JPH1170486A - ワーク搬送具および寸法計測装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワーク搬送具の移動を待つことなくワークの
透過像を撮像してその寸法計測を行うことの可能な寸法
計測装置を提案すること。 【解決手段】 寸法計測装置１０のワーク搬送具１は、
導光性材料からなるワーク搬送具本体２と、このワーク
搬送具本体２に装着したワーク吸着パッド３と、ワーク
搬送具本体２の内部に形成され、一端４ａがワーク吸着
パッド３のワーク吸着口３ａに連通している排気通路４
と、ワーク搬送具本体２を移動させるための駆動機構５
と、排気通路４に連通している吸引機構６とを有してい
る。照明光源９からの照明光を遮るワーク搬送具本体２
が導光性材料から形成されているので、ワーク搬送具本
体２がワークステージ７の上に位置している間でも、ワ
ークステージ７の上に乗せたワークｗを照明することが
でき、したがって、その透過像を撮像手段８によって得
ることができる。この結果、ワーク搬送具本体２の移動
を待つことなくワークの寸法計測動作を行うことがで
き、装置のタクトタイムを大幅に短縮できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ワーク搬送具に関
し、さらに詳しくは、ワークステージに乗せたワークの
透過像に基づき当該ワークの寸法計測等を行う寸法計測
装置に使用するのに適したワーク搬送具に関するもので
ある。

【０００２】また、本発明はこのような新規なワーク搬
送具を備えた寸法計測装置に関するものである。

【０００３】

【従来の技術】一般に、画像処理技術を用いて、各種の
ワークの寸法・形状の計測を行う場合、ワークの透過像
に基づき計測を行う方が、ワークの反射像に基づき計測
を行う場合に比べてより正確な計測ができる。この主な
理由は、反射像が反射面の状態により変化しやすく不安
定であるのに対して、透過像の場合にはこのような計測
誤差の原因となる要因が無いからであると考えられる。

【０００４】このため、画像処理により寸法・形状の計
測を行う装置は、透明なガラスステージ上にワークを乗
せ、ガラスステージの下方からＣＣＤカメラを設置し、
ガラスステージの上方位置からワークを照明してＣＣＤ
カメラによってワークの透過像を撮像するように構成さ
れたものが多い。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ここで、このように構
成されたワーク透過像に基づきワーク寸法等を計測する
装置においては、測定対象のワークをステージに搬入す
ると共に、計測後のワークをステージから搬出する必要
がある。このために使用されるワーク搬送具は、ステー
ジと、その上方に設置されている照明装置との間を移動
して、順次にワークの搬送を行う。よって、ステージ上
にワーク搬送具が位置している間は、照明装置からの照
明光がワーク搬送具によって遮られてしまうので、ワー
ク搬送具がステージ上から退避するまでは、ワークの透
過像の撮像を行うことができない。

【０００６】このように、一般的に使用されてる寸法計
測装置では、ワーク搬送具がステージ上に位置している
間はワーク透過像の撮像を行うことができない。この待
ち時間は、装置のタクトタイムを短縮する上で大きな阻
害要因となる。

【０００７】本発明の課題は、この点に鑑みて、ステー
ジ上方に位置している場合でもステージ上に乗せたワー
クを照明してワーク透過像の撮像を行うことのできるワ
ーク搬送具を提案することにある。

【０００８】また、本発明の課題は、このような新規な
ワーク搬送具を備えた寸法計測装置を提案することにあ
る。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明では、ワーク搬送具本体を導光性材料から
形成することにより、当該ワーク搬送具本体がワークス
テージ上に位置しているか否かに関係なく、照明光をス
テージ上のワークに照射可能とし、以て、当該ワーク搬
送具を備えた寸法計測装置のタクトタイムの短縮化を図
るようにしている。

【００１０】図１を参照して説明すると、本発明のワー
ク搬送具１は、導光性材料からなるワーク搬送具本体２
と、このワーク搬送具本体２に装着したワーク吸着パッ
ド３と、前記ワーク搬送具本体２の内部に形成され、一
端４ａが前記ワーク吸着パッド３のワーク吸着口３ａに
連通している排気通路４と、前記ワーク搬送具本体２を
移動させるための駆動機構５と、前記排気通路４に連通
している吸引機構６とを有している。

【００１１】前記ワーク搬送具本体２の典型的な形状は
柱状体であり、その外周面２ａは光沢面とされ、両側の
端面２ｂ、２ｃは共に光散乱面とされる。この場合、一
方の前記端面２ｃの中央には前記ワーク吸着パッド３が
装着される。

【００１２】上記のワーク搬送具本体２を移動させるた
めの駆動機構５は、例えば、ワーク搬送具本体２を垂直
方向に移動させる垂直駆動機構５ａと、ワーク搬送具本
体２を水平方向に移動させる水平駆動機構５ｂとを備え
た構成とされる。

【００１３】同じく図１を参照して説明すると、本発明
の寸法計測装置１０は、寸法計測対象のワークｗが上面
７ａに設置される透明なワークステージ７と、このワー
クステージ７に設置されたワークｗの透過像を撮像する
ために当該ワークステージ７の下面７ｂの側に配置され
ている撮像手段８と、前記ワークステージ７の前記上面
７ａの上方位置に配置されているワーク照明光源９と、
このワーク照明光源９と前記ワークステージ７の間を移
動して、前記ワークステージ７に対してワークｗの搬入
および搬出を行う上記構成のワーク搬送具本体２を備え
たワーク搬送具１とを有する構成となっている。

【００１４】撮像手段８は、一般には、結像レンズ等の
光学系８ａと、ＣＣＤカメラ８ｂを含む構成とされる。
この構成の寸法計測装置１０では、前記撮像手段８によ
って得られる前記ワークｗの透過像に基づき当該ワーク
ｗの寸法計測が行われる。

【００１５】このように構成した本発明のワーク搬送具
１を備えた寸法計測装置１０においては、その照明光源
９からの照明光を遮るワーク搬送具本体２が導光性材料
から形成されている。したがって、ワーク搬送具本体２
がワークステージ７の上に位置している間でも、ワーク
ステージ７の上に乗せたワークｗを照明することがで
き、したがって、その透過像を撮像手段８によって得る
ことができる。この結果、ワーク搬送具本体２の移動を
待つことなくワークの寸法計測動作を行うことができ、
装置のタクトタイムを大幅に短縮できる。

【００１６】また、本発明のワーク搬送具本体２におい
ては、その外周面を光沢面とし、その上下の端面２ｂ、
２ｃを光散乱面としてある。このため、照明光源９から
ワーク搬送具本体２に導入された照明光は当該ワーク搬
送具本体内部を損失の少ない状態で導かれ、反対側の端
面２ｃから出射してワークステージ７の上に乗っている
ワークｗを照明する。これに加えて、両端面を散乱面と
してあるので、ワーク搬送具本体２の内部に形成されて
いる排気通路４による影の発生を回避でき、したがっ
て、ＣＣＤカメラ８ｂから見て、ワーク輪郭形状に対応
した極めて安定したワーク透過像を得ることができる。

【００１７】

【発明の実施の形態】図２および図３には、本発明を適
用したワーク搬送具のワーク搬送具本体およびその周辺
部分の具体例を示してある。これらの図を参照して、ワ
ーク搬送具本体の部分の構成例を説明する。なお、以下
の説明においては、図１と対応する部分には同一の符号
を付し、それらの部分の説明は省略する。

【００１８】ワーク搬送具本体２は、それを移動させる
ための駆動機構５の水平アーム５１の先端に形成されて
いる保持輪５２に挿入され、接着剤等によってそこに垂
直な姿勢で保持されている。図３に示すように、ワーク
搬送具本体２は、全体としては、上半部分が徐々に窄ま
った形状の円柱状をしている。このワーク搬送具本体２
の上側の端面２ｂの外周にはニッケルキャップ取り付け
用のねじ部が形成されており、その下側の端面２ｃの中
央にはワーク吸着パッド取り付け用の環状突起２ｄが形
成されている。この環状突起２ｄの中心に一端が開口し
ている排気通路４は、ワーク搬送具本体２の内部をその
中心軸線に沿って延び、途中位置において直角に折れ曲
がって、その外周面２ａに開けた排気口４ｂにつながっ
ている。

【００１９】この構成のワーク搬送具本体２は、例え
ば、透明なアクリル系樹脂の成形品であり、ライトガイ
ドとして機能する。

【００２０】本例では、図２に示すように、ワーク搬送
具本体２の上側の端面２ｂには円形の散乱シート２１が
接着され、下側の端面２ｃにも、中央に穴の開いた散乱
シート２２が接着され、これにより、両端面が光散乱面
となっている。また、上側の端面２ｂにはニッケルキャ
ップ１１を被せてある。

【００２１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のワーク搬
送具ではそのワーク搬送具本体の部分を導光性材料から
形成してあるので、この部分をライトガイドとして利用
することができる。したがって、本発明のワーク搬送具
を備えた寸法計測装置においては、ワーク搬送具本体が
ワークを乗せたステージの上方に位置している場合にお
いても、その上側に配置した照明光源からの照明光をス
テージ上のワークに照射して、その透過像を反対側に配
置してあるＣＣＤカメラによって撮像することができ
る。したがって、ワークの透過像を撮像するためにワー
ク搬送具本体の移動を待つ必要がなくなるので、装置の
タクトタイムを大幅に短縮で、したがって、効率のよい
寸法計測動作を実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるワーク搬送具および当該ワーク搬
送具を備えた寸法計測装置を示す概略構成図である。

【図２】本発明によるワーク搬送具のワーク搬送具本体
の具体的構成例を示す説明図である。

【図３】図２のワーク搬送本体のみを取り出して示す説
明図である。

【符号の説明】

１ ワーク搬送具 ２ ワーク搬送具本体 ２ａ ワーク搬送具本体の外周面 ２ｂ ワーク搬送具本体の上側の端面 ２ｃ ワーク搬送具本体の下側の端面 ３ ワーク吸着パッド ４ 排気通路 ５ 駆動機構 ６ 吸引機構 ７ ワークステージ ７ａ ワークステージの上面 ７ｂ ワークステージの下面 ８ 撮像手段 ９ 照明光源 １０ 寸法計測装置

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 導光性材料からなるワーク搬送具本体
   と、このワーク搬送具本体に装着したワーク吸着パッド
   と、前記ワーク搬送具本体の内部に形成され、一端が前
   記ワーク吸着パッドのワーク吸着口に連通している排気
   通路と、前記ワーク搬送具本体を移動させるための駆動
   機構と、前記排気通路に連通している吸引機構とを有す
   ることを特徴とするワーク搬送具。
2. 【請求項２】 請求項１において、前記ワーク搬送具本
   体は柱状体であり、その外周面は光沢面とされ、両側の
   端面は共に光散乱面とされており、一方の前記端面の中
   央には前記ワーク吸着パッドが装着されていることを特
   徴とするワーク搬送具。
3. 【請求項３】 寸法計測対象のワークが上面に設置され
   る透明なワークステージと、このワークステージに設置
   されたワークの透過像を撮像するために当該ワークステ
   ージの下面側に配置されている撮像手段と、前記ワーク
   ステージの前記上面の上方位置に配置されているワーク
   照明光源と、このワーク照明光源と前記ワークステージ
   の間を移動して、前記ワークステージに対してワークの
   搬入および搬出を行う請求項２に記載のワーク搬送具本
   体を備えたワーク搬送具とを有し、前記撮像手段によっ
   て得られる前記ワークの透過像に基づき当該ワークの寸
   法計測を行うことを特徴とする寸法計測装置。