JPH1170413A - 放電加工制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の放電加工機においては、電極と工作物
間の絶縁状況などを検査するために出力するチェックパ
ルスの電流値は固定でかつ小電流となっていたので、大
面積仕上げ加工などにおいてチェックパルスを電極と工
作物間（極間）に印加した場合に、小電流であるために
極間の静電容量によりチェックパルス電圧波形が乱れ、
検査結果が悪い結果となってしまい加工が進まない。 【解決手段】 大面積仕上げ加工においてチェックパル
ス電圧波形が乱れることを防止することを目的として、
放電加工制御装置にチェックパルス電流値選択部を持
ち、チェックパルスの電流値を加工に対応して適切に選
択する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は放電加工制御装置、
特に電極と工作物間に絶縁性加工液を介して放電を発生
させ、この放電エネルギーによって工作物を加工する放
電加工機を制御する放電加工制御装置に関する。

【０００２】

【従来技術】放電加工機を制御する放電加工制御装置に
おいては、加工条件に応じて選択される電流値を持った
加工パルスにより加工を行なうが、この加工パルスとは
別に電極と工作物間の絶縁状況などを検査するために加
工および絶縁状況の回復を妨げないような放電エネルギ
ーの小さいチェックパルスが電極と工作物間に印加され
る。

【０００３】従来の放電加工制御装置の一例である構成
を示す図４を使用して、従来技術を説明する。図４の構
成においては、電極と工作物間の絶縁状況などを検査す
るために出力するチェックパルスの電流値は固定であ
る。加工条件選択部１からの指令により電流値選択部２
において加工電流値の選択が行なわれ、小電流パルス出
力回路３、中電流パルス出力回路４および大電流パルス
出力回路５に対して該当する小電流選択信号Ｓｉｓ、中
電流選択信号Ｓｉｍ、大電流選択信号Ｓｉｌが出力さ
れ、電流値Ｉ１＋Ｉ２＋Ｉ３の加工パルスが電極７およ
び工作物８から構成される極間に印加される。また、チ
ェックパルス制御部６からのチェックパルスタイミング
Ｔｃｋに同期して、チェックパルス選択Ｓｃｓが小電流
パルス出力回路３に対して出力され、極間に対して電流
値Ｉ１のチェックパルスが印加される。チェックパルス
の電流値は電流値Ｉ１であり、固定となっている。

【０００４】さらに、従来技術の他の例を図５を使用し
て説明する。本従来例は図４の従来例とは異なり、各加
工電流パルス出力回路とチェックパルス出力回路が独立
している。加工条件選択部１からの指令により電流値選
択部２において加工電流値の選択が行なわれ、図４の構
成と同じく電流値Ｉ１＋Ｉ２＋Ｉ３の該当電流パルス出
力回路から加工パルスが極間に印加される。チェックパ
ルスは、チェックパルス制御部６からのチェックパルス
タイミングＴｃｋに同期して、チェックパルス選択信号
Ｓｃｓにより、チェックパルス１出力回路９から電流値
ｉ１のチェックパルスが印加される。チェックパルスの
電流値は電流値ｉ１であり、加工パルス電流値Ｉ１＋Ｉ
２＋Ｉ３とは異なっているが、固定となっている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従来の放電加工機にお
いては、電極と工作物間の絶縁状況などを検査するため
に出力するチェックパルスの電流値は固定でかつ小電流
となっている。これは検査を目的とし、加工に影響を与
えることを防止するためである。しかし、大面積仕上げ
加工においてチェックパルスを電極と工作物間（極間）
に印加した場合には、小電流であるために極間の静電容
量によりチェックパルス電圧波形が乱れ、検査結果が悪
い結果となってしまい加工が進まないという課題があ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】大面積仕上げ加工等の特
殊な加工条件においてチェックパルス電圧波形が乱れる
ことを防止することを目的として、放電加工制御装置に
チェックパルス電流値選択回路を持ち、チェックパルス
の電流値を加工に対応して適切に選択することにより、
従来の課題が解決される。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明の第１の実施形態を図１お
よび図２を使用して説明する。加工条件選択部１におい
て大面積仕上げ加工が選択されると、電流値選択部２に
おいて加工電流値の選択とチェックパルス電流値の選択
が行なわれ、加工パルス電流値Ｉ１＋Ｉ２＋Ｉ３の加工
パルスが該当電流パルス出力回路から極間に対して印加
される。チェックパルス制御部６からのチェックパルス
タイミングＴｃｋに同期して、チェックパルス選択Ｓｃ
ｓまたはチェックパルス選択Ｓｃｍが小電流パルス出力
回路３および中電流パルス出力回路４に各々出力され、
該当電流パルス出力回路から極間に対して電流値Ｉ１＋
Ｉ２のチェックパルスが印加される。また、加工条件選
択部１において大面積仕上げ加工が選択されなかった場
合には電流値選択部２において加工電流値の選択とチェ
ックパルス電流値の選択が行なわれ、チェックパルス制
御部６からのチェックパルスタイミングＴｃｋに同期し
て、チェックパルス選択Ｓｃｓが小電流パルス出力回路
３に出力され、該当小電流パルス出力回路３から極間に
対して電流値Ｉ１のチェックパルスが印加される。

【０００８】本発明の第２の実施形態を図３を使用して
説明する。本実施形態は図１の実施形態とは異なり、各
加工電流パルス出力回路とチェックパルス出力回路が独
立している。加工条件選択部１において大面積仕上げ加
工が選択されると、電流値選択部２において加工電流値
の選択とチェックパルス電流値の選択が行なわれ、チェ
ックパルス制御部６からのチェックパルスタイミングＴ
ｃｋに同期して、チェックパルス選択Ｓｃｓおよびチェ
ックパルス選択Ｓｃｍがチェックパルス１出力回路９お
よびチェックパルス２出力回路１０に出力され、該当チ
ェックパルス出力回路から極間に対して電流値ｉ１＋ｉ
２のチェックパルスが印加される。また、加工条件選択
部１において大面積仕上げ加工が選択されなかった場合
には電流値選択部２において加工電流値の選択とチェッ
クパルス電流値の選択が行なわれ、チェックパルス制御
部６からのチェックパルスタイミングＴｃｋに同期し
て、チェックパルス選択Ｓｃｓがチェックパルス１出力
回路９に出力され、該当チェックパルス１出力回路９か
ら極間に対して電流値ｉ１のチェックパルスが印加され
る。以上のように、本発明によれば、加工条件に応じて
チェックパルスの電流値が選択され、特に特殊な加工条
件、例えば大面積仕上げ加工などにおいてはチェックパ
ルスの電流値を通常よりも増大して電極と工作物との極
間に印加することができる。

【０００９】

【発明の効果】大面積仕上げ加工においてチェックパル
ス電圧波形が乱れない電流値を選択することにより、絶
縁状況などの検査結果が正常となり、加工速度の向上お
よび加工が進まないことによる電極消耗増大が阻止でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の放電加工制御装置の第１の実施形態
を示す構成図である。

【図２】 本発明の放電加工制御装置の第１の実施形態
によるタイミングチャートである。

【図３】 本発明の放電加工制御装置の第２の実施形態
を示す構成図である。

【図４】 従来の放電加工制御装置の第１の例を示す構
成図である。

【図５】 従来の放電加工制御装置の第２の例を示す構
成図である。

【符号の説明】

１ 加工条件選択部、２ 電流値選択部、３ 小電流パ
ルス出力回路、４ 中電流パルス出力回路、５ 大電流
パルス出力回路、６ チェックパルス制御部、７ 電
極、８ 工作物、９ チェックパルス１出力回路、１０
チェックパルス２出力回路。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電極と工作物間に加工パルス及びチェッ
   クパルスを印加制御する放電加工制御装置において、電
   極と工作物間に電流パルスを供給する出力回路と、加工
   条件指令を出力する加工条件選択部と、チェックパルス
   の出力タイミングを定めるチェックパルスタイミングを
   出力するチェックパルス制御部と、前記加工条件指令及
   びチェックパルスタイミングに応じてチェックパルス電
   流を選択する電流値選択部と、 を含み、チェックパルスの電流値が加工条件に応じて選
   択されることを特徴とする放電加工制御装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載の放電加工制御装置におい
   て、大面積仕上げ加工時にチェックパルスの電流値が増
   大されることを特徴とする放電加工制御装置。