JPH1173827A - 光ファイバー内蔵有機絶縁装置およびその製造方法 - Google Patents

光ファイバー内蔵有機絶縁装置およびその製造方法

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JPH1173827A
JPH1173827A JP4953098A JP4953098A JPH1173827A JP H1173827 A JPH1173827 A JP H1173827A JP 4953098 A JP4953098 A JP 4953098A JP 4953098 A JP4953098 A JP 4953098A JP H1173827 A JPH1173827 A JP H1173827A
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JP
Japan
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optical fiber
built
support
organic insulating
outer periphery
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JP4953098A
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English (en)
Inventor
Naoki Tanaka
直樹 田中
Yoshihiro Kawanishi
良広 川西
Isamu Takeuchi
勇 竹内
Yusuke Uchiumi
雄介 内海
Seigo Yokoi
清吾 横井
Takayuki Takeda
隆之 武田
Seiichi Mizuno
誠一 水野
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NGK Insulators Ltd
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NGK Insulators Ltd
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    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
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    • G02B6/44Mechanical structures for providing tensile strength and external protection for fibres, e.g. optical transmission cables
    • G02B6/4401Optical cables
    • G02B6/4415Cables for special applications
    • G02B6/4416Heterogeneous cables
    • G02B6/4417High voltage aspects, e.g. in cladding
    • G02B6/442Insulators
    • G02B6/4421Insulators with helical structure of optical fibre, e.g. fibres wound around insulators

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Abstract

(57)【要約】 【課題】光ファイバー内蔵碍子におけるボイド、マイク
ロベンドの発生を防止すること、光ファイバーの支持体
への巻回長さのバラツキを解消して光ファイバー内蔵碍
子の光伝送特性を一定にすること。 【解決手段】光ファイバー内蔵碍子を構成する支持体1
1の外周に巻回される光ファイバー14を、予め接着剤
で全周を被覆した状態で同接着剤の接着剤層17aを介
して支持体11の外周に接着固定すること、光ファイバ
ー14を支持体11の外周にその長手方向の中央部を基
準にして一端側と他端側で異なる向きの螺旋状に巻回し
て接着固定し、光ファイバー14の各端部を支持体14
の各端部に固定されている取付フランジ12,13から
液密的かつ気密的に導出すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバー内蔵
有機絶縁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、発電所、変電所、開閉所等、高電
圧電気設備に設置されて高電圧電気設備側の電圧、電
流、温度等を光学的に測定する光学的測定装置に、電
圧、電流、温度等の課電側情報を光信号として伝送する
ための伝送路として、光ファイバーが多く利用されてい
る。
【0003】ところで、課電側情報を光信号として伝送
するための伝送路として利用される光ファイバーを、屋
外において課電側と測定側とにそのままの状態で接続す
る場合には、降雨、汚損等により光ファイバーのケーブ
ル外皮のトラッキングや、吸湿による内部閃絡が発生し
て、電力の安定した供給に支障を及ぼすおそれがある。
【0004】このため、最近では、光ファイバーを絶縁
体である碍子に内蔵させた所謂光ファイバー内蔵磁器碍
子や、有機絶縁材料で構成された光ファイバー内蔵の有
機碍子等の光ファイバー内蔵有機絶縁装置が開発されて
いる。光ファイバー内蔵有機絶縁装置としては、米国特
許第4,802,731号明細書にその一例が示されて
いる。
【0005】この米国特許明細書に示されている光ファ
イバー内蔵有機絶縁装置は、強化プラスチックからなる
円筒状または円柱状の支持体と、同支持体の外周に沿っ
て配置されて同支持体の一端から他端に延び一端側を課
電側に接続されるとともに他端側を計測側に接続される
光ファイバーと、前記支持体の外周に貼着されて同支持
体と前記光ファイバーの外周を被覆する絶縁性の弾性材
料からなる絶縁被覆体を備えた構成となっている。
【0006】かかる光ファイバー内蔵有機絶縁装置にお
いては、光ファイバーを支持体の外周に螺旋状に巻回し
て、支持体の軸方向の長さ、すなわち支持体の有効絶縁
距離に対する光ファイバーの長さを増大させることによ
り、光ファイバーに対する電界強度を緩和する手段が採
られている。また、支持体に巻回されている光ファイバ
ーは、シリコーンゴム等の弾性材料にて、絶縁被覆体の
成形と同時に支持体の外周に接着固体される。
【0007】ところで、かかる光ファイバー内蔵有機絶
縁装置においては、支持体と絶縁被覆体間の光ファイバ
ーの近傍に存在する気泡、細孔等のボイドに起因してコ
ロナ放電により装置に劣化が発生するという第1の問題
と、光ファイバーの支持体への巻回長さのバラツキに起
因して装置の光伝送特性にバラツキが発生するという第
2の問題とがある。
【0008】第1の問題である装置の劣化の発生を防止
するには、支持体と絶縁被覆体間の光ファイバーの近傍
に存在する細孔、気泡等のボイドをできる限りなくす必
要がある。しかしながら、上記したごとく、光ファイバ
ーを、支持体の外周を被覆する絶縁被覆体の成形時に、
同絶縁被覆体を構成する弾性材料にて接着固定する手段
を採る場合には、接着剤として機能する弾性材料が光フ
ァイバーの支持体と接触する側の部位には廻り込み難く
て、当該部位に無数のボイドが光ファイバーの近傍に発
生することなる。
【0009】これに対処するには、支持体の外周に絶縁
被覆体を成形する工程を減圧下で行ってボイドの発生を
阻止することが考えられるが、減圧雰囲気を形成するに
は相当大きな真空装置、減圧装置が必要となる。絶縁被
覆体を減圧下で成形する場合には、光ファイバーに巻回
張力が加わっていると、光ファイバーの支持体の外周面
への密着度が高くて、ボイドの発生を阻止することは不
可能である。
【0010】これに対処すべく、光ファイバーを予め低
い張力で巻回しておくと、光ファイバーは絶縁被覆体の
成形後に熱収縮を生じて光ファイバーに局部的な曲げ力
が作用して、光ファイバーに細かい曲がり、所謂マイク
ロベンドが発生することになる。マイクロベンドが無数
に存在する場合には、光の伝送量を低下させることにな
る。
【0011】また、上記した第2の問題である装置の光
伝送特性のバラツキの発生を防止するには、電界強度の
緩和に対応して設定された長さの光ファイバーを、支持
体の外周に、一定の傾斜角度、一定のピッチで、支持体
の一端から他端まで的確に巻回することが必要である
が、光ファイバーをこのように巻回することは極めて難
しい。
【0012】光ファイバーを的確に巻回する作業は、熟
練した作業者にとっても困難な作業であるため、光ファ
イバーを支持体の一端から他端まで螺旋状に的確に巻回
するための補助的な手段として、支持体の外周に螺旋状
の溝を設ける手段が提案されているが、支持体の外周に
的確な螺旋状の溝を形成することも必ずしも容易ではな
く、かつ螺旋状の溝を形成するための余分な加工を伴い
コストの上昇をまねくことになる。
【0013】従って、本発明の第1の目的は、この種形
式の光ファイバー内蔵有機絶縁装置において、支持体と
絶縁被覆体間における光ファイバーの近傍の気泡、細孔
等のボイドに起因するコロナ放電による装置の劣化の発
生を防止することにあり、また、本発明の第2の目的
は、光ファイバーの支持体への巻回長さのバラツキに起
因する装置の光伝送特性のバラツキの発生を防止するこ
とにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、光ファイバー
内蔵有機絶縁装置に関し、特に、強化プラスチックから
なる円筒状または円柱状の支持体と、同支持体の外周に
沿って配置されて同支持体の一端から他端に延び一端側
を課電側に接続されるとともに他端側を計測側に接続さ
れる光ファイバーと、前記支持体の外周に貼着されて同
支持体と前記光ファイバーの外周を被覆する絶縁性の弾
性材料からなる絶縁被覆体を備えてなる形式の光ファイ
バー内蔵有機絶縁装置を適用対象とするものである。
【0015】しかして、本発明に係る第1の光ファイバ
ー内蔵有機絶縁装置においては、前記光ファイバーが前
記支持体の外周に螺旋状に巻回されていて、接着剤で全
周を被覆された状態で同接着剤の接着剤層を介して前記
支持体の外周に接着されていることを特徴とするもので
ある。
【0016】また、本発明に係る第2の光ファイバー内
蔵有機絶縁装置においては、前記光ファイバーが前記支
持体の外周に、同支持体の長手方向の中央部を基準にし
て一端側と他端側で異なる向きの螺旋状に巻回されて接
着固定されていることを特徴とするものである。
【0017】
【発明の作用・効果】本発明に係る光ファイバー内蔵有
機絶縁装置においては、従来のこの種形式の光ファイバ
ー内蔵有機絶縁装置と同様の機能を有するが、特に、第
1の光ファイバー内蔵有機絶縁装置においては、光ファ
イバーが接着剤で全周を被覆された状態で同接着剤の接
着剤層を介して支持体の外周に接着されている。このた
め、光ファイバーを接着固定されている支持体の外周に
絶縁被覆体を一体成形する場合、絶縁被覆体を構成する
弾性材料が光ファイバーの支持体側への廻り込み不足に
配慮する必要がなく、弾性材料の廻り込み不足に起因す
るボイドの発生は解消される。これにより、光ファイバ
ー内蔵有機絶縁装置における支持体と絶縁被覆体間にお
ける光ファイバーの近傍の気泡、細孔等のボイドに起因
するコロナ放電による装置の劣化の発生を防止すること
ができる。
【0018】また、絶縁被覆体を支持体の外周に一体成
形する場合に、支持体とその外周に接着固定されている
光ファイバーとは一体であるため、光ファイバーの挙
動、曲げ等に注意を払う必要がなく、成形時の作業が容
易であるとともに、光ファイバーの局部的な曲げが発生
し難く、局部的な曲げに起因するマイクロベンドの発生
を防止し得て、マイクロベンドに起因する光の伝送量の
低下を防止することができる。
【0019】また、本発明に係る第2の光ファイバー内
蔵有機絶縁装置においては、特に、光ファイバーが、同
支持体の長手方向の中央部を基準にして一端側と他端側
で異なる向きの螺旋状に巻回されて接着固定されている
構成のため、かかる巻回状態を構成するには、光ファイ
バーをその各端部を支持体の各端部または同支持体の各
端部に固定された取付フランジに固定し、同光ファイバ
ーの中央部を把持した状態で支持体の周方向へ同支持体
に対して相対的に回転して巻回して接着固定する手段を
採ることができる。かかる手段によれば、電界強度の緩
和との関連に基づいて設定された長さの光ファイバー
を、支持体の外周に、一定の傾斜角度、一定のピッチ
で、支持体の一端から他端までの範囲に的確に巻回する
ことができる。
【0020】このため、光ファイバー内蔵有機絶縁装置
においては、光ファイバーの巻回された長さに大きなバ
ラツキがなくて、光ファイバーの巻回長さのバラツキに
起因する装置の光伝送特性のバラツキは発生しないとと
もに、上記した巻回手段を採用することができるため、
製造工程での光ファイバーの巻回時における支持体の軸
線に対する傾斜角度の管理が容易になる。
【0021】なお、本発明に係る第1の光ファイバー内
蔵有機絶縁装置においては、支持体に対して光ファイバ
ーを一定方向に螺旋状に巻回する態様、および第2の光
ファイバー内蔵有機絶縁装置のごとく、支持体の長手方
向の中央部を基準にして一端側と他端側で異なる向きの
螺旋状に巻回する態様を採ることができる。
【0022】本発明に係るこれらの光ファイバー内蔵有
機絶縁装置においては、光ファイバーの各端部を、支持
体の各端部に固定されている取付フランジから液密的か
つ気密的に導出すること、この場合、光ファイバーの各
端部を取付プラグに液密的かつ気密的に支持して、同取
付プラグを取付フランジに固定する構成を採ることがで
きる。
【0023】かかる構成によれば、支持体の各端部に固
定する取付フランジに、光ファイバーを液密的かつ気密
的に支持する取付プラグを取付けることにより光ファイ
バーの導出部位を構成することができるため、取付フラ
ンジには取付プラグの取付部位を確保するだけでよく、
取付フランジとして、複雑な構造の特殊な取付フランジ
を採用する必要が全くなく、光ファイバーの導出部位を
簡単な構造に構成することができる。
【0024】本発明に係る光ファイバー内蔵有機絶縁装
置において、光ファイバーの支持体の軸線に対する各螺
旋状の傾斜角度を、光ファイバーの常時印加される電圧
の最大電界強度と同光ファイバーの設定された期間耐え
る最低電界強度の比に基づいて決定すれば、光ファイバ
ーの許容電界強度は支持体の絶縁強度に対応するものと
なり、光ファイバー内蔵有機絶縁装置は支持体と同等の
耐久性を備えたものとなる。
【0025】この場合の光ファイバーの巻付け張力は、
光ファイバーのマイクロベンド特性から、0〜200g
とすることが好ましい。マイクロベンドとは、光ファイ
バーの伝送路に存在する細かい曲がりを意味するもの
で、マイクロベンドは伝送路からの光の漏洩の原因とな
り、光ファイバーにマイクロベンドが多く存在する場合
には、伝送する光のロスが増大することになる。
【0026】本発明に係る光ファイバー内蔵有機絶縁装
置において、課電側の1情報を得るのに光の送信側と受
信側の両伝送路を必要とすることから、少なくとも2本
の光ファイバーを採用することが好ましい。この場合、
各光ファイバーを接着剤により全周を被覆した状態でか
つ互いに所定間隔を保持した状態、または密着した状態
で、支持体の外周に接着固定するように構成とする。こ
れにより、各光ファイバー間には接着とは無関係な余分
の接着剤は存在せず、余分な接着剤層における熱的衝
撃、機械的衝撃によるクラックの発生を防止することが
できる。接着剤としては、エポキシ樹脂系の熱硬化性接
着剤が好ましく、室温で硬化するものでもよく、また、
室温より高温で硬化するものでもよい。
【0027】また、この場合、各光ファイバーを支持体
の外周に接着されているファイバー整線固定具にて整線
して固定し、また、整線固定としてその押さえ面に、光
ファイバーを嵌合させる溝部を光ファイバーの本数に対
応する数だけ備えたものを採用すれば、光ファイバーの
支持体の外周に対する固着性がよくて、光ファイバーに
おけるマイクロベンド、ボイド、クラックの発生を防止
することができる。
【0028】本発明に係る光ファイバー内蔵有機絶縁装
置においては、光ファイバーとして、光ファイバー素線
または光ファイバー心線を採用すること、光ファイバー
素線または光ファイバー心線を構成する外層の表面を易
接着処理することがこのましい。易接着処理としては、
外層がポリアミド系樹脂にて形成されている場合には外
層の表面をグロー放電処理、コロナ放電処理、オゾン処
理、酸処理、アルカリ処理する手段がよく、また外層が
フッ素系樹脂にて形成されている場合には、一部のフッ
素を水酸基、カルボキシル基にて置換処理する手段がよ
い。
【0029】本発明に係る光ファイバー内蔵有機絶縁装
置においては、支持体の両端部に設けられる取付フラン
ジを、所定長さの筒部と、筒部の基端部から外周側に突
出する外向フランジ部と、筒部の先端から基端部側へ延
びる所定深さの環状溝を備えた構成として、光ファイバ
ーを環状溝内に巻回されて部分的に収納された状態で取
付フランジから導出するように構成することができる。
【0030】これにより、光ファイバーにストレスを与
えることなく、光ファイバーの気密端子を取付フランジ
外で組み立て、環状溝内で光ファイバーの余分の長さを
吸収できるため、電界強度の緩和との関連で設定された
長さの光ファイバーを、支持体の外周に、一定の傾斜角
度、一定のピッチで、支持体の一端から他端までの範囲
に的確に巻回することが可能となる。
【0031】このため、光ファイバー内蔵有機絶縁装置
は、光ファイバーの巻回された長さに大きなバラツキが
なくて、光ファイバーの巻回長さのバラツキに起因する
光伝送特性にバラツキのない光ファイバー内蔵有機絶縁
装置となる。また、取付フランジに設けた環状溝内で
は、光ファイバーの曲がりの半径を大きく取れるので、
光伝送特性を向上させることができる。
【0032】この場合、取付フランジの環状溝を構成す
る外側環状壁部を、同環状溝を構成する内側環状壁部に
比較して先端側へ長く形成すれば、光ファイバーの環状
溝からの引き出し部分の電界が緩和され、品質低下によ
るコロナ放電の発生を防止することができる。また、取
付フランジの環状溝を、光ファイバーが巻回されて部分
的に収納された状態で硬化性の弾性材料にて充填するよ
うにすれば、環状溝内での熱収縮による内側壁面からの
剥離を防止し得て、光ファイバーを長期間安定して保護
することができる。
【0033】本発明に係る光ファイバー内蔵有機絶縁装
置においては、前記取付プラグを、筒状の第1押圧部材
と、第1押圧部材が進退可能に螺合する筒状の第1受承
部材と、第1受承部材の内孔内に嵌合される第2受承部
材と、第1受承部材の内孔内に嵌合されて第2受承部材
に当接する弾力性を有する把持部材と、第1押圧部材の
内孔内に嵌合されて第1受承部材の内孔内に臨み第1押
圧部材の螺進時に把持部材および第2受承部材を第1受
承部材側へ押圧する第2押圧部材を備え、第1押圧部材
を螺進させることにより把持部材を押圧変形して、第2
押圧部材、把持部材および第2受承部材を挿通している
光ファイバーの外周に把持部材を圧着するように構成す
ることができる。
【0034】かかる取付プラグによれば、第1押圧部材
を螺進させることにより把持部材を押圧変形して、第2
押圧部材、把持部材および第2受承部材を挿通している
光ファイバーの外周に把持部材を圧着することができ、
これにより、光ファイバーと取付プラグとの間の接触界
面を密封し得て、光ファイバーを液密的かつ気密的に支
持することができる。
【0035】この場合、特に、光ファイバーにおける取
付プラグの把持部材が把持する部位に、弾力性を有する
シール部材を介して金属製の細管を嵌合し、同細管の外
周に把持部材が押圧変形されて圧接されるように構成す
れば、取付プラグの各構成部材間の接触界面の密封と併
せて、光ファイバーの構成部材相互の接触界面を密封す
ることができる。また、この場合、光ファイバーのガラ
ス芯線と、ガラス芯線の外周を被覆する軟質材料からな
る中間層と、中間層の外周を被覆する外層からなる光フ
ァイバー心線、光ファイバー素線を採用することがで
き、光ファイバー心線や光ファイバー素線を採用した場
合には、外層の外周に金属製の細管を嵌合させればよ
い。
【0036】なお、本発明に係る第2の光ファイバー内
蔵有機絶縁装置を製造する方法では、光ファイバーを支
持体の外周に巻回するに際して、光ファイバーの各端部
を支持体の各端部または支持体の各端部に固定された取
付フランジに固定し、両端部を支持された光ファイバー
をその中央部を把持した状態で支持体に対して相対的に
回転して巻回して接着固定し、その後、絶縁被覆体を支
持体の外周に一体成形にて形成することにより容易に製
造することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づいて説
明するに、図1および図2には本発明に係る光ファイバ
ー内蔵有機絶縁装置の一例が示されている。当該光ファ
イバー内蔵有機絶縁装置は、測定装置における課電側情
報を検出する検出機器に一端側の取付フランジにて取付
けられるとともに、測定装置における課電側情報を計測
する計測機器に他端側の取付フランジにて取付けられる
もので、以下では、光ファイバー内蔵碍子と称する。
【0038】光ファイバー内蔵碍子10は、円筒状の支
持体11と、支持体11の各端部に嵌着されている取付
フランジ12,13と、支持体11の外周に巻回されて
いる複数本の光ファイバー素線14と、支持体11の外
周全体を被覆する絶縁被覆体15を主要構成部材として
いる。光ファイバー内蔵碍子10においては、4本の光
ファイバー素線14を採用している。光ファイバー素線
14は、光ファイバーのガラス芯線の外周を合成樹脂の
皮膜で被覆されているものである。
【0039】支持体11は、繊維強化プラスチックにて
形成された所定の長さの電気絶縁体であって、軸方向の
長さは適用する電圧階級により決定される有効絶縁距離
に基づいて設定されている。各取付フランジ12,13
は、互いに同一の構成の金属製のものであり、支持体1
1の各端部の外周に嵌着されている。
【0040】各取付フランジ12,13は、図1〜図5
に示すように、筒状本体12a,13aの基端部に外向
フランジ部12b,13bを備えたもので、筒状本体1
2a,13aの先端側には2本の環状凹所12c,12
d、13c,13dが形成されており、両環状凹所12
c,12d、および13c,13dは切欠部12e,1
3eを通して互いに連通している。また、筒状本体12
a,13aの基端側の外周には、光ファイバー素線14
の取付孔12f,13fが形成されている。各取付孔1
2f,13fは円錐状を呈している。
【0041】光ファイバー内蔵碍子10において、各光
ファイバー素線14は、図1、図2、および図6〜図8
に示すように、各端部に固定した各取付プラグ16を各
取付フランジ12,13の各取付孔12f,13fに嵌
着することにより支持体11に固定されて、支持体11
の外周に巻回されている。
【0042】なお、光ファイバー素線14に換えて、光
ファイバーのガラス芯線の外周をシリコーンゴム等の軟
質材料からなる中間層にて被覆し、さらにその外周をポ
リアミド樹脂からなる外層にて被覆してなる光ファイバ
ー心線を採用することができる。
【0043】光ファイバー素線または光ファイバー心線
を採用する場合には、接着剤を塗布するに際して、これ
らを構成する外層を易接着処理することが好ましい。易
接着処理としては、外層がポリアミド系樹脂にて形成さ
れている場合には外層の表面をグロー放電、コロナ放
電、オゾン処理、酸処理、アルカリ処理する手段がよ
く、また外層がフッ素系樹脂にて形成されている場合に
は、構成成分であるフッ素分子の一部を除去するための
エッチング処理の手段がよい。
【0044】各光ファイバー素線14は、各端部を各取
付プラグ16を介して支持体11の各端部に固定した状
態で、その中央部を把持して支持体11の周方向に回転
させて巻回されており、これにより、各光ファイバー素
線14は支持体11の中央部を中心として一端側と他端
側とで異なる向きの螺旋状に巻回されている。
【0045】各光ファイバー素線14には、予め、その
外周の全体に接着剤が塗布されていて、外周全体を同接
着剤にて被覆されており、巻回された状態では、各光フ
ァイバー素線14は図9に示すように、互いに所定間隔
を保持して支持体11の外周に接着剤層17aを介して
接着されている。光ファイバー内蔵碍子10において
は、各光ファイバー素線14相互の隙間は1mm程度に
保持されている。
【0046】使用されている接着剤は、エポキシ樹脂系
の熱硬化性の接着剤であり、強化プラスチックからなる
支持体11と親和性の高いものが好ましく、また熱膨張
時、振動時の応力で剥離が生じないことが好ましい。特
に、熱膨張係数が200×10-6/℃以下、弾性率が5
00kgf/mm2以下、剪断強度が100kgf/m
2以上である特性のエポキシ樹脂系接着剤を使用する
ことが好ましい。エポキシ樹脂系接着剤としては、室温
で硬化するもの、室温より高い温度で硬化するもの等い
ずれのものでもよい。
【0047】各光ファイバー素線14の長さは、光ファ
イバー素線14の電界強度が十分に緩和できる長さに設
定されているとともに、その巻回状態における螺旋状の
傾斜角度は、光ファイバー素線14に常時印加される電
圧の最大電界強度と同光ファイバー素線14の設定され
た期間耐える最低電界強度の比に基づいて決定される。
なお、支持体11の中央部の電界強度は、交流機器にお
いては機器課電端、接地端に比べて低くなるので、一部
電界緩和の傾きが減少するが許容される。
【0048】また、各光ファイバー素線14の巻付け張
力は、温度ストレス印加時の支持体11と光ファイバー
素線14の熱膨張差により生じるマイクロベンディング
ロスを防止するために、0〜200gに設定されてい
る。
【0049】各光ファイバー素線14の各端部に取付け
られている各取付プラグ16は、図6〜図8に示すよう
に、第1押圧部材16a、第2押圧部材16bと、第1
受承部材16c、第2受承部材16dと、把持部材16
eとからなるもので、把持部材16eは合成ゴム、弾力
性を有する合成樹脂等の弾性材料で形成され、他の各部
材16a〜16dは金属製のものである。
【0050】取付プラグ16を構成する各部材のうち、
第1押圧部材16aは大径および小径の両筒部を有する
段付きの筒体であり、その大径筒部の内周にネジ部を備
えており、また、第1受承部材16cは、大径および小
径の両筒部を有する段付きの筒体であり、その大径筒部
の外周にネジ部を備えている。第1押圧部材16aは、
そのネジ部にて第1受承部材16cのネジ部に進退可能
に螺合する。
【0051】取付プラグ16を構成する第2押圧部材1
6bは一端側が閉塞された筒体であり、また第2受承部
材16dは他端側に円錐台形の凹所を有する筒体であ
り、かつ、把持部材16eは一端側が円錐台形の突起部
を有する円柱体であって、これらの各部材16b〜16
eには各光ファイバー素線14が貫通する貫通孔が形成
されている。
【0052】取付プラグ16を構成する全ての部材16
a〜16eは、各光ファイバー素線14に挿通されてい
て、第2受承部材16dが第1受承部材16cに嵌合さ
れ、把持部材16eが第2受承部材16dの他端側に嵌
合され、第2押圧部材16bがシール部材を介して第1
受承部材16cに嵌合され、この状態で、第1押圧部材
16aは第1受承部材16cに螺着されている。
【0053】各光ファイバー素線14の各部材16c〜
16eが挿通する部位には、特に図8の(b)に拡大し
示したように、細径の金属パイプ14aが合成ゴム等の
シール部材14bを介して嵌着されている。
【0054】取付プラグ16においては、第1押圧部材
16aを第1受承部材16c上を螺進させると、第1押
圧部材16aの段部が第2押圧部材16bを軸方向に押
圧し、第2押圧部材16bはその一端にて把持部材16
eを第2受承部材16dに押圧する。これにより、把持
部材16eの一端が第2受承部材16dの他端に嵌合し
て、把持部材16eを径内方へ圧縮させ、把時部材16
eは各光ファイバー14の外周に嵌合しているパイプ1
4aの外周面に圧接されて密着する。
【0055】各取付プラグ16は、各取付フランジ1
2,13の取付孔12fに嵌合されていて、取付孔12
f内にシリコーン系ゴム等の緩衝層17bを充填するこ
とにより固着され、この取付状態において、各光ファイ
バー素線14は上記したごとく支持体11の外周に巻回
されている。
【0056】この状態においては、各光ファイバー素線
14は各取付プラグ16の他端部から第1環状凹所12
c,13c、切欠部12e,13e、および第2環状凹
所12d,13dを通り支持体11の外周に沿ってその
中央部まで延びているとともに、各取付プラグ16の一
端から外部へ導出されている。
【0057】なお、光ファイバー内蔵碍子10において
は、複数の光ファイバー素線14を図9に示すように所
定間隔を保持して整列配置しているが、各光ファイバー
素線14を図12に示すように、間隔を保持することな
く整列配置してその外周をテープ17dで巻回した一体
の状態で使用することができ、また、複数本の光ファイ
バー素線14を樹脂中に埋設しその外周を外皮で被覆し
たケーブル状で使用することもできる。
【0058】絶縁被覆体15は、シリコーンゴムからな
るもので、図1および図10に示すように、支持体11
の全外周を被覆する筒部15aと、筒部15aの外周に
て外周側へ突出する多数の傘部15bとを備え、取付フ
ランジ12,13が取付けられた支持体11の外周にこ
れと一体成形されて形成されている。
【0059】絶縁被覆体15は、各取付フランジ12,
13の筒状本体12a,13aの先端部を被覆している
が、図2の矢印Cにて示す各取付フランジ12,13の
筒状本体12a,13aの先端部側の支持体11との境
界部には、図11に示すように、スペーサ17cが配設
されている。スペーサ17cは、支持体11と同一材質
のもので、支持体11の外周にエポキシ樹脂系の接着剤
にて接着固定されていて、支持体11と筒状本体12
a,13a間の段差を解消して、各光ファイバー14の
誘導路を形成している。
【0060】このように構成した光ファイバー内蔵碍子
10においては、従来のこの種形式の光ファイバー内蔵
碍子10と同様の機能を有するが、特に、各光ファイバ
ー素線14が、エポキシ樹脂系接着剤で全周を被覆され
た状態で同接着剤の接着剤層17aを介して支持体11
の外周に接着されている。このため、各光ファイバー素
線14が接着固定されている支持体11の外周に絶縁被
覆体15を一体成形する場合、絶縁被覆体15を構成す
る弾性材料の各光ファイバー素線14の支持体11側へ
の廻り込み不足に配慮する必要は全くなく、弾性材料の
廻り込み不足に起因するボイドの発生を解消することが
できる。
【0061】また、絶縁被覆体15を支持体11の外周
に一体成形する場合に、支持体11の外周に巻回された
各光ファイバー素線14と支持体11とは一体であるた
め、各光ファイバー素線14の挙動、曲げ等に注意を払
う必要がなく、成形時の作業が容易であるとともに、各
光ファイバー素線14に局部的な曲がりが発生し難く、
局部的な曲がりに起因するマイクロベンドの発生を防止
し得て、マイクロベンドに起因する光の伝送量の低下を
防止することができる。
【0062】また、かかる構成の光ファイバー内蔵碍子
10においては、特に、各光ファイバー素線14が、支
持体11の長手方向の中央部を基準にして一端側と他端
側で異なる向きの螺旋状に巻回されて接着固定されてい
る構成のため、かかる巻回状態を構成するには、各光フ
ァイバー素線14の各端部を、図示したように各取付フ
ランジ12,13に、または支持体11の各端部に固定
し、各光ファイバー素線14の中央部を把持した状態
で、支持体11の周方向へ回転させて巻回して接着固定
する手段を採ることができ、かかる巻回手段を採ること
により、電界強度の緩和との関連で設定された長さの各
光ファイバー素線14を、支持体11の外周にその一端
から他端までの範囲に、一定の傾斜角度、一定のピッチ
で的確に巻回することができる。
【0063】このため、光ファイバー内蔵碍子10は、
各光ファイバー素線14の巻回された長さに大きなバラ
ツキがなくて、各光ファイバー素線14の巻回のバラツ
キに起因する光伝送特性にバラツキのない光ファイバー
内蔵碍子10となる。また、光ファイバー内蔵碍子10
によれば、上記した巻回手段を採用することができるた
め、製造工程での各光ファイバー素線14の巻回時にお
ける支持体11の軸線に対す傾斜角度の管理が容易にな
る。
【0064】また、光ファイバー内蔵碍子10において
は、各光ファイバー素線14の支持体11の軸線に対す
る各螺旋状の傾斜角度を、各光ファイバー素線14の常
時印加される電圧の最大電界強度と同光ファイバー素線
14の設定された期間耐える最低電界強度の比に基づい
て決定されているため、各光ファイバー素線14の許容
電界強度は支持体11の絶縁強度に対応するものとな
り、光ファイバー内蔵碍子10は支持体11と同等の耐
久性を備えたものとなる。
【0065】この場合、各光ファイバー素線14の巻付
け張力は、各光ファイバー素線14のマイクロベンド特
性から、0〜200gとされている。このため、光ファ
イバー内蔵碍子10においては、各光ファイバー素線1
4に存在するマイクロベントを少なくし得て、各光ファ
イバー素線14からの光の漏洩、これに起因する各光フ
ァイバー素線14での光のロスを低減させることができ
る。
【0066】また、光ファイバー内蔵碍子10において
は、各光ファイバー素線14を、接着剤によりその全周
を被覆した状態で支持体11の外周に確実に接着固定す
る手段を採っている。このため、各光ファイバー素線1
4の巻回状態(曲げ角度)はその後の絶縁被覆体15の
成形工程においても変化することがなくて、設定された
良好な光伝送特性が損なわれることがない。また、各光
ファイバー素線14は支持体11と同様の熱的挙動を示
すため、支持体11と各光ファイバー素線14間の熱膨
張差が小さくて、各光ファイバー素線14の弛緩による
マイクロベンドの発生を抑制し得て、良好な温度特性を
保持する。
【0067】また、光ファイバー内蔵碍子10において
は、課電側(検出側)の複数の情報を得るのに、光の発
信側と受信側の両伝送路として複数本の光ファイバー素
線14を採用しているが、この場合、各光ファイバー素
線14を互いに並列して配列し、各光ファイバー素線1
4を接着剤により全周を被覆した状態で、かつ互いに所
定間隔を保持した状態で、支持体11の外周に接着固定
している。このため、各光ファイバー素線14を接着し
ている接着剤層17aにおける熱的衝撃、機械的衝撃に
よるクラックの発生を防止することができる。
【0068】また、光ファイバー内蔵碍子10において
は、各光ファイバー素線14の各端部を各取付プラグ1
6で液密的かつ気密的に把持した状態で各支持体11の
各端部に取付けて、各光ファイバー素線14の支持体1
1からの導出部を構成している。このため、各光ファイ
バー素線14の構成部材相互の接触界面、および各光フ
ァイバー素線14と取付プラグ16の各構成部材との接
触界面からの水分の侵入を効果的に防止することができ
る。
【0069】また、光ファイバー内蔵碍子10において
は、支持体11の各端部に固定されている各取付フラン
ジ12,13に設けた第1環状溝12c,13cを、支
持体11の外周に巻回された各光ファイバー14の各端
部を収納し得る収納空間部として使用することができ、
各第1環状溝12c,13cにて各光ファイバー素線1
4の各端部を収納する構成を採ることにより、各光ファ
イバー素線14に予め所定の余長を設けてこの余長を各
第1環状溝12c,13cにて吸収することにより、各
光ファイバー素線14の有効長を一定に揃えることがで
きる。
【0070】なお、光ファイバー内蔵碍子10において
は、支持体11と各取付フランジ12,13の境界部
に、同境界部の段差を解消するためのスペーサ17cを
配設して、スペーサ17c上を各光ファイバー素線14
の誘導路に形成しているため、同境界部の段差に起因す
る各光ファイバー素線14の損傷を解消することができ
る。
【0071】一方、このように構成した光ファイバー内
蔵碍子10においては、支持体11の各端部に嵌着する
取付フランジ12,13に、各光ファイバー素線14を
液密的かつ気密的に支持する取付プラグ16を取付ける
ことにより各光ファイバー素線14の導出部位を構成し
ている。このため、各取付フランジ12,13に取付プ
ラグ16の取付部位、すなわち取付孔12f,13fを
形成するだけでよく、各取付フランジ12,13として
複雑の構造の特殊な取付フランジを採用する必要がな
く、各光ファイバー素線14の導出部位を簡単な構造に
構成することができる。
【0072】また、取付プラグ16としては、第1押圧
部材16a、第1受承部材16b、第1押圧部材16
c、第2受承部材16d、把持部材16eからなる構成
の取付プラグを採用して、第1押圧部材16aを第1受
承部材16c上を螺進させることにより把持部材16e
を押圧変形して、第2押圧部材16c、把持部材16e
および第2受承部材16dを挿通している各光ファイバ
ー素線14の外周に把持部材16eを圧着することがで
き、これにより、各光ファイバー素線14と取付プラグ
16との間の接触界面を密封し得て、各光ファイバー素
線14を液密的かつ気密的に支持することができる。
【0073】この場合、特に、各光ファイバー素線14
の外周にシール部材14bを介して金属パイプ14aを
嵌合させて、金属パイプ14aの外周に把持部材16e
が圧接されるように構成しているため、各光ファイバー
素線14と各取付プラグ16の各構成部材間の接触界面
の密封と併せて、各光ファイバー素線14の構成部材相
互の接触界面を密封することができる。
【0074】図13には、本発明の光ファイバー内蔵有
機絶縁装置である光ファイバー内蔵碍子の他の一例が示
されている。当該光ファイバー内蔵碍子10Aは、図1
および図2に示す光ファイバー内蔵碍子10とは基本構
成を同じくするものであり、主たる相違点は、採用して
いる取付フランジ、および光ファイバー素縁を整線固定
具で固定している点にある。従って、光ファイバー内蔵
碍子10Aの以下の説明では、光ファイバー内蔵碍子1
0と同一の構成部材、同一の構成部位には同一の符号を
付してその詳細な説明を省略し、上記した相違点につい
て主として詳細に説明する。
【0075】光ファイバー内蔵碍子10Aで採用されて
いる取付フランジ19は、図13〜図17に示すよう
に、筒状本体19aの基端部に外向フランジ部19bを
備えたもので、筒状本体19aの先端側には、先端から
基端側へ所定長さ延びる環状溝19cが形成されてい
る。各環状溝19cは、外側環状壁部19dと内側環状
壁部19eとにより構成されていて、外側環状壁部19
dが内側環状壁部19eに比較して先端側へ長く形成さ
れている。また、筒状本体19aの基端側の外周には、
光ファイバー素線14の取付孔19fが形成されてい
る。各取付孔19fは円錐状を呈している。各光ファイ
バー素線14は、各端部に固定した図18に示す取付プ
ラグ16を各取付フランジ19の各取付孔19fに嵌着
することにより支持体11に固定された状態で、支持体
11の外周に巻回されている。
【0076】光ファイバー素線14は、取付フランジ1
9の環状溝19c内にて、内側環状壁部19eの外周に
巻回されて並列した状態で収納されていて、環状溝19
c内にて各光ファイバー素線14の余長部分が吸収され
ている。また、各光ファイバー素線14は、支持部材1
1の外周にてその長手方向の中央部で、また、図20〜
図22に示すように、支持部材11の外周にてその各端
部における取付フランジ19の外側環状壁部19dの内
側で、ファイバー整線固定具18を介して整線されて固
定されている。
【0077】ファイバー整線固定具18は、支持部材1
1と同等の熱膨張係数を有する合成樹脂製の角棒状のも
ので、その押さえ面18aには所定間隔を保持して4本
の溝部18bが形成されている。各溝部18bは、断面
V字状に形成されていて、各ファイバー素線14が接着
剤層17aを介して嵌合する大きさに形成されている。
ファイバー整線固定具18は、各光ファイバー素線14
を押さえた状態で支持体11の外周に接着剤を介して接
着されていて、各光ファイバー素線14を支持体11の
外周に整線して固定している。
【0078】支持体11を被覆する絶縁被覆体15にお
いては、その筒部15aが各取付フランジ19の外側環
状壁部19dの先端まで延びて位置しているとともに、
内側環状壁部19eの外周面に沿って環状溝19c内に
延びている。これにより、支持体11と筒状本体19a
の内側環状壁部19e間の段差が解消されていて、各光
ファイバー素線14の誘導路を形成している。
【0079】かかる構成の光ファイバー内蔵碍子10A
においては、従来のこの種形式の光ファイバー内蔵碍子
と同様の機能を有するが、特に、光ファイバー素線14
が、各取付フランジ19に設けた環状溝19c内にて内
側環状壁部19eの外周に巻回されて部分的に収納され
た状態で各取付フランジ19から導出されるように構成
されていて、環状溝19c内での光ファイバー素線14
の余長吸収に余裕ができるため、電界強度の緩和との関
連で設定された長さの光ファイバー素線14を、支持体
11の外周に、一定の傾斜角度、一定のピッチで、支持
体11の一端から他端までの範囲に的確に巻回すること
が可能である。
【0080】このため、光ファイバー素線14の巻回さ
れた長さに大きなバラツキがなくて、光ファイバーの巻
回長さのバラツキに起因する光伝送特性にバラツキのな
い光ファイバー内蔵碍子を構成することができる。ま
た、各取付フランジ19に設けた環状溝19c内では、
光ファイバー素線14の曲げの半径を大きく取れるの
で、この点から光伝送特性を向上させることができる。
【0081】この場合、各取付フランジ19の環状溝1
9cを構成する外側環状壁部19dを内側環状壁部19
eに比較して先端側へ長く形成しているため、光ファイ
バー素線14の環状溝19cからの引き出し部分の電界
を緩和することができて、品質低下によるコロナ放電の
発生を防止することができる。また、各取付フランジ1
9の環状溝19cを、光ファイバー素線14が巻回され
て部分的に収納された状態で弾性体にて充填するように
すれば、環状溝19c内にて光ファイバー素線14の熱
収縮による内側環状壁部19eからの剥離を防止するこ
とができる。
【0082】また、光ファイバー素線14を支持体11
の外周に複数本を並列した状態で螺旋状に巻回して、支
持体11の外周に接着されているファイバー整線固定具
18にて整線して固定する構成としているため、光ファ
イバー素線14の支持体11の外周の対する固着性がよ
くて、光ファイバー素線14でのマイクロベンド、ボイ
ド、クラックの発生を防止することができるとともに、
光ファイバー素線14にテンションを付与を付与して
も、光ファイバー素線14には、ファイバー整線固定具
18にて支持されてその軸方向に作用力が付与されるだ
けであって、光ファイバー素線14が損傷するようなこ
とはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ファイバー内蔵有機絶縁装置で
ある光ファイバー内蔵碍子の一例を示す側面図である。
【図2】同光ファイバー内蔵碍子の一部を破断した側面
図である。
【図3】同光ファイバー内蔵碍子を構成する取付フラン
ジの一部を破断した側面図である。
【図4】同取付フランジにおける図3の矢印A方向から
見た正面図である。
【図5】同取付フランジにおける図3の矢印B方向から
見た部分側面図である。
【図6】同光ファイバー内蔵碍子を構成する光ファイバ
ー素線の導出部を示す部分断面図である。
【図7】同光ファイバー素線を取付フランジへ取付ける
ための取付プラグの断面図である。
【図8】同取付プラグの平面図(a)、および光ファイ
バー素線における把持部位の横断平面図(b)である。
【図9】同光ファイバー素線の支持体に対する接着固定
状態を示す部分断面図である。
【図10】同光ファイバー内蔵碍子を構成する支持体と
絶縁被覆体の貼着状態を示す部分断面図である。
【図11】同光ファイバー内蔵碍子における図2の矢印
C部分の部分断面図である。
【図12】光ファイバー素線の他の使用態様を示す断面
図である。
【図13】光ファイバー内蔵碍子の他の一例を示す一部
を破断した側面図である。
【図14】同光ファイバー内蔵碍子を構成する取付フラ
ンジの一部を破断した側面図である。
【図15】同取付フランジにおける図14の矢印D方向
から見た正面図である。
【図16】同取付フランジにおける図14の矢印E方向
から見た部分平面図である。
【図17】同取付フランジの部分拡大断面図である。
【図18】同光ファイバー内蔵碍子における光ファイバ
ー素線の導出部を構成する取付プラグの正面図である。
【図19】同光ファイバー内蔵碍子における図13の矢
印F部分の部分拡大断面図である。
【図20】同光ファイバー内蔵碍子における図13の矢
印G部分の部分拡大断面図である。
【図21】同光ファイバー内蔵碍子における図13の矢
印H部分の光ファイバー素線の整線固定状態を示す部分
拡大平面図(a)、および同図(a)の矢印I方向から
見た正面図(b)である。断面図である。
【図22】同光ファイバー内蔵碍子における光ファイバ
ー素線の整線固定部を縦断した部分拡大図である。
【図23】同光ファイバー内蔵碍子における図13の矢
印J部分の部分拡大図である。
【符号の説明】
10,10A…光ファイバー内蔵碍子、11…支持体、
12,13…取付フランジ、12a,13a…筒状本
体、12b,13b…外向フランジ部、12c,12
d,13c,13d…環状凹所、12e,13e…切欠
部、12f,13f…取付孔、14…光ファイバー、1
4a…金属パイプ、15…絶縁被覆体、15a…筒部、
15b…傘部、16…取付プラグ、16a…第1押圧部
材、16b…第2押圧部材、16c…第1受承部材、1
6d…第2受承部材、16e…把持部材、17a…接着
剤層、17b…緩衝層、17c…スペーサ、17d…テ
ープ、18…整線固定具、19…取付フランジ、19a
…筒状本体、19b…外向フランジ部、19c…環状
溝、19d…外側環状壁部、19e…内側環状壁部、1
9f…取付孔。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平9−178711 (32)優先日 平9(1997)7月3日 (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 内海 雄介 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 (72)発明者 横井 清吾 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 (72)発明者 武田 隆之 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 (72)発明者 水野 誠一 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】強化プラスチックからなる円筒状または円
    柱状の支持体と、同支持体の外周に沿って配置されて同
    支持体の一端から他端に延び一端側を課電側に接続され
    るとともに他端側を計測側に接続される光ファイバー
    と、前記支持体の外周に貼着されて同支持体と前記光フ
    ァイバーの外周を被覆する絶縁性の弾性材料からなる絶
    縁被覆体を備えてなる光ファイバー内蔵有機絶縁装置に
    おいて、前記光ファイバーは前記支持体の外周に螺旋状
    に巻回されていて、接着剤で全周を被覆された状態で同
    接着剤の接着剤層を介して前記支持体の外周に接着され
    ていることを特徴とする光ファイバー内蔵有機絶縁装
    置。
  2. 【請求項2】強化プラスチックからなる円筒状または円
    柱状の支持体と、同支持体の外周に沿って配置されて同
    支持体の一端から他端に延び一端側を課電側に接続され
    るとともに他端側を計測側に接続される光ファイバー
    と、前記支持体の外周に貼着されて同支持体と前記光フ
    ァイバーの外周を被覆する絶縁性の弾性材料からなる絶
    縁被覆体を備えてなる光ファイバー内蔵有機絶縁装置に
    おいて、前記光ファイバーは前記支持体の外周に、同支
    持体の長手方向の中央部を基準にして一端側と他端側で
    異なる向きの螺旋状に巻回されて接着固定されているこ
    とを特徴とする光ファイバー内蔵有機絶縁装置。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の光ファイバー内蔵有機絶
    縁装置において、前記光ファイバーは、接着剤で全周を
    被覆された状態で同接着剤の接着剤層を介して前記支持
    体の外周に接着されていることを特徴とする光ファイバ
    ー内蔵有機絶縁装置。
  4. 【請求項4】請求項1または2に記載の光ファイバー内
    蔵有機絶縁装置において、前記光ファイバーの各端部
    は、前記支持体の各端部に固定されている取付フランジ
    から液密的かつ気密的に導出されていることを特徴とす
    る光ファイバー内蔵有機絶縁装置。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の光ファイバー内蔵有機絶
    縁装置において、前記光ファイバーは各端部を取付プラ
    グに液密的かつ気密的に支持されていて、同取付プラグ
    が前記取付フランジに固定されていることを特徴とする
    光ファイバー内蔵有機絶縁装置。
  6. 【請求項6】請求項1または2に記載の光ファイバー内
    蔵有機絶縁装置において、前記光ファイバーの前記支持
    体の軸線に対する各螺旋状の傾斜角度は、前記光ファイ
    バーの常時印加される電圧の最大電界強度と同光ファイ
    バーの設定された期間耐える最低電界強度の比に基づい
    て決定されることを特徴とする光ファイバー内蔵有機絶
    縁装置。
  7. 【請求項7】請求項1または2に記載の光ファイバー内
    蔵有機絶縁装置において、前記光ファイバーの巻付け張
    力は0〜200gであることを特徴とする光ファイバー
    内蔵有機絶縁装置。
  8. 【請求項8】請求項1または2に記載の光ファイバー内
    蔵有機絶縁装置において、前記光ファイバーは複数本並
    列して配列されていることを特徴とする光ファイバー内
    蔵有機絶縁装置。
  9. 【請求項9】請求項1または2に記載の光ファイバー内
    蔵有機絶縁装置において、前記各光ファイバーは接着剤
    により全周を被覆された状態で、かつ互いに所定間隔を
    保持した状態で、前記支持体の外周に接着固定されてい
    ることを特徴とする光ファイバー内蔵有機絶縁装置。
  10. 【請求項10】請求項1または2に記載の光ファイバー
    内蔵有機絶縁装置において、前記光ファイバーは前記支
    持体の外周に複数本を並列した状態で螺旋状に巻回され
    ていて、同支持体の外周に接着されているファイバー整
    線固定具にて整線されて固定されていることを特徴とす
    る光ファイバー内蔵有機絶縁装置。
  11. 【請求項11】請求項10に記載の光ファイバー内蔵有
    機絶縁装置において、前記ファイバー整線固定具はその
    押さえ面に、前記光ファイバーを嵌合させる溝部を同光
    ファイバーの本数に対応する数だけ備えていることを特
    徴とする光ファイバー内蔵有機絶縁装置。
  12. 【請求項12】請求項1または2に記載の光ファイバー
    内蔵有機絶縁装置において、前記光ファイバーとして、
    光ファイバー素線または光ファイバー心線を採用するこ
    とを特徴とする光ファイバー内蔵有機絶縁装置。
  13. 【請求項13】請求項12に記載の光ファイバー内蔵有
    機絶縁装置において、前記光ファイバー素線または光フ
    ァイバー心線を構成する外層の表面が易接着処理されて
    いることを特徴とする光ファイバー内蔵有機絶縁装置。
  14. 【請求項14】請求項1または2に記載の光ファイバー
    内蔵有機絶縁装置において、前記接着剤はエポキシ樹脂
    系の熱硬化性接着剤であることを特徴とする光ファイバ
    ー内蔵有機絶縁装置。
  15. 【請求項15】請求項5記載の光ファイバー内蔵有機絶
    縁装置において、前記取付フランジは、所定長さの筒部
    と、同筒部の基端部から外周側に突出する外向フランジ
    部と、前記筒部の先端から基端部側へ延びる所定深さの
    環状溝を備え、前記光ファイバーは前記環状溝内に巻回
    されて部分的に収納された状態で前記取付フランジから
    導出されていることを特徴とする光ファイバー内蔵有機
    絶縁装置。
  16. 【請求項16】請求項15に記載の光ファイバー内蔵有
    機絶縁装置において、前記取付フランジの前記環状溝を
    構成する外側環状壁部は、同環状溝を構成する内側環状
    壁部に比較して先端側へ長く形成されていることを特徴
    とする光ファイバー内蔵有機絶縁装置。
  17. 【請求項17】請求項5に記載の光ファイバー内蔵有機
    絶縁装置において、前記取付プラグは、筒状の第1押圧
    部材と、同第1押圧部材が進退可能に螺合する筒状の第
    1受承部材と、同第1受承部材の内孔内に嵌合される第
    2受承部材と、前記第1受承部材の内孔内に嵌合されて
    前記第2受承部材に当接する弾力性を有する把持部材
    と、前記第1押圧部材の内孔内に嵌合されて前記第1受
    承部材の内孔内に臨み前記第1押圧部材の螺進時に前記
    把持部材および前記第2受承部材を前記第1受承部材側
    へ押圧する第2押圧部材とからなり、前記第1押圧部材
    を螺進させることにより前記把持部材を押圧変形して、
    前記第2押圧部材、前記把持部材および前記第2受承部
    材を挿通している光ファイバーの外周に前記把持部材を
    圧着するように構成されていることを特徴とする光ファ
    イバー内蔵有機絶縁装置。
  18. 【請求項18】請求項2に記載の光ファイバー内蔵有機
    絶縁装置の製造方法であり、前記光ファイバーを前記支
    持体の外周に巻回するに際して、同光ファイバーの各端
    部を前記支持体の各端部または同支持体の各端部に固定
    された取付フランジに固定し、両端部を支持された光フ
    ァイバーを同光ファイバーの中央部を把持した状態で前
    記支持体の周方向へ同支持体に対して相対的に回転して
    巻回して接着固定し、その後、前記絶縁被覆体を前記支
    持体の外周に一体成形にて形成することを特徴とする光
    ファイバー内蔵有機絶縁装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105047330A (zh) * 2015-08-27 2015-11-11 武汉华高高电压设备新技术有限公司 一种光纤绝缘子

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