JPH1171237A - ポリサッカリドアルキルエーテルで濃化された芳香族オイルを含有するツヤのある組成物 - Google Patents

ポリサッカリドアルキルエーテルで濃化された芳香族オイルを含有するツヤのある組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体脂肪相を含むリップスティック等の化粧
品または皮膚用製品において、オイルの滲出を抑制する
とともに着色被膜の移動を阻止し、なおかつツヤ等の化
粧品特性に優れた組成物を提供する。 【解決手段】 少なくとも１つの芳香族基を含む化学構
造を有する少なくとも１つのオイルを含有する液体脂肪
相、該脂肪相のための濃化剤、及び粒子相を含んでなる
組成物であり、前記濃化剤は、少なくとも２つの異なる
サッカリド環を含む単位から形成された少なくとも１つ
のポリサッカリドアルキルエーテルを含み、各単位が飽
和または不飽和の炭化水素ベースのアルキル鎖で置換さ
れた少なくとも１つのヒドロキシル基を含むことを特徴
とする組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な濃化剤(thi
ckener)で濃化された芳香族オイルを含有するツヤのあ
る組成物に関し、この組成物は、特に化粧品及び／また
は皮膚用の分野のためを意図するものである。より詳細
には、本発明は、ヒトの唇や下瞼などの皮膚及び／また
は粘膜用のメークアップ組成物に関する。また、本発明
は、この組成物の使用、及び、皮膚及び／または粘膜を
処理、メークアップ及び／またはケアする化粧方法にも
関する。この組成物は、スティック、ディッシュ、軟質
ペースト、あるいは、比較的濃化した油性液体の形態と
することができる。これは特に、唇用製品、ファンデー
ション、アイライナー、コンシーラー製品、アイシャド
ウ、または抗日光製品を構成する。
【０００２】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】化粧品
または皮膚用製品において、濃化された液体脂肪相はよ
く見いだせる。これは、無水の剥離剤(exfoliants)、ケ
ア用ゲル又は軟膏、デオドラント等の固体組成物、バル
ム剤、及びリップスティックの場合に特に見られる。オ
イル（即ち、室温において液体である相）の濃化は、特
に固体組成物からのオイルの滲出を抑制を可能にし、さ
らに、リップスティックの場合に、唇の周囲の皺や細か
い線における着色被膜の移動を全体的に阻止することを
可能にする。この移動の問題は、程度は低いが、目の周
囲に用いられる製品にも存在する。
【０００３】これらの問題を解決するため、通常はワッ
クスや充填剤の使用が行われている。しかし、これらの
ワックスや充填剤は組成物のツヤを消す傾向があり、女
性は、滲出せず移動もしない、ツヤのあるリップスティ
ックをますます求めているので、常に好ましいものでは
ない。
【０００４】メークアップまたはケア用製品のツヤを向
上させる周知の技術の一つは、粒子相を犠牲にして油相
の比率を高めることであるが、顔料粒子の分散が悪い
と、唇上に不均質な被膜が形成されて比較的美的に劣る
外観を与えるので、粒子は、可能な限り分散させる必要
がある。さらに、顔料の量が少なすぎると、良好に被覆
しない被膜が形成されることが多い。また、組成物のツ
ヤは、特に経時的な被膜の保持力の低さによって時間に
よって劣化する傾向がある。
【０００５】さらに、オイル（即ち、一般的に、室温に
おいて液体である脂肪相）を、ポリマー濃化剤、特にポ
リオレフィンで濃化することも知られている。残念なこ
とに、これらの周知のオイル濃化剤は、効果的な濃化を
得るためには大量に用いる必要がある。しかし、濃化剤
の量が多すぎると、組成物を化粧品分野で用いた場合、
不十分な化粧品特性しか与えず、特に、粘着感があり滑
らかさに欠け、これらの欠点は極めてやっかいで不快で
さえある。
【０００６】本出願人は、驚くべきことに、かつ、予想
だにしないことだが、特定の濃化剤で濃化した特定の液
体脂肪相によって、満足できる化粧品特性を有し、ゲ
ル、スティックまたは柔軟なペースト状の、ツヤのある
安定な化粧品組成物を得ることが出来ることを見出し
た。この組成物は、特に上記の欠点を解決することを可
能にする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】よって、本発明の主題
は、少なくとも１つの芳香族基を含む化学構造を有する
少なくとも１つのオイルを含有する液体脂肪相、該脂肪
相のための濃化剤、及び粒子相を含んでなる組成物であ
り、前記濃化剤は、少なくとも２つの異なるサッカリド
環を含む単位から形成された少なくとも１つのポリサッ
カリドアルキルエーテルを含み、各単位が飽和または不
飽和の炭化水素ベースのアルキル鎖で置換された少なく
とも１つのヒドロキシル基を含む。
【０００８】この特定の濃化剤及び脂肪相の選択によ
り、本発明の組成物は、皮膚又は唇において、ツヤのあ
る被膜を得ることを可能にする。また、組成物を硬化ま
たは固体化することが知られた成分と組み合わせて、従
来技術の濃化組成物と比較して向上した化粧品特性を有
する柔軟なペーストまたはスティック状の固体製品を得
ることも可能にする。特に、適用に柔らかく、ツヤのあ
る外観を有し、液体脂肪相が滲出しないリップスティッ
クのチューブ、コンシーラースティック、またはキャス
トファンデーションを得ることが出来る。さらに、特に
リップスティックの場合には、顔料を満たしたオイル
が、唇の角の皺や細かい線に移動することがない。
【０００９】本発明は、特に化粧品分野に適している
が、ツヤのある濃化した組成物またはツヤのある固体組
成物を必要とする任意の分野に適用でき、特に、獣医
学、皮膚科学、及び製薬学的領域、あるいは、木材領域
（家具の修復のための顔料スティック、オイル及びワッ
クス）に適用できる。
【００１０】
【発明の実施の形態】本発明の濃化剤において、「炭化
水素ベースのアルキル鎖」なる表現は、１から２４、好
ましくは１から１０、より好ましくは１から６、特に好
ましくは１から３の炭素原子を含む直鎖状または分枝状
の鎖を指称すると解される。特に、アルキル鎖は、飽和
鎖から選択されるが、特に、メチル、エチル、エテニ
ル、ｎ−プロピル、プロペニル、イソプロピル、ｎ−ブ
チル、イソブチル、tert-ブチル、及びtert-ペンチルか
ら選択される。これらのアルキルのエーテルはは、文献
EP-A-281,360、EP-A-708,114及びEP-A-281,360に記載さ
れたように調製することができる。
【００１１】本発明の好ましい実施態様によると、ポリ
サッカリドアルキルエーテルは、１００，０００、好ま
しくは２００,０００を越える重量平均分子量を有す
る。この平均分子量は、１,０００，０００まで変化さ
せることができる。このアルキルエーテルは、単位当た
りに１から６、好ましくは２から４の飽和または不飽和
炭化水素ベースのアルキル鎖で置換されたヒドロキシル
基を有することができる。前記サッカリド環は、特に、
マンノース、ガラクトース、グルコース、フラノース、
ラムノース及びアラビノースから選択される。
【００１２】本発明の好ましい実施態様では、ポリサッ
カリドアルキルエーテルは、ガム(gum)のアルキルエー
テル、特に、全体として非イオン性、即ち、イオン性基
を殆どまたは全く持たないガムのアルキルエーテルであ
る。好ましいガムとして、例えば、単位がガラクトース
及びマンノースを含むグアールガム、単位がガラクトー
ス及びマンノースを含むカロブ(carob)ガム、ラムノー
ス、ガラクトース及びガラクツロン酸の複合体混合物で
あるカラヤ(karaya)ガム、及び、アラビノース、ガラク
トース及びガラクツロン酸の複合混合物であるトラガカ
ントガムを挙げることができる。
【００１３】本発明の好ましい実施態様では、ポリサッ
カリドエーテルはグアールガム誘導体である。即ち、好
ましくは、アルキルエーテルは、Ｃ1からＣ6、より好ま
しくはＣ1からＣ3のアルキル鎖を有するアルキル化ガラ
クトマンナンであり、より詳細には、文献 RD 95378007
（1995年10月）及び EP-A-708,114に記載されたよう
な、２から３、中でも、２．５から２．８のの置換度を
有するエチル化されたグアールガムである。このガム
は、特に、Aqualon社から N-HANCE-AG 200(登録商標)及
びN-HANCE-AG 50(登録商標)の名称で市販されているも
のである。
【００１４】アルキルエーテル濃度は、望まれる製剤形
態及び望まれる組成物の粘度、並びに濃化すべきオイル
の量に依存する。特に、濃化剤の量に対する液体脂肪相
の量の重量比率は、例えば、５から５００の範囲内で選
択される。本発明の組成物は、例えば、組成物全重量に
対して、０．２から１６％、好ましくは０．５から１６
％、より好ましくは１．５から８％の範囲の量のポリサ
ッカリドアルキルエーテルを含むことができる。
【００１５】本発明の組成物は、１またはそれ以上の、
芳香族基を含むオイルを含有することができる。これら
のオイルは、任意にフルオロ基を持つ炭化水素ベース又
はシリコーンベースの骨格を持つことができる。これら
のオイルの化学構造は、単−または多置換されていても
よい１またはそれ以上のアリールまたはアラルキル基を
含むことができる。これらのアリールまたはアラルキル
基は、６から６０の炭素原子を持つことができる。
【００１６】本発明によると、炭化水素ベースの骨格及
び芳香族基を有するオイルは、少なくとも８の炭素原子
を含有し、ベンゼンまたはトルエンタイプの溶媒ではな
い。単置換アリール基を含む炭化水素ベースの骨格を持
つオイルの例として、エチルヘキシルベンゾアート、
（Ｃ12−Ｃ15）アルキルベンゾアート、オクチルドデシ
ルベンゾアート及びジプロピレングリコールジベンゾア
ート、及びこれらの混合物といった安息香酸エステルを
挙げることができる。
【００１７】多置換アリール基を含む炭化水素ベースの
骨格を持つオイルの例として、トリデシルトリメリター
ト等のＣ1からＣ22アルキル鎖を有するトリメリト酸エ
ステル（即ち、トリアルキルトリメリタート）；エチル
ヘキシルパラ-メトキシシンナマート及び２−エトキシ
エチルパラ-メトキシシンナマート等のパラ-メトキシケ
イヒ酸エステル；オクチルジメチルＰＡＢＡ（即ち、２
-エチルヘキシルジメチル-パラ-アミノベンゾアート）
等のジメチル-パラ-アミノ安息香酸エステル；２-エチ
ルヘキシルサリチラート等のサリチル酸エステル；メチ
ルアントラニラート等のアントラニル酸エステル；及び
これらの混合物を挙げることができる。
【００１８】１またはそれ以上の単置換アリール基を含
むシリコーン骨格を持つオイルの例として、特に下記式
で表されるフェニルシリコーンを挙げることができる。
【００１９】
【化２】
【００２０】上記式において、 ・Ｒ1、Ｒ’1、及びＲ”1は、独立に、直鎖状または分
枝状の、飽和又は不飽和の、Ｃ1からＣ30のアルキル
基、アリール基、フェニル基、またはＣ7からＣ60のア
ラルキル基を示し、 ・Ｒ2及びＲ’2は、独立に、直鎖状または分枝状の、飽
和又は不飽和の、Ｃ1からＣ30のアルキル基を示し、 ・ｎは、０から１５０の整数を示し、 ・ｍは、０から２００の整数を示し、 ・ｐは、０から２００の整数を示し、そして、 ・ａは、０から１０の整数を示す。 但し、ｎ／（ｎ＋ｍ＋ｐ）の比率は０．８５以下であ
り、ｎ＋ｍ＋ｐの合計は１から２００の範囲内にあり、
ｍ＝ｐ＝０のとき、Ｒ1’はアリール又はアラルキル基
である。
【００２１】好ましくは、Ｒ1及びＲ’1は同一であり、
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、デシル、ド
デシルまたはオクタデシル基、あるいは、フェニル、ト
リル、ベンジルまたはフェネチル基である。有利には、
Ｒ2及びＲ’2は同一であり、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、デシル、ドデシル、またはオクタデ
シル基、さらに好ましくはメチルである。好ましくは、
Ｒ”1は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、
デシル、ドデシルまたはオクタデシル基、あるいは、フ
ェニル、トリル、ベンジルまたはフェネチル基である。
特に、メチルまたはフェニルである。
【００２２】これらのフェニルシリコーンの中で、特
に、フェニルトリメチコーン、フェニルトリメチルシロ
キシジフェニルシロキサン、フェニルメチルジフェニル
シロキサン、２-フェニルエチルトリメチルシロキシシ
リケート、ジフェニルトリメチルシロキシジメチルトリ
シロキサン、ジフェニルジメチコーン、フェニルジメチ
コーン、ポリメチルフェニルシロキサン、フェニルトリ
メチコーン、及びこれらの混合物を挙げることができ
る。市販のフェニルシリコーンの例として、Wacker社か
ら市販のオイル Belsil PDM 1000、Dow Corning社から
市販のオイル DC556、SF558またはDC704、Goldschmidt
社からのオイル Abil AV8853、Rhone-Poulenc社から市
販のオイル Silbione 70633V30、あるいは、PCR社から
15M30、15M40、15M50及び15M60の名称で市販されている
ものを挙げることができる。
【００２３】本発明で用いられる芳香族基を含む他のシ
リコーンオイルの例として、General Electric社からの
特許US-A-5,338,538及びUS-A-5,397,566に記載されたも
ののような、スチリル基で修飾された樹脂、特に、1170
-3100の名称で市販されているもの等のフェニルエチル
トリメチルシロキシシリケートを挙げることができる。
また、芳香族基を含むフルオロシリコーン、特に、文献
EP-A-811,369及びEP-A-829,254に記載されたもののよ
うなペルフルオロシリコーンを用いることもでき、これ
らのペルフルオロ基は、１から１２の炭素原子を有する
ペンダント基である。
【００２４】本発明の組成物は、芳香族基を含むオイル
を、１から９９．８重量％、好ましくは５から８０重量
％含有することができる。
【００２５】本発明の組成物の粒子相は、組成物全重量
に対して、一般的には０．０５から３５％、好ましくは
０．５から２０％の範囲で存在し、化粧品又は皮膚用組
成物に通常用いられる顔料及び／または真珠光沢剤及び
／または充填剤を含んでいてもよい。この充填剤は、着
色、白色又は無色の組成物を導くことができる。
【００２６】顔料という用語は、白色又は着色の無機又
は有機粒子であり、液体脂肪相には不溶であって、組成
物を着色及び／または不透明化するためのものを意味す
ると解される。充填剤という用語は、無色又は白色の無
機又は合成の、ラメラ又は非ラメラ粒子を意味すると解
される。真珠光沢剤という用語は、特に、ある種の軟体
動物によりその殻で生産される、あるいは合成される虹
色に輝く粒子を意味すると解される。これらの充填剤及
び真珠光沢剤は、特に組成物の手触りの修飾をもたら
す。
【００２７】顔料は、組成物中に、最終組成物の重量の
０．０５から２５％の割合、好ましくは２から１５％の
割合で存在できる。本発明で用いられる無機顔料とし
て、チタン、ジルコニウムまたはセリウム酸化物、並び
に、亜鉛、鉄またはクロム酸化物、及びフェリックブル
ー(ferric blue)を挙げることができる。本発明で用い
られる有機顔料の中で、カーボンブラック、及び、バリ
ウム、ストロンチウム、カルシウム（DC Red No.7）及
びアルミニウムレーキが挙げられる。
【００２８】真珠光沢剤は、組成物中に、組成物の全重
量の０から２０％の割合、好ましくは約１から１５％の
高レベルで存在できる。本発明で用いられる真珠光沢剤
の中で、着色マイカチタン(titanium mica)等の、酸化
チタン、酸化鉄、天然顔料または塩酸ビスマスで被覆さ
れたマイカを挙げることができる。
【００２９】充填剤は、組成物の全重量の０から３５
％、好ましくは０．５から１５％の割合で存在できる。
特に、タルク、カオリン、ナイロンパウダー（特に Org
anosil）及びポリエチレンパウダー、テフロン、デンプ
ン、窒化ホウ素、Expancel(Nobel Industrie社製）、Po
lytrap(Dow Corning社製)及びシリコーン樹脂のマイク
ロビーズ(例えば、Toshiba社のTospearl)等のコポリマ
ー微小球が挙げられる。
【００３０】好ましくは、液体脂肪相は、芳香族基を含
むオイル以外の１つ又はそれ以上のタイプのオイルを含
有する。これらのオイルは、炭化水素ベース及び／また
はシリコーンベース及び／またはフルオロオイルであっ
てよい。これらのオイルは、動物、植物、鉱物または合
成起源であることができる。
【００３１】本発明で用いられる芳香族基を含むオイル
以外のオイルとして、特に以下のものを挙げることがで
きる。 ・動物起源の炭化水素ベースのオイル、例えば、ペルヒ
ドロスクアレン等； ・炭化水素ベースの植物オイル、例えば、ヘプタン酸又
はオクタン酸トリグリセリド等の炭素数４から１０の脂
肪酸の液体トリグリセリド、あるいは、ヒマワリ油、ト
ウモロコシ油、ダイズ油、インゲンマメ油、ブドウ種
油、ゴマ油、ヘーゼルナッツ油、アプリコット油、マカ
ダミアナッツ油、ひまし油、アボカド油、Stearineries
Dubois社から市販のもの又はDynamit Nobel社からMigl
yol 810、８１２及び８１８の名称で市販のもの等のカ
プリル酸／カプリン酸トリグリセリド、ホホバ油及びカ
リテバター等； ・鉱物又は合成起源の、直鎖状または分枝状炭化水素、
例えば、液体パラフィン及びその誘導体、ペテロラタム
ジェリー、ポリデセン、パーセリン油、及びパーラーム
(parleam)等の水素添加ポリイソブテン等； ・特に脂肪酸の合成エステル及びエーテル、例えば、式
Ｒ3ＣＯＯＲ4で表されるオイルであって、Ｒ3が７から
２９の炭素原子を含む高級脂肪酸であり、Ｒ4が３から
３０の炭素原子を含む炭化水素ベースの鎖であるもの、
例えば、パーリン油、イソプロピルミリスタート、２-
エチルヘキシルパルミタート、２-オクチルドデシルス
テアラート、２-オクチルドデシルエルカート、イソス
テアリルイソステアラート等；ヒドロキシル化エステ
ル、例えば、イソステアリルラクタート、オクチルヒド
ロキシステアラート、オクチルドデシルヒドロキシステ
アラート、ジイソステアリルマラート、トリイソセチル
シトラート、脂肪アルコールヘプタノアート、オクタノ
アート及びデカノアート等；ポリオールエステル、例え
ば、プロピレングリコールジオクタノアート、ネオペン
チルグリコールジへプタノアート及びジエチレングリコ
ールジイソノナノアート等；及びペンタエリスリトール
エステル等； ・１２から２６の炭素原子を持つ脂肪アルコール、例え
ば、オクチルドデカノール、２-ブチルオクタノール、
２-ヘキシルドデカノール、２-ウンデシルペンタデカノ
ール、オレイルアルコール等； ・部分的に炭化水素ベース及び／またはシリコーンベー
スのフッ素油、例えば、文献 JP-A-2,295,912 に記載さ
れたもの； ・シリコーン油、例えば、揮発性又は不揮発性の、直鎖
状又は環状のポリジメチルシロキサン（ＰＤＭＳ）であ
って、室温で液状又はペースト状のもの； ・上記のものの混合物。
【００３２】これらのオイルは、液体脂肪相に対して０
から９９重量％まで存在できる。本発明で用いられる揮
発性シリコーン油として、２から７のケイ素原子を有す
る直鎖状又は環状のシリコーンを挙げることができ、こ
れらのシリコーンは、任意に、１から１０の炭素原子を
持つアルキル基で置換されていてもよい。よって、これ
らのシリコーンは、特に、ヘキサメチルジシロキサン、
シクロペンタ又はシクロテトラ又はシクロヘキサジメチ
ルシロキサンである。これらの揮発性オイルは、組成物
の全重量に対して０から５０％存在することができる。
【００３３】本発明の組成物は、考慮している分野、特
に化粧品及び皮膚科学の分野で従来から用いられている
任意の成分をさらに含むことができる。これらの成分
は、特に、防腐剤、水相または脂肪相の本発明のもの以
外の濃化剤、香料、界面活性剤、酸化防止剤、ワック
ス、及びこれらの混合物から選択される。また、本発明
の組成物は、イオン性及び／または非イオン性タイプの
脂質小胞を含むことができる。これら種々の成分の量
は、考慮している分野で従来から用いられている量であ
り、例えば、組成物全重量の０．０１から２０％であ
る。これらの成分及びその割合は、本発明の安定な、濃
化された、ツヤのある組成物の製造に相容性でなければ
ならない。また、この組成物は、組成物の全重量の０か
ら９５％の範囲の水を含むこともできる。
【００３４】本発明の組成物は、好ましくは、１又はそ
れ以上のガム及び／または１又はそれ以上のワックスを
含むペースト状脂肪相を含む。これらのガム又はワック
スは、炭化水素ベース、フルオロ及び／またはシリコー
ンベースであってよく、植物、鉱物動物及び／または合
成起源であってよい。特に、ワックスは、２５℃、より
好ましくは４５℃を越える融点を持つ。
【００３５】本発明で用いられるワックスとして、ラノ
リン、ビーズワックス、カルナウバワックス、カンデリ
ラワックス、パラフィン、褐炭ワックス、微結晶ワック
ス、セレシン(ceresine)またはオゾケライト；ポリエチ
レンワックス等の合成ワックス、１６から４５の炭素原
子を持つアルキル又はアルコキシジメチコーン等のシリ
コーンワックスを挙げることができる。
【００３６】これらのガムまたはワックスの性質及び量
は、望まれる機械的特性及び望まれる生地に依存する。
指針として、組成物は、組成物の全重量に対して０から
５０重量％、より好ましくは５から３０％のワックスを
含むことができる。
【００３７】本発明の組成物は、局所的容に通常用いら
れる任意の製剤形態、特に油性ゲル、油中水型または水
中油型のエマルション、または、小胞によるオイルの水
中分散物の形態であることができ、油／水界面をなす。
この組成物は、クリーム、膏薬、柔軟なペースト、軟
膏、キャスト又は成形された固体、特にスティックまた
はディッシュの外観を有することができる。
【００３８】本発明の組成物は、好ましくは、用いる活
性剤の性質に応じて、皮膚及び／または粘膜の処理、メ
ークアップ、またはケア用に用いられる。特に、本発明
の組成物は、リップスティックのチューブ、リップグロ
スであり、それらは、そのまま用いても、あるいは、リ
ップスティックの被膜に、そのツヤを向上させ及び／ま
たはオイルの移動を抑制するために適用されてもよい
（トップコート）。また、本発明の組成物は、固体ファ
ンデーション、コンシーラー製品、または、目の角の周
辺に用いる製品、アイライナー、マスカラまたはアイシ
ャドウ、あるいは、抗日光製品、または剥離剤などのス
キンケアまたは皮膚洗浄用製品を含む。これらの組成物
は、特に組成物にケアまたは処理的側面を与えるため
に、化粧品又は皮膚用活性剤をさらに含有してもよい。
即ち、この組成物は、ビタミン及び他の親油性活性剤
（ラノリン、ＵＶＡスクリーニング剤）または親水性活
性剤（グリセリン等の加湿剤）を含むことができる。
【００３９】よって、本発明の他の主題は、上記の組成
物の、皮膚及び／または粘膜、特に唇のケア及び／また
はメークアップのための化粧的使用、並びに、この組成
物の、皮膚及び／または粘膜、特に唇の処理用軟膏の調
製のための使用である。また、本発明の主題は、皮膚及
び／または粘膜、特に唇の化粧的及び／または皮膚科学
的な処理方法であり、この方法は、上記の組成物を皮膚
及び／または粘膜、特に唇に適用することからなる。
【００４０】より詳細には、本発明の主題は、少なくと
も１つの芳香族基を含む化学構造を有する少なくとも１
つのオイルを含有する液体脂肪相、該脂肪相のための濃
化剤、及び特定の充填剤を含んでなる唇用製品またはフ
ァンデーション製品であり、前記濃化剤は少なくとも１
つの上記のポリサッカリドアルキルエーテルを含む。
【００４１】本発明の組成物は、種々の成分を、ワック
スの最も高い融点まで加熱し、次いで溶融した混合物を
成形型（ディッシュ又はグローブの指型）にキャストす
ることによって得られる。また、特許出願EP-A-667,146
に記載されたように押出し成型によっても得ることがで
きる。
【００４２】また、本発明の主題は、液体脂肪相及び粒
子状充填剤を含む組成物における、少なくとも１つの芳
香族基を含む化学構造を有する少なくとも１つのオイル
と前記脂肪相用の濃化剤との組み合わせの、前記液体脂
肪相の移動を低減する及び／またはツヤのある被膜を得
るための使用であり、当該濃化剤は、少なくとも１つの
前記のポリサッカリドアルキルエーテルを含む。
【００４３】さらに、本発明の主題は、液体脂肪相及び
粒子状充填剤を含む皮膚または唇のメークアップまたは
ケア用組成物の、前記皮膚または唇以外の基体における
移動を低減する方法であり、前記液体脂肪相に少なくと
も１つの芳香族基を含む化学構造を有する少なくとも１
つのオイルを導入することからなり、この脂肪相が、少
なくとも１つの前記のポリサッカリドアルキルエーテル
を含む濃化剤によって濃化される。
【００４４】以下の組成物の例は、非限定的な例示とし
て与えられる。その中の量は重量％で与えられる。 実施例１：リップグロス 約２．５の置換度を持つエチル化グアール ３．８％ ＤＣ Ｒｅｄ Ｎｏ．７ カルシウム（レーキ） ５．０％ フェニルトリメチコーン（DC556） 全体を１００％とする量 このリップグロスは、３シリンダーミルを用いて液体脂
肪相に顔料を分散させることにより得た。次いで、エチ
ル化グアールを添加し、混合物中に９０℃で３時間溶解
した。次に、この混合物を室温まで冷却した。得られた
ゲルは、リップスティックブラシで唇に適用できた。こ
れは、ツヤのあるリップスティックの着色を与え、その
色及びツヤは長時間維持された。このリップスティック
は、従来技術のツヤとの比較で試験された。従来技術の
リップグロスと比較して、より化粧品に適しており、よ
り良好な保持力及びツヤを有すると評価された。
【００４５】実施例２から６：リップグロス これらの実施例は、フェニル化オイルの性質において実
施例１のものと異なる。これらの実施例は、各々、以下
のオイルを含む。 フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン（SF
558） ジフェニルジメチコーン（Silbione 70641V200） ジフェニルメチルジメチルトリシロキサン（DC704） ２-フェニルエチルトリメチルシロキシシリケート（117
0-3100） トリデシルトリメリタート（DUB TMTD）
【００４６】 実施例７：リップグロス 約２．５の置換度を持つエチル化グアール １．９％ ＤＣ Ｒｅｄ Ｎｏ．７ カルシウム（レーキ） ５．０％ フェニルトリメチコーン（Belsil PDM 1000） 全体を１００％とする量 この組成物は、そのままリップグロスとして、及び、ト
ップコートとして用いることができる。
【００４７】 実施例８：リップッスティックのスティック 約２．５の置換度を持つエチル化グアール ４．００％ ポリエチレン（ワックス） ３．５０％ トリデシルトリメラート ８１．００％ カルナウバワックス ３．５０％ ＤＣ Ｒｅｄ Ｎｏ．７ カルシウム（レーキ） ８．００％ 顔料を、オイル及びエチル化グアールに分散させ、次い
で、９０℃で３時間溶解させた。ワックスを添加し、混
合物をワックスが完全に溶解するまで加熱した。最後
に、得られた混合物を、チューブを得るのに適当な形状
の成形型にキャストした。
【００４８】実施例９及び１０：リップスティックのス
ティック これらの例は、約２．７の置換度を持つメチル化グアー
ル及びプロピル化グアールを用いたことにより、実施例
８とは異なる。

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 液体脂肪相、粒子相及び脂肪相用の濃化
    剤を含んでなる組成物において、前記濃化剤が、少なく
    とも２つの異なるサッカリド環を含む単位から形成され
    た少なくとも１つのポリサッカリドアルキルエーテルを
    含み、各単位が飽和または不飽和の炭化水素ベースのア
    ルキル鎖で置換された少なくとも１つのヒドロキシル基
    を含み、前記脂肪相が、少なくとも１つの芳香族基を含
    む化学構造を有する少なくとも１つのオイルを含むこと
    を特徴とする組成物。
  2. 【請求項２】 前記単位当たりに、２から４のヒドロキ
    シル基が、飽和炭化水素ベースのアルキル鎖で置換され
    ていることを特徴とする請求項１記載の組成物。
  3. 【請求項３】 前記炭化水素ベースのアルキル鎖が、１
    から２４の炭素原子を含有することを特徴とする請求項
    １または２記載の組成物。
  4. 【請求項４】 前記炭化水素ベースのアルキル鎖が、２
    から１０の炭素原子を含有することを特徴とする請求項
    １から３のいずれかに記載の組成物。
  5. 【請求項５】 前記アルキル鎖が、メチル、エチル、ｎ
    −プロピル、イソプロピル、ｎ−ブチル、イソブチル及
    びtert-ブチル鎖から選択されることを特徴とする請求
    項１から４のいずれかに記載の組成物。
  6. 【請求項６】 前記サッカリド環が、マンノース、ガラ
    クトース、グルコース、フラノース、ラムノース及びア
    ラビノースから選択されることを特徴とする請求項１か
    ら５のいずれかに記載の組成物。
  7. 【請求項７】 前記ポリサッカリドアルキルエーテル
    が、グアールガム、カロブガム、カラヤガム、トラガカ
    ントガム、およびこれらの混合物から選択されるガムの
    アルキルエーテルであることを特徴とする請求項１から
    ６のいずれかに記載の組成物。
  8. 【請求項８】 前記アルキルエーテルが、Ｃ1からＣ6、
    より好ましくはＣ1からＣ3アルキル鎖でアルキル化した
    アルキル化ガラクトマンナンであることを特徴とする請
    求項１から７のいずれかに記載の組成物。
  9. 【請求項９】 前記ポリサッカリドアルキルエーテル
    が、２から３の置換度でエチル鎖を含有するグアールガ
    ムであることを特徴とする請求項１から８のいずれかに
    記載の組成物。
  10. 【請求項１０】 前記ポリサッカリドアルキルエーテル
    が、２００,０００を越える重量平均分子量を有するこ
    とを特徴とする請求項１から９のいずれかに記載の組成
    物。
  11. 【請求項１１】 前記ポリサッカリドアルキルエーテル
    が、濃化剤の量に対する液体脂肪相の量の重量比率が、
    ５から５００の範囲内に選択される量で存在することを
    特徴とする請求項１から１０のいずれかに記載の組成
    物。
  12. 【請求項１２】 前記ポリサッカリドアルキルエーテル
    が、組成物全重量に対して、０．２から１６％、好まし
    くは１．５から８％の範囲の量で存在することを特徴と
    する請求項１から１１のいずれかに記載の組成物。
  13. 【請求項１３】 前記芳香族基を含むオイルが、任意に
    フルオロ基を持つ炭化水素ベース又はシリコーンベース
    の骨格、及び、６から６０の炭素原子を持つ少なくとも
    １つのアリール又はアラルキル基を含むことを特徴とす
    る請求項１から１２のいずれかに記載の組成物。
  14. 【請求項１４】 前記芳香族基を含むオイルが、その構
    造に少なくとも８の炭素原子を含む炭化水素ベースのオ
    イルであることを特徴とする請求項１から１３のいずれ
    かに記載の組成物。
  15. 【請求項１５】 前記芳香族基を含むオイルが、下記
    式： 【化１】 （式中、 Ｒ1、Ｒ’1、及びＲ”1は、独立に、直鎖状又は分枝状
    の、飽和又は不飽和の、Ｃ1からＣ30アルキル基、アリ
    ール基、フェニル基、またはＣ7からＣ60アラルキル基
    を示し、 Ｒ2及びＲ’2は、独立に、直鎖状又は分枝状の、飽和又
    は不飽和の、Ｃ1からＣ30アルキル基を示し、 ｎは、０から１５０の整数を示し、 ｍは、０から２００の整数を示し、 ｐは、０から２００の整数を示し、そして、 ａは、０から１０の整数を示し、 但し、ｎ／（ｎ＋ｍ＋ｐ）の比率は０．８５以下であ
    り、ｎ＋ｍ＋ｐの合計は１から２００の範囲内にあり、
    ｍ＝ｐ＝０のとき、Ｒ1’はアリール又はアラルキル基
    である）で表されるシリコーンオイルであることを特徴
    とする請求項１から１３のいずれかに記載の組成物。
  16. 【請求項１６】 Ｒ1、Ｒ’1、及びＲ”1が、メチル、
    エチル、プロピル、イソプロピル、デシル、ドデシル、
    オクタデシル、フェニル、トリル、ベンジルまたはフェ
    ネチル基であることを特徴とする請求項１５記載の組成
    物。
  17. 【請求項１７】 Ｒ2及びＲ’2が、メチル、エチル、プ
    ロピル、イソプロピル、デシル、ドデシル、またはオク
    タデシル基であることを特徴とする請求項１５または１
    ６記載の組成物。
  18. 【請求項１８】 前記芳香族基を含むオイルが、Ｃ1か
    らＣ22アルキル鎖を含むトリメリト酸エステル、安息香
    酸エステル、ジメチル-パラ-メトキシケイヒ酸エステ
    ル、パラ-アミノ安息香酸エステル、サリチル酸エステ
    ル、アントラニル酸エステル、フェニルトリメチコー
    ン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサ
    ン、ジフェニルメチルジメチルトリシロキサン、ジフェ
    ニルジメチコーン、フェニルエチルトリメチルシロキシ
    シリケート、フェニルトリメチコーン及びポリメチルフ
    ェニルシロキサン、及びこれらの混合物から選択される
    ことを特徴とする請求項１から１７のいずれかに記載の
    組成物。
  19. 【請求項１９】 前記芳香族基を含むオイルが、トリデ
    シルトリメリタート、パラ-メトキシシンナマート、フ
    ェニルトリメチコーン、フェニルトリメチルシロキシジ
    フェニルシロキサン、ジフェニルジメチコーン、ジフェ
    ニルメチルジフェニルトリメチコーン及び２-フェニル
    エチルトリメチルシロキシシリケート、及びこれらの混
    合物から選択されることを特徴とする請求項１から１８
    のいずれかに記載の組成物。
  20. 【請求項２０】 前記脂肪相が、動物、植物、鉱物及び
    合成起源のオイルから選択される、前記芳香族基を含む
    オイル以外のオイルを含有することを特徴とする請求項
    １から１９のいずれかに記載の組成物。
  21. 【請求項２１】 前記粒子相が、組成物全重量に対し
    て、０．０５から３５％、好ましくは０．５から２０％
    の範囲で存在することを特徴とする請求項１から２０の
    いずれかに記載の組成物。
  22. 【請求項２２】 油性ゲル、油中水型または水中油型の
    エマルション、または、小胞によるオイルの水中分散物
    の形態であることを特徴とする請求項１から２１のいず
    れかに記載の組成物。
  23. 【請求項２３】 芳香剤、防腐剤、ワックス及び親油性
    活性剤から選択される少なくとも１つの成分をさらに含
    有することを特徴とする請求項１から２２のいずれかに
    記載の組成物。
  24. 【請求項２４】 リップスティックのチューブ、リップ
    バルム剤、リップグロス、または、リップスティックの
    被膜に適用される組成物の形態であることを特徴とする
    請求項１から２３のいずれかに記載の組成物。
  25. 【請求項２５】 請求項１から２４のいずれかに記載の
    組成物の、唇のケア及び／またはメークアップのための
    化粧的使用。
  26. 【請求項２６】 請求項１から２４のいずれかに記載の
    組成物の、唇の処理用軟膏の調製のための使用。
  27. 【請求項２７】 請求項１から２４のいずれかに記載の
    化粧品組成物を、唇に適用することからなる唇の化粧方
    法。
  28. 【請求項２８】 液体脂肪相及び粒子状充填剤を含む組
    成物における、少なくとも１つの芳香族基を含む化学構
    造を有する少なくとも１つのオイルと前記脂肪相用の濃
    化剤との組み合わせの、前記液体脂肪相の移動を抑制す
    る及び／またはツヤのある被膜を得るための使用であっ
    て、前記濃化剤が、少なくとも２つの異なるサッカリド
    環を含む単位から形成された少なくとも１つのポリサッ
    カリドアルキルエーテルを含み、各単位が飽和または不
    飽和の炭化水素ベースのアルキル鎖で置換された少なく
    とも１つのヒドロキシル基を含む使用。
  29. 【請求項２９】 液体脂肪相及び粒子状充填剤を含む皮
    膚または唇のメークアップまたはケア用組成物の、前記
    皮膚または唇以外の基体における移動を抑制する方法で
    あって、前記液体脂肪相に少なくとも１つの芳香族基を
    含む化学構造を有する少なくとも１つのオイルを導入
    し、この脂肪相が、少なくとも２つの異なるサッカリド
    環を含む単位から形成された少なくとも１つのポリサッ
    カリドアルキルエーテルを含み、各単位が飽和または不
    飽和の炭化水素ベースのアルキル鎖で置換された少なく
    とも１つのヒドロキシル基を含む濃化剤によって濃化さ
    れることを含んでなる方法。
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