JPH1174367A - 半導体装置及び増幅器 - Google Patents

半導体装置及び増幅器

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JPH1174367A
JPH1174367A JP9235103A JP23510397A JPH1174367A JP H1174367 A JPH1174367 A JP H1174367A JP 9235103 A JP9235103 A JP 9235103A JP 23510397 A JP23510397 A JP 23510397A JP H1174367 A JPH1174367 A JP H1174367A
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JP
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gate
diode
drain
equivalent
waveform distortion
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Application number
JP9235103A
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English (en)
Inventor
Masaaki Kawamura
雅明 川村
Takashi Terai
孝 寺井
Toshiya Suzuki
俊也 鈴木
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Toshiba Lighting and Technology Corp
Toshiba AVE Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Lighting and Technology Corp
Toshiba AVE Co Ltd
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Publication date
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  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
  • Junction Field-Effect Transistors (AREA)
  • Microwave Amplifiers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】出力信号の波形歪み、特に二次非対称波形歪み
を低減させる。 【解決手段】ゲート22、ソース24およびドレイン2
3を有する電界効果トランジスタ21と;ゲート22と
ドレイン23間の等価ダイオード26に、逆極性となる
ように並列に接続されて逆バイアスされるダイオード2
7を有する波形歪み低減回路25と;を具備している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高周波増幅用等の半
導体装置および増幅器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、CATV(ケーブルテレビ)ア
ンプや高速センサアンプ等の高周波広帯域アンプ、また
は通信や計測器等の高周波高出力アンプ等では増幅素子
として電界効果トランジスタ(以下FETという)を使
用することが多い。
【0003】一般に、この種のFETとしては、ゲート
構造によってMOS(Metal-oxide-semiconductor )構
造のMOSFET、pn接合(junction)を用いたJF
ETおよび金属−半導体接触のショットキー障壁(バリ
ア)を用いたMES(Metal-semiconductor )FETに
大別することができる。さらに、これらはチャネル(電
流通路)構造によりn型とp型とに分けることができ
る。
【0004】図6は従来のnチャネルプレーナJ(接合
型)FET1の要部縦断面図である。このFET1は例
えばp型半導体よりなるサブストレート2の図中上端部
に、例えばn型半導体よりなるnチャネル3を形成して
いる。また、nチャネル3の上面上には、電極のゲート
4(G)と、その両側のソース5(S)およびドレイン
6(D)とをそれぞれ固着してプレーナ形に形成してお
り、ゲート4の図中下方のnチャネル3の一部にはp型
半導体よりなるp型部7をゲート4の下面に接触させた
状態で形成している。
【0005】図7は従来のnチャネルMESFET8の
要部縦断面図である。このFET8は例えば電気絶縁性
サブストレート9(I)の一面上に、例えばn型半導体
よりなるnチャネル10を形成し、このnチャネル10
の図中上面上に、電極のゲート(G)11と、その両側
のソース(S)12およびドレイン13(D)をそれぞ
れ接着させた状態で固着している。
【0006】なお、他のFETとしては、これらFET
1,8のnチャネル3,10をp型半導体よりなるpチ
ャネルに置換する一方、p型部7をn型半導体よりなる
n型部に置換して、pチャネル型FETに構成したもの
もある。
【0007】図8は従来のnチャンネルディプレッショ
ン型MOSFET14の部分縦断面図である。このFE
T14は例えばn型半導体(P型半導体でもよい)より
なるサブストレート15の図中上端部に、例えばP型半
導体(n型半導体でもよい)よりなるpチャネル16
を、その上面がサブストレート15の上面とほぼ面一と
なるように形成している。
【0008】このpチャネル16の上面上には、絶縁酸
化膜17を介して電極のゲート18(G)を配設すると
共に、このゲート18の両側にソース19(S)とドレ
イン20(D)の各電極とをそれぞれ固着している。し
たがって、ゲート18とpチャネル16との間には絶縁
酸化膜17を介して等価MOS(Metal−Oxide−Semico
nductor)ダイオードが形成される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図9は上記FET1,
8のソース接地動作時の等価回路図であり、ゲートGと
ドレインD間との接合部には等価ダイオードD1が形成
されている。この等価ダイオードD1はJFET1では
PN接合ダイオードに相当し、MESFET8の場合は
ショットキーバリアダイオードに相当する。
【0010】そして、等価ダイオードD1はソース接地
の動作時に、pn接合の逆にバイアスされるので、等価
ダイオードD1のカソードとアノード間で接合容量CJ
が発生するが、この接合容量CJはこの逆バイアス印加
電圧Vに対し、次の数(1)式に従って変化する。
【0011】
【数1】
【0012】
【外1】
【0013】しかも、この接合容量CJはドレインDか
らゲートGへの帰還容量として作用するので、結局、信
号帰還容量が変化することとなる。その結果、ドレイン
出力信号に主として二次非対称波形歪みが発生する。
【0014】また、この波形歪みは等価ダイオードD1
の接合容量CJに起因するので、入力信号の振幅が大き
くなる程、あるいは信号周波数が高くなる程、または利
得が小さくなる程信号に対する比率が増大する。
【0015】図10は上記した図8で示すディプレッシ
ョン型MOSFET14のソース接地動作時の等価回路
図であり、ゲート18(G)に入力信号が重畳される
と、これに応じてゲート18とpチャネル16間で形成
される等価MOSダイオードへの印加電圧が変化する。
【0016】このために、この等価MOSダイオードの
等価容量が持つ非線形性により信号帰還量が変化するの
で、ドレイン20に出力される出力信号に主として2次
非対称振幅歪みが発生する。
【0017】すなわち、MOSFET14のソース接地
動作時、ゲート18とpチャネル16間の等価MOSダ
イオードの持つ等価容量Cは、このMOSダイオードの
印加電圧に対し、ほぼ次の数(2)式に従って変化す
る。
【0018】
【数2】
【0019】ここで、C1,C2はそれぞれ絶縁体層
(酸化膜)、および半導体層の等価容量である。後者は
空乏層の生成に由来する。また、Vはゲート18・ドレ
イン20間の電位差でnチャンネルの場合はV<0、p
チャネルの場合はV>0となる。
【0020】また、C2(|V|)は、次の(3)式で
ほぼ近似することができる。
【0021】
【数3】
【0022】
【外2】
【0023】そこで本発明はこのような事情を考慮して
なされたもので、その目的は、出力信号の波形歪み、特
に二次非対称波形歪みを低減させることができる半導体
装置及び増幅器を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の半
導体装置は、ゲート、ソースおよびドレインを有する電
界効果トランジスタと;ゲートとドレイン間の等価ダイ
オードに、逆極性となるように並列に接続されて逆バイ
アスされるダイオードを有する波形歪み低減手段を具備
していることを特徴とする。ここで、波形歪み低減手段
は電界効果トランジスタとワンチップで形成しても、別
体で形成してもよい。
【0025】この発明によれば、電界効果トランジスタ
のソース接地動作時、ゲートとドレイン間の等価ダイオ
ードと逆極性のダイオードがそれぞれ逆バイアスされる
ので、これら等価ダイオードと逆極性のダイオードとに
はそれぞれ接合容量が発生し、これら接合容量はドレイ
ンからゲートへの帰還容量として作用する。
【0026】しかし、これら両ダイオードの極性は相互
に逆極性であるので、これら両ダイオードの容量変化の
方向も逆向きであり、互いに打ち消し合う。このため
に、ゲートに信号が入力されてもゲートとドレイン間の
総帰還容量の変化を低減することができるので、この帰
還容量の変化に伴う出力信号の波形歪みを低減させるこ
とができる。したがって、逆極性のダイオードとして等
価ダイオードのC−V(容量−電圧)特性と類似のダイ
オードを使用し、この逆極性のダイオードの印加電圧が
ゲートとドレイン間の電位差とほぼ等しくなるように逆
バイアスすることにより、さらに出力信号の二次対称波
形歪みを低減して出力信号の二次対称性を向上させるこ
とができる。
【0027】請求項2記載の発明の半導体装置は、波形
歪み低減手段は、電界効果トランジスタのゲートとドレ
イン間の等価トランジスタに並列に接続される逆極性の
ダイオードとコンデンサとの直列回路と;このコンデン
サとダイオードとの接続部に抵抗またはインダクタを介
して接続される直流電源と;を具備していることを特徴
とする。
【0028】この発明によれば、逆極性のダイオード
に、その印加電圧がゲートとドレイン間の等価ダイオー
ドの電位差にほぼ等しくなるように逆バイアスを抵抗ま
たはインダクタを介して直流電源により印加することが
できる。このために、請求項3の発明と同様の作用によ
り、ゲートとドレイン間の帰還容量の変化を低減して出
力信号の波形歪み、特に二次非対称波形歪みを低減させ
ることができる。
【0029】請求項3記載の発明の半導体装置は、ゲー
ト、ソースおよびドレインを有するディプレッション型
MOS電界効果トランジスタと;ゲートとドレインとの
間に、これらゲートとドレイン間の等価容量に対して逆
極性となるように逆バイアスされる等価容量を生ずるM
OSダイオードを有する波形歪み低減手段を具備してい
ることを特徴とする。ここで、波形歪み低減手段は電界
効果トランジスタとワンチップで形成しても、別体で形
成してもよい。
【0030】この発明によれば、ディプレッション型M
OS電界効果トランジスタのソース接地動作時、ゲート
とドレイン間に、これら両者間の等価MOSダイオード
の等価容量と逆極性の等価容量を発生するMOSダイオ
ードを設けたので、これら等価容量はドレインからゲー
トへの帰還容量として作用する。
【0031】しかし、これら両等価容量の極性は相互に
逆極性であるので、これら両容量の変化の方向も逆向き
であり、互いに打ち消し合う。このために、ゲートに信
号が入力されてもゲートとドレイン間の総帰還容量の変
化を低減することができるので、この帰還容量の変化に
伴う出力信号の波形歪みを低減させることができる。し
たがって、MOSダイオードを、ゲート・ドレイン間の
等価MOSダイオードのC−V(容量−電圧)特性と類
似のダイオードに形成し、このMOSダイオードの印加
電圧がゲートとドレイン間の電位差とほぼ等しくなるよ
うに逆バイアスすることにより、さらに出力信号の二次
対称波形歪みを低減して出力信号の二次対称性を向上さ
せることができる。
【0032】請求項4記載の発明の半導体装置は、波形
歪み低減手段は、ディプレッション型MOS電界効果ト
ランジスタのゲートとドレインとの間に介在されるコン
デンサとMOSダイオードとの直列回路と;このコンデ
ンサとMOSダイオードとの接続部に抵抗またはインダ
クタを介して接続される直流電源と;を具備しているこ
とを特徴とする。
【0033】この発明によれば、MOSダイオードに、
その印加電圧がゲートとドレイン間の等価MOSダイオ
ードの電位差にほぼ等しくなるように逆バイアスを抵抗
またはインダクタを介して直流電源により印加すること
ができる。このために、請求項3の発明と同様の作用に
より、ゲートとドレイン間の帰還容量の変化を低減して
出力信号の波形歪み、特に二次非対称波形歪みを低減さ
せることができる。
【0034】請求項5記載の発明の半導体装置は、波形
歪み低減手段は、電界効果トランジスタのサブストレー
トに一体に形成されていることを特徴とする。
【0035】この発明によれば、MOSダイオードを含
む波形歪み低減手段を、デレッション型MOSFET等
の電界効果型トランジスタのサブストレートに一体に形
成してワンチップに形成しているので、MOSダイオー
ドとゲート・ドレイン間の等価MOSダイオードとのC
−V(容量−電圧)特性等の物理的諸元をほぼ同様に形
成することができる。このために、MOSダイオードと
等価MOSダイオードにおける逆向きの両容量の変化を
さらに等しくできるので、ゲートとドレイン間の帰還容
量の変化をさらに低減して出力信号の二次非対称歪みを
さらに低減させることができる。
【0036】請求項6記載の発明の増幅器は、請求項1
ないし5のいずれか一記載の半導体装置と;電界効果ト
ランジスタのゲートとドレイン間に挿入された帰還回路
と;を具備していることを特徴とする。
【0037】この発明によれば、出力側のドレインと入
力側のゲート間の帰還容量の変化を低減して出力信号の
二次非対称波形歪み等の波形歪みを低減させることがで
きる請求項1ないし5のいずれか一記載の半導体装置を
増幅素子として使用するので、入力信号がゲートに重畳
されたときの帰還回路の容量変化を低減して二次非対称
波形歪み等の波形歪みを低減することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図1〜
図5に基づいて説明する。なお、図1〜図5中、同一ま
たは相当部分には同一符号を付している。
【0039】図1は本発明の第1実施形態に係る半導体
装置の等価回路図であり、この半導体装置はソース接地
のFET(電界効果トランジスタ)21を有する。この
FET21は入力信号が入力されるゲート22(G)
と、出力信号が出力されるドレイン23(D)と、接地
されるソース24(S)とを具備しており、ゲート22
とドレイン23との間には波形歪み低減回路25を挿入
している。
【0040】この波形歪み低減回路25は、ゲート22
とドレイン23間に形成される等価ダイオード26(D
1)に対して、C−V(容量−電圧)特性が類似で、か
つ逆極性のダイオード27(DO)とコンデンサ28
(CO)との直列回路を、この等価ダイオード26に対
して並列に接続している。
【0041】そして、この逆極性のダイオード27とコ
ンデンサ28との共通接続部には抵抗29を介して直流
電源30(VB)を接続している。この直流電源30
は、逆極性のダイオード27の印加電圧がゲート22と
ドレイン23間の電位差にほぼ等しくなるように、抵抗
29を介して逆極性のダイオード27を、そのpn接合
に対して逆極性をなすバイアス、すなわち逆バイアスす
るようになっている。
【0042】なお、図1中、D2はドレイン22とソー
ス24間の等価ダイオードを表わし、L,C,Rはそれ
ぞれインダクタンス,キャパシタンス,抵抗を、また、
これらの添字のd,g,sはそれぞれドレイン23,ゲ
ート22,ソース24を示す。よって例えば、Ld,R
g,Lsはそれぞれドレイン23の等価インダクタン
ス,ゲート22の等価抵抗,ソース24の等価インダク
タンスを、Idsはドレイン23(D)とソース24
(S)間を流れる電流をそれぞれ示している。
【0043】図2は本発明の第2実施形態に係る半導体
装置の要部縦断面図である。この半導体装置は上記FE
T21をソース接地のnチャネルプレーナJ(接合型)
FET21Aに構成した点に特徴がある。このJFET
21Aは、p型半導体よりなるp型サブストレート31
の図中上端部に、n型半導体よりなるnチャネル32を
面一で形成し、このnチャネル32の上端部に、p型半
導体よりなるp型部33を面一で形成している。
【0044】このp型部33の上面上には上記ゲート2
2の電極を金属蒸着等により形成し、このゲート22の
図中左右両側において、nチャネル32の上面上に、ド
レイン23とソース24の電極を金属蒸着等により形成
している。
【0045】そして、p型サブストレート31の上端部
には、nチャネル32の側方に、上記逆極性のダイオー
ド27、コンデンサ28、抵抗29をそれぞれ有する波
形歪み低減回路25を配設している。
【0046】波形歪み低減回路25のダイオード27は
n型半導体よりなるn型部34をnチャネル32から所
定間隔置いた近傍に配設しており、このn型部34の上
端部にはp型半導体よりなるp型部35を面一で形成し
ている。また、このp型部35の上面上にはアノード3
6の電極を金属蒸着等により形成する一方、n型部34
の上面上にカソード37の電極を金属蒸着等により形成
してダイオード27を形成している。さらに、このダイ
オード27のアノード36はp型サブストレート31の
上面上に形成された導体パターン等によりドレイン23
に電気的に接続されている。
【0047】そして、このダイオード27の側方では、
p型サブストレート31の上面上に、第1の誘電体層3
8を介して第2の誘電体層39と抵抗体層40とがそれ
ぞれ積層されて並設されている。さらに、この第2の誘
電体層39の上面上には、コンデンサ用の一対の電極の
一方の電極41が形成される一方、抵抗体層40の図中
左端部上面上には他方の電極42がそれぞれ形成されて
コンデンサ28に構成されている。この一方の電極41
は導体パターン等によりゲート22に電気的に接続さ
れ、他方の電極42はダイオード27のカソード電極3
7に接続されている。
【0048】そして、抵抗体層40の図中右端部上面上
には電極43が形成されて上記抵抗29に構成され、こ
の電極43には直流電源30(VB)が接続される。
【0049】
【外3】
【0050】しかし、逆極性のダイオード27の印加電
圧がゲート22とドレイン23間の電位差Vにほぼ等し
くなるように、外部電源30(VB)により、このダイ
オード27を逆バイアスし、しかも、このダイオード2
7のC−V特性は等価ダイオード26のものと類似して
いるので、ゲート22とドレイン23間の総帰還容量C
F(V)は次の数(4)式で表わされる。
【0051】
【数4】
【0052】そして、ゲート22に信号が入力されて、
ゲート22とドレイン23間の電位差VがΔVだけ変化
した時の総帰還容量CF(V+ΔV)は次の数(5)式
で示すようになる。
【0053】
【数5】
【0054】したがって、ゲート・ドレイン間の総帰還
容量CF自体はほぼ倍となるが、逆極性のダイオード2
7の容量変化の方向が等価ダイオード26の容量変化の
方向とほぼ対称的に逆向きであるので、ゲート22に信
号が入力されても帰還容量の変化を低減することができ
る。
【0055】このために、これら帰還容量の変化に起因
する出力信号の波形歪み、特に二次非対称波形歪みを低
減させることができる。
【0056】また、逆極性のダイオード27をnチャネ
ル32の近傍に配置することにより、広い範囲の入力電
力、周波数範囲および温度範囲に亘って波形歪みを低減
することができる。
【0057】図3は図1で示すFET21をnチャネル
MESFET21Bに構成した場合の第3の実施形態の
要部縦断面図である。このMESFET21Bは上記J
FET21AのP型サブストレート31を絶縁サブスト
レート(I)に置換する一方、nチャネル32中のP型
部33を省略してMES型に構成することにより、ゲー
ト22とドレイン23間の等価ダイオード26をショッ
トキーバリアダイオードに形成する点に特徴があり、こ
れ以外の構成は波形歪み低減回路25も含めて同様であ
る。
【0058】したがって、このMESFET21Bによ
っても出力信号の波形歪み、特に二次非対称波形歪みを
高周波高広帯域かつ高出力域で低減することができる。
【0059】図4は本発明の第4の実施形態に係る半導
体装置の要部縦断面図、図5はその半導体装置のソース
接地動作時の等価回路図であり、この半導体装置はディ
プレッション型MOSFET21Cに波形歪み低減回路
47をワンチップで一体に形成している点に特徴があ
る。
【0060】このディプレッション型MOSFET21
Cはn型半導体よりなるn型サブストレート44の図中
上端部に、p型半導体よりなるpチャネル45を、その
上面がn型サブストレート44の図中上面とほぼ面一に
なるように形成している。
【0061】このpチャネル45の上面上には所要大の
絶縁酸化膜46aを形成し、この絶縁酸化膜46aの上
面上にはゲート22(G)の電極を金属蒸着等により形
成している。
【0062】このゲート22の両側ではソース24
(S)とドレイン23(D)の電極とをpチャネル45
の上面上に密着させて金属蒸着等によりそれぞれ配設し
ている。したがって、ゲート22の電極とpチャネル4
5との間には絶縁酸化膜46aを介して等価MOS(Me
tal-Oxide-Semiconductor )ダイオード22aが形成さ
れる。
【0063】そして、このn型サブストレート44の上
端部には、MOS型FET21Cの近傍側方にて波形歪
み低減回路47を配設してワンチップで一体に形成して
いる。波形歪み低減回路47はn型サブストレート44
の上端部に、MOS型FET21Cの近傍にて第2のM
OSダイオード48を配設している。
【0064】第2のMOSダイオード48は上記MOS
FET21の近傍側方にて、サブストレート44に、p
型半導体よりなる第2のp型部49を、その上面がサブ
ストレート44の上面とほぼ面一となるように形成して
いる。この第2のp型部49の上面上には、直接第1の
電極50を金属蒸着等により形成する一方、所要大の絶
縁酸化膜46bを介して第2の電極51を金属蒸着等に
より形成している。
【0065】これにより、第2の電極51(Metal )
と、絶縁酸化膜46b(Oxide )と、p型部49(Semi
conductor )の3層により第2のMOSダイオード48
が形成される。この第2のMOSダイオード48の第2
の電極51には図示しない導体パターン等によりMOS
FET21Cのドレイン23が電気的に接続されてい
る。
【0066】さらに、この第2のMOSダイオード48
の側方では、n型サブストレート44の上面上に、第1
の誘電体層52を介して第2の誘電体層53と抵抗体層
54とがそれぞれ積層されて並設されている。さらに、
この第2の誘電体層53の上面上には、コンデンサ用の
一対の電極の一方の電極55が形成される一方、抵抗体
層54の図中左端部上面上には他方の電極56がそれぞ
れ形成されてコンデンサ57に構成されている。この一
方の電極55は図示しない導体パターン等によりMOS
FET21Cのゲート22に電気的に接続され、他方の
電極56は第2のMOSダイオード48の第1の電極5
0に導体パターン等により電気的に接続されている。
【0067】そして、抵抗体層54の図中右端部上面上
には電極58が金属蒸着等により形成されて、抵抗59
に構成され、この電極58には直流電源60(VC)が
電気的に接続される。なお、上記n型サブストレート4
4、pチャネル45および第2のp型部はその半導体を
p型またはn型にそれぞれ置換してもよい。
【0068】図5はこのように構成された半導体装置の
ソース接地動作時の等価回路図であり、ディプレッショ
ン型MOSFET21Cのゲート22とドレイン23と
の間に、波形歪み低減回路47を介在させている状態を
示している。
【0069】そして、この波形歪み低減回路47の等価
回路は上記コンデンサ57(C1)に第2のMOSダイ
オード48の等価容量61(C2)を直列に接続し、こ
れらコンデンサ57と第2のMOSダイオード48の等
価容量61との接続部には抵抗59を介して直流電源6
0を電気的に接続している。直流電源60はドレイン2
3の印加電圧(VD)の2倍(2VD)からゲート22
の印加電圧(VG)と同等程度の電圧を印加するように
なっている。
【0070】また、MOSFET21Cのゲート22と
pチャネル45との間には等価MOSダイオード22a
が形成され、この等価MOSダイオード22aには等価
容量Cdgが形成される。
【0071】したがって、直流電源60から第2のMO
Sダイオード48に、その電極間電圧がMOSFET2
1Cのゲート22・ドレイン23間の電位差にほぼ等し
くなるようにほぼ2VD〜VG程度の電圧を印加する
と、ゲート22・ドレイン23間の総帰還容量CFは次
の数(6)式で表わされる。
【0072】
【数6】
【0073】また、ゲート・ドレイン間の電位差がΔV
だけ変化した時、上記容量CFは次の数(7)式で表わ
される。
【0074】
【数7】
【0075】そして、この数(7)式はMOSFET2
1Cの動作領域において、C(|V|)は|V|による
単調減少かつ連続な関数であるので、次の数(8)式の
ように近似することができる。
【0076】
【数8】
【0077】
【数9】
【0078】したがって、ゲート22に入力信号が入力
しても帰還容量の変化を縮小することができるので、ド
レイン23からの出力信号の2次非対称波形歪みを低減
することができる。しかも、第2のMOSダイオード4
8の物理的諸元をゲート・チャネル間の等価MOSダイ
オードと類似にし、かつ、この第2のMOSダイオード
48をpチャネル45の近傍に配置することにより、広
い入力電力および周波数範囲、かつ広い温度範囲で上記
2次非対照振幅歪みを低減することができる。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、本願の請求項1に
記載の半導体装置によれば、電界効果トランジスタのソ
ース接地動作時、ゲートとドレイン間の等価ダイオード
と逆極性のダイオードがそれぞれ逆バイアスされるの
で、これら等価ダイオードと逆極性のダイオードとには
それぞれ接合容量が発生し、これら接合容量はドレイン
からゲートの帰還容量として作用する。
【0080】しかし、これら両ダイオードの極性は相互
に逆極性であるので、これら両ダイオードの容量変化の
方向が逆向きであり、互いに打ち消し合う。このため
に、ゲートに信号が入力されてもゲートとドレイン間の
総帰還容量の変化を低減することができるので、この帰
還容量の変化に伴う出力信号の波形歪みを低減させるこ
とができる。したがって、逆極性のダイオードとして等
価ダイオードのC−V(容量・電圧)特性と類似のダイ
オードを使用し、この逆極性のダイオードの印加電圧が
ゲートとドレイン間の電位差とほぼ等しくなるように逆
バイアスすることにより、さらに出力信号の二次対称波
形歪みを低減して出力信号の二次対称性を向上させるこ
とができる。
【0081】請求項2記載の半導体装置によれば、逆極
性のダイオードに、その印加電圧がゲートとドレイン間
の電位差にほぼ等しくなるように逆バイアスを抵抗また
はインダクタを介して直流電源により印加することがで
きる。このために、請求項1の発明と同様の作用によ
り、ゲートとドレイン間の帰還容量の変化を低減して出
力信号の波形歪み、特に二次非対称波形歪みを低減させ
ることができる。
【0082】請求項3記載の半導体装置によれば、ディ
プレッション型MOS電界効果トランジスタのソース接
地動作時、ゲートとドレイン間に、これら両者間の等価
MOSダイオードの等価容量と逆極性の等価容量を発生
するMOSダイオードを設けたので、これら等価容量は
ドレインからゲートへの帰還容量として作用する。
【0083】しかし、これら両等価容量の極性は相互に
逆極性であるので、これら両容量の変化の方向も逆向き
であり、互いに打ち消し合う。このために、ゲートに信
号が入力されてもゲートとドレイン間の総帰還容量の変
化を低減することができるので、この帰還容量の変化に
伴う出力信号の波形歪みを低減させることができる。し
たがって、MOSダイオードを、ゲート・ドレイン間の
等価MOSダイオードのC−V(容量−電圧)特性と類
似のダイオードに形成し、このMOSダイオードの印加
電圧がゲートとドレイン間の電位差とほぼ等しくなるよ
うに逆バイアスすることにより、さらに出力信号の二次
対称波形歪みを低減して出力信号の二次対称性を向上さ
せることができる。
【0084】請求項4記載の半導体装置によれば、MO
Sダイオードに、その印加電圧がゲートとドレイン間の
等価MOSダイオードの電位差にほぼ等しくなるように
逆バイアスを抵抗またはインダクタを介して直流電源に
より印加することができる。このために、請求項3の発
明と同様の作用により、ゲートとドレイン間の帰還容量
の変化を低減して出力信号の波形歪み、特に二次非対称
波形歪みを低減させることができる。
【0085】請求項5記載の半導体装置によれば、MO
Sダイオードを含む波形歪み低減手段を、デレッション
型MOSFET等の電界効果型トランジスタのサブスト
レートに一体に形成してワンチップに形成しているの
で、MOSダイオードとゲート・ドレイン間の等価MO
SダイオードとのC−V(容量−電圧)特性等の物理的
諸元をほぼ同様に形成することができる。このために、
MOSダイオードと等価MOSダイオードにおける逆向
きの両容量の変化をさらに等しくできるので、ゲートと
ドレイン間の帰還容量の変化をさらに低減して出力信号
の二次非対称歪みをさらに低減させることができる。
【0086】請求項6記載の増幅器によれば、出力側の
ドレインと入力側のゲート間の帰還容量の変化を低減し
て出力信号の二次非対称波形歪み等の波形歪みを低減さ
せることができる請求項1ないし5のいずれか一記載の
半導体装置を増幅素子として使用するので、入力信号が
ゲートに重畳されたときの帰還回路の容量変化を低減し
て二次非対称波形歪み等の波形歪みを低減することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の等
価回路図。
【図2】図1で示す実施形態をnチャネルJ型FETに
適用した場合の要部縦断面図。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の要
部縦断面図。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の要
部縦断面図。
【図5】図4で示す半導体装置のソース接地動作時の等
価回路図。
【図6】従来のnチャネルJFETの部分縦断面図。
【図7】従来のnチャネルMESFETの部分縦断面
図。
【図8】従来のディプレッション型MOSFETの部分
縦断面図。
【図9】図6で示す従来のnチャネルプレーナJ型FE
Tと図7で示す従来のnチャネルMESFETのソース
接地動作時の等価回路図。
【図10】図8で示す従来のディプレッション型MOS
FETのソース接地動作時の等価回路図。
【符号の説明】
21 FET(電界効果トランジスタ) 21A JFET 21B MESFET 21C MOSFET 22 ゲート 23 ドレイン 24 ソース 25,47 波形歪み低減回路 26 等価ダイオード 27 逆極性のダイオード 28 コンデンサ 29 抵抗 30 直流電源 48 第2のMOSダイオード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H03F 1/34 // H03F 3/60 (72)発明者 鈴木 俊也 東京都品川区東品川四丁目3番1号 東芝 ライテック株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゲート、ソースおよびドレインを有する
    電界効果トランジスタと;ゲートとドレイン間の等価ダ
    イオードに、逆極性となるように並列に接続されて逆バ
    イアスされるダイオードを有する波形歪み低減手段を具
    備していることを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 波形歪み低減手段は、電界効果トランジ
    スタのゲートとドレイン間の等価トランジスタに並列に
    接続される逆極性のダイオードとコンデンサとの直列回
    路と;このコンデンサとダイオードとの接続部に抵抗ま
    たはインダクタを介して接続される直流電源と;を具備
    していることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】 ゲート、ソースおよびドレインを有する
    ディプレッション型MOS電界効果トランジスタと;ゲ
    ートとドレインとの間に、これらゲートとドレイン間の
    等価容量に対して逆極性となるように逆バイアスされる
    等価容量を生ずるMOSダイオードを有する波形歪み低
    減手段を具備していることを特徴とする半導体装置。
  4. 【請求項4】 波形歪み低減手段は、ディプレッション
    型MOS電界効果トランジスタのゲートとドレインとの
    間に介在されるコンデンサとMOSダイオードとの直列
    回路と;このコンデンサとMOSダイオードとの接続部
    に抵抗またはインダクタを介して接続される直流電源
    と;を具備していることを特徴とする請求項3記載の半
    導体装置。
  5. 【請求項5】 波形歪み低減手段は、電界効果トランジ
    スタのサブストレートに一体に形成されていることを特
    徴とする請求項1ないし4のいずれか一記載の半導体装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか一記載の半
    導体装置と;電界効果トランジスタのゲートとドレイン
    間に挿入された帰還回路と;を具備していることを特徴
    とする増幅器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6603343B2 (en) 2001-12-18 2003-08-05 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Phase correction circuit for transistor using high-frequency signal
JP2012129635A (ja) * 2010-12-13 2012-07-05 Fujitsu Ltd 増幅回路
JP2018186376A (ja) * 2017-04-25 2018-11-22 新日本無線株式会社 増幅回路

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6603343B2 (en) 2001-12-18 2003-08-05 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Phase correction circuit for transistor using high-frequency signal
JP2012129635A (ja) * 2010-12-13 2012-07-05 Fujitsu Ltd 増幅回路
JP2018186376A (ja) * 2017-04-25 2018-11-22 新日本無線株式会社 増幅回路

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