JPH1171050A - 耐摩耗性輸送ローラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 磨耗及び腐食性の製造環境におけるウェッブ
輸送用の、耐摩損、耐磨耗性を有する輸送ローラを提供
する。 【解決手段】 輸送ローラ２０は、芯２２と、少なくと
も芯２２を部分的に包み、芯２２に結合される第一結合
層２４とを有する。更に、ローラ２０は、第一結合層２
４を部分的に包み、第一結合層２４に結合される耐腐食
性物質の第一層２６を有し、ここで、該第一の耐腐食性
物質は電気めっきされたニッケル若しくは無電解ニッケ
ルである。更に、第二層３０を芯２０に結合するための
第二結合層２８がある。第二層３０は、耐摩損、耐磨耗
性を有する物質からなり、ここで、該耐摩損、耐磨耗性
を有する物質は、ポリウレタン；アクリル；二酸化ケイ
素；アルミナ；酸化クロム；酸化ジルコニウム；ジルコ
ニア−アルミナ合成物；若しくはそれらの混合物からな
る群より選択される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は輸送ローラに関し、
特に、腐食性環境中の物質のウェッブを輸送するための
耐摩耗性輸送ローラに関する。

【０００２】

【従来の技術】輸送ローラを利用する物質輸送システム
は、一の場所から次へと部品を輸送するために、広く製
造工程中で使用されている。数多くの製造工程におい
て、輸送システムは磨耗性若しくは腐食性の環境に晒さ
れている。例えば、部品の電気めっき、着色及びカプセ
ル封入において、洗浄及び表面エッチング等の前処理工
程は、研磨粒子及び腐食性化学薬品に輸送システムと輸
送部品とを晒すことを必要とする。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】通常の輸送ローラは腐
食性若しくは研磨環境に晒される時に劣化する。輸送工
程の間のそれら相互の接触により、輸送ローラの劣化は
次にウェッブの早期の劣化を引き起こす。よって、腐食
性若しくは磨耗性環境中で使用される通常のローラを利
用する物質輸送システムは、ローラ修理及び取替えのた
めに高コストで時間を浪費するメンテナンスを必要とす
る。従って、腐食性若しくは摩耗性環境中でも劣化する
こと無しに操作可能な輸送ローラに対する要求がある。
本開示の対象は、摩耗性及び腐食性の製造環境における
ウェッブ輸送用の、耐摩損、耐磨耗性を有する輸送ロー
ラである。

【０００４】従って、本発明の一の目的は、腐食性の環
境中でウェッブを輸送することの可能な輸送ローラを提
供することである。本発明の別の目的は耐摩損、耐磨耗
性を有する輸送ローラを提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の特徴は、ウェッ
ブと回転接触する輸送ローラが、芯を包む、耐腐食層
と、耐摩損性及び耐磨耗性の層を含む多重層を有するこ
とである。上記一以上の問題を解決するために、芯と、
該芯を少なくとも部分的に包み、該芯に結合される第一
結合層を有する輸送ローラが提供される。更に、輸送ロ
ーラは、該第一結合層を少なくとも部分的に包み、該第
一結合層に結合される耐腐食性物質の第一層を有し、こ
こで、該第一の耐腐食性物質は電気めっきされたニッケ
ル若しくは無電解ニッケルである。更に、芯に対して第
二層を結合するための第二結合層がある。第二層は、耐
摩損、耐磨耗性を有する物質からなり、ここで、該耐摩
損、耐磨耗性を有する物質は、ポリウレタン；アクリ
ル；二酸化ケイ素；アルミナ；酸化クロム；酸化ジルコ
ニウム；ジルコニア−アルミナ合成物；若しくはそれら
の混合物からなる群より選択される。

【０００６】従って、本発明の有利な効果は、物質が輸
送ウェッブの劣化無しに腐食性環境内で輸送されうるこ
とである。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明の上記及び他の目的、特徴
並びに利益と、それらを達成する方法は、添付の図面と
共に採用された本発明の実施例の以下の記述を参照する
ことによってより明確となり、本発明自体がより良く理
解される。図１を参照するに、それぞれローラ２０の末
端上に収縮装着される、シャフト部５４及び５６を有す
る末端支持部５０及び５２と、ロータシャフト７０を有
するモーター６０とを具備する輸送ローラ２０の斜視図
が示される。末端支持部５０のシャフト部５２はモータ
ー６０のロータシャフト７０に固定されて取り付けられ
ている。ローラ２０はその長軸の回りを回転自在であ
り、モーター６０が回転するとき、回転矢印７２及び７
４で示されるようにローラ２０の回転を起こす。末端支
持部５０及び５２はＡＩＳＩ ３１６ステンレススチー
ルから作られ、そのときシャフト部５４及び５６は摩擦
効果を減少するようにニッケル含浸テフロンで電気めっ
きされている。

【０００８】図２を参照するに、図１の断面図によって
ローラ２０が示される。ローラ２０は芯２２からなる。
芯２２に加えて、ローラ２０は、芯２２を囲む第一及び
第二層２６及び３０からなる。層２６及び３０は好まし
くは以下に記述される技術を利用して芯２２上へ塗布さ
れる。好ましい実施例に従い、第一結合層２４は芯２２
上へ塗布される。第一結合層２４は好ましくは銅若しく
は銅ベースの合金、クロム、金、銀及びそれらの組み合
わせからなる。最も好ましいのは銅及びその合金であ
る。当業者には、結合層２４が従来技術の何れかを用い
て芯２２へ塗布されることが分かる。しかしながら、そ
れぞれ実質的に同様の結果をもたらす物理蒸着（ＰＶ
Ｄ）、化学蒸着（ＣＶＤ），又は無電解若しくは電解堆
積方法を用いて芯２２上へ第一結合層２４を堆積するこ
とが好ましい。好ましくは、電解堆積方法を用いて第一
結合層２４を芯２２上へ堆積する。好ましい実施例にお
いて、第一結合層２４は約５０から２００オングストロ
ームの範囲の厚さを有し、好ましくは１００オングスト
ロームである。

【０００９】再び図２を参照するに、第一結合層２４が
芯２２に結合された後、耐腐食性物質からなる第一層２
６が第一結合層２４上へ塗布される。第一層２６は好ま
しくは電解めっきニッケル若しくは無電解ニッケルの被
膜からなる。耐腐食性物質の第一層を第一結合層２４上
へ堆積する好ましい方法は、電解めっきである。第一結
合層２４は耐腐食性物質の第一層２６の芯２２への密着
性を強化するように機能する。好ましくは、第一層２６
は０．１ミルから１ミルの間の厚さを有し、最も好まし
くは０．５ミルである。

【００１０】図２に従い、第二結合層２８は、第一層２
６上に塗布される。第二結合層は、ニッケル−アルミニ
ウム、ニッケル−クロム、コバルト−クロム−アルミニ
ウム若しくはそれらの組み合わせからなる。数多くの技
術が第二結合層２８を堆積するのに使用されうるが、Ｐ
ＶＤ若しくはプラズマ スプレーの使用が好ましい。好
ましくは、第二結合層２８は約１，０００から１０，０
００オングストロームの範囲の、最も好ましくは５，０
００オングストロームの厚さを有する。

【００１１】更に図２を参照するに、耐摩損性及び耐磨
耗性の物質からなる第二層３０が、第二結合層２８上に
塗布される。第二結合層２８は固着を強化し、第二層３
０中のシール細孔（図示されない）による第二層３０の
多孔度を最小にする。第二結合層２８上へ第二層３０を
塗布する好ましい方法は、ポリウレタン若しくはアクリ
ルの溶液中のローラ２０のディップによる。その他更
に、第二層３０は、二酸化ケイ素若しくはアルミナから
なるゾル−ゲル溶液中で、ローラ２０の第二結合層２８
上へ、スピン若しくはディップコートされる。第二結合
層２８上に第二層３０を塗布するための更に別の適用可
能な技術としては、酸化クロム、酸化ジルコニウム、若
しくはジルコニア−アルミナ合成物等の耐摩損性及び耐
摩耗性の物質を用いる熱若しくはプラズマスプレーがあ
る。

【００１２】図３を参照するに、同様のテーパー末端３
２と、テーパー末端３２の何れかに取り付けられた末端
支持部５０を有するローラ２０の斜視図が示されてい
る。末端支持部６０はローラ２０のテーパー末端３２を
受けるための開口部５８を有する。好ましくは、末端支
持部５０は、収縮装着若しくは代わりに圧縮装着により
ローラ２０のテーパー末端３２に固定されて取り付けら
れている。

【００１３】図４を参照するに、輸送ローラ２０を利用
するウェッブ輸送システムの模式図が示される。物質の
ウェッブ１００は容器１３０中の腐食性溶液１２０を通
って輸送される。輸送ローラ２０の対が回転矢印１４０
及び１５０により示されるように回転し、矢印１６０及
び１７０により示されるようにウェッブを動かし、ガイ
ドする。

【００１４】本発明はある程度の特定性を伴って記述さ
れているが、多くの変形が構成の詳細及び構成要素の配
置の中で、開示の趣旨と範囲から逸脱すること無くなさ
れうる。本発明は例示目的のためにここで示された実施
例に限定されることはなく、その各構成要素が権利を与
えられる同一性の全範囲を含む、付設の特許請求の範囲
によってのみ限定されるべきものであることが理解され
る。

【００１５】

【発明の効果】本発明によれば、腐食性の環境中でウェ
ッブを輸送することの可能な輸送ローラが提供される。
また、本発明によれば、耐摩損、耐磨耗性を有する輸送
ローラが提供される。従って、本発明の有利な効果は、
物質が輸送ウェッブの劣化無しに腐食性環境内で輸送さ
れうることである。

【図面の簡単な説明】

【図１】付属のモーター駆動装置を伴う輸送ローラの斜
視図である。

【図２】図１の１ａ−１ａ線に沿った断面図である。

【図３】本発明のマグネティックローラとエンドシャフ
ト部の斜視図である。

【図４】本発明の輸送ローラを利用するウェッブ輸送シ
ステムの模式図である。

【符号の説明】

１０ 輸送ローラ組立体 ２０ ローラ ２２ 芯 ２４ 第一結合層 ２６ 第一層 ２８ 第二結合層 ３０ 第二層 ３２ テーパー末端 ５０ 末端支持部 ５２ 末端支持部 ５４ シャフト部 ５６ シャフト部 ５８ 開口部 ６０ モーター ７０ ロータシャフト ７２ 回転矢印 ７４ 回転矢印 １００ ウェッブ １２０ 腐食性溶液 １３０ 容器 １４０ 回転矢印 １５０ 回転矢印 １６０ 矢印 １７０ 矢印

フロントページの続き (72)発明者 ディリップ ケイ チャタジー アメリカ合衆国，ニューヨーク 14626, ロチェスター，ウェイランド・ウッズ・レ ーン 118

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 芯と；該芯の少なくとも一部を包んでこ
   れに結合された第一結合層と；該第一結合層の少なくと
   も一部を包んでこれに結合された耐腐食性物質の第一層
   であって、該耐腐食性物質は電気めっきニッケル若しく
   は無電解ニッケルである第一層と；該第一層の少なくと
   も一部を包んでこれに結合された第二結合層と；該第二
   結合層の少なくとも一部を包んでこれに結合された第二
   層であって、耐摩損、耐磨耗性を有する物質からなり、
   該耐摩損、耐磨耗性を有する物質は（ａ）ポリウレタ
   ン；（ｂ）アクリル；（ｃ）二酸化ケイ素；（ｄ）アル
   ミナ；（ｅ）酸化クロム；（ｆ）酸化ジルコニウム；
   （ｇ）ジルコニア−アルミナ合成物；若しくはそれらの
   混合物からなる群から選択される、該第二層と；からな
   る輸送ローラ。
2. 【請求項２】 該第一結合層は（ａ）銅；（ｂ）銅ベー
   ス合金；（ｃ）クロム；（ｄ）金；（ｅ）銀；及び
   （ｆ）それらの混合物からなる群から選択される請求項
   １記載の輸送ローラ。
3. 【請求項３】 該第二結合層は（ａ）ニッケル−アルミ
   ニウム合金；（ｂ）ニッケル−クロム合金；（ｃ）コバ
   ルト−クロム−アルミニウム合金；若しくはそれらの混
   合物からなる群から選択される請求項１記載の輸送ロー
   ラ。