JPH11173328A - 鋼材用搬送ロール - Google Patents

鋼材用搬送ロール

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JPH11173328A
JPH11173328A JP9338990A JP33899097A JPH11173328A JP H11173328 A JPH11173328 A JP H11173328A JP 9338990 A JP9338990 A JP 9338990A JP 33899097 A JP33899097 A JP 33899097A JP H11173328 A JPH11173328 A JP H11173328A
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JP
Japan
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coating layer
roll
outer peripheral
peripheral surface
cermet
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Application number
JP9338990A
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English (en)
Inventor
Nobukazu Tsukuda
宣和 佃
Noriyuki Chiyuujiyou
敬之 中乗
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐摩耗性および耐酸性に優れた鋼板用搬送ロ
ールを提供すること。 【解決手段】 金属材料から形成されたロール本体2
と、ロール本体2の外周面にセラミック、サーメット、
ハステロイ系合金またはニッケル−クロム合金を溶射す
ることによって形成された第1の被覆層4と、第1の被
覆層4の外周面にフッ素系合成樹脂またはケイ素系合成
樹脂により形成された第2の被覆層6と、第2の被覆層
6の外周面にセラミック、サーメット、ハステロイ系合
金またはニッケル−クロム合金を溶射することによって
形成された第3の被覆層8とを備えた鋼材用搬送ロー
ル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステンレス鋼板等
の鋼材を所要のとおりに搬送するための鋼材用搬送ロー
ルに関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、ステンレス鋼板の製造工程に
おいて、中性塩電解処理および混酸処理が行われる。ス
テンレス鋼板の製造時、その表面にクロム酸化物および
鉄酸化物の複合化合物が生成されるが、この複合化合物
のうちクロム酸化物を除去するために中性塩電解処理が
行われ、複合化合物のうち鉄酸化物を除去するために混
酸処理が行われる。中性塩電解処理では、電解液が充填
されるとともに電極が配設された中性塩電解槽が用いら
れ、この中性塩電解槽を通して搬送することによって、
ステンレス鋼板に中性塩電解処理が施される。また、混
酸処理では、硝酸およびフッ酸を混合した混酸が充填さ
れた混酸槽が用いられ、この混酸槽を通して搬送するこ
とによって、ステンレス鋼板に混酸処理が施される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】混酸槽を通してステン
レス鋼板を搬送する搬送ロールは、混酸に浸漬されるた
めに充分な耐酸性を有する必要があり、従来、耐酸性を
有するゴム材料から形成されていた。しかし、ゴム製の
ロールは耐摩耗性が小さく、ある程度使用するとステン
レス鋼板の搬送に寄与する部位に摩耗が生じ、この部位
が他の部位に比して外径が小さくなる。このように搬送
ロールの一部に摩耗が生じると、搬送ロールの摩耗した
部位の幅よりも大きい幅を有するステンレス鋼板を搬送
する場合、搬送ロールの中央部がステンレス鋼板に実質
上作用せず、このことに起因してステンレス鋼板が変形
する問題が生じる。
【0004】このような問題を解決するために、耐酸性
と耐摩耗性を高めた搬送ロールとして、たとえば、特開
昭61−204365号公報および特開平3−1775
55号公報に開示されたものが存在する。特開昭61−
204365号公報に開示された搬送ロールでは、ロー
ル本体の表面に耐摩耗性を有するセラミックまたはサー
メットを溶射して第1の被覆層が形成され、その後第1
の被覆層の表面に耐酸性を有する合成樹脂を塗装して第
2の被覆層が形成されいる。また、特開平3−1775
55号公報に開示された搬送ロールでは、ロール本体の
表面に耐酸性を有する合成樹脂を吹付けて第1の被覆層
が形成され、その後第1の被覆層の外周面に耐酸性およ
び耐摩耗性を有するセラミックまたはサーメットを溶射
して第2の被覆層が形成されている。
【0005】しかしながら、特開昭61−204365
号公報に開示された搬送ロールでは、搬送ロールの表面
の第2被覆層が合成樹脂から形成されているので、搬送
ロールとステンレス鋼板との間に滑りが生じ易く、この
滑りが発生するとステンレス鋼板が蛇行し、混酸槽を通
して所要のとおりに搬送することが困難となる。また、
特開平3−177555号公報に開示された搬送ロール
では、搬送ロールの表面の第2の被覆層がセラミックま
たはサーメットの溶射によって形成されているので、搬
送ロール表面の摩擦係数が大きくなってステンレス鋼板
の蛇行の発生を防止することができるが、ロール本体と
第2の被覆層との間に合成樹脂の第1の被覆層が介在さ
れているので、第1の被覆層の部分的剥離等によってこ
れとともに第2の被覆層の一部がローラ本体から剥がれ
るという問題がある。
【0006】本発明の目的は、耐摩耗性および耐酸性に
優れた鋼材用搬送ロールを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ロール本体
と、前記ロール本体の外周面にセラミック、サーメッ
ト、ハステロイ系合金、ニッケル−クロム合金のいずれ
か1つを溶射することによって形成された第1の被覆層
と、前記第1の被覆層の外周面にフッ素系合成樹脂によ
り形成された第2の被覆層と、前記第2の被覆層の外周
面にセラミック、サーメット、ハステロイ系合金、ニッ
ケル−クロム合金のいずれか1つを溶射することによっ
て形成された第3の被覆層とを備えたことを特徴とする
鋼材用搬送ロールである。
【0008】本発明に従えば、ロール本体の表面にセラ
ミック、サーメット、ハステロイ系合金、ニッケル−ク
ロム合金のいずれか1つの材料による溶射でもって第1
の被覆層が形成され、この第1の被覆層の表面にフッ素
系合成樹脂によって第2の被覆層が形成され、さらにこ
の第2の被覆層の表面にセラミック、サーメット、ハス
テロイ系合金、ニッケル−クロム合金のいずれか1つの
材料による溶射でもって第3の被覆層が形成される。し
たがって、第3の被覆層を形成する際の溶射によって、
この第3の被覆層が第2の被覆層を通して第1の被覆層
に結合され、第1〜第3の被覆層が相互に強固に結合さ
れ、ロール本体からの第2の被覆層および/または第3
の被覆層の剥がれを防止することができる。また、第1
の被覆層に存在する気孔が第2および第3の被覆層によ
って密封されるので、酸性液がロール本体まで浸透する
のを防止することができる。
【0009】また本発明は、前記第1の被覆層と前記第
3の被覆層とは同一の材料から形成され、前記第2の被
覆層を研磨した後前記第3の被覆層が溶射されることを
特徴とする。
【0010】本発明に従えば、第1の被覆層と第3の被
覆層とが同一の材料から形成されているので、この第1
および第3の被覆層とを強固に結合することができる。
また、第3の被覆層の溶射は第2の被覆層を研磨した後
行われるので、第1の被覆層の凸部の頂部は第2の被覆
層の表面に露出するようになり、これによって第1およ
び第3の被覆層を一層確実に結合することができる。ま
た、研磨後においても第2の被覆層は第1の被覆層の凹
部に入込んで存在し、この第2の被覆層と第3の被覆層
によって第1の被覆層に存在する気孔を確実に密封する
ことができ、これによって酸性液がロール本体まで浸透
するのを防止することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明に従う鋼材用搬送ロールの一実施形態について説明す
る。図1は、本発明に従う鋼材用搬送ロールの一実施形
態を示す断面図であり、図2は、図1の鋼材用搬送ロー
ルの一部を拡大して示す部分拡大断面図である。
【0012】図1を参照して、図示の搬送ローラは、た
とえばステンレス鋼板の如き鋼材を搬送するためのロー
ル本体2を具備し、このロール本体2の外周面に第1の
被覆層4が設けられ、この第1の被覆層4の外周面に第
2の被覆層6が設けられ、この第2の被覆層6の外周面
に第3の被覆層8が設けられている。ロール本体2は、
軸受部材(図示せず)を介して回転自在に支持される回
転軸10と、この回転軸10の両端部に固定された端板
12,14と、この端板12,14に固定された円筒状
体16から構成され、この円筒状体16の外周面に第1
〜第3の被覆層4,6,8が設けられている。ロール本
体2の回転軸10、端板12,14および円筒状体16
は、たとえば炭素鋼(S25C)または圧延鋼(SS4
1)等から形成され、図1に二点鎖線で示すとおり、回
転軸10の両端部、端板12,14の外面および円筒状
体16の両端部外周面(この実施形態では、第3の被覆
層8の外周面)が、耐酸性を有するゴム材料から形成さ
れる被覆層18によって覆われている。
【0013】図1とともに図2を参照して、円筒状体1
6の外周面に設けられる第1の被覆層4は、セラミック
またはサーメットの溶射によって形成される。第1の被
覆層4のセラミックとして、たとえば、アルミナ、チタ
ニア、アルミナ・チタニア、ジルコニア、酸化ケイ素、
酸化クロム等の酸化物系セラミック、炭化クロム、炭化
チタン、炭化タングステン、炭化ケイ素等の炭化物系セ
ラミック、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニ
ウム等の窒化物系セラミック等の材料を用いることがで
きる。また、第1の被覆層4のサーメットとして、たと
えば、炭化タングステンとコバルトとの混合物、炭化チ
タンとコバルトとの混合物、炭化ケイ素とニッケルとの
混合物等を用いることができる。このようなセラミック
またはサーメットは耐摩耗性および耐酸性を有している
ので、ロール本体10の外周面に、ステンレス鋼板等の
鋼板を搬送するために充分な耐摩耗性および耐酸性を持
たせることができる。第1の被覆層4の層厚は、たとえ
ば300〜1000μm程度に設定される。この層4の
厚さが300μmより薄くなると溶射による気孔が多く
なり、一方その厚さが1000μmより厚くなるとこの
層の剥離が起こりやすくなる。
【0014】この第1の被覆層4は、セラミックまたは
サーメットに代えて、ハステロイ系合金、たとえばハス
テロイR−235またはニッケル−クロム合金による溶
射によって形成することができ、これらの材料から形成
した場合にも上述したと同様の効果が達成される。
【0015】なお、セラミック等の溶射は、高速ガス溶
射法、プラズマ溶射法、爆発溶射法等の周知の方法を用
いて行うことができる。
【0016】第1の被覆層4を被覆するように設けられ
る第2の被覆層6は、耐酸性を有するフッ素系合成樹脂
から形成され、第1の被覆層4の表面にたとえば塗布す
ることによって形成される。第2の被覆層6のフッ素系
合成樹脂として、たとえば、ポリテトラフルオロエチレ
ン(PTFE)、パーフロロアルキルビニルエーテル
(PFA)等を用いることができる。このような合成樹
脂の層は気孔が存在しないので、第2の被覆層6を設け
ることによって第1の被覆層4に存在する気孔を密封す
ることができ、これによって混酸などの酸性液がロール
本体2の円筒状体16に浸透するのを防止することがで
きる。この第2の被覆槽4の層厚は、たとえば、500
μm程度に設定することができる。第2の被覆層6の厚
さが1000μmを越えるとこの層の剥離が起こり易く
なるとともに、後述する第3の被覆層8の溶射による第
1の被覆層4への結合が弱くなる。なお、合成樹脂の形
成は、たとえば通常の塗布またはスプレー法によって行
うことができる。
【0017】第2の被覆層6を覆うように設けられる第
3の被覆層8は、第1の被覆層4と同様の材料、すなわ
ちセラミックまたはサーメットの溶射によって形成さ
れ、セラミックまたはサーメットに代えて、ハステロイ
系合金またはニッケル−クロム合金から形成することも
できる。第3の被覆層8を上述した材料で形成すること
によって、搬送ロール表面に充分な耐摩耗性および耐酸
性を持たせることができる。また、第3の被覆層8を溶
射により形成することによって、その表面の粗さをある
程度粗く、たとえば搬送ロールの中心線粗さRaを0.
3〜0.5μmに設定することができる。第3の被覆層
8の表面にある程度凹凸が存在するように構成すること
によって、搬送ロール表面の摩擦係数を高めることがで
き、これによって搬送ロールと搬送される鋼板との間の
滑りを防止し、搬送時の鋼板の蛇行の発生をなくすこと
ができる。このように第3の被覆層8を設けることによ
って、第1の被覆層4に存在する気孔が第2の被覆層6
に加えて第3の被覆層8によっても密封されるようにな
り、かかる気孔を確実に密封することができる。この第
3の被覆層8の層厚は、たとえば、200〜300μm
程度に設定することができる。第3の被覆層8の層厚が
200μmより小さくなると鋼板を搬送するための充分
な摩擦係数を得ることができず、一方この層厚が300
μmより大きくなるとこの層の剥離が起こり易くなる。
【0018】このような搬送ロールにおいては、第1の
被覆層4と第2の被覆層8とを同一の材料で形成する、
たとえば第1の被覆層4をセラミックの一つとしてのア
ルミナから形成した場合には第3の被覆層8を同様のア
ルミナから形成するのが好ましい。このように第1およ
び第3の被覆層4,8を同一の材料から形成することに
よって、両被覆層4,8の結合を一層強くすることがで
き、搬送ロールからの第3の被覆層8の剥離を防止する
ことができる。
【0019】第2の被覆層6は、塗布後に砥石等によっ
て研磨し、研磨後の表面に第3の被覆層8を形成するた
めにセラミック等を溶射するのが望ましい。第2の被覆
層6を研磨することによって、この第2の被覆層8は、
第1の被覆層4の表面に存在する凹部に残存し、第1の
被覆層4の凸部の頂部は第2の被覆層6の表面から露出
するようになる。したがって、このような状態にて、第
3の被覆層8を形成するために溶射すると、第3の被覆
層8の一部が第1の被覆層4の凸部の頂部に直接強固に
結合し、かくして第1および第3の被覆層4,8の結合
を一層強固なものにすることができる。なお、第1の被
覆層4の凹部には第2の被覆層6が残存し、この第2の
被覆層6の表面に第3の被覆層8が設けられるので、第
2の被覆層6が研磨によって薄くなっても、この第2の
被覆層6および第3の被覆層8によって第1の被覆層4
の気孔が密封され、酸性液が第1の被覆層4を通してそ
の内部に浸透することを防止することができる。
【0020】ロール本体2と第1の被覆層4との密着性
を一層強固にするためには、両者の間にニッケル被覆層
(図示せず)を介在させるのが望ましい。このニッケル
被覆層は、ロール本体2の円筒状体16の外周面に溶射
によって形成することができ、このようにニッケル被覆
層を形成することによってロール本体2の耐酸性も高め
ることができる。
【0021】上述した搬送ロールでは、第3の被覆層を
形成する際の溶射によってこの第3の被覆層の下層部が
第2の被覆層を通して第1の被覆層に結合されるので、
1〜第3の被覆層を相互に強固に結合することができ
る。また、気孔の存在する第1の被覆層は、第2および
第3の被覆層によって覆われるので、酸性液がロール本
体まで浸透するのを防止することができる。
【0022】このような搬送ロールは、混酸処理を行う
ために、硝酸およびフッ酸を混合した混酸が充填された
混酸槽を通してステンレス鋼板を搬送するためのロール
として好都合に用いることができるが、これに限定され
ず、酸性の環境を通してステンレス鋼板等の鋼材を搬送
するためのロールとして広く用いることができる。
【0023】実施例 実施例として、搬送ロールのロール本体の円筒状体の外
径が1000mmの圧延鋼(SS41)の表面に、セラ
ミックであるアルミナを溶射して厚さ500μmの第1
の被覆層を形成し、この第1の被覆層の表面にポリテト
ラフルオロエチレン(PTFA)を塗布して第2の被覆
層を形成し、その後形成した第2の被覆層を砥石でもっ
て研磨し、しかる後第2の被覆層の表面に、第1の被覆
層と同様のアルミナを溶射して厚さ200μmの第3の
被覆層を形成した。
【0024】上述したとおりにして形成した搬送ロール
を、硝酸30.5〜0.9モル/リットルおよびフッ酸
0.5〜1.4モル/リットルの混酸液を充填した酸洗
槽における搬送ロールとして用い、一ヶ月連続してステ
ンレス鋼板の搬送を行い酸洗処理を行った。このとき、
混酸液の温度を50〜60度の範囲に保持した。
【0025】その結果、この実施例におけるロールで
は、一ヶ月連続使用した後においても搬送ロールの外径
が実質上変化せず、同一外径を維持していた。また、ロ
ール本体の円筒状体の内面が腐食することはなく、搬送
中においてもステンレス鋼板が蛇行することはなかっ
た。さらに、一ヶ月経過後において幅の異なるステンレ
ス鋼板を搬送しても鋼板の形状崩れが全く発生しなかっ
た。
【0026】比較例 比較のために、比較例1として、搬送ロールのロール本
体の円筒状体の外径が1000mmの圧延鋼(SS4
1)の表面に、耐酸性のゴム材料からなる厚さ10mm
の被覆層を形成した。そして、この比較例1の搬送ロー
ルを、実施例と同様の酸洗槽における搬送ロールとして
用い、同様にして一ヶ月連続して酸洗処理を行った。
【0027】その結果、この比較例1の搬送ロールで
は、ステンレス鋼板が接触する部位と接触しない部位と
では約5mmの外径差が生じ、一ヶ月経過後において幅
の異なるステンレス鋼板を搬送したときステンレス鋼板
に幾分の形状崩れが生じた。
【0028】また、比較例2として、搬送ロールのロー
ル本体の円筒状体の外径が1000mmの圧延鋼(SS
41)の表面に、アルミナを溶射して厚さ500μmの
被覆層を形成した。さらに、比較例3として、比較例2
と同様に形成した搬送ローラの表面にさらにポリテトラ
フルオロエチレンからなる厚さ500μmの第2の被覆
層を形成した。そして、これら比較例2および3の搬送
ロールについても実施例と同様の酸洗槽における搬送ロ
ールとして用い、同様にして一ヶ月連続して酸洗処理を
行った。
【0029】その結果、比較例2および3の搬送ロール
では、それぞれ、一ヶ月後においてロールの外径が実質
上変化しなかったが、ロール本体の円筒状体の内面に混
酸液の浸透に起因する腐食が観察された。
【0030】
【発明の効果】本発明の請求項1の鋼材用搬送ロールに
よれば、第3の被覆層を形成する際の溶射によって、こ
の第3の被覆層が第2の被覆層を通して第1の被覆層に
結合され、第1〜第3の被覆層が相互に強固に結合さ
れ、ロール本体からの第2の被覆層および/または第3
の被覆層の剥がれを防止することができる。また、第1
の被覆層に存在する気孔が第2および第3の被覆層によ
って密封されるので、ロール本体の腐食を防止すること
ができる。
【0031】また本発明の請求項2の鋼材用搬送ロール
によれば、第1の被覆層と第3の被覆層とが同一の材料
から形成されているので、この第1および第3の被覆層
とを強固に結合することができる。また、第3の被覆層
の溶射は第2の被覆層を研磨した後行われるので、第1
および第3の被覆層を一層確実に結合することができ
る。また、研磨後においても第2の被覆層は第1の被覆
層の凹部に入込んで存在するので、第2および第3の被
覆層によって第1の被覆層に存在する気孔を確実に密封
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う鋼材用搬送ロールの一実施形態を
示す断面図である。
【図2】図1の搬送ロールの一部を拡大して示す部分拡
大断面図である。
【符号の説明】
2 ロール本体 4 第1の被覆層 6 第2の被覆層 8 第3の被覆層 10 回転軸 16 円筒状体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B65G 39/07 B65G 39/07

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロール本体と、前記ロール本体の外周面
    にセラミック、サーメット、ハステロイ系合金、ニッケ
    ル−クロム合金のいずれか1つを溶射することによって
    形成された第1の被覆層と、前記第1の被覆層の外周面
    にフッ素系合成樹脂により形成された第2の被覆層と、
    前記第2の被覆層の外周面にセラミック、サーメット、
    ハステロイ系合金、ニッケル−クロム合金のいずれか1
    つを溶射することによって形成された第3の被覆層とを
    備えたことを特徴とする鋼材用搬送ロール。
  2. 【請求項2】 前記第1の被覆層と前記第3の被覆層と
    は同一の材料から形成され、前記第2の被覆層を研磨し
    た後前記第3の被覆層が溶射されることを特徴とする請
    求項1記載の鋼材用搬送ロール。
JP9338990A 1997-12-09 1997-12-09 鋼材用搬送ロール Pending JPH11173328A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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