JP3795661B2 - シンクロール - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融金属めっき浴中で使用するシンクロールに関し、より詳しくは、ドロスの付着が少なく、耐食性が良好であり且つ傷が付きにくい外周表面を持っており、溶融めっきストリップ表面にシンクロールのグルーブ模様を転写させることがなく、連続使用可能時間が長いシンクロールに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、溶融金属めっき浴中で、例えば溶融亜鉛めっき浴中で使用するシンクロールとしては、特公昭52−22934号公報、特開昭53−128538号公報、特開昭54−121236号公報等に開示されているように、鉄製ロール表面に耐食性のある物質を溶射したもの、特開昭47−33728号公報、特公昭58−37386号公報、実開昭57−74978号公報等に開示されているように、鉄製ロール表面にセラミック被膜を施したものが知られている。
【0003】
また、特許第2657580号公報等に開示されているように、カーボン母材表面にセラミック被膜を施したもの、特許第2617154号公報等に開示されているように、黒鉛からなる母材の最外周表面に防食層を形成したもの、特開平8−41616号公報等に開示されているように、溶融金属での非ぬれ性に優れた(即ち、溶融金属でのぬれ性に劣った)黒鉛質カーボンで少なくとも外周表面を形成したシンクロールを指向したものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
溶融金属めっき浴中で使用するシンクロールに求められる特性としては、シンクロールとして機能するだけでなく、ドロスの付着が少ないこと、耐食性が良好であること、傷が付きにくいこと、溶融めっきストリップ表面にシンクロールのグルーブ模様が転写されることがないこと、連続使用可能時間が長いこと等が挙げられる。
【0005】
例えば、多くの溶融亜鉛めっき浴は、通常、Znと適量のAl、そしてストリップから溶出してくるFeとからなる。従って、溶融亜鉛めっき浴中で使用するシンクロールに求められる特性としては、シンクロールとして機能するだけでなく、FeとZn及び/又はAlとの反応により生じるドロスがシンクロール表面で生成したり、付着したりすることがないこと、Zn、Alによる腐食がないこと、傷が付きにくいこと、溶融めっきストリップ表面にシンクロールのグルーブ模様が転写されることがないこと、連続使用可能時間が長いこと等が挙げられる。
【0006】
しかしながら、従来、これらの全ての要求を満たすシンクロールは存在しなかった。
鉄製シンクロール表面に耐食性のある物質を溶射したものの場合には、溶射によって形成される層はポーラスとなり、その気孔からZnが侵入し、母材の鉄製シンクロールが浸食される。その気孔を封孔処理したものもあるが、Zn、Alで腐食されず且つZn、Al、Feと反応しないものはない。
セラミック製品は製造できる寸法に限界があり、シンクロール全体をセラミックで製造することは不可能である。溶射によって鉄製シンクロール表面にセラミック被膜を施したものの場合には、上記した溶射の場合と同じ問題点が残る。
【0007】
黒鉛質カーボンを用いたシンクロールにおいては、ストリップが張力を受けることによりストリップのエッジがシンクロールと接触してシンクロール表面に傷が入ったり、ストリップからの圧力によりシンクロールが割損したりするという硬度、強度の問題があった。さらに、溶融めっきストリップ表面にシンクロールのグルーブ模様が転写されるという問題もあった。
このグルーブ模様の転写の原因について調べたところ、黒鉛質カーボンは溶融亜鉛でのぬれ性が悪く、シンクロールの外周表面で溶融亜鉛をはじくためにストリップがシンクロールのグルーブ部に直接接触し、グルーブ模様が発生することが分かった。この対策として溶融亜鉛でのぬれ性が良好な材料を用いることが考えられる。
【0008】
本発明は、これらの問題を解決すること、即ち、ドロスの付着が少なく、耐食性が良好であり且つ傷が付きにくい外周表面を持っており、溶融めっきストリップ表面にグルーブ模様を発生させることがなく、連続使用可能時間が長いシンクロールを提供することを課題としている。
本発明は、好ましくは、シンクロールとして機能するだけでなく、FeとZn及び/又はAlとの反応により生じるドロスがシンクロール表面で生成したり、付着したりすることがなく、Zn、Alによる腐食が無く且つ傷が付きにくい外周表面を持っており、溶融亜鉛でのぬれ性が良好であることにより溶融亜鉛めっきストリップ表面にシンクロールのグルーブ模様が転写されることがなく、連続使用可能時間が長いシンクロールを提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の課題を達成するために鋭意検討した結果、シンクロールの少なくとも外周表面を炭素質カーボンで構成することにより、上記の課題が達成されることを見いだし、本発明を完成した。
即ち、本発明のシンクロールは、溶融金属めっき浴中で使用するシンクロールにおいて、該シンクロールの少なくとも外周表面が炭素質カーボンで構成されていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明のシンクロールの一具体例においては、該シンクロールの少なくとも外周表面が炭素質カーボンで構成されており、該シンクロールが円筒形であり、固定された芯棒が該円筒形シンクロールの中空内に配設されており、該円筒形シンクロールの内面又は内面の一部と該芯棒の外面又は外面の一部とを摺動面として該円筒形シンクロールが回転できることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明でいう溶融金属めっき浴としては、溶融Znめっき浴、溶融Alめっき浴、溶融Zn−Al合金めっき浴、溶融Snめっき浴、溶融Sn−Pb合金めっき浴等を挙げることができ、好ましい溶融金属めっき浴として溶融亜鉛めっき浴を挙げることができる。
【0012】
カーボン材料は慣習的には便宜上炭素質と黒鉛質とに区別されている。炭素質カーボンは無定形あるいは非晶質炭素などともよばれ、700〜1400℃で熱処理されたものである。炭素質カーボンは黒鉛質カーボンよりも硬度が高く、通常はショア硬度70程度であり、強度も優れており、シンクロールとして必要な硬度及び強度を持っている。また、炭素質カーボンはZn,Al,Feと反応性が低く、耐食性が良好である。更に、黒鉛質カーボンは溶融金属でのぬれ性が悪いが、炭素質カーボンは溶融金属、溶融亜鉛でのぬれ性は極めて良好である。本発明においてはこのような炭素質カーボンを用いてシンクロールの少なくとも外周表面を構成する。
【0013】
本発明のシンクロールの一実施態様においては、シンクロールの割損を防止するため、シンクロールが円筒形であり、固定された芯棒が該円筒形シンクロールの中空内に配設されており、該円筒形シンクロールの内面又は内面の一部と該芯棒の外面又は外面の一部とを摺動面として該円筒形シンクロールが回転できる状態にすることが好ましい。
【0014】
この状態を図面を参照して説明する。
図1は本発明のシンクロールの一実施態様の概略断面図であり、図2は図1のI−I線断面図である。
図1及び図2に示すシンクロールにおいては、シンクロール本体1は炭素質カーボンを用いて円筒形に形成されている。また固定された金属製芯棒2は該円筒形シンクロール本体1の中空内に配設されている。円筒形シンクロール本体1の内面又は図1及び図2に示すように該内面の一部に形成された軸受3の表面と、金属製芯棒2の外面又は図1及び図2に示すように外面の一部とを摺動面として円筒形シンクロール本体1が回転できる状態になっている。
【0015】
この内面の一部に形成された軸受3はシンクロール本体1と同一の炭素質カーボンで形成されていても、あるいはシンクロール本体1の炭素質カーボンよりも摺動特性に優れたカーボンで形成されていてもよい。無論、軸受3がシンクロール本体1と同一の炭素質カーボンである場合には、別部品として形成する必要はない。
【0016】
上記のシンクロールにストリップ4を張架する。この状態では、ストリップ4の張力及び溶融金属めっき浴中のシンクロール本体1の浮力は金属製芯棒2によって支えられている。ストリップ4を移送させるにつれて、シンクロール本体1の内面の一部に形成された軸受3の表面と、金属製芯棒2の外面の一部とを摺動面としてシンクロール本体1が回転し、ストリップ4の移送が滑らかになる。
【0017】
本発明のシンクロールにおいては、シンクロールの少なくとも外周表面を炭素質カーボンで構成しているので、Zn,Al,Feと反応することがないので、耐食性が良好であり、これまでドロス(Fe,Zn,Al等の合金)がシンクロール表面に付着することが問題となっていたが、これを防止、低減することができる。
【0018】
また、本発明のシンクロールにおいては、シンクロールの少なくとも外周表面を構成する炭素質カーボンはショア硬度70程度の硬質であるので、シンクロールにストリップが張架され、ストリップの加えられた張力をもってシンクロールが回転する時に発生する危険性のあるシンクロール表面の傷を防止することができる。
【0019】
更に、炭素質カーボンは溶融金属でのぬれ性が良いので、シンクロールの表面にZnが均一に付着し、グルーブ模様がストリップに転写されることはない。
本発明のシンクロールの、図1及び図2に示す実施態様においては、シンクロールの中空内を貫通する金属製芯棒にシンクロールを頂け、ストリップの張力、シンクロール本体の浮力等の荷重を金属製芯棒によって負担する構造としているので、シンクロールに発生する応力(特に曲げ応力)を低減させ、シンクロールの割損を防止することができる。
シンクロールを上記のような構成にすることにより、連続使用可能時間が従来の2倍以上になる。
【0020】
【発明の効果】
本発明のシンクロールは、ドロスの付着も非常に少く、耐食性も良好であり、シンクロール表面に傷も入らず、溶融めっきストリップ表面にシンクロールのグルーブ模様が転写されることがない。またシンクロールを円筒形とし、固定された金属製芯棒を円筒形シンクロールの中空内に配設する構造とした場合には、強度的にも問題なく、浴中での連続使用を従来の2倍以上にすることが可能となった。
また、シンクロールへのドロス付着量が低減されるので、製品鋼板にドロスが付着し、欠陥となるのも低減できるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のシンクロールの一例を示す概略断面図である。
【図2】 図1のI−I線断面図である。
【符号の説明】
1 シンクロール本体
2 金属製芯棒
3 軸受
4 ストリップ
Claims (3)
- 溶融金属めっき浴中で使用するシンクロールにおいて、該シンクロールの少なくとも外周表面が炭素質カーボンで構成されていることを特徴とするシンクロール。
- シンクロールが円筒形であり、固定された芯棒が該円筒形シンクロールの中空内に配設されており、該円筒形シンクロールの内面又は内面の一部と該芯棒の外面又は外面の一部とを摺動面として該円筒形シンクロールが回転できることを特徴とする請求項1記載のシンクロール。
- 溶融金属めっき浴が溶融亜鉛めっき浴であることを特徴とする請求項1又は2記載のシンクロール。
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JP05033898A JP3795661B2 (ja) | 1998-03-03 | 1998-03-03 | シンクロール |
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JP05033898A JP3795661B2 (ja) | 1998-03-03 | 1998-03-03 | シンクロール |
Publications (2)
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JP05033898A Expired - Fee Related JP3795661B2 (ja) | 1998-03-03 | 1998-03-03 | シンクロール |
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