JP2000354808A - 塗工装置用ロッド - Google Patents

塗工装置用ロッド

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JP2000354808A
JP2000354808A JP11165345A JP16534599A JP2000354808A JP 2000354808 A JP2000354808 A JP 2000354808A JP 11165345 A JP11165345 A JP 11165345A JP 16534599 A JP16534599 A JP 16534599A JP 2000354808 A JP2000354808 A JP 2000354808A
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JP11165345A
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Yasuto Naruse
康人 成瀬
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】塗工装置用ロッドを摩耗しにくくすることがで
きるので、分散剤を含有した塗布液を使用したり、高速
塗布したりしても塗布精度の低下や塗布不良が発生しな
い。 【解決手段】塗工装置用ロッド24は、ロッド25表面
に、各種のメッキコーティング膜、セラミックコーティ
ング膜、ダイヤモンドコーティング膜のうちの少なくと
も2つのコーティング膜を重畳した複層コーティング膜
26を形成して構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗工装置用ロッド
に係り、特に、薄い金属板、紙、フィルム等のシート状
或いはウエブ状の被塗工基材(以下「ウエブ」という)
に各種の液状物質(以下「塗布液」という)を塗布する
のに使用される塗工装置用ロッドに関する。
【0002】
【従来の技術】薄い金属板、紙、プラスチックフィルム
等のウエブに各種の塗布液を塗布する塗布装置として
は、ロールコータ、エアーナイフコータ、ダイを用いた
コータ、及びロッドコータ等の各種の装置が知られてい
る。これらの塗布装置の中で、ロッドコータは簡易な塗
布装置で、しかも各種の塗布液を各種のウエブに塗布で
きるので、広く利用されている。ロッドコータは、ウエ
ブに塗布された塗布液の過剰分を塗工装置用ロッドで掻
き落とすタイプのものと、ウエブへの塗布と塗布液量の
調整の両方を1つの塗工装置用ロッドで行うタイプのも
のとがある。いずれのタイプのロッドコータの場合に
も、塗工装置用ロッドのロッド表面の周方向には多数の
溝が形成されており、この溝の深さ、幅等によりウエブ
に塗布する塗布液量や掻き落とす塗布液量が調整され
る。
【0003】塗工装置用ロッドのロッド周面に溝を形成
する方法としては、例えば、ロッドにワイヤを巻くこと
により、ロッドの表面に周方向の凹部(溝)と周方向の
凸部をロッドの軸方向に交互に形成する方法や、ロッド
自体の表面に、切削加工、転造加工、レーザー加工等に
より凹部(溝)と凸部を交互に形成する方法がある。
(実開平1−65671号公報)ワイヤーを巻いた塗工
装置用ロッドは、ホットメルト塗布や、比較的塗布量の
多い塗布に用いられ、ワイヤーの直径は0.08〜1.
52mmの範囲で、一般には、0.08〜0.64mm
のものが使用される。
【0004】ところで、生産性の向上や省エネ等の要請
により、ロッドコータによる塗布の場合にも、高濃度の
塗布液をウエブに薄く、しかも高速で塗布することが要
求されてきている。更に、工業製品の多様化、高機能化
等の流れにより、塗布液中に各種の分散剤が含有される
傾向にある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
塗工装置用ロッドは、塗布液に分散剤が含有されたり、
高速塗布を行ったりすると、ロッドに巻いたワイヤの摩
耗やロッド自体に形成した凸部が短期間に摩耗してしま
うという欠点がある。摩耗が短期間に発生すると、塗工
装置用ロッドに形成した溝の深さが浅くなり、ウエブに
塗布する塗布液量の調整精度が悪くなるので、塗布精度
が低下してしまう。従って、この塗工装置用ロッドの短
期間における摩耗は、生産性向上、省エネ化等を達成す
る上での大きなネックになっているが、有効な対策がな
いのが実情である。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、分散剤を含有した塗布液を使用したり、高速
塗布したりしても塗工装置用ロッドを摩耗しにくくする
ことができるので、塗布精度の低下や塗布不良が発生し
ない塗工装置用ロッドを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、連続走行するウエブに接触して該ウエブに
塗布液を転移塗布する円柱状のロッド、又は塗布液が過
剰に塗布されたウエブに接触して塗布液の過剰分を掻き
落とす円柱状のロッドであって、前記ロッド表面に周方
向の凹部と周方向の凸部とが前記ロッドの軸方向に交互
に形成された塗工装置用ロッドにおいて、前記ロッド表
面に、各種のメッキコーティング膜、セラミックコーテ
ィング膜、ダイヤモンドコーティング膜のうちの少なく
とも2つのコーティング膜を重畳した複層コーティング
膜を形成したことを特徴とする。
【0008】本発明によれば、ロッド表面に、各種のメ
ッキコーティング膜、セラミックコーティング膜、ダイ
ヤモンドコーティング膜のうちの少なくとも2つのコー
ティング膜を重畳した複層コーティング膜を形成したの
で、硬質な分散剤を含有した塗布液を使用したり、高速
塗布したりしてもコーティング膜が剥離しにくくでき
る。従って、塗工装置用ロッドの摩耗防止が効果的に達
成されると共に、コーティング膜の剥離等による塗布不
良が発生しない。更に、ウエブ接合部等が塗工装置用ロ
ッドを通過する時の衝撃等によってもコーティング膜に
クラックや剥離を生じにくくなる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って本発明に係
る塗工装置用ロッドの好ましい実施の形態について詳説
する。図1は、ウエブに塗布された塗布液の過剰分を塗
工装置用ロッドで掻き落とすタイプのロッドコータに本
発明の塗工装置用ロッドを適用した第1の実施の形態で
ある。また、ウエブに塗布液を塗布する塗布装置として
はロールコータを用いた例で示したが、特にロールコー
タに限定するものではなく、任意の塗布装置を使用する
ことができる。
【0010】図1に示すように、矢印方向に走行するウ
エブ10は、ロールコータ12により塗布液が塗布され
る。ロールコータ12は、上側に配置されたバックアッ
プローラ14と、バックアップローラ14の下側に配置
されたコーティングローラ16とを有し、コーティング
ローラ16の回転により塗布液パン18中の塗布液20
をピックアップする。そして、ピックアップした塗布液
20をバックアップローラ14に係合支持されて走行し
ているウエブ10に転移塗布する。塗布液20が塗布さ
れたウエブ10は、塗布液20が未乾燥、未固化状態に
あるうちに、ロッドコータ22に走行し、ウエブ10の
塗布面側がウエブ10の走行方向と逆方向に回転する塗
工装置用ロッド24に接触させられる。これにより、ウ
エブ10に塗布された塗布液20の過剰分が塗工装置用
ロッド24により掻き落とされて、ウエブ10に塗布さ
れる塗布液量が調整される。掻き落とす塗布液20の量
は、塗工装置用ロッド24に形成される多数の溝(凹
部)25Aの深さ(L)、幅(W)や、凹部25Aから
凹部25A若しくは凸部25Bから凸部25Bのピッチ
長さ(P)等により変えることができる(図3及び図4
参照)。この場合、塗工装置用ロッド24を、ウエブ走
行方法と同方向に回転させても、或いは静止状態にして
もよいが、ウエブの走行速度を高速化する場合には逆方
向に回転させる方がよい。
【0011】上記した塗工装置用ロッド24の使用にお
いて、塗工装置用ロッド24が逆回転される場合、塗布
液20中に各種の硬質な分散剤が分散されている場合、
ウエブが金属製である場合等に、ロッド表面に大きな剪
断力や応力が加わる。これにより、ロッド表面に傷を生
じたり、ロッド表面が短期間のうちに摩耗したりする。
【0012】これらの損傷を防止するため、硬質素材の
コーティング膜を施すことが試みられているが、その効
果においてまだ十分とは言えない。特に、金属製のウエ
ブ10の皺部分や折れ部分が塗工装置用ロッド24を通
過する時や、ウエブ10同士のウエブ接合部10A(図
6参照)が塗工装置用ロッド24を通過する時のよう
に、塗工装置用ロッド24に強い衝撃が加わる際には、
ロッド表面に単に硬質素材をコーティングするだけで
は、クラックや剥離等をおこすことが頻繁に生じてしま
う。これらの損傷は、コーティング膜の表面はかなり高
い硬度になっていてもロッド表面に対するコーティング
膜の密着力が弱いため、大きな衝撃あるいは集中的な荷
重によってコーティング膜にクラックや微少な剥離が生
じるためである。
【0013】そこで、発明者は、塗工装置用ロッド24
のロッド表面へのコーティング膜の密着性と硬度の向上
の両方に関して多面的に研究し、コーティング膜を複層
にすることにより、ロッド表面に大きな衝撃あるいは集
中的な荷重がかかってもコーティング膜にクラックや微
少な剥離が生じにくくできるという知見を得た。次に、
上記知見に基づいて具体的に構成した本発明の塗工装置
用ロッド24について説明する。
【0014】図2は、塗工装置用ロッド24の部分斜視
図であり、図3及び図4は、塗工装置用ロッド24を軸
芯方向、即ち塗工装置用ロッド24を軸の中心に沿って
切断した部分断面図であり、図3はロッド表面に複層コ
ーティング膜を形成する前、図4は複層コーティング膜
26を形成した後である。塗工装置用ロッド24は、円
柱状に形成されたロッド25表面の周方向には多数の溝
が形成され、これにより、ロッド25表面に周方向の凹
部25A(溝)と周方向の凸部25Bとがロッド25の
軸方向に交互に形成される。
【0015】そして、本発明の塗工装置用ロッド24
は、図4に示すように、ロッド25表面に、各種のメッ
キコーティング膜、セラミックコーティング膜、ダイヤ
モンドコーティング膜のうちの少なくとも2つのコーテ
ィング膜を重畳した複層コーティング膜26を形成して
構成される(図4は、2層コーティング膜の例であ
る)。
【0016】セラミックコーティング膜の例としては、
例えばTiN、TiCN、CrN、TiC、Al
2 3 、Cr2 3 、SiO3 、Ti2 3 、AlN、
ZrN、SiC等を用いることができるが、特にこれら
に限定するものではない。セラミックをコーティングす
る方法も各種方式で行うことができるが、代表的な方法
としては、PVD法(hysical apor
eposition)とCVD法(hemical
apor eposition)である。更にP
VDには、熱蒸着、スパッタリング、イオンプレーティ
ング、ダイナミックミキシング等の方法がある。
【0017】メッキコーティング膜の例としては、ニッ
ケル、クロム、タングステン、コバルト等の単一金属に
よるメッキコーティング膜でもよいし、ニッケル−クロ
ム、ニッケル−タングステンのように合金メッキコーテ
ィング膜でもよい。複層コーティング膜26を形成する
各種コーティング膜の組み合わせとしては、例えば、下
層(ロッド表面側)にニッケル−りん合金メッキ、上層
にクロムメッキの2層コーティング膜、下層にニッケル
−コバルト合金メッキ、上層にクロムメッキの2層コー
ティング膜、下層にクロムメッキ、上層にニッケル−タ
ングステン合金メッキ等のメッキコーティング膜を2層
施す3層コーティング膜のようにメッキコーティング膜
同士を組み合わせることができる。
【0018】また、下層にクロムメッキ、上層にスパッ
タリングによるTi Nコーティングの2層コーティング
膜、下層にクロムメッキ、上層にスパッタリングによる
iCコーティングの2層コーティング膜、下層にニッ
ケル−コバルト合金メッキ、上層にスパッタリングによ
りAl2 3 コーティングの2層コーティング膜のよう
に、下層にメッキコーティング膜、上層にセラミックコ
ーティング膜を組み合わせることができる。
【0019】更に、下層に各種のメッキコーティング
膜、上層にダイヤモンドコーティング膜を組み合わせる
場合、下側にメッキコーティング膜を2層施した上に、
セラミックコーティング膜又はダイヤモンドコーティン
グ膜を重ねる場合、下層にクロムメッキ膜、上層にTi
C膜とTi N膜のセラミック膜を2層にする場合等の各
種の組み合わせを行うことができる。
【0020】各種のコーティング膜の組み合わせは、ロ
ッド母材の材質などによってもその適切な組み合わせが
異なるので、実験や現場試験等のデータに基づいてロッ
ド母材の種類に応じて変えることが好ましい。ロッド母
材としては、SUS304、SUS316等のオーステ
ナイト系ステンレス鋼、SUS410等のマルテルサイ
ト系ステンレス鋼、SK1〜7、SKD1、11、12
等の各種工具鋼、SKS1、2、5、11等の合金工具
鋼等多くの種類を用いることができる。
【0021】また、ロッド25自体を切削加工、転造加
工、レーザー加工等することにより、ロッド表面に凹部
25Aや凸部25Bを形成する加工方法の中で、転造加
工は他の加工方法よりもロッド25の表面を高硬度にす
ることができるので、複層コーティング膜26の密着性
を高めることができる。更に、転造加工は、ロッド素材
の繊維の切断もなく、ロッド25の表面の荒れも少ない
ので複層コーティング膜26の密着性を一層高めること
ができる。
【0022】そして、複層コーティング膜26のロッド
表面への密着性を確保しつつ硬度を確保するには、最下
層のコーティング膜の硬度より最上層のコーティング膜
の硬度を大きくすることが好ましく、この傾向はロッド
母材の種類に関係なく共通している。最下層のコーティ
ング膜の硬度より最上層のコーティング膜の硬度を大き
くする組み合わせの1例としては表1の例がある。表
は、複層コーティング膜として2層の例である。
【0023】
【表1】 (備考)Cr…クロム、Ni…ニッケル、W…タング
ステン、C…カーバイト、Ti…チタン、N…窒素、A
l…アルミニウム、O…酸素、Si…珪素、DLC…ダ
イヤモンドライクコーティング。硬度はビッカース硬
度の数値である。
【0024】このように、本発明の塗工装置用ロッドに
よれば、ロッド表面に、各種のメッキコーティング膜、
セラミックコーティング膜、ダイヤモンドコーティング
膜のうちの少なくとも2つのコーティング膜を重畳した
複層コーティング膜26を形成したので、塗工装置用ロ
ッド24の摩耗を低減することができる。また、塗工装
置用ロッド24が逆回転される場合、塗布液20中に各
種の硬質な分散剤が分散されている場合、ウエブ10が
金属製である場合等のように、ロッド表面に大きな剪断
力や応力が加わる場合、更には、金属ウエブの皺部分や
折れ部分が塗工装置用ロッド24を通過する時や、ウエ
ブ同士のウエブ接合部10Aが塗工装置用ロッド24を
通過する時のように、塗工装置用ロッド24に強い衝撃
が加わる場合にも、コーティング膜26を複層にするこ
とにより、クラックや剥離等をおこしにくくなる。従っ
て、塗工装置用ロッド24の摩耗防止が効果的に達成さ
れると共に、コーティング膜26のクラックや剥離等に
よる塗布不良が発生しない。
【0025】図5は、ウエブ10への塗布と塗布液量の
調整の両方を1つの塗工装置用ロッドで行うタイプのロ
ッドコータ28に本発明の塗工装置用ロッド24を適用
した第2の実施の形態である。図5に示すように、走行
するウエブ10に接触した状態で、ウエブ10の巾方向
に本発明の塗工装置用ロッド24が配設される。塗工装
置用ロッド24は、ウエブ10が走行する方向に回転軸
30を中心に回転可能であると共に、ロッド支持部材3
2上に回転を阻害しないように支持される。ロッド支持
部材32は、塗工装置用ロッド24に撓みが発生するの
を防止すると共に、塗工装置用ロッド24に塗布液20
を供給する役目を行う。即ち、ロッド支持部材32と堰
部材34とで形成された塗布液供給路36に供給された
塗布液20は、ウエブ10と塗工装置用ロッド24の接
触部に塗布液20の液だまり38を形成する。そして、
回転する塗工装置用ロッド24により液だまり38の塗
布液20がウエブ10に転移塗布される。この塗工装置
用ロッド24の周面の周方向には、塗工装置用ロッド2
4の略全長に渡って溝(凹部25A)が形成され、この
溝(凹部25A)の深さ、幅、ピッチPにより塗布液量
を調節する(図3及び図4参照)。
【0026】上記ロッドコータ28にも、第1の実施の
形態で説明したと同様の塗工装置用ロッド24が適用さ
れる。即ち、第2の実施の形態の場合にも、塗工装置用
ロッド24は、ロッド表面に、各種のメッキコーティン
グ膜、セラミックコーティング膜、ダイヤモンドコーテ
ィング膜のうちの少なくとも2つのコーティング膜を重
畳した複層コーティング膜26を形成して構成される。
【0027】これにより、第2の実施の形態の場合に
も、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができ
る。尚、本発明に使用されるウエブ10としては、帯状
のものでもシート状のものでも良く、アルミニウム等の
薄板金属、紙、プラスチックフィルム、レジンコーティ
ング紙、合成紙等を使用できる。プラスチックフィルム
の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポ
リオレフィン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ
スチレン等のビニル重合体、6,6─ナイロン、6─ナ
イロン等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレン─2,6─ナフタレート等のポリエステ
ル、ポリカーボネート、セルトーストリアセテート、セ
ルロースダイアセテート等のセルロースアセテト等が使
用される。また、レジンコーティング紙に用いるレジン
としては、ポリエチレンをはじめとするポリオレフィン
が代表的であるが、これらには限定されない。ウエブ1
0の厚みも特に限定されないが、0.01mm〜1.0
mm程度のものが取り扱い、汎用性の点で有利である。
【0028】
【実施例】次に、図1に示したロッドコータを使用して
塗工装置用ロッドをウエブの走行方向に対して逆方向に
回転させて行った本発明の実施例を説明する。 〔実施例1〕径が10mm、長さが1600mmのSU
S304製のロッド母材を転造加工して、図4に示した
ように、ピッチ(p)300μm、凹部(溝)深さ
(L)40μm、凸部の曲率半径50μmの凹部と凸部
を有するロッド表面を形成し、このロッド表面に上記表
1のNo.1の複層コーティング膜を形成した。尚、凸部
の曲率半径とは、凸部をロッド軸芯方向で切断したとき
の円弧状断面形状における曲率半径をいう。 〔実施例2〕径が10mm、長さが1600mmのSU
S304製のロッド母材を転造加工して、図4に示した
ように、ピッチ(p)300μm、凹部(溝)深さ
(L)60μm、凸部の曲率半径100μmの凹部と凸
部を有するロッド表面を形成し、このロッド表面に上記
表1のNo.2の複層コーティング膜を形成した。尚、凸部
の曲率半径とは、凸部をロッド軸芯方向で切断したとき
の円弧状断面形状における曲率半径をいう。 〔比較例1〕実施例1の塗工装置用ロッドにおける複層
コーティング膜のうち、Crメッキコーティング膜を形
成せずに、ロッド表面にTiNコーティング膜を直接形
成した。その他は、実施例1の塗工装置用ロッドと同様
である。 〔比較例2〕実施例2の塗工装置用ロッドにおける複層
コーティング膜のうち、Ni−WCrメッキコーティン
グ膜を形成せずに、ロッド表面にTiCコーティング膜
を直接形成した。その他は、実施例2の塗工装置用ロッ
ドと同様である。
【0029】実施例1〜2、比較例1〜2ともに、塗布
液はアクリル系の樹脂を20%含有する粘度47cpの
ものを使用した。また、ウエブはアルミニウムを表面処
理した0.2mm厚のものを使用して、70m/分で走
行させた。また、ウエブは、図6に示すように、100
mごとにウエブ接合部を形成した。その結果、実施例1
の塗工装置用ロッドは、塗布液が塗布されたウエブ長さ
が累積で2000m、即ちウエブ接合部が塗工装置用ロ
ッドを20回通過しても、ウエブ塗布面の欠陥や塗布量
の精度低下が発生せず、良好な塗布を行うことができ
た。塗布終了後、塗工装置用ロッドを検査したが複層コ
ーティング膜にクラック、剥離などは見られなかった。
【0030】また、実施例2の塗工装置用ロッドは、塗
布液が塗布されたウエブ長さが累積で2500m、即ち
ウエブ接合部が塗工装置用ロッドを25回通過しても、
ウエブ塗布面の欠陥や塗布量の精度低下が発生せず、良
好な塗布を行うことができた。塗布終了後、塗工装置用
ロッドを検査したが複層コーティング膜にクラック、剥
離などは見られなかった。
【0031】これに対し、比較例1の塗工装置用ロッド
は、塗布液が塗布されたウエブ長さが500m、即ちウ
エブ接合部が塗工装置用ロッドを5回通過した時からウ
エブ塗布面に塗布スジが発生し始め、正常な塗布の継続
が困難になった。塗布終了後、塗工装置用ロッドを検査
したところ、塗布スジに対応する複層コーティング膜の
位置にクラックが発生していた。
【0032】また、比較例2の塗工装置用ロッドは、塗
布液が塗布されたウエブ長さが700m、即ちウエブ接
合部が塗工装置用ロッドを7回通過した時からウエブ塗
布面に塗布スジが発生し始め、正常な塗布の継続が困難
になった。塗布終了後、塗工装置用ロッドを検査したと
ころ、塗布スジに対応する複層コーティング膜の位置に
クラックが発生していた。
【0033】以上の実施例1〜2と比較例1〜2の対比
から明らかなように、比較例のようにロッド表面に単一
のコーティング膜を形成するよりも、本発明のように複
層のコーティング膜を形成する方が、塗工装置用ロッド
に強い衝撃が加わる場合にも、コーティング膜がクラッ
クや剥離等をおこしにくくなることが確認された。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の塗工装置
用ロッドによれば、塗工装置用ロッドに強い衝撃が加わ
る場合にも、コーティング膜がクラックや剥離等をおこ
しにくくなるので、摩耗防止効果を効果的に発揮するこ
とができると共に、クラックや剥離による塗布スジ等の
塗布不良が発生することがない。従って、生産ロスを著
しく低減することができると共に、塗工装置用ロッドを
頻繁に交換する必要がないので、生産性を向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ウエブに塗布された塗布液の過剰分を塗工装置
用ロッドで掻き落とすタイプのロッドコータに本発明の
塗工装置用ロッドを適用した第1の実施の形態を説明す
る説明図
【図2】塗工装置用ロッドの部分斜視図
【図3】複層コーティング膜を形成する前の塗工装置用
ロッドの部分断面図
【図4】複層コーティング膜を形成した後の本発明の塗
工装置用ロッドの部分断面図
【図5】ウエブへの塗布と塗布液量の調整の両方を1つ
の塗工装置用ロッドで行うタイプのロッドコータに本発
明の塗工装置用ロッドを適用した第2の実施の形態を説
明する説明図
【図6】ウエブ接合部を説明する説明図
【符号の説明】
10…ウエブ、10A…ウエブ接合部、12…ロールコ
ータ、20…塗布液、22…ロッドコータ、24…塗工
装置用ロッド、25A…溝(凹部)、25B…凸部、2
5…ロッド、25C…凸部上面、26…複層コーティン
グ膜、28…ロッドコータ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連続走行するウエブに接触して該ウエブに
    塗布液を転移塗布する円柱状のロッド、又は塗布液が過
    剰に塗布されたウエブに接触して塗布液の過剰分を掻き
    落とす円柱状のロッドであって、前記ロッド表面に周方
    向の凹部と周方向の凸部とが前記ロッドの軸方向に交互
    に形成された塗工装置用ロッドにおいて、 前記ロッド表面に、各種のメッキコーティング膜、セラ
    ミックコーティング膜、ダイヤモンドコーティング膜の
    うちの少なくとも2つのコーティング膜を重畳した複層
    コーティング膜を形成したことを特徴とする塗工装置用
    ロッド。
  2. 【請求項2】前記複層コーティング膜の硬度は、最上層
    から最下層にいくほど小さいことを特徴とする請求項1
    の塗工装置用ロッド。
  3. 【請求項3】前記凹部と前記凸部を有する前記ロッド表
    面を転造加工法により形成したことを特徴とする請求項
    1又は2の塗工装置用ロッド。
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