JPH1174845A - 光無線通信システムにおける子機 - Google Patents

光無線通信システムにおける子機

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JPH1174845A
JPH1174845A JP9249828A JP24982897A JPH1174845A JP H1174845 A JPH1174845 A JP H1174845A JP 9249828 A JP9249828 A JP 9249828A JP 24982897 A JP24982897 A JP 24982897A JP H1174845 A JPH1174845 A JP H1174845A
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JP
Japan
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unit
communication
azimuth
light amount
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JP9249828A
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Takeyoshi Sasao
剛良 笹生
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Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 子機の仰角が最も鉛直方向上方に近い親機と
の間で通信路を確立することができる光無線通信システ
ムにおける子機を提供する。 【解決手段】 広い指向角に渡って光の送受信が可能な
送受信機能を有する複数の親機7と、端末に接続されて
狭い指向角度で送受信を行なう子機9とからなる光無線
通信システムにおいて、前記子機は、狭い指向性を有す
る光検出器16と、この光検出器を少なくとも水平面内
に回転させる旋回機構18と、前記光検出器を前記旋回
機構により旋回させた時の方位データと検出光量を記憶
する光量記憶部20と、この光量記憶部の記憶内容の
内、最大の検出光量を示す方位を通信路確立のための通
信方位として決定する通信方位決定部21とを備えるよ
うに構成する。これにより、子機に対して仰角が最も鉛
直方向上方に近い親機との間で通信路を確立する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空間を通じて光信
号の送受信を行なう光無線通信システムにおける子機に
係り、特に最も天頂近くに位置する親機との間で通信路
が確保でき、また通信路が遮断されても他の親機との間
で光軸合わせを自動で行なう子機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、インテリジェンスビル内のよう
にある程度の限られた空間内で情報の送受信を円滑に行
なうために、光LAN(Local Area Net
work)が採用される傾向にある。この光LANにお
いては、赤外光などの光を用いて情報の伝達が行なわ
れ、例えば天井に設けた親機に対して、各自の机などに
おいたノードとしての子機との間で光信号の送受信を行
ない、天井に設けた親機は、他の親機との間でリンクさ
れている。
【0003】このような光空間伝送により通信を行うた
めには、光信号を正確に光学系に入射させるために送信
側と受信側の二点間の光軸を合わせる必要がある。従来
は一般的に手動により光軸合わせを行っており、特に赤
外線等の不可視光を光情報の送受に用いる場合には、数
10度以上の広い範囲内にしか光軸合わせができなかっ
た。
【0004】ところで、最近においては装置の小型軽量
化が特に推進された結果、光軸ズレの許容範囲がより厳
しくなってきており、光軸合わせが10度以下の精度で
行なわれるれることが必要になっている。10度以下の
精度で光軸合わせが必要な場合においては、光量検出器
を用いた自動調整が必要である。図12は従来の自動光
軸合わせのブロック図を表している。PD(フォト・ ダ
イオード)やPT(フォト・ トランジスタ)といった光
検出器1により検出された光信号から、光量検出器2に
よって現在の光軸上における光量を測定する。光検出器
1は制御装置3により所望の検出方向に方向を変えら
れ、位置検出器4によって現在の方向が検出される。制
御装置3は、光量と現在の位置とを対応させて記憶装置
5に記憶し、順次走査しながら測定をしていく。その
後、最大光量値検出装置6により最大光量値を検出し、
対応する方向を向くように位置を戻すことにより光軸合
わせがなされていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な従来の光軸合わせの装置によれば、微小量ずつ全空間
を走査することが必要であり、全空間を走査するために
は多くの時間を必要としてしまい、通信路の確保までの
待ち時間が、例えば3分以上と長くなってしまう。これ
に対して、走査範囲を狭めるために概ねの方向に手動で
向けておき、ある限定された範囲を走査するという手法
も考えられるが、手動でも動かすことのできる駆動部に
しなければならず機構部の構成が限定されてしまう。
【0006】また、短時間で高速に光軸合わせを行うた
めには送受信角が広い程、空間を走査する間隔が広くな
るため望ましいが、データの通信効率を考えると送受信
角は狭い方が望ましく、高速かつ高精度に光軸合わせを
行うためには、この相反する問題を解決しなければなら
ない。そこで、本発明者は先の出願(特願平9−370
16号)において、上記問題点を解決するために粗調用
光到来方向検出手段と微調用光到来方向検出手段とを備
えた光空間伝送装置を開示した。この装置の粗調用光到
来方向検出手段としてスリットの奥に光センサを配置し
たものを用い、狭く限られた方位からの光しか受光でき
ないようにした光センサを水平面内に旋回させることに
よって大まかな光到来方位を迅速に認識できるようにな
っている。そして、大まかな光到来方位を特定したなら
ば、これを上下方向、すなわち垂直面内に旋回させて光
到来方向を認識するようになっている。
【0007】ところで、この装置例によれば、かなり迅
速に光到来方向を検出することができるが、しかしなが
ら、この装置例にあっては、複数の親機が天井部に存在
した場合、最も通信条件の良い通信路が確保されるとは
限らず、また、通信路途中に何らかの障害物が侵入して
通信路が遮断された場合には、これを回復することがで
きないという新たな問題点が見い出された。本発明は、
以上のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく
創案されたものである。
【0008】本発明の目的は、子機の仰角が最も鉛直方
向上方に近い親機との間で通信路を確立することができ
る光無線通信システムにおける子機を提供することにあ
る。本発明の他の目的は、通信路が遮断された場合には
他の親機との間で通信路を自動的に確立することができ
る光無線通信システムにおける子機を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決するために、広い指向角に渡って光の送受信が可能
な送受信機能を有する複数の親機と、端末に接続されて
狭い指向角度で送受信を行なう子機とからなる光無線通
信システムにおいて、前記子機は、狭い指向性を有する
光検出器と、この光検出器を少なくとも水平面内に回転
させる旋回機構と、前記光検出器を前記旋回機構により
旋回させた時の方位データと検出光量を記憶する光量記
憶部と、この光量記憶部の記憶内容の内、最大の検出光
量を示す方位を通信路確立のための通信方位として決定
する通信方位決定部とを備えるように構成する。これに
よれば、旋回機構によって光検出器を水平面内に回転さ
せることにより、光量を検出し、この時の検出光量を方
位データと共に光量記憶部に記憶しておく。ここで、光
検出器の指向特性は、例えばこの装置の天頂に近い方向
から光が来る程、その光量が多くなるような光学系を設
けておく。
【0010】そして、通信方位決定部は、光量記憶部の
記憶内容の内で、最も検出光量が大きい方位を通信方位
として決定することになる。これにより、複数の親機の
内、最も鉛直方向上方に近い親機が存在する方位を通信
方位として決定することができる。尚、このように通信
方位が確定したならば、この方位に沿ってこの光検出器
を上下方向に、すなわち垂直面内に旋回させることによ
り、親機が存在する方向の仰角を特定して通信路を確立
する。
【0011】このような光検出器として、互いに水平方
向に180度異なる方位を狭い間隔で臨むように設けら
れた2つの受光素子で構成することにより、これを水平
方向へ180度旋回させることによって最適な通信方位
を決定することができる。この場合、空間を狭い間隔で
臨むことができるようにするためには細いスリットを用
いることができる。
【0012】また、通信路が遮断されたことを検出する
遮断検出部を設けておき、この検出部が、通信路遮断状
態を検出したならば、上記通信方位決定部は、今まで確
立されていた通信路の通信方位の検出光量よりも次に小
さい検出光量を示す方位を新たな通信方位として決定す
る。これにより、この新たな通信方位を基準として新た
な通信路を確立させる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明のに係る光無線通
信システムにおける子機の一実施例を添付図面に基づい
て詳述する。図1は光無線通信システムにおける親機と
本発明の子機の配列状態を天井部側から見た状態を示す
概略平面図、図2は図1に示す光無線通信システムを横
から見た状態を示す側面図、図3は本発明の子機の構成
を示すブロック図、図4は光検出器を載置した旋回機構
を示す側面図、図5は図4に示す旋回機構の正面図、図
6は光検出器を示す斜視図、図7は光検出器を示す側面
図である。
【0014】図1乃至図3に示すように、図中、7は天
井部8等に設けられた光信号の送受信機能を有する親機
であり、これより光信号L2が発せられたり、或いは本
発明の子機9より発せられた光信号L1が受けられたり
する。この親機7と子機9とで光無線通信システムを形
成している。親機7は、一定のエリア、例えば3m2
に1つ天井部8に設けられており、そのエリア内をカバ
ーできるようになっている。図示例においては子機9を
中心として異なった方位に3つの親機7A、7B、7C
が設けられている。この子機9には、例えばパーソナル
コンピュータ等の端末10が配線11A、11Bを介し
て接続されており、必要なデータの送受信を、上記子機
9を介して親機7との間で行なう。上記各親機7A、7
B、7Cは、これらの親機同士、或いは他の図示しない
同様な親機との間で接続されて、他のパーソナルコンピ
ュータ等の端末(図示せず)との間でデータの伝送がで
きるようになっており、全体として光LANを構成して
いる。
【0015】この子機9は、空間に向けて光信号L1を
送出する光送信部12と、空間を伝わってくる光信号L
2を受ける光受信部13の他に、到来する光信号L2の
大まかな到来方向を検出する粗調用光到来方向検出手段
14と光信号L2の到来方向を精度良く検出する微調用
光到来方向検出手段15とを有している。そして、上記
粗調用光到来方向検出手段14は、到来する光信号L2
を実際に受ける光学系として本発明の特徴とする光検出
器16を有し、また、微調用光到来方向検出手段15
も、光信号L2を実際に受ける光学系として後述する4
分割センサを有している。ここでは微調用光到来方向検
出手段15と上記光受信部13とが兼用されている。
【0016】上記光送信部12、粗調用光到来方向検出
手段14(光検出器16を含む)及び微調用光到来方向
検出手段15(光受信部13を含む)は、旋回機構18
の旋回基台17上に載置固定されており、水平面内及び
垂直面内に旋回移動可能になされている。図3におい
て、19は例えばマイクロコンピュータよりなる制御部
であり、この子機9全体の動作を制御する。20は、例
えばRAM等よりなる光量記憶部であり、上記光検出器
16を水平面内に旋回させた時に、その方位データと検
出光量とを対応させて記憶する。21は通信方位決定部
であり、上記光量記憶部20の記憶内容に基づいて通信
路確立のための通信方位を決定する。ここで通信方位と
は、方角のみを含み、仰角を含んでいない概念として用
いる。22は遮断検出部であり、通信路が確立された後
において所定のレベル以上の光信号を所定の時間以上、
通信相手の親機7から受信できなかった時に光路が遮断
されたものと認識する。ここでは、光信号L2の有無を
光受信部13からの出力信号に基づいて決定している
が、これに替えて粗調用光到来方向検出手段14の光検
出器16からの出力信号に基づいて決定するようにして
もよい。23は旋回機構18を駆動させる旋回駆動部で
ある。
【0017】次に、図4乃至図7に基づいて子機9の機
械的構成について説明する。図示するようにここでは、
本発明の特徴とする光検出器16は垂直回転中心24を
中心として相互に反対側に向けて形成される2つのスリ
ット25A、25Bを有しており、これらのスリット2
5A、25Bは、例えば一方の上端部を削り取ったよう
略四角形状のプラスチック製板状部材26を、スリット
の幅だけ離間させてその底面と内側中心部側を接合させ
ることにより形成されている。この板状部材26は、1
つのスリットを形成するために2枚用いられており、従
って、ここでは2つのスリット25A、25Bを背中合
わせで対向配置形成することから全体で4枚用いられて
いる。
【0018】そして、これらのスリット25A、25B
の底部、或いは奥に、水平方向に対して傾斜角度が略4
5度になるように相互に180度反対方向に向けられた
一対の粗調用の受光素子27A、27Bを設けている。
この場合、この各受光素子27A、27Bから上記対応
するスリット25A、25Bを臨んで見た場合、その上
下方向への広がり角、或いはここでは仰角が略90度よ
りも僅かに大きくになるように設定されており、一定の
狭い幅で上下方向に延びる領域の空間を、スリットを介
して臨むことができるようになっている。これらの受光
素子27A、27Bは、フォトトランジスタやフォトダ
イオード等の光検出素子が用いられる。これにより、細
長のスリット25A、25Bを介して内部に導入された
光信号L2のみを検出し得ることになる。
【0019】更に、このスリット25A、25Bと受光
素子27A、27Bとの間には、所定の指向特性、すな
わち、この子機9の鉛直方向上方(天頂方向)に近い場
所に位置する親機(光源)7からの光信号ほど大きな検
出光量(受信レベルが大)となるように重み付けがなさ
れた重み付けレンズ28A、28Bが収容されている。
この重み付けレンズ28A、28Bについては後述す
る。このスリット25A、25Bを形成する板状部材2
6が、図4及び図5に示すように前記旋回基台17上に
載置固定されている。この基台17の両端には支持軸3
0が設けられており、この支持軸30を水平回転台31
より起立させて設けた2本の支柱32に、ベアリング3
3を介して垂直面内に回転自在に支持している。
【0020】上記支持軸30の一方には、ウォームホイ
ールを形成するリング状の垂直歯車34が固定されてお
り、この垂直歯車34には、水平回転台31側に回転自
在に支持された垂直ウォームギア34が歯合されてい
る。そして、この垂直ウォームギア34には垂直駆動モ
ータ35の回転軸が直接的、或いは減速機等を介して間
接的に連結されており、垂直ウォームギア34を回転し
得るようになっている。従って、このウォームギア34
を回転することにより、旋回基台17を上下方向(チル
ト方向)へ、垂直面内において回転乃至揺動できるよう
になっている。
【0021】一方、上記水平回転台31の下面は旋回支
柱36の上端に取付固定されており、この旋回支柱36
の基部はベース37にベアリング38を介して回転自在
に支持されており、水平回転台31を水平面内すなわち
パン方向に回転し得るようになっている。また、上記旋
回支柱36の途中にはウォームホイールを形成する円形
状の歯車39が固定されており、この歯車39にはベー
ス37側に回転自在に支持されたウォームギア40が歯
合されている。そして、このウォームギア40には水平
駆動モータ41の回転軸が直接的或いは減速機等を介し
て間接的に連結されており、ウォームギア40を回転し
得るようになっている。以上の構成により旋回基台17
は、垂直駆動モータ35を駆動することにより垂直面内
(チルト方向)に旋回し、また、水平駆動モータ41を
駆動することによって水平回転台31が水平面内に回転
して、結果的に旋回基台17は水平面内(パン方向)を
旋回することになる。
【0022】一方、微調用光到来方向検出手段15(図
3参照)は、凸状の集光レンズの略焦点上に設けられた
例えばフォトダイオードやフォトトランジスタよりなる
図8に示すような4分割センサ42を有している。4分
割センサ42は略正方形状の大きなセンサを小さな正方
形状のセンサ素子A、B、C、Dとなるように十字状に
分割して構成されており、いずれか一方の対角線上の一
対のセンサ素子、例えばここではセンサ素子A、Cの配
列方向を支持軸30(図4参照)の延在方向と一致する
ように設定している。従って、この延在方向と直交する
対角線方向に配置されるセンサ素子B、Dの出力の差が
比較器43にて取られて、この出力が支持軸30を回転
するための垂直回転用信号S1として用いられ、他方、
センサ素子A、Cの出力の差が比較器44にて取られ
て、この出力が旋回支柱36を回転するための水平回転
用信号S2として用いられる。尚、4つの各センサ素子
A、B、C、Dの出力は加算部45にて加算されて、通
信用受信信号S3として用いられる。ここで図6及び図
7に戻って光検出器16を、その重み付けレンズ28
A、28Bに焦点を主に絞って説明する。
【0023】子機9の光検出器16として反対向きに配
置された2組のスリット25A、25Bを設け、それぞ
れのスリット25A、25Bの奥に受光素子27A、2
7Bを備えるようにし、更に受信方向に応じた重み付け
がされた光学手段、例えば重み付けレンズ28A、28
Bを設けている。これにより結果的に、子機9のスリッ
トの狭い指向方向が最も鉛直上方に近い仰角の親機の方
向を向いた場合に受信レベルが最大となるようにしてい
る。そして、この受信レベル最大の方位をパン方向と特
定することにより、子機9から見て最も鉛直方向上方に
近い親機と通信路の確立を行なうことが可能となる。
【0024】この実施例では、受光素子27A、27B
を水平方向に対し略45度の角度だけ傾けて設置してい
る。水平方向の角度を0度とし、鉛直方向の角度をθで
表すと、受光素子27A、27Bの受光感度分布Hは最
大受信レベル(45度方向)を1して(1)式で表すこ
とができる。 H=COS(θ−π/4) …(1)
【0025】一方、親機(光源)7を天井部に取り付
け、子機9を机等においた使用例で、親機7、子機9間
の鉛直距離をL、子機9(受光素子27A、27B)か
ら見た光源7の仰角がθであった場合、光源7から子機
9に到達する光のレベルJは、光のレベルが伝送距離の
二乗に比例して減少することから、鉛直方向上方に光源
7があった場合のレベルを基準とすると(2)式で表さ
れる。 J=(L2 +L2 COT2 θ)/L2 =1+COT2 θ …(2) (1)、(2)式より角度θの仰角の光源7から受信さ
れる受信光のレベルKは(3)式で表すことができる。 K=HJ=(1+COT2θ)COS(θ−π/4) …(3)
【0026】従って、(3)式の逆数となる関数f
(θ)で表わされる指向特性を与える光学手段を受光素
子の直前に備えれば、受光素子により検出される光のレ
ベルは仰角θによらず一定となる。更に、この光学手段
に鉛直方向上方ほど感度が高まるよう重み付けを施すこ
とにより、受光素子により受信レベル最大と認識できた
パン位置は最も仰角θが鉛直方向上方に近い光源のパン
位置となる。このようにして上記重み付けがなされた光
学手段が上記重み付けレンズ28A、28Bである。従
って、受光素子27A、27B自体は、仰角が45度方
向に対して最も感度が高くて指向性を有しているが、こ
の重み付けレンズ28A、28Bを設けることによっ
て、子機9の天頂に近い場所に光源が存在する程、その
受信レベルが大きくなる。
【0027】尚、以上の例は子機9に対する光源7が全
方位角に対して均一なレベルで光を放射する場合の例で
ある。これに対して、親機の送信源の指向特性に、直下
方向の光量は少なく斜め横方向に行く程光量が多くなる
ような重み付けがなされ、仰角θによらず子機に一定の
光量が与えられる場合は、子機9の受光素子に備える光
学手段の特性は(3)式の(1+COT2 θ)を1で置き
換えて考えれば良い。このように、光学手段の重み付け
の程度は、親機から発せられる光信号の指向特性や子機
の受光素子の指向特性に存在しており、いずれにして
も、子機の天頂近くに親機が位置する程、受光素子の受
信レベルが高くなるように規定される。
【0028】次に、以上のように構成された本発明の動
作について説明する。図1に示すように光源である各親
機7A、7B、7Cからは下半球面の全方位に亘って光
信号L2が放出されている。この状態で、図4及び図5
に示すようにまず、水平駆動モータ41を駆動すること
によって、基準位置から旋回支柱36を回し、水平状態
を維持したまま旋回基台17を水平面内(パン方向)に
亘って半回転させ、この時の光検出器16の各受光素子
27A、27B(図6参照)からの出力値を光量記憶部
20(図1参照)で記憶し、この光量記憶部20の記憶
内容から通信方位決定部21は光量検出レベルが最大と
なる方位を求めて大まかな光到来方位を決定する。尚、
この時点では、親機の仰角θは不明である。
【0029】図1のように3つの親機7A〜7Cを配置
した場合、この時の受光素子27A、27Bの光量検出
レベルは図10に示すようになる。子機9に対する各親
機7A〜7Cの仰角は図2に示すようにθ1、θ2、θ
3となっており、θ1>θ2>θ3の関係になってい
る。ここでは図1において、基準位置から左回りに角度
を取っている。この光量検出レベルは、左右一対の受光
素子27A、27Bを設けていることから、旋回基台1
7を水平面内に半回転(180度)することにより得る
ことができ、方位データを伴なったこの光量検出レベル
のマップは光量記憶部20に記憶されている。
【0030】図10においては、子機9の鉛直方向上方
に近い程、大きな光量検出レベルとなっており、親機7
Aの検出レベルが最も大きく、子機9から次第に遠くに
離れるに従って、親機7B、7Cの順に次第に検出レベ
ルが低下している。この理由は、前述のように受光素子
27A、27Bの直前に重み付けレンズ28A、28B
を設けて、子機の天頂近くに親機が存在する程、光量検
出レベルが大きくなるように設定しているからである。
【0031】この時、各受光素子27A、27Bには狭
い指向特性になされた細長いスリット25A、25Bを
介して内部に導入した光信号L2しか検出されず、しか
も、この受光素子27A、27Bからスリット25A、
25Bを介して外側を臨むことができる仰角は略90度
よりも僅かに大きい程度なので、これを水平面内に18
0度回転することにより、いずれか一方の受光素子27
A(或いは27B)からの出力値がピークとなった方位
が上述のように大まかな光到来方位であると認識するこ
とができる。
【0032】次に、光量検出レベルが最大となる方位に
光検出器16を方位付けした状態において、垂直駆動モ
ータ35を駆動して旋回基台17を垂直面内(チルト方
向)に旋回し、図9において斜線で示すようなエリアを
サーチする。この時、両受光素子27A、27Bの出力
が一致する方向が、親機が存在する仰角方向となる。こ
れにより親機との光軸が一致し、光の到来方向を決定す
ることができる。この状態では、光の到来方向の精度は
粗いので、次に、光受信部13の4分割センサ42(図
8参照)の出力に基づいて両駆動モータ35、41を僅
かに調整して精度良く光軸方向を一致させて光到来方向
を決定する。この時の微調整は、図8に示すように4分
割センサ42の一方の対角線方向に対向するセンサ素子
BとDの出力差である垂直回転用信号S1及び他方の対
角線方向に対向するセンサ素子AとCの出力差である水
平回転用信号S2の出力が共にゼロとなるように各モー
タ駆動を行ない、光スポット46がセンサ中心に位置す
るように調整する。ここでは、光量検出レベルが最も大
きい親機7Aとの間で、すなわち最も通信条件の良い方
向の親機7Aとの間で通信路が確立されている。
【0033】このように子機9と親機7Aとの間で通信
路が確立された状態において、この確立した通信路が人
体等の遮蔽物により遮断された場合には、速やかに別の
親機との間で通信路を確立する必要がある。そこで、本
発明においては、遮断検出部22は、光受信部13(図
1参照)における受光レベルを常時監視しており、所定
の時間、例えば10秒程度以上に渡って受光レベルが所
定値以下となった時には、現在使われている通信路が障
害物により遮断されたものと認識する。この認識結果
は、制御部19に送られ、制御部19は、別の親機との
間での通信路を確立するように通信方位決定部21に指
示を出すことになる。
【0034】すると、通信方位決定部21は、光量記憶
部20に記憶されている図10に示すような光量検出レ
ベルのマップを参照し、今まで確立されていた通信路の
通信方位の検出光量よりも次に小さい検出光量を示す方
位を新たな通信方位として決定することになる。ここで
は、図10に示すように通信路が確立されている親機7
Aの検出レベルの次に小さい検出レベルは親機7Bが位
置する方位なので、その方位に向けて新たな通信路を確
立するために動作が開始される。
【0035】すなわち、前述したように旋回基台17
(図4参照)を水平面内(パン方向)に旋回させて光検
出器16のスリット25A、25Bを親機7Bが位置す
る方位に向ける。そして、この旋回基台17を垂直方向
(チルト方向)に旋回させて光検出器16を親機7Bに
方向付けし、微調整を行なってこの親機7Bとの間で通
信路を確立することになる。このように、一旦、通信路
が遮断されると、次に通信条件の良い方向の親機との間
で、迅速に新たな通信路を確立することができる。この
新たな通信路が遮断されたならば、次には上述したと同
様のステップを経て、次に光受光レベルが小さい親機7
Cとの間で新たな通信路が確立されることになる。
【0036】このように、本発明によるサーチ機能で
は、全方位の光量受信レベルを光量記憶部20にて記憶
しておき、その中で最大レベルの方位を選択すること
で、最も通信条件の良い方向の親機との間で通信路の確
立を行なうことができる。また、確立した通信路が人体
等の遮蔽物により遮断された場合には、上記光量記憶部
20の記憶内容を参照することにより、速やかに、次に
通信条件の良い別の親機との間で通信路を確立すること
ができる。
【0037】次に、以上の動作を、図11に示すフロー
を参照して総括的に説明する。まず、子機9に電源が投
入されて、これが稼働状態になると、旋回基台17を水
平面内(パン方向)に180度回転させて親機からの光
信号をサーチし(S1)、この時の光検出器16におけ
る光量検出レベルを方位データと共に光量記憶部20に
記憶する(S2)。次に、光量記憶部20の記憶内容か
ら最大光量レベルを求め(S3)、それに対応する方位
を決定する(S4)。このように最大光量レベルの方位
が決定したならば、再度、旋回基台17を水平回転駆動
することにより光検出器16をその方位に方向付けする
(S5)。次に、この旋回基台17を垂直回転駆動させ
て両受光素子27A、27Bの受光レベルが同じになる
ように仰角を調整し、光検出器16の中心線を対応する
親機に向ける(S6)。そして、4分割センサ42から
の出力に基づいて通信方向の微調整を行なって親機との
間で通信路を確立し、通信操作を開始する(S7)。
【0038】そして、通信が終了すると(S8のYE
S)、これで処理が終了するが、通信の途中で常時通信
路が遮断されたか否かが遮断検出部22により判断され
ており(S9)、通信路が遮断されたと認識すると(S
9のYES)、通信方位決定部21は光量記憶部20の
記憶内容を参照し、次に小さい光量検出レベルを求め
(S10)、これに対応する方位、すなわち次に通信条
件が良好な親機の方位を求める(S11)。そして、S
5に戻って、この新たな方位に基づいて、前述したと同
様にS5〜S7に示す操作を行なって、別の親機との間
で通信路を確立することになる。
【0039】尚、本実施例では、受光素子の直前に所定
の重み付けを施した重み付けレンズ28A、28Bを設
けたが、このレンズを用いることなくこのレンズが行な
った重み付けを演算により行なうようにしてもよい。す
なわち、子機9に搭載されたマイクロコンピューターよ
りなる制御部19にて、受光素子の受信レベルに重み付
けしてから光量記憶部20に記憶してもよいし、或いは
受信レベルを記憶した後、マイクロコンピュータにより
演算を行なうことにより前述したと同様の機能を果たす
ようにしてもよい。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光無線通
信システムの子機によれば、次のように優れた作用効果
を発揮することができる。複数の親機から放射される光
信号の内、最大の検出レベルを示す親機と通信路を確立
させるようにしたので、子機から見て最も鉛直方向上方
に近い方向に位置する通信条件の最適な親機と通信路を
確立することができる。また、現在確立されている通信
路が何らかの理由により遮断された場合には、光量記憶
部に記憶されている光量検出レベルのマップを参照する
ことにより、次に通信条件の良好な別の親機との間で迅
速に通信路を確立することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光無線通信システムにおける親機と本発明の子
機の配列状態を天井部側から見た状態を示す概略平面図
である。
【図2】図1に示す光無線通信システムを横から見た状
態を示す側面図である。
【図3】本発明の子機の構成を示すブロック図である。
【図4】光検出器を載置した旋回機構を示す側面図であ
る。
【図5】図4に示す旋回機構の正面図である。
【図6】光検出器を示す斜視図である。
【図7】光検出器を示す側面図である。
【図8】4分割センサを示す平面図である。
【図9】子機を垂直面内に回転させてサーチさせる時の
状態を示す図である。
【図10】子機を水平面内に回転させてサーチした時の
光検出レベルを示す図である。
【図11】本発明の子機の動作の全体のフローを示す図
である。
【図12】光無線通信システムの従来の子機を示す概略
構成図である。
【符号の説明】
7,7A,7B,7C…親機、9…子機、10…端末、
12…送信部、13…光受信部、14…粗調用光到来方
向検出手段、15…微調用光到来方向検出手段、16…
光検出器、17…旋回基台、18…旋回機構、19…制
御部、20…光量記憶部、21…通信方位決定部、22
…遮断検出部、23…旋回駆動部、25A,25B…ス
リット、27A,27B…粗調用の受光素子、28A,
28B…重み付けレンズ、31…水平回転台、42…4
分割センサ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 広い指向角に渡って光の送受信が可能な
    送受信機能を有する複数の親機と、端末に接続されて狭
    い指向角度で送受信を行なう子機とからなる光無線通信
    システムにおいて、前記子機は、狭い指向性を有する光
    検出器と、この光検出器を少なくとも水平面内に回転さ
    せる旋回機構と、前記光検出器を前記旋回機構により旋
    回させた時の方位データと検出光量を記憶する光量記憶
    部と、この光量記憶部の記憶内容の内、最大の検出光量
    を示す方位を通信路確立のための通信方位として決定す
    る通信方位決定部とを備えたことを特徴とする光無線通
    信システムにおける子機。
  2. 【請求項2】 前記光検出器は、互いに水平方向に18
    0度異なる方位を狭い間隔で臨むように設けられた2つ
    の受光素子を有することを特徴とする請求項1記載の光
    無線通信システムにおける子機。
  3. 【請求項3】 前記光検出器は、前記各受光素子の前方
    に光の入射範囲を狭く規定するスリットを有することを
    特徴とする請求項2記載の光無線通信システムにおける
    子機。
  4. 【請求項4】 前記通信路が遮断されたことを検出する
    遮断検出部を有し、前記通信方位決定部は、前記遮断検
    出部からの通信路遮断状態を示す出力に応じて前記光量
    記憶部に記憶された検出光量の内、今まで確立されてい
    た通信路の通信方位の検出光量よりも次に小さい検出光
    量を示す方位を新たな通信方位として決定することを特
    徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光無線通信
    システムにおける子機。
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