JPH1172165A - バタフライバルブ - Google Patents

バタフライバルブ

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JPH1172165A
JPH1172165A JP413798A JP413798A JPH1172165A JP H1172165 A JPH1172165 A JP H1172165A JP 413798 A JP413798 A JP 413798A JP 413798 A JP413798 A JP 413798A JP H1172165 A JPH1172165 A JP H1172165A
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JP
Japan
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valve
box
inner peripheral
valve box
peripheral surface
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Application number
JP413798A
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English (en)
Inventor
Tamotsu Kuzuhara
保 葛原
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KUZUHARA KOGYO KK
Original Assignee
KUZUHARA KOGYO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 閉状態において高圧流体の漏洩を防ぐことが
でき、さらに流体遮断性(例えば、止水性)を向上した
バタフライバルブを提供する。 【解決手段】 弁箱と、弁棒と、弁棒の回動操作によっ
て弁体周縁部に配設された弾性体からなるシール部材の
少なくとも一部が該弁箱内周面に密接し、上流側から下
流側に流れる流体が遮断される閉状態と、該弁棒が貫通
する近傍以外の該弁体周縁部が該弁箱内周面から離間
し、上流側から下流側に流体が流れる開状態との間で切
り換え可能であって、直径方向に中心を挿通する該弁棒
用の空間が形成された円盤状の弁体と、を備えるバタフ
ライバルブにおいて、該弁箱内周面には、該弁箱内弁棒
嵌入孔から下流側に向かって縮径されてなる縮径構造が
形成され、閉状態において該弾性体からなるシール部材
が、縮径構造が形成された該弁箱内周面に密接するよう
に構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はバタフライバルブに
関し、より詳細には、閉状態において高圧の流体に耐え
て流体の漏洩を防ぐことができ、さらに流体遮断性(例
えば、止水性)を向上したバタフライバルブに関する。
【従来の技術】
【0002】従来からの一般的なバタフライバルブの弁
箱の内周の形状は円筒状であり、この円筒を貫通する弁
棒およびこの弁棒を挿通される弁体は、閉状態において
上流側から下流側に弁箱内部を流れる流体の圧力以上の
高圧の負荷に耐え、さらに下流側への流体の漏洩を防止
することができるシール機能を備えなければならない。
【0003】しかし、このような高圧の負荷に耐えるこ
とができるバタフライバルブの閉状態においては、流体
から弁体に加えられる圧力は、全て弁箱中の弁棒嵌入孔
に嵌入されている弁棒の部分により支えられているた
め、弁棒、弁体、弁箱などのバタフライバルブの構造、
特に弁箱中の弁棒嵌入孔に挿入されている弁棒の部分を
強固にする必要がある。このようにバタフライバルブの
構造を強固にするために、弁棒、弁体、弁箱などの厚み
を増すと、これらが大きくなり、そして重くなると言う
問題点がある。
【0004】閉状態において下流側への流体の漏洩を防
止する手段として、弾性体からなるシートリングを弁箱
の内周部から内側に突出するように設け、このシートリ
ングと弁体の止水面とを当接させる手段がある(例え
ば、実開平5−27437号公報を参照)が、弁体の止
水面とシートリングとの当接が弱すぎる場合には、流体
が下流側に漏洩する。一方、弁体の止水面とシートリン
グとの当接が強すぎる場合には、シートリングに永久ひ
ずみが生じ、このひずみから流体が下流側に漏洩する。
さらに、シートリングは弾性体から構成されているた
め、弾性体(例えば、ゴム)が劣化した場合にも流体が
下流側に漏洩するという問題点があった。
【0005】また、上記のような従来のバタフライバル
ブの閉状態においては、弁体周縁部に設けられ、弁箱内
周面に密接したシール部材が弁箱内周面を圧迫する力は
流体の圧力に関わらず一定であるので、高圧力の流体が
弁体を圧迫した場合には、シール部材の流体漏洩防止効
果が不完全となり、弁体周縁部と弁箱内周面との間から
下流側に流体が漏洩する場合があった。
【0006】一方、従来のバタフライバルブの開状態で
は、流体によって、少なくとも円盤状の弁体の周縁部か
ら弁体に圧力が加えられるので、この圧力も閉状態と同
様に、すべて弁箱中の弁棒嵌入孔に嵌入されている弁棒
の部分により支えられている必要があった。さらに、弁
棒および弁体が内蔵されている弁箱内部の形状は円筒状
であるので、弁棒および弁体がない部分(例えば、弁箱
内部と同一の直径を有する管)と比較して、弁棒および
弁体が備えられている部分の流体の流路は狭くなる。こ
のため、弁棒および弁体が流体に対する抵抗となり、流
体の圧力損失が生じるという問題点があった。
【0007】また、従来から、閉状態におけるバタフラ
イバルブの流体遮断性(例えば、止水性)を向上させる
ため、例えば、流体が流れていない状態において、円筒
形の弁箱内周面の直径より小さな外径を有する軟弾性の
シールリングを弁体の外周面に備え、流体が流れている
状態において、その流体の圧力を利用してそのシールリ
ングを外径方向に押し出し、弁箱内周面に密着させるバ
タフライバルブが開発されている(実開平4−2507
3号公報を参照)。
【0008】しかし、上記のような従来のバタフライバ
ルブにおいては、弁体外周面に備えられ、シールリング
が軟弾性であるので、高圧の流体に耐えられないという
問題点がある。
【0009】さらに、シールリングは、流体が流れてい
ない状態において、円筒形の弁箱内周面の直径より小さ
い外径を有し、そして弁体に流体からの圧力が加えられ
ているような閉状態において弁体内面から弁箱内周面に
向かって押し広げられ、弁箱内周面に密着する。このよ
うにシールリングが弁体内面から弁箱内周面に向かって
押し広げられるためには、大きなエネルギーを必要と
し、さらにこのように押し広げられている状態で、弁体
を開閉すると、シールリングが外径方向に向かって押し
広がる力、流体の圧力などにより、シールリングが弁体
から外れ、バタフライバルブが損壊してしまう問題点が
ある。
【0010】また、上記のように閉状態では、シールリ
ングが外径方向に向かって押し広げられて弁箱内周面に
密着する構造において、シールリングが弁体から大きく
押し広げられて弁箱内周面に密着した場合、シールリン
グが流体の圧力の影響を受け、シールリングが下流側に
押圧され、これによりシールリングが外径方向からわず
かに傾斜し、流体の漏洩が生じる場合がある。さらに、
弁体を開閉する際には大きな力を必要とし、これにより
シールリングが弁体から外れたり、摩耗する場合があ
る。一方、シールリングが弁体からほとんど押し広げら
れず弁箱内周面に密着した場合、シールリングが充分に
弁箱内周面を押圧せず、充分な流体遮断効果が得られな
い。
【0011】さらに、バタフライバルブ内部を流れる流
体が水である場合、水中に含まれるカルシウムなどの不
純物がシールリングの表面に固着物(スケール)として
付着し、このスケールにより弾性体からなるシールリン
グが充分に弁箱内周面を押圧できなかったり、完全に閉
状態にすることができなくなるという問題点もあった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
解決するためになされ、その目的とするところは、閉状
態において高圧の流体に耐えて流体の漏洩を防ぐことが
でき、さらに流体遮断性(例えば、止水性)を向上した
バタフライバルブを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係るバタフライバルブは、弁箱と、弁箱内
周面の少なくとも1カ所に設けられた弁箱内弁棒嵌入孔
に回動自在かつ水密状態に嵌入する弁棒と、弁棒の回動
操作によって弁体周縁部に配設された弾性体からなるシ
ール部材の少なくとも一部が弁箱内周面に密接し、上流
側から下流側に流れる流体が遮断される閉状態と、弁棒
が貫通する近傍以外の弁体周縁部が弁箱内周面から離間
し、上流側から下流側に流体が流れる開状態との間で切
り換え可能であって、直径方向に中心を挿通する弁棒用
の空間が形成された円盤状の弁体と、を備えるバタフラ
イバルブにおいて、弁箱内周面には、弁箱内弁棒嵌入孔
から下流側に向かって縮径されてなる縮径構造が形成さ
れ、閉状態において弾性体からなるシール部材が、縮径
構造が形成された弁箱内周面に密接するように構成され
ていることを特徴とする構成とした。
【0014】1つの実施態様においては、弁箱は弁箱本
体と内空略円筒形の弁箱アダプターとからなり、弁箱ア
ダプターが、弁箱内弁棒嵌入孔から下流側にわたる弁箱
本体内周面に密着し、弁箱アダプター内周面の少なくと
も一部が下流側に向かって縮径されていることによって
前記縮径構造が形成され得る。
【0015】1つの実施態様においては、弾性体からな
るシール部材が配設された弁体周縁部以外の上流側の前
記弁体の中央部と弁棒との間に空隙が形成されており、
閉状態において上流側からの流体の圧力により弁体が下
流側に偏移して、弾性体からなるシール部材が、縮径構
造により圧縮されるように構成され得る。
【0016】1つの実施態様においては、弾性体からな
るシール部材が配設された弁体周縁部以外の下流側の弁
体の中央部と弁棒との間に空隙が形成されており、弁箱
内周面には、弁箱内弁棒嵌入孔から上流側に向かって縮
径されてなる縮径構造が形成され、閉状態において、下
流側からの逆流状態の流体の圧力により、弁体が上流側
に偏移して、弾性体からなるシール部材が、縮径構造が
形成された弁箱内周面に密接するように構成され得る。
【0017】1つの実施態様においては、空隙に弾性体
が装填され得る。
【0018】1つの実施態様においては、弾性体からな
るシール部材が配設される弁体周縁部は断面凹状であ
り、そして断面凹状の弁体周縁部は、弁体中心側に向か
って拡幅し、弁体周縁部に向かって縮幅し得る。
【0019】1つの実施態様においては、弁箱内弁棒嵌
入孔から弁箱内周面に沿ってほぼ円環状の溝が設けら
れ、閉状態において、弁体周縁部に配設された弾性体か
らなるシール部材の少なくとも一部が、溝に挿入され得
る。
【0020】1つの実施態様においては、溝の角部はR
状に曲成され得る。
【0021】1つの実施態様においては、溝に、シール
部材として配設される弾性体より弱い弾性体からなるシ
ールパッキンが埋入され、閉状態において、シール部材
の少なくとも一部が、シールパッキンを押圧し、シール
部材とシールパッキンとが密着し得る。
【0022】1つの実施態様においては、シールパッキ
ンが埋入される溝が、弁箱中心方向に向かって縮幅し、
弁箱外部方向に向かって拡幅し得る。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明を図面と共にさらに詳しく
説明する。
【0024】図1は、本発明に係るバタフライバルブ
(1)の平面図であり、図2は、本発明に係るバタフラ
イバルブ(1)の縦断面図である。図3は、本発明に係
るバタフライバルブ(1)に係る正面図である。図1、
図2および図3に概略されるように、本発明に係るバタ
フライバルブ(1)は、弁箱(2)、弁棒(3)、弁体
(4)およびハンドル(5)を備えている。図4は、図
2をさらに詳細に説明する図である。図5は、本実施例
において用いられるハンドル(5)の概略的に説明する
図であり、図4の点線イで示される領域の拡大図でもあ
る。図6は、ハンドル(5)の概略図を示す断面図であ
る。図7は、図4のA−A断面斜視図であり、弁体
(4)およびそれに挿貫されている弁棒(3)を表す。
図8は、図4において弁体(4)と弁箱(2)とが接し
ている状態をさらに詳細に説明する拡大図、すなわち、
図4の点線ロで示される領域の拡大図であり、図9は図
8をさらに拡大した図である。図16は、図4における
B−B線で切った斜視図である。
【0025】本発明のバタフライバルブ(1)は、管
(例えば、水道管)に連結されて用いられるため、図
1、図2、図3などに示すように、弁箱(2)の端に外
フランジボルト孔(111)を穿設された外フランジ
(11)を設けるか、あるいは弁箱の端に雌ねじを刻設
された外フランジを設けることが好ましい。この外フラ
ンジボルト孔(111)にボルト(図示せず)を挿貫
し、このボルトとナット(図示せず)とで水道管などに
本発明のバタフライバルブ(1)が接続される。
【0026】(弁箱の外形について)弁箱(2)の外形
は、図2、図3、図21、図22、図31、図32など
に示すように短い円筒形をしている。弁箱(2)は、弁
箱内部を流れる流体の圧力に耐え得ることができること
ができる限り、任意の材料から作製されるが、流体の圧
力に十分耐え得るという観点から、鋳物成形により作製
されるか(図2および図3)、あるいはステンレス(図
21および図22)、鉄、および強化プラスチック(図
31および図32)で作製されることが好ましい。
【0027】(鋳物成形により弁箱(2)が作製される
場合)鋳物成形により弁箱(2)が作製される場合に
は、図3及び図4のように、外フランジ(11)と弁箱
(2)との間からの流体の漏出を効率よく防止するため
に、外フランジ(11)と弁箱(2)とを一体成形する
ことが好ましい。また、鋳物成形により弁箱(2)が作
製される場合には、ステンレス、鉄、および強化プラス
チックで弁箱(2)が作製される場合と比較して、弁箱
内周面(22)と弁箱外周面(20)との間には空間が
形成されない。このため、弁体(2)がより丈夫にな
り、弁箱(2)内を流れるより高圧の流体に耐えること
ができる。
【0028】(ステンレス、鉄、および強化プラスチッ
クで弁箱(2)が作製される場合)ステンレス、鉄、お
よび強化プラスチックで弁箱(2)が作製される場合に
は、弁箱(2)の軽量化を図ることができる。この場合
には、図21および図25、ならびに図31および図3
5に示されるように、弁箱外周面(20)と弁箱内周面
(22)との間に空間(201)が形成され得るが、こ
の空間(201)には、プラスチック、弾性体などの補
強部材(202)を嵌合または装填することが好まし
い。なぜなら、この空間(201)に嵌合または装填さ
れた補強部材(202)によって、弁箱内周面(22)
に流体から加えられる圧力が支持され、弁箱内を流れる
流体の圧力による弁箱内周面(22)の形状変化を防止
することができるからである。
【0029】弁箱内を流れる流体の圧力が均一に支持さ
れるという観点から、補強部材(202)は、弁箱外周
面(20)と弁箱内周面(22)との間の空間(20
1)に対応した形状を有することが好ましい。この場
合、補強部材(202)は弾性体からなり、わずかなが
ら弁箱(2)の外に出ていることが好ましい。なぜな
ら、そのような補強部材(202)を備えたバタフライ
バルブ(1)を、フランジ(図示せず)を取り付けた管
(図示せず)に連結した際には、弾性体からなる補強部
材(202)がその管のフランジにより押圧されること
により弾性圧縮され、シール材としての役割を有するか
らである。また、弾性圧縮された補強部材(202)
は、弁箱内周面(22)を押圧するので、弁箱内を流れ
る流体の圧力による弁箱内周面(22)の形状変化をさ
らに防止することができるからである。なお、図22お
よび図32に示すように、この場合、弁箱(2)の上部
には、弁箱(2)と後述する弁棒カバー(30)とを補
強するために、リブ1(29)が弁体(2)と一体成形
されていることが好ましい。
【0030】(弁箱の内側について)上流側から下流側
に流れる流体が通過する弁箱内部の弁箱内周面(22)
の形状は、弁箱内周面(22)の少なくとも1カ所に設
けられた弁箱内弁棒嵌入孔(23)から下流側に向かっ
て縮径されてなる縮径構造となっている。流体から弁体
に加えられ、弁棒に伝わった圧力を充分に支持するた
め、弁箱内弁棒嵌入孔(23)は、弁箱上部(211)
および弁箱下部(212)にそれぞれ計2カ所に設けら
れることが好ましい。すなわち、例えば、閉状態と開状
態との間での弁棒(3)の回動操作を弁箱(2)外部か
ら制御する場合(例えば、ハンドル(5)、レバー
(6)などにより制御する場合)には、弁箱内弁棒嵌入
孔(23)として、弁箱上部(211)に弁箱内弁棒嵌
通孔(231)を、そして弁箱下部(212)に弁箱内
弁棒嵌入孔(232)をそれぞれ設けることが好まし
い。この場合には、図21に示されるように、弁箱内弁
棒嵌通孔(231)の内周面には、円筒状の弁棒カバー
(30)を弁箱内弁棒嵌通孔(231)内部から突出す
るように設け、この弁棒カバー(30)と弁体(4)と
の間には、弁棒(3)の回動時における弁箱(2)と弁
棒(3)との間および弁棒(3)と弁箱カバー(30)
との間の焼き付きおよび接触抵抗を軽減するために、金
属または合金(例えば、銅合金)からなる円筒状のブッ
シュ(24)が弁棒(3)に嵌通されるように設けられ
ていることが好ましい。
【0031】弁箱内周面(22)に閉状態において弁体
周縁部(42)が密接する弁体(4)の作製が容易であ
るという観点から、弁箱上部(211)および弁箱下部
(212)の縮径構造は同一であることが好ましい。好
ましい縮径構造としては、階段状、坂状、湾曲状、球面
状などが挙げられ、以下で説明するシール部材(43)
の偏移による流体漏洩防止効果の観点から、図4、図2
1、図31などに示すように、球面状であることがより
好ましい。なお、流体遮断性および弁体周縁部(42)
にシール部材(43)が設けられた弁体(4)の回動の
観点から、縮径構造が形成される弁箱内周面(22)の
表面は平滑であることが好ましい。
【0032】本発明のバタフライバルブの弁箱(2)に
は、さらに弁箱内弁棒挿通孔(25)から上流側に向か
って縮径されてなる縮径構造が形成されていてもよい。
すなわち、このようなバタフライバルブ(1)の弁箱内
周面(22)の形状は、弁箱内周面の少なくとも1カ所
に設けられた弁箱内弁棒嵌入孔(23)から、下流側だ
けでなく、上流側に向かっても縮径されてなる縮径構造
となっている。このような縮径構造としては、上記の記
載通りである。好ましくは、上記と同様に、弁箱内周面
(22)の形状は平滑な球面状であることが好ましい。
また、バタフライバルブの作製を容易にすると言う観点
から、弁箱内弁棒嵌入孔(23)から下流側への縮径構
造と、弁箱内弁棒嵌入孔(23)から上流側への縮径構
造は同一であることが好ましい。このように縮径構造が
上流側にも形成されることにより、後述するように本発
明に係るバタフライバルブ(1)は逆流防止弁としても
用いられ得る。
【0033】弁体(4)を開状態から閉状態に回動させ
る際に、ゴムなどの弾性体からなるシール部材(43)
が、縮径構造の一部として弁箱内周面(22)の下流末
端のエッジにより切除、損傷などされないよう、図4の
ように、弁箱内周面(22)の下流末端をなだらかな曲
面状にして面取り(223)を施こすことが好ましい。
なお、上流側から下流側に流れる流体としては、特に限
定されず、例えば、気体、流動体、液体なとが挙げられ
る。
【0034】(弁箱内周面に設けられた円環状の溝につ
いて)弁箱内周面(22)には、この弁箱内弁棒嵌入孔
(23)から弁箱内周面(22)に沿って、ほぼ円環状
の溝(25)が設けられていることが好ましい。より詳
細には、図12のように、この弁箱内弁棒嵌入孔(2
3)から弁箱内周面(22)に沿って設けられたほぼ円
環状の溝(25)は、上記のように流体流動方向に垂直
になるように弁箱内周面(22)に設けられ、直径方向
に弁棒(3)が貫通する。弁箱内周面(22)にこのよ
うな溝(25)が設けられることにより、閉状態におい
て、弁棒の回動操作によって後述する弁体周縁部(4
2)に配設された弾性体からなるシール部材(43)の
少なくとも一部が溝(25)内部の壁に弾性圧縮した状
態で押圧密接し、さらなる流体遮断効果が得られる。こ
の場合には、閉状態における流体遮断性をより高めると
いう観点から、図13のように、この溝(25)には、
シール部材(43)に用いられる弾性体より弱い弾性体
からなり、円環状の溝の形状に対応したシールパッキン
(26)を埋入することが好ましい。なぜなら、溝(2
5)にシールパッキン(26)を埋入しない場合には、
閉状態において、弾性体からなるシール部材(43)と
弁箱(2)との間に空隙4(図示せず)ができる場合が
あるが、図13のように、溝(25)にシールパッキン
(26)を埋入した場合には、閉状態において、図14
のように、弾性体からなるシール部材(43)がシール
パッキン(26)を押圧して密着し、流体遮断性がより
高まるからである。
【0035】本明細書において弾性体の強弱について
は、同一の外力を2つの弾性体に加えた場合、より弾性
変形が大きい弾性体がより弱い弾性体であり、一方、よ
り弾性変形が小さい弾性体がより強い弾性体である。
【0036】溝(25)の断面形状は、特に限定され
ず、ちょうど凹状になっていてもよいが、図13に示す
ように、角部をR状に曲成し、R状部分(251)とす
ることが好ましい。なぜなら、弁棒(3)の回動操作に
よって弁体(4)の開閉をする際に、弁体周縁部(4
2)に設けられた弾性体からなるシール部材(43)が
なめらかに回動し、シール部材(43)が傷むことを軽
減することができるからである。また、シールパッキン
(26)が埋入される場合には、図13に示すように、
弁箱中心方向に向かって縮幅しており、弁箱外部方向に
向かって拡幅していることが好ましい。なぜなら、この
ような構造を有する溝(25)にシールパッキン(2
6)を備えることにより、開状態と閉状態との間で弁体
(4)を回動させ、弁体周縁部(42)がシールパッキ
ン(26)を摺動する際に、シールパッキン(26)が
溝(25)から外れにくくなるからである。
【0037】溝(25)の幅は、上記のような閉状態に
おける流体遮断性を向上させる観点から、図14に示す
ように、弁体周縁部(42)に配設されるシール部材
(43)の幅より狭いことが好ましい。溝(25)の幅
が、シール部材(43)の幅より広い場合には、弁体
(4)が流体から押圧された場合であっても、シール部
材(43)の少なくとも一部が、溝(25)内部の壁
(252)に弾性圧縮した状態で押圧密接せず、流体遮
断効果が充分に得られない場合があるからである。
【0038】(弁箱の作成方法)このような弁箱の製作
方法は任意であるが、例えば、以下に説明する方法が挙
げられる: 1. 弁箱内弁棒嵌入孔(23)となる溝を備え、内周
面(22)を上記に記載したような所定の形状にし、さ
らに内フランジ(12)を一端に設けた半弁箱(2A)
(2B)を2つ用い、弁棒(3)の一部を溝に備え付け
た状態で左右対称に2つの半弁箱(2A)(2B)の内
フランジ(12)同士を当接した状態で連結手段により
固定して弁箱(2)を製作する方法 この方法は、弁箱の製作が容易であるという利点を有す
る。なお、この方法において用いられる連結手段として
は、(1−A) 内フランジ(12)に内フランジボル
ト孔(121)を穿設し、このボルト孔にボルト(12
2)を挿貫し、ボルト(122)およびナット(12
3)により内フランジ(12)同士を連結する手段(図
1を参照)、(1−B) 内フランジ(12)同士の当
接面を溶接して連結する手段、および(1−C) 一方
または両方の内フランジの当接面に接着剤を塗布して連
結する手段が挙げられる。なお、このような半弁箱(2
A)(2B)は、上記で説明したように、鋳物成形によ
り製作するか、あるいはステンレス、鉄、および強化プ
ラスチックをプレス成形などで所定の形状に成形するこ
とにより作製されることが好ましい。
【0039】2. 図42などに示すように、弁箱内弁
棒嵌入孔(23)を備え、内周面(22)を上記に記載
したような所定の形状にした弁箱本体(27)と、内空
略円筒形の弁箱アダプター(28)とから弁箱(2)を
構成し、弁箱アダプター内周面(282)は、その少な
くとも一部が下流側に向かって縮径されており、弁箱本
体(27)を弁箱内弁棒嵌入孔(23)から下流側にわ
たる弁箱本体内周面(271)が平面となるように鋳物
成形により製作し、その弁箱本体内周面(271)の少
なくとも一部に、弁箱アダプター(28)を密接した状
態で嵌合させて弁箱(2)を作製する方法 弁箱(2)を鋳物成形により一体製作する場合、はじめ
から弁箱内周面(22)に縮径構造を形成してしまう
と、弁棒(3)などを弁箱(2)内に装着できない場合
があるが、上記の方法では、弁箱アダプター(28)が
密接する弁箱内弁棒嵌入孔(23)から下流側にわたる
弁箱本体内周面(271)が平面となるように鋳物成形
により弁箱本体(27)を製作し、この状態で弁体
(4)、弁棒(3)などを弁箱本体(27)に取り付
け、次いで上記のような形状の弁箱アダプター(28)
を弁箱本体内周面(271)の少なくとも一部に弁箱ア
ダプター(28)を密接した状態で嵌合させて弁箱
(2)を作製する。これにより、弁箱(2)を鋳物成形
により一体製作した場合であっても、弁棒(3)などを
弁箱(2)内に装着できない場合がなくなる。
【0040】(弁棒(3)について)弁棒(3)は、弁
箱内周面(22)の少なくとも1カ所に設けられた弁箱
内弁棒嵌入孔(23)に回動可能かつ水密状態に嵌入さ
れる。弁棒(3)の耐久性を向上させるという観点か
ら、弁棒(3)は、弁箱上部(211)および弁箱下部
(212)にそれぞれ設けられた弁箱内弁棒嵌入孔(2
3)に回動可能に挿入されていることが好ましい。図4
に示されるように、弁箱外部から弁棒(3)を回動させ
ることを可能にするために、弁箱上部(211)に設け
られた弁箱内弁棒嵌入孔(23)を貫通構造にして弁箱
内弁棒嵌通孔(231)とし、弁棒(3)を弁箱(2)
外に突出させ、この突出した弁棒の一端にハンドル
(5)を設ける構造として、閉状態と開状態との間で弁
棒(3)および弁体(4)の同時回動を行ってもよい。
また、弁棒(3)および弁体(4)を同時回動させるた
めには、ハンドル(5)の他、レバー(6)もまた用い
られ得る。
【0041】(弁棒の形状について)弁棒(3)の形状
は、弁棒(3)が回動自在であれば任意の形状が用いら
れるが、弁棒(3)にかけられるトルクを弁体(4)に
伝え、弁棒(3)と弁体(4)との同時回動を容易にす
るという観点から、角柱または楕円柱の形状が好まし
い。また、弁棒(3)の形状は一端部から他端部まで同
一の形状である必要はなく、例えば、図15に示すよう
に、一部が円柱形状(31)であり、そして他部が角柱
形状(32)であってもよい。
【0042】(弁体(4)について)弁体(4)は、シ
ール部材(43)および円盤状の弁体本体(41)を備
え、閉状態と開状態との間で弁棒(3)と同時回動す
る。
【0043】(弁体本体(41)について)弁体本体
(41)の形状は、閉状態において弁箱内部(21)を
流れる流体を確実に遮断できるという観点から、円盤形
が好ましい。また、円盤形の弁体本体(41)の直径
は、弁箱内周面中央部(221)近傍の溝(25)が設
けられていない弁箱内周面(22)の直径よりわずかに
小さく、弁体本体(41)と弁箱内周面(22)との間
には、図17、図18、図19などに示すように、上流
側から流れる流体が閉状態の弁体(4)を圧迫した際
に、弁体(4)が上流側から下流側に偏移できるよう
に、空隙3(45)が形成されていることが好ましい。
円盤形の弁体本体(41)がこのような直径を有するた
め、閉状態において流体からシール部材(43)に与え
られる影響を最小限に抑えることができる。
【0044】弁体本体(41)は、閉状態において上流
側から下流側に流れる流体を遮断するに十分な強度を有
する材料から構成され、このような材料としては特に限
定されないが、例えば、金属およびプラスチックが挙げ
られる。弁体本体(41)は円盤状であり、弁棒(3)
の形状に合わせて成形され、直径方向に中心を貫通する
弁棒用の空隙2(44)を備える。
【0045】空隙2(44)は、少なくとも上記のよう
に弁棒(3)を挿通されることができればよく、弁棒
(3)を挿通した際には、その空隙2(44)に弁棒
(3)が完全に収納され、空隙2(44)がなくなって
もよいが、弁棒(3)を挿通された際であっても、弁棒
(3)は空隙2(44)の一部を占めるにすぎず、後述
するように、上流側の弁体本体(41)と弁棒(3)と
の間には、上流側から流れる流体が閉状態の弁体(4)
を圧迫した際に、弁体(4)が上流側から下流側に偏移
できるように、空隙2(44)が残されていることが好
ましい。この空隙2(44)には、上流側から流れる流
体が閉状態の弁体(4)を圧迫して弁体(4)が弁棒
(3)に着接する際に、弁体(4)が弁棒(3)に与え
るショックを緩和するために、弾性体(441)が装填
されていても良い。このような弾性体としては、例え
ば、ゴム(442)およびバネが挙げられる。なお、空
隙2(44)、弾性体(441)などは、上流側の弁体
本体(41a)と弁棒(3)との間だけでなく、下流側
の弁体本体(41b)と弁棒(3)との間にも設けられ
ていることが好ましい。
【0046】(「閉状態」「開状態」の定義)本明細書
において、「閉状態」とは、弁体の周縁部に備えられた
シール部材の全体が、弁箱の内周面に密接し、上流側か
ら下流側に流体が流れない状態を指す。一方、本明細書
において、「開状態」とは、弁棒が貫通する近傍以外の
弁体の周縁部の大部分が弁箱の内周面から離間し、その
空隙を上流側から下流側に流体が流れる状態を指す。
【0047】(弁体(4)のシール部材(43)につい
て)図20に示されるような形状を有するシール部材
(43)は、図16に示すように、弁体周縁部(42)
に環状に配設され、閉状態において弁箱内周面(22)
に押圧密接する。このようなシール部材(43)は、閉
状態において弁箱内周面(22)と弁体周縁部との間か
ら流体が漏洩することを防止し、さらに外力により弾性
圧縮が可能である弾性体から構成される。このような弾
性体としては、例えば、ゴムが挙げられる。すなわち、
シール部材(43)は、閉状態においてその少なくとも
一部が弁箱内周面(22)に押圧密接する。なお、シー
ル部材(43)には、弁棒(3)が挿通する部分には、
少なくとも1つのシール部材内弁棒嵌通孔(431)が
設けられている。上記のように、弁箱内弁棒嵌入孔(2
3)が弁箱上部(211)および弁箱下部(212)に
そえれぞれ設けられることが好ましいため、シール部材
(43)において弁棒(3)が挿通する部分には、図2
0に示すように、2つのシール部材内弁棒嵌通孔(43
1)(432)が設けられることが好ましい。
【0048】シール部材(43)は、弁体周縁部(4
2)に備えられればよいが、上流側から流れる流体が閉
状態の弁体(4)を圧迫する際に、シール部材(43)
が弁体周縁部(42)から剥離することを防止するため
に、図7、図14などに示すように、弁体周縁部(4
2)を凹状にして、その凹状の部分に挟備されることが
好ましい。また、開状態と閉状態との間で弁体(4)を
回動させる際に、シール部材(43)を弁体周縁部(4
2)から外れにくくするために、図7、図14などに示
すように、弁体中心側に向かって拡幅し、弁体周縁部に
向かって縮幅した構造とすることが好ましい。
【0049】本発明においては上記のような弁箱(2)
および弁体(4)が用いられるため、図17および図1
8、ならびに図29などに示すように、閉状態において
矢印Fに示すような右方向からの流体に弁体(4)が圧
迫されると、弁体(4)と弁棒(3)との間に形成され
ている空隙2(44)が圧縮され(この間にゴムなどの
弾性体(441)が挟装されている場合には、その弾性
体も圧縮され)弁棒(3)に力が加えられる。この力
は、従来のバタフライバルブと同様、弁棒が弁体に嵌入
している弁棒嵌入孔に伝わることによって支えられる
が、流体から弁体(4)に加えられた力は、弁棒(3)
だけでなく、以下に説明されるように、シール部材(4
3)によっても支えられる。
【0050】流体により上流側の弁体(4a)が圧迫さ
れると、弁体(4)と弁棒(3)との間に、空隙2(4
4)が形成されているため、この空隙2(44)あるい
は空隙に装填された弾性体(441)が圧縮されなが
ら、弁体(4)は下流側にわずかに偏移する。このよう
に弁体(4)が下流側に偏移すると、弁箱内周面(2
2)は弁箱内周面中央部(221)から弁箱内周面終端
部(222)にかけて球面状に縮径されているので、ゴ
ムから構成されている下流側のシール部材(43b)は
圧縮され、下流側の弁箱内周面(22b)から下流側の
シール部材(43b)に抗力が発生する。この抗力によ
っても、流体から弁体(4)に加えられた圧力は支えら
れる。従って、流体から加えられる圧力は、弁棒(3)
にはあまりかからず、主としてシール部材(43)にか
かるので、弁棒(3)を必要以上に丈夫にすることがな
くなる。
【0051】また、このようにゴムからなるシール部材
(43)が圧縮されると、下流側のシール部材(43
b)と下流側の弁箱内周面(22b)との密着性が高ま
るので、水密性がさらに増す。従って、下流側の弁箱内
周面(22b)と弁体周縁部との間で空隙ができず、上
流側から下流側に流れる流体が弁箱内周面(22)と弁
体周縁部との間から漏れ出すことがさらに効果的に防止
される。
【0052】さらに高い圧力を有する流体によって上流
側の弁体(4a)が圧迫された場合、下流側の弁体本体
(41b)が下流側の弁箱内周面(22b)に当接し、
空隙3(45)が存在しなくなる。従って、下流側のシ
ール部材(43b)と同様に、下流側の弁体本体(41
b)が、下流側の球面状の弁箱内周面(22b)に接す
ることによっても、下流側の弁箱内周面(22b)から
下流側の弁体本体(41b)に抗力が発生するので、上
流側の弁体(4a)から伝えられた圧力を支えることが
でき、流体が上流側から下流側に漏洩することがさらに
より効果的に防止される。
【0053】また、ハンドル(5)およびレバー(6)
を除き、弁箱(2)、弁棒(3)、および弁体(4)を
上記のような左右対称型とすることにより、弁体(4)
に加えられる圧力が上流側から下流側へと下流側から上
流側へとの間で交互に変化する場合には、上流側のシー
ル部材(43a)および下流側のシール部材(43b)
がそのような変化にそれぞれ順応して圧縮されるので、
上記と同様に、流体から弁体(4)に加えられた圧力
は、弁棒(3)だけでなくシール部材(43)によって
も支えられる。また、流体の圧力が高い場合には、弁体
本体(41)もそのような変化に順応して弁箱内周面
(22)に交互に当接するため、上流側から下流側へと
下流側から上流側へとの間で交互に変化する流体圧力を
減衰することができる。従って、万一下流側から流体圧
力を受けた場合であっても、弁箱(2)、弁棒(3)、
弁体(4)を上記のような左右対称型であるので、本発
明のバタフライバルブ(1)は逆流防止弁としての役割
を発揮する。
【0054】バルブの開状態には、弁箱内部(23)の
弁棒(3)および弁体(4)は流体圧力の損失原因とな
るが、弁箱内部(23)の形状は球状であるので、流体
の流路が狭められず、流体の圧力損失が生じにくいとい
う利点がある。また、閉状態と同様に、開状態において
も弁箱内周面中央部(221)に接する弁箱内周面中央
部(24)近傍のシール部材(43)は流体からの圧力
により圧縮され、そして弁箱内周面より抗力を受けるの
で、開状態においても流体から弁体(4)に加えられた
圧力は、弁棒(3)だけでなくシール部材(43)によ
っても支えられる。
【0055】上記のようにして、特に閉状態において流
体から弁体(4)に加えられる圧力が弁棒(3)だけで
なく、シール部材(43)によっても支えられるので、
弁棒(3)および弁体(4)の強度、弁棒(3)の太
さ、および弁体(4)の厚みを減らすことができる。こ
のように、弁棒(3)および弁体(4)の強度、弁棒
(3)の太さ、および弁体(4)の厚みを減らすことに
よって、開状態において流体から弁体(4)に加えられ
る圧力が減少し、流体の圧力損失をより効果的に防止し
得る。さらに、バタフライバルブ(1)全体の重量を軽
減することができる。
【0056】(弁体の作成方法)弁体(4)の作製方法
は特に限定されないが、例えば、直径方向に中心を挿通
する弁棒用の空隙2(44)が形成されるように、ほぼ
平板円盤状の金属板を、直径方向を隆起させた形状にプ
レス成形して半弁体本体(41A)(41B)を製作
し、次いでこの一方の半弁体本体(41A)に弁棒
(3)を挿通し、半弁体本体(41A)(41B)同士
を当接させ、次いで半弁体本体(41A)(41B)同
士の当接部分を溶接(例えば、スポット溶接)するか、
あるいは半弁体本体(41A)(41B)同士を当接さ
せた状態で、半弁体本体(41A)(41B)に貫通孔
を穿設し、これにボルト(図示せず)およびナット(図
示せず)により半弁体本体(41A)(41B)同士を
連結する方法が挙げられる。漏水防止の観点から、前者
の方法が好ましい。
【0057】
【実施例】以下、本発明を以下の実施例と共により詳細
に説明するが、以下の実施例は例示の目的にのみ用いら
れ、限定の目的に用いられてはならない。
【0058】(実施例1)図1から図20は、実施例1
に係るバタフライバルブ(1)を説明する為に用いられ
る図である。また、上記の発明の実施の形態および他の
実施例において参考としても用いられる。図1は、本実
施例1に係るバタフライバルブ(1)の平面図であり、
図2は、本実施例1に係るバタフライバルブ(1)の縦
断面図である。図3は、本実施例1に係るバタフライバ
ルブ(1)に係る正面図である。図1、図2および図3
に概略されるように、本実施例1のバタフライバルブ
(1)は、弁箱(2)、弁棒(3)、弁体(4)および
ハンドル(5)を備えている。図4は、図2をさらに詳
細に説明する図である。図5は、本実施例において用い
られるハンドル(5)の概略的に説明する図であり、図
4の点線イで示される領域の拡大図でもある。図6は、
ハンドル(5)の概略図を示す断面図である。図7は、
図4のA−A断面斜視図であり、弁体(4)およびそれ
に挿貫されている弁棒(3)を表す。図8は、図4にお
いて弁体(4)と弁箱(2)とが接している状態をさら
に詳細に説明する拡大図、すなわち、図4の点線ロで示
される領域の拡大図であり、図9は図8をさらに拡大し
た図である。図16は、図4におけるB−B線で切った
斜視図である。
【0059】図1および図3に示すように、本実施例1
のバタフライバルブ(1)は、弁箱(2)の両端に外フ
ランジボルト孔(111)を穿設された外フランジ(1
1)を備えている。この外フランジボルト孔(111)
にボルトを挿貫し、このボルトおよびナットを用いて水
道管などに接続する。
【0060】(弁箱(2)について)弁箱(2)は、図
2および図3に示すように短い円筒形をしており、図2
に示すように円筒の両端には外フランジ(11)が設け
られている。
【0061】図4に示すように、弁箱(2)は、弁棒
(3)が弁箱上部(211)に回動可能かつ水密状態に
貫通するための弁箱内弁棒嵌通孔(231)を備え、弁
箱下部(212)に弁棒(3)が回動可能かつ水密状態
に嵌入する弁箱内弁棒嵌入孔(232)を備えている。
弁箱内周面中央部(221)から弁箱内周面終端部(2
22)にかけての弁箱内周面(22)の形状は、図10
に示すように、弁体本体(41)を形成する円盤の半径
よりもわずかに大きい半径の球を、鉛直直径を対称軸と
する2面で鉛直に切断することにより形成される球の一
部の球面の形状となっていることにより、縮径構造が形
成されている。また、図4に示すように、弁箱内周面終
端部(222)にはなだらかな曲面状の面取り(22
3)が施されている。このような面取り(223)を施
すことにより、弁体(4)を開状態から閉状態に回動さ
せる際に、弁箱内周面終端部(222)によってゴムか
らなるシール部材(43)が切除、損傷などされること
が防止される。
【0062】弁箱内弁棒嵌通孔(231)および弁箱内
弁棒嵌入孔(232)には、銅合金からなる円環状のブ
ッシュ(24)が、弁棒(3)を支承した状態で弁棒
(3)の周囲に挿通されている。このようなブッシュ
(24)により、弁棒(3)の回動時における弁箱
(2)と弁棒(3)との間の焼き付きおよび接触抵抗を
軽減することができる。
【0063】図11は本実施例1に用いられ得るゴムか
らなるシールパッキン(26)の斜視図である。ほぼ円
形のシールパッキン(26)の頭部(261)には、弁
棒(3)の円柱状部分(32)よりやや大きい直径を有
する環状のシールパッキン内弁棒貫通孔(262)が設
けられ、頭部(261)は弾性圧縮した状態で、このシ
ールパッキン内弁棒貫通孔(262)に貫通する弁棒
(3)に密着圧接している。これにより、弁箱(2)と
ブッシュ(24)との間に浸入した流体が、弁箱(2)
外部に漏出することが防止される。
【0064】弁箱下部のシールパッキン(26)は、弁
箱内弁棒嵌入孔(232)の弁棒(3)の底面に弾性圧
縮された状態で密着圧接している。
【0065】図7および図12に示すように、弁箱内周
面(22)には、弁箱内弁棒嵌通孔(231)から弁箱
内周面(22)に沿って弁箱内弁棒嵌入孔(232)を
通るほぼ円環状の溝(25)が設けられている。本実施
例1では、図13のように、この溝(25)を完全に埋
めるように、ゴムからなるシールパッキン(26)の円
環部(263)がこの溝(25)に埋入されている。こ
のシールパッキン(26)の円環部(263)の弾性
は、シール部材(43)の弾性より弱い。図14は、シ
ールパッキン(26)の円環部(263)が埋入された
溝(25)に、弁体周縁部(42)にやや突出するよう
に備えられたゴムからなるシール部材(43)が挿入さ
れている状態を示す。
【0066】図13のように、この溝(25)は、弁箱
中心方向に向かって縮幅しており、弁箱外部方向に向か
って拡幅している。このような構造を有する溝(25)
にシールパッキン(26)を埋入することにより、開状
態と閉状態との間で弁体(4)を回動させ、弁体周縁部
(42)に備えられたシール部材(43)がシールパッ
キン(26)を摺動する際に、シールパッキン(26)
が溝(25)から外れにくくなる。
【0067】弁箱(2)は、以下のようにして製作され
る。まず、鋳物成形により、一端に内フランジボルト孔
(121)が穿設された内フランジ(12)が設けら
れ、内周面が球面の一部であり、さらに弁棒(3)など
を装着する窪みが形成されるなどの上記の所定の形状に
成形することにより、半弁箱(2A)(2B)を作製す
る。
【0068】このようにして作製された半弁箱(2A)
の窪みに弁体(4)に挟装された弁棒(3)などを備え
付け、同一形状の半弁箱(2B)を、左右対称に半弁箱
(2A)(2B)の内フランジ(12)の面同士を当接
した状態にして、内フランジボルト孔(121)にボル
ト(122)を挿通し、ボルト(122)およびナット
(123)により連結されることにより弁箱(2)を形
成する。同一形状の半弁箱(2A)(2B)が用いられ
るため、弁箱が容易にかつ経済的に作製される。
【0069】(弁棒(3)について)弁棒(3)は、図
3および図4に示すように、ハンドル(5)から弁箱内
弁棒嵌通孔(231)および弁箱内部(21)を貫通し
て、弁箱内弁棒嵌入孔(232)と回動可能に嵌合し、
そして鉛直方向に円盤状の弁体(4)によって挟装され
ている。
【0070】弁棒(3)は、図15に示すように、円柱
状部分(31)と、その円柱の直径の長さを一辺の長さ
とした正方形を断面とする直方体部分(32、以下「角
部」という)から構成される。円柱状部分(31)と角
部(32)との境目には、肩部(33)がある。図8お
よび図9に示すように、この肩部(33)に当接する
が、円柱状部分(31)に接触しないようにワッシャー
(34)が弁棒(3)に挿入されている。さらに、円筒
型の隔離壁(35)が、ワッシャー(34)を肩部(3
3)との間に挟むように、ワッシャー(34)の内心円
の円周上に円柱状部分(31)と平行にワッシャー(3
4)と一体に備えられている。なお、弁棒(3)と弁箱
(2)との関係については、弁箱内弁棒嵌通孔(23
1)および弁箱内弁棒嵌入孔(232)に円柱状部分
(31)が備えられ、弁箱内部(21)の弁棒は、主と
して角部(32)である。図4および図16に示すよう
に、弁体周縁部(42)の近傍では、角部(32)の各
面のうち、弁棒と流体の流れる方向(矢印F)に垂直な
面(321)と弁体(4)との間にはゴム(442)が
挟装されている。このゴムの効果については後述する。
一方、弁棒と流体の流れる方向(矢印F)に平行な面
(322)と弁体(4)とは当接するため、弁棒(3)
を回動させて弁体(4)を開状態と閉状態との間で回動
させる場合、弁棒(3)の回動操作による回転力(すな
わち、トルク)を確実に弁体(4)に伝えることができ
る。
【0071】ワッシャー(34)の内心円および円筒状
の隔離壁(35)の半径は、円柱状部分(31)の半径
よりもわずかに大きいので、空隙1(36)が存在す
る。この空隙1(36)により、図8および図9中の矢
印F方向(上流側)から弁体(4)に圧力が加えた場合
に、ワッシャー(34)および隔離壁(35)は、図の
右側から左側に(すなわち、上流側から下流側に)、空
隙1(36)の上流側の体積を小さくしながらわずかに
偏移し、弁棒の円柱状部分(31)に当接するすること
が可能になる(図17および図18を参照)。
【0072】弁棒(3)は上端に雌ねじを刻設されたネ
ジ穴(図示せず)を備え、ハンドル(5)を弁棒(3)
に嵌合させ、ハンドル(5)中央上部からネジ穴(図示
せず)にボルト(37)を挿入することによって、弁棒
(3)にハンドル(5)が固定されている。
【0073】(弁体(4)について)弁体(4)は、図
7および図16に示すように、弁体周縁部(42)を凹
状に形成された円盤状の弁体本体(41)を備えてい
る。このような形状の弁体周縁部(42)に、図20に
示すような、ゴムからなるシール部材(43)が挟備さ
れている。このシール部材(43)は、閉状態において
弾性圧縮した状態で弁箱内周面(22)に密着圧接す
る。このシール部材(43)には、弁棒(3)が挿通さ
れることができるように、ワッシャー(34)の内心円
とほぼ同一の直径を有する2つのシール部材内弁棒嵌通
孔(431)(432)が直径対称に設けられている。
図8および図9に示すように、これらのシール部材内弁
棒嵌通孔(431)(432)の内部に、シール部材
(43)が弾性圧縮した状態で円筒状の隔離壁(35)
に密着圧接している。図4、図8、図9、および図16
に示すように、弁体本体(41)内部を弁棒(3)が挿
貫する空隙2(44)の一部には、上流側および下流側
にそれぞれゴム(442)が弁棒(3)と弁体(4)と
の間に挟装されている。なお、弁棒(3)を挿通された
際であっても、弁棒(3)は空隙2(44)の一部を占
めるにすぎず、弁体本体(41)と弁棒(3)との間に
は、空隙2(44)が形成されている。
【0074】図20に示すような形状であるシール部材
(43)は、弁体周縁部(42)に備えられるが、弁体
周縁部(42)の形状は、図4、図7、図8、図9およ
び図16に示すように、弁体中心側に向かって拡幅し、
弁体周縁部に向かって縮幅している。このような構造を
有する弁体周縁部(42)にシール部材(43)が備え
られているので、開状態と閉状態との間で弁体(4)を
回動させる際に、シール部材(43)が弁体周縁部(4
2)が外れにくい。
【0075】図8および図9に示すように、閉状態であ
って、さらに流体が弁箱内部(21)を流れていない状
態では、シール部材(43)のみが弁箱内周面(22)
に弾性圧縮した状態で密着圧接している。弁体本体(4
1)は弁箱内周面(22)に当接しておらず、弁体本体
(41)と弁箱内周面(22)との間には、空隙3(4
5)が形成されている。
【0076】弁体(4)は、図16および図7に示すよ
うに、中心に弁棒(3)が備えられた窪みが設けられ、
外周部をL字状にした半弁体本体(41A)を、左右対
称型の半弁体本体(41B)に溶接することによって構
成されている。同一形状の半弁箱(41A)(41B)
が用いられるため、弁体が容易にかつ経済的に作製され
る。
【0077】(ハンドル(5)について)図5および図
6により詳説されるハンドル(5)は、フランジ(5
1)およびハンドルケース(52)、装填材(53)、
歯車(541〜544)などにより構成されている。鉛
直方向の断面が2つのカタカナの「コ」の字を距離を置
いて左右対称に組み合わせたような形であり、そして水
平方向の断面が同心円状であるフランジ(51)が、そ
の下部をボルト(511)およびナット(512)によ
り弁箱(2)に固定されている。フランジ(51)の上
部表面には、弁棒(3)を中心として回動可能なハンド
ルケース(52)およびプラスチックからなる装填材
(53)が当接するように備えられている。
【0078】ハンドルケース(52)は、図6に示すよ
うに垂直方向に6つのくぼみ(521)を有し、そして
上面を閉じられた円筒型である。装填材(53)の上部
には、軸芯を弁棒(3)とする歯車A(541)が備え
られている。この歯車A(541)は弁棒(3)と同時
回動するようになっており、ウォーム型の歯車B(54
2)と噛み合っている。歯車C(544)は、歯車B
(542)と水平方向の軸芯(543)を共にし、歯車
D(545)に噛み合っている。歯車D(545)は円
筒状であり、円筒の一端に環状の歯が接線方向に対して
斜めに刻設され歯車C(544)と噛み合い、そして円
筒の他端はハンドルケース(52)の閉じた面の下部に
接着されている。歯車A(541)の上部には、弁棒
(3)が挿貫され、そしてハンドルケース(52)に挟
備されるようにカラー(55)が備えられている。この
ような構造をとることにより、くぼみ(521)に指を
かけてハンドル(5)を手で握り、ハンドル(5)を回
動させると、歯車D(545)、歯車C(544)、軸
芯(543)、歯車B(542)、歯車A(541)の
順序でこれらが回動し、これにより弁棒(3)およびそ
れに備えられた弁体(4)が同時回動する。このような
ハンドル(5)を用いることにより、弁棒(3)および
弁体(4)を、開状態および閉状態との間で容易に同時
回動させることができ、従って本実施例1のバタフライ
バルブの開閉が容易になる。
【0079】(効果)本実施例1に係るバタフライバル
ブは、上記のような構造を有するため、以下のような効
果を有する。なお、以下の説明では、流体は右側(上流
側)から左側(下流側)にながれるとし、さらに図面の
なかの番号の語尾に、上流側の部材である場合にはa
を、下流側の部材である場合にはbを付す。
【0080】図17、図18、および図19に示すよう
に、閉状態において矢印Fに示すような右方向からの流
体に弁体(4)が圧迫されると、弁体(4)と弁棒
(3)との間に挟装されているゴム(442)が圧縮さ
れ、弁棒(3)に力が加えられる。この力は、従来のバ
タフライバルブと同様、弁棒が弁体に嵌入している弁箱
内弁棒嵌通孔(231)および弁箱内弁棒嵌入孔(23
2)に伝わることによって支えられるが、流体から弁体
(4)に加えられた力は、弁棒(3)だけでなく、以下
に説明されるように、シール部材(43)によっても支
えられる。
【0081】図18および図19に示すように、流体に
より上流側の弁体(4a)が圧迫されると、弁棒(3)
の円柱状部分(31)の周囲に存在する上流側の空隙1
(36a)の体積が小さくなりつつ、さらに弁体(4)
は下流側にわずかに偏移する。このように弁体(4)が
下流側に偏移すると、弁箱内周面(22)は弁箱内周面
中央部(221)から弁箱内周面終端部(222)にか
けて球面状の縮径構造が形成されているので、ゴムから
構成されている下流側のシール部材(43b)は圧縮さ
れ、下流側の弁箱内周面(22b)から下流側のシール
部材(43b)に抗力が発生する。この抗力によって
も、流体から弁体(4)に加えられた圧力は支えられ
る。従って、流体から加えられる圧力は、弁棒(3)に
はあまりかからず、主としてシール部材(43)にかか
るので、弁棒(3)を必要以上に丈夫にすることがなく
なる。
【0082】また、このようにゴムからなるシール部材
(43)が圧縮されると、下流側のシール部材(43
b)と下流側の弁箱内周面(22b)との密着性が高ま
るので、水密性がさらに増す。従って、下流側の弁箱内
周面(22b)と弁体周縁部(42)との間で空隙がで
きず、上流側から下流側に流れる流体が弁箱内周面(2
2)と弁体周縁部との間から漏れ出すことがさらに効果
的に防止される。
【0083】さらに高い圧力を有する流体によって上流
側の弁体(4a)が圧迫された場合、下流側の弁体本体
(41b)が下流側の弁箱内周面(22b)に当接し、
空隙3(45)が存在しなくなる。従って、下流側のシ
ール部材(43b)と同様に、下流側の弁体本体(41
b)が、下流側の球面状の弁箱内周面(22b)に接す
ることによっても、下流側の弁箱内周面(22b)から
下流側の弁体本体(41b)に抗力が発生するので、上
流側の弁体(4a)から伝えられた圧力を支えることが
でき、流体が上流側から下流側に漏洩することがさらに
より効果的に防止される。
【0084】また、ハンドル(5)を除き、弁箱
(2)、弁棒(3)、および弁体(4)を上記のような
左右対称型とすることにより、弁体(4)に加えられる
圧力が上流側から下流側へと下流側から上流側へとの間
で交互に変化する場合には、上流側のシール部材(43
a)および下流側のシール部材(43b)がそのような
変化にそれぞれ順応して圧縮されるので、上記と同様
に、流体から弁体(4)に加えられた圧力は、弁棒
(3)だけでなくシール部材(43)によっても支えら
れる。また、流体の圧力が高い場合には、弁体本体(4
1)もそのような変化に順応して弁箱内周面(22)に
交互に当接するため、上流側から下流側へと下流側から
上流側へとの間で交互に変化する流体圧力を減衰するこ
とができる。従って、万一下流側から流体圧力を受けた
場合であっても、弁箱(2)、弁棒(3)、および弁体
(4)が上記のような左右対称型であるので、本実施例
1のバタフライバルブ(1)は逆流防止弁としての役割
を発揮する。
【0085】開状態においては、弁箱内部(21)の弁
棒(3)および弁体(4)は流体圧力の損失原因となる
が、従来の円筒形の弁箱内部(21)と比較して、弁箱
内部(21)の形状は球状であるので、流体の流路が狭
められず、流体の圧力損失が生じにくいという利点があ
る。また、弁箱内周面中央部(221)から弁箱内周面
終端部(222)にかけて球面状の縮径構造が形成され
ているので、閉状態と同様に、開状態においても、弁箱
内周面中央部(221)近傍のシール部材(43)は弁
箱内周面(22)より抗力を受けるので、開状態におい
ても流体から弁体(4)に加えられた圧力は弁棒(3)
だけでなくシール部材(43)によっても支えられる。
【0086】上記のようにして、特に閉状態において流
体から弁体(4)に加えられる圧力が弁棒(3)だけで
なく、シール部材(43)によっても支えられるので、
弁棒(3)および弁体(4)の強度、弁棒(3)の太
さ、および弁体(4)の厚みを減らすことができる。こ
のように、弁棒(3)および弁体(4)の強度、弁棒
(3)の太さ、および弁体(4)の厚みを減らすことに
よって、開状態において流体から弁体(4)に加えられ
る圧力が減少し、流体の圧力損失をより効果的に防止し
得る。さらに、バタフライバルブ(1)全体の重量を軽
減することができる。
【0087】また、上記のような溝(25)、シールパ
ッキン(26)、およびシール部材(43)が用いられ
ることにより、以下のような効果が得られる。上記で説
明されるように、まず、弁体本体(41)の周縁部にや
や突出するように備えられたゴムからなるシール部材
(43)などが、弾性圧縮した状態で球状の縮径構造が
形成された弁箱内周面(22)に押圧密着することによ
り、流体遮断効果が得られる。
【0088】さらに、図14に示すように、ゴムからな
るシール部材(43)が溝(25)に弾性圧縮した状態
で挿入され、溝(25)の縦方向の壁(252)に押圧
密着することによっても、流体遮断効果が得られる。
【0089】また、この場合には、シール部材(43)
の弾性は、シールパッキン(26)の円環部(263)
の弾性より強いので、シール部材(43)がシールパッ
キン(26)を押圧し、シールパッキン(26)は弾性
圧縮される。これによっても、シール部材(43)とシ
ールパッキン(26)との間が密着し、さらに高い流体
遮断効果が得られる。
【0090】また、溝(25)の縦方向の壁(252)
と弁箱内周面(22)との間をR状に曲成しているの
で、ゴムからなるシール部材(43)は弾性圧縮した状
態でR状部分(251)に押圧密着している。これによ
り、図19に示すように、矢印Fの方向からの流体によ
り圧力が弁体(4)に加えられた場合、弁体周縁部(4
2)に設けられたシール部材(43)は上流側から下流
側に向かって押圧され、弾性圧縮し、これによりR状部
分(251)からシール部材(43)に対して抗力が発
生する。この抗力によっても、流体から弁体(4)に加
えられた圧力が支えられる。従って、流体から加えられ
る圧力は、弁棒(3)だけでなく、弁体(4)からなる
シール部材(43)が弾性圧縮して密着するR状部分
(251)によっても支えられるので、弁棒(3)を必
要以上に丈夫にすることがなくなる。
【0091】また、長年、本実施例1に係るバタフライ
バルブ(1)を使用していると、流体(例えば、水)中
に含まれる微量の金属(例えば、カルシウム)などが弁
体周縁部(42)に設けられたゴムからなるシール部材
(43)に固形物(スケール)として付着し、この固着
物により完全な流体遮断効果が得られなくなる場合があ
るが、このような溝(25)を設けることにより、弁体
周縁部(42)に設けられたシール部材(43)は、弁
棒の回動操作により開状態から閉状態に移る際に、R状
部分(251)を摺動するので、これにより固着物が除
去される。従って、長年、本実施例1に係るバタフライ
バルブ(1)を用いた場合でも、弁体周縁部(42)に
設けられたシール部材(43)に固着物が付着せず、完
全な流体遮断効果を長年、維持することができる。
【0092】(実施例2)図21から図30は、本実施
例2のバタフライバルブ(1)を説明するために用いら
れる図である。図21は、本実施例2のバタフライバル
ブ(1)の縦断面図であり、図22は、本実施例2のバ
タフライバルブ(1)の正面図である。図21および図
22に概略されるように、本実施例2のバタフライバル
ブ(1)は、弁箱(2)、弁棒(3)、弁体(4)、お
よびハンドル(5)を備えている。図23は、本実施例
2において用いられるハンドル(5)を詳細に説明する
図であり、図21の点線ニで示される領域の拡大図でも
ある。図24は、ハンドル(5)を詳細に示す平面図で
ある。図25は、本実施例2のバタフライバルブ(1)
の横断面図であり、図21のC−C線断面図でもある。
図26は、本実施例2において用いられる弁体(4)お
よびそれに挿貫されている弁棒(3)を表す図である。
図27は、図21における点線ホで示される領域の拡大
図であり、弁箱内弁棒嵌入孔(232)付近で弁体
(4)と弁箱(2)とが接している状態をさらに詳細に
説明する図である。図28は、図25における点線へで
示される領域の拡大図であり、弁体周縁部(42)に備
えられたシール部材(43)と弁箱(2)とが接してい
る状態をさらに詳細に説明する図である。
【0093】図21、図22,および図25に示すよう
に、本実施例2のバタフライバルブ(1)は、弁箱
(2)の両端に外フランジボルト孔(111)を穿設さ
れた外フランジ(11)を備えている。この外フランジ
ボルト孔(111)にボルトを挿貫し、このボルトおよ
びナットを用いて水道管などに接続する。
【0094】(弁箱(2)について)(弁箱(2)の外
部構造について)弁箱(2)は、図21および図25に
示すように短い円筒形をしており、図21および図25
のように、弁箱外周面(20)と弁箱内周面(22)と
の間の空間(201)には、ゴムからなり、その空間
(201)の形状に対応した形状を有する補強部材(2
02)が装填されている。この補強部材(202)は、
わずかながら弁箱(2)の外に出ている。
【0095】このような補強部材により、弁箱内周面
(22)に流体から加えられる圧力が支持され、さらに
フランジ(図示せず)を取り付けた管(図示せず)に連
結した際には、ゴムからなる補強部材(202)がその
フランジにより押圧弾性されることにより、シール材と
しての役割が発揮され、そして弁箱内周面(22)に流
体から加えられる圧力がさらに支持される。
【0096】図21および図22に示すように、弁箱
(2)の上部には、弁箱(2)と弁棒カバー(30)と
を補強するために、リブ1(29)が備えられている。
なお、このリブ1(29)は、後述するように、弁箱
(2)(半弁箱(2A)(2B))をプレス成形により
作製する際に一体成形される。
【0097】図21に示すように、弁箱(2)は、弁棒
(3)が弁箱上部(211)に回動可能かつ水密状態に
貫通するための弁箱内弁棒嵌通孔(231)を備え、弁
箱下部(212)に弁棒(3)が回動可能かつ水密状態
に嵌入する弁箱内弁棒嵌入孔(232)を備えている。
弁箱内周面中央部(221)から弁箱内周面終端部(2
22)にかけての弁箱内周面(22)の形状は、図10
に示すように、弁体本体(41)を形成する円盤の半径
よりもわずかに大きい半径の球を、鉛直直径を対称軸と
する2面で鉛直に切断することにより形成される球の一
部の球面の形状となっていることにより、縮径構造が形
成されている。また、図21に示すように、弁箱内周面
終端部(222)にはなだらかな曲面状の面取り(22
3)が施されている。このような面取り(223)を施
すことにより、弁体(4)を開状態から閉状態に回動さ
せる際に、弁箱内周面終端部(222)によってゴムか
らなるシール部材(43)が切除、損傷などされること
が防止される。なお、弁箱内弁棒嵌通孔(231)の内
部からレバー(5)までの間には、弁棒(3)を嵌通さ
れる弁棒カバー(30)が設けられている。
【0098】弁箱内弁棒嵌通孔(231)および弁箱内
弁棒嵌入孔(232)には、銅合金からなる円環状のブ
ッシュ(24)が、弁棒(3)を支承した状態で弁棒
(3)の周囲に挿通されている。このようなブッシュ
(24)により、弁棒(3)の回動時における弁箱
(2)と弁棒(3)との間の焼き付きおよび接触抵抗を
軽減することができる。
【0099】図11は本実施例2に用いられ得るゴムか
らなるシールパッキン(26)の斜視図でもある。ほぼ
円形のシールパッキン(26)の頭部(261)には、
円筒形の弁棒カバー(30)の外周面よりやや大きい直
径を有する環状のシールパッキン内弁棒貫通孔(26
2)が設けられ、頭部(261)は弾性圧縮した状態
で、このシールパッキン内弁棒貫通孔(262)に貫通
する弁棒カバー(30)の外周面に密着圧接している。
これにより、弁箱(2)とブッシュ(24)との間に浸
入した流体が、弁箱(2)外部に漏出することが防止さ
れる。
【0100】弁箱下部のシールパッキン(26)は、弁
箱内弁棒嵌入孔(232)の弁棒(3)の底面に弾性圧
縮された状態で密着圧接している。
【0101】図12、図25、および図28に示すよう
に、弁箱内周面(22)には、弁箱内弁棒嵌通孔(23
1)から弁箱内周面(22)に沿って弁箱内弁棒嵌入孔
(232)を通るほぼ円環状の溝(25)が設けられて
いる。本実施例2では、図13のように、この溝(2
5)を完全に埋めるように、ゴムからなるシールパッキ
ン(26)の円環部(263)がこの溝(25)に埋入
されている。このシールパッキン(26)の円環部(2
63)の弾性は、シール部材(43)の弾性より弱い。
図28は、シールパッキン(26)の円環部(263)
が埋入された溝(25)に、弁体周縁部(42)にやや
突出するように備えられたゴムからなるシール部材(4
3)が挿入される状態を示す。
【0102】図28のように、この溝(25)は、弁箱
中心方向に向かって縮幅しており、弁箱外部方向に向か
って拡幅している。このような構造を有する溝(25)
にシールパッキン(26)を埋入することにより、開状
態と閉状態との間で弁体(4)を回動させ、弁体周縁部
(42)に備えられたシール部材(43)がシールパッ
キン(26)を摺動する際に、シールパッキン(26)
が溝(25)から外れにくくなる。
【0103】弁箱(2)は、以下のようにして製作され
る。まず、金属板をプレス成形により、内周面が球状の
一部であり、さらに弁棒(3)などを装着する窪みが形
成されるなどの上記の所定の形状に成形することによ
り、所定の形状に成形して半弁箱(2A)(2B)を作
製する。
【0104】このようにして作製された半弁箱(2A)
の窪みに、弁体(4)に挟装された弁棒(3)などを備
え付け、同一形状の半弁箱(2B)を、左右対称に半弁
箱(2A)(2B)同士を当接し、次いで溶接して連結
することにより弁箱(2)を形成する。同一形状の半弁
箱(2A)(2B)が用いられるため、弁箱が容易にか
つ経済的に作製される。また、鋳物成型により作製され
た弁箱(2)と比較して、金属板をプレス成形して作製
された弁箱(2)は軽量である。
【0105】(弁棒(3)について)弁棒(3)は、図
21に示すように、ハンドル(5)から弁箱内弁棒嵌通
孔(231)および弁箱内部(21)を貫通して、弁箱
内弁棒嵌入孔(232)と回動可能に嵌合し、そして鉛
直方向に円盤状の弁体(4)によって挟装されている。
【0106】弁棒(3)は、図15に示すように、円柱
状部分(31)と、その円柱の直径の長さを一辺の長さ
とした正方形を断面とする角部(32)とから構成され
る。弁棒(3)と弁箱(2)との関係については、弁箱
内弁棒嵌通孔(231)および弁箱内弁棒嵌入孔(23
2)に円柱状部分(31)が備えられ、弁箱内部(2
1)の弁棒は、主として角部(32)である。図26に
示すように、角部(32)の全四面のうち、流体の流れ
る方向(矢印F)に平行な面(322)と弁体(4)と
が当接し、これにより弁棒(3)を開状態と閉状態との
間で回動させた際に、弁棒(3)の回動操作による回転
力(すなわち、トルク)を確実に弁体(4)に伝えるこ
とができる。なお、各部(32)の残り2面(すなわ
ち、流体の流れる方向(矢印F)に垂直な面(32
1))と弁体(4)との間には、空隙2(44)が形成
され、この空隙2(44)には、ゴム(442)が挟装
されている。
【0107】弁棒(3)は上端に雌ねじを刻設されたネ
ジ穴(図示せず)を備え、ハンドル(5)を弁棒(3)
に嵌合させ、ハンドル(5)中央上部からネジ穴(図示
せず)にボルト(37)を挿入することによって、弁棒
(3)にハンドル(5)が固定されている。
【0108】(弁体(4)について)弁体(4)は、図
26に示すように、弁体周縁部(42)を凹状に形成さ
れた円盤状の弁体本体(41)を備えている。このよう
な形状の弁体周縁部(42)に、図20に示すような、
ゴムからなるシール部材(43)が挟備されている。こ
のシール部材(43)は、閉状態において弾性圧縮した
状態で弁箱内周面(22)に密着圧接する。このシール
部材(43)には、弁棒(3)が挿通されることができ
るように、弁棒(3)よりの内心円と同一の直径を有す
る2つのシール部材内弁棒嵌通孔(431)(432)
が直径対称に設けられている。図21に示すように、こ
れらのシール部材内弁棒嵌通孔(431)(432)の
内部に、シール部材(43)が弾性圧縮した状態で弁棒
(3)に密着圧接している。なお、図22に示すように
弁体本体(41)には、十字型のリブ2(46)が溶接
されているが、図22以外では、このリブ2(46)
は、説明の都合上、省略されている。
【0109】図20に示すような形状であるシール部材
(43)は、弁体周縁部(42)に備えられるが、弁体
周縁部(42)の形状は、図21、図26、図27、お
よび図28に示すように、弁体中心側に向かって拡幅
し、弁体周縁部に向かって縮幅している。このような構
造を有する弁体周縁部(42)にシール部材(43)が
備えられているので、開状態と閉状態との間で弁体
(4)を回動させる際に、シール部材(43)が弁体周
縁部(42)が外れにくい。
【0110】図27および図28に示すように、閉状態
であって、さらに流体が弁箱内部(21)を流れていな
い状態では、シール部材(43)のみが弁箱内周面(2
2)に弾性圧縮した状態で密着圧接している。弁体本体
(41)は弁箱内周面(22)に当接しておらず、弁体
本体(41)と弁箱内周面(22)との間には、空隙3
(45)が形成されている。
【0111】弁体(4)は、図26に示すように、中心
に弁棒(3)が備えられた窪みが設けられ、外周部をL
字状にした半弁体本体(41A)(41B)を作製し、
この半弁体本体(41A)のL字状の外周部にシール部
材(43)を装着し、この半弁体本体(41A)を左右
対称型の半弁体本体(41B)に溶接することによって
構成されている。同一形状の半弁体本体(41A)(4
1B)が用いられるため、弁体が容易にかつ経済的に作
製される。
【0112】(ハンドル(5)について) (ハンドルについて)図23および図24により詳説さ
れるハンドル(5)は、フランジ(51)、ハンドルケ
ース(52)、装填材(53)、歯車E(561)、歯
車F(564)、ボール(572)などにより構成され
ている。なお、フランジ(51)は弁棒カバー(30)
に一体成形された状態で設けられている。
【0113】ハンドルケース(52)は、図24に示す
ように水平方向に外部に突出する十字架状の取っ手(5
22)を備える。ハンドルケース(52)の上部裏面に
は、渦巻き状の溝(571)が形成されている。一方、
ハンドルケース(52)内には軸芯を弁棒(3)とし、
弁棒と当時回動する円筒状の歯車E(561)が、ウォ
ーム型の歯車F(564)に噛み合っている。歯車F
(564)の中心部には、軸芯(562)が嵌通され、
この軸芯は軸受(563)によって支えられている。軸
芯(562)の一端には、ボール収納部(573)が備
えられており、このボール収納部(573)の上部には
ボール(572)が、渦巻き状の溝(571)を転動で
きるように備えられている。
【0114】取っ手(522)に指または手をかけてハ
ンドル(5)を回動させると、ハンドルケース(52)
も同時回動し、ハンドルケース(52)の上部裏面の溝
(571)をボール(572)が転動する。すると、ボ
ール(572)を収納するボール収納部(573)を一
端に有する軸芯(562)が、歯車E(561)の円筒
の接線として、これに沿って歯車E(561)の周囲を
回動する。歯車E(561)は、軸芯(562)の中央
部に備えられた歯車F(564)に噛み合い、さらに歯
車Eは軸芯を弁棒(3)としているので、軸芯(56
2)が歯車E(561)の周囲を回動することにより、
弁棒(3)およびそれを挟備する弁体(5)が同時回動
する。このようなハンドル(5)を用いることにより、
弁棒(3)および弁体(5)を、開状態および閉状態と
の間で容易に同時回動させることができ、従って本実施
例2のバタフライバルブの開閉が容易になる。
【0115】(効果)本実施例2に係るバタフライバル
ブは、上記のような構造を有するため、以下のような効
果を有する。なお、以下の説明でも、流体は右側(上流
側)から左側(下流側)にながれるとし、さらに図面の
なかの番号の語尾に、上流側の部材である場合にはa
を、下流側の部材である場合にはbを付す。
【0116】図29および図30に示すように、閉状態
において矢印Fに示すような右方向からの流体に弁体
(4)が圧迫されると、弁体(4)と弁棒(3)との間
に挟装されているゴム(442)が圧縮され、弁棒
(3)に力が加えられる。この力は、従来のバタフライ
バルブと同様、弁棒が弁体に嵌入している弁箱内弁棒嵌
通孔(231)および弁箱内弁棒嵌入孔(232)に伝
わることによって支えられるが、流体から弁体(4)に
加えられた力は、弁棒(3)だけでなく、以下に説明さ
れるように、シール部材(43)によっても支えられ
る。
【0117】図29および図30に示すように、流体に
より上流側の弁体(4a)が圧迫されると、弁棒(3)
と上流側の弁体(4a)との間に備えられたゴム(44
2a)が圧縮され、弁体(4)は下流側にわずかに偏移
する。このように弁体(4)が下流側に偏移すると、弁
箱内周面(22)は弁箱内周面中央部(221)から弁
箱内周面終端部(222)にかけて球面状の縮径構造が
形成されているので、ゴムから構成されている下流側の
シール部材(43b)が圧縮され、下流側の弁箱内周面
(22b)から下流側のシール部材(43b)に抗力が
発生する。この抗力によっても、流体から弁体(4)に
加えられた圧力は支えられる。従って、流体から加えら
れる圧力は、弁棒(3)にはあまりかからず、主として
シール部材(43)にかかるので、弁棒(3)を必要以
上に丈夫にすることがなくなる。
【0118】また、このようにゴムからなるシール部材
(43)が圧縮されると、下流側のシール部材(43
b)と下流側の弁箱内周面(22b)との密着性が高ま
るので、水密性がさらに増す。従って、下流側の弁箱内
周面(22b)と弁体周縁部との間で空隙ができず、上
流側から下流側に流れる流体が弁箱内周面(22)と弁
体周縁部との間から漏れ出すことがさらに効果的に防止
される。
【0119】さらに高い圧力を有する流体によって上流
側の弁体(4a)が圧迫された場合、下流側の弁体本体
(51b)が下流側の弁箱内周面(22b)に当接し、
空隙3(45)が存在しなくなる。従って、下流側のシ
ール部材(43b)と同様に、下流側の弁体本体(51
b)が、下流側の球面状の弁箱内周面(22b)に接す
ることによっても、下流側の弁箱内周面(22b)から
下流側の弁体本体(51b)に抗力が発生するので、上
流側の弁体(4a)から伝えられた圧力を支えることが
でき、流体が上流側から下流側に漏洩することがさらに
より効果的に防止される。
【0120】また、ハンドル(5)を除き、弁箱
(2)、弁棒(3)、および弁体(4)を上記のような
左右対称型とすることにより、弁体(4)に加えられる
圧力が上流側から下流側へと下流側から上流側へとの間
で交互に変化する場合には、上流側のシール部材(43
a)および下流側のシール部材(43b)がそのような
変化にそれぞれ順応して圧縮されるので、上記と同様
に、流体から弁体(4)に加えられた圧力は、弁棒
(3)だけでなくシール部材(43)によっても支えら
れる。また、流体の圧力が高い場合には、弁体本体(4
1)もそのような変化に順応して弁箱内周面(22)に
交互に当接するため、上流側から下流側へと下流側から
上流側へとの間で交互に変化する流体圧力を減衰するこ
とができる。従って、万一下流側から流体圧力を受けた
場合であっても、弁箱(2)、弁棒(3)、および弁体
(4)が上記のような左右対称型であるので、本実施例
2のバタフライバルブ(1)は逆流防止弁としての役割
を発揮する。
【0121】開状態においては、弁箱内部(21)の弁
棒(3)および弁体(4)は流体圧力の損失原因となる
が、従来の円筒形の弁箱内部(21)と比較して、弁箱
内部(21)の形状は球状であるので、流体の流路が狭
められず、流体の圧力損失が生じにくいという利点があ
る。また、弁箱内周面中央部(221)から弁箱内周面
終端部(222)にかけて球面状の縮径構造が形成され
ているので、閉状態と同様に、開状態においても、弁箱
内周面中央部(221)近傍のシール部材(43)は弁
箱内周面(22)より抗力を受けるので、開状態におい
ても流体から弁体(4)に加えられた圧力は弁棒(3)
だけでなくシール部材(43)によっても支えられる。
【0122】上記のようにして、特に閉状態において流
体から弁体(4)に加えられる圧力が弁棒(3)だけで
なく、シール部材(43)によっても支えられるので、
弁棒(3)および弁体(4)の強度、弁棒(3)の太
さ、および弁体(4)の厚みを減らすことができる。こ
のように、弁棒(3)および弁体(4)の強度、弁棒
(3)の太さ、および弁体(4)の厚みを減らすことに
よって、開状態において流体から弁体(4)に加えられ
る圧力が減少し、流体の圧力損失をより効果的に防止し
得る。さらに、バタフライバルブ(1)全体の重量を軽
減することができる。
【0123】また、上記のような溝(25)、シールパ
ッキン(26)、およびシール部材(43)が用いられ
ることにより、以下のような効果が得られる。上記で説
明されるように、まず、弁体本体(41)の周縁部にや
や突出するように備えられたゴムからなるシール部材
(43)が、弾性圧縮した状態で球状の縮径構造が形成
された弁箱内周面(22)に押圧密着することにより、
流体遮断効果が得られる。
【0124】さらに、図28に示すように、ゴムからな
るシール部材(43)が溝(25)に弾性圧縮した状態
で挿入され、溝(25)の縦方向の壁(252)に押圧
密着することによっても、流体遮断効果が得られる。
【0125】また、この場合には、シール部材(43)
の弾性は、シールパッキン(26)の円環部(263)
の弾性より強いので、シール部材(43)がシールパッ
キン(26)を押圧し、シールパッキン(26)は弾性
圧縮される。これによっても、シール部材(43)とシ
ールパッキン(26)との間が密着し、さらに高い流体
遮断効果が得られる。
【0126】また、溝(25)の縦方向の壁(252)
と弁箱内周面(22)との間をR状に曲成しているの
で、ゴムからなるシール部材(43)は弾性圧縮した状
態でR状部分(251)に押圧密着している。これによ
り、図30に示すように、矢印Fの方向からの流体によ
り圧力が弁体(4)に加えられた場合、弁体周縁部(4
2)に設けられたシール部材(43)は上流側から下流
側に向かって押圧され、弾性圧縮し、これによりR状部
分(251)からシール部材(43)に対して抗力が発
生する。この抗力によっても、流体から弁体(4)に加
えられた圧力が支えられる。従って、流体から加えられ
る圧力は、弁棒(3)だけでなく、弁体(4)からなる
シール部材(43)が弾性圧縮して密着するR状部分
(251)によっても支えられるので、弁棒(3)を必
要以上に丈夫にすることがなくなる。
【0127】また、長年、本実施例2に係るバタフライ
バルブ(1)を使用していると、流体(例えば、水)中
に含まれる微量の金属(例えば、カルシウム)などが弁
体周縁部(42)に設けられたゴムからなるシール部材
(43)に固形物(スケール)として付着し、この固着
物により完全な流体遮断効果が得られなくなる場合があ
るが、このような溝(25)を設けることにより、弁体
周縁部(42)に設けられたシール部材(43)は、弁
棒の回動操作により開状態から閉状態に移る際に、R状
部分(251)を摺動するので、これにより固着物が除
去される。従って、長年、本実施例2に係るバタフライ
バルブ(1)を用いた場合でも、弁体周縁部(42)に
設けられたシール部材(43)に固着物が付着せず、完
全な流体遮断効果を長年、維持することができる。
【0128】(実施例3)図31から図40は、実施例
3に係るバタフライバルブ(1)を説明するために用い
られる図である。図31は、実施例3に係るバタフライ
バルブ(1)の縦断面図であり、図32は、実施例3に
係るバタフライバルブ(1)の正面図である。図31お
よび図32に概略されるように、本実施例3のバタフラ
イバルブ(1)は、弁箱(2)、弁棒(3)、弁体
(4)およびレバー(6)を備えている。図33は、本
実施例3において用いられるレバー(6)の断面図であ
り、図31の点線トで示される領域の詳細図でもある。
図34は、レバー(6)の概略を示す平面図である。図
35は、実施例3に係るバタフライバルブ(1)の横断
面図であり、図31のD−D線断面図でもある。図36
は、本実施例3において用いられる弁体(4)およびそ
れに挿貫されている弁棒(3)を表す図である。図37
は、図31における点線チで示される領域の拡大図であ
り、弁体下部(23)付近の弁体(4)と弁箱(2)と
の状態をさらに詳細に説明する図である。図38は、図
35における点線リで示される領域の拡大図であり、弁
体周縁部(42)に備えられたシール部材(43)と弁
箱(2)とが接している状態をさらに詳細に説明する図
である。
【0129】図31および図32に示すように、本実施
例3のバタフライバルブ(1)は、弁箱(2)の両端に
外フランジボルト孔(111)を穿設された外フランジ
(11)を備えている。この外フランジボルト孔(11
1)にボルトを挿貫し、このボルトおよびナットを用い
て水道管などに接続する。
【0130】(弁箱(2)について) (弁箱(2)の外部構造について)弁箱(2)は、図3
1および図32に示すように短い円筒形をしており、図
31に示すように円筒の両端には外フランジ(11)が
設けられている。図31および図35のように、弁箱外
周面(20)と弁箱内周面(22)との間の空間(20
1)には、ゴムからなり、その空間(201)の形状に
対応した形状を有する補強部材(202)が装填されて
いる。この補強部材(202)は、わずかながら弁箱
(2)の外に出ている。
【0131】このような補強部材により、弁箱内周面
(22)に流体から加えられる圧力が支持され、さらに
フランジ(図示せず)を取り付けた管(図示せず)に連
結した際には、ゴムからなる補強部材(202)がフラ
ンジにより押圧弾性されることにより、シール材として
の役割が発揮され、そして弁箱内周面(22)に流体か
ら加えられる圧力がさらに支持される。
【0132】図31および図32に示すように、弁箱
(2)の上部には、弁箱(2)と弁棒カバー(30)と
を補強するために、リブ1(29)が備えられている。
なお、このリブ1(29)は、後述するように、弁箱
(2)(半弁箱(2A)(2B))をプレス成形により
作製する際に一体成形される。
【0133】図31に示すように、弁箱(2)は、弁棒
(3)が弁箱上部(211)に回動可能かつ水密状態に
貫通するための弁箱内弁棒嵌通孔(231)を備えてい
る。弁棒(3)の下端は、弁箱下部(212)の弁箱内
周面(22)に当接している。弁箱内周面中央部(22
1)から弁箱内周面終端部(222)にかけての弁箱内
周面(22)の形状は、図10に示すように、弁体本体
(41)を形成する円盤の半径よりもわずかに大きい半
径の球を、鉛直直径を対称軸とする2面で鉛直に切断す
ることにより形成される球の一部の球面の形状となって
いることにより、縮径構造が形成されている。また、図
31に示すように、弁箱内周面終端部(222)にはな
だらかな曲面状の面取り(223)が施されている。こ
のような面取り(223)を施すことにより、弁体
(4)を開状態から閉状態に回動させる際に、弁箱内周
面終端部(222)によってゴムからなるシール部材
(43)が切除、損傷などされることが防止される。な
お、弁箱内弁棒嵌通孔(231)の内部からレバー
(5)までの間には、弁棒(3)を嵌通される弁棒カバ
ー(30)が設けられている。
【0134】弁箱内弁棒嵌通孔(231)には、銅合金
からなる円環状のブッシュ(24)が、弁棒(3)を支
承した状態で弁棒(3)の周囲に挿通されている。この
ようなブッシュ(24)により、弁棒(3)の回動時に
おける弁箱(2)と弁棒(3)との間の焼き付きおよび
接触抵抗を軽減することができる。
【0135】図41は本実施例3に用いられ得るゴムか
らなるシールパッキン(26)の斜視図である。ほぼ円
形のシールパッキン(26)の頭部(261)には、弁
棒(3)の円柱状部分(32)よりやや大きい直径を有
する環状のシールパッキン内弁棒貫通孔(262)が設
けられ、頭部(261)は弾性圧縮した状態で、このシ
ールパッキン内弁棒貫通孔(262)に貫通する弁棒カ
バー(30)に密着圧接している。これにより、弁箱
(2)とブッシュ(24)との間に浸入した流体が、弁
箱(2)外部に漏出することが防止される。
【0136】弁箱下部のシールパッキン(26)は、弁
体下部(23)の弁体周縁部(24)に当接する弁棒
(3)の底面に弾性圧縮された状態で密着圧接してい
る。
【0137】図12および図38に示すように、弁箱内
周面(22)には、弁箱内弁棒嵌通孔(231)から弁
箱内周面(22)に沿って弁箱内弁棒嵌入孔(232)
を通るほぼ円環状の溝(25)が設けられている。本実
施例3では、図13のように、この溝(25)を完全に
埋めるように、ゴムからなるシールパッキン(26)の
円環部(263)がこの溝(25)に埋入されている。
このシールパッキン(26)の円環部(263)の弾性
は、シール部材(43)の弾性より弱い。図38は、シ
ールパッキン(26)の円環部(263)が埋入された
溝(25)に、弁体周縁部(42)にやや突出するよう
に備えられたゴムからなるシール部材(43)が挿入さ
れている状態を示す。
【0138】図13のように、この溝(25)は、弁箱
中心方向に向かって縮幅しており、弁箱外部方向に向か
って拡幅している。このような構造を有する溝(25)
にシールパッキン(26)を埋入することにより、開状
態と閉状態との間で弁体(4)を回動させ、弁体周縁部
(42)に備えられたシール部材(43)がシールパッ
キン(26)を摺動する際に、シールパッキン(26)
が溝(25)から外れにくくなる。
【0139】弁箱(2)は、以下のようにして製作され
る。まず、強化プラスチックをプレス成形により、内周
面が球状の一部であり、さらに弁棒(3)などを装着す
る窪みが形成されるように成形することにより、所定の
形状に成形して半弁箱(2A)(2B)を作製する。
【0140】このようにして作製された半弁箱(2A)
の窪みに、弁体(4)に挟装された弁棒(3)などを備
え付け、同一形状の半弁箱(2B)を、左右対称に半弁
箱(2A)(2B)の少なくとも一部の面同士を当接し
た状態にして溶接して連結することにより弁箱(2)を
形成する。同一形状の半弁箱(2A)(2B)が用いら
れるため、弁箱が容易にかつ経済的に作製される。ま
た、鋳物成型により作製された弁箱(2)および金属か
らなる弁箱(2)と比較して、強化プラスチックをプレ
ス成形して作製された弁箱(2)は軽量である。
【0141】(弁棒(3)について)弁棒(3)は、図
31に示すように、レバー(6)から弁箱内弁棒嵌通孔
(231)および弁箱内部(21)を貫通して、弁箱下
部(23)の弁箱内周面(22)に当接し、そして鉛直
方向に円盤状の弁体(4)によって挟装されている。
【0142】弁棒(3)は、図15に示すように、円柱
状部分(31)と、その円柱の直径の長さを一辺の長さ
とした正方形を断面とする角部(32)とから構成され
る。弁棒(3)と弁箱(2)との関係については、弁箱
内弁棒嵌通孔(231)に円柱状部分(31)が備えら
れ、弁箱内部(21)の弁棒は、主として角部(32)
である。図36に示すように、角部(32)の全四面の
うち、流体の流れる方向(矢印F)に平行な面(32
2)と弁体(4)とが当接し、これにより弁棒(3)を
開状態と閉状態との間で回動させた際に、弁棒(3)の
回動操作による回転力(すなわち、トルク)を確実に弁
体(4)に伝えることができる。なお、各部(32)の
残り2面(すなわち、流体の流れる方向(矢印F)に垂
直な面(321))と弁体(4)との間には、空隙2
(44)が形成されている。
【0143】弁棒(3)は上端に雌ねじを刻設されたネ
ジ穴(図示せず)を備え、レバー(6)を弁棒(3)に
嵌合させ、レバー(6)中央上部からネジ穴(図示せ
ず)にボルト(37)を挿入することによって、弁棒
(3)にレバー(6)が固定されている。
【0144】(弁体(4)について)弁体(4)は、図
36に示すように、弁体周縁部(42)を凹状に形成さ
れた円盤状の弁体本体(41)を備えている。このよう
な形状の弁体周縁部(42)に、図20に示すような、
ゴムからなるシール部材(43)が挟備されている。こ
のシール部材(43)は、閉状態において弾性圧縮した
状態で弁箱内周面(22)に密着圧接する。このシール
部材(43)には、弁棒(3)が挿通されることができ
るように、弁棒(3)よりの内心円と同一の直径を有す
る2つのシール部材内弁棒嵌通孔(431)(432)
が直径対称に設けられている。図31に示すように、こ
れらのシール部材内弁棒嵌通孔(431)(432)の
内部に、シール部材(43)が弾性圧縮した状態で弁棒
(3)に密着圧接している。なお、図32に示すように
弁体本体(41)には、十字型のリブ2(46)が溶接
されているが、図32以外では、このリブ2(46)
は、説明の都合上、省略されている。
【0145】図20に示すような形状であるシール部材
(43)は、弁体周縁部(42)に備えられるが、弁体
周縁部(42)の形状は、図31、図36、および図3
8に示すように、弁体中心側に向かって拡幅し、弁体周
縁部に向かって縮幅している。このような構造を有する
弁体周縁部(42)にシール部材(43)が備えられて
いるので、開状態と閉状態との間で弁体(4)を回動さ
せる際に、シール部材(43)が弁体周縁部(42)か
ら外れにくい。
【0146】図37および図38に示すように、閉状態
であって、さらに流体が弁箱内部(21)を流れていな
い状態では、シール部材(43)のみが弁箱内周面(2
2)に弾性圧縮した状態で密着圧接している。弁体本体
(41)は弁箱内周面(22)に当接しておらず、弁体
本体(41)と弁箱内周面(22)との間には、空隙3
(45)が形成されている。
【0147】弁体(4)は、図36に示すように、中心
に弁棒(3)が備えられた窪みが設けられ、外周部をL
字状にした半弁体本体(41A)(41B)を作製し、
この半弁体本体(41A)のL字状の外周部にシール部
材(43)を装着し、この半弁体本体(41A)を左右
対称型の半弁体本体(41B)に溶接することによって
構成されている。同一形状の半弁体本体(41A)(4
1B)が用いられるため、弁体が容易にかつ経済的に作
製される。
【0148】(レバーについて)レバー(6)は、レバ
ー本体(61)、クリップ(62)、開閉調整板(6
3)を備える。
【0149】(レバー本体について)図33および図3
4に示すように、レバー本体(61)は、プレス加工に
より製作され、基端部(611)が弁棒(4)にボルト
(613)で連結され、先細り状の先端部(612)
は、開閉調整板(63)の外方上方に長く延出してい
る。レバー本体の中間寄部には、枢支軸(614)が設
けられて、クリップ(62)を枢支している。
【0150】(クリップについて)クリップ(62)
は、レバー本体(61)の真下に設けられ、クランク状
に形成されている。クリップ(62)は、クランク状の
角部で上記のようにレバー本体(61)の枢支軸(61
4)により枢支されており、一端には凸部(621)が
設けられている。凸部(621)は開閉調整板(63)
に穿設された孔(631)に嵌合する。レバー本体(6
1)とクリップ(62)との間にはスプリング(62
2)が挟備されており、凸部(621)が孔(631)
に嵌合するのを押圧付勢している。レバー本体(61)
とクリップ(62)とを握り、クリップ(62)を上方
向に握り上げると、凸部(621)が孔(631)から
外れ、レバー本体(61)を回動させることができるよ
うになる。このようにして、弁棒(4)の開閉を調整で
きる。調整後、レバー本体(61)とクリップ(62)
とを握るのを止めると、元通りスプリング(622)の
押圧付勢により凸部(621)が孔(631)に嵌合す
る。なお、開閉調整板(63)には、レバー(6)を必
要以上に回動することを防止するために、ストッパー
(64)が設けられている。
【0151】本実施例3においては、ハンドル(3)に
代えてレバー(6)を用い、レバー(6)を握って弁棒
(4)を回動する際にレバー(6)に力を込めやすく、
操作性が向上する。
【0152】レバー(6)の開放時には、クリップに設
けられた凸部(621)が開閉調整板に穿設された孔
(631)に嵌合するため、外力(特に流体から弁体
(5)が受ける力)によって弁棒が不用意に回動するこ
とがなくなる。
【0153】(効果)本実施例3に係るバタフライバル
ブは、上記のような構造を有するため、以下のような効
果を有する。なお、以下の説明でも、流体は右側(上流
側)から左側(下流側)にながれるとし、さらに図面の
なかの番号の語尾に、上流側の部材である場合にはa
を、下流側の部材である場合にはbを付す。
【0154】図39および図40に示すように、閉状態
において矢印Fに示すような右方向からの流体に弁体
(4)が圧迫されると、空隙2(44)の体積が小さく
なり、そして弁箱内弁棒嵌通孔(231)の近傍のシー
ル部材(43)および弁体下部(23)の弁箱内周面
(22)近傍のシール部材(43)が圧縮され、弁体
(4)から弁棒(3)に力が加えられる。この力は、従
来のバタフライバルブと同様、弁棒が弁体に嵌通してい
る弁箱内弁棒嵌通孔(231)に伝わることによって支
えられるが、流体から弁体(4)に加えられた力は、弁
棒(3)だけでなく、以下に説明されるように、シール
部材(43)によっても支えられる。
【0155】図39および図40に示すように、弁箱内
周面(22)は弁箱内周面中央部(221)から弁箱内
周面終端部(222)にかけて球面状の縮径構造が形成
され、この球面状の縮径構造に下流側のシール部材(4
3b)が弾性圧縮した状態で密着圧接しているので、流
体により上流側の弁体(4a)が圧迫されると、弁体
(4)と弁棒(3)との間に形成されている空隙2(4
4)の体積が小さくなり、弁体(4)はわずかに下流側
に偏移する。このように弁体(4)が下流側に偏移する
と、弁箱内周面(22)は弁箱内周面中央部(221)
から弁箱内周面終端部(222)にかけて球面状の縮径
構造が形成されているので、ゴムから構成されている下
流側のシール部材(43b)が圧縮され、下流側の弁箱
内周面(22b)から下流側のシール部材(43b)に
抗力が発生する。この抗力によっても、流体から弁体
(4)に加えられた圧力は支えられる。従って、流体か
ら加えられる圧力は、弁棒(3)にはあまりかからず、
弁棒(3)を必要以上に丈夫にすることがなくなる。
【0156】また、このようにゴムからなるシール部材
(43)が圧縮されると、下流側のシール部材(43
b)と下流側の弁箱内周面(22b)との密着性が高ま
るので、水密性がさらに増す。従って、下流側の弁箱内
周面(22b)と弁体周縁部との間で空隙ができず、上
流側から下流側に流れる流体が弁箱内周面(22)と弁
体周縁部との間から漏れ出すことがさらに効果的に防止
される。
【0157】さらに高い圧力を有する流体によって上流
側の弁体(4a)が圧迫された場合、下流側の弁体本体
(51b)が下流側の弁箱内周面(22b)に当接し、
空隙2(44)および空隙3(45)が存在しなくな
る。従って、下流側のシール部材(43b)と同様に、
下流側の弁体本体(51b)が、下流側の球面状の弁箱
内周面(22b)に接することによっても、下流側の弁
箱内周面(22b)から下流側の弁体本体(51b)に
抗力が発生するので、上流側の弁体(4a)から伝えら
れた圧力を支えることができ、流体が上流側から下流側
に漏洩することがさらにより効果的に防止される。
【0158】また、レバー(6)を除き、弁箱(2)、
弁棒(3)、および弁体(4)を上記のような左右対称
型とすることにより、弁体(4)に加えられる圧力が上
流側から下流側へと下流側から上流側へとの間で交互に
変化する場合には、上流側のシール部材(43a)およ
び下流側のシール部材(43b)がそのような変化にそ
れぞれ順応して圧縮されるので、上記と同様に、流体か
ら弁体(4)に加えられた圧力は、弁棒(3)だけでな
くシール部材(43)によっても支えられる。また、流
体の圧力が高い場合には、弁体本体(41)もそのよう
な変化に順応して弁箱内周面(22)に交互に当接する
ため、上流側から下流側へと下流側から上流側へとの間
で交互に変化する流体圧力を減衰することができる。従
って、万一下流側から流体圧力を受けた場合であって
も、弁箱(2)、弁棒(3)、および弁体(4)が上記
のような左右対称型であるので、本実施例3のバタフラ
イバルブ(1)は逆流防止弁としての役割を発揮する。
【0159】開状態においては、弁箱内部(21)の弁
棒(3)および弁体(4)は流体圧力の損失原因となる
が、従来の円筒形の弁箱内部(21)と比較して、弁箱
内部(21)の形状は球状であるので、流体の流路が狭
められず、流体の圧力損失が生じにくいという利点があ
る。また、弁箱内周面中央部(221)から弁箱内周面
終端部(222)にかけて球面状の縮径構造が形成され
ているので、閉状態と同様に、開状態においても、弁箱
内周面中央部(221)近傍のシール部材(43)は弁
箱内周面(22)より抗力を受けるので、開状態におい
ても流体から弁体(4)に加えられた圧力は弁棒(3)
だけでなくシール部材(43)によっても支えられる。
【0160】上記のようにして、特に閉状態において流
体から弁体(4)に加えられる圧力が弁棒(3)だけで
なく、シール部材(43)によっても支えられるので、
弁棒(3)および弁体(4)の強度、弁棒(3)の太
さ、および弁体(4)の厚みを減らすことができる。こ
のように、弁棒(3)および弁体(4)の強度、弁棒
(3)の太さ、および弁体(4)の厚みを減らすことに
よって、開状態において流体から弁体(4)に加えられ
る圧力が減少し、流体の圧力損失をより効果的に防止し
得る。さらに、バタフライバルブ(1)全体の重量を軽
減することができる。
【0161】また、上記のような溝(25)、シールパ
ッキン(26)、およびシール部材(43)が用いられ
ることにより、以下のような効果が得られる。上述した
ように、まず、弁体本体(41)の周縁部にやや突出す
るように備えられたゴムからなるシール部材(43)
が、弾性圧縮した状態で球状の縮径構造が形成された弁
箱内周面(22)に押圧密着することにより、流体遮断
効果が得られる。
【0162】さらに、図38に示すように、ゴムからな
るシール部材(43)が溝(25)に弾性圧縮した状態
で挿入され、溝(25)の縦方向の壁(252)に押圧
密着することによっても、流体遮断効果が得られる。
【0163】また、この場合には、シール部材(43)
の弾性は、シールパッキン(26)の円環部(263)
の弾性より強いので、シール部材(43)がシールパッ
キン(26)を押圧し、シールパッキン(26)は弾性
圧縮される。これによっても、シール部材(43)とシ
ールパッキン(26)との間が密着し、さらに高い流体
遮断効果が得られる。
【0164】また、溝(25)の縦方向の壁(252)
と弁箱内周面(22)との間をR状に曲成しているの
で、ゴムからなるシール部材(43)は弾性圧縮した状
態でR状部分(251)に押圧密着している。これによ
り、図40に示すように、矢印Fの方向からの流体によ
り圧力が弁体(4)に加えられた場合、弁体周縁部(4
2)に設けられたシール部材(43)は上流側から下流
側に向かって押圧され、弾性圧縮し、これによりR状部
分(251)からシール部材(43)に対して抗力が発
生する。この抗力によっても、流体から弁体(4)に加
えられた圧力が支えられる。従って、流体から加えられ
る圧力は、弁棒(3)だけでなく、弁体(4)からなる
シール部材(43)が弾性圧縮して密着するR状部分
(251)によっても支えられるので、弁棒(3)を必
要以上に丈夫にすることがなくなる。
【0165】また、長年、本実施例3に係るバタフライ
バルブ(1)を使用していると、流体(例えば、水)中
に含まれる微量の金属(例えば、カルシウム)などが弁
体周縁部(42)に設けられたゴムからなるシール部材
(43)に固形物(スケール)として付着し、この固着
物により完全な流体遮断効果が得られなくなる場合があ
るが、このような溝(25)を設けることにより、弁体
周縁部(42)に設けられたシール部材(43)は、弁
棒の回動操作により開状態から閉状態に移る際に、R状
部分(251)を摺動するので、これにより固着物が除
去される。従って、長年、本実施例3に係るバタフライ
バルブ(1)を用いた場合でも、弁体周縁部(42)に
設けられたシール部材(43)に固着物が付着せず、完
全な流体遮断効果を長年、維持することができる。
【0166】(実施例4)図42から図50は、実施例
4に係るバタフライバルブ(1)を説明するために用い
られる図である。図42は、実施例4に係るバタフライ
バルブ(1)の縦断面図であり、図43は、実施例4に
係るバタフライバルブ(1)の横断面図であり、図42
におけるE−E線断面図でもある。図44は、実施例4
に係るバタフライバルブ(1)の正面図である。図4
2、図43、および図44に概略されるように、本実施
例4のバタフライバルブ(1)は、弁箱(2)、弁棒
(3)、弁体(4)およびレバー(6)を備えており、
弁箱(2)は弁箱本体(27)と弁箱アダプター(2
8)とからなる。なお、レバー(6)は、実施例3と全
く同様である。図45は、弁箱アダプター(28)の概
略を示す平面図である。図46は、本実施例4において
用いられる弁体(4)およびそれに挿貫されている弁棒
(3)を表す図である。図47は、図42における点線
ヌで示される領域の拡大図であり、弁体下部(23)付
近の弁体(4)と弁箱(2)との状態をさらに詳細に説
明する図である。図48は、図45における点線ルで示
される領域の拡大図であり、弁体周縁部(42)に備え
られたシール部材(43)と弁箱(2)とが接している
状態をさらに詳細に説明する図である。
【0167】図42および図44に示すように、本実施
例4のバタフライバルブ(1)は、弁箱(2)の両端に
外フランジボルト孔(111)を穿設された外フランジ
(11)を備えている。この外フランジボルト孔(11
1)にボルトを挿貫し、このボルトおよびナットを用い
て水道管などに接続する。後述するように、弁箱本体
(27)の外フランジ(11)に雌ねじを刻設したネジ
穴(284)が設けられている。
【0168】(弁箱(2)について)弁箱(2)は、図
42および図43に示すように短い円筒形をしており、
図42に示すように、弁箱本体(27)は、弁棒(3)
が弁箱上部(211)に回動可能かつ水密状態に貫通す
るための弁箱内弁棒嵌通孔(231)を備え、弁箱下部
(212)に弁棒(3)が回動可能かつ水密状態に嵌入
する弁箱内弁棒嵌入孔(232)を備えている。弁箱内
周面中央部(221)から弁箱内周面終端部(222)
にかけての弁箱本体内周面(271)の形状について
は、弁箱内周面中央部(221)近傍の上流側の弁箱本
体内周面(272)の形状が球面状であって、これによ
り縮径構造が形成され、弁箱内周面中央部(221)近
傍以外の上流側の弁箱本体内周面(273)は円筒面状
である。また、下流側の弁箱本体内周面(274)の形
状は円筒面状である。
【0169】図45に示すように、弁箱アダプター(2
8)は、内空略円筒形である。すなわち、弁箱アダプタ
ー外周面(281)は円筒形であり、弁箱アダプター内
周面(282)の一部が上流側から下流側に向かって球
面状に縮径されている。また、弁箱アダプター(28)
には、下流側にフランジ(283)が設けられており、
そのフランジ(283)には、孔(286)が穿設され
ている。このような弁箱アダプター(28)は、円筒形
であるその外周面(281)と、円筒形状の下流側の弁
箱本体内周面(274)とを当接させた状態で、弁箱本
体(27)に嵌合されて用いられる。
【0170】弁箱内弁棒嵌通孔(231)および弁箱内
弁棒嵌入孔(232)には、銅合金からなる円環状のブ
ッシュ(24)が、弁棒(3)を支承した状態で弁棒
(3)の周囲に挿通されている。このようなブッシュ
(24)により、弁棒(3)の回動時における弁箱
(2)と弁棒(3)との間の焼き付きおよび接触抵抗を
軽減することができる。
【0171】図11は本実施例4に用いられ得るゴムか
らなるシールパッキン(26)の斜視図である。ほぼ円
形のシールパッキン(26)の頭部(261)には、弁
棒(3)の円柱状部分(32)よりやや大きい直径を有
する環状のシールパッキン内弁棒貫通孔(262)が設
けられ、頭部(261)は弾性圧縮した状態で、このシ
ールパッキン内弁棒貫通孔(262)に貫通する弁棒
(3)に密着圧接している。これにより、弁箱(2)と
ブッシュ(24)との間に浸入した流体が、弁箱(2)
外部に漏出することが防止される。
【0172】弁箱下部のシールパッキン(26)は、弁
箱内弁棒嵌入孔(232)に嵌入された弁棒(3)の底
面に弾性圧縮された状態で密着圧接している。
【0173】図43、図12および図13に示すよう
に、弁箱内周面(22)には、弁箱内弁棒嵌通孔(23
1)から弁箱内周面(22)に沿って弁箱内弁棒嵌入孔
(232)を通るほぼ円環状の溝(25)が設けられて
いる。本実施例4では、図43および図13のように、
この溝(25)を完全に埋めるように、ゴムからなるシ
ールパッキン(26)の円環部(263)がこの溝(2
5)に埋入されている。このシールパッキン(26)の
円環部(263)の弾性は、シール部材(43)の弾性
より弱い。図48は、シールパッキン(26)の円環部
(263)が埋入された溝(25)に、弁体周縁部(4
2)にやや突出するように備えられたゴムからなるシー
ル部材(43)が挿入されている状態を示す。
【0174】図13および図48のように、この溝(2
5)は、弁箱中心方向に向かって縮幅しており、弁箱外
部方向に向かって拡幅している。このような構造を有す
る溝(25)にシールパッキン(26)を埋入すること
により、開状態と閉状態との間で弁体(4)を回動さ
せ、弁体周縁部(42)に備えられたシール部材(4
3)がシールパッキン(26)を摺動する際に、シール
パッキン(26)が溝(25)から外れにくくなる。
【0175】本実施例においては、図42などに示すよ
うに、上記の形状の弁体本体(27)を鋳物成形により
製作し、この状態で弁棒(3)、弁体(4)などを弁体
本体(27)に取り付け、次いで上記のような形状の弁
箱アダプター(28)を下流側の弁体本体内周面(27
1)の少なくとも一部に密接させるように、下流側から
嵌合させて弁箱(2)を作製する。弁箱(2)を鋳物成
形により一体製作する場合、はじめから弁箱内周面(2
2)に縮径構造を形成してしまうと、弁棒(3)などを
弁箱(2)内に装着できない場合があるが、本実施例に
おいては、弁箱本体(27)の下流側から弁棒(3)、
弁体(4)などを所定の箇所に装着し、その後に弁箱ア
ダプター(28)を嵌合させることにより、鋳物成形に
よる弁箱(2)が簡単に成形される。
【0176】より詳細には、以下のような手順に従って
本実施例4におけるバタフライバルブ(1)が作製され
る。まず、上記の形状の弁体本体(27)を鋳物成形に
より製作し、次いで下流側から半弁体本体(4a)を弁
箱本体(27)内に入れる。次いで、弁棒カバー(3
0)、シールパッキン(26)、ブッシュ(24)など
を弁箱本体(27)内に装着し、次いで弁棒(3)を弁
箱内弁棒嵌通孔(231)から嵌通させ、次いで半弁体
本体(4a)が半弁体本体(4b)と当接する当接面に
接着剤を塗布し、次いで半弁体本体(4b)を半弁体本
体(4a)に接着させる。最後に、上記の形状の弁箱ア
ダプター(28)を下流側から弁体本体(27)に嵌合
させる。
【0177】なお、上記の形状の弁箱アダプター(2
8)を弁体本体内周面(271)の少なくとも一部に密
接させた後、ビス(285)を孔(286)から挿入し
てネジ穴(284)と螺合させる。このようにして、弁
箱本体(27)と弁箱アダプター(28)とが嵌合され
るだけでなく、弁箱アダプター(28)が弁箱本体(2
7)から外れにくくなる。
【0178】(弁棒(3)について)弁棒(3)は、図
15に示すように、レバー(6)から弁箱内弁棒嵌通孔
(231)および弁箱内部(21)を貫通して、ブッシ
ュ(24)を備えられた弁箱内弁棒嵌入孔(232)と
回動可能に嵌合し、そして鉛直方向に円盤状の弁体
(4)によって挟装されている。
【0179】弁棒(3)は、図15に示すように、円柱
状部分(31)と、その円柱の直径の長さを一辺の長さ
とした正方形を断面とする角部(32)とから構成され
る。弁棒(3)と弁箱(2)との関係については、弁箱
内弁棒嵌通孔(231)および弁箱内弁棒嵌入孔(23
2)に円柱状部分(31)が備えられ、弁箱内部(2
1)の弁棒(3)は、主として角部(32)である。図
46に示すように、角部(32)の全四面のうち、流体
の流れる方向(矢印F)に平行な面(322)と弁体
(4)とが当接し、これにより弁棒(3)を開状態と閉
状態との間で回動させた際に、弁棒(3)の回動操作に
よる回転力(すなわち、トルク)を確実に弁体(4)に
伝えることができる。なお、各部(32)の残り2面
(すなわち、流体の流れる方向(矢印F)に垂直な面
(321))と弁体(4)との間には、空隙2(44)
が形成されている。
【0180】弁棒(3)は上端に雌ねじを刻設されたネ
ジ穴(図示せず)を備え、レバー(6)を弁棒(3)に
嵌合させ、レバー(6)中央上部からネジ穴(図示せ
ず)にボルト(37)を挿入することによって、弁棒
(3)にレバー(6)が固定されている。
【0181】(弁体(4)について)弁体(4)は、図
46および図47に示すように、弁体周縁部(42)を
凹状に形成された円盤状の弁体本体(41)を備えてい
る。このような形状の弁体周縁部(42)に、図20に
示すような、ゴムからなるシール部材(43)が挟備さ
れている。このシール部材(43)は、閉状態において
弾性圧縮した状態で弁箱内周面(22)に密着圧接す
る。このシール部材(43)には、弁棒(3)が挿通さ
れることができるように、弁棒(3)の円柱状部分(3
1)よりもわずかに小さい直径を有する20つのシール
部材内弁棒嵌通孔(431)(432)が直径対称に設
けられている。これらのシール部材内弁棒嵌通孔(43
1)(432)の内部では、シール部材(43)が弾性
圧縮した状態で弁棒(3)に密着圧接している。
【0182】図20に示すような形状であるシール部材
(43)は、弁体周縁部(42)に備えられるが、弁体
周縁部(42)の形状は、図43、図46、図47、図
48に示すように、弁体中心側に向かって拡幅し、弁体
周縁部に向かって縮幅している。このような構造を有す
る弁体周縁部(42)にシール部材(43)が備えられ
ているので、開状態と閉状態との間で弁体(4)を回動
させる際に、シール部材(43)が弁体周縁部(42)
から外れにくい。
【0183】図43、図46、図47、および図48に
示すように、閉状態であって、さらに流体が弁箱内部
(21)を流れていない状態では、シール部材(43)
のみが弁箱内周面(22)に弾性圧縮した状態で密着圧
接している。弁体本体(41)は弁箱内周面(22)に
当接しておらず、弁体本体(41)と弁箱内周面(2
2)との間には、空隙3(45)が形成されている。
【0184】弁体(4)は、図46に示され、そして上
記で説明されたように、中心に弁棒(3)が備えられた
窪みが設けられ、外周部をL字状にした半弁体本体(4
1A)(41B)を作製し、この半弁体本体(41A)
のL字状の外周部にシール部材(43)を装着し、この
半弁体本体(41A)を左右対称型の半弁体本体(41
B)に接着することによって構成されている。同一形状
の半弁体本体(41A)(41B)が用いられるため、
弁体が容易にかつ経済的に作製される。
【0185】(レバーについて)レバー(6)は、上記
の通り、実施例3において用いられるレバー(6)と同
一である。
【0186】(効果)本実施例4に係るバタフライバル
ブは、上記のような構造を有するため、以下のような効
果を有する。なお、以下の説明でも、流体は右側(上流
側)から左側(下流側)にながれるとし、さらに図面の
なかの番号の語尾に、上流側の部材である場合にはa
を、下流側の部材である場合にはbを付す。
【0187】図49および図50に示すように、閉状態
において矢印Fに示すような右方向からの流体に弁体
(4)が圧迫されると、弁体(4)と弁棒(3)との間
に形成された空隙2(44)の体積が小さくなりそして
弁箱内弁棒嵌通孔(231)の近傍のシール部材(4
3)および弁体下部(23)の弁箱内周面(22)近傍
のシール部材(43)が圧縮され、弁体(4)から弁棒
(3)に力が加えられる。この力は、従来のバタフライ
バルブと同様、弁棒が弁体に嵌入している弁箱内弁棒嵌
通孔(231)および弁箱内弁棒嵌入孔(232)に伝
わることによって支えられるが、流体から弁体(4)に
加えられた力は、弁棒(3)だけでなく、以下に説明さ
れるように、シール部材(43)によっても支えられ
る。
【0188】図49および図50に示すように、流体に
より上流側の弁体(4a)が圧迫されると、弁体(4)
と弁棒(3)との間に形成された空隙2(44)の体積
が小さくなりつつ、さらに弁体(4)は下流側にわずか
に偏移する。このように弁体(4)が下流側に偏移する
と、弁箱アダプター内周面(282)には、弁箱本体内
周面中央部(241)近傍には球面状の縮径構造が形成
されているので、ゴムから構成されている下流側のシー
ル部材(43b)は圧縮され、下流側の弁箱内周面(2
4b)から下流側のシール部材(43b)に抗力が発生
する。この抗力によっても、流体から弁体(4)に加え
られた圧力は支えられる。従って、流体から加えられる
圧力は、弁棒(3)にはあまりかからず、主としてシー
ル部材(43)にかかるので、弁棒(3)を必要以上に
丈夫にすることがなくなる。
【0189】また、このようにゴムからなるシール部材
(43)が圧縮されると、下流側のシール部材(43
b)と下流側の弁箱アダプター内周面(282)との密
着性が高まるので、水密性がさらに増す。従って、弁箱
アダプター内周面(282)と弁体周縁部(42)との
間で空隙ができず、上流側から下流側に流れる流体が弁
箱アダプター内周面(282)と弁体周縁部との間から
漏れ出すことがさらに効果的に防止される。
【0190】さらに高い圧力を有する流体によって上流
側の弁体(4a)が圧迫された場合、下流側の弁体本体
(41b)が弁箱アダプター内周面(282)に当接
し、空隙3(45)が存在しなくなる。従って、下流側
のシール部材(43b)と同様に、下流側の弁体本体
(41b)が、下流側の球面状の弁箱アダプター内周面
(282)に接することによっても、弁箱アダプター内
周面(282)から下流側の弁体本体(41b)に抗力
が発生するので、上流側の弁体(4a)から伝えられた
圧力を支えることができ、流体が上流側から下流側に漏
洩することがさらにより効果的に防止される。
【0191】また、レバー(6)を除き、弁箱(2)、
弁棒(3)、および弁体(4)を上記のような左右対称
型とすることにより、弁体(4)に加えられる圧力が上
流側から下流側へと下流側から上流側へとの間で交互に
変化する場合には、上流側のシール部材(43a)およ
び下流側のシール部材(43b)がそのような変化にそ
れぞれ順応して圧縮されるので、上記と同様に、流体か
ら弁体(4)に加えられた圧力は、弁棒(3)だけでな
くシール部材(43)によっても支えられる。また、流
体の圧力が高い場合には、弁体本体(41)もそのよう
な変化に順応して弁箱内周面(22)または弁箱アダプ
ター内周面(282)に交互に当接するため、上流側か
ら下流側へと下流側から上流側へとの間で交互に変化す
る流体圧力を減衰することができる。従って、万一下流
側から流体圧力を受けた場合であっても、弁箱(2)、
弁棒(3)、および弁体(4)が上記のような左右対称
型であるので、本実施例4のバタフライバルブ(1)は
逆流防止弁としての役割を発揮する。
【0192】開状態においては、弁箱内部(21)の弁
棒(3)および弁体(4)は流体圧力の損失原因となる
が、従来の円筒形の弁箱内部(21)と比較して、弁箱
内部(21)の形状は球状であるので、流体の流路が狭
められず、流体の圧力損失が生じにくいという利点があ
る。また、弁箱内周面中央部(221)近傍には弁箱内
周面終端部(222)に向かって球面状の縮径構造が形
成されているので、閉状態と同様に、開状態において
も、弁箱内周面中央部(221)近傍のシール部材(4
3)は弁箱内周面(22)または弁箱アダプター内周面
(282)より抗力を受けるので、開状態においても流
体から弁体(4)に加えられた圧力は弁棒(3)だけで
なくシール部材(43)によっても支えられる。
【0193】上記のようにして、特に閉状態において流
体から弁体(4)に加えられる圧力が弁棒(3)だけで
なく、シール部材(43)によっても支えられるので、
弁棒(3)および弁体(4)の強度、弁棒(3)の太
さ、および弁体(4)の厚みを減らすことができる。こ
のように、弁棒(3)および弁体(4)の強度、弁棒
(3)の太さ、および弁体(4)の厚みを減らすことに
よって、開状態において流体から弁体(4)に加えられ
る圧力が減少し、流体の圧力損失をより効果的に防止し
得る。さらに、バタフライバルブ(1)全体の重量を軽
減することができる。
【0194】また、上記のような溝(25)、シールパ
ッキン(26)、およびシール部材(43)が用いられ
ることにより、以下のような効果が得られる。上述のよ
うに、弁体本体(41)の周縁部にやや突出するように
備えられたゴムからなるシール部材(43)が、弾性圧
縮した状態で球状の縮径構造が形成された弁箱内周面
(22)に押圧密着することにより、流体遮断効果が得
られる。
【0195】さらに、図50のように、ゴムからなるシ
ール部材(43)が溝(25)に弾性圧縮した状態で挿
入され、溝(25)の縦方向の壁(252)に押圧密着
することによっても、流体遮断効果が得られる。
【0196】また、この場合には、シール部材(43)
の弾性は、シールパッキン(26)の円環部(263)
の弾性より強いので、シール部材(43)がシールパッ
キン(26)を押圧し、シールパッキン(26)は弾性
圧縮される。これによっても、シール部材(43)とシ
ールパッキン(26)との間が密着し、さらに高い流体
遮断効果が得られる。
【0197】また、溝(25)の縦方向の壁(252)
と弁箱内周面(22)との間をR状に曲成しているの
で、ゴムからなるシール部材(43)は弾性圧縮した状
態でR状部分(251)に押圧密着している。これによ
り、図50に示すように、矢印Fの方向からの流体によ
り圧力が弁体(4)に加えられた場合、弁体周縁部(4
2)に設けられたシール部材(43)は上流側から下流
側に向かって押圧され、弾性圧縮し、これによりR状部
分(251)からシール部材(43)に対して抗力が発
生する。この抗力によっても、流体から弁体(4)に加
えられた圧力が支えられる。従って、流体から加えられ
る圧力は、弁棒(3)だけでなく、弁体(4)からなる
シール部材(43)が弾性圧縮して密着するR状部分
(251)によっても支えられるので、弁棒(3)を必
要以上に丈夫にすることがなくなる。
【0198】また、長年、本実施例4に係るバタフライ
バルブ(1)を使用していると、流体(例えば、水)中
に含まれる微量の金属(例えば、カルシウム)などが弁
体周縁部(42)に設けられたゴムからなるシール部材
(43)に固形物(スケール)として付着し、この固着
物により完全な流体遮断効果が得られなくなる場合があ
るが、このような溝(25)を設けることにより、弁体
周縁部(42)に設けられたシール部材(43)は、弁
棒の回動操作により開状態から閉状態に移る際に、R状
部分(251)を摺動するので、これにより固着物が除
去される。従って、長年、本実施例4に係るバタフライ
バルブ(1)を用いた場合でも、弁体周縁部(42)に
設けられたシール部材(43)に固着物が付着せず、完
全な流体遮断効果を長年、維持することができる。
【0199】
【発明の効果】上記の発明の実施の形態および実施例に
おいて詳細に説明したが、本発明により、閉状態におい
て高圧の流体に耐えて流体の漏洩を防ぐことができ、さ
らに流体遮断性(例えば、止水性)を向上し、さらに弁
体周縁部(42)に設けられたシール部材(43)に固
着物が付着せず、完全な流体遮断効果を長年、維持する
ことができるバタフライバルブが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るバタフライバルブ(1)の平面
図である。
【図2】 本発明に係るバタフライバルブ(1)の縦断
面図である。
【図3】 本発明に係るバタフライバルブ(1)に係る
正面図である。
【図4】 図2をさらに詳細に説明する図である。
【図5】 本実施例において用いられるハンドル(5)
の概略的に説明する図であり、図4の点線イで示される
領域の拡大図でもある。
【図6】 ハンドル(5)の概略図を示す断面図であ
る。
【図7】 図4のA−A断面斜視図であり、弁体(4)
およびそれに挿貫されている弁棒(3)を表す図であ
る。
【図8】 図4において弁体(4)と弁箱(2)とが接
している状態をさらに詳細に説明する拡大図、すなわ
ち、図4の点線ロで示される領域の拡大図である。
【図9】 図8をさらに拡大した図である。
【図10】 各実施例における弁箱内周面(22)を説
明するために用いられる図である。
【図11】 実施例1、実施例2、実施例4において用
いられるシールパッキン(26)を示す斜視図である。
【図12】 弁箱(2)に設けられた溝(25)を説明
するための図である。
【図13】 弁箱(2)に設けられた溝(25)にシー
ルパッキン(26)が埋入されていることを示す断面図
である。
【図14】 シールパッキン(26)が埋入された溝
(25)に、弁体周縁部(42)に配設されたシール部
材(43)が挿入されていることを示す断面図であり、
図7の点線ハにおける領域の拡大図でもある。
【図15】 本発明において用いられる弁棒(3)を示
す図である。
【図16】 図4におけるB−B線で切った斜視図であ
る。
【図17】 図8において、図の右方向から流体が流れ
てきたときの、弁箱内周面中央部(221)近傍におけ
る弁体(4)の偏移を示すために用いられる断面図であ
る。
【図18】 図17の部分拡大図である。
【図19】 図14において、図の右方向から流体が流
れてきたときの、溝(25)が設けられた弁箱内周面
(22)近傍における弁体(4)の偏移を示すために用
いられる断面図である。
【図20】 本発明において用いられるシール部材(4
3)を示す斜視図である。
【図21】 実施例2のバタフライバルブ(1)の縦断
面図である。
【図22】 実施例2のバタフライバルブ(1)の正面
図である。
【図23】 実施例2において用いられるハンドル
(5)を詳細に説明する図であり、図21の点線ニで示
される領域の拡大図でもある。
【図24】 ハンドル(5)を詳細に示す平面図であ
る。
【図25】 実施例2のバタフライバルブ(1)の横断
面図であり、図21のC−C線断面図でもある。
【図26】 実施例2において用いられる弁体(4)お
よびそれに挿貫されている弁棒(3)を表す図である。
【図27】 図21における点線ホで示される領域の拡
大図であり、弁箱内弁棒嵌入孔(232)付近で弁体
(4)と弁箱(2)とが接している状態をさらに詳細に
説明する図である。
【図28】 図25における点線へで示される領域の拡
大図であり、弁体周縁部(42)に備えられたシール部
材(43)と弁箱(2)とが接している状態をさらに詳
細に説明する図である。
【図29】 図27において、図の右方向から流体が流
れてきたときの、弁箱内周面中央部(221)近傍にお
ける弁体(4)の偏移を示すために用いられる断面図で
ある。
【図30】 図28において、図の右方向から流体が流
れてきたときの、溝(25)が設けられた弁箱内周面
(22)近傍における弁体(4)の偏移を示すために用
いられる断面図である。
【図31】 実施例3に係るバタフライバルブ(1)の
縦断面図である。
【図32】 実施例3に係るバタフライバルブ(1)の
正面図である。
【図33】 本実施例3において用いられるレバー
(6)の断面図であり、図31の点線トで示される領域
の詳細図でもある。
【図34】 レバー(6)の概略を示す平面図である。
【図35】 実施例3に係るバタフライバルブ(1)の
横断面図であり、図31のD−D線断面図でもある。
【図36】 本実施例3において用いられる弁体(4)
およびそれに挿貫されている弁棒(3)を表す図であ
る。
【図37】 図31における点線チで示される領域の拡
大図であり、弁体下部(23)付近の弁体(4)と弁箱
(2)との状態をさらに詳細に説明する図である。
【図38】 図35における点線リで示される領域の拡
大図であり、弁体周縁部(42)に備えられたシール部
材(43)と弁箱(2)とが接している状態をさらに詳
細に説明する図である。
【図39】 図37において、図の右方向から流体が流
れてきたときの、弁箱内周面中央部(221)近傍にお
ける弁体(4)の偏移を示すために用いられる断面図で
ある。
【図40】 図38において、図の右方向から流体が流
れてきたときの、溝(25)が設けられた弁箱内周面
(22)近傍における弁体(4)の偏移を示すために用
いられる断面図である。
【図41】 実施例3において用いられるシールパッキ
ン(26)を示す斜視図である。
【図42】 実施例4に係るバタフライバルブ(1)の
縦断面図である。
【図43】 実施例4に係るバタフライバルブ(1)の
横断面図であり、図42におけるE−E線断面図でもあ
る。
【図44】 実施例4に係るバタフライバルブ(1)の
正面図である。
【図45】 弁箱アダプター(28)の概略を示す平面
図である。
【図46】 本実施例4において用いられる弁体(4)
およびそれに挿貫されている弁棒(3)を表す図であ
る。
【図47】 図42における点線ヌで示される領域の拡
大図であり、弁体下部(23)付近の弁体(4)と弁箱
(2)との状態をさらに詳細に説明する図である。
【図48】 図45における点線ルで示される領域の拡
大図であり、弁体周縁部(42)に備えられたシール部
材(43)と弁箱(2)とが接している状態をさらに詳
細に説明する図である。
【図49】 図47において、図の右方向から流体が流
れてきたときの、弁箱内周面中央部(221)近傍にお
ける弁体(4)の偏移を示すために用いられる断面図で
ある。
【図50】 図48において、図の右方向から流体が流
れてきたときの、溝(25)が設けられた弁箱内周面
(22)近傍における弁体(4)の偏移を示すために用
いられる断面図である。
【符号の説明】
1…バタフライバルブ 11…外フランジ 111…外フランジボルト孔 12…内フランジ 121…内フランジボルト孔 12
2…ボルト 123…ナット 2…弁箱 2A…半弁箱 2B…半弁箱 20…弁箱外周面 201…空間 202…補強部材 21…弁箱内部 211…弁箱上部 212…弁箱下部 22…弁箱内周面 221…弁箱内周面中央部 222
…弁箱内周面終端部223…面取り 23…弁箱内弁棒嵌入孔 231…弁箱内弁棒嵌通孔
232…弁箱内弁棒嵌入孔 24…ブッシュ 25…溝 251…R状部分 252…壁 26…シールパッキン 261…頭部 262…シール
パッキン内弁箱貫通孔263…円環部 27…弁箱本体 271…弁箱本体内周面 272…弁
箱内周面中央部(221)近傍の上流側の弁箱本体内周
面 273…弁箱内周面中央部(221)近傍以外の上
流側の弁箱本体内周面 274…下流側の弁箱本体内周
面 28…弁箱アダプター 281…弁箱アダプター外周面
282…弁箱アダプター内周面 283…フランジ
284…ネジ穴 285…ビス 286…孔 29…リブ1 3…弁棒 30…弁棒カバー 31…円柱状部分 32…角部 3
3…肩部 34…ワッシャー 35…隔離壁 36…空
隙1 37…ボルト 4…弁体 4A…半弁体本体 4B…半弁体本体 41…弁体本体 42…弁体周縁部 43…シール部材 431…シール部材内弁棒嵌通孔
432…シール部材内弁棒嵌通孔 44…空隙2 441…弾性体 442…ゴム 45…空隙3 46…リブ2 5…ハンドル 51…フランジ 511…ボルト 512…ナット 52…ハンドルケース 521…くぼみ 522…取っ
手 53…充填材 541…歯車A 542…歯車B 543…軸芯 54
4…歯車C 545…歯車D 55…カラー 561…歯車E 562…軸芯 563…軸受 564
…歯車F 571…溝 572…ボール 573…ボール収納部 6…レバー 61…レバー本体 611…基端部 612…先端部
613…ボルト 614…枢支軸 62…クリップ 621…凸部 622…スプリング 63…開閉調整板 631…孔 64…ストッパー

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】弁箱と、 該弁箱内周面の少なくとも1カ所に設けられた弁箱内弁
    棒嵌入孔に回動自在かつ水密状態に嵌入する弁棒と、 弁棒の回動操作によって弁体周縁部に配設された弾性体
    からなるシール部材の少なくとも一部が該弁箱内周面に
    密接し、上流側から下流側に流れる流体が遮断される閉
    状態と、該弁棒が貫通する近傍以外の該弁体周縁部が該
    弁箱内周面から離間し、上流側から下流側に流体が流れ
    る開状態との間で切り換え可能であって、直径方向に中
    心を挿通する該弁棒用の空間が形成された円盤状の弁体
    と、 を備えるバタフライバルブにおいて、 該弁箱内周面には、該弁箱内弁棒嵌入孔から下流側に向
    かって縮径されてなる縮径構造が形成され、 閉状態において該弾性体からなるシール部材が、縮径構
    造が形成された該弁箱内周面に密接するように構成され
    ていることを特徴とする、バタフライバルブ。
  2. 【請求項2】前記弁箱が弁箱本体と内空略円筒形の弁箱
    アダプターとからなり、該弁箱アダプターが、前記弁箱
    内弁棒嵌入孔から下流側にわたる弁箱本体内周面に密着
    し、弁箱アダプター内周面の少なくとも一部が下流側に
    向かって縮径されていることによって前記縮径構造が形
    成されていることを特徴とする、請求項1に記載のバタ
    フライバルブ。
  3. 【請求項3】前記弾性体からなるシール部材が配設され
    た前記弁体周縁部以外の上流側の前記弁体の中央部と前
    記弁棒との間に空隙が形成されており、 閉状態において上流側からの流体の圧力により該弁体が
    下流側に偏移して、該弾性体からなるシール部材が、縮
    径構造により圧縮されるように構成されていることを特
    徴とする、請求項1または2のいずれかに記載のバタフ
    ライバルブ。
  4. 【請求項4】前記弾性体からなるシール部材が配設され
    た前記弁体周縁部以外の下流側の前記弁体の中央部と前
    記弁棒との間に空隙が形成されており、前記弁箱内周面
    には、前記弁箱内弁棒嵌入孔から上流側に向かって縮径
    されてなる縮径構造が形成され、 閉状態において、下流側からの逆流状態の流体の圧力に
    より、該弁体が上流側に偏移して、該弾性体からなるシ
    ール部材が、縮径構造が形成された該弁箱内周面に密接
    するように構成されていることを特徴とする、請求項3
    に記載のバタフライバルブ。
  5. 【請求項5】前記空隙に弾性体が装填されている、請求
    項3または4のいずれかに記載のバタフライバルブ。
  6. 【請求項6】前記弾性体からなるシール部材が配設され
    る前記弁体周縁部が断面凹状であり、そして該断面凹状
    の弁体周縁部が、弁体中心側に向かって拡幅し、弁体周
    縁部に向かって縮幅していることを特徴とする、請求項
    1から5のいずれかに記載のバタフライバルブ。
  7. 【請求項7】前記弁箱内弁棒嵌入孔から弁箱内周面に沿
    ってほぼ円環状の溝が設けられ、閉状態において、前記
    弁体周縁部に配設された弾性体からなるシール部材の少
    なくとも一部が、該溝に挿入されることを特徴とする、
    請求項1から6のいずれかに記載のバタフライバルブ。
  8. 【請求項8】前記溝の角部がR状に曲成されている、請
    求項7に記載のバタフライバルブ。
  9. 【請求項9】前記溝に、前記シール部材として配設され
    る弾性体より弱い弾性体からなるシールパッキンが埋入
    され、閉状態において、該シール部材の少なくとも一部
    が、該シールパッキンを押圧し、該シール部材と該シー
    ルパッキンとが密着することを特徴とする、請求項7ま
    たは8のいずれかに記載のバタフライバルブ。
  10. 【請求項10】前記シールパッキンが埋入される溝が、
    弁箱中心方向に向かって縮幅し、弁箱外部方向に向かっ
    て拡幅していることを特徴とする、請求項9に記載のバ
    タフライバルブ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012524224A (ja) * 2009-04-16 2012-10-11 テネコ オートモティブ オペレーティング カンパニー インコーポレイテッド 回転可能なフラッパバルブを導管の内部に設置する方法
CN105673871A (zh) * 2014-11-18 2016-06-15 天津澳特斯阀门制造有限公司 多功能蝶阀
JP2016151350A (ja) * 2015-02-19 2016-08-22 株式会社デンソー バルブ装置

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