JPH1171548A - 保護フィルム用水性樹脂組成物及び塗膜保護方法 - Google Patents

保護フィルム用水性樹脂組成物及び塗膜保護方法

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JPH1171548A
JPH1171548A JP23264997A JP23264997A JPH1171548A JP H1171548 A JPH1171548 A JP H1171548A JP 23264997 A JP23264997 A JP 23264997A JP 23264997 A JP23264997 A JP 23264997A JP H1171548 A JPH1171548 A JP H1171548A
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JP
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film
resin composition
protective film
polyolefin
aqueous
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JP23264997A
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Eiji Yamanaka
英司 山中
Hisanori Tanabe
久記 田辺
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄い膜厚でも十分な耐酸性を有し、かつ容易
に剥離することができる保護フィルムを塗布により形成
する。 【解決手段】 塗布により保護フィルムを形成するため
の保護フィルム用水性樹脂組成物であり、酸基を有する
ポリオレフィン系樹脂の酸基を中和することにより得ら
れるポリオレフィン水分散体と、アクリルエマルジョン
とを、固形分比(アクリルエマルジョン/酸基を有する
ポリオレフィン系樹脂)で、9/1〜3/7となるよう
に配合したことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車車体の外板
塗膜等を保護するための保護フィルムを塗布により形成
することができる保護フィルム用水性樹脂組成物及び該
水性樹脂組成物を用いた塗膜保護方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】自動車車体の外板塗膜を保護する方法と
しては、従来より塗膜の上にワックスを塗布する方法
や、塗膜の上に保護シートを貼り付ける方法などが採用
されている。このような塗膜の保護は、塗装完成後、消
費者に引き渡すまでの間、塗膜の傷つきや汚れ付着を防
止するため行われるものである。従って、消費者に引き
渡す前に塗膜上のワックスや保護シートを除去する必要
がある。ワックスを塗布した場合は、通常有機溶剤を用
いてワックスを洗い流しているが、洗い流すのに手間が
かかり、また洗い流した後の有機溶剤を廃棄処理しなけ
ればならないという問題があった。保護シートを貼り付
けた場合には、これを剥がすことにより除去することが
できるので除去作業は非常に簡単であるが、保護シート
を貼り付ける際に気泡やよじれが生じないように貼り付
けなければならず、この作業に手間がかかるという問題
があった。
【0003】上記のような問題を解消する方法として、
塗膜の上に液状物を塗布し、これをフィルム状にした後
に剥がす方法が考えられる。特開平7−292292号
公報には、スプレー塗装した後、フィルムとして剥離す
ることができるアクリルエマルジョンを主成分とする水
性樹脂組成物が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、該公報
に開示された保護フィルムは、高い吸水率を有してお
り、近年酸性雨に対する塗膜の保護のため求められてい
る耐酸性等において不十分であるという問題があった。
また、耐酸性等を高めるため保護フィルムの膜厚を10
0μm以上に厚くする方法が考えられるが、膜厚が厚く
なると、塗装後の乾燥に手間がかかり、また剥離したフ
ィルムがかさばるため廃棄物が多量になるという問題を
生じた。
【0005】また、金属板等の表面に塗布した後フィル
ム状に剥がすストリッパブルペイントとして種々の組成
のものが知られているが、これらのストリッパブルペイ
ントを有機物である塗膜に用いると、剥離性が悪く容易
に剥離できない場合があった。
【0006】本発明の目的は、薄い膜厚でも十分な耐酸
性を有し、かつ容易に剥離することができる保護フィル
ムを塗布により形成することができる水性樹脂組成物及
び該水性樹脂組成物を用いた塗膜保護方法を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の保護フィルム用
水性樹脂組成物は、塗布により保護フィルムを形成する
ための水性樹脂組成物であり、酸基を有するポリオレフ
ィン系樹脂の酸基を中和することにより得られるポリオ
レフィン水分散体と、アクリルエマルジョンとを、固形
分比(アクリルエマルジョン/酸基を有するポリオレフ
ィン系樹脂)で、9/1〜3/7となるように配合した
ことを特徴としている。また、この固形分比は、さらに
好ましくは9/1〜4/6であり、さらに好ましくは8
/2〜4/6であり、さらに好ましくは8/2〜5/5
である。ポリオレフィン水分散体の配合割合が相対的に
多くなると、形成した保護フィルムを加熱したときの剥
離性が悪くなる傾向にある。また、ポリオレフィン水分
散体の配合割合が相対的に少なくなると、形成した保護
フィルムの耐酸性が低下する傾向にある。
【0008】以下、本発明の水性樹脂組成物の構成成分
について説明する。アクリルエマルジョン 本発明で用いるアクリルエマルジョンは、例えば、モノ
マーを界面活性剤で乳化してラジカル開始剤で重合する
ことにより製造することができる。本発明において用い
るアクリルエマルジョン中のポリマーは、高い分子量を
有することが好ましく、重量平均分子量で100万以上
であることが好ましく、さらには200万〜3000万
の重量平均分子量を有することが好ましい。このような
高い分子量を有するアクリルエマルジョンポリマーは、
モノマー等を含む反応系水媒体から、重合を停止させる
溶存酸素を除去することにより得ることができる。具体
的には、反応系水媒体中の溶存酸素濃度を、0.5%重
亜硫酸ソーダ水溶液の溶存酸素濃度よりも低くなるよう
に保持しながら、モノマーをラジカル重合させることに
より得ることができる。
【0009】高い分子量のアクリルエマルジョンポリマ
ーを用いることにより、保護フィルムを形成した際の塗
膜に対する密着性の経時変化を少なくすることができ
る。但し、分子量が高すぎると造膜性が低下する。
【0010】開始剤としては、ヒドロキシペルオキシド
または過硫酸塩を、モノマー100重量部に対し0.0
01〜0.2重量部含むヒドロキシペルオキシド−還元
剤−活性剤−キレート化合物系または過硫酸塩−還元剤
−活性剤系からなるレドックス系開始剤を用いることが
できる。
【0011】モノマーとしては、ラジカル重合能を有す
るビニル基含有単量体を用いることができ、例えば、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
ブチル、メタクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸ヒ
ドロキシエチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸
シクロヘキシルなどのメタクリル酸エステル類、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、ア
クリル酸エチルヘキシル、アクリル酸ヒドロキシエチ
ル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸シクロヘキシルな
どのアクリル酸エステル類、スチレン、α−メチルスチ
レン、メチルスチレン等の芳香族アルケニル化合物、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニルなど
のビニルエステル類、アクリル酸、メタクリル酸、イタ
コン酸、マレイン酸などの不飽和酸、アクリルアミド、
メタクリルアミド等を挙げることができる。これらのモ
ノマーは単独であるいは混合して用いることができる。
【0012】ヒドロキシペルオキシドとしては、クメン
ヒドロキシペルオキシド、t−ブチルヒドロキシペルオ
キシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロキシペルオキシ
ド、P−メンタンヒドロキシペルオキシド、1,1,
3,3−テトラメチルブチルヒドロキシペルオキシド、
2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロヒドロキ
シペルオキシド等が使用される。また、過硫酸塩として
は、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等が使用され
る。
【0013】また、乳化剤としては、アニオン系または
ノニオン系の乳化剤を使用することができ、使用量はモ
ノマー100重量部に対し0.5〜5重量部が好まし
い。また、必要に応じて、アクリル基またはメタクリル
基などのラジカル重合性二重結合を有する重合性乳化剤
を用いてもよい。
【0014】また、上述のように、モノマーを重合させ
る際の反応系水媒体中の溶存酸素濃度は、0.5%重亜
硫酸ソーダ水溶液の溶存酸素濃度以下に保持することが
好ましい。具体的には、例えば、溶存酸素濃度計を用
い、溶存酸素濃度計の電極を0.5%重亜硫酸ソーダ水
溶液中に浸漬し、酸素濃度を0ppmに較正しておき、
この溶存酸素濃度計の電極を重合溶液中に浸漬し、溶存
酸素濃度が0ppmを示すまで窒素ガスを重合溶液に導
入しバブリングを続ける。これにより、重合溶液中の溶
存酸素を、0.5重亜硫酸ソーダ水溶液中の酸素濃度以
下にすることができる。
【0015】アクリルエマルジョンポリマーのTgは、
10℃以下が好ましく、さらに好ましくは−100〜0
℃である。アクリルエマルジョンポリマーのTgが高く
なると、造膜性が低下し、フィルムとして剥がしにくく
なる傾向にある。また、Tgが低くなりすぎると、フィ
ルム表面に粘着性ができ、汚れ易くなる。
【0016】ポリオレフィン水分散体 本発明において、ポリオレフィン水分散体は、カルボキ
シル基などの酸基を有するポリオレフィン系樹脂の酸基
を中和することにより得られる。このような原料となる
ポリオレフィン系樹脂の酸価(mg/g)は、高いこと
が好ましく、酸価60以上であることが好ましく、さら
に好ましくは酸価60〜250のポリオレフィン系樹脂
が用いられる。ポリオレフィン系樹脂としては、例え
ば、マレイン酸変性の、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブタジエン、ポリイソプレン及びこれらの水添
物、(メタ)アクリル酸変性の、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン及びこれら
の水添物、並びにエチレン−(メタ)アクリル酸共重合
体などが挙げられる。これらの中でも、高い酸価が設計
し易く、酸基が均一にポリマー中に分配されるエチレン
−(メタ)アクリル酸共重合体が好ましい。エチレン−
(メタ)アクリル酸共重合体の具体例としては、プリマ
コール1405、1410、1420、1430、34
40、3460、5980、5990(以上商品名、ダ
ウケミカル社製)、ニュークレルN5130、N203
0H、N2050H、N2060、N1035、N10
50H、N1108C、N1110H、N1207、N
1214、N1525、N1560(以上商品名、三井
デュポンケミカル社製)などが挙げられる。
【0017】本発明におけるポリオレフィン水分散体
は、上記の酸基を有するポリオレフィン系樹脂に水中油
型エマルジョンを形成するのに十分な量の塩基(アンモ
ニア、アルカノールアミンをはじめとするアミン化合物
や苛性カリ、苛性ソーダをはじめとする金属塩基など)
を加え、該樹脂中の酸基を中和することにより調製する
ことができる。これらの塩基の添加量としては、酸基を
有するポリオレフィン系樹脂1gあたり、1.2〜2.
4ミリモル程度が好ましい。添加する塩基の量が少なす
ぎると、水中に分散することが困難になり、逆に塩基が
多くなりすぎると、水性樹脂組成物の成膜に時間がかか
る傾向にある。ポリオレフィン系樹脂を中和してポリオ
レフィン水分散体を調製する方法は特に限定されるもの
ではないが、例えば、ポリオレフィン系樹脂を加熱水中
に添加しておき、攪拌混合下にアンモニアなどの塩基を
添加しポリオレフィン系樹脂の酸基を中和するととも
に、水中に分散させる方法を挙げることができる。
【0018】その他の添加剤 本発明の水性樹脂組成物には、必要に応じて、顔料を分
散することができる。用いる顔料としては、特に制限は
なく、カーボンブラック、酸化チタン、硫酸バリウム、
タルク等を単独もしくは混合して用いることができる。
また、形成する保護フィルムの密着性を調整する目的
で、シリコン系またはフッ素系のポリマーや添加剤を加
えてもよい。また、塗布した際の造膜性を高めたり、あ
るいは保護フィルム表面の性質を改良するために、添加
剤や溶剤を加えてもよい。さらには、必要に応じて、紫
外線吸収剤や光安定剤を添加してもよい。
【0019】アクリルエマルジョンとポリオレフィン水
分散体の配合 上記のアクリルエマルジョン及びポリオレフィン水分散
体を、上記固形分比となるように混合する。
【0020】本発明の塗膜保護方法は、上記本発明の水
性樹脂組成物を用いる方法であり、塗装完成品の外板塗
膜の上に、上記本発明の水性樹脂組成物を塗布し乾燥し
て保護フィルムを形成する工程と、塗膜の保護が不要に
なった時点において、保護フィルムを塗膜から剥離する
工程とを備えている。
【0021】本発明の水性樹脂組成物を塗布する方法
は、特に限定されるものではなく、スプレー、刷毛塗
り、ローラー塗布等の方法を採用することができる。ま
た、塗布する膜厚は、乾燥膜厚で10〜100μmとな
ることが好ましく、特に好ましくは15〜60μmであ
る。乾燥膜厚が薄すぎると、保護フィルムの酸性雨に対
する保護機能が不十分となり、逆に厚すぎると、塗布後
フィルムが完全に乾燥するまで時間がかかり好ましくな
い。塗布後の塗膜の乾燥は、通常自然乾燥で行われる
が、必要に応じて、80℃以下の加熱乾燥を行ってもよ
い。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明に従う具体的な実施
例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら
の実施例に限定されるものではない。
【0023】〔アクリルエマルジョンの調製〕以下に示
すTg及び重量平均分子量を有するアクリルエマルジョ
ンA〜Cを調製した。
【0024】アクリルエマルジョンA:Tg−9℃、重
量平均分子量約800万の昭和高分子社製アクリルエマ
ルジョン アクリルエマルジョンB:Tg−29℃、重量平均分子
量約800万の昭和高分子社製アクリルエマルジョン アクリルエマルジョンC:Tg−65℃、重量平均分子
量約800万の昭和高分子社製アクリルエマルジョン
【0025】〔ポリオレフィン水分散体の調製〕ポリオ
レフィン水分散体D〜Fを、以下のようにして調製し
た。 ポリオレフィン水分散体D:脱イオン水65.5gに2
5%アンモニア水4.5gを加え、95℃に加熱、調整
した。ポリオレフィン系樹脂として、エチレン−アクリ
ル酸共重合体である「プリマコール5980(ダウケミ
カル社製、酸価156)」を30g入れ、この不溶固形
分が無くなるまで、加熱攪拌した。不溶固形分が無くな
ったところで、放冷して不揮発物30%のポリオレフィ
ン水分散体Dを得た。
【0026】ポリオレフィン水分散体E:ポリオレフィ
ン水分散体Dに使用したエチレン−アクリル酸共重合体
の代わりに、エチレン−メタクリル酸共重合体である
「ニュクレルN2060(三井デュポンポリケミカル社
製、酸価130)」を使用すること以外は同様にして、
ポリオレフィン水分散体Eを得た。 ポリオレフィン水分散体F:ポリオレフィン水分散体D
に使用したエチレン−アクリル酸共重合体の代わりに、
酸価80の日本製紙社製マレイン化ポリプロピレンを使
用すること以外は同様にして、ポリオレフィン水分散体
Fを得た。
【0027】〔水性樹脂組成物の調製〕得られたアクリ
ルエマルジョンA〜Cと、ポリオレフィン水分散体D〜
Fを、表1に示す固形分比の割合で配合し、実施例1〜
6及び比較例1〜2の水性樹脂組成物を得た。なお、固
形分比は、アクリルエマルジョン/中和する前のポリオ
レフィン系樹脂で示している。
【0028】
【表1】
【0029】〔評価用保護フィルムの作製〕7cm×1
5cmのダル鋼板の上に、カチオン電着塗料「パワート
ップU−50」(日本ペイント社製、カチオン型電着塗
料)を、乾燥膜厚が20μmとなるように電着塗装し、
160℃で30分間焼き付けて電着塗膜を形成し、この
上に中塗り塗料「オルガーP−2グレー」(日本ペイン
ト社製、ポリエステル・メラミン樹脂系塗料)を、乾燥
膜厚が35μmとなるようにスプレー塗装し、140℃
で30分間焼き付けた後、水研ぎを施し、この上にメタ
リック塗料「スーパーラックM−155メタリックベー
ス」(日本ペイント社製、アクリル・メラミン樹脂系塗
料)を乾燥膜厚が15μmとなるようにスプレー塗装
し、この上にクリヤ塗料「スーパーラックO150クリ
アー」(日本ペイント社製、アクリル・メラミン樹脂系
塗料)を乾燥膜厚が35μmとなるようにスプレー塗装
し、7分間セッティングした後、140℃で30分間焼
き付け、塗膜を形成した。
【0030】以上のようにして形成した塗膜の上に、上
記実施例1〜6及び比較例1〜2の水性樹脂組成物を塗
布した。塗布方法は、イワタニ社製のカップガンワイダ
ー88を用いて、吐出圧4.0kg/cm2 で、乾燥膜
厚が20μmとなるようにスプレー塗装した。5分間セ
ッティングした後、70℃で3分間加熱して乾燥し、塗
膜上に保護フィルムを形成した。得られた保護フィルム
について、以下のようにして、剥離試験、耐酸性試験、
及び耐熱性試験を行った。
【0031】剥離試験 得られた保護フィルムの塗膜からの剥離のし易さを以下
の基準で評価した。評価結果を表2に示す。 ◎:塗膜から容易に剥離できる。 ○:やや抵抗があるものの、フィルムとして剥がれる。 △:フィルムとしては剥がれないが、塗膜から除去する
ことができる。 ×:塗膜から取り除くことができない。
【0032】耐酸性試験 脱イオン水に98%硫酸を加えてpH1の溶液を調製
し、この溶液1リットルに、クレー0.5gを加えて試
験溶液を用意する。この試験溶液のスラリーを攪拌しな
がら、0.2ml取り出し、保護フィルムの上に載せ、
60℃で1時間加熱した後、保護フィルムを除去して、
その下の塗膜の様子を観察し、以下の基準で評価した。
評価結果を表2に示す。 ○ :塗膜に全く影響がない。 × :塗膜に形が残る。 ××:酸性水を載せたところだけ、フィルムが剥がれな
くなっている。
【0033】耐熱性試験 保護フィルムを塗布した試験板を、80℃の電気乾燥機
で4時間加熱し、放冷した後の保護フィルムの塗膜から
の剥離のし易さを、以下の基準で評価した。 ◎:加熱前と変わらず保護フィルムを剥離できる。 ○:加熱前より若干密着力の上昇はあるがフィルムとし
て剥離できる。 △:加熱前より密着力の上昇があり、フィルムとしては
剥がせないが除去はできる。 ×:塗膜より保護フィルムが除去できない。
【0034】
【表2】
【0035】表2の結果から明らかなように、本発明に
従う実施例1〜6の水性樹脂組成物を用いて形成した保
護フィルムは、容易に剥離することができ、かつ耐酸性
において優れている。また、耐熱性においても優れてい
ることがわかる。
【0036】本発明の水性樹脂組成物及び塗膜保護方法
は、上記のように自動車車体等の塗装完成品の外板塗膜
の保護に用いることができるものであるが、塗装完成品
としては、自動車車体に限定されるものではなく、鉄道
車両や飛行機、さらには冷蔵庫及びテレビなどの家電製
品の塗膜の保護にも用いることができるものである。
【0037】
【発明の効果】本発明に従えば、薄い膜厚でも十分な耐
酸性を有し、かつ容易に剥離することができる保護フィ
ルムを塗布により形成することができる。従って、自動
車車体等の塗装完成品の外板塗膜の保護に有用である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗布により保護フィルムを形成するため
    の保護フィルム用水性樹脂組成物であって、 酸基を有するポリオレフィン系樹脂の酸基を中和するこ
    とにより得られるポリオレフィン水分散体と、アクリル
    エマルジョンとを、固形分比(アクリルエマルジョン/
    酸基を有するポリオレフィン系樹脂)で、9/1〜3/
    7となるように配合したことを特徴とする保護フィルム
    用水性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 アクリルエマルジョン中のポリマーの重
    量平均分子量が100万以上であることを特徴とする請
    求項1に記載の保護フィルム用水性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 アクリルエマルジョン中のポリマーのT
    gが10℃以下であることを特徴とする請求項1または
    2に記載の保護フィルム用水性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 酸基を有するポリオレフィン系樹脂の酸
    価が60以上であることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれか1項に記載の保護フィルム用水性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 塗装完成品の外板塗膜の上に保護フィル
    ムを設けることによって保護する方法であって、 前記塗膜の上に、請求項1〜4のいずれか1項に記載の
    水性樹脂組成物を塗布し乾燥して保護フィルムを形成す
    る工程と、 塗膜の保護が不要になった時点において、前記保護フィ
    ルムを前記塗膜から剥離する工程とを備える塗膜保護方
    法。
  6. 【請求項6】 前記保護フィルムの膜厚が10〜100
    μmであることを特徴とする請求項5に記載の塗膜保護
    方法。
JP23264997A 1997-08-28 1997-08-28 保護フィルム用水性樹脂組成物及び塗膜保護方法 Pending JPH1171548A (ja)

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Cited By (1)

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