JPH081438A - 放電加工方法及びその装置 - Google Patents
放電加工方法及びその装置Info
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- JPH081438A JPH081438A JP16580094A JP16580094A JPH081438A JP H081438 A JPH081438 A JP H081438A JP 16580094 A JP16580094 A JP 16580094A JP 16580094 A JP16580094 A JP 16580094A JP H081438 A JPH081438 A JP H081438A
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- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23H—WORKING OF METAL BY THE ACTION OF A HIGH CONCENTRATION OF ELECTRIC CURRENT ON A WORKPIECE USING AN ELECTRODE WHICH TAKES THE PLACE OF A TOOL; SUCH WORKING COMBINED WITH OTHER FORMS OF WORKING OF METAL
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- B23H1/02—Electric circuits specially adapted therefor, e.g. power supply, control, preventing short circuits or other abnormal discharges
- B23H1/022—Electric circuits specially adapted therefor, e.g. power supply, control, preventing short circuits or other abnormal discharges for shaping the discharge pulse train
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- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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- B23H7/00—Processes or apparatus applicable to both electrical discharge machining and electrochemical machining
- B23H7/02—Wire-cutting
- B23H7/04—Apparatus for supplying current to working gap; Electric circuits specially adapted therefor
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 極間の平均電圧を0Vに近づけて、電解反応
により生ずる被加工物表面の劣化を確実に防止すること
ができる放電加工方法及びその装置を提供する。 【構成】 加工用電極と被加工物との間に形成される極
間に放電誘起電圧を印加し、該放電誘起電圧によって誘
起される放電により極間が絶縁破壊された直後に主放電
電流を重畳する放電加工方法において、極間の電圧を検
出し、該極間電圧に基づいて放電誘起電圧の極間に対す
る極性を切り替える。
により生ずる被加工物表面の劣化を確実に防止すること
ができる放電加工方法及びその装置を提供する。 【構成】 加工用電極と被加工物との間に形成される極
間に放電誘起電圧を印加し、該放電誘起電圧によって誘
起される放電により極間が絶縁破壊された直後に主放電
電流を重畳する放電加工方法において、極間の電圧を検
出し、該極間電圧に基づいて放電誘起電圧の極間に対す
る極性を切り替える。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放電加工方法及びその
装置に関し、特に、加工用電極と被加工物との間に形成
される極間に、間欠的な放電を発生させて加工を行う放
電加工方法及びその装置に関する。
装置に関し、特に、加工用電極と被加工物との間に形成
される極間に、間欠的な放電を発生させて加工を行う放
電加工方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】放電加工において、加工精度を低下させ
る原因として電解作用が知られている。通常、放電加工
においては、加工用電極と被加工物との間に形成される
加工間隙で放電を行う際、その加工間隙に水等の電解性
を有する加工液を介在させている。このような放電加工
では、放電誘起電圧が加工間隙に印加されている間、そ
の放電誘起電圧が高いほど電解電流が大きくなる。この
電解電流は、被加工物をイオン化して溶出させ、加工面
の品質を悪化させるという問題がある。この溶出量は、
例えば、数μmから十数μmとなり、数μmの高精度を
要する加工には大きな問題となる。また、被加工物が合
金の場合には、その溶出速度が合金成分毎に異なり、特
定金属の欠損等の問題も生じることになる。このよう
な、電解反応による被加工物の加工面の劣化の防止する
技術とし、従来以下に示すような方法が知られている。 (1)第1の方法は、放電後に極間の平均電圧が0Vと
なるように逆極性のパルス電圧を印加する方法である。 (2)第2の方法は、例えば特開昭60−146624
号公報に示されるように、主放電電源とは逆極性の放電
誘起電圧を印加する方法である。 (3)第3の方法は、例えば特開昭56−82127号
公報に示されるように、高周波の交流電圧を印加して、
放電を誘起する方法である。
る原因として電解作用が知られている。通常、放電加工
においては、加工用電極と被加工物との間に形成される
加工間隙で放電を行う際、その加工間隙に水等の電解性
を有する加工液を介在させている。このような放電加工
では、放電誘起電圧が加工間隙に印加されている間、そ
の放電誘起電圧が高いほど電解電流が大きくなる。この
電解電流は、被加工物をイオン化して溶出させ、加工面
の品質を悪化させるという問題がある。この溶出量は、
例えば、数μmから十数μmとなり、数μmの高精度を
要する加工には大きな問題となる。また、被加工物が合
金の場合には、その溶出速度が合金成分毎に異なり、特
定金属の欠損等の問題も生じることになる。このよう
な、電解反応による被加工物の加工面の劣化の防止する
技術とし、従来以下に示すような方法が知られている。 (1)第1の方法は、放電後に極間の平均電圧が0Vと
なるように逆極性のパルス電圧を印加する方法である。 (2)第2の方法は、例えば特開昭60−146624
号公報に示されるように、主放電電源とは逆極性の放電
誘起電圧を印加する方法である。 (3)第3の方法は、例えば特開昭56−82127号
公報に示されるように、高周波の交流電圧を印加して、
放電を誘起する方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記した従来の被加工
物の表面劣化の防止方法では、それぞれ次のような問題
点がある。 (1)逆極性の電圧を印加することによる第1の方法で
は、加工に寄与する放電の周期が長くなって、加工速度
が低下するという問題点がある。 (2)主放電電源とは逆極性の放電誘起電圧を印加する
ことによる第2の方法では、極間の平均電圧を0Vにす
ることが困難であるという問題点がある。これは、主放
電電流の通電期間中においては極間は放電状態であっ
て、このときの極間電圧は放電誘起電圧と比較して低い
電圧であり、しかも、放電の頻度が低い加工条件では、
放電誘起電圧の印加時間は主放電電流の通電時間より長
くなるため、それぞれの印加電圧と印加時間の積から求
める極間の平均電圧を0Vにすることが困難であるから
である。 (3)高周波の交流電圧を印加することによる第3の方
法では、高周波の発振器が必要であって、回路が複雑化
するとともに高価になるという問題点がある。また、安
定な電圧を極間に印加するために、放電誘起電源の発振
周波数に同調するようなL−Cの共振回路を極間に接続
する必要があり、極間のインダクタンスが変化すると極
間に印加される電圧も変化するという問題点がある。
物の表面劣化の防止方法では、それぞれ次のような問題
点がある。 (1)逆極性の電圧を印加することによる第1の方法で
は、加工に寄与する放電の周期が長くなって、加工速度
が低下するという問題点がある。 (2)主放電電源とは逆極性の放電誘起電圧を印加する
ことによる第2の方法では、極間の平均電圧を0Vにす
ることが困難であるという問題点がある。これは、主放
電電流の通電期間中においては極間は放電状態であっ
て、このときの極間電圧は放電誘起電圧と比較して低い
電圧であり、しかも、放電の頻度が低い加工条件では、
放電誘起電圧の印加時間は主放電電流の通電時間より長
くなるため、それぞれの印加電圧と印加時間の積から求
める極間の平均電圧を0Vにすることが困難であるから
である。 (3)高周波の交流電圧を印加することによる第3の方
法では、高周波の発振器が必要であって、回路が複雑化
するとともに高価になるという問題点がある。また、安
定な電圧を極間に印加するために、放電誘起電源の発振
周波数に同調するようなL−Cの共振回路を極間に接続
する必要があり、極間のインダクタンスが変化すると極
間に印加される電圧も変化するという問題点がある。
【0004】このような、従来の問題点を解決するもの
として、本発明の出願人は、放電誘起電圧の極性を、放
電毎あるいは正・逆同じ割合となるような周期で交互に
切り替える方法を提案している(例えば、特願平6−1
07455号公報参照)。この方法では、正極性の放電
誘起電圧と逆極性の放電誘起電圧の極性を逆とし絶対値
を等しくして、印加される放電誘起電圧の平均を0Vと
するものである。しかしながら、この方法では、主放電
電流が流れているときの極間には、20V程度の電圧が
現れるため、実際には極間に印加される電圧に偏りが生
じることになる。そこで、本発明は前記した従来の問題
点を解決して、極間の平均電圧を0Vに近づけて、電解
反応により生ずる被加工物表面の劣化を確実に防止する
ことができる放電加工方法及びその装置を提供すること
を目的とする。
として、本発明の出願人は、放電誘起電圧の極性を、放
電毎あるいは正・逆同じ割合となるような周期で交互に
切り替える方法を提案している(例えば、特願平6−1
07455号公報参照)。この方法では、正極性の放電
誘起電圧と逆極性の放電誘起電圧の極性を逆とし絶対値
を等しくして、印加される放電誘起電圧の平均を0Vと
するものである。しかしながら、この方法では、主放電
電流が流れているときの極間には、20V程度の電圧が
現れるため、実際には極間に印加される電圧に偏りが生
じることになる。そこで、本発明は前記した従来の問題
点を解決して、極間の平均電圧を0Vに近づけて、電解
反応により生ずる被加工物表面の劣化を確実に防止する
ことができる放電加工方法及びその装置を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、加工用電極と
被加工物との間に形成される極間に放電誘起電圧を印加
し、該放電誘起電圧によって誘起される放電により極間
が絶縁破壊された直後に主放電電流を重畳する放電加工
方法において、極間の電圧を検出し、該極間電圧に基づ
いて放電誘起電圧の極間に対する極性を切り替えること
により、前記目的を達成するものである。本発明の放電
加工方法における放電誘起電圧の極性の切り替えは、加
工用電極と被加工物との間の極間電圧を積分し、該極間
電圧の積分値が0となるよう放電誘起電圧の極間に対す
る極性を切り替えることにより行うことができる。
被加工物との間に形成される極間に放電誘起電圧を印加
し、該放電誘起電圧によって誘起される放電により極間
が絶縁破壊された直後に主放電電流を重畳する放電加工
方法において、極間の電圧を検出し、該極間電圧に基づ
いて放電誘起電圧の極間に対する極性を切り替えること
により、前記目的を達成するものである。本発明の放電
加工方法における放電誘起電圧の極性の切り替えは、加
工用電極と被加工物との間の極間電圧を積分し、該極間
電圧の積分値が0となるよう放電誘起電圧の極間に対す
る極性を切り替えることにより行うことができる。
【0006】また、本発明は、加工用電極と被加工物と
の間に形成される極間に間欠放電を発生させて被加工物
の加工を行う放電加工装置において、放電を極間に誘起
させる少なくとも一つの直流電源を有する放電誘起回路
と、放電後に加工用の主放電電流を重畳する主放電回路
と、放電誘起回路による極間への印加電圧の極性を切り
替える切り替え回路を備え、該切り替え回路は極間電圧
を積分して積分値を得る積分手段と、積分値を基準値と
を比較する比較手段とを有し、比較手段の出力によって
極間への印加電圧の極性を切り替えることにより、前記
目的を達成するものである。本発明の放電加工におい
て、放電誘起電圧は、加工用電極と被加工物との間の極
間に印加されるものであり、極間の絶縁を破壊して放電
を誘起する電圧である。そして、この放電誘起電圧の極
間への極性は、例えば、被加工物を基準とし、主放電電
流を流す主放電電源と同じ極性を正極性とし、反対の極
性を逆極性とすることができる。本発明の放電加工装置
の第1の実施態様は、放電誘起回路は、一つの直流電源
と該直流電源から極間への印加極性が異なる二つの接続
回路を有し、該接続回路を切り替え回路によって選択す
ることにより極間への放電誘起電圧の極性を切り替える
ものである。また、本発明の放電加工装置の第2の実施
態様は、放電誘起回路は、極間に対して接続方向を互い
に逆方向とする二つの直流電源を備え、該直流電源を切
り替え回路により選択することにより極間への放電誘起
電圧の極性を切り替えるものである。
の間に形成される極間に間欠放電を発生させて被加工物
の加工を行う放電加工装置において、放電を極間に誘起
させる少なくとも一つの直流電源を有する放電誘起回路
と、放電後に加工用の主放電電流を重畳する主放電回路
と、放電誘起回路による極間への印加電圧の極性を切り
替える切り替え回路を備え、該切り替え回路は極間電圧
を積分して積分値を得る積分手段と、積分値を基準値と
を比較する比較手段とを有し、比較手段の出力によって
極間への印加電圧の極性を切り替えることにより、前記
目的を達成するものである。本発明の放電加工におい
て、放電誘起電圧は、加工用電極と被加工物との間の極
間に印加されるものであり、極間の絶縁を破壊して放電
を誘起する電圧である。そして、この放電誘起電圧の極
間への極性は、例えば、被加工物を基準とし、主放電電
流を流す主放電電源と同じ極性を正極性とし、反対の極
性を逆極性とすることができる。本発明の放電加工装置
の第1の実施態様は、放電誘起回路は、一つの直流電源
と該直流電源から極間への印加極性が異なる二つの接続
回路を有し、該接続回路を切り替え回路によって選択す
ることにより極間への放電誘起電圧の極性を切り替える
ものである。また、本発明の放電加工装置の第2の実施
態様は、放電誘起回路は、極間に対して接続方向を互い
に逆方向とする二つの直流電源を備え、該直流電源を切
り替え回路により選択することにより極間への放電誘起
電圧の極性を切り替えるものである。
【0007】
【作用】前記した本発明の放電加工によれば、はじめ
に、加工用電極と被加工物との間に形成される極間に対
して、放電誘起回路から放電誘起電圧をある極性の方向
で印加する。放電誘起電圧が印加された極間は、ある時
間の経過後この放電誘起電圧により絶縁破壊を起こして
放電を開始する。この放電開始時より主放電電源から極
間への主放電電流の供給を行い、放電を所定時間続行さ
せる。放電時における極間の電圧は、放電誘起電圧より
充分小さな値となる。この放電によって、被加工物の放
電加工を行う。極間での放電は、所定時間の経過後、主
放電電流の供給を断ってしばらく続行する。放電が停止
した後、休止時間をとることにより極間の絶縁状態を回
復させ、一つの放電が終了する。また、放電誘起回路か
ら極間に印加する放電誘起電圧の極性方向を逆極性とし
て、極間に放電を誘起させることもできる。この逆極性
の放電誘起電圧は、単に極性が逆であるだけであってそ
の作用は同様であり、前記した放電工程と同様にして、
極間にある時間の経過後絶縁破壊を起こして放電を開始
する。そして、その後の放電加工も同様に行われる。し
たがって、放電前の放電誘起電圧の極間に対する極性の
みが異なり、放電時における作用は同様である。
に、加工用電極と被加工物との間に形成される極間に対
して、放電誘起回路から放電誘起電圧をある極性の方向
で印加する。放電誘起電圧が印加された極間は、ある時
間の経過後この放電誘起電圧により絶縁破壊を起こして
放電を開始する。この放電開始時より主放電電源から極
間への主放電電流の供給を行い、放電を所定時間続行さ
せる。放電時における極間の電圧は、放電誘起電圧より
充分小さな値となる。この放電によって、被加工物の放
電加工を行う。極間での放電は、所定時間の経過後、主
放電電流の供給を断ってしばらく続行する。放電が停止
した後、休止時間をとることにより極間の絶縁状態を回
復させ、一つの放電が終了する。また、放電誘起回路か
ら極間に印加する放電誘起電圧の極性方向を逆極性とし
て、極間に放電を誘起させることもできる。この逆極性
の放電誘起電圧は、単に極性が逆であるだけであってそ
の作用は同様であり、前記した放電工程と同様にして、
極間にある時間の経過後絶縁破壊を起こして放電を開始
する。そして、その後の放電加工も同様に行われる。し
たがって、放電前の放電誘起電圧の極間に対する極性の
みが異なり、放電時における作用は同様である。
【0008】本発明の放電加工においては、放電誘起電
圧の極間に対する極性の切り替えはは、極間の電圧を検
出しその極間電圧に基づいて行うものであり、加工用電
極と被加工物との間の極間電圧を積分することによっ
て、その極間電圧値と印加時間に関係した値を求め、そ
の極間電圧の積分値が0となるようにして行うことがで
きる。放電誘起電圧を印加してから放電が始まるまでの
時間は極間の状態により異なり、個々の放電で比較する
と放電誘起電圧の印加時間に差が生じるが、本発明によ
れば、加工用電極と被加工物との間の極間電圧を積分す
ることによって、その極間電圧値と印加時間に関係した
値を求めているため、平均した極間電圧は0Vとするこ
とができ、放電誘起電圧の印加によって発生する電解反
応で生ずる被加工物表面の劣化を防止することができ
る。この本発明の放電誘起電圧の極性の切り替えは、放
電発生を基にして制御信号を出力する制御回路により、
切り替え回路を駆動して行うものであり、切り替え回路
は、例えば、放電誘起電源と極間との間に設けたスイッ
チ手段の開閉を制御して、放電誘起電源の接続状態の変
更あるいは極性の異なる放電誘起電源の選択を行う。こ
の放電誘起電源の制御によって、極間への放電誘起電圧
の印加極性を切り替え、極間における放電誘起電圧の平
均電圧を0Vとし、放電誘起電圧の印加によって発生す
る電解反応による影響を実質的に停止し、被加工物表面
の劣化を防止する。
圧の極間に対する極性の切り替えはは、極間の電圧を検
出しその極間電圧に基づいて行うものであり、加工用電
極と被加工物との間の極間電圧を積分することによっ
て、その極間電圧値と印加時間に関係した値を求め、そ
の極間電圧の積分値が0となるようにして行うことがで
きる。放電誘起電圧を印加してから放電が始まるまでの
時間は極間の状態により異なり、個々の放電で比較する
と放電誘起電圧の印加時間に差が生じるが、本発明によ
れば、加工用電極と被加工物との間の極間電圧を積分す
ることによって、その極間電圧値と印加時間に関係した
値を求めているため、平均した極間電圧は0Vとするこ
とができ、放電誘起電圧の印加によって発生する電解反
応で生ずる被加工物表面の劣化を防止することができ
る。この本発明の放電誘起電圧の極性の切り替えは、放
電発生を基にして制御信号を出力する制御回路により、
切り替え回路を駆動して行うものであり、切り替え回路
は、例えば、放電誘起電源と極間との間に設けたスイッ
チ手段の開閉を制御して、放電誘起電源の接続状態の変
更あるいは極性の異なる放電誘起電源の選択を行う。こ
の放電誘起電源の制御によって、極間への放電誘起電圧
の印加極性を切り替え、極間における放電誘起電圧の平
均電圧を0Vとし、放電誘起電圧の印加によって発生す
る電解反応による影響を実質的に停止し、被加工物表面
の劣化を防止する。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図を参照しながら詳
細に説明する。本発明の放電加工を実施する放電加工装
置は、通常の放電加工装置とほぼ同様であり、加工用電
極と被加工物間の極間に電圧を印加する方法及び、その
装置に特徴を有している。そこで、以下の本発明の実施
例においては、該極間に電圧を印加する構成を主に説明
し、周知の放電加工装置についてはその説明を省略す
る。
細に説明する。本発明の放電加工を実施する放電加工装
置は、通常の放電加工装置とほぼ同様であり、加工用電
極と被加工物間の極間に電圧を印加する方法及び、その
装置に特徴を有している。そこで、以下の本発明の実施
例においては、該極間に電圧を印加する構成を主に説明
し、周知の放電加工装置についてはその説明を省略す
る。
【0010】〔本発明の実施例1〕はじめに、本発明の
実施例1の構成及び作用について、図1〜図5を用いて
説明する。 (本発明の実施例1の構成)図1は、本発明の放電加工
の実施例1を説明する放電加工装置の電源部の構成図で
ある。図1において、1は加工用電極、2は被加工物で
あり、この加工用電極1は被加工物2との間に間隙を開
けて設置することにより、該間隙は放電が生じる極間を
形成している。接地された被加工物2と加工用電極1と
の間に形成される極間において、電解性を有する加工液
を介して間欠的な放電を発生させることにより、被加工
物2に放電加工を行うものである。本発明の放電加工装
置の電源部は、主放電回路3と放電誘起回路4の2つの
電源部分を備えている。放電誘起回路4は極間に放電を
誘起するための回路であり、また、主放電回路3は、放
電加工を行うための主放電電流を供給する回路であっ
て、放電誘起回路4による放電誘起の後に加工用の主放
電電流を放電誘起用の電流に重畳するものである。主放
電回路3及び放電誘起回路4の駆動は、制御回路5から
の制御信号に基づいて行われる。
実施例1の構成及び作用について、図1〜図5を用いて
説明する。 (本発明の実施例1の構成)図1は、本発明の放電加工
の実施例1を説明する放電加工装置の電源部の構成図で
ある。図1において、1は加工用電極、2は被加工物で
あり、この加工用電極1は被加工物2との間に間隙を開
けて設置することにより、該間隙は放電が生じる極間を
形成している。接地された被加工物2と加工用電極1と
の間に形成される極間において、電解性を有する加工液
を介して間欠的な放電を発生させることにより、被加工
物2に放電加工を行うものである。本発明の放電加工装
置の電源部は、主放電回路3と放電誘起回路4の2つの
電源部分を備えている。放電誘起回路4は極間に放電を
誘起するための回路であり、また、主放電回路3は、放
電加工を行うための主放電電流を供給する回路であっ
て、放電誘起回路4による放電誘起の後に加工用の主放
電電流を放電誘起用の電流に重畳するものである。主放
電回路3及び放電誘起回路4の駆動は、制御回路5から
の制御信号に基づいて行われる。
【0011】主放電回路3は、極間に主放電電流を供給
する主放電電源31を有し、直列接続されるスイッチ素
子32及びスイッチ素子33を介して主放電電流の閉回
路を構成している。該主放電回路において、例えば、主
放電電源31の一方の電極端子から被加工物2の接地端
子の方向にダイオード34を接続し、加工用電極1から
主放電電源31の他方の電極端子の方向にダイオード3
5を接続して、クロス方式の電源を構成することができ
る。このスイッチ素子32,33の開閉は、制御回路5
からの制御信号s3によって行う。放電誘起回路4は、
極間に放電誘起電圧を印加する放電誘起電源41を有
し、直列接続されるダイオード42及び電流制限抵抗4
3を介して放電誘起電圧印加のための閉回路を構成して
いる。該放電誘起回路4において、加工用電極1への放
電誘起電圧の印加極性を切り替えるための回路構成は、
スイッチ素子(44〜47)によって構成されている。
実施例1において、スイッチ素子44〜47による切り
替え回路は、スイッチ素子44を放電誘起電源41の一
方の電極と加工用電極1との間に接続し、スイッチ素子
45を放電誘起電源41の他方の電極と被加工物2の接
地側との間に接続し、スイッチ素子46を放電誘起電源
41の一方の電極と被加工物2の接地側との間に接続
し、スイッチ素子47を放電誘起電源41の他方の電極
と加工用電極1との間に接続することによって構成され
る。
する主放電電源31を有し、直列接続されるスイッチ素
子32及びスイッチ素子33を介して主放電電流の閉回
路を構成している。該主放電回路において、例えば、主
放電電源31の一方の電極端子から被加工物2の接地端
子の方向にダイオード34を接続し、加工用電極1から
主放電電源31の他方の電極端子の方向にダイオード3
5を接続して、クロス方式の電源を構成することができ
る。このスイッチ素子32,33の開閉は、制御回路5
からの制御信号s3によって行う。放電誘起回路4は、
極間に放電誘起電圧を印加する放電誘起電源41を有
し、直列接続されるダイオード42及び電流制限抵抗4
3を介して放電誘起電圧印加のための閉回路を構成して
いる。該放電誘起回路4において、加工用電極1への放
電誘起電圧の印加極性を切り替えるための回路構成は、
スイッチ素子(44〜47)によって構成されている。
実施例1において、スイッチ素子44〜47による切り
替え回路は、スイッチ素子44を放電誘起電源41の一
方の電極と加工用電極1との間に接続し、スイッチ素子
45を放電誘起電源41の他方の電極と被加工物2の接
地側との間に接続し、スイッチ素子46を放電誘起電源
41の一方の電極と被加工物2の接地側との間に接続
し、スイッチ素子47を放電誘起電源41の他方の電極
と加工用電極1との間に接続することによって構成され
る。
【0012】そして、スイッチ素子44とスイッチ素子
45には同じ制御信号を入力して同時に開閉制御を行
い、また、スイッチ素子46とスイッチ素子47には前
記スイッチ素子44及びスイッチ素子45と異なる制御
信号が入力して、同時に開閉制御を行う。
45には同じ制御信号を入力して同時に開閉制御を行
い、また、スイッチ素子46とスイッチ素子47には前
記スイッチ素子44及びスイッチ素子45と異なる制御
信号が入力して、同時に開閉制御を行う。
【0013】また、本発明の実施例では、加工用電極1
に印加する放電誘起電源の極性を、被加工物を基準にし
て主放電電流を流す主放電電源と同じ極性を正極性と
し、その反対の極性を逆極性とする。制御回路5は、加
工用電極1と被加工物2との間の極間電圧を入力して放
電検出を行うとともに、該放電検出信号に基づいて主放
電回路3に制御信号s3を出力し、放電誘起回路4に制
御信号s4を出力する。また、切り替え回路は、極間電
圧と制御回路5からの制御信号s4を受けて放電誘起回
路4のスイッチ素子の開閉を制御する回路であり、実施
例1においては、極間電圧を検出する差動増幅器57
と、差動増幅器57からの極間電圧を積分する積分器5
6と、積分器56の積分値を基準値と比較する比較器5
5と、比較器55の出力と制御回路5からの制御信号s
4とを入力信号とするラッチ回路54と、ラッチ回路5
4の出力と制御信号s4との論理和をとって、そのアン
ド出力をスイッチ素子44及びスイッチ素子45に出力
するアンドゲート51と、ラッチ回路54の反転出力と
制御信号s4との論理和をとって、そのアンド出力をス
イッチ素子46及びスイッチ素子47に出力するアンド
ゲート52とを備えている。なお、ラッチ回路54の反
転出力は、ラッチ回路54の出力をインバータ53によ
り反転することにより得ることができる。なお、図1に
おいては、主放電回路3、及び放電誘起回路4を破線に
より表している。
に印加する放電誘起電源の極性を、被加工物を基準にし
て主放電電流を流す主放電電源と同じ極性を正極性と
し、その反対の極性を逆極性とする。制御回路5は、加
工用電極1と被加工物2との間の極間電圧を入力して放
電検出を行うとともに、該放電検出信号に基づいて主放
電回路3に制御信号s3を出力し、放電誘起回路4に制
御信号s4を出力する。また、切り替え回路は、極間電
圧と制御回路5からの制御信号s4を受けて放電誘起回
路4のスイッチ素子の開閉を制御する回路であり、実施
例1においては、極間電圧を検出する差動増幅器57
と、差動増幅器57からの極間電圧を積分する積分器5
6と、積分器56の積分値を基準値と比較する比較器5
5と、比較器55の出力と制御回路5からの制御信号s
4とを入力信号とするラッチ回路54と、ラッチ回路5
4の出力と制御信号s4との論理和をとって、そのアン
ド出力をスイッチ素子44及びスイッチ素子45に出力
するアンドゲート51と、ラッチ回路54の反転出力と
制御信号s4との論理和をとって、そのアンド出力をス
イッチ素子46及びスイッチ素子47に出力するアンド
ゲート52とを備えている。なお、ラッチ回路54の反
転出力は、ラッチ回路54の出力をインバータ53によ
り反転することにより得ることができる。なお、図1に
おいては、主放電回路3、及び放電誘起回路4を破線に
より表している。
【0014】(本発明の実施例1の作用)次に、本発明
の実施例1の作用について、図2のタイムチャート、及
び図3〜図5の回路図を用いて説明する。なお、以下の
説明では図2のタイムチャート中の時刻a〜時刻pの符
号に従って説明する。図2に示すタイムチャートにおい
て、時刻a〜時刻kの期間は正極性(被加工物を基準に
して主放電電流を流す主放電電源と同じ極性の電圧極
性)の放電誘起電圧を印加する場合であり、時刻k〜時
刻pの期間は逆極性(被加工物を基準にして主放電電流
を流す主放電電源と逆の極性の電圧極性)の放電誘起電
圧を印加する場合を示している。図2のタイムチャート
は、連続する放電加工途中の3回の放電の様子を示して
いる。極間電圧Vgは、差動増幅器57により検出され
る。差動増幅器57差動増幅器57の出力は、制御回路
5に入力されるとともに、積分器56に入力されて積分
が行われる。時刻a以前までの放電加工で、積分器56
の出力Vg(INT)がプラスになっており、比較器5
5の出力はハイ、ラッチ回路54もハイにラッチされて
いるものとする。
の実施例1の作用について、図2のタイムチャート、及
び図3〜図5の回路図を用いて説明する。なお、以下の
説明では図2のタイムチャート中の時刻a〜時刻pの符
号に従って説明する。図2に示すタイムチャートにおい
て、時刻a〜時刻kの期間は正極性(被加工物を基準に
して主放電電流を流す主放電電源と同じ極性の電圧極
性)の放電誘起電圧を印加する場合であり、時刻k〜時
刻pの期間は逆極性(被加工物を基準にして主放電電流
を流す主放電電源と逆の極性の電圧極性)の放電誘起電
圧を印加する場合を示している。図2のタイムチャート
は、連続する放電加工途中の3回の放電の様子を示して
いる。極間電圧Vgは、差動増幅器57により検出され
る。差動増幅器57差動増幅器57の出力は、制御回路
5に入力されるとともに、積分器56に入力されて積分
が行われる。時刻a以前までの放電加工で、積分器56
の出力Vg(INT)がプラスになっており、比較器5
5の出力はハイ、ラッチ回路54もハイにラッチされて
いるものとする。
【0015】時刻a:制御回路5はハイの制御信号s4
を送出する。このとき、積分器56の出力Vg(IN
T.)はプラスの状態にあるので、比較器55の出力は
ハイの状態にある。このタイムチャートでは、ラッチ回
路54の出力はこの時刻の以前よりハイであるので、ラ
ッチ回路54の出力に変化はなくハイの出力を維持す
る。ラッチ回路54の出力は、信号s4とアンドゲート
51で論理和がとられるとともに、インバータ53で反
転されて信号s4とアンドゲート52で論理和がとられ
る。このとき、ラッチ回路54の出力はハイであるの
で、アンドゲート51の出力はハイとなる。この出力
は、放電誘起回路4に入力されて、スイッチ素子44及
び45をオンとし、極間に正極性の放電誘起電圧を印加
する。
を送出する。このとき、積分器56の出力Vg(IN
T.)はプラスの状態にあるので、比較器55の出力は
ハイの状態にある。このタイムチャートでは、ラッチ回
路54の出力はこの時刻の以前よりハイであるので、ラ
ッチ回路54の出力に変化はなくハイの出力を維持す
る。ラッチ回路54の出力は、信号s4とアンドゲート
51で論理和がとられるとともに、インバータ53で反
転されて信号s4とアンドゲート52で論理和がとられ
る。このとき、ラッチ回路54の出力はハイであるの
で、アンドゲート51の出力はハイとなる。この出力
は、放電誘起回路4に入力されて、スイッチ素子44及
び45をオンとし、極間に正極性の放電誘起電圧を印加
する。
【0016】なお、図2のタイムチャートにおいては、
極性電圧Vgは立ち下がりを正極性とし、立ち上がりを
逆極性として表している。
極性電圧Vgは立ち下がりを正極性とし、立ち上がりを
逆極性として表している。
【0017】図3は、スイッチ素子44,45がオン、
スイッチ素子46,47がオフで、スイッチ素子32,
33がオフの場合の放電加工装置の電源部の回路結線状
態を示しており、放電誘起電源41の正の電極が被加工
物2に接続されて被加工物2に正電圧を印加し、放電誘
起電源41の負の電極が加工用電極12に接続されて加
工用電極1に負電圧を印加している。この電圧印加によ
り、極間に放電誘起電圧の印加が行われることになる。
加工用電極1に正極性の放電誘起電圧が印加されると、
極間には絶縁が破壊されて放電が開始するまで、正極性
の極性電圧Vgが印加された状態が続くことになる。図
2のタイムチャートにおいては、この加工用電極1に放
電誘起電圧が印加されて放電が開始するまでの間を期間
T1で表している。
スイッチ素子46,47がオフで、スイッチ素子32,
33がオフの場合の放電加工装置の電源部の回路結線状
態を示しており、放電誘起電源41の正の電極が被加工
物2に接続されて被加工物2に正電圧を印加し、放電誘
起電源41の負の電極が加工用電極12に接続されて加
工用電極1に負電圧を印加している。この電圧印加によ
り、極間に放電誘起電圧の印加が行われることになる。
加工用電極1に正極性の放電誘起電圧が印加されると、
極間には絶縁が破壊されて放電が開始するまで、正極性
の極性電圧Vgが印加された状態が続くことになる。図
2のタイムチャートにおいては、この加工用電極1に放
電誘起電圧が印加されて放電が開始するまでの間を期間
T1で表している。
【0018】時刻b:極間の絶縁が破壊されて放電が発
生すると、極間電圧Vgは低下する(図2のタイムチャ
ートにおいては、上向きの変化で表されている)。これ
により、差動増幅器57の出力は低下し、制御回路5は
この電圧低下を検出する。
生すると、極間電圧Vgは低下する(図2のタイムチャ
ートにおいては、上向きの変化で表されている)。これ
により、差動増幅器57の出力は低下し、制御回路5は
この電圧低下を検出する。
【0019】時刻c:放電を検出した制御回路5は、制
御信号s3をハイとして主放電回路3のスイッチ素子3
2,33をオンするとともに、信号s4をローとしてス
イッチ素子44,45をオフとする。スイッチ素子3
2,33をオンにすることにより、主放電電源31を電
極1及び被加工物2の極間に印加し、主放電電流Igを
矢印の方向に流す。このとき、電極間には僅かな電圧V
gが印加されており、積分器56はさらに積分を続行し
て積分値Vg(INT.)を出力する。積分器56の積
分値Vg(INT.)は区間T1の間に減少するが、そ
の値はまだ正であるため比較器55の出力はハイであ
り、ラッチ回路54の出力はハイが維持される。ラッチ
回路54の出力はハイが維持されるが、制御回路5の制
御信号s4はローとなるため、アンドゲート51及びア
ンドゲート52の論理和出力はローとなってスイッチ素
子44,45,46,47はオフとなる。
御信号s3をハイとして主放電回路3のスイッチ素子3
2,33をオンするとともに、信号s4をローとしてス
イッチ素子44,45をオフとする。スイッチ素子3
2,33をオンにすることにより、主放電電源31を電
極1及び被加工物2の極間に印加し、主放電電流Igを
矢印の方向に流す。このとき、電極間には僅かな電圧V
gが印加されており、積分器56はさらに積分を続行し
て積分値Vg(INT.)を出力する。積分器56の積
分値Vg(INT.)は区間T1の間に減少するが、そ
の値はまだ正であるため比較器55の出力はハイであ
り、ラッチ回路54の出力はハイが維持される。ラッチ
回路54の出力はハイが維持されるが、制御回路5の制
御信号s4はローとなるため、アンドゲート51及びア
ンドゲート52の論理和出力はローとなってスイッチ素
子44,45,46,47はオフとなる。
【0020】したがって、スイッチ素子44,45,4
6,47は全てオフとなり、放電誘起電圧の極間への印
加は停止することになる。図4は、スイッチ素子44,
45,46,47がオフで、スイッチ素子32,33が
オンの場合の放電加工装置の電源部の回路結線状態を示
しており、放電誘起電源41は加工用電極1及び被加工
物2とは接続されず、主放電電源31の正方向の電極が
被加工物2に接続され、主放電電源31の負の電極が加
工用電極1に接続されて、極間に主放電電圧の印加が行
われ、主放電電流Igが流れることになる。なお、極間
電圧Vgの低下の検出からスイッチ素子32,33がオ
ンするまでに遅れ時間があるため、放電が開始してから
スイッチ素子32,33がオンするまで、t1の時間遅
れが生じる。この時間遅れは、通常数百nsである。こ
の遅れ時間の間放電を維持するために、スイッチ素子3
2,33がオンするまで、スイッチ素子44,45をオ
ン状態に維持する。なお、放電が確実に主放電電流につ
ながるようにするため、スイッチ素子44,45のオン
とスイッチ素子32,33のオンがオーバーラップする
ように制御することもできる。
6,47は全てオフとなり、放電誘起電圧の極間への印
加は停止することになる。図4は、スイッチ素子44,
45,46,47がオフで、スイッチ素子32,33が
オンの場合の放電加工装置の電源部の回路結線状態を示
しており、放電誘起電源41は加工用電極1及び被加工
物2とは接続されず、主放電電源31の正方向の電極が
被加工物2に接続され、主放電電源31の負の電極が加
工用電極1に接続されて、極間に主放電電圧の印加が行
われ、主放電電流Igが流れることになる。なお、極間
電圧Vgの低下の検出からスイッチ素子32,33がオ
ンするまでに遅れ時間があるため、放電が開始してから
スイッチ素子32,33がオンするまで、t1の時間遅
れが生じる。この時間遅れは、通常数百nsである。こ
の遅れ時間の間放電を維持するために、スイッチ素子3
2,33がオンするまで、スイッチ素子44,45をオ
ン状態に維持する。なお、放電が確実に主放電電流につ
ながるようにするため、スイッチ素子44,45のオン
とスイッチ素子32,33のオンがオーバーラップする
ように制御することもできる。
【0021】時刻d:制御回路5は、所定時間t2の後
に制御信号s3をローとし、主放電回路3のスイッチ素
子32,33をオフにする。このスイッチ素子32,3
3のオフによって主放電電源31の加工用電極1及び被
加工物2への電圧印加は停止するが、主放電回路のイン
ダクタンス成分に蓄積された電磁エネルギーがダイオー
ド34,35を通して放出されるため、スイッチ素子3
2,33がオフとなった後も主放電電流Igは流れ続け
る。 時刻e:主放電電流Igが停止すると極間電圧Vgは0
Vとなり、積分器56の積分値Vg(INT.)はその
値を維持する。このとき、時刻aから時刻eの間の、電
圧の印加後放電するまでの時間と放電時間との和が短い
ため、積分器56の出力Vg(INT.)はプラスのま
まであり、この場合Vg(INT.)が正である限り、
正極性の放電誘起電圧を印加する。 時刻f:制御回路5は、制御信号s3をローとして主放
電回路3のスイッチ素子32,33をオフにした後、所
定の休止時間t3の経過後に制御信号s4をハイとす
る。この休止時間t3の間は、極間には放電誘起電圧も
主放電電圧を印加されない状態にあり、この間に極間の
絶縁状態の回復が行われる。前記した時刻aから時刻f
までの工程により、極間に正極性(被加工物を基準にし
て主放電電流を流す主放電電源と同じ極性の電圧極性)
の放電誘起電圧を印加した場合の放電加工が完了する。
に制御信号s3をローとし、主放電回路3のスイッチ素
子32,33をオフにする。このスイッチ素子32,3
3のオフによって主放電電源31の加工用電極1及び被
加工物2への電圧印加は停止するが、主放電回路のイン
ダクタンス成分に蓄積された電磁エネルギーがダイオー
ド34,35を通して放出されるため、スイッチ素子3
2,33がオフとなった後も主放電電流Igは流れ続け
る。 時刻e:主放電電流Igが停止すると極間電圧Vgは0
Vとなり、積分器56の積分値Vg(INT.)はその
値を維持する。このとき、時刻aから時刻eの間の、電
圧の印加後放電するまでの時間と放電時間との和が短い
ため、積分器56の出力Vg(INT.)はプラスのま
まであり、この場合Vg(INT.)が正である限り、
正極性の放電誘起電圧を印加する。 時刻f:制御回路5は、制御信号s3をローとして主放
電回路3のスイッチ素子32,33をオフにした後、所
定の休止時間t3の経過後に制御信号s4をハイとす
る。この休止時間t3の間は、極間には放電誘起電圧も
主放電電圧を印加されない状態にあり、この間に極間の
絶縁状態の回復が行われる。前記した時刻aから時刻f
までの工程により、極間に正極性(被加工物を基準にし
て主放電電流を流す主放電電源と同じ極性の電圧極性)
の放電誘起電圧を印加した場合の放電加工が完了する。
【0022】時刻f〜時刻k:時刻fにおいて、ハイの
制御信号s4が送出される。このとき、時刻aのときと
同様に比較器55の出力はハイなので、極間には正極性
の放電誘起電圧が印加される。その後は、前記した時刻
aから時刻fとほぼ同様の動作が行われて、時刻kで極
間に正極性の放電誘起電圧を印加した場合の放電加工が
完了する。このとき、積分器56で極間電圧Vgを積分
すると、時刻fから時刻g、あるいは時刻fから時刻j
の間において、その積分値が正から零を通過して負とな
る。図2のタイムチャートでは時刻fから時刻gの間
に、積分値が正から負に反転する。このVg(IN
T.)の極性の変化は、基準値を0Vとする比較器55
により検出され、比較器55の出力をローとする。 時刻k:制御信号s4がハイとなったとき、前記比較器
55の電圧はこの制御信号s4の立ち上がりでラッチ回
路54にラッチされ、ラッチ回路54の出力はローとな
る。ラッチ回路54の出力はアンドゲート51の論理和
をローとしてスイッチ素子44,45をオフとし、ま
た、ラッチ回路54の出力はインバータ53で反転され
てハイとなり、アンドゲート52の論理和出力がハイと
なる。このハイ出力は、放電誘起回路4のスイッチ素子
46,47をオンとして、極間に逆極性の放電誘起電圧
を印加する。
制御信号s4が送出される。このとき、時刻aのときと
同様に比較器55の出力はハイなので、極間には正極性
の放電誘起電圧が印加される。その後は、前記した時刻
aから時刻fとほぼ同様の動作が行われて、時刻kで極
間に正極性の放電誘起電圧を印加した場合の放電加工が
完了する。このとき、積分器56で極間電圧Vgを積分
すると、時刻fから時刻g、あるいは時刻fから時刻j
の間において、その積分値が正から零を通過して負とな
る。図2のタイムチャートでは時刻fから時刻gの間
に、積分値が正から負に反転する。このVg(IN
T.)の極性の変化は、基準値を0Vとする比較器55
により検出され、比較器55の出力をローとする。 時刻k:制御信号s4がハイとなったとき、前記比較器
55の電圧はこの制御信号s4の立ち上がりでラッチ回
路54にラッチされ、ラッチ回路54の出力はローとな
る。ラッチ回路54の出力はアンドゲート51の論理和
をローとしてスイッチ素子44,45をオフとし、ま
た、ラッチ回路54の出力はインバータ53で反転され
てハイとなり、アンドゲート52の論理和出力がハイと
なる。このハイ出力は、放電誘起回路4のスイッチ素子
46,47をオンとして、極間に逆極性の放電誘起電圧
を印加する。
【0023】図5は、スイッチ素子44,45がオフ、
スイッチ素子46,47がオンで、スイッチ素子32,
33がオフの場合の放電加工装置の電源部の回路結線状
態を示しており、放電誘起電源41の負の電極が被加工
物2に接続されて、放電誘起電源41の正の電極が加工
用電極1に接続され、極間に前記時刻a及び図3で示し
た場合と逆極性の放電誘起電圧の印加が行われることに
なる。加工用電極1に逆極性の放電誘起電圧が印加され
ると、極間には絶縁が破壊されて放電が開始するまで、
逆極性の極間電圧Vgが印加された状態が続くことにな
る。図2のタイムチャートにおいては、この加工用電極
1に放電誘起電圧が印加されて放電が開始するまでの間
を期間T2で表している。また、この時刻kからは、極
間に印加する極性が逆となるため、積分器56での積分
の方向は前記の放電工程とは逆に積分値Vg(IN
T.)が正の方向に増加する。
スイッチ素子46,47がオンで、スイッチ素子32,
33がオフの場合の放電加工装置の電源部の回路結線状
態を示しており、放電誘起電源41の負の電極が被加工
物2に接続されて、放電誘起電源41の正の電極が加工
用電極1に接続され、極間に前記時刻a及び図3で示し
た場合と逆極性の放電誘起電圧の印加が行われることに
なる。加工用電極1に逆極性の放電誘起電圧が印加され
ると、極間には絶縁が破壊されて放電が開始するまで、
逆極性の極間電圧Vgが印加された状態が続くことにな
る。図2のタイムチャートにおいては、この加工用電極
1に放電誘起電圧が印加されて放電が開始するまでの間
を期間T2で表している。また、この時刻kからは、極
間に印加する極性が逆となるため、積分器56での積分
の方向は前記の放電工程とは逆に積分値Vg(IN
T.)が正の方向に増加する。
【0024】時刻l:極間の絶縁が破壊されて放電が発
生すると、極間電圧Vgの絶対値は低下する(図2のタ
イムチャートにおいては、立ち下がりの変化で表されて
いる)。この極間での放電によって電流Igが流れる。
この電流Igの方向は、前記時刻b及び時刻gのときと
は逆方向となる。制御回路5は差動増幅器57の出力を
介してこの極間電圧Vgの変化で放電を検出する。 時刻m:放電を検出した制御回路5は、制御信号s3を
ハイとして主放電回路のスイッチ素子32,33をオン
として、主放電電源31を電源1及び被加工物2の極間
に印加し、主放電電流Igを前記時刻gとは逆方向に流
す。この主放電電流Igの方向は、図4に示す矢印と同
じ方向である。一方、制御信号s4をローとするのでア
ンドゲート52の論理和出力はローとなってスイッチ素
子46,47はオフとなる。また、アンドゲート51の
出力はローのままで、スイッチ素子44,45はオフの
状態を維持する。
生すると、極間電圧Vgの絶対値は低下する(図2のタ
イムチャートにおいては、立ち下がりの変化で表されて
いる)。この極間での放電によって電流Igが流れる。
この電流Igの方向は、前記時刻b及び時刻gのときと
は逆方向となる。制御回路5は差動増幅器57の出力を
介してこの極間電圧Vgの変化で放電を検出する。 時刻m:放電を検出した制御回路5は、制御信号s3を
ハイとして主放電回路のスイッチ素子32,33をオン
として、主放電電源31を電源1及び被加工物2の極間
に印加し、主放電電流Igを前記時刻gとは逆方向に流
す。この主放電電流Igの方向は、図4に示す矢印と同
じ方向である。一方、制御信号s4をローとするのでア
ンドゲート52の論理和出力はローとなってスイッチ素
子46,47はオフとなる。また、アンドゲート51の
出力はローのままで、スイッチ素子44,45はオフの
状態を維持する。
【0025】したがって、スイッチ素子44,45,4
6,47は全てオフとなり、放電誘起電圧の極間への印
加は停止することになる。この回路状態は、前記した図
4と同様であり、極間に主放電電圧の印加が行われて、
主放電流Igが流れることになる。なお、極間電圧Vg
の絶対値の低下を検出してからスイッチ素子32,33
がオンするまでに遅れ時間があるため、前記と同様に放
電が開始してからスイッチ素子32,33がオンするま
でt1の時間遅れが生じる。そして、この遅れ時間の間
放電を維持するために、スイッチ素子32,33がオン
するまで、スイッチ素子46,47をオン状態に維持す
る。なお、放電が確実に主放電電流につながるようにす
るため、スイッチ素子46,47のオンとスイッチ素子
32,33のオンがオーバーラップするように制御する
こともできる。
6,47は全てオフとなり、放電誘起電圧の極間への印
加は停止することになる。この回路状態は、前記した図
4と同様であり、極間に主放電電圧の印加が行われて、
主放電流Igが流れることになる。なお、極間電圧Vg
の絶対値の低下を検出してからスイッチ素子32,33
がオンするまでに遅れ時間があるため、前記と同様に放
電が開始してからスイッチ素子32,33がオンするま
でt1の時間遅れが生じる。そして、この遅れ時間の間
放電を維持するために、スイッチ素子32,33がオン
するまで、スイッチ素子46,47をオン状態に維持す
る。なお、放電が確実に主放電電流につながるようにす
るため、スイッチ素子46,47のオンとスイッチ素子
32,33のオンがオーバーラップするように制御する
こともできる。
【0026】時刻n,o:制御回路5は、所定時間t2
の後に制御信号s3をローとし、主放電回路3のスイッ
チ素子32,33をオフにする。このスイッチ素子3
2,33のオフによって主放電電源31の加工用電極1
及び被加工物2への電圧印加は停止するが、主放電回路
のインダクタンス成分に蓄積された電磁エネルギーがダ
イオード34,35を通して放出されるため、スイッチ
素子32,33がオフとなった後も主放電電流Igは流
れ続ける。 時刻p:制御回路5は、制御信号s3をローとして主放
電回路3のスイッチ素子32,33をオフにした後、所
定の休止時間t3の経過後に制御信号s4をハイとす
る。この休止時間t3の間は、極間には放電誘起電圧も
主放電電圧を印加されない状態にあり、この間に極間の
絶縁状態の回復が行われる。前記した時刻kから時刻p
までの工程により、極間に逆極性(被加工物を基準にし
て主放電電流を流す主放電電源と逆の極性の電圧極性)
の放電誘起電圧を印加した場合の放電加工が完了する。
の後に制御信号s3をローとし、主放電回路3のスイッ
チ素子32,33をオフにする。このスイッチ素子3
2,33のオフによって主放電電源31の加工用電極1
及び被加工物2への電圧印加は停止するが、主放電回路
のインダクタンス成分に蓄積された電磁エネルギーがダ
イオード34,35を通して放出されるため、スイッチ
素子32,33がオフとなった後も主放電電流Igは流
れ続ける。 時刻p:制御回路5は、制御信号s3をローとして主放
電回路3のスイッチ素子32,33をオフにした後、所
定の休止時間t3の経過後に制御信号s4をハイとす
る。この休止時間t3の間は、極間には放電誘起電圧も
主放電電圧を印加されない状態にあり、この間に極間の
絶縁状態の回復が行われる。前記した時刻kから時刻p
までの工程により、極間に逆極性(被加工物を基準にし
て主放電電流を流す主放電電源と逆の極性の電圧極性)
の放電誘起電圧を印加した場合の放電加工が完了する。
【0027】このとき、積分器56で極間電圧Vgを積
分すると、時刻kから時刻l、あるいは時刻kから時刻
mの間において、その積分値が負から零を通過して正と
なる。図2のタイムチャートでは時刻kから時刻lの間
に、積分値が負から正に反転する。このVg(IN
T.)の極性の変化は、基準値を0Vとする比較器55
により検出され、比較器55の出力をハイとする。そし
て、前記した時刻aから時刻f(時刻fから時刻k)ま
での正極性の放電誘起電圧による放電過程と、時刻kか
ら時刻pまでの逆極性の放電誘起電圧による放電過程と
を繰り返すことによって、被加工物の放電加工が行われ
る。ここで、時刻aから時刻e、及び時刻fから時刻j
までの正極性の放電誘起電圧による放電過程の区間と、
時刻kから時刻mまでの逆極性の放電誘起電圧による放
電過程の区間とを比較する。この両者の区間における印
加電圧と印加時間との積に対応する積分値は、積分器5
6によって平均をとると「0」となるように制御され
て、極間への印加電圧の極性が変更される。したがっ
て、極間の平均電圧は0Vとなり、各放電過程中の放電
誘起電圧の印加による電解作用を防止することができ
る。
分すると、時刻kから時刻l、あるいは時刻kから時刻
mの間において、その積分値が負から零を通過して正と
なる。図2のタイムチャートでは時刻kから時刻lの間
に、積分値が負から正に反転する。このVg(IN
T.)の極性の変化は、基準値を0Vとする比較器55
により検出され、比較器55の出力をハイとする。そし
て、前記した時刻aから時刻f(時刻fから時刻k)ま
での正極性の放電誘起電圧による放電過程と、時刻kか
ら時刻pまでの逆極性の放電誘起電圧による放電過程と
を繰り返すことによって、被加工物の放電加工が行われ
る。ここで、時刻aから時刻e、及び時刻fから時刻j
までの正極性の放電誘起電圧による放電過程の区間と、
時刻kから時刻mまでの逆極性の放電誘起電圧による放
電過程の区間とを比較する。この両者の区間における印
加電圧と印加時間との積に対応する積分値は、積分器5
6によって平均をとると「0」となるように制御され
て、極間への印加電圧の極性が変更される。したがっ
て、極間の平均電圧は0Vとなり、各放電過程中の放電
誘起電圧の印加による電解作用を防止することができ
る。
【0028】なお、この実施例では、ラッチ回路54の
出力が反転するときに、アンドゲートの出力にパルス状
の信号が現れることがある。この信号は、アンドゲート
51ではラッチ回路54の出力と制御信号s4の論理和
をとり、また、アンドゲート52ではラッチ回路54の
出力をインバータ53で反転した信号と制御信号s4の
論理和をとり、そのラッチ回路54が制御信号s4の立
ち上がりでラッチするよう構成していて、ラッチ回路5
4の動作遅れが生じることが原因となっている。例え
ば、図2のタイムチャートの時刻kにおいて、アンドゲ
ート51の出力にパルスが発生する。図1において、制
御回路5とアンドゲート51及びアンドゲート52の入
力端の間に遅延回路を挿入する構成とし、この遅延回路
によってラッチ回路54の出力が確定するまで制御信号
s4を遅延させて、このパルス信号の発生を防止するこ
とができる。
出力が反転するときに、アンドゲートの出力にパルス状
の信号が現れることがある。この信号は、アンドゲート
51ではラッチ回路54の出力と制御信号s4の論理和
をとり、また、アンドゲート52ではラッチ回路54の
出力をインバータ53で反転した信号と制御信号s4の
論理和をとり、そのラッチ回路54が制御信号s4の立
ち上がりでラッチするよう構成していて、ラッチ回路5
4の動作遅れが生じることが原因となっている。例え
ば、図2のタイムチャートの時刻kにおいて、アンドゲ
ート51の出力にパルスが発生する。図1において、制
御回路5とアンドゲート51及びアンドゲート52の入
力端の間に遅延回路を挿入する構成とし、この遅延回路
によってラッチ回路54の出力が確定するまで制御信号
s4を遅延させて、このパルス信号の発生を防止するこ
とができる。
【0029】〔本発明の実施例2〕次に、本発明の実施
例2の構成及び作用について、図6,図7を用いて説明
する。 (本発明の実施例2の構成)図6は、本発明の放電加工
の実施例2を説明する放電加工装置の電源部の構成図で
ある。図6に示す本発明の実施例2の構成は、本発明の
実施例1の構成とほぼ同様であり、加工用電極1、被加
工物2、主放電回路3、放電誘起回路8、及び制御回路
5を含んでいる。実施例2と実施例1の構成上の相違は
放電誘起回路8の構成の点にある。そこで、以下では、
放電誘起回路8の構成のみを説明し、その他の加工用電
極1、被加工物2、主放電回路3、及び制御回路5につ
いては説明を省略する。本発明の実施例2の放電誘起回
路8は、正電圧用の電源と逆電圧用の電源の二つの電源
を用い、それらの電源をスイッチ素子で開閉して極間へ
の放電誘起電圧の極性を切り替えるものである。図6に
おいては、正電圧用の放電誘起電源81とダイオード8
2とスイッチ素子83の直列回路と、逆電圧用の放電誘
起電源84とダイオード85とスイッチ素子86の直列
回路とを並列接続し、電流制限抵抗87を介して加工用
電極1と被加工物2に接続している。そして、放電誘起
電源81と放電誘起電源84の加工用電極1あるいは被
加工物2に対する極性は逆極性となっている。各放電誘
起電源の極間への接続は、それぞれに設けられているス
イッチ素子により行われ、該スイッチ素子はアンドゲー
ト51,52からの信号によって切り替えられる。
例2の構成及び作用について、図6,図7を用いて説明
する。 (本発明の実施例2の構成)図6は、本発明の放電加工
の実施例2を説明する放電加工装置の電源部の構成図で
ある。図6に示す本発明の実施例2の構成は、本発明の
実施例1の構成とほぼ同様であり、加工用電極1、被加
工物2、主放電回路3、放電誘起回路8、及び制御回路
5を含んでいる。実施例2と実施例1の構成上の相違は
放電誘起回路8の構成の点にある。そこで、以下では、
放電誘起回路8の構成のみを説明し、その他の加工用電
極1、被加工物2、主放電回路3、及び制御回路5につ
いては説明を省略する。本発明の実施例2の放電誘起回
路8は、正電圧用の電源と逆電圧用の電源の二つの電源
を用い、それらの電源をスイッチ素子で開閉して極間へ
の放電誘起電圧の極性を切り替えるものである。図6に
おいては、正電圧用の放電誘起電源81とダイオード8
2とスイッチ素子83の直列回路と、逆電圧用の放電誘
起電源84とダイオード85とスイッチ素子86の直列
回路とを並列接続し、電流制限抵抗87を介して加工用
電極1と被加工物2に接続している。そして、放電誘起
電源81と放電誘起電源84の加工用電極1あるいは被
加工物2に対する極性は逆極性となっている。各放電誘
起電源の極間への接続は、それぞれに設けられているス
イッチ素子により行われ、該スイッチ素子はアンドゲー
ト51,52からの信号によって切り替えられる。
【0030】(本発明の実施例2の作用)次に、本発明
の実施例2の作用について説明する。本発明の実施例2
の作用は、前記実施例1の作用とほぼ同様であり、放電
誘起回路8の電源の切り替えの点でのみ相違している。
そこで、以下では、放電誘起回路8の電源の切り替えに
ついてのみ説明する。放電誘起回路8の正電圧用と逆電
圧用の各電源は、スイッチ素子83及びスイッチ素子8
6の開閉によって極間への接続が行われ、このスイッチ
素子83及びスイッチ素子86はアンドゲート51,5
2の出力により制御され、前記実施例1で示したように
何れか一方のみの接続が行われる。この実施例2の構成
によれば、スイッチ素子の個数を減少することができ、
また、該スイッチ素子の動作タイミングのずれを考慮す
る必要がないという効果がある。
の実施例2の作用について説明する。本発明の実施例2
の作用は、前記実施例1の作用とほぼ同様であり、放電
誘起回路8の電源の切り替えの点でのみ相違している。
そこで、以下では、放電誘起回路8の電源の切り替えに
ついてのみ説明する。放電誘起回路8の正電圧用と逆電
圧用の各電源は、スイッチ素子83及びスイッチ素子8
6の開閉によって極間への接続が行われ、このスイッチ
素子83及びスイッチ素子86はアンドゲート51,5
2の出力により制御され、前記実施例1で示したように
何れか一方のみの接続が行われる。この実施例2の構成
によれば、スイッチ素子の個数を減少することができ、
また、該スイッチ素子の動作タイミングのずれを考慮す
る必要がないという効果がある。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
極間の平均電圧を0Vに近づけて、電解反応により生ず
る被加工物表面の劣化を確実に防止することができる放
電加工方法及びその装置を提供することができる。
極間の平均電圧を0Vに近づけて、電解反応により生ず
る被加工物表面の劣化を確実に防止することができる放
電加工方法及びその装置を提供することができる。
【図1】本発明の放電加工の実施例1を説明する放電加
工装置の電源部の構成図である。
工装置の電源部の構成図である。
【図2】本発明の放電加工の実施例1のタイムチャート
である。
である。
【図3】本発明の実施例1の電源部の回路結線状態図で
ある。
ある。
【図4】本発明の実施例1の電源部の回路結線状態図で
ある。
ある。
【図5】本発明の実施例1の電源部の回路結線状態図で
ある。
ある。
【図6】本発明の放電加工の実施例2を説明する放電加
工装置の電源部の構成図である。
工装置の電源部の構成図である。
1 加工用電極 2 被加工物 3 主放電回路 4,8 放電誘起回路 5 制御回路 31 主放電電源 32,33,44〜47,83,86 スイッチ素子 34,35,42,82,85 ダイオード 41,81,84 放電誘起電源 43,87 電流制限抵抗 51,52 アンドゲート 53 インバータ 54 ラッチ回路 55 比較器 56 積分器 57 差動増幅器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川原 章義 山梨県南都留郡忍野村忍草字古馬場3580番 地 ファナック株式会社内 (72)発明者 村井 正生 山梨県南都留郡忍野村忍草字古馬場3580番 地 ファナック株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 加工用電極と被加工物との間に形成され
る極間に放電誘起電圧を印加し、該放電誘起電圧によっ
て誘起される放電により極間が絶縁破壊された直後に主
放電電流を重畳する放電加工方法において、極間の電圧
を検出し、該極間電圧に基づいて放電誘起電圧の極間に
対する極性を切り替えることを特徴とする放電加工方
法。 - 【請求項2】 前記極間電圧を積分し、該極間電圧の積
分値が0となるよう放電誘起電圧の極間に対する極性を
切り替える請求項1記載の放電加工方法。 - 【請求項3】 加工用電極と被加工物との間に形成され
る極間に間欠放電を発生させて被加工物の加工を行う放
電加工装置において、前記放電を極間に誘起させる少な
くとも一つの直流電源を有する放電誘起回路と、放電後
に加工用の主放電電流を重畳する主放電回路と、前記放
電誘起回路による極間への印加電圧の極性を切り替える
切り替え回路を備え、該切り替え回路は極間電圧を積分
して積分値を得る積分手段と、該積分値を基準値とを比
較する比較手段とを有し、該比較手段の出力によって極
間への印加電圧の極性を切り替えることを特徴とする放
電加工装置。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16580094A JPH081438A (ja) | 1994-06-27 | 1994-06-27 | 放電加工方法及びその装置 |
EP19950304493 EP0689893B1 (en) | 1994-06-27 | 1995-06-26 | Electric discharge working method and apparatus |
DE69507916T DE69507916D1 (de) | 1994-06-27 | 1995-06-26 | Verfahren und Vorrichtung zur Funkenerosionsbearbeitung |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16580094A JPH081438A (ja) | 1994-06-27 | 1994-06-27 | 放電加工方法及びその装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH081438A true JPH081438A (ja) | 1996-01-09 |
Family
ID=15819237
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16580094A Withdrawn JPH081438A (ja) | 1994-06-27 | 1994-06-27 | 放電加工方法及びその装置 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP0689893B1 (ja) |
JP (1) | JPH081438A (ja) |
DE (1) | DE69507916D1 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001162444A (ja) * | 1999-11-05 | 2001-06-19 | Charmilles Technol Sa | 放電加工用のプロセス及び装置 |
US7109432B2 (en) | 2002-06-12 | 2006-09-19 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Electric power unit for machining of wire electric discharge machine |
JP4509457B2 (ja) * | 2000-05-15 | 2010-07-21 | 三菱電機株式会社 | 放電加工用電源装置 |
JP6188259B1 (ja) * | 2016-06-03 | 2017-08-30 | 株式会社ソディック | ワイヤ放電加工装置 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6059098B2 (ja) | 1979-12-03 | 1985-12-23 | 三菱電機株式会社 | 放電加工用電源装置 |
JPS60146624A (ja) | 1984-01-09 | 1985-08-02 | Hitachi Seiko Ltd | 放電加工方法並びにその装置 |
JPS60201826A (ja) * | 1984-03-26 | 1985-10-12 | Fanuc Ltd | ワイヤ放電加工電源 |
JP2677375B2 (ja) * | 1988-05-19 | 1997-11-17 | 株式会社放電精密加工研究所 | 放電加工用電源装置 |
JPH03104517A (ja) * | 1989-09-18 | 1991-05-01 | Mitsubishi Electric Corp | 放電加工用電源装置 |
JP2939310B2 (ja) * | 1990-08-14 | 1999-08-25 | 株式会社ソディック | 放電加工装置 |
JPH06107455A (ja) | 1991-10-11 | 1994-04-19 | Sumitomo Metal Ind Ltd | ムライト質基板の製造方法 |
JP2692510B2 (ja) * | 1991-12-02 | 1997-12-17 | 三菱電機株式会社 | 放電加工装置 |
-
1994
- 1994-06-27 JP JP16580094A patent/JPH081438A/ja not_active Withdrawn
-
1995
- 1995-06-26 EP EP19950304493 patent/EP0689893B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1995-06-26 DE DE69507916T patent/DE69507916D1/de not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001162444A (ja) * | 1999-11-05 | 2001-06-19 | Charmilles Technol Sa | 放電加工用のプロセス及び装置 |
JP4509457B2 (ja) * | 2000-05-15 | 2010-07-21 | 三菱電機株式会社 | 放電加工用電源装置 |
US7109432B2 (en) | 2002-06-12 | 2006-09-19 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Electric power unit for machining of wire electric discharge machine |
JP6188259B1 (ja) * | 2016-06-03 | 2017-08-30 | 株式会社ソディック | ワイヤ放電加工装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP0689893A1 (en) | 1996-01-03 |
DE69507916D1 (de) | 1999-04-01 |
EP0689893B1 (en) | 1999-02-24 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20010904 |