JPH1175867A - Rnaポリメラーゼ - Google Patents

Rnaポリメラーゼ

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JPH1175867A
JPH1175867A JP10155759A JP15575998A JPH1175867A JP H1175867 A JPH1175867 A JP H1175867A JP 10155759 A JP10155759 A JP 10155759A JP 15575998 A JP15575998 A JP 15575998A JP H1175867 A JPH1175867 A JP H1175867A
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良英 林崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】リボヌクレオチドと3’-デオキシリボヌクレオ
チドとの間、並びに異なる塩基を有するリボヌクレオチ
ド間及び異なる塩基を有するデオキシリボヌクレオチド
間での取り込みに対するバイアスが少ないか、或いは全
くないRNA ポリメラーゼを提供すること。 【解決手段】対応する野性型RNAポリメラーゼの能力
と比較して、3’デオキシリボヌクレオチドまたはそれ
らの誘導体を取り込む能力を増加させるように、少なく
とも1つのアミノ酸が修飾された野性型RNAポリメラ
ーゼからなるRNAポリメラーゼ。例えば、野性型RN
Aポリメラーゼのヌクレオチド結合部位中に存在する少
なくとも1つのアミノ酸、例えば、フェニルアラニンが
チロシンに置換されているRNAポリメラーゼ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、DNA の塩基配列決
定法等に有用な変異型RNA ポリメラーゼに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリメラーゼ連鎖反応(PCR )法は優れ
た方法であり、年々その利用範囲が広がっている[Rand
all K. Saiki et al. (1988) Science 239, 487-491]。
PCR 法では、1分子のDNA 断片を増幅することも可能で
ある。PCR 法で増幅した生成物をクローニングすること
なくシークエンスする方法(ダイレクト・シークエンス
法)も有用な方法である[Corinne Wong et al. (1988)
Nature, 330,384-386]。この方法はライブラリー作製
やそのライブラリーのスクリーニングが不要であり、多
くのサンプルの配列情報を同時に得られる迅速な方法で
ある。
【0003】しかるに、上記ダイレクト・シークエンス
法には2つの大きな問題点がある。
【0004】一つは、取り込めなかったプライマー及び
2’デオキシリボヌクレオシド5’トリフォスフェート
(2’dNTPs)が反応系中に残存し、これらがシー
クエンス反応を妨げることである。従って、従来法で
は、これら残存するプライマーと2’dNTPsは、シ
ークエンスの前にPCR生成物から除去する必要があっ
た。PCR生成物の精製方法には種々の方法があり、例
えば、電気泳動による精製法、エタノール沈殿法、ゲル
濾過法、HPLC精製法がある[例えば、DoritR.L et
al. (1991) Current Protocols in Molecular Biology,
Vol. 11, JohnWiley and Sons, New York, 15.2.1-15.
2.11参照」。しかし、何れの方法でも煩雑である。
【0005】2つ目の問題は、PCR 生成物の迅速な再生
(renaturation) である。PCR生成物が2本鎖DNA
に再生してしまうと、1本鎖のテンプレート(鋳型)で
はなくなり、プライマーと1本鎖テンプレートとの間の
アニーリングを妨げる。再生を最小限にするための方法
として、例えば変性後の急冷、1つのプライマーのビオ
チレーション(biotilation)とストレプトアビジン被覆
物へのPCR生成物の吸着、エクソヌクレアーゼの使
用、アシンメトリックPCR等が報告されている。例え
ば、Barbara Bachmannら、1990, Nucleic Acid Res.,1
8, 1309- に開示されている。しかし、これらの方法の
殆どは、長い時間を必要とし、非常に面倒である。
【0006】そこでそれらを解決するための新しい方法
として、本発明者は、PCR 反応系中に残存する未反応の
プライマー及び2’デオキシリボヌクレオシド5’トリ
フォスフェート(2’dNTPs)を除去することな
く、かつPCR反応生成物が迅速に再生する問題を回避
するため、変性自体を全く行わないで良い、全く新しい
DNA の塩基配列決定方法を提案した〔WO96/14434〕。こ
の方法は、T7 RNAポリメラーゼ等のRNA ポリメラーゼと
RNA転写反応のターミネーター(例えば、3’デオキ
シリボヌクレオシド5’トリフォスフェート、3’dN
TPs)を用いるダイレクト転写シークエンス法であ
る。この方法によれば、ポリメラーゼ連鎖反応により増
幅したDNA生成物の塩基配列を、プライマー及び2’
デオキシリボヌクレオシド5’トリフォスフェート
(2’dNTPs)を除去する必要なしにそのままシー
クエンスに使用できる。さらに、変性自体を全く行わな
いため、PCR生成物が迅速に再生する問題も回避で
き、極めて優れた方法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記方法に
ついて本発明者がさらに研究を行ったところ、より正確
な塩基配列データを得るためには、さらに解決すべき課
題があることを見出した。上記塩基配列決定法におい
て、T7 RNAポリメラーゼ等の RNAポリメラーゼは、ATP
、GTP 、CTP 及びUTP 又はそれらの誘導体からなるリ
ボヌクレオシド5’トリフォスフェート類並びに3’dA
TP、3’dGTP、3’dCTP、3’dUTP或いはそれらの誘導
体からなる少なくとも1種の3’デオキシリボヌクレオ
チドの混合物中で反応させる。この反応において、鋳型
の配列に相応した塩基を有するリボヌクレオチド及びデ
オキシリボヌクレオチドが、リボヌクレオチド配列中に
逐次取り込まれることで、ポリリボヌクレオチドが合成
される。
【0008】ところが、リボヌクレオチドに比べて、対
応する3’-デオキシリボヌクレオチドやその誘導体
は、上記配列に取り込まれにくいこと、さらに、リボヌ
クレオチドの中及び3’-デオキシリボヌクレオチドの
中でもそれぞれ塩基の種類により、配列への取り込まれ
方に差があることが判明した。このようにリボヌクレオ
チドと3’-デオキシリボヌクレオチドとの間、並びに
異なる塩基を有するリボヌクレオチド間及び異なる塩基
を有するデオキシリボヌクレオチド間でのバイアスが存
在するため、転写生成物は得られるものの、得られる転
写生成物は短鎖であったり、標識されたリボヌクレオチ
ドからのシグナルにバラツキがあったりして、正確なシ
ークエンスデータを得ることは難しかった。
【0009】そこで、本発明の目的は、この取り込み能
力に対してヌクレオチドの種類によるバイアスが少ない
か、或いは全くないRNA ポリメラーゼを提供することに
ある。
【0010】尚、本発明の説明中において、アミノ酸残
基は、慣例により使用されている一文字表記法を用い
る。本文中に出てくるアミノ酸のみ、理解のために記述
すると、フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、プロリン
(P)、ロイシン(L)、ヒスチジン(H)である。また、ポリ
メラーゼ蛋白質のN末端からの番号を記し、例えばF667
というように表す。これは、このポリメラーゼの667番
目のアミノ酸残基がFであることを示し、F667Yの記述
は、667番目のアミノ酸残基FをYに置換させたことを意
味する。
【0011】ところで、DNA ポリメラーゼについても、
ヌクレオチドの種類により取り込みに差異があることが
知られており、さらにこのような取り込みの差異を解消
した変異型のDNA ポリメラーゼが知られている〔特開平
8−205874号、Proc.Natl. Acid. Sci. USA, 92:
6339-6345, 1995)〕。
【0012】そこには、T7 DNAポリメラーゼを用いたシ
ークエンス反応におけるヌクレオチドの取り込みに対す
る均一性は、このポリメラーゼ中の526番目のアミノ酸
が生み出しているということが記載されている。さら
に、この酵素とその他のDNAポリメラーゼのアミノ酸配
列の相同性に基づいて、他のDNAポリメラーゼの相同部
位のアミノ酸を変えることにより、取り込みのバイアス
が低下すると記載されている。即ち、T7 DNAポリメラー
ゼのY(チロシン)526が、2’-dNTPと2’,3’-ddNTPの取
り込み効率のバイアスが少ない原因である。更に、大腸
菌DNAポリメラーゼIのF(フェニルアラニン)762、及びTh
ermus aquaticus DNAポリメラーゼ(TaqDNA ポリメラー
ゼと一般には呼ばれている)のF(フェニルアラニン)667
が、T7 DNAポリメラーゼのY526の相同なアミノ酸残基で
あり、このアミノ酸残基を各々、F762Y(チロシン)およ
びF667Y(チロシン)に変化させることで取り込みバイア
スが低下すると記載している。
【0013】さらに、このようなDNAポリメラーゼに関
するデータに基づいて、T7 RNAポリメラーゼについ
ても、DNAポリメラーゼで議論されている領域と相同な
領域、即ち残基631-640に対する修飾はdNTPに対するそ
の特異性を変化させるであろうことを示唆している、と
記載している。しかるに、RNA ポリメラーゼについて
は、これまでシークエンス法に使用されることはなく、
リボヌクレオチドの取り込みに差異があること自体問題
にならなかった。さらに、このような状況下、当然のこ
とながら、取り込みの差異を解消した変異型のRNA ポリ
メラーゼは知られていなかった。事実、上記特開平8−
205874号公報には、T7 RNAポリメラーゼを修
飾した実例は記載されていない。
【0014】さらに、T7 RNAポリメラーゼのこの領
域は、Protein Engineering, 3:461-467, 1990に示され
ているモチーフB 中の、DNAポリメラーゼのα型、I型
及びDNA依存性RNAポリメラーゼ(T7RNAポリメラーゼは
この中に分類される)に特に保存されたアミノ酸KとY
Gに挟まれた9〜10アミノ酸残基からなる領域に相当
すると考えられる。先にDNAポリメラーゼで議論された
大腸菌DNAポリメラーゼのアミノ酸残基762あるいは
TaqDNAポリメラーゼのアミノ酸残基667のF(フ
ェニルアラニン)は、I型に分類されているDNAポリメ
ラーゼの多くに観察される。しかるに、驚いたことに、
DNAポリメラーゼと極めて相同性が高いにも係わらず、T
7RNAポリメラーゼでは、上記領域に相当する残基631-64
0にはF(フェニルアラニン)は存在せず、上記公報の示唆
をそのまま実行することはできないことが判明した。
【0015】加えて、本発明者は、大腸菌DNAポリメラ
ーゼIのF762の位置は、フィンガー・サブドメインのヘ
リックスOに存在し、T7 RNA ポリメラーゼにおいて、こ
の領域に相当する領域におけるアミノ酸の修飾を検討し
た。ところがSousa et al.の文献(Nature, 364:593-59
9, 1993)で示された立体構造上からの、大腸菌DNAポリ
メラーゼIのヘリックスOに相当するT7 RNA ポリメラー
ゼ中のヘリックスZにもF(フェニルアラニン)がなかっ
た。
【0016】このような状況下、本発明者は、この取り
込み能力に対してリボヌクレオチド及び3’-デオキシ
リボヌクレオチドの種類によるバイアスが少ないか、或
いは全くないRNA ポリメラーゼを提供することを目的と
して、新たなRNAポリメラーゼを独自に探索した。そ
の結果、野性型RNAポリメラーゼのアミノ酸の一部を
修飾することで、3’デオキシリボヌクレオチドまたは
その誘導体を取り込む能力を増加させたRNAポリメラ
ーゼを見いだして本発明を完成した。
【0017】尚、後述の説明から明らかになるが、本発
明のRNAポリメラーゼ、特にそのアミノ酸修飾位置
は、上記特開平8-205874号には全く示唆も教示もされて
いない部位であり、今回、全く新らたに見いだされたも
のである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、対応する野性
型RNAポリメラーゼの能力と比較して、3’デオキシ
リボヌクレオチドまたはそれらの誘導体を取り込む能力
を増加させるように、少なくとも1つのアミノ酸が修飾
された野性型RNAポリメラーゼからなることを特徴と
するRNAポリメラーゼに関する。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明において、「野性型RNA
ポリメラーゼ」とは、天然に存在する全てのRNAポリ
メラーゼを意味する。さらに、「野性型RNAポリメラ
ーゼ」は、野性型RNAポリメラーゼであって、対応す
る野性型RNAポリメラーゼの能力と比較して、3’デ
オキシリボヌクレオチドまたはそれらの誘導体を取り込
む能力を増加させることを目的とする修飾以外のアミノ
酸の置換、挿入または欠落を、さらに有するものである
こともできる。即ち、野性型RNAポリメラーゼを人為
的に上記以外の目的で修飾したRNAポリメラーゼも、
上記「野性型RNAポリメラーゼ」に含まれる。但し、
そのようなアミノ酸の置換、挿入または欠落は、RNA
ポリメラーゼとしての活性を維持する範囲で、行われた
ものであることが適当である。
【0020】「野性型RNAポリメラーゼ」としては、
例えば、T7ファージ、T3ファージ、SP6ファー
ジ、K11ファージに由来するRNAポリメラーゼを挙
げることができる。但し、これらのRNAポリメラーゼ
に限定されるものではない。
【0021】また、本発明において「野性型RNAポリ
メラーゼ」は、天然に存在する耐熱性のRNAポリメラ
ーゼ、及び天然に存在するRNAポリメラーゼを耐熱性
を有するように人為的に修飾した(即ち、アミノ酸の置
換、挿入または欠落を行った)ものも包含する。但し、
耐熱性を付与するための修飾は、RNAポリメラーゼと
しての活性を維持する範囲で、行われたものであること
が適当である。「野性型RNAポリメラーゼ」として耐
熱性のRNAポリメラーゼを用いた本発明の変異型RN
Aポリメラーゼも耐熱性となる。その結果、例えば、PC
R法に併用して、PCR産物を鋳型としてその場で、即ち、
PCRと並行して、シークエンス用のRNAフラグメント
を合成することも可能である。
【0022】T7 RNAポリメラーゼは、極めて特異性の高
いプロモーター特異的RNAポリメラーゼとして知られて
いる。T7 RNAポリメラーゼの塩基配列と生産法に関して
はDavanloo et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA., 81:203
5-2039 (1984)に記載されている。さらに大量生産に関
しては、Zawadzki et al., Nucl. Acids Res., 19:194
8(1991)に既に記載されている。このファージ由来の RN
A ポリメラーゼは、大腸菌や高等な生物のRNAポリメラ
ーゼと異なり、単一のポリペプチドのみで転写反応を行
うことが出来る(Chamberlin et al., Nature, 228:227-
231,1970)。そのため、転写メカニズムを解析する格好
の材料となり、沢山の突然変異体が分離され、報告され
ている。さらにSousa et al., Nature, 364:593-599,19
93に結晶解析結果が記載されている。
【0023】さらに、その他極めて特異性の高いプロモ
ーター特異的RNAポリメラーゼとして大腸菌に感染するT
3 ファージ、サルモネラ菌に感染するSP6ファージ及
びKlebsiella pneumoniae に感染するK11ファージ由来
のRNAポリメラーゼの3つがよく知られている。尚、上
記4種のRNAポリメラーゼは、後述するように、アミ
ノ酸の一次構造、プロモーターの配列等、極めて類似し
ている。
【0024】本発明のRNAポリメラーゼは、対応する
野性型RNAポリメラーゼの能力と比較して、3’デオ
キシリボヌクレオチドまたはそれらの誘導体を取り込む
能力を増加させたものである。前述のように、野性型R
NAポリメラーゼでは、リボヌクレオチドに比べて3’
デオキシリボヌクレオチドの取り込みが悪く、塩基配列
決定法に用いる妨げとなっていた。それに対して、本発
明のRNAポリメラーゼは、3’デオキシリボヌクレオ
チドまたはそれらの誘導体に対する取り込み能力を、好
ましくは野性型の少なくとも2倍増加させるように修飾
されている。3’デオキシリボヌクレオチドの取り込み
は、3’デオキシリボヌクレオチドに蛍光標識を付した
3’デオキシリボヌクレオチド誘導体を用いた場合に特
に低下する傾向があるが、本発明のRNAポリメラーゼ
は、このような3’デオキシリボヌクレオチド誘導体の
取り込みも改善できる。尚、ここで、リボヌクレオチド
とは、ATP、GTP、CTP及びUTP又はそれらの誘導体からな
るリボヌクレオシド5’トリフォスフェート類を意味
し、3’デオキシリボヌクレオチドは、3’dATP、3’
dGTP、3’dCTP及び3’dUTPを意味し、その誘導体は、
これら3’デオキシリボヌクレオチドに例えば、蛍光標
識を付した化合物を意味する。
【0025】本発明のRNAポリメラーゼは、対応する
野性型RNAポリメラーゼの少なくとも1つのアミノ酸
が修飾されたものである。この点について以下に詳細に
説明する。
【0026】本発明者は、前述のようなT7 RNA ポリメ
ラーゼに関する種々の報告を踏まえた上で、T7 RNA ポ
リメラーゼにおけるリボヌクレオチド等の種類により取
り込み効率にバイアスが少ない或いは全くないRNAポリ
メラーゼ変異体を構築することを検討した。特に、野性
型RNAポリメラーゼ上のどのアミノ酸を変異させるの
か、さらに、変異として置換を行う場合、どのようなア
ミノ酸に置換させればよいかについて実際に、種々の変
異体を作成して検討し、野性型RNAポリメラーゼの少
なくとも1つのアミノ酸を修飾することで3’デオキシ
リボヌクレオチドまたはそれらの誘導体を取り込む能力
を改善することができることを見出して、本発明の変異
型RNAポリメラーゼを完成した。
【0027】本発明者は、まず、T7 RNA ポリメラーゼ
遺伝子を挿入した発現プラスミドpT7Rを構築し、次に、
この発現プラスミドpT7RをベースにしてT7 RNA ポリメ
ラーゼの変異体を構築した。即ち、T7 RNA ポリメラー
ゼのF(フェニルアラニン)残基をY(チロシン)残基に
変化させた変異型T7 RNAポリメラーゼであるF644Y,
F646Y, F667Y, F733Y, F782Y, F882Yを構築し、これら
の変異体について取り込み能力の比較を行った。さら
に、文献(Sousa., EMBO J., 14:4609-4621(1995))に
は、T7 DNA ポリメラーゼのY526に相当する位置であるT
7 RNA ポリメラーゼのY639F変異体の性質を記述してい
る。特に、特開平8-205874号に記載されたdNTPに対する
その特異性を変化させるであろうことを示唆した残基63
1-640に含まれるY639F変異体も構築した。
【0028】本明細書において、野性型T7 RNAポリメラ
ーゼのアミノ酸配列は、遺伝子配列データベースである
GeneBankより、accession No. V01148 J02518 X00411
のT7ファージDNA配列(39,937塩基対)の塩基番号3171-58
22にコードされている配列(図1及び2参照)を基礎と
している。図1及び2に示す配列の上段は、塩基配列、
下段はその配列に対応するアミノ酸配列である。右端の
数字は、塩基配列の場合、GeneBankに登録されているT7
ファージゲノム(Locus T7CG, 39,937塩基対)の番号を
示し、アミノ酸の番号は、T7 RNA ポリメラーゼき最初
のM(メチオニン)を1として、全長883アミノ酸残基から
なっていることを示す。尚、このアミノ配列は、上記Mo
ffatt et al., J.Mol.Biol., 173(2):265-269,1984に報
告されているアミノ酸配列と同一である。
【0029】従って、本明細書における野性型T7 RNAポ
リメラーゼ遺伝子のアミノ酸配列及び各アミノ酸に付さ
れた番号は、この図1及び2に示される配列及び番号で
ある。さらに、前述のように、上記野性型T7 RNAポリメ
ラーゼは、本発明で目的とする修飾以外のアミノ酸の置
換、挿入または欠落を、さらに有するものであることも
できる。従って、本発明の目的に基づいて変異を導入す
べき野性型RNAポリメラーゼが、野性型T7 RNAポリメ
ラーゼに別の変異を導入したものである場合、特に、そ
のような変異が、アミノ酸の挿入または欠落である場
合、そのような挿入または欠落に応じて、上記アミノ酸
番号は変動し、アミノ酸番号が図1及び2に示す番号と
は異なったとしても、T7 RNAポリメラーゼ活性を維持し
ている限り、そのようなに挿入または欠落を有するT7 R
NAポリメラーゼも本発明において本発明の目的とする変
異を導入する野生型T7 RNAポリメラーゼの範疇に含まれ
る。
【0030】T7 RNAポリメラーゼ以外のRNAポリメラー
ゼについてのアミノ酸配列の番号は、図3及び4に示す
配列表に基づき決定される。さらに、本発明で目的とす
る修飾以外のアミノ酸の置換、挿入または欠落を、さら
に有するものであることもできる。従って、これらのア
ミノ酸配列及びその番号に付いても、T7 RNAポリメラー
ゼの場合と同様であり、アミノ酸の挿入または欠落によ
る変異がある場合、そのような挿入または欠落に応じ
て、上記アミノ酸番号は変動するが、そのような一部に
変異を有する野性型のRNAポリメラーゼも本発明にお
いて本発明の目的とする変異を導入する野生型T7 RNAポ
リメラーゼの範疇に含まれる。
【0031】T7 RNA ポリメラーゼ遺伝子は、T7 ファー
ジDNAを精製後、T7 RNA ポリメラーゼ 遺伝子の N末端
アミノ酸領域上流に特異的なプライマー(T7Rpol-N : 5'
-ATATTT TAG CCA TGG AGG ATT GAT ATA TGA ACA CGA TT
A ACA TCG CTA AG -3’)、及び C末端アミノ酸領域下
流に特異的なプライマー( T7Rpol-C : 5'-ATA TTT TAG
CCA TGG TAT AGT GAG TCG TAT TGA TTT GGC G -3’ )
を合成し、PCRを用いて増幅、発現ベクターpT7Rを構築
することができる(実施例1参照)。この発現ベクター
を用い、大腸菌DH5αに形質転換し、イソプロピル-β-D
-チオガラクトピラノシド(IPTG)を添加すると、T7 RN
A ポリメラーゼ蛋白質を大量に発現する。
【0032】このT7 RNAポリメラーゼ遺伝子の配列を、
図1及び2に示すアミノ酸配列と比較したところ、両
者完全に一致した。尚、図1及び2に示すアミノ酸配列
とGrachev et al., Bioorg. Kim., 10:824-843, 1984に
報告されているアミノ酸配列とは、図1及び2に示すア
ミノ酸配列における623番目のY及び665番目のLが、Gr
achev et al.の報告におけるアミノ酸配列では、それぞ
れH(623番目)及びP(665番目)である点で相違して
いた。上述のように、本発明の変異型RNAポリメラー
ゼのベースとなる野性型RNAポリメラーゼは、図1及
び2に示す配列に対して、本発明で目的とする修飾以外
のアミノ酸の置換、挿入または欠落を、さらに有するも
のであることもでき、上記Grachev et al.の報告してい
る623番目及び665番目の残基がそれぞれH及び Pである
アミノ酸配列も、本発明の変異型RNAポリメラーゼの
ベースとなる野性型RNAポリメラーゼに含まれる。
【0033】発現ベクターpT7Rを持つ大腸菌から精製し
たT7 RNA ポリメラーゼは、イン・ビトロでT7 プロモー
ターを含んだDNA存在下で充分なRNA合成活性を有してい
た。この発現プラスミドpT7Rをベースにして変異型T7 R
NA ポリメラーゼとして、前述のY639F, F644Y, F646Y,
F667Y, F733Y, F782Y, F882Yを構築し、これらの変異体
について取り込み能力の比較を行った。
【0034】尚、F644Y変異を持つ、変異型T7 RNA ポリ
メラーゼについては、F644に対する変異以外に、F644の
近傍のL665を前述のGrachev et al.の報告に従ってPと
する変異も導入した。即ち、F644Y/L665Pとして変異を
導入し、L665Pの影響を調べた。また、F667Y変異を持
つ、変異型T7 RNA ポリメラーゼも、F667に対する変異
以外に、F667の近傍のL665を前述のGrachev et al.の報
告に従ってPとする変異も導入した。即ち、L665P/F667Y
として変異を導入した。さらに、F644Y/L665P/F667Y変
異を導入した変異型T7 RNA ポリメラーゼも構築した。
これらの変異体の取り込み能力の比較も行った。
【0035】変異を導入したT7 RNAポリメラーゼを精製
し、プロモーター配列特異的なRNA合成とATP、GTP、CTP
及びUTP又はそれらの誘導体からなるリボヌクレオシド
5’トリフォスフェート類並びに3’dATP、3’dGTP、
3’dCTP、3’dUTP或いはそれらの誘導体の取り込み能
力を野生型T7 RNAポリメラーゼと比較した。結果は後述
の表1に示す。
【0036】その結果、表1に示すように、F644Y、F644
Y/L665P、L665P/F667Y及びF644Y/L665P/F667Yは、RNA合
成活性を充分維持し、3’dATP、3’dGTP、3’dCTP、
3’dUTP或いはそれらの誘導体の取り込みの大幅な改善
が見られた。また、F644Y/L665P変異体の取り込み能力
は、F644Y変異体と同等であった。この結果から、665の
ロイシンのプロリンへの置換は、3’dATP、3’dGTP、
3’dCTP、3’dUTP或いはそれらの誘導体の取り込みに
影響がないことが分かる。なお、表1には、L665P/F667
Y変異体の結果のみを示すが、F667Y変異体も、L665P/F6
67Y変異体の取り込み能力と同等であった。さらに、F64
4Y/L665P/F667Y変異体の取り込み能力が最も高かった。
また、表1には示していないが、F644Y/F667Y変異体の
取り込み能力はF644Y/L665P/F667Y変異体のそれとほぼ
同等であった。
【0037】F782Y変異体は、RNA合成活性を保持してお
り、3’dATP、3’dGTP、3’dCTP、3’dUTP或いはそ
れらの誘導体の取り込み能力も若干改善された。F733Y
変異体は、RNA合成活性が若干低下したものの、3’dAT
P、3’dGTP、3’dCTP、3’dUTP或いはそれらの誘導
体の取り込みの若干の改善が見られた。F646Y変異体
は、RNA合成活性を保持していたものの3’dATP、3’d
GTP、3’dCTP、3’dUTP或いはそれらの誘導体の取り
込み能力の改善は見られなかった。F882Yは、RNA合成活
性が著しく低下していたので、表1には結果を示さなか
った。さらに、T7 DNA ポリメラーゼのY526に相当する
位置であるT7 RNA ポリメラーゼのY639F変異体は、RNA
合成活性を保持していたものの3’dATP、3’dGTP、
3’dCTP、3’dUTP或いはそれらの誘導体の取り込み能
力の改善は見られなかった。
【0038】以上の結果に基づいて、本発明のRNAポ
リメラーゼは、特に、ポリメラーゼの「ヌクレオチド結
合部位」中に存在する少なくとも1つのアミノ酸が修飾
されたRNAポリメラーゼであり、このような修飾によ
り、対応するリボヌクレオチドに対して3’デオキシリ
ボヌクレオチドまたは他のリボヌクレオチド類似体を取
り込む能力を増加させることができる。
【0039】また、上記「ヌクレオチド結合部位」に存
在するアミノ酸は、例えば、野性型RNAポリメラーゼ
のヘリックスYとヘリックスZとの間のループ中のアミノ
酸及び/又はヘリックスZとヘリックスAAとの間のル
ープ中のアミノ酸であることができる。
【0040】Sousa et al.の文献(Nature, 364:593-59
9,1993)に示されている立体構造から、鋳型DNAを包み込
むポリメラーゼ分子中のクラフトの内側に面する、ヘリ
ックスY(T7 RNA ポリメラーゼのアミノ酸残基625から6
34に相当)とヘリックスZ(同アミノ酸残基649から658
に相当)に挟まれたループ(同アミノ酸残基635から647
に相当)及びヘリックスZとヘリックスAA(同アミノ酸残
基685から699に相当)に挟まれたループ(同アミノ酸残
基659から684に相当)は、極めてヌクレオチドに近いと
ころに位置するリボヌクレオチド結合部位の一部である
と考えられる。本発明では、実際に、このループに相当
する領域の644、646、667に存在するF残基をY残基に置
換した(図5参照)。
【0041】また、733、782及び882の F残基は、ルー
プに相当する領域以外の領域に存在し、ポリメラーゼ分
子中のクラフトの内側に面すると考えられる。これらの
F残基についても実際にY残基に置換した。
【0042】さらに本発明は、T7ファージ由来のRN
Aポリメラーゼのアミノ酸残基641-667に対応する領域
から選択される領域中のアミノ酸において修飾されてい
るRNAポリメラーゼに関する。T7ファージ由来のR
NAポリメラーゼのアミノ酸残基641-667に対応する領
域は、前述の「ヌクレオチド結合部位」に相当する。
【0043】前記4種のRNAポリメラーゼは、アミノ
酸の一次構造、プロモーターの配列等、極めて類似して
いる。図3及び4に、上記4つのファージ由来のRNAポ
リメラーゼのアミノ酸配列を比較して示す。この比較よ
り、T7、T3、K11由来のRNAポリメラーゼは、極めて類似
していることが分かる。特に、図6及び7に示すよう
に、T7とT3ファージ由来のRNAポリメラーゼのアミノ酸
配列は、極めて類似性が高い。T7とT3ファージは、共に
大腸菌に感染するファージであり、その性質も極めて類
似していることと符合する。更にこの2つのRNAポリメ
ラーゼの認識するプロモーター配列も類似しているが、
その認識特異性は極めて高いことが知られている。この
ようにT7 RNAポリメラーゼにおいて得られた結果を、ア
ミノ酸配列の類似する他のRNAポリメラーゼに適応する
ことは比較的容易にできる。
【0044】このような高い相同性から、T7ファージ
由来のRNAポリメラーゼ以外のRNAポリメラーゼに
おける、T7ファージ由来のRNAポリメラーゼのアミ
ノ酸残基641-667に対応する領域は、T3ファージ由来
のRNAポリメラーゼについては、アミノ酸残基642-6
68であり、K11ファージ由来のRNAポリメラーゼ
については、アミノ酸残基664-690であり、SP6ファージ
由来のRNAポリメラーゼについては、アミノ酸残基63
3-670である、と言える。前述のように、T7、T3、K11由
来のRNAポリメラーゼは、極めて類似しており、T7 RNA
ポリメラーゼについての結果を、アミノ酸配列の類似す
る他の由来RNAポリメラーゼに適応することができる(図
8参照)。
【0045】上記RNAポリメラーゼとしては、例え
ば、T7ファージ由来のRNAポリメラーゼであって、
アミノ酸残基644または667においてチロシンを有
するRNAポリメラーゼを挙げることができる。また、
T3ファージ由来のRNAポリメラーゼであって、アミ
ノ酸残基645または668においてチロシンを有する
RNAポリメラーゼを例示することもできる。さらに、
K11ファージ由来のRNAポリメラーゼであってアミ
ノ酸残基664〜669の間または690においてチロシンを有
するRNAポリメラーゼを例示することもできる。さら
にまた、さらに、SP6ファージ由来のRNAポリメラ
ーゼであってアミノ酸残基633〜638の間または670にお
いてチロシンを有するRNAポリメラーゼを例示するこ
ともできる。
【0046】このようなアミノ酸の修飾は、アミノ酸の
変異のみならず、挿入または欠落であることができる。
また、アミノ酸の変異は、例えば、天然に存在するアミ
ノ酸の少なくとも1つをチロシンに置換することであ
る。さらに、置換されるべき天然に存在するアミノ酸
は、例えば、フェニルアラニンであることができる。但
し、フェニルアラニンに限定されることはなく、対応す
るリボヌクレオチドに対して3’デオキシリボヌクレオ
チドまたは他のリボヌクレオチド類似体を取り込む能力
を増加させることができるアミノ酸の置換であればよ
い。
【0047】本発明の変異型RNAポリメラーゼにおい
て、変異型T7 RNAポリメラーゼF644Y、L665P/F667Y及び
F644Y/L665P/F667Yは、RNA合成活性を充分保持し、さら
に3’dNTPsの取り込み能力が大幅に改善し、野生型で
観察された強いバイアスが著しく低下していた。このよ
うな優れた特性を有する、変異型T7 RNAポリメラーゼF6
44Y、L665P/F667Y 又はF644Y/L665P/F667Yを用いるこ
とにより、DNAポリメラーゼを用いる塩基配列決定法を
超える実用レベルで、転写生成物による塩基配列決定法
が可能になる。変異型T7 RNAポリメラーゼF644Y、L665P
/F667Yを生産する大腸菌 pT7RF644Y(DH5α)及びpT7RL66
5P/F667Y(DH5α)は、生命研国際寄託番号がそれぞれ599
8号(FERM-BP-5998)及び5999号(FERM-BP-5999)として199
7年7月2日に寄託済みである。さらに、変異型T7 RNAポ
リメラーゼF644Y/L665P/F667Yを生産する大腸菌 pT7RF6
44Y/L665P/F667Y(DH5α)は、生命研国際寄託番号が6364
号(FERM-BP-6364)として1998年5月 20日に寄託済
みである。
【0048】本発明は、上記本発明のRNAポリメラー
ゼを製造する方法であって、RNAポリメラーゼをコー
ドする核酸分子を用意し、ヌクレオチド塩基配列内の1
つまたはそれ以上の部位における1つまたはそれ以上の
塩基を変異させるように該核酸分子に突然変異を起こさ
せ、次いで変異させた核酸分子により発現される修飾さ
れたRNAポリメラーゼを回収することを含む方法を包
含する。RNAポリメラーゼをコードする核酸分子の用
意、核酸分子への突然変異の導入、修飾されたRNAポ
リメラーゼの回収はいずれも、公知の手法を用いて行う
ことが出来る。
【0049】変異型T7 RNA ポリメラーゼは、例えば、
以下の方法により構築することができる。T7 RNA ポリ
メラーゼ遺伝子を挿入してある発現ベクターを鋳型にし
て T7 RNA ポリメラーゼ遺伝子のC末端側に相当する
制限酵素Hpa I, Nco I部位にはさまれる領域をPCR法を
利用して変異を導入した発現プラスミドを構築する。次
いで、この発現プラスミドを用い、大腸菌DH5αに形質
転換し、イソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド
(IPTG)を添加すると、変異型T7 RNA ポリメラーゼ蛋
白質を大量に発現させることができる。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、リボヌクレオチドに比
べて、対応する3’-デオキシリボヌクレオチドやその
誘導体がポリリボヌクレオチド配列に取り込まれにくか
ったり、リボヌクレオチドの中及び3’-デオキシリボ
ヌクレオチドの中でもそれぞれ塩基の種類により、配列
への取り込まれ方に差があるといった、リボヌクレオチ
ド等の取り込み能力に対するバイアスが少ないか、或い
は全くないRNA ポリメラーゼを提供することができる。
さらに、本発明のRNAポリメラーゼを用いることで、
煩雑な操作もなく、DNAポリメラーゼを用いる塩基配
列決定法以上の塩基配列決定を可能にする。また、耐熱
性を有する本発明のRNAポリメラーゼは、例えば、WO
96/14434に開示されたDNA の塩基配列決定方法におい
て、PCR法に併用することで、より迅速にDNA の塩基配
列の決定を行うことが可能になる。
【0051】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。 実施例1野生型T7 RNA ポリメラーゼ遺伝子のクローニングと発
現プラスミドの構築 大腸菌を宿主とするT7 ファージは、以下のように精製
した。大腸菌C600をLB培地(Bacto tryptone 10g, Bac
to yeast extract 5g, NaCl 5gを1リッターの水に溶か
し、pH 7.5に調整したのち、オートクレーブにて滅菌し
た培地)200mlに植菌し、菌体濃度がOD(600nm)=1.0に
達した時点で、多重感染度約2で感染させ、その後ODを
経時的に測定し、ODが急激に落ちた時点で遠心操作に
て、菌体残査をのぞき、NaCl及びポリエチレングリコー
ル6000をそれぞれ最終濃度、0.5M、及び10%になるよう
に加え、よく撹拌後、一晩、4℃にて静置し、沈殿を形
成させた。この沈殿を遠心操作で集め、SM緩衝液(10 m
M Tris-HCl, pH 7.5, 10 mM MgSO4, 50 mM NaCl, 0.01%
gelatin)にて懸濁した。このT7 ファージの濃縮液
を、次に遠心管に丁寧に重層した密度の異なるCsCl溶液
上(下層から、CsCl濃度が、1.267g/ml, 0.817g/ml, 0.
705g/mlである溶液)に重層し、22,000rpmで2時間、遠
心することにより、ファージ層を形成させ、このファー
ジの白いバンドを丁寧に分取し、TE緩衝液(10mM Tris-
HCl, pH 7.5, 1mM EDTA)で透析し、CsCl成分を除去し
た。更にこのファージ溶液を、フェノール処理により、
ファージ蛋白質を変性させ、T7 ファージのゲノムDNAを
精製した。
【0052】T7 RNA ポリメラーゼ遺伝子はこのゲノムD
NA、39,937塩基対の内、3171から5822番目にコードされ
ている[T7ゲノム遺伝子の全塩基配列については、Dunn
らによって既に報告されている(1983, J. Mol. Biol.,
166(4):477-535)。但し、若干の訂正がある(GeneBank、
accession No. V01148 J02518 X00411のT7 ファージDNA
配列参照)]。このゲノムDNAを鋳型としてPCRを利用して
増幅し、以下のように発現ベクターにクローニングした
(図9参照)。すなわち、5’末端に制限酵素 Nco I
切断部位をそれぞれ含み、T7 RNA ポリメラーゼ 遺伝子
の N末端アミノ酸領域上流に特異的なプライマー(T7Rpo
l-N 5'-ATA TTT TAG CCA TGG AGG ATT GAT ATA TGA AC
A CGA TTA ACA TCG CTA AG -3’)、及び C末端アミノ
酸領域下流に特異的なプライマー( T7Rpol-C 5'-ATA T
TT TAG CCA TGG TAT AGT GAG TCG TAT TGA TTT GCG -
3’ )を用いて、この酵素遺伝子を PCR 法により増幅
した。この DNA フラグメントを Nco I で消化し、1%
アガロース電気泳動を行い、目的のDNAフラグメントを
アガロースから切り出し、Gene Pure Kit(ニッポンジー
ン)を用いて精製した。 これをNco I で消化し脱リン
酸化した発現ベクター pTrc99a (ファルマシア・バイオ
テク) と連結することで T7 RNA ポリメラーゼ を高発
現する pT7R を構築した。野生型T7 RNA ポリメラーゼ
を発現するプラスミドpT7Rは、大腸菌DH5αに形質転換
し、抗生物質アンピシリン耐性を示す大腸菌を、培養
し、培養液中にIPTGを添加し、発現ベクターpT7Rに含ま
れるTrc プロモーターを稼働させた。IPTG添加2時間
後、大腸菌を回収し、全蛋白質をSDS-ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動により解析したところ、T7 RNAポリメラ
ーゼの分子量である99kDa付近に、IPTGを添加した時の
み蛋白質のバンドが検出された。この蛋白質を更に、Za
wadzki, Vら、1991, Nucl. Acids Res., 19:1948 に既
に記載されている方法を一部改良した方法(詳しい方法
は実施例3で例示されている変異型T7 RNA ポリメラーゼ
の精製法とほとんど同じ方法で行うことが出来る)で精
製したところ、T7 プロモーター特異的に作用するRNAポ
リメラーゼの活性を有していた。
【0053】実施例2変異型T7 RNAポリメラーゼを生産するための発現プラス
ミドの構築 (1)変異型T7 RNAポリメラーゼF644Yを生産するための発
現プラスミドの構築(図10参照) 野生型T7 RNA ポリメラーゼ 遺伝子の挿入してある pT7
R を鋳型にして、T7 RNA ポリメラーゼ 遺伝子のC末端
側に相当する制限酵素 Hpa I , Nco I 部位に挟まれ
る領域を PCR 法を利用して変異を導入した。更に詳し
く例示すると、変異を導入したい塩基を境界として、左
右に分け、変異の導入してある プライマーF646Y(+)
(5'-GTT GAC GG A AGC CGT ACT CTT TGG AC-3’)、 F
646Y(-)(5'-GTC CAA AGA GTA CGG CTT CCG TCA AC-
3’) とそれぞれの制限酵素切断部位を5'末端に持つ
プライマーT7RNAP-HpaI-N (5'-CGC GCG GTT AAC TTG C
TTCCT AG -3’) 、pTrc99a-PstI-C (5'-GCA TGC CTG
CAG GTC GAC TCT AG -3’)を用いて PCR によりそれ
ぞれの DNA フラグメントを増幅した。これらの DNA フ
ラグメントには相補する部分があり、これらを変性、ア
ニール、伸長反応を繰り返すことで目的の変異の導入さ
れた DNA フラグメントを作製した。この DNA フラグメ
ントをアガロースゲル電気泳動により、目的の大きさの
DNA フラグメントのみを切り出すことで精製し、これ
を鋳型としてプライマーT7RNAP-HpaI-NとpTrc99a-PstI-
Cを用いて再増幅し、制限酵素Hpa I , Pst I で切断し
た。このDNAは1%アガロース電気泳動を行い、分離した
後、目的のDNAフラグメントを切り出し、精製した。こ
の DNA フラグメントを pT7R のHpa I , Pst I DNA フ
ラグメントと置き換えることで変異を導入し, 大腸菌D
H5αに形質転換し、変異の導入されたプラスミドを選択
し、最終的には塩基配列を確認することで目的の位置に
変異が導入されているかどうかを確認した。そして、変
異型T7 RNAポリメラーゼF644Yを生産するための発現プ
ラスミドpT7RF644Yを得た。このプラスミドからの変異
型T7 RNAポリメラーゼF644Yの生産は、野生型T7 RNAポ
リメラーゼの生産と同様、本プラスミドを含む大腸菌を
培養し、IPTGを添加することにより、発現誘導可能であ
った。
【0054】(2)変異型T7 RNAポリメラーゼL665P/F677Y
を生産するための発現プラスミドの構築(図11及び1
2参照) 変異型T7 RNA ポリメラーゼL665P/F667Yの構築は、先の
F644Yの構築同様、PCR法をベースにして以下のように行
った。
【0055】先ず、野生型T7 RNA ポリメラーゼ遺伝子
を持つ発現ベクターpT7R中のT7 RNAポリメラーゼ遺伝子
領域内に、変異導入操作を容易にするため制限酵素XhoI
(CTCGAG)を導入した。更に具体的に述べるとプライマ
ーApaF1 (5'-CAT CTG GTC GCATTG GGT CAC-3’)とプラ
イマーXho-R (5'-CCA AGT GTT CTC GAG TGG AGA-3’)
の組み合わせで、また、Xho-F (5'-CTA AGT CTC CAC TC
G AGA ACA CTT GG-3’)とプライマーAflII-R (5'-CAG
CCA GCA GCT TAG CAG CAG-3’)の組み合わせで、各々
鋳型として発現ベクターpT7Rを用いて、PCRを行った。
増幅した前者のDNAフラグメントは制限酵素ApaIとXhoI
で、後者の増幅したDNAフラグメントは制限酵素AflIIと
XhoIでそれぞれ反応し、さらに発現ベクターpT7Rを予め
ApaIとAflIIで処理して、全てをT4 DNA ライゲースを用
いて結合させた。この反応物を大腸菌DH5αに形質転換
し、抗生物質アンピシリンを含んだ寒天平板上で生育す
るコロニーを複数得た。このコロニーをいくつか選択
し、培養、プラスミドDNAの抽出を行い、T7 RNA ポリメ
ラーゼ遺伝子領域内に制限酵素XhoI部位が生まれたプラ
スミドpT7R-Xhoを得た(図10参照)。このXhoI部位
は、制限酵素XhoIで処理することによって、切断される
こと及びDNAの塩基配列決定を行い、その存在を確認可
能である。このプラスミドpT7R-Xhoを鋳型として、プラ
イマーXho-Rとプライマー667R (5'-GCT GAG TGT ACA TC
G GAC CCT-3’)の組み合わせとプライマー667F (5'-GC
T GAG TGT ACA TCG GAC CCT-3’)とプライマーAflIIR
の組み合わせで各々PCRを行った。このPCR産物を直接鋳
型として、DNAの塩基配列を決定し、プライマー667Rお
よび667Fの配列を確認し後、それぞれを2%アガロース
電気泳動(アガロースはニッポンジーン製のアガロース
Xを使用)を行い、目的の大きさのDNAフラグメントを
切り出し、Gene Pure Kitを用いて、このDNAフラグメン
トを精製した。この精製した2つのDNAを混合し、鋳型
としてプライマーXhoF及びAflIIRを用いてPCRを行い、
増幅したDNAフラグメントを制限酵素マッピング、DNA塩
基配列の解析により目的のフラグメントであることを確
認後、制限酵素XhoIとAflIIを用いて酵素反応を行い、
これを予め制限酵素XhoIおよびAflIIで処理したプラス
ミドpT7R-XhoにT4 DNA ライゲースを用いて結合させ
た。この反応物を大腸菌DH5αに形質転換し、抗生物質
アンピシリンを含んだ寒天平板上で生育するコロニーを
複数得た。このコロニーをいくつか選択し、培養、プラ
スミドDNAの抽出を行い、目的の変異が導入されている
かをDNA塩基配列の決定を行い、確認し、最終的に目的
の変異型T7 RNAポリメラーゼL665P/F667Yを生産するた
めの発現プラスミドpT7RL665P/F667Yを構築した(図1
2参照)。このプラスミドからの変異型T7 RNAポリメラ
ーゼL665P/F667Yの生産は、野生型T7 RNAポリメラーゼ
の生産と同様、本プラスミドを含む大腸菌を培養し、IP
TGを添加することにより、発現誘導可能であった。
【0056】実施例3変異型T7 RNA ポリメラーゼ の精製 大腸菌に導入した変異型T7 RNA ポリメラーゼ蛋白質を
精製した。尚、本蛋白質の野生型については既にChambe
rlin, M et al. Nature, 228:227-231(1970), Davanlo
o et al., Proc.Natl. Acad. Sci.USA., 81:2035-2039
(1984)に記載されている。さらに大量生産に関しては、
Zawadzki, V et al., Nucl.Acids Res., 19:1948(1991)
に報告されている。
【0057】変異型T7 RNA ポリメラーゼは基本的に全
て同じ方法で精製できる。変異部位の違いにより、その
発現量、カラムクロマトグラフィの挙動が若干異なるこ
ともある。以下、変異型T7 RNAポリメラーゼF644Yの精
製法を例示する。F644Yの発現ベクターpT7RF644Yを大腸
菌DH5αに導入、抗生物質アンピシリンを含んだLB培地
にて、先ず、試験管培養にてOD(600nm) = 0.4〜0.6にな
ったとき、イソプロピル-β-チオガラクトピラノシド
(IPTG)を終濃度0.4mMになるように加え、更に8時間培
養する。このとき遠心分離により、大腸菌菌体を集め、
典型的には2リッターの培養液より10gの湿重量の大腸菌
が得られる。この大腸菌菌体を直ぐに使用しない時は、
-20℃以下の冷凍庫で保存が可能である。この段階以降
の酵素の精製の全ての行程は、特記しない限り、室温以
下の温度、好ましくは0〜5℃にて実施する。この大腸菌
は、このとき菌体重量の10倍の洗浄緩衝液(20mM Tris-
HCl,pH 8.1, 130 mM NaCl, 2mM EDTANa2 at 25℃)で洗
い、再び遠心分離(5,000xg、4℃にて10分間)し、10倍
量のソニケーション緩衝液 [50 mM Tris-HCl, pH 8.1,
100 mM NaCl, 0.1 mM EDTANa2, 5 mM ジチオスレイトー
ル(DTT)、0.1 mM ベンザミジン, 30μg/ml フェニルメ
チルスルホニルフルオリド(PMSF)、10μg/ml、バシトラ
シン] に懸濁し、ソニファイヤー450(ブランソン社)
を用い、80W、15分間超音波処理を行い菌体を破砕、粘
度を低下させる。続いて、12,000xg、4℃にて10分間遠
心分離し、細胞残査を除いた。得られた上清を撹拌しな
がら、10%硫酸ストレプトマイシンをゆっくりと滴下
し、終濃度2.0%とした後、更に30分間撹拌を続けた。1
2,000xg。4℃にて10分間遠心分離し、沈殿を除去し、粉
末硫安をゆっくり添加しながら撹拌し、沈殿を形成させ
る。この場合、最初に30%飽和硫安で沈殿を集め(30%
硫安沈殿)、上清は更に60%飽和硫安になるように硫安
を撹拌しながら添加し、再び沈殿を形成させ(30-60%
硫安沈殿)、更に上清を90%飽和硫安になるように粉末
硫安を加え、4℃にて1時間撹拌し、遠心し回収した。
この3つの硫安画分の一部をSDS-アクリルアミドゲル電
気泳動を行い、蛋白質を分析したところ、目的の変異型
T7 RNA ポリメラーゼのほとんどは、30-60%硫安画分に
存在し、以後この画分を用いて精製を進めた。30-60%
硫安画分は少量のカラム緩衝液(20 mM KPO4, pH7.7, 1
00 mM NaCl, 1mM DTT, 30μg/ml PMSF)に懸濁し、同じ
緩衝液500mlにて、16時間透析し、脱塩した。この透析
液を、カラム体積5mlのヘパリン-セファロース(ファル
マシア・バイオテク)に付加する。次いで、このカラム
を同緩衝液で、280nmの紫外線吸収物質が検出されなく
なるまで洗浄し、カラム体積の約40倍の体積の同一緩衝
液中の0.1M〜0.64M NaClの直線濃度勾配で溶出する。
溶出液は、適当量を試験管に分画して集め、直ぐにSDS-
アクリルアミドゲル電気泳動を行い、蛋白質を分析し、
目的の変異型T7 RNA ポリメラーゼと思われる分子量付
近に蛋白質が存在する分画を検査する。典型的な例では
0.4M のNaCl付近に見いだされるはずである。この蛋白
質を含む分画を集め、約1リッターのカラム緩衝液(20
mM KPO4, pH7.7, 100 mM NaCl, 1mM DTT, 30μg/ml PMS
F)に対して16時間透析し、脱塩操作を行った。この透析
脱塩した分画を、同緩衝液で予め平衡化した5ml のカラ
ム体積のQ-セファロース(Q-sepharose, ファルマシア・
バイオテク)に付加し、同緩衝液で、280nmの紫外線吸収
物質が検出されなくなるまで洗浄し、カラム体積の約40
倍の体積の同一緩衝液中の0.1M〜0.64M NaClの直線濃
度勾配で溶出する。溶出液は、適当量を試験管に分画し
て集め、直ぐにSDS-アクリルアミドゲル電気泳動行い、
蛋白質を分析し、目的の変異型T7 RNA ポリメラーゼと
思われる分子量付近に蛋白質が存在する分画を検査す
る。典型的な例では0.24M のNaCl付近に見いだされる
はずである。この蛋白質を含む分画を集め、500mlの保
存用緩衝液(50% glycerol, 20 mM KPO4, pH7.7, 100 m
M NaCl, 1mM DTT, 30μg/ml PMSF) に対して16時間透析
し、使用まで-20℃にて保存する。この状態で、イン・
ビトロのRNA合成活性、或いは混入しているリボヌクレ
アーゼ活性について試験する。ここでこの方法を例示す
ると、イン・ビトロRNA合成活性については、T7 プロモ
ーターを含むプラスミドを鋳型として用い、野生型T7 R
NA ポリメラーゼの市販品(BRL・ギブコ社)を標準品と
して酵素希釈法を用いて、RNA合成反応を行い、合成し
たRNAをアガロース電気泳動する事により、おおよその
力価を推定した。このとき、合成されたRNAの分解の程
度も観察されるため、同時に混入リボヌクレアーゼに関
しての、簡単な検定も可能である。典型的な例として、
以上のような工程を踏まえた精製法で、1リッターの培
養液から2,500,000単位の変異型T7 RNA ポリメラーゼF6
44Y蛋白質が精製され、この標品にはほとんどRNaseの混
入は認められない。
【0058】実施例43’dNTP誘導体の取り込み率の改善 精製された変異型T7 RNA ポリメラーゼF644Y及びL665P/
F667Yを用いて3’dNTPの取り込み効率を野生型T7 RNA
ポリメラーゼと以下のように比較した。イン・ビトロで
の転写反応は、例えば、Melton, D.A, [Nucleic Acids
Res., 12: 7035-7056(1984)]によって示された方法を一
部改良して行った。さらに具体的に述べると、T7 プロ
モーターを有するプラスミドベクターpBluescriptKS(+)
(ストラタジーン社)を、制限酵素PvuIIあるいはScaI
で反応し、線状にしたものを鋳型として用い、3’dNTP
の誘導体として、WO96/14434に記載された方法を参照し
て合成したダイ・ターミネーターである5-カルボキシ-X
-ローダミン標識 3’-デオキシシチジン-5’-トリフォ
スフェートを150μM, さらに500μM GTP, UTP及び250μ
M ATP, CTP、8mM MgCl2、2mM spermidine-(HCl)3、5mM
DTT、40mM Tris/HCl pH 8.0 (BRL, ギブコ社)の条件下
に、野生型T7 RNA ポリメラーゼ(BRL,ギブコ社あるいは
ニッポンジーン製)、変異型T7 RNA ポリメラーゼF644Y
あるいはL665P/F667Y 25単位を加えて、合計反応体
積10μlとして、37℃で1時間反応を行った。次に反応
産物中に残存している未反応のダイ・ターミネーターを
除去するため、セファデックスG-50カラム (ファルマシ
ア・バイオテク)を用いたゲル濾過法により転写産物を
精製し、精製産物は遠心式エバポレーターを用いて蒸発
乾固した。上記5-カルボキシ-X-ローダミン標識 3’-
デオキシシチジン-5’-トリフォスフェートは、以下の
化学式で示される化合物である。
【0059】
【化1】
【0060】乾燥させた反応物を株式会社パーキンエル
マージャパンのABI PRISM 377 DNASequencing System取
り扱い説明書Ver.1.0に従い、ホルムアミド/EDTA/Blue
dextran loading buffer 6μlに溶解し、そのう
ち2μlを、6M尿素/4%ロングレンジャーTMアクリルアミ
ド溶液(FMC)を含むシークエンス解析用変性ゲルを用
い、ABI 377 DNA Sequencer及び解析プログラムにより
解析した。その結果を図13にゲル・イメージとして示
す。変異型T7 RNA ポリメラーゼF644Yは野生型T7 RNA
ポリメラーゼに較べて、約3倍のシークエンスラダーが
得られることが判明し、約700塩基の転写産物も確認さ
れた。
【0061】更に図14及び図15に、それぞれF644Y
及びL665P/F667Yを用いて得られたシークエンスラダー
のピーク強度を野生型T7 RNA ポリメラーゼを用いて得
られたピーク強度と対比して示す。この対比から、変異
型酵素のピークの高さは、野生型と較べてバラツキが少
なく、さらに強いシグナルをもつピークが得られた。こ
れは、F644YあるいはL665P/F667Yの変異によって、この
場合、3’dCTP誘導体の取り込み率が改善されたことを
示し、さらに、この変異型T7 RNA ポリメラーゼによる
転写反応が、既に存在するDNAポリメラーゼによる塩基
配列決定法のデータ生産力に匹敵するラダー伸長反応特
性を持っていることを示している。
【0062】実施例5変異型T7 RNA ポリメラーゼを用いたダイ・ターミネー
ター法によるシークエンス反応例 ダイ・ターミネーター法によるシークエンス反応を、精
製された変異型T7 RNAポリメラーゼF644Y及びL665P/F66
7Yと野生型T7 RNA ポリメラーゼについて以下のように
比較した。イン・ビトロでの転写反応は、実施例4で例
示した、Melton, D.A. (1984, Nucleic Acids Res., 1
2: 7035-7056)によって示された方法を用いた。さらに
具体的に述べると、T7 プロモーターを有するプラスミ
ドベクターpBluescriptKS(+)を、制限酵素PvuIIあるい
はScaIで反応し、線状にしたものを鋳型として用い、
3’dNTPの誘導体として、WO96/14434に記載された方法
を参照して合成したダイ・ターミネーター、5-カルボキ
シローダミン6G標識 3’-デオキシアデノン-5’-トリ
フォスフェート, 5-カルボキシローダミン110標識 3’
-デオキシグアノシン-5’-トリフォスフェート, 5-カル
ボキシ-X-ローダミン標識 3’-デオキシシチジン-5’-
トリフォスフェート, 5-カルボキシテトラメチルローダ
ミン標識 3’-デオキシウリジン-5’-トリフォスフェ
ート, さらに500μM GTP, UTP及び250μM ATP, CTP、8m
M MgCl2、2mM spermidine-(HCl)3、5mM DTT、40mM Tris
/HCl pH 8.0 (BRL, ギブコ社)の条件下に、野生型T7 R
NA ポリメラーゼ(BRL, ギブコ社あるいはニッポンジー
ン製)あるいは変異型T7 RNA ポリメラーゼF644Y 25
単位を加えて、合計反応体積10μlとして、37℃で1時
間反応を行った。次に反応産物中に残存している未反応
のダイ・ターミネーターを除去するため、セファデック
スG-50カラム (ファルマシア・バイオテク製)を用いた
ゲル濾過法により転写産物を精製し、精製産物は遠心式
エバポレーターを用いて蒸発乾固した。上記5-カルボキ
シ-X-ローダミン標識 3’-デオキシシチジン-5’-トリ
フォスフェートは、実施例4で使用したものと同一の化
合物である。また、5-カルボキシローダミン6G標識
3’-デオキシアデノン-5’-トリフォスフェート, 5-カ
ルボキシローダミン110標識 3’-デオキシグアノシン-
5’-トリフォスフェート,及び5-カルボキシテトラメチ
ルローダミン標識 3’-デオキシウリジン-5’-トリフ
ォスフェートは以下の化学式で示される化合物である。
【0063】
【化2】 5-カルボキシローダミン6G標識 3’-デオキシアデノン
-5’-トリフォスフェート
【0064】
【化3】 5-カルボキシローダミン110標識 3’-デオキシグアノ
シン-5’-トリフォスフェート
【0065】
【化4】 5-カルボキシテトラメチルローダミン標識 3’-デオキ
シウリジン-5’-トリフォスフェート
【0066】乾燥させた反応物を株式会社パーキンエル
マージャパンのABI PRISM 377 DNASequencing System取
り扱い説明書Ver.1.0に従い、ホルムアミド/EDTA/Blue
dextran loading buffer 6μlに溶解し、そのう
ち2μlを、6M尿素/4%ロングレンジャーTMアクリルアミ
ド溶液(FMC)を含むシークエンス解析用変性ゲルを用
い、ABI 377 DNA Sequencer及び解析プログラムにより
解析した。その結果、図16に提示したが、変異型T7 R
NA ポリメラーゼF644YあるいはL665P/F667Yは野生型T7
RNA ポリメラーゼに比べて、ピーク強度が高く、更にバ
ラツキが少なく、シークエンス読みとりが可能であるこ
とが判明した。ここで野生型T7 RNAポリメラーゼを用い
た場合、ほとんどシークエンスは不可能であった。
【0067】実施例6変異型T7 RNAポリメラーゼF644Y/L665P/F667Yを生産す
るための発現プラスミドの構築(図面17参照) 変異型T7 RNAポリメラーゼF644Y/L665P/F667Yの構築
は、先に構築した変異型T7 RNAポリメラーゼL665P/F667
Yを生産する発現プラスミド構築方法(実施例2参照)
と同様に、PCRをベースにして以下のように行った。
【0068】変異型T7 RNAポリメラーゼL665P/F667Yを
生産する発現プラスミドを鋳型として、プライマーXho-
FとプライマーT7-DOUBLE-R (21mer:5'-CTCTTTGGACCCGTA
AGCCAG-3')の組み合わせとプライマーT7-DOUBLE-F(29me
r: 5'-TTACGGGTCCAAAGAGTACGGCTTCCGTC-3')とプライマ
ーAflII-R の組み合わせで各々PCRを行った。このPCR産
物を直接鋳型として、DNAの塩基配列を決定し、プライ
マーT7-DOUBLE-RおよびT7-DOUBLE-Fの配列を確認後、そ
れぞれを2%アガロース電気泳動を行い、目的の大きさの
DNAフラグメントを精製した。この精製した2つのDNAを
混合し、鋳型としてプライマーXho-FおよびAflII-R用い
てPCRを行い、増幅したDNAフラグメントを制限酵素マッ
ピング、DNA塩基配列の解析により目的のフラグメント
であることを確認後、制限酵素XhoIおよびAflIIを用い
て酵素反応を行い、これを予め制限酵素XhoIおよびAflI
Iで処理したプラスミドpT7RL665P/F667YにT4 DNAライゲ
ースを用いて結合させた。この反応物を大腸菌DH5αに
形質転換し、抗生物質アンピシリンを含んだ寒天平板上
で生育するコロニーを複数得た。このコロニーをいくつ
か選択し、培養、プラスミドDNAの抽出を行い、目的の
変異が導入されているかをDNA塩基配列の決定を行い、
確認し、最終的に目的の変異型T7 RNAポリメラーゼF644
Y/L665P/F667Yを生産するための発現プラスミドpT7RF64
4Y/L665P/F667Yを構築した(図17参照)。このプラスミ
ドからの変異型T7 RNAポリメラーゼF644Y/L665P/F667Y
の生産は、野生型T7 RNAポリメラーゼの生産と同様、本
プラスミドを含む大腸菌を培養し、IPTGを添加すること
により発現誘導可能であった。
【0069】実施例7変異型T7 RNAポリメラーゼF644Y/L665P/F667Yの精製 変異型T7 RNAポリメラーゼF644Y/L665P/F667Yは、実施
例3に記載の方法と同じ方法で精製可能であった。典型
的な例として、1リッターの培養液から1,000,000単位の
変異型T7 RNAポリメラーゼF644Y/L665P/F667Y蛋白質が
精製された。得られたRNAポリメラーゼは、SDS-ポリア
クリルアミドゲル電気泳動にて、ほぼ単一バンドであ
り、この標品からRNaseは検出されなかった。
【0070】実施例83'dNTP誘導体の取り込み率の改善 実施例7で精製した変異型T7 RNAポリメラーゼのリボヌ
クレオチド(NTP)と3'デオキシヌクレオチド(3'dNTP)の
取り込み率を以下のように測定した。転写反応の鋳型
は、プラスミドpBluescript(KS+)(ストラタジーン社)
を制限酵素、PvuIIで反応し、線状としたものを用い、A
TP, CTP, GTP, UTPをそれぞれ250uM、2mM spermidine-
(HCl)3、5mM DTT、40mM Tris/HCl pH 8.0、 0.1ulの[al
pha-32P]UTP (3000 Ci/mmole)の条件下、変異型T7 RNA
ポリメラーゼF644Y/L665P/F667Yを25単位、反応に用い
た。そして、2種類の反応液(3'dATPの無添加又は添加
(終濃度100μM))を用意して、37℃、60分反応させ
た。そして、この反応物全量をDE81 paper (ワットマン
社)にスポットし、リン酸緩衝液で3回洗浄、乾燥さ
せ、DE81 paperをシンチレーションバイアルに入れて、
シンチレーションカウンター(ベックマン)を用いて、
それぞれの放射活性を測定した。これにより得られた放
射活性より、3'-dATPの添加、無添加時の値と比較する
ことによってどれだけ[alpha-32P]UTPの取り込みが阻害
されるかを算出した。算出値を、野性型T7 RNAポリメラ
ーゼの阻害度1.000と比較して得られる相対活性を
表1に示す。
【0071】上記F644Y/L665P/F667Y変異体に代えて、
野性型T7 RNAポリメラーゼ、実施例3で得た変異型T7 R
NAポリメラーゼF644Y若しくはL665P/F667Y、又は実施例
2及び3と同様の方法で構築精製した変異型T7 RNAポリ
メラーゼF644Y/L665P、F782Y、F733Y、F646Y若しくはY6
39Fを反応に用いて、阻害結果を得た。相対活性を表1に
示す。表1の結果は、数値が大きいほど、その変異型酵
素が、3'-dATPを取り込みやすくなっている変異である
ことを示している。例えば、この場合、変異型T7 RNAポ
リメラーゼF644Y/L665P/F667Yは、野性型酵素より、5.5
8倍、3'-dATPを取り込みやすい酵素であることを意味す
る。F644Y/L665P/F667Y変異体は、今回、作製した変異
型酵素の中で、もっとも3'-dNTPを取り込むバイアスの
少ない変異型酵素であることを示している。
【0072】
【表1】
【0073】実施例9変異型T7 RNAポリメラーゼF644Y/L665P/F667Yを用いた
シークエンス反応例 シークエンス反応の鋳型として用いた鋳型は以下のよう
にPCRにより作製した。PCRの鋳型としてhuman thyroid-
stimulating hormone (hTSH-β)cDNAをT7プロモーター
を有するBS750由来のプラスミドにサブクローニングし
たものを用いた。このhTSH-βをもつプラスミド、100fg
を用い、クローニング部位を挟む形で存在するL220プラ
イマー(5'-TAA CAA TTT CAC ACA GGA AAC A-3')及び121
1プライマー(5'-ACG TTG TAA AAC GACGGC CAG T-3')で
反応液量20μlでPCR[(94℃ 2分)1回、(94℃ 1分、55
℃ 1分、72℃ 1.5分)30回、72℃ 5分]を行った。この
PCRで出来たPCR産物の1211プライマーの下流にT7プロモ
ーターが存在する。
【0074】シークエンス転写反応は、Melton,D.A [Nu
cleic Acids Res., 12:7035-7036(1984)]に示されてい
る方法を用いて行った。上記PCR産物の内1μl(約10ng)
をシークエンス反応に用いた。反応は、3'dNTPの誘導体
として、実施例5で用いたと同様のダイ・ターミネータ
ー4μMR6G-3'dATP[5-カルボキシローダミン6G標識3'-デ
オキシアデノシン-5-トリフォスフェート(n=4)]、4μM
R110-3'dGTP[5-カルボキシローダミン110標識3'-デオ
キシグアノシン-5-トリフォスフェート(n=4)]、80μM X
R-3'dCTP[5-カルボキシ-X-ローダミン標識3'-デオキシ
シチジン-5-トリフォスフェート(n=4)]、20μM TMR-3'd
UTP[5-カルボキシテトラメチルローダミン標識3'-デオ
キシウリジン-5-トリフォスフェート(n=4)]を用いた。
さらに500μM UTP、250μM ATP、200μM CTP、500μM G
TP、2mM スペルミジン-(HCI)3、5mM DTT、40mM Tris/HC
l pH8.0 (BRL、ギブコ社)の条件下、変異型T7 RNAポリ
メラーゼF644Y/L665P/F667Y 25単位を加えて、合計反応
体積10μlとして、37℃で一時間反応を行った。
【0075】次に反応産物中に残存している未反応のダ
イ・ターミネーターを除去するため、セファデックスG-
50カラム(ファルマシア・バイオテク製)を用いたゲル
濾過法により転写産物を精製し、精製産物は遠心式エバ
ポレーターを用いて蒸発乾固した。この乾燥させた反応
物を株式会社パーケンエルマージャパンのABI PRISM 37
7DNA sequencing System取り扱い説明書Ver.1.0に従
い、ホルムアミド/EDTA/Bluedextran loading buffer 6
μlに溶解し、そのうちの2μlを、6M尿素/4% ロングレ
ンジャーTMアクリルアミド溶液(FMC社)を含むシークエ
ンス解析用変性ゲルを用い、ABI 377 DNA sequencer及
び解析プログラム(Sequencing Analysis Ver.3.0)によ
り解析し、エレクトロフェログラムを得た。図18にその
結果を示す。このように良好なシークエンス解析が可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 T7 ファージゲノム上のT7 RNA ポリメラーゼ遺
伝子とコードされているT7 RNA ポリメラーゼのアミノ
酸配列(前半)。上段は、塩基配列、下段はその配列に
対応するアミノ酸配列を示した。右端の数字は、塩基配
列の場合、DNA配列データベースGeneBankに登録されて
いるT7 ファージゲノム(Locus T7CG, 39,937塩基対)の
番号を示し、アミノ酸の番号は、T7 RNA ポリメラーゼ
き最初のM(メチオニン)を1として、全長883アミノ酸残
基からなっていることを示す。
【図2】 T7 ファージゲノム上のT7 RNA ポリメラーゼ
遺伝子とコードされているT7 RNA ポリメラーゼのアミ
ノ酸配列(後半)。上段は、塩基配列、下段はその配列
に対応するアミノ酸配列を示した。右端の数字は、塩基
配列の場合、DNA配列データベースGeneBankに登録され
ているT7 ファージゲノム(Locus T7CG, 39,937塩基対)
の番号を示し、アミノ酸の番号は、T7 RNA ポリメラー
ゼき最初のM(メチオニン)を1として、全長883アミノ酸
残基からなっていることを示す。
【図3】 現在報告されているファージ由来RNAポリメラ
ーゼのアミノ酸配列の比較(前半)。最上段のT7 RNA
ポリメラーゼを基準として、・はT7 RNA ポリメラーゼ
と同一のアミノ酸、−は欠損、最下段の*はすべてのポ
リメラーゼに共通しているアミノ酸であることを示す。
【図4】 現在報告されているファージ由来RNAポリメラ
ーゼのアミノ酸配列の比較(後半)。最上段のT7 RNA
ポリメラーゼを基準として、・はT7 RNA ポリメラーゼ
と同一のアミノ酸、−は欠損、最下段の*はすべてのポ
リメラーゼに共通しているアミノ酸であることを示す。
【図5】 T7 RNA ポリメラーゼの変異部位導入部位の
詳細図。白ぬき文字は、変異導入されたアミノ酸である
ことを示している。
【図6】 T7 RNA ポリメラーゼとT3 RNA ポリメラーゼ
のアミノ酸配列の比較(前半)。 最上段のT7 RNA ポ
リメラーゼを基準として、・は同一のアミノ酸、−は欠
損、最下段の*は2つのポリメラーゼに共通しているアミ
ノ酸であることを示す。
【図7】 T7 RNA ポリメラーゼとT3 RNA ポリメラーゼ
のアミノ酸配列の比較(後半)。 最上段のT7 RNA ポ
リメラーゼを基準として、・は同一のアミノ酸、−は欠
損、最下段の*は2つのポリメラーゼに共通しているアミ
ノ酸であることを示す。
【図8】 T7 RNA ポリメラーゼの残基641−667
の前後の配列と、それに対応する領域のT3RNA ポリメ
ラーゼ、K11RNA ポリメラーゼ、及びSP6RNA ポリ
メラーゼアミノ酸配列を示す。T7RNAポリメラーゼにつ
いては、残基を全て示したが、対応するT3, K11, SP6に
ついてはT7と同じ残基については・(ドット)で示した。
【図9】 野生型T7 RNAポリメラーゼを発現するプラス
ミド、pT7Rの構築図。
【図10】 変異型T7RNA ポリメラーゼF644Yを発現す
るプラスミド、pT7RF644Yの構築図。
【図11】 T7 RNA ポリメラーゼ遺伝子中に制限酵素X
hoI部位を持つ、pT7Rの改良型プラスミド、pT7R-Xhoの
構築図。
【図12】 変異型T7RNA ポリメラーゼL665P/F667Yを
発現するプラスミド、pT7RL665P/F667Yの構築図。
【図13】 変異型T7 RNA ポリメラーゼによるダイ・
ターミネーターの取り込み率の改善。野生型T7 RNA ポ
リメラーゼ(WT)、変異型T7 RNA ポリメラーゼF644Y(F64
4Y)、変異型T7 RNA ポリメラーゼL665P/F667Y(F667Y)。
【図14】 変異型T7 RNA ポリメラーゼF644Yによるダ
イ・ターミネーターの取り込み率の改善。エレクトログ
ラムとして表示した。野生型T7 RNA ポリメラーゼ(W
T)、変異型T7 RNA ポリメラーゼF644Y(F644Y)。
【図15】 変異型T7 RNA ポリメラーゼL665P/F667Yに
よるダイ・ターミネーターの取り込み率の改善。エレク
トログラムとして表示した。野生型T7 RNA ポリメラー
ゼ(WT)、変異型T7 RNA ポリメラーゼL665P/F667Y(F667
Y)。
【図16】 シークエンス反応例 野生型T7 RNA ポリ
メラーゼ(WT)、変異型T7RNA ポリメラーゼF644Y(F644
Y)、変異型T7 RNA ポリメラーゼL665P/F667Y(F667Y)を
用いて反応した。何れも同じ領域のシークエンスパター
ンを示した。
【図17】 変異型T7RNA ポリメラーゼF644Y/L665P/F6
67Yを発現するプラスミド、pT7R F644Y/L665P/F667Yの
構築図。
【図18】 変異型T7 RNA ポリメラーゼF644Y/L665P/F
667Yによるダイ・ターミネーターの取り込み率の改善結
果をエレクトログラムとして表示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:19) (C12N 9/12 C12R 1:19)

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対応する野性型RNAポリメラーゼの能
    力と比較して、3’デオキシリボヌクレオチドまたはそ
    れらの誘導体を取り込む能力を増加させるように、少な
    くとも1つのアミノ酸が修飾された野性型RNAポリメ
    ラーゼからなることを特徴とするRNAポリメラーゼ。
  2. 【請求項2】 野性型RNAポリメラーゼのヌクレオチ
    ド結合部位中に存在する少なくとも1つのアミノ酸が修
    飾されている請求項1記載のRNAポリメラーゼ。
  3. 【請求項3】 アミノ酸の修飾が、アミノ酸の置換、挿
    入または欠落である請求項2に記載のRNAポリメラー
    ゼ。
  4. 【請求項4】 野性型RNAポリメラーゼのヌクレオチ
    ド結合部位中に存在する少なくとも1つのアミノ酸がチ
    ロシンに置換されている請求項1〜3のいずれか1項に
    記載のRNAポリメラーゼ。
  5. 【請求項5】 置換されるアミノ酸がフェニルアラニン
    である請求項4に記載のRNAポリメラーゼ。
  6. 【請求項6】 ヌクレオチド結合部位に存在するアミノ
    酸が、ヘリックスYとヘリックスZとの間のループ中のア
    ミノ酸及び/又はヘリックスZとヘリックスAAとの間
    のループ中のアミノ酸である請求項2〜5のいずれか1
    項に記載のRNAポリメラーゼ。
  7. 【請求項7】 3’デオキシリボヌクレオチドまたはそ
    れらの誘導体に対する取り込み能力を、野性型の少なく
    とも2倍増加させるように修飾されている請求項1〜6
    のいずれか1項に記載のRNAポリメラーゼ。
  8. 【請求項8】 T7ファージ、T3ファージ、SP6フ
    ァージ、K11ファージに由来する請求項1〜7のいず
    れか1項に記載のRNAポリメラーゼ。
  9. 【請求項9】 T7ファージ由来のRNAポリメラーゼ
    のアミノ酸残基641-667に対応する領域から選択される
    領域中の少なくとも1つのアミノ酸が修飾されている野
    性型RNAポリメラーゼであることを特徴とするRNA
    ポリメラーゼ。
  10. 【請求項10】 修飾されるべき野性型RNAポリメラ
    ーゼが、前記以外のアミノ酸の置換、挿入または欠落
    を、さらに有する請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    RNAポリメラーゼ。
  11. 【請求項11】 T7ファージ由来のRNAポリメラー
    ゼであって、アミノ酸残基644または667において
    チロシンを有するRNAポリメラーゼ。
  12. 【請求項12】 T7ファージ由来のRNAポリメラー
    ゼがアミノ酸残基644及び667以外のアミノ酸の置
    換、挿入または欠落をさらに有する請求項11に記載の
    RNAポリメラーゼ。
  13. 【請求項13】 野性型T7RNAポリメラーゼの64
    4番目のアミノ酸残基フェニルアラニンがチロシンに置
    換されたことを特徴とするRNAポリメラーゼ。
  14. 【請求項14】 野性型T7RNAポリメラーゼの66
    7番目のアミノ酸残基フェニルアラニンがチロシンに置
    換されたことを特徴とするRNAポリメラーゼ。
  15. 【請求項15】 野性型T7RNAポリメラーゼの66
    5番目のアミノ酸残基ロイシンがプロリンに置換されて
    いる請求項13又は14に記載のRNAポリメラーゼ。
  16. 【請求項16】 野性型T7RNAポリメラーゼの64
    4番目のアミノ酸残基フェニルアラニンがチロシンに置
    換され、かつ667番目のアミノ酸残基フェニルアラニ
    ンがチロシンに置換されていることを特徴とするRNA
    ポリメラーゼ。
  17. 【請求項17】 野性型T7RNAポリメラーゼの66
    5番目のアミノ酸残基ロイシンがプロリンに置換されて
    いる請求項16に記載のRNAポリメラーゼ。
  18. 【請求項18】 T3ファージ由来のRNAポリメラー
    ゼであって、アミノ酸残基645または668において
    チロシンを有するRNAポリメラーゼ。
  19. 【請求項19】 T3ファージ由来のRNAポリメラー
    ゼがアミノ酸残基645及び668以外のアミノ酸の置
    換、挿入または欠落をさらに有する請求項18に記載の
    RNAポリメラーゼ。
  20. 【請求項20】 K11ファージ由来のRNAポリメラ
    ーゼであって、アミノ酸残基 664〜669の間または69
    0においてチロシンを有するRNAポリメラーゼ。
  21. 【請求項21】 K11ファージ由来のRNAポリメラ
    ーゼがアミノ酸残基 664〜669の間または690以外の
    アミノ酸の置換、挿入または欠落をさらに有する請求項
    20に記載のRNAポリメラーゼ。
  22. 【請求項22】 SP6ファージ由来のRNAポリメラ
    ーゼであって、アミノ酸残基 633〜638の間また
    は670においてチロシンを有するRNAポリメラー
    ゼ。
  23. 【請求項23】 SP6ファージ由来のRNAポリメラ
    ーゼがアミノ酸残基 633〜638の間または670
    以外のアミノ酸の置換、挿入または欠落をさらに有する
    請求項22に記載のRNAポリメラーゼ。
  24. 【請求項24】 請求項1〜18のいずれか1項に記載
    のRNAポリメラーゼの少なくとも一部をコードするポ
    リヌクレオチド。
  25. 【請求項25】 請求項1〜24のいずれか1項に記載
    のRNAポリメラーゼを製造する方法であって、RNA
    ポリメラーゼをコードする核酸分子を用意し、ヌクレオ
    チド塩基配列内の1つまたはそれ以上の部位における1つ
    またはそれ以上の塩基を変更させるように該核酸分子に
    突然変異を起こさせ、次いで変異させた核酸分子により
    発現される修飾されたRNAポリメラーゼを回収するこ
    とを含む方法。
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