駆動力により、回転ドラム1を回転させ、回
転ドラム1と固定ドラム6に所定の量巻き付けられ走行
する磁気記録テープ(図示せず)と第1および第2の磁
気ヘッド3,4と相対運動をして磁気記録テープに記録あ
るいは記録された信号を再生するのである。
一方、上記のように構成されたヘッドドラム装置にお
いて、回転ドラム1の窓部5の近辺でのテープの変形を
第7図に示す。第7図において、10は磁気記録テープ、
22は磁気記録テープ10下端部の変形部である。
測定結果によると、回転ドラム1の窓5における磁気
記録テープ10の変形は複雑な形状をしており、第1の磁
気ヘッド3および第2の磁気ヘッド4の当接した磁気記
録テープ10下端部の変形部22は変形によりμmのオーダ
で固定ドラム6のリード7から浮き上がっている。一
方、回転ドラム1および固定ドラム6からの磁気記録テ
ープ10の浮上量を第8図に示す。第8図において、横軸
21はドラムへの巻き付け位置を示し、縦軸24はドラム表
面からの磁気記録テープ10の浮上量を示し、23はその浮
上特性を示す浮上曲線である。
このように浮上量24は実験結果より、浮上曲線23に示
すように連続して変化し、ドラムの入り側から出側にか
けて減少している。それに伴って第7図に示した磁気記
録テープ10下端部の変形部22は、第1および第2の磁気
ヘッド3,4と磁気記録テープ10との相対的な突き出し量
が変化することによって、変化している。
第9図は、このような状況下における磁気記録テープ
10が固定ドラム6のリード7の所定の測定点において規
制される規制力を示す測定例である。第9図において、
縦軸20は磁気記録テープ10がリード7に押えられる規制
力を、横軸3は回転ドラム1の回転位置を、15,16,17,1
8は回転ドラム1に取り付けられた複数の磁気ヘッドが
固定ドラム6の規制力測定位置の通過時刻を示し、曲線
25は固定ドラム6の前記所定の位置での規制力曲線であ
る。
第9図の測定例では、規制力曲線25で示す通り、固定
ドラム6の規制力測定点における規制力20は回転ドラム
1の回転と共に変化している。すなわち磁気記録テープ
10がリード7に規制される規制力20は、それぞれの磁気
ヘッド15,16,17,18で異なり、例えば15と16とでは規制
力20が磁気ヘッドの15の方が大で磁気ヘッド16の方が小
であり、規制力20に差がある。すなわち、磁気ヘッドに
よりリード7への磁気記録テープ10の規制力20が異な
り、磁気ヘッド15,16,17,18の磁気記録テープ10上のト
レースする条件が異なることになる。
第10図は、磁気記録テープ10の浮上量(回転、固定ド
ラム段差)24と規制力20の関係を示す図である。第10図
において横軸は磁気記録テープ10の浮上量24で縦軸は規
制力20で、曲線26がそれらの関係を示すものである。曲
線26に示されるように磁気記録テープ10の浮上量24が大
きくなると規制力20も一般的に強くなる。
第11図は、磁気記録テープ10のビッター法による記録
パターン測定例である。27は測定値から基準値を差し引
いたトラックずれ、28は各測定点でのトラックずれプロ
ット曲線、29は測定トラックの測定位置を示す。
第11図で示すように、ヘッドドラム装置上で規制力20
の発生が少ない中央部でマイナス方向のトラックずれ27
がプロット曲線28に観測されている。すなわち、固定ド
ラム6のリード7から磁気記録テープ10が浮いているこ
とになり、磁気記録テープ10がリード7により規制され
ずに不安定な走行状態になっている。
第12図は第2の従来例で特開昭63−313315号公報に示
された例である。第12図において、30は回転ドラム外周
円筒部、31は磁気ヘッド部、32はテーパ部である。
第2の従来例においては、複数の磁気ヘッド部21の回
転ドラム1周辺を上広がりのテーパにして、磁気ヘッド
31の回転ドラム1の実質直径を大きくして、第10図の規
制力20と浮上量24(回転、固定ドラム段差も含む)の関
係に示したように、磁気ヘッド部の規制力20を強くして
いるのである。
発明が解決しようとする課題 しかしながら前記従来の第1の実施例においては、要
求される記録密度の向上と磁気ヘッドの増加傾向と共
に、例えば磁気ヘッド15と磁気ヘッド16が磁気記録テー
プ10上に記録する記録トラックに微少なずれを発生し、
記録したトラックの一部を消す、あるいは、規制力の弱
い中央位置での規制力が不安定になり、良好なリニアリ
ティが得られにくいと言う。また。従来の第2の実施例
においては、回転ドラムの切削加工が非常に困難であり
実用的でないと言う問題点を有していた。
本発明は上記従来の問題点を解決するもので、安定し
たリニアリティとエンベロープを低コストで得られるヘ
ッドドラム装置を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段 この目的を達成するために本発明のヘッドドラム装置
は、複数の磁気ヘッドと複数の磁気ヘッド近傍の断面積
の小さな複数の溝を同一回転平面上に有する回転ドラム
と、リードを有する固定ドラムからなる。
作用 本発明は上記した構成により、溝断面積の小さな磁気
ヘッド取り付け部近傍の方が、溝断面積の大きな磁気ヘ
ッド取り付け部以外の部分より、磁気記録テープの浮上
量が大となり、磁気記録テープの固定ドラムリードへの
押圧力が大となる。
実施例 以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説
明する。
第1図は本発明の実施例におけるヘッドドラム装置の
部分斜視図である。第1図において、9は複数の溝2の
断面積の小さな浅溝部である。次に本図を持いて作用を
説明すると以下のようになる。
溝2の窓部5の近傍は浅溝部9に連続している。回転
ドラム1が回転すると回転ドラム1上の磁気記録テープ
10が浮上するが、この浮上量24は、一般的に溝2の断面
積が小さくなると共に大となる。このため、浅溝部9で
は通常の溝部2よりも浮上量24が大となる。この状態を
第2図に示す。第2図において、11は浅溝部9を持つヘ
ッド窓部5での磁気記録テープ10の変形を示す。このよ
うに、窓部5の溝は浅溝9であるため浮上量24が大とな
って、相対的に窓部5での回転ドラム1の直径が増加し
たことになり、規制力20が強くなるのである。第3図は
この窓部5の拡大図である。第3図において、12は前述
の窓部5での浮上量24が大となるため発生した磁気記録
テープ10の下端凸部である。すなわち、第2図に示した
ように窓部5の周辺は浮上量24が大となって磁気記録テ
ープ10が変形して下方向に下端凸部12を生じる。この下
端凸部12が窓部5に生じることにより、安定して下端凸
部12がリード7に常に接触し、基準となる磁気記録テー
プ10の下端と磁気ヘッド3,4との距離が一定に保たれ、
磁気記録テープ10上の記録ヘッド3,4の軌跡が必ずリー
ド7により案内されることになり、安定することにな
る。
すなわち規制力20からみると第4図に示すような規制
力20となる。第4図において、19は本発明の実施例にお
ける規制力曲線である。磁気ヘッドの通過位置15,16,1
7,18で必ず規制力20がその近傍より強くなり、磁気記録
テープ10の安定したリード7への押し付け力が、本当に
規制力20を必要としている磁気ヘッド近傍で得られる。
本実施例においては、磁気ヘッド窓部5の溝断面積を
小さくしたが、場合によっては溝をなくしてもいいこと
は言うまでもない。
発明の効果 以上のように本発明は回転ドラムのヘッド窓部近傍の
溝断面積を小さくすることにより、固定ドラムリードへ
の磁気記録テープの記録ヘッド近傍でリード沿いを安定
にし、良好なリニアリティ,エンベロープを得ることが
でき、その実用的効果は非常に大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例におけるヘッドドラム装置ヘッ
ド部の拡大図、第2図は本発明の実施例における磁気記
録テープの変形説明図、第3図は本発明の実施例におけ
るヘッド近傍の磁気記録テープ変形拡大図、第4図は本
発明の実施例における磁気記録テープのリード規制力特
性図、第5図はヘッドドラム装置の外観図、第6図は第
1の従来の実施例の溝形状を示す拡大図、第7図は第1
の従来の実施例における磁気記録テープの変形図、第8
図は磁気記録テープの浮上特性図、第9図は第1の従来
の実施例における磁気記録テープのリード規制力測定例
を示した図、第10図は浮上特性と規制力の関係を表す特
性図、第11図はビッター法によるトラックずれプロット
図、第12図は第2の従来の実施例を示した図である。 1……回転ドラム、2……溝、3,4……磁気ヘッド、5
……窓部、6……固定ドラム、 7……リード。
フロントページの続き (72)発明者 奥田 誠 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 実開 昭60−16346(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 15/61

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】テープ状記録媒体を案内するリードを外周
    面に有する固定ドラムと、前記固定ドラムから軸受を介
    して回転可能に支持された回転ドラムと、前記回転ドラ
    ムに取り付けられ前記テープ状記録媒体に情報を記録再
    生する磁気ヘッドとからなり、前記回転ドラムの外周面
    に複数の溝を各々同一回転平面面上に形成すると共に前
    記溝断面積を前記磁気ヘッド近傍において他の部分より
    小としたことを特徴とするヘッドドラム装置。
JP1218807A 1989-08-25 1989-08-25 ヘッドドラム装置 Expired - Fee Related JP2770464B2 (ja)

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JPS6016346U (ja) * 1983-07-13 1985-02-04 株式会社日立製作所 回転磁気ヘツド装置

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