JP2008155205A - 塗工装置用ロッドおよび塗布液の塗布方法 - Google Patents

塗工装置用ロッドおよび塗布液の塗布方法 Download PDF

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Abstract

【課題】塗工装置用ロッドを摩耗しにくくすることができるので、分散剤を含有した塗布液を使用したり、高速塗布したりしても塗布精度の低下や塗布不良が発生しない。
【解決手段】塗工装置用ロッド24は、ロッド25表面に、各種のメッキコーティング膜、セラミックコーティング膜、ダイヤモンドコーティング膜のうちの少なくとも2つのコーティング膜を重畳した複層コーティング膜26を形成して構成され、下層の膜厚が2〜3μmであり、上層の膜厚が1〜5μmである。
【選択図】図4

Description

本発明は、塗工装置用ロッドに係り、特に、薄い金属板、紙、フィルム等のシート状或いはウエブ状の被塗工基材(以下「ウエブ」という)に各種の液状物質(以下「塗布液」という)を塗布するのに使用される塗工装置用ロッドに関する。
薄い金属板、紙、プラスチックフィルム等のウエブに各種の塗布液を塗布する塗布装置としては、ロールコータ、エアーナイフコータ、ダイを用いたコータ、及びロッドコータ等の各種の装置が知られている。
これらの塗布装置の中で、ロッドコータは簡易な塗布装置で、しかも各種の塗布液を各種のウエブに塗布できるので、広く利用されている。ロッドコータは、ウエブに塗布された塗布液の過剰分を塗工装置用ロッドで掻き落とすタイプのものと、ウエブへの塗布と塗布液量の調整の両方を1つの塗工装置用ロッドで行うタイプのものとがある。いずれのタイプのロッドコータの場合にも、塗工装置用ロッドのロッド表面の周方向には多数の溝が形成されており、この溝の深さ、幅等によりウエブに塗布する塗布液量や掻き落とす塗布液量が調整される。
塗工装置用ロッドのロッド周面に溝を形成する方法としては、例えば、ロッドにワイヤーを巻くことにより、ロッドの表面に周方向の凹部(溝)と周方向の凸部をロッドの軸方向に交互に形成する方法や、ロッド自体の表面に、切削加工、転造加工、レーザー加工等により凹部(溝)と凸部を交互に形成する方法がある(特許文献1)。ワイヤーを巻いた塗工装置用ロッドは、ホットメルト塗布や、比較的塗布量の多い塗布に用いられ、ワイヤーの直径は0.08〜1.52mmの範囲で、一般には、0.08〜0.64mmのものが使用される。
ところで、生産性の向上や省エネ等の要請により、ロッドコータによる塗布の場合にも、高濃度の塗布液をウエブに薄く、しかも高速で塗布することが要求されてきている。更に、工業製品の多様化、高機能化等の流れにより、塗布液中に各種の分散剤が含有される傾向にある。
実開平1−65671号公報
しかしながら、従来の塗工装置用ロッドは、塗布液に分散剤が含有されたり、高速塗布を行ったりすると、ロッドに巻いたワイヤーの摩耗やロッド自体に形成した凸部が短期間に摩耗してしまうという欠点がある。摩耗が短期間に発生すると、塗工装置用ロッドに形成した溝の深さが浅くなり、ウエブに塗布する塗布液量の調整精度が悪くなるので、塗布精度が低下してしまう。従って、この塗工装置用ロッドの短期間における摩耗は、生産性向上、省エネ化等を達成する上での大きなネックになっているが、有効な対策がないのが実情である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、分散剤を含有した塗布液を使用したり、高速塗布したりしても塗工装置用ロッドを摩耗しにくくすることができるので、塗布精度の低下や塗布不良が発生しない塗工装置用ロッドを提供することを目的とする。
本発明は前記目的を達成するために、連続走行するウエブに接触して該ウエブに塗布液を転移塗布する円柱状のロッド、又は塗布液が過剰に塗布されたウエブに接触して塗布液の過剰分を掻き落とす円柱状のロッドであって、前記ロッド表面に周方向の凹部と周方向の凸部とが前記ロッドの軸方向に交互に形成された塗工装置用ロッドにおいて、前記ロッド表面に、各種のメッキコーティング膜、セラミックコーティング膜、ダイヤモンドコーティング膜のうちの少なくとも2つのコーティング膜を重畳した複層コーティング膜を形成し、下層の膜厚が2〜3μmであり、上層の膜厚が1〜5μmであることを特徴とする。
本発明によれば、ロッド表面に、各種のメッキコーティング膜、セラミックコーティング膜、ダイヤモンドコーティング膜のうちの少なくとも2つのコーティング膜を重畳した複層コーティング膜を形成したので、硬質な分散剤を含有した塗布液を使用したり、高速塗布したりしてもコーティング膜が剥離しにくくできる。従って、塗工装置用ロッドの摩耗防止が効果的に達成されると共に、コーティング膜の剥離等による塗布不良が発生しない。更に、ウエブ接合部等が塗工装置用ロッドを通過する時の衝撃等によってもコーティング膜にクラックや剥離を生じにくくなる。
本発明の塗工装置用ロッドによれば、塗工装置用ロッドに強い衝撃が加わる場合にも、コーティング膜がクラックや剥離等をおこしにくくなるので、摩耗防止効果を効果的に発揮することができると共に、クラックや剥離による塗布スジ等の塗布不良が発生することがない。従って、生産ロスを著しく低減することができると共に、塗工装置用ロッドを頻繁に交換する必要がないので、生産性を向上させることができる。
以下添付図面に従って本発明に係る塗工装置用ロッドの好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、ウエブに塗布された塗布液の過剰分を塗工装置用ロッドで掻き落とすタイプのロッドコータに本発明の塗工装置用ロッドを適用した第1の実施の形態である。また、ウエブに塗布液を塗布する塗布装置としてはロールコータを用いた例で示したが、特にロールコータに限定するものではなく、任意の塗布装置を使用することができる。
図1に示すように、矢印方向に走行するウエブ10は、ロールコータ12により塗布液が塗布される。ロールコータ12は、上側に配置されたバックアップローラ14と、バックアップローラ14の下側に配置されたコーティングローラ16とを有し、コーティングローラ16の回転により塗布液パン18中の塗布液20をピックアップする。そして、ピックアップした塗布液20をバックアップローラ14に係合支持されて走行しているウエブ10に転移塗布する。塗布液20が塗布されたウエブ10は、塗布液20が未乾燥、未固化状態にあるうちに、ロッドコータ22に走行し、ウエブ10の塗布面側がウエブ10の走行方向と逆方向に回転する塗工装置用ロッド24に接触させられる。これにより、ウエブ10に塗布された塗布液20の過剰分が塗工装置用ロッド24により掻き落とされて、ウエブ10に塗布される塗布液量が調整される。掻き落とす塗布液20の量は、塗工装置用ロッド24に形成される多数の溝(凹部)25Aの深さ(L)、幅(W)や、凹部25Aから凹部25A若しくは凸部25Bから凸部25Bのピッチ長さ(P)等により変えることができる(図3及び図4参照)。この場合、塗工装置用ロッド24を、ウエブ走行方法と同方向に回転させても、或いは静止状態にしてもよいが、ウエブの走行速度を高速化する場合には逆方向に回転させる方がよい。
上記した塗工装置用ロッド24の使用において、塗工装置用ロッド24が逆回転される場合、塗布液20中に各種の硬質な分散剤が分散されている場合、ウエブが金属製である場合等に、ロッド表面に大きな剪断力や応力が加わる。これにより、ロッド表面に傷を生じたり、ロッド表面が短期間のうちに摩耗したりする。
これらの損傷を防止するため、硬質素材のコーティング膜を施すことが試みられているが、その効果においてまだ十分とは言えない。特に、金属製のウエブ10の皺部分や折れ部分が塗工装置用ロッド24を通過する時や、ウエブ10同士のウエブ接合部10A(図6参照)が塗工装置用ロッド24を通過する時のように、塗工装置用ロッド24に強い衝撃が加わる際には、ロッド表面に単に硬質素材をコーティングするだけでは、クラックや剥離等をおこすことが頻繁に生じてしまう。これらの損傷は、コーティング膜の表面はかなり高い硬度になっていてもロッド表面に対するコーティング膜の密着力が弱いため、大きな衝撃あるいは集中的な荷重によってコーティング膜にクラックや微少な剥離が生じるためである。
そこで、発明者は、塗工装置用ロッド24のロッド表面へのコーティング膜の密着性と硬度の向上の両方に関して多面的に研究し、コーティング膜を複層にすることにより、ロッド表面に大きな衝撃あるいは集中的な荷重がかかってもコーティング膜にクラックや微少な剥離が生じにくくできるという知見を得た。
次に、上記知見に基づいて具体的に構成した本発明の塗工装置用ロッド24について説明する。
図2は、塗工装置用ロッド24の部分斜視図であり、図3及び図4は、塗工装置用ロッド24を軸芯方向、即ち塗工装置用ロッド24を軸の中心に沿って切断した部分断面図であり、図3はロッド表面に複層コーティング膜を形成する前、図4は複層コーティング膜26を形成した後である。
塗工装置用ロッド24は、円柱状に形成されたロッド25表面の周方向には多数の溝が形成され、これにより、ロッド25表面に周方向の凹部25A(溝)と周方向の凸部25Bとがロッド25の軸方向に交互に形成される。
そして、本発明の塗工装置用ロッド24は、図4に示すように、ロッド25表面に、各種のメッキコーティング膜、セラミックコーティング膜、ダイヤモンドコーティング膜のうちの少なくとも2つのコーティング膜を重畳した複層コーティング膜26を形成して構成される(図4は、2層コーティング膜の例である)。
セラミックコーティング膜の例としては、例えばTiN、TiCN、CrN、TiC、Al2 3 、Cr2 3 、SiO3 、Ti2 3 、AlN、ZrN、SiC等を用いることができるが、特にこれらに限定するものではない。セラミックをコーティングする方法も各種方式で行うことができるが、代表的な方法としては、PVD法(hysical apor eposition)とCVD法(hemical apor eposition)である。更にPVDには、熱蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、ダイナミックミキシング等の方法がある。
メッキコーティング膜の例としては、ニッケル、クロム、タングステン、コバルト等の単一金属によるメッキコーティング膜でもよいし、ニッケル−クロム、ニッケル−タングステンのように合金メッキコーティング膜でもよい。
複層コーティング膜26を形成する各種コーティング膜の組み合わせとしては、例えば、下層(ロッド表面側)にニッケル−りん合金メッキ、上層にクロムメッキの2層コーティング膜、下層にニッケル−コバルト合金メッキ、上層にクロムメッキの2層コーティング膜、下層にクロムメッキ、上層にニッケル−タングステン合金メッキ等のメッキコーティング膜を2層施す3層コーティング膜のようにメッキコーティング膜同士を組み合わせることができる。
また、下層にクロムメッキ、上層にスパッタリングによるTi Nコーティングの2層コーティング膜、下層にクロムメッキ、上層にスパッタリングによるTi Cコーティングの2層コーティング膜、下層にニッケル−コバルト合金メッキ、上層にスパッタリングによりAl2 3 コーティングの2層コーティング膜のように、下層にメッキコーティング膜、上層にセラミックコーティング膜を組み合わせることができる。
更に、下層に各種のメッキコーティング膜、上層にダイヤモンドコーティング膜を組み合わせる場合、下側にメッキコーティング膜を2層施した上に、セラミックコーティング膜又はダイヤモンドコーティング膜を重ねる場合、下層にクロムメッキ膜、上層にTi C膜とTi N膜のセラミック膜を2層にする場合等の各種の組み合わせを行うことができる。
各種のコーティング膜の組み合わせは、ロッド母材の材質などによってもその適切な組み合わせが異なるので、実験や現場試験等のデータに基づいてロッド母材の種類に応じて変えることが好ましい。ロッド母材としては、SUS304、SUS316等のオーステナイト系ステンレス鋼、SUS410等のマルテルサイト系ステンレス鋼、SK1〜7、SKD1、11、12等の各種工具鋼、SKS1、2、5、11等の合金工具鋼等多くの種類を用いることができる。
また、ロッド25自体を切削加工、転造加工、レーザー加工等することにより、ロッド表面に凹部25Aや凸部25Bを形成する加工方法の中で、転造加工は他の加工方法よりもロッド25の表面を高硬度にすることができるので、複層コーティング膜26の密着性を高めることができる。更に、転造加工は、ロッド素材の繊維の切断もなく、ロッド25の表面の荒れも少ないので複層コーティング膜26の密着性を一層高めることができる。
そして、複層コーティング膜26のロッド表面への密着性を確保しつつ硬度を確保するには、最下層のコーティング膜の硬度より最上層のコーティング膜の硬度を大きくすることが好ましく、この傾向はロッド母材の種類に関係なく共通している。最下層のコーティング膜の硬度より最上層のコーティング膜の硬度を大きくする組み合わせの1例としては表1の例がある。表は、複層コーティング膜として2層の例である。
Figure 2008155205
(備考)(1)Cr…クロム、Ni…ニッケル、W…タングステン、C…カーバイト、Ti…チタン、N…窒素、Al…アルミニウム、O…酸素、Si…珪素、DLC…ダイヤモンドライクコーティング。(2)硬度はビッカース硬度の数値である。
このように、本発明の塗工装置用ロッドによれば、ロッド表面に、各種のメッキコーティング膜、セラミックコーティング膜、ダイヤモンドコーティング膜のうちの少なくとも2つのコーティング膜を重畳した複層コーティング膜26を形成したので、塗工装置用ロッド24の摩耗を低減することができる。
また、塗工装置用ロッド24が逆回転される場合、塗布液20中に各種の硬質な分散剤が分散されている場合、ウエブ10が金属製である場合等のように、ロッド表面に大きな剪断力や応力が加わる場合、更には、金属ウエブの皺部分や折れ部分が塗工装置用ロッド24を通過する時や、ウエブ同士のウエブ接合部10Aが塗工装置用ロッド24を通過する時のように、塗工装置用ロッド24に強い衝撃が加わる場合にも、コーティング膜26を複層にすることにより、クラックや剥離等をおこしにくくなる。従って、塗工装置用ロッド24の摩耗防止が効果的に達成されると共に、コーティング膜26のクラックや剥離等による塗布不良が発生しない。
図5は、ウエブ10への塗布と塗布液量の調整の両方を1つの塗工装置用ロッドで行うタイプのロッドコータ28に本発明の塗工装置用ロッド24を適用した第2の実施の形態である。
図5に示すように、走行するウエブ10に接触した状態で、ウエブ10の巾方向に本発明の塗工装置用ロッド24が配設される。塗工装置用ロッド24は、ウエブ10が走行する方向に回転軸30を中心に回転可能であると共に、ロッド支持部材32上に回転を阻害しないように支持される。ロッド支持部材32は、塗工装置用ロッド24に撓みが発生するのを防止すると共に、塗工装置用ロッド24に塗布液20を供給する役目を行う。即ち、ロッド支持部材32と堰部材34とで形成された塗布液供給路36に供給された塗布液20は、ウエブ10と塗工装置用ロッド24の接触部に塗布液20の液だまり38を形成する。そして、回転する塗工装置用ロッド24により液だまり38の塗布液20がウエブ10に転移塗布される。この塗工装置用ロッド24の周面の周方向には、塗工装置用ロッド24の略全長に渡って溝(凹部25A)が形成され、この溝(凹部25A)の深さ、幅、ピッチPにより塗布液量を調節する(図3及び図4参照)。
上記ロッドコータ28にも、第1の実施の形態で説明したと同様の塗工装置用ロッド24が適用される。即ち、第2の実施の形態の場合にも、塗工装置用ロッド24は、ロッド表面に、各種のメッキコーティング膜、セラミックコーティング膜、ダイヤモンドコーティング膜のうちの少なくとも2つのコーティング膜を重畳した複層コーティング膜26を形成して構成される。
これにより、第2の実施の形態の場合にも、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
尚、本発明に使用されるウエブ10としては、帯状のものでもシート状のものでも良く、アルミニウム等の薄板金属、紙、プラスチックフィルム、レジンコーティング紙、合成紙等を使用できる。プラスチックフィルムの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等のビニル重合体、6,6─ナイロン、6─ナイロン等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン─2,6─ナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、セルトーストリアセテート、セルロースダイアセテート等のセルロースアセテト等が使用される。また、レジンコーティング紙に用いるレジンとしては、ポリエチレンをはじめとするポリオレフィンが代表的であるが、これらには限定されない。ウエブ10の厚みも特に限定されないが、0.01mm〜1.0mm程度のものが取り扱い、汎用性の点で有利である。
次に、図1に示したロッドコータを使用して塗工装置用ロッドをウエブの走行方向に対して逆方向に回転させて行った本発明の実施例を説明する。
〔実施例1〕径が10mm、長さが1600mmのSUS304製のロッド母材を転造加工して、図4に示したように、ピッチ(p)300μm、凹部(溝)深さ(L)40μm、凸部の曲率半径50μmの凹部と凸部を有するロッド表面を形成し、このロッド表面に上記表1のNo.1の複層コーティング膜を形成した。尚、凸部の曲率半径とは、凸部をロッド軸芯方向で切断したときの円弧状断面形状における曲率半径をいう。
〔実施例2〕径が10mm、長さが1600mmのSUS304製のロッド母材を転造加工して、図4に示したように、ピッチ(p)300μm、凹部(溝)深さ(L)60μm、凸部の曲率半径100μmの凹部と凸部を有するロッド表面を形成し、このロッド表面に上記表1のNo.2の複層コーティング膜を形成した。尚、凸部の曲率半径とは、凸部をロッド軸芯方向で切断したときの円弧状断面形状における曲率半径をいう。
〔比較例1〕実施例1の塗工装置用ロッドにおける複層コーティング膜のうち、Crメッキコーティング膜を形成せずに、ロッド表面にTiNコーティング膜を直接形成した。その他は、実施例1の塗工装置用ロッドと同様である。
〔比較例2〕実施例2の塗工装置用ロッドにおける複層コーティング膜のうち、Ni−WCrメッキコーティング膜を形成せずに、ロッド表面にTiCコーティング膜を直接形成した。その他は、実施例2の塗工装置用ロッドと同様である。
実施例1〜2、比較例1〜2ともに、塗布液はアクリル系の樹脂を20%含有する粘度47cpのものを使用した。また、ウエブはアルミニウムを表面処理した0.2mm厚のものを使用して、70m/分で走行させた。また、ウエブは、図6に示すように、100mごとにウエブ接合部を形成した。
その結果、実施例1の塗工装置用ロッドは、塗布液が塗布されたウエブ長さが累積で2000m、即ちウエブ接合部が塗工装置用ロッドを20回通過しても、ウエブ塗布面の欠陥や塗布量の精度低下が発生せず、良好な塗布を行うことができた。塗布終了後、塗工装置用ロッドを検査したが複層コーティング膜にクラック、剥離などは見られなかった。
また、実施例2の塗工装置用ロッドは、塗布液が塗布されたウエブ長さが累積で2500m、即ちウエブ接合部が塗工装置用ロッドを25回通過しても、ウエブ塗布面の欠陥や塗布量の精度低下が発生せず、良好な塗布を行うことができた。塗布終了後、塗工装置用ロッドを検査したが複層コーティング膜にクラック、剥離などは見られなかった。
これに対し、比較例1の塗工装置用ロッドは、塗布液が塗布されたウエブ長さが500m、即ちウエブ接合部が塗工装置用ロッドを5回通過した時からウエブ塗布面に塗布スジが発生し始め、正常な塗布の継続が困難になった。塗布終了後、塗工装置用ロッドを検査したところ、塗布スジに対応する複層コーティング膜の位置にクラックが発生していた。
また、比較例2の塗工装置用ロッドは、塗布液が塗布されたウエブ長さが700m、即ちウエブ接合部が塗工装置用ロッドを7回通過した時からウエブ塗布面に塗布スジが発生し始め、正常な塗布の継続が困難になった。塗布終了後、塗工装置用ロッドを検査したところ、塗布スジに対応する複層コーティング膜の位置にクラックが発生していた。
以上の実施例1〜2と比較例1〜2の対比から明らかなように、比較例のようにロッド表面に単一のコーティング膜を形成するよりも、本発明のように複層のコーティング膜を形成する方が、塗工装置用ロッドに強い衝撃が加わる場合にも、コーティング膜がクラックや剥離等をおこしにくくなることが確認された。
ウエブに塗布された塗布液の過剰分を塗工装置用ロッドで掻き落とすタイプのロッドコータに本発明の塗工装置用ロッドを適用した第1の実施の形態を説明する説明図 塗工装置用ロッドの部分斜視図 複層コーティング膜を形成する前の塗工装置用ロッドの部分断面図 複層コーティング膜を形成した後の本発明の塗工装置用ロッドの部分断面図 ウエブへの塗布と塗布液量の調整の両方を1つの塗工装置用ロッドで行うタイプのロッドコータに本発明の塗工装置用ロッドを適用した第2の実施の形態を説明する説明図 ウエブ接合部を説明する説明図
符号の説明
10…ウエブ、10A…ウエブ接合部、12…ロールコータ、20…塗布液、22…ロッドコータ、24…塗工装置用ロッド、25A…溝(凹部)、25B…凸部、25…ロッド、25C…凸部上面、26…複層コーティング膜、28…ロッドコータ

Claims (6)

  1. 連続走行するウエブに接触して該ウエブに塗布液を転移塗布する円柱状のロッド、又は塗布液が過剰に塗布されたウエブに接触して塗布液の過剰分を掻き落とす円柱状のロッドであって、前記ロッド表面に周方向の凹部と周方向の凸部とが前記ロッドの軸方向に交互に形成された塗工装置用ロッドにおいて、
    前記ロッド表面に、各種のメッキコーティング膜、セラミックコーティング膜、ダイヤモンドコーティング膜のうちの少なくとも2つのコーティング膜を重畳した複層コーティング膜を形成し、
    下層の膜厚が2〜3μmであり、上層の膜厚が1〜5μmであることを特徴とする塗工装置用ロッド。
  2. 前記複層コーティングは、下層がメッキコーティング膜であり、上層がセラミックコーティング膜またはダイヤモンドコーティング膜であることを特徴とする請求項1に記載の塗工装置用ロッド。
  3. 前記複層コーティング膜の硬度は、最上層から最下層にいくほど小さいことを特徴とする請求項1または2に記載の塗工装置用ロッド。
  4. 前記上層がダイヤモンドライクコーティングであることを特徴とする請求項1から3いずれかに記載の塗工装置用ロッド。
  5. 前記凹部と前記凸部を有する前記ロッド表面を転造加工により形成したことを特徴とする請求項1から4いずれかに記載の塗工装置用ロッド。
  6. 請求項1から5いずれかに記載の塗工装置用ロッドを用いて、塗布液が過剰に塗布されたウエブに接触して、該ウエブの走行方向と反対方向に該塗工装置用ロッドを回転させることにより、塗布液の過剰分を掻き落とす塗布液の塗布方法。
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JP2020075248A (ja) * 2019-12-11 2020-05-21 株式会社リコー 塗膜物製造方法、記録物製造方法及び製造装置

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