JPH1175532A - 緑化用資材及びこの緑化用資材の製造方法 - Google Patents

緑化用資材及びこの緑化用資材の製造方法

Info

Publication number
JPH1175532A
JPH1175532A JP9251396A JP25139697A JPH1175532A JP H1175532 A JPH1175532 A JP H1175532A JP 9251396 A JP9251396 A JP 9251396A JP 25139697 A JP25139697 A JP 25139697A JP H1175532 A JPH1175532 A JP H1175532A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
moss
greening
polymer
water
greening material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9251396A
Other languages
English (en)
Inventor
Minoru Takeda
実 武田
Hirotaka Takoshi
宏孝 田越
Susumu Tago
進 多胡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP9251396A priority Critical patent/JPH1175532A/ja
Priority to DE69814734T priority patent/DE69814734D1/de
Priority to EP98104513A priority patent/EP0878126B1/en
Priority to CA002231899A priority patent/CA2231899A1/en
Priority to AT98104513T priority patent/ATE240634T1/de
Priority to AU58413/98A priority patent/AU739284B2/en
Priority to US09/041,617 priority patent/US6153185A/en
Publication of JPH1175532A publication Critical patent/JPH1175532A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/10Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
    • Y02A40/22Improving land use; Improving water use or availability; Controlling erosion

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】従来のコケ植物を用いた緑化用基板において用
いたコケ植物の固定手段よりも、さらに簡便かつ効率的
な手段を見出し、この手段を用いた緑化用基板等の緑化
用資材を提供すること。 【解決手段】水で膨潤させたN−ビニルカルボン酸アミ
ドポリマー等の特定のノニオン系吸収性ポリマーをコケ
植物の植物体と接触させて、このコケ植物を所望する形
状の通気手段を施した閉鎖系内で養生させることによっ
て、このポリマーと接触したコケ植物の植物体の各々が
絡み合い、この所望する形状においてコケ植物の植物体
同士が絡み合ってなる、所望の緑化用資材が提供され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コケ植物を用いた
緑化用資材及びこの緑化用資材の製造方法に関する技術
分野の発明である。より詳細には、コケ植物の植物体同
士を絡ませてなる緑化用基板等の緑化用資材、及びN−
ビニルカルボン酸アミドポリマー等の特定のノニオン系
吸収性ポリマーを用いたこの緑化用資材の製造方法に関
する発明である。
【0002】
【従来の技術】従来、コケ植物には「ジメジメしてい
る」であるとか「暗い」というイメージが強く、その利
用分野も庭園,盆栽等の一部の分野に限定されていた。
しかしながら、多彩な種類を有するこのコケ植物には、
「モスグリーン」という言葉にも現れているように、他
の植物には見られない独特の落ち着いた色合いを有する
だけではなく、「その植物体を切り離して乾燥させて
も,水を与えることにより生命活動を再開する」とい
う、他の高等植物には見られない驚くべき特性を有して
いる。
【0003】残念ながら、この優れたコケ植物の特性
が、現在十分には産業界において生かされていないとい
うのが現状である。そこで、本発明者らは、このコケ植
物の優れた特性を環境緑化が必要とされる多様な分野に
積極的に活用すべく、コケ植物を用いた緑化用基板を見
出した(特開平7−227142号公報及び特開平7−
227143号公報参照のこと)。しかしながら、これ
らの緑化用基板はコケ植物の固定手段として縫製を用い
ること等を必要とし、必ずしもコスト面等から万全であ
るとは言い難い面もあったことは否定できない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は上記
のコケ植物を用いた緑化用基板において用いたコケ植物
の固定手段よりもさらに簡便かつ効率的な手段を見出し
て、この手段を用いた緑化用基板等の緑化用資材を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決する手段】本発明者は、この課題の解決に
向けて鋭意検討を重ねた。その結果、水で膨潤させたN
−ビニルカルボン酸アミドポリマー等の特定のノニオン
系吸収性ポリマーをコケ植物の植物体と接触させて、こ
のコケ植物を所望する形状の通気手段を施した閉鎖系内
で養生させることによって、このポリマーと接触したコ
ケ植物の植物体の各々が絡み合い、この所望する形状に
おいてコケ植物の植物体同士が絡み合ってなる緑化用資
材を提供することが可能であることを見出して本発明を
完成した。すなわち、本発明者は本願において以下の発
明を提供する。
【0006】まず、コケ植物の植物体同士を絡ませてな
るコケ植物を用いた、緑化用基板等の緑化用資材を提供
する。
【0007】さらに、以下の工程を含むこれらの緑化用
資材の製造方法を提供する。 1.通気手段を施した防水素材からなる容器中に充填し
た、水で膨潤させたノニオン系吸水性ポリマーのゲル体
からなる系中にコケ植物の植物体を分散させてなるコケ
植物の生育系をこの容器中で形成させた後に、この容器
を密閉する第1工程; 2.第1工程において製造したコケ植物の生育系におけ
るコケ植物を養生して、これらのコケ植物の植物体同士
を系中で絡ませ合う第2工程; 3.系からノニオン系吸水性ポリマーを除去する第3工
程。
【0008】なお、特にここで用いるノニオン系吸水性
ポリマーが、 CH2 =CHNR1 COR2 (I) (式中、R1 及びR2 は,それぞれ同一でも相異なって
もよく,水素原子又はメチル基を表す)で表される化合
物を50.0モル%以上含む共重合体を架橋してなるN
−ビニルアセトアミド系ポリマー等のN−ビニルカルボ
ン酸アミドポリマーであることが好ましい。
【0009】本発明において「緑化用資材」とは、おお
よそコケ植物が生育可能な環境において、所望する部分
を緑化するための資材をいい、その形状を問うものでは
ない。また、同じく「緑化用基板」とは、基板状の形状
をした緑化用資材のことを意味する。
【0010】本発明において「動粘度」は、ガードナー
社製の気泡粘度計を用いて把握し得る粘度である。な
お、この粘度計において,この「動粘度」は内径1.0
65cmの試験管に,高さ0.8cmの空隙を残して栓を
し,この試験管を上下逆さまにして気泡の上昇速度を観
測して,この気泡上昇速度を,粘度が既知である液体を
充填した標品の気泡上昇速度と比較することにより把握
し得る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明は、上述のようにコケ植物の植物体
同士を絡ませてなるコケ植物を用いた緑化用基板等の緑
化用資材(以下,本発明緑化用資材ともいう)を提供す
る。この本発明緑化用資材は、以下の第1工程〜第3工
程を含む製造方法により製造され得る緑化用資材であ
る。
【0012】第1工程は、通気手段を施した防水素材か
らなる容器中に充填した、水で膨潤させたノニオン系吸
水性ポリマーのゲル体からなる系中にコケ植物の植物体
を分散させてなるコケ植物の生育系をこの容器中で形成
させた後に、この容器を密閉する工程である。
【0013】ここで用いるノニオン系吸水性ポリマー
は、特に限定されず、例えばポリアクリルアミド系ポリ
マー,ポリビニルアルコール系ポリマー等を用いること
ができるが、この本発明製造方法において用いるのに極
めて好ましいノニオン系吸水性ポリマーとして、N−ビ
ニルカルボン酸アミドポリマー,とりわけN−ビニルア
セトアミド系ポリマーを挙げることができる。
【0014】N−ビニルカルボン酸アミドポリマーは、
上記式(I)で表される化合物を、1種以上の架橋剤の
存在下で重合させることによって主鎖としてなる吸水性
ポリマーである。このN−ビニルカルボン酸アミドポリ
マーは、従来の吸水性ポリマーに比べて、水のみなら
ず、それ以外の電解質溶液や多価金属イオンが存在する
水性液体をも高い膨潤率を示す吸水性ポリマーとして、
特開平3−223304号公報及び特開平4−3232
13号公報に開示されている汎用性の非常に高い吸水性
ポリマーである。
【0015】このN−ビニルカルボン酸アミドポリマー
の製造方法は、基本的には以下の工程に従って製造する
ことができる。すなわち、N−ビニルアセトアミドに代
表される、N−ビニルアミド化合物類〔上記化学式
(I):これらの化合物類は,例えば特開昭50−76
015号公報記載のN−(α−アルコキシアルキル)カ
ルボン酸アミドの熱分解反応等の公知の方法により製造
され得る〕を、架橋剤とともに重合することにより所望
するN−ビニルカルボン酸アミドポリマーを製造するこ
とができる。
【0016】この重合反応に際して用いられる架橋剤と
しては、例えばN,N'-メチレンビスアクリルアミド,
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート,ジエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート,トリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート,ポリエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート,トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート,ペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレート,ジビニルベンゼン,ジビニルエ
ーテル、N,N'-ブチレンビス(N−ビニルアセトアミ
ド)、N,N'-ジアセチル- N,N'-ジビニル- 1,4
- ビスアミノメチルシクロヘキサンジエチレングリコー
ルジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリ
ルエーテル,テトラアリルオキシエタン,ペンタエリス
リトールトリアリルエーテル,アジピン酸ジアリル,テ
レフタル酸ジアリル,シュウ酸ジビニル,コハク酸ジビ
ニル,マロン酸ジビニル,アジピン酸ジビニル,マレイ
ン酸ジビニル,クエン酸トリビニル,ピロメリット酸テ
トラビニル等の1分子中に不飽和基を2個以上有する架
橋剤を挙げることができる。
【0017】これらの架橋剤の重合反応における使用量
は、原料化合物に対して、架橋剤/単量体の比がモル比
で、10/90〜0.0001/99.9999の範囲
から選択され得るが、同2/98〜0.0005/9
9.9995の範囲で選択するのが特に好ましい。架橋
剤の量が原料化合物に対して過剰(上記10/90より
も架橋剤の比率が大きい)であると、得られるN−ビニ
ルアセトアミド系ポリマーの架橋密度が高くなり過ぎす
るために膨潤率が過少になり実質的に吸水性ポリマーと
しての効果を発揮することが困難になるため好ましくな
い。また、逆に原料化合物の量が架橋剤に対して過剰
(上記0.0001/99.9999よりも原料化合物
の比率が大きい)であると、架橋に関わらない水溶性や
親水性の高分子の生成率が増大して、この場合も実質的
に吸水性ポリマーとしての効果を発揮することが困難に
なるため好ましくない。
【0018】また、N−ビニルカルボン酸アミドポリマ
ーは、その吸水性や耐久性等の性質が失われない範囲
で、前記N−ビニルアセトアミド化合物類と共重合可能
な他のエチレン性不飽和化合物を共重合させて製造する
ことも可能である。
【0019】このエチレン性不飽和化合物としては、例
えば(メタ)アクリル酸,(メタ)アクリル酸金属塩,
(メタ)アクリル酸メチル,(メタ)アクリル酸エチ
ル,(メタ)アクリル酸プロピル,ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート,ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート,(メタ)アクリルアミド,ジメチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート,ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート−メチルクロライド4級塩,N−
ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド,N−
ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド−メチ
ルクロライド4級塩,アクリロニトリル,2−アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸金属塩,酢酸ビ
ニル,ビニルエーテル類,ビニルケトン類等のビニル化
合物,スルホン酸ビニル金属塩,N−ビニル−2−ピロ
リドン,マレイン酸,マレイン酸金属塩,フマル酸,フ
マル酸金属塩,イタコン酸,イタコン酸金属塩等を挙げ
ることができるが、これらに限定されるものではない。
【0020】なお、これらのエチレン性不飽和化合物
は、前記のN−ビニルカルボン酸アミドポリマーの優れ
た特性を付与するうえにおいては、好ましくは原料化合
物全体の50.0モル%以下(前記N−ビニルアミド化
合物類が同50.0モル%未満)、さらに好ましくは同
40.0モル%以下に、その量を止めるべきである。
【0021】エチレン性不飽和化合物が50モル%以上
では、得られるN−ビニルカルボン酸アミドポリマーが
植物の生育を著しく阻害したり、このポリマー自体の耐
久性が著しく低下するために好ましくない。重合反応を
行うに際しては、水溶液重合,逆相懸濁重合,逆相乳化
重合,沈澱析出重合等の通常公知の反応形式を選択する
ことができる。
【0022】なお、所望するN−ビニルカルボン酸アミ
ドポリマーの具体的形態は、ポリマー粉体の架橋密度が
大きく粒径が小さい形態のN−ビニルカルボン酸アミド
ポリマー(以下,ミクロゲル型N−ビニルカルボン酸ア
ミドポリマーという)と、比較的その架橋密度が大きく
粒径も大きい形態のN−ビニルカルボン酸アミドポリマ
ー(以下,吸液型N−ビニルカルボン酸アミドポリマー
という)とに大別される。
【0023】この2つの形態のN−ビニルカルボン酸ア
ミドポリマーは、所望する形態に応じた上記重合反応の
形式を選択することにより、それぞれ製造することがで
きる。すなわち、前者のミクロゲル型N−ビニルカルボ
ン酸アミドポリマーが、重合反応として上記沈澱析出重
合(ポリマーを重合する媒体は基本的にはポリマーを溶
解しない有機溶媒:重合初期モノマーは溶媒に溶解して
いるが,重合が進むにつれてポリマーの溶解度が低くな
るため,微細な粒子として析出する)を選択することに
より製造される。これに対して後者の吸液型N−ビニル
カルボン酸アミドポリマーが重合反応として水溶液重合
又は逆相懸濁重合(ポリマーを重合する媒体は,通常は
水であり,重合後は水を含む含水ゲルが得られる)を選
択することにより製造される。
【0024】重合触媒は、通常のラジカル重合触媒を用
いるのが一般的で、ラジカル開始剤としては、アゾビス
イソブチロニトリル、2,2'-アゾビス(2- アミジノ
プロパン)二塩酸塩等のアゾ系開始剤、ベンゾイルパー
オキサイド等の過酸化物、レドックス系触媒(過酸化物
若しくは過硫酸塩類,及びトリエタノールアミン若しく
はチオ硫酸ナトリウム等の還元剤を同一系内に存在させ
る触媒)等を用いることができる。
【0025】このようにして得られるN−ビニルカルボ
ン酸アミドポリマーにおいては、例えば吸水速度改良の
ための界面活性剤処理やゲル強度向上を目的とする熱処
理等の表面処理を行うこともできる。このようにして、
所望するN−ビニルカルボン酸アミドポリマーを製造す
ることができる。
【0026】なお、このN−ビニルカルボン酸アミドポ
リマーを本発明製造方法において用いることができる
が、このN−ビニルカルボン酸アミドポリマーの市販品
も用いることができることは勿論である。この市販品と
して、昭和電工株式会社から、GX−205(ミクロゲ
ル型N−ビニルアセトアミド系ポリマー)並びにNA−
010及びNA−300(吸液型N−ビニルアセトアミ
ド系ポリマー)が供給されている。また、非架橋型の可
溶性N−ビニルアセトアミド系ポリマーとして、GE−
191も昭和電工株式会社から供給されている。また、
他のノニオン系吸水性ポリマーについても、通常公知の
方法で製造して用いる他、市販品を本発明製造方法にお
いて用いることができる。
【0027】上述のN−ビニルカルボン酸アミドポリマ
ー等のノニオン系吸水性ポリマーは、水と接触させるこ
とによって、その水を吸収して膨潤し、水を含有するい
わゆるハイドロゲルとなる。本発明製造方法のこの第1
工程においては、このハイドロゲルが多数集まった、い
わばハイドロゲル集合体(本発明においては特に断らな
い限り、このハイドロゲル集合体のことを「ゲル体」と
表現する)が通気手段を施した防水素材からなる容器中
でコケ植物と接触する。
【0028】このゲル体は、見かけ上流動性を示す状態
から、見かけ上ほとんど流動性を示さない状態まで、上
記のN−ビニルカルボン酸アミドポリマーの粒子径,架
橋度,ポリマーに接触させる水の量又は使用するゲル体
の総量等を適宜選択することによって自在に調整するこ
とができるが、本発明においては製造する本発明緑化用
資材の形状を確定させる必要から、通常は流動性の認め
られないゲル体を用いることが好ましい。一般的にゲル
が流動性のある状態とみなせるのは、ガードナーの気泡
粘度計により把握される動粘度が常温で500ストーク
ス未満の場合であり、ゲルの動粘度が同500ストーク
ス以上の場合は、一般的に流動性がないとみなすことが
できる。
【0029】動粘度が常温で500ストークス以上であ
り,見かけ上ほとんど流動性を示さないゲル体は、例え
ば平均粒径が100〜1000μm のNA−010を
1.0g に対して,水を10〜30g 接触させることに
より製造することが可能であり、平均粒径が1μm 以
下のGX−205を1g に対して水を5〜9g 接触させ
ることにより製造することが可能である。
【0030】上述のように、ノニオン系吸水性高分子の
中でもN−ビニルカルボン酸アミドポリマーは、水のみ
ならず、アルコールや食塩水等も効率良く吸収する性質
を有するため、上記のコケ植物の生育環境に合わせて水
以外の成分を配合させることができる。
【0031】ただし、有機物を配合することは、それに
より本発明製造方法におけるゲル体が雑菌等による汚染
を受けることになり好ましくない故、配合することがで
きる水以外の成分は、事実上無機物であり、例えば塩化
ナトリウムや塩化カルシウム等を追加して配合すること
が可能である。
【0032】本発明製造方法の第1工程は、上述のゲル
体を通気手段を施した防水素材からなる容器中に充填
し、この容器中のゲル体とコケ植物(後述する)とを接
触させることを特徴とする工程である。
【0033】このコケ植物は、上述のゲル体を容器中に
充填してから、これに引続き接触させつつ分散させるこ
とも可能であり、予めゲル体とコケ植物とを混合してコ
ケ植物を系内で分散させて、この混合組成物を容器中に
充填することもできる。
【0034】いずれにしても、最終的に通気手段を施し
た防水素材からなる容器中に、水で膨潤させたノニオン
系吸水性ポリマーからなる系中にコケ植物の植物体を分
散させてなるコケ植物の生育系が形成されていれば、そ
の調製手順は特に限定されるものではない。
【0035】本発明において用いられるコケ植物の種類
は特に限定されず、セン類としては、例えばスナゴケ、
ハイスナゴケ、シモフリゴケ、クロカワキゴケ、キスナ
ゴケ、ヒメスナゴケ、ミヤマスナゴケ、ナガエノスナゴ
ケ、チョウセンスナゴケ、マルバナスナゴケ等のシモフ
リゴケ属(Racomitrium Bird.);カモジゴケ、シッポゴ
ケ、オオシッポゴケ、チャシッポゴケ、チシマシッポゴ
ケ、アオシッポゴケ、ナミシッポゴケ、ナガシッポゴ
ケ、ヒメカモジゴケ、コカモジゴケ、タカネカモジゴ
ケ、フジシッポゴケ、カギカモジゴケ、ナスシッポゴケ
等のシッポゴケ属(Dicranum Hedw.);ハイゴケ、オオ
ベニハイゴケ、ヒメハイゴケ、チチブハイゴケ、フジハ
イゴケ、ハイヒバゴケ、イトハイゴケ、キノウエノコハ
イゴケ、キノウエノハイゴケ、ミヤマチリメンゴケ、ハ
イサワラゴケモドキ、タチヒラゴケモドキ、エゾハイゴ
ケ等のハイゴケ属(Hypnum Hedw.);トヤマシノブゴ
ケ、ヒメシノブゴケ、オオシノブゴケ、コバノエゾシノ
ブゴケ、エゾシノブゴケ、アオシノブゴケ、チャボシノ
ブゴケ等のシノブゴケ属(Thuidium B.S.G);コウヤノ
マンネングサ、フロウソウ等のコウヤノマンネングサ属
Climacium Web.et Mohr);ヒノキゴケ、ヒロハヒノ
キゴケ、ハリヒノキゴケ等のヒノキゴケ属(Rhizogoniu
m Brid.)等を;
【0036】タイ類においては、ツクシウロコゴケ、ウ
ロコゴケ、オオウロコゴケ、トサカゴケモドキ、マルバ
ソコマメゴケ、アマノウロコゴケ等のウロコゴケ属(He
teroscyphus Schiffn. );ヤマトムチゴケ、ヨシナガ
ムチゴケ、フォウリィムチゴケ、エゾムチゴケ、タマゴ
バムチゴケ、フタバムチゴケ、サケバムチゴケ、ヤマム
チゴケ、ムチゴケ、コムチゴケ、マエバラムチゴケ等の
ムチゴケ属(BazzaniaS.Gray );クラマゴケモドキ、
カハルクラマゴケモドキ、トサクラマゴケモドキ、ヒメ
クラマゴケモドキ、ヤマトクラマゴケモドキ、ナガバク
ラマゴケモドキ、オオクラマゴケモドキ、ニスビキカヤ
ゴケ、ケクラマゴケモドキ、ホソクラマゴケモドキ等の
クラマゴケモドキ属(Porella.L )等を挙げることがで
きる。
【0037】さらに、ツノゴケ類〔ニワツノゴケ属(Pha
eoceros Prosk.) 、ツノゴケ属(Anthoceros L.) 、アナ
ナシツノゴケ属(Megaceros Campb.)、キノボリツノゴケ
(Dendroceros Nees)及びツノゴケモドキ属(Notothyla
s Sull.)〕も用いることができる。
【0038】容器の素材となる防水素材は、特に限定さ
れず、防水可能なプラスチックス類,金属,ガラス,セ
ラミック等を例示することができるが、安価であり,破
損しにくく、かつコケ植物の生育状態を容易に観察する
ことができる等の利点を有するプラスチックス類が極め
て好ましい防水素材として例示することができる。
【0039】また、通気手段も特に限定されず、例えば
コケ植物とゲル体を充填後に、容器に穴をあける等の手
段を挙げることができる。また、防水素材として、防水
機能と通気機能とを兼ね備えるシリコーン樹脂等を用い
ることも可能である。なお、通気手段を設けることなし
に、本発明緑化用資材を製造することも不可能ではない
が、何らの通気手段を設けない場合にはコケ植物の生育
が極端に遅くなり、本発明緑化用資材の生産効率がこれ
に伴い低下し好ましくない。
【0040】容器の形状は、所望する本発明緑化用資材
の形状に応じて適宜選択することができる。例えば、本
発明緑化用資材が、緑化用基板としての形態を採る場合
は、平板状の容器を用いることができる。このようにし
て、所望するコケ植物の生育系を作出する第1工程を行
うことができる。
【0041】第2工程は、上述した第1工程において製
造したコケ植物の生育系におけるコケ植物を養生して、
これらのコケ植物の植物体同士を系中で絡ませ合う工程
である。この第2工程では、第1工程において調製した
コケ植物の生育系においては、系内のコケ植物の生育担
体として働くゲル体をコケ植物の生育に適した日照条件
下及び/又は温度条件下に放置することのみによって、
驚くべきことにコケ植物の生育系の中で分散させた各々
のコケ植物の植物体が伸長して、互いが絡まり合って所
望する本発明緑化用資材のいわば基礎形態が形成され
る。
【0042】なお、上記の「コケ植物に適した日照条件
及び/又は温度条件」は、概ね日陰条件下である。選択
したコケ植物がたとえ本来日照を好むコケ植物(後述す
る)であっても、原則として日陰条件下で上記のコケ植
物の生育系を養生することが好ましい。すなわち上記生
育系を直射日光に晒すと、この生育系の温度が過剰に上
昇してしまい、却ってコケ植物の生育が妨げられる傾向
にあり好ましくない。日光に晒す場合は、可能な限り生
育系の温度を上昇させない限度内で晒すことが好まし
い。なお、本来日陰を好むコケ植物(後述する)を選択
する場合には、生育条件を一層の日陰条件下にすること
が必要であることは勿論である。このようにして、本発
明緑化用資材のいわば基礎形態を形成させる第2工程を
行うことができる。
【0043】第3工程は、第2工程において形成させた
本発明緑化用資材の基礎形態から、ノニオン系吸水性ポ
リマーを除去する工程である。この除去方法は、このノ
ニオン吸水性ポリマーを水洗するのみで容易に行うこと
ができる。
【0044】また、洗い流したノニオン性吸水性ポリマ
ーを、再び本発明において用いることが可能である点に
おいても有利である。このようにして、本発明緑化用資
材が製造される。この本発明緑化用資材は、水濡れした
まま用いることも可能であり、乾燥させて用いることも
可能であるが、現実の輸送や取扱いのし易さを考慮する
と乾燥させてから用いることが好ましい。この乾燥方法
は特に限定されず、天日による自然乾燥も,コケ植物が
弱体化しない温和な乾燥条件に設定した乾燥機による人
工乾燥も選択することができる。
【0045】本発明緑化用資材は、コケ植物が生育可能
な条件であればあらゆる箇所に施工して用いることが可
能である。例えば、道路や河岸等の法面や,公園等にお
いて用いることが可能である。ただし、選択したコケの
種類に応じた日照条件の箇所を選択する必要があること
は勿論である。例えば、スナゴケのように強めの日照を
好むコケ植物を選択した場合には、比較的日当たりのよ
り場所に施工することが好ましく、トヤマシノブゴケ等
のように日陰を好むコケ植物の場合には、可能な限り日
陰を施工箇所として選択することが好ましい。
【0046】本発明緑化用資材は、施工した箇所におい
て1ヵ月程度散水等により水を供給することにより、新
たな発芽をし、以後はほぼ自然降雨のみでコケを養生す
ることが可能であり、施工箇所をコケ植物により緑化す
ることができる。
【0047】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。ただし、これにより、本発明の技術的範囲が
限定的に解釈されるべきものではない。 〔実施例1〕 スナゴケを用いた本発明緑化用資材の製
造 栽培したスナゴケを、その頂茎から3〜8mmの部位で切
断してスナゴケ植物体の断片を調製した。このスナゴケ
植物体の断片をよく水で洗い、これをゲル体中で分散さ
せるコケ植物とした。
【0048】他方、昭和電工株式会社製のNA−010
(1.7g )に対して、水40mlを接触させて高粘度の
ゲル体を調製し、このゲル体に上記のスナゴケの植物体
の断片を32g 混入して、気密性のあるパッキン付きの
袋(製品名:ユニパック,株式会社セイニチ製)の袋に
充填して密封した後、この袋の片面にカッターナイフで
切れ込みを5か所入れた。
【0049】その後、これを常に日陰である屋内で、切
れ込みを上に向けて3か月間放置した。その結果、スナ
ゴケの植物体同士が伸長して絡み合った、本発明緑化用
資材の基礎部材が調製された。スナゴケの植物体同士が
絡み合ったゲル体を袋から取り出し、水道水でゲル体を
洗い流して、所望する基板状の本発明緑化用資材を得
た。 次いで、この本発明緑化用資材を天日で乾燥させ
て、後述するコケ植物の生育試験に処した。
【0050】〔試験例1〕 本発明緑化用資材における
コケ植物生育試験 実施例1において得られた緑化用資材を、両面テープを
用いてコンクリート打ちから3年以上経過した日当たり
の良好なコンクリート壁上に貼り付けて、1カ月間ホー
スを用いて水道水で1日4回灌水した結果、再生芽がこ
の緑化用資材において認められたので、灌水を中止し
て、以後は水の供給を専ら降雨のみとした。その結果、
施工から3ヵ月目には、この緑化用資材のスナゴケの植
物体の成長高が1cmまでのび、コケの群落体が形成され
た。
【0051】
【発明の効果】本発明により、従来のコケ植物を用いた
緑化用基板において用いたコケ植物の固定手段よりも、
さらに簡便かつ効率的な手段を見出され、この手段を用
いた緑化用基板等の緑化用資材が提供される。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コケ植物の植物体同士を絡ませてなるコケ
    植物を用いた緑化用資材。
  2. 【請求項2】緑化用資材が緑化用基板である、請求項1
    記載の緑化用資材。
  3. 【請求項3】以下の工程を含む請求項1又は請求項2記
    載の緑化用資材の製造方法: 1.通気手段を施した防水素材からなる容器中に充填し
    た、水で膨潤させたノニオン系吸水性ポリマーのゲル体
    からなる系中にコケ植物の植物体を分散させてなるコケ
    植物の生育系をこの容器中で形成させた後に、この容器
    を密閉する第1工程; 2.第1工程において製造したコケ植物の生育系におけ
    るコケ植物を養生して、これらのコケ植物の植物体同士
    を系中で絡ませ合う第2工程; 3.系からノニオン系吸水性ポリマーを除去する第3工
    程。
  4. 【請求項4】ノニオン系吸水性ポリマーが、 CH2 =CHNR1 COR2 (I) (式中、R1 及びR2 は,それぞれ同一でも相異なって
    もよく,水素原子又はメチル基を表す)で表される化合
    物を50.0モル%以上含む共重合体を架橋してなるN
    −ビニルカルボン酸アミドポリマーである、請求項3記
    載の緑化用資材の製造方法。
  5. 【請求項5】N−ビニルカルボン酸アミドポリマーが、
    N−ビニルアセトアミド系ポリマーである、請求項4記
    載の緑化用資材の製造方法。
  6. 【請求項6】緑化用資材が緑化用基板である、請求項3
    乃至請求項5のいずれかの請求項記載の緑化用資材の製
    造方法。
JP9251396A 1997-03-13 1997-09-01 緑化用資材及びこの緑化用資材の製造方法 Pending JPH1175532A (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9251396A JPH1175532A (ja) 1997-09-01 1997-09-01 緑化用資材及びこの緑化用資材の製造方法
DE69814734T DE69814734D1 (de) 1997-03-13 1998-03-12 Pflanzen enthaltende Zubereitung
EP98104513A EP0878126B1 (en) 1997-03-13 1998-03-12 Plant-containing composition
CA002231899A CA2231899A1 (en) 1997-03-13 1998-03-12 Plant-containing composition
AT98104513T ATE240634T1 (de) 1997-03-13 1998-03-12 Pflanzen enthaltende zubereitung
AU58413/98A AU739284B2 (en) 1997-03-13 1998-03-13 Plant containing composition
US09/041,617 US6153185A (en) 1997-03-13 1998-03-13 Plant-containing composition

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9251396A JPH1175532A (ja) 1997-09-01 1997-09-01 緑化用資材及びこの緑化用資材の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1175532A true JPH1175532A (ja) 1999-03-23

Family

ID=17222229

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9251396A Pending JPH1175532A (ja) 1997-03-13 1997-09-01 緑化用資材及びこの緑化用資材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1175532A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999039564A1 (fr) * 1998-02-03 1999-08-12 Shimura, Mitsuharu Element de jardinage
JP2018196351A (ja) * 2017-05-24 2018-12-13 広志 石原 苔シートの製造方法及び苔シート

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999039564A1 (fr) * 1998-02-03 1999-08-12 Shimura, Mitsuharu Element de jardinage
JP2018196351A (ja) * 2017-05-24 2018-12-13 広志 石原 苔シートの製造方法及び苔シート

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5300606A (en) Liquid absorption agent
JP3188283B2 (ja) 液体吸収剤
JPS5819333B2 (ja) キユウスイセイノフヨホウホウ
CN105294930B (zh) 反相悬浮聚合制备丙烯酰胺聚合物微球的方法
JPH1175532A (ja) 緑化用資材及びこの緑化用資材の製造方法
JP3091215B2 (ja) 吸収性樹脂
JPS6123016B2 (ja)
EP0122797B1 (en) Process for producing granular, water-swellable crosslinked acrylic copolymer, and its use
JPH0555523B2 (ja)
JPH05320270A (ja) 吸水性ポリマーの製造法
AU739284B2 (en) Plant containing composition
JP2824862B2 (ja) N,n′―メチレンビス(n―ビニルアルキルアミド)及びそれを用いて製造される架橋性重合体
RU2643040C2 (ru) Способ получения влагопоглощающего композиционного полимерного материала
JPS62273283A (ja) 園芸用保水剤
JP2947637B2 (ja) ビス(n−ビニルカルボン酸アミド)化合物、それを用いた架橋重合体及びその製法並びに液体吸収剤
JP2779016B2 (ja) 農園芸用保水剤
JPH0425297B2 (ja)
JPH031938B2 (ja)
JPS62144748A (ja) 耐塩性吸水剤
JPH10309143A (ja) 植物含有組成物
JP2003169537A (ja) 緑化用保水剤、植栽基材および緑化方法
JPH09249720A (ja) 吸水性樹脂粒子およびその製法
JPH0228692Y2 (ja)
JP2005058221A (ja) 種子コーティング用組成物、コーティング種子およびコーティング方法
JP2000032843A (ja) 移植用結合性培土