JPH1169832A - インバータ装置 - Google Patents

インバータ装置

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Publication number
JPH1169832A
JPH1169832A JP9213381A JP21338197A JPH1169832A JP H1169832 A JPH1169832 A JP H1169832A JP 9213381 A JP9213381 A JP 9213381A JP 21338197 A JP21338197 A JP 21338197A JP H1169832 A JPH1169832 A JP H1169832A
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JP
Japan
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inductance
switching element
power supply
snubber
circuit
Prior art date
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Pending
Application number
JP9213381A
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English (en)
Inventor
Taichiro Tsuchiya
多一郎 土谷
Takeaki Asaeda
健明 朝枝
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Filing date
Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/30Reactive power compensation

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  • Inverter Devices (AREA)
  • Electronic Switches (AREA)
  • Protection Of Static Devices (AREA)
  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スナバ抵抗で発生する損失を抑制して、効率
の良いインバータ装置を得る。 【解決手段】 スイッチング素子2aと2bとの間の回
路インダクタンスL2、L3を、直流電源としての平滑
コンデンサ1の正極端子Pとスイッチング素子2aとの
間の回路インダクタンスL1と、スイッチング素子2b
と平滑コンデンサ1の負極端子Nとの間の回路インダク
タンスL4との和より大きくした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自己消弧型のス
イッチング素子とスナバ回路で構成されるインバータ装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5は、例えば実開昭60−12133
5号公報に開示されているクランプ型スナバ回路を適用
した従来のインバータ装置を示す構成図である。図にお
いて、1はインバータ装置の直流電源である平滑コンデ
ンサ、2a、2bは直流電源1の正極端子と負極端子と
の間に直列接続された自己消弧型のスイッチング素子で
あるトランジスタ、3a、3bはトランジスタ2a、2
bにそれぞれ逆並列接続されたフリーホイールダイオー
ドである。また、4a、4bはスナバコンデンサ、5
a、5bはスナバダイオード、6a、6bはスナバ抵抗
であり、これらでクランプ型スナバ回路を構成してい
る。
【0003】なお、実開昭60−121335号公報で
は、フリーホイールダイオード3a、3bは省略されて
いるが、図に示すように出力端子Oに負荷としてリアク
トルが接続された場合には必須となる。また、実際にイ
ンバータ装置を製作した際の配線などによって生じる配
線インダクタンスLSは、P−P1間に存在するものと
している。
【0004】図5に示すインバータ装置では、スナバコ
ンデンサ4a、4bの最低電圧は直流電源電圧Eボルト
となる。これは、スナバコンデンサ4a、4bがスナバ
抵抗6a、6bを介して常に平滑コンデンサ1に接続さ
れているためである。
【0005】次に動作について説明する。動作の説明で
用いる電流の経路、経路番号を図6に示す。図におい
て、経路の欄に記載されている数字及び記号は、上記図
5における数字及び記号と同一のものである。
【0006】このインバータ装置の出力端子電圧は、ト
ランジスタ2aがオンしている場合にはEボルトとな
り、トランジスタ2bがオンしている場合には零ボルト
となる。なお、以下の説明では、負荷電流は常に出力端
子Oから負荷側へ流れ出す方向であり、またその電流値
Iアンペアは一定であると仮定する。
【0007】まず、トランジスタ2aのターンオン動作
を説明する。この動作の初期状態では、負荷電流は経路
1を流れており、トランジスタ2a及び2bは共にオフ
している。この状態からトランジスタ2aをターンオン
すると、負荷電流は経路1から経路2へと転流する。こ
のときの転流ループは経路3であり、転流期間中、配線
インダクタンスLSには直流電源電圧Eボルトが印加さ
れる。
【0008】上述したように、トランジスタ2aのター
ンオン動作時の負荷電流の転流期間中、配線インダクタ
ンスには直流電源電圧Eボルトが印加されるので、スナ
バコンデンサ4aは経路4、スナバコンデンサ4bは経
路5にて放電される。また同時に、この期間はトランジ
スタ2aとフリーホイールダイオード3bがオンしてい
るので、経路6にてスナバコンデンサ4aが、経路7に
てスナバコンデンサ4bが放電される。そして、この期
間に放電されたスナバコンデンサ4a及び4bは、負荷
電流の転流が終了した後、スナバコンデンサ4aは経路
8、スナバコンデンサ4bは経路9にて直流電源電圧E
ボルトに再充電される。ここで、スナバコンデンサ4b
の再充電は、経路9内の配線インダクタンスLSとスナ
バコンデンサ4bの共振動作によって行われるため、ス
ナバコンデンサ4bはEボルト以上に過充電される。た
だし、その過充電分は経路5にて放電され、スナバコン
デンサ4bの電圧はEボルトになる。なお、スナバコン
デンサ4aの再充電については、その経路6内のスナバ
抵抗6aがダンピング要素として働くので共振的にはな
らない。
【0009】なお、負荷電流が全て経路2に流れて、経
路1の電流が零アンペア、経路2の電流がIアンペアに
なった後、スナバコンデンサ4a及び4bの電圧が共に
Eボルトになると、トランジスタ2aのターンオン動作
は終了する。
【0010】次に、トランジスタ2aのターンオフ動作
を説明する。この動作の初期状態では、負荷電流は経路
2を流れている。この状態からトランジスタ2aをター
ンオフすると、トランジスタ2aのコレクタ−エミッタ
間電圧が上昇し始め、同時にフリーホイールダイオード
3bのカソード−アノード間電圧は下降し始める。そし
て、トランジスタ2aのコレクタ−エミッタ間電圧がE
ボルト、フリーホイールダイオード3bのカソード−ア
ノード間電圧が零ボルトになると、負荷電流は経路1を
流れ始め、負荷電流の転流は終了する。ただし、このと
き、配線インダクタンスには、式(1)で表されるエネ
ルギーが蓄積されており、そのエネルギーは経路10に
てスナバコンデンサ4aに吸収される。
【0011】
【数1】
【0012】ここで、スナバコンデンサ4aの静電容量
をCSファラッドとすると、このエネルギー吸収動作に
よって、スナバコンデンサ4aは式(2)で示される電
圧Vボルトに過充電される。
【0013】
【数2】
【0014】そして、スナバコンデンサ4aの過充電分
(V−E)は、経路4にて放電される。なお、スナバコ
ンデンサ4aの電圧がEボルトになると、トランジスタ
2aのターンオフ動作は終了する。
【0015】ここで、スナバコンデンサ4a、4bの過
充電電圧Vの許容値は、自己消弧型スイッチング素子で
あるトランジスタ2a、2bの電圧耐量によって決ま
る。また、配線インダクタンスLSの値と、トランジス
タ2a、2bのオフ電流最大値が決まると、上述した式
(2)から、必要なスナバコンデンサ4a、4bの静電
容量が求められる。逆に、スナバコンデンサ4a、4b
の静電容量と、トランジスタ2a、2bのオフ電流最大
値が決まっていれば、許容される配線インダクタンスL
Sの値が求められることになる。つまり、配線インダク
タンスLSはトランジスタ2a、2bのターンオフ性能
に大きな影響を与える要素と言える。
【0016】なお、図5に示す負荷電流方向であれば、
トランジスタ2bがターンオン、ターンオフしても状態
は変化しない。また、図5と逆方向、つまり負荷側から
出力端子Oに負荷電流が流れている場合の、トランジス
タ2bのターンオン、ターンオフ動作は、上述したトラ
ンジスタ2aのそれと同様であるので、説明は省略す
る。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】クランプ型スナバ回路
におけるスナバ抵抗6a、6bの本来の役割は、トラン
ジスタ2a、2bのターンオフ時にスナバコンデンサ4
a、4bに吸収された配線インダクタンスLSの蓄積エ
ネルギーを消費することである。従って、図5に示すイ
ンバータ装置で発生する損失は、本来はこのエネルギー
分のみであると言える。
【0018】実際のインバータ装置において、配線イン
ダクタンスLSを零ヘンリーにすることは不可能である
が、この配線インダクタンスLSが、図5に示すように
P−P1間に存在する場合には、上述したようにトラン
ジスタ2a、2bターンオン動作時の負荷電流の転流期
間中にスナバコンデンサ4a、4bが放電され、転流期
間終了後に再充電される。このときの放電経路である経
路4、経路5、経路6、経路7、再充電経路である経路
8にはスナバ抵抗6a、6bが存在するため、それぞれ
の経路において損失が発生する。この損失は本来余計な
ものであり、インバータ装置の電力変換効率の低下や、
スナバ抵抗6a、6bの冷却装置の大型化を招くといっ
た問題があった。
【0019】この発明は、以上のような課題を解決する
ためになされたものであり、スナバ抵抗で発生する損失
を抑制して、効率の良いインバータ装置を得ることを目
的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】この発明に係るインバー
タ装置は、直流電源と、この直流電源の正極端子と負極
端子との間に直列に接続された第1のスイッチング素子
及び第2のスイッチング素子、直流電源の負極端子と第
1のスイッチング素子との間に接続された第1のスナバ
回路、直流電源の正極端子と第2のスイッチング素子と
の間に接続された第2のスナバ回路を備えたインバータ
装置において、第1のスイッチング素子と第2のスイッ
チング素子との間のインダクタンスを、直流電源の正極
端子と第1のスイッチング素子との間のインダクタンス
と、直流電源の負極端子と第2のスイッチング素子との
間のインダクタンスとの和より大きくしたものである。
【0021】また、第1のスイッチング素子と第2のス
イッチング素子との間のインダクタンスをヒューズで構
成するものである。
【0022】また、中性電位端子を有する直流電源と、
この直流電源の正極端子と負極端子との間に直列接続さ
れた第1乃至第4のスイッチング素子、直流電源の中性
電位端子と第1のスイッチング素子との間に接続された
第1のスナバ回路、直流電源の負極端子と第2のスイッ
チング素子との間に接続された第2のスナバ回路、直流
電源の正極端子と第3のスイッチング素子との間に接続
された第3のスナバ回路、直流電源の中性電位端子と第
4のスイッチング素子との間に接続された第4のスナバ
回路、直流電源の中性電位端子と第2のスイッチング素
子との間に接続された第1のダイオード、直流電源の中
性電位端子と第3のスイッチング素子との間に接続され
た第2のダイオードを備えたインバータ装置において、
第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子との
間のインダクタンスを、直流電源の正極端子と第1のス
イッチング素子との間のインダクタンスと、直流電源の
中性電位端子と第1及び第2のダイオードとの間のイン
ダクタンスとの和より大きく、且つ第3のスイッチング
素子と第4のスイッチング素子との間のインダクタンス
を、直流電源の中性電位端子と第1及び第2のダイオー
ドとの間のインダクタンスと、直流電源の負極端子と第
4のスイッチング素子との間のインダクタンスとの和よ
り大きくしたものである。
【0023】また、第1のスイッチング素子と第2のス
イッチング素子との間のインダクタンス及び第3のスイ
ッチング素子と第4のスイッチング素子との間のインダ
クタンスをヒューズで構成するものである。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明によるインバータ装置の設
計思想は、クランプ型スナバ回路を適用したインバータ
装置の回路インダクタンス(配線によるインダクタン
ス、部品としてのリアクトル、ヒューズによるインダク
タンス成分など)を、使用する自己消弧型スイッチング
素子の電圧耐量などによって決まるその許容値内で、イ
ンバータ装置回路の各部に配分するものである。
【0025】実施の形態1.図1は、この発明の実施の
形態1によるインバータ装置を示す構成図である。図に
おいて、1はインバータ装置の直流電源である平滑コン
デンサ、2a、2bは直流電源1の正極端子と負極端子
との間に直列接続された自己消弧型のスイッチング素子
であるトランジスタ、3a、3bはトランジスタ2a、
2bにそれぞれ逆並列接続されたフリーホイールダイオ
ードである。また、4a、4bはスナバコンデンサ、5
a、5bはスナバダイオード、6a、6bはスナバ抵抗
であり、スイッチング素子2a、2bと直流電源1の正
極端子と負極端子とに接続されている。また、Pは直流
電源1の正極端子、Nは直流電源1の負極端子、P1、
P2、N1、N2、Oはそれぞれ回路の接続点である。
また、L1〜L4は回路インダクタンスである。
【0026】ここで、自己消弧型スイッチング素子とし
ては、トランジスタやGTO(GateTurn Off)サイリス
タなどが挙げられるが、以下ではトランジスタを用いて
説明する。また、スナバコンデンサ4aとスナバダイオ
ード5aとスナバ抵抗6aによってトランジスタ2a
の、スナバコンデンサ4bとスナバダイオード5bとス
ナバ抵抗6bによってトランジスタ2bのクランプ型ス
ナバ回路がそれぞれ構成されている。
【0027】図1のインバータ装置の回路インダクタン
ス成分としては、P−P1間のL1、P2−O間のL
2、O−N2間のL3、N1−N間のL4などが挙げら
れる。この回路インダクタンス成分には、配線によるも
の、部品として接続されたリアクトルによるもの、ヒュ
ーズによるものなどがある。以下、これらを回路インダ
クタンスとして説明を行う。
【0028】P−1−N間のインダクタンス成分、すな
わち平滑コンデンサ1の内部インダクタンスは、回路イ
ンダクタンスL1〜L4に比べて充分小さいものとす
る。なお、以下の説明では、この内部インダクタンスは
零ヘンリーとする。
【0029】また、点線で囲まれた部分、つまりP1−
P2間、N2−N1間のインダクタンス成分は、上述し
た回路インダクタンスL1〜L4と比べて充分に小さい
ものとする。なお、以下の説明では、P1−P2間、N
2−N1間のインダクタンスを零ヘンリーとする。
【0030】次に動作及び設計思想について説明する。
動作の説明で用いる電流の経路、経路番号を図2に示
す。図において、経路の欄に記載されている数字及び記
号は、上記図1における数字及び記号と同一のものであ
る。
【0031】また、説明を簡単化するために、特に断ら
ない限りL1=L4=零ヘンリー、L2+L3=Lヘン
リーとする。また、全ての半導体素子は理想スイッチと
して扱うこととする。平滑コンデンサ1は直流電圧Eボ
ルトの電圧源とし、スナバコンデンサ4の静電容量はC
Sファラッドとする。
【0032】図1に示すように、出力端子Oには負荷と
してリアクトルが接続されており、負荷電流は出力端子
Oから負荷側へと流れているとする。また、その電流値
はIアンペアであり、これらは常に変化しないものとす
る。
【0033】トランジスタ2aがターンオンする直前、
負荷電流は経路1を流れており、トランジスタ2aがタ
ーンオンすると、負荷電流は経路1から経路2へと転流
する。このときの転流ループは経路3である。負荷電流
の転流期間中、回路インダクタンスL1〜L4に印加さ
れる電圧の合計は直流電圧Eボルトであるが、ここでは
L1=L4=零ヘンリーであるため、L2とL3に印加
される電圧の合計が直流電圧Eボルトとなる。負荷電流
が全て経路2を流れ、経路1の電流が零アンペア、経路
2の電流がIアンペアになると、トランジスタ2aのタ
ーンオン動作は終了する。
【0034】しかし、ここで、回路インダクタンスL1
〜L4が全て零ヘンリーでなかったとすると、負荷電流
の転流期間中においては、回路インダクタンスL1〜L
4に印加される電圧の合計が直流電圧Eボルトになる。
従って、回路インダクタンスL1に電圧が印加されてい
るためにスナバコンデンサ4aが経路4にて放電され、
回路インダクタンスL4に電圧が印加されているために
スナバコンデンサ4bが経路5にて放電される。また、
回路インダクタンスL1、L2、L3に印加される電圧
の合計、もしくは回路インダクタンスL2、L3、L4
に印加される電圧の合計が共にEボルトではないため
に、スナバコンデンサ4aと4bはそれぞれ経路6と経
路7にて放電される。このように、トランジスタ2aタ
ーンオン時の負荷電流の転流期間中には、経路4〜経路
7にてスナバコンデンサ4a、4bが放電される。そし
て、これら経路4〜経路7内におけるスナバ抵抗6a、
6bでは損失が発生する。
【0035】以上のように、回路インダクタンスL1=
L4=零ヘンリーであれば、配線インダクタンスL1、
L4には電圧が印加されず、スナバコンデンサ4a、4
bは放電されない。従ってスナバ抵抗6a、6bでの損
失は発生しない。しかし、実際のインバータ装置におい
て、回路インダクタンスL1とL4を零ヘンリーにする
ことは困難である。そこで、本実施の形態のインバータ
装置では、回路インダクタンスL1〜L4の割合が式
(3)のように、つまり回路インダクタンスL1とL4
との和が、回路インダクタンスL2とL3との和に対し
て充分に小さくなるように構成する。 (L1+L4)≪(L2+L3) (3) これにより、トランジスタ2aターンオン時の負荷電流
の転流期間中、直流電圧Eボルトはほとんど配線インダ
クタンスL2、L3に印加され、回路インダクタンスL
1、L4に印加される電圧を零に近くすることができ
る。そして、スナバコンデンサ4a、4bの放電動作を
抑えることができる。
【0036】次に、トランジスタ2aのターンオフ動作
を説明する。トランジスタ2aのターンオフ動作の初期
状態では、負荷電流は経路2を流れている。この状態か
らトランジスタ2aをターンオフすると、コレクタ−エ
ミッタ間電圧が上昇し始める。そして、その電圧がEボ
ルトになると、トランジスタ2aを流れていた負荷電流
は経路8にバイパスされ、またフリーホイールダイオー
ド3bがオンし、経路1に負荷電流が転流し始める。こ
のとき、スナバコンデンサ4aには、回路インダクタン
スL2に蓄積されたエネルギーと、回路インダクタンス
L3に負荷電流を流すために必要なエネルギーが吸収さ
れる。結局、トランジスタ2aのターンオフ時にスナバ
コンデンサ4aに吸収されるエネルギーの合計は式
(4)となる。
【0037】
【数3】
【0038】つまり、L2+L3=Lヘンリーであれ
ば、L2=LヘンリーでL3=零ヘンリーの場合も、L
2=零ヘンリーでL3=Lヘンリーの場合も、スナバコ
ンデンサ4aに吸収されるエネルギーは同じである。な
お、このエネルギー吸収動作によって、スナバコンデン
サ4aは式(5)に示すようにV1ボルトに過充電され
る。
【0039】
【数4】
【0040】ただし、負荷電流がすべて経路1を流れ始
めると、この過充電分(V1−E)は経路4にて放電さ
れる。そして、スナバコンデンサ4aの電圧がEボルト
になると、トランジスタ2aのターンオフ動作は終了す
る。
【0041】ところで、実際のインバータ装置では回路
インダクタンスL1とL4は零ヘンリーではないので、
トランジスタ2aがターンオフしたときには、回路イン
ダクタンスL2に蓄積したエネルギーと回路インダクタ
ンスL3に負荷電流を流すためのエネルギーと共に、回
路インダクタンスL1に蓄積したエネルギーと、回路イ
ンダクタンスL4に負荷電流を流すために必要なエネル
ギーも、スナバコンデンサ4aに吸収される。今、仮に
L1+L2+L3+L4=Lヘンリーとし、またトラン
ジスタ2のコレクタ−エミッタ間電圧耐量をVMボルト
とすると、式(6)で表される関係が成立していなけれ
ばならない。
【0042】
【数5】
【0043】式(6)のLMは許容される回路インダク
タンス最大値であり、回路インダクタンスL1〜L4の
総和はLMヘンリー以下でなければならない。つまり、
回路インダクタンスL1〜L4についての条件は式
(7)のようになる。 (L1+L2+L3+L4)≦LM (7)
【0044】また、回路インダクタンスL4が零ヘンリ
ーでない場合、負荷電流の経路2から経路1への転流期
間中に回路インダクタンスL4に印加される電圧によっ
て、スナバコンデンサ4bが経路9にて過充電され、経
路9内におけるスナバ抵抗6bでは損失が発生する。し
かし、本発明のインバータ装置のように、回路インダク
タンスL1〜L4が式(3)の関係を満足していれば、
トランジスタ2aターンオフ時の負荷電流の転流期間
中、直流電圧Eボルトはほとんど回路インダクタンスL
2とL3に印加され、回路インダクタンスL1、L4に
印加される電圧を零に近くすることができる。そして、
スナバコンデンサ4bの過充電とスナバ抵抗6bでの損
失を抑えることができる。
【0045】なお、図1に示す負荷電流方向であれば、
トランジスタ2bがターンオン、ターンオフしても状態
は変化しない。また、図1と逆方向、つまり負荷側から
出力端子Oに負荷電流が流れている場合のトランジスタ
2bのターンオン、ターンオフ動作は、上述したトラン
ジスタ2aのそれと同様であるので、ここでは説明を省
略する。
【0046】以上、本実施の形態によるインバータ装置
の設計思想について説明したが、次に、図1に示すイン
バータ装置において、式(3)の回路インダクタンス配
分を実現する具体的な方法について説明する。式(3)
の回路インダクタンス配分を実現する方法は、部品とし
てリアクトルを接続する、構造的に配線インダクタンス
を調整する、直流短絡保護用ヒューズを接続してそのイ
ンダクタンス成分を利用する、以上の各手法を組み合わ
せるなどが挙げられる。
【0047】構造的に配線インダクタンスを調整して、
式(3)の関係を満足させる方法としては、図1におい
てP−P1間、N−N1間の距離を短くして、回路イン
ダクタンスL1、L4を小さくする方法が挙げられる。
この場合、P1は平滑コンデンサ1の正極端子Pの直近
に、またN1は負極端子Nの直近に接続する。さらに、
P−P1間、N−N1間を導体板などを用いて接続する
場合には、それら導体板を並行近接配置することによっ
て磁気的に結合させる。そして、このとき2つの導体板
間に生じる相互インダクタンスの効果によって、P−P
1間、N−N1間のインダクタンスを低減することがで
きる。
【0048】上述した方法による配線インダクタンスL
1とL4の低減効果が充分でなく、式(3)が満足でき
ない場合には、P2−O−N2間を接続する配線を長く
したり、同区間に部品としてリアクトルを接続したりす
れば良い。
【0049】また、図1に示すインバータ装置を実用す
る場合には、トランジスタ2aと2bが共に短絡故障し
たときなどの直流電源短絡を防止するため、P−P1−
P2−O−N2−N1−N間にヒューズを接続するのが
一般的である。このヒューズはそれ自身がインダクタン
ス成分となり、また接続端子などもインダクタンス成分
となる。
【0050】従って、直流電源短絡防止のためにヒュー
ズを使用する場合、上述した式(3)を満たすために
は、図1において回路インダクタンスL2またはL3の
位置、つまりP2−O間またはO−N2間に接続する必
要がある。
【0051】いずれの手段によって式(3)のインダク
タンス配分を実現した場合にも、回路インダクタンスL
1〜L4は必ず式(6)と式(7)の関係を満足してい
る必要がある。
【0052】以上のように、この実施の形態1によれ
ば、回路各部のインダクタンスの配分を、回路インダク
タンスL1とL4との和が、回路インダクタンスL2と
L3との和に対して充分に小さくなるように構成したの
で、トランジスタ2aターンオン時の負荷電流の転流期
間中のスナバコンデンサ4a、4bの放電を抑制するこ
とができ、これによるスナバ抵抗6a、6bでの損失も
抑制することができる。また、トランジスタ2aターン
オフ時の負荷電流の転流期間中のスナバコンデンサ4b
の過充電を抑制することができ、これによるスナバ抵抗
6bでの損失も抑制することができる。
【0053】実施の形態2.図3は、この発明の実施の
形態2によるインバータ装置を示す構成図である。この
インバータ装置では、直流電源は2個の平滑コンデンサ
で構成され、正極端子Pと負極端子Nとの間に中性電位
端子Cを備え、出力端子Oに3値の電圧を出力すること
が可能である。この特徴により、このインバータ装置は
3レベルインバータ装置と呼ばれているものである。本
実施の形態では、上記実施の形態1の設計思想を、この
3レベルインバータ装置に適用した場合の一例について
説明する。
【0054】図において、1a、1bはインバータ装置
の直流電源である平滑コンデンサ、2a、2b、2c、
2dは直流電源1の正極端子と負極端子との間に直列接
続された自己消弧型のスイッチング素子であるトランジ
スタ、3a、3b、3c、3dはトランジスタ2a、2
b、2c、2dにそれぞれ逆並列接続されたフリーホイ
ールダイオードである。また、4a、4b、4c、4d
はスナバコンデンサ、5a、5b、5c、5dはスナバ
ダイオード、6a、6b、6c、6dはスナバ抵抗であ
り、スイッチング素子2a、2b、2c、2dと直流電
源1の正極端子と中性電位端子と負極端子とに接続され
ている。7a、7bはトランジスタ2b、2cと直流電
源1の中性電位端子とに接続されたクランプダイオー
ド、8a、8bはダイオードである。また、Pは直流電
源1の正極端子、Cは直流電源1の中性電位端子、Nは
直流電源1の負極端子、P1〜P4、C1、N1〜N
4、Oはそれぞれ回路の接続点である。また、L1〜L
7は回路インダクタンスである。
【0055】ここで、スナバコンデンサ4aとスナバダ
イオード5aとスナバ抵抗6aによってトランジスタ2
aの、スナバコンデンサ4bとスナバダイオード5bと
スナバ抵抗6bによってトランジスタ2bの、スナバコ
ンデンサ4cとスナバダイオード5cとスナバ抵抗6c
によってトランジスタ2cの、スナバコンデンサ4dと
スナバダイオード5dとスナバ抵抗6dによってトラン
ジスタ2dのクランプ型スナバ回路がそれぞれ構成され
ている。
【0056】また、ダイオード8bはトランジスタ2a
と2bがオン状態にあるときに、スナバコンデンサ4b
がEボルト以上に過充電されるのを防ぎ、またダイオー
ド8cはトランジスタ2cと2dがオン状態にあるとき
に、スナバコンデンサ4cがEボルト以上に過充電され
るのを防いでいる。
【0057】図3のインバータ装置の回路インダクタン
ス成分としては、P−P1間のL1、P2−P3間のL
2、P4−O間のL3、O−N4間のL4、N3−N2
間のL5、N1−N間のL6、そしてC−C1間のL7
などが挙げられる。この回路インダクタンス成分には、
配線によるもの、部品として接続されたリアクトルによ
るもの、ヒューズによるものなどがある。以下、これら
を回路インダクタンスとして説明を行う。
【0058】ここで、P−C間及びC−N間のインダク
タンス成分、すなわち平滑コンデンサ1aと1bの内部
インダクタンスは、回路インダクタンスL1〜L7と比
べて充分に小さいものとする。なお、以下の説明では、
P−C−N間のインダクタンスは零ヘンリーとする。
【0059】また、点線で囲まれた部分、つまりP1−
P2間、P3−P4間、P3−C1間、N2−N1間、
N4−N3間、C1−N3間のインダクタンス成分は、
上述した回路インダクタンスL1〜L7と比べて充分に
小さいものとする。なお、以下の説明では、これらのイ
ンダクタンスは零ヘンリーとする。
【0060】次に動作及び設計思想について説明する。
動作の説明で用いる電流の経路、経路番号を図4に示
す。図において、経路の欄に記載されている数字及び記
号は、上記図3における数字及び記号と同一のものであ
る。
【0061】なお、説明を簡単化するために、特に断ら
ない限りL1=L3=L4=L6=L7=零ヘンリー、
L2=L5=Lヘンリーとする。また、全ての半導体素
子は理想スイッチとして扱うこととする。平滑コンデン
サ1aと1bはそれぞれEボルトの直流電圧源とし、ス
ナバコンデンサ4の静電容量はCSファラッドとする。
負荷電流は出力端子Oから負荷側へ流れており、その電
流方向と電流値Iアンペアは常に変化しないものとす
る。
【0062】まず、トランジスタ2aのターンオン動作
を説明する。この動作の初期状態では、トランジスタ2
aがオフ、2bがオン、2cがオフ、2dがオフ状態で
あり、負荷電流は経路1を流れている。また、スナバコ
ンデンサ4a〜4dの電圧は全てEボルトである。この
状態からトランジスタ2aがターンオンすると、負荷電
流は経路1から経路2へと転流する。このときの転流ル
ープは経路3である。負荷電流の転流期間中、経路3内
の回路インダクタンスL1、L2、L7に印加される電
圧の合計はEボルトであるが、ここでは、L1=L7=
零ヘンリーとしているので、回路インダクタンスL2に
は直流電圧Eボルトが印加される。負荷電流が全て経路
2を流れ、クランプダイオード7aのカソード−アノー
ド間電圧がEボルトになると、このターンオン動作は終
了する。
【0063】しかし、ここで、経路3内の回路インダク
タンスL1、L2、L7が全て零ヘンリーでなかったと
すると、負荷電流の転流期間中においては、回路インダ
クタンスL1、L2、L7に印加される電圧の合計が直
流電圧Eボルトとなる。従って、回路インダクタンスL
1に電圧が印加されているため、経路4にてスナバコン
デンサ4aが放電される。また、回路インダクタンスL
2とL7に印加されている電圧の合計がEボルトより低
いため、経路5にて同じくスナバコンデンサ4aが放電
される。転流期間が終了すると、放電されたスナバコン
デンサ4aは経路6にてEボルトまで再充電される。そ
して、これら経路4〜6内のスナバ抵抗6aでは損失が
発生する。
【0064】以上のように、回路インダクタンスL1=
L7=零ヘンリーであれば、回路インダクタンスL1、
L7に電圧は印加されず、スナバコンデンサ4aは放電
及び再充電されない。従って、スナバ抵抗6aでの損失
は発生しない。しかし、実際のインバータ装置におい
て、回路インダクタンスL1とL7を零ヘンリーにする
ことは困難である。そこで、本実施の形態のインバータ
装置では、回路インダクタンスL1、L2、L7の割合
が式(8)のように、つまり回路インダクタンスL1と
L7との和が、回路インダクタンスL2に対して充分に
小さくなるように構成する。 (L1+L7)≪L2 (8) これにより、トランジスタ2aターンオン時の負荷電流
の転流期間中、直流電圧Eボルトはほとんど回路インダ
クタンスL2に印加され、回路インダクタンスL1、L
7に印加される電圧を零に近くすることができる。そし
て、スナバコンデンサ4aの放電及び再充電動作を抑え
ることができる。
【0065】続いて、トランジスタ2aのターンオフ動
作を説明する。この動作の初期状態では、トランジスタ
2aがオン、2bがオン、2cと2dがオフ状態であ
り、負荷電流は経路2を流れている。また、スナバコン
デンサ4a〜4dの電圧は全てEボルトである。この状
態からトランジスタ2aをターンオフすると、トランジ
スタ2aのコレクタ−エミッタ間電圧が上昇し始める。
そして、その電圧がEボルトになると、クランプダイオ
ード7aがオンし、負荷電流は経路1を流れ始める。こ
のとき、回路インダクタンスL2には式(4)で表され
るエネルギーが蓄積されており、そのエネルギーは経路
7にてスナバコンデンサ4aに吸収され、スナバコンデ
ンサ4aは式(5)で表される電圧V1ボルトまで過充
電される。なお、このエネルギー吸収動作の終了後、ス
ナバコンデンサ4aの過充電分(V1−E)は経路4に
て放電され、その電圧が再びEボルトとなるとトランジ
スタ2aのターンオフ動作は終了する。
【0066】ところで、実際のインバータ装置では回路
インダクタンスL1とL7は零ヘンリーではないので、
トランジスタ2aがターンオフしたときには、回路イン
ダクタンスL2に蓄積したエネルギーと共に、L1に蓄
積したエネルギーと、L7に負荷電流を流すために必要
なエネルギーも、スナバコンデンサ4aに吸収される。
今、仮にL1+L2+L7=Lヘンリーとする。また、
トランジスタ2のコレクタ−エミッタ間電圧耐量をVM
ボルトとすると、式(6)で表される関係が成立してい
なければならない。式(6)のLMは許容される回路イ
ンダクタンス最大値であり、回路インダクタンスL1、
L2、L7の総和はLMヘンリー以下でなければならな
い。従って、回路インダクタンスL1、L2、L7につ
いての条件は式(9)のようになる。 (L1+L2+L7)≦LM (9)
【0067】次に、トランジスタ2bのターンオフ動作
を説明する。この動作の初期状態では、トランジスタ2
aがオフ、2bと2cがオン、2dがオフ状態であり、
負荷電流は経路1を流れている。また、スナバコンデン
サ4a〜4dの電圧は全てEボルトである。この状態か
らトランジスタ2bをターンオフすると、トランジスタ
2bのコレクタ−エミッタ間電圧が上昇し始める。そし
て、その電圧がEボルトになると、フリーホイールダイ
オード3cと3dがオンし、負荷電流は経路1から経路
8へと転流し始める。この転流期間中、スナバコンデン
サ4bには、回路インダクタンスL5に負荷電流Iアン
ペアを流すために必要なエネルギーが経路9にて吸収さ
れる。なお、このエネルギーは式(4)であるので、エ
ネルギー吸収後のスナバコンデンサ4b電圧はV1とな
る。そして、この吸収動作が終了し、負荷電流が全て経
路8を流れ始めると、トランジスタ2bのターンオフ動
作は終了する。
【0068】ところで、実際のインバータ装置では回路
インダクタンスL3、L4、L6、L7は零ヘンリーで
はない。従って、負荷電流の経路1から経路8への転流
期間中、スナバコンデンサ4bに吸収されるエネルギー
は、回路インダクタンスL7とL3に蓄積したエネルギ
ーと、回路インダクタンスL4とL5とL6に負荷電流
を流すために必要なエネルギーの合計となる。ただし、
トランジスタ2のコレクタ−エミッタ間電圧耐量をVM
ボルトとすると、許容される回路インダクタンスは式
(6)によってLMヘンリーに制限される。従って、回
路インダクタンスL3〜L7については、式(10)の
関係が成立していなければならない。 (L3+L4+L5+L6+L7)≦LM (10)
【0069】また、回路インダクタンスL6が零ヘンリ
ーでない場合、負荷電流の経路1から経路8への転流期
間中に回路インダクタンスL6に印加される電圧によっ
て、スナバコンデンサ4dが経路10にて過充電され
る。従って、回路インダクタンスL6は、可能な限り小
さいことが望ましい。
【0070】最後に、トランジスタ2bのターンオン動
作を説明する。この動作の初期状態では、トランジスタ
2aと2bがオフ、2cがオン、2dがオフ状態であ
り、負荷電流は経路8を流れている。また、スナバコン
デンサ4bは、先のトランジスタ2bのターンオフ動作
時に吸収したエネルギーによって過充電状態にある。そ
の他のスナバコンデンサ4a、4c、4dの電圧はEボ
ルトである。この状態からトランジスタ2bがターンオ
ンすると、負荷電流は経路8から経路1へと転流する。
このときの転流ループは経路11である。負荷電流の転
流期間中、経路11内の回路インダクタンスL3〜L7
に印加される電圧の合計はEボルトであるが、ここでは
L3=L4=L6=L7=零ヘンリーであるため、回路
インダクタンスL5に直流電圧Eボルトが印加される。
【0071】また、トランジスタ2bがターンオンする
と、過充電状態にあったスナバコンデンサ4bは経路1
2にて放電される。負荷電流が全て経路1を流れて、フ
リーホイールダイオード3dのカソード−アノード間電
圧がEボルトになり、またスナバコンデンサ4bの電圧
がEボルトになると、トランジスタ2bのターンオン動
作は終了する。
【0072】しかし、ここで、経路11内の回路インダ
クタンスL3〜L7が全て零ヘンリーでなかったとする
と、負荷電流の転流期間中においては、回路インダクタ
ンスL3〜L7に印加される電圧の合計が直流電圧Eボ
ルトとなる。従って、回路インダクタンスL6に電圧が
印加されているため、経路13にてスナバコンデンサ4
dが放電される。なお、転流期間が終了すると、放電さ
れたスナバコンデンサ4dは経路10にてEボルトまで
再充電される。経路10、経路13内にあるスナバ抵抗
6dでは損失が発生する。従って、回路インダクタンス
L6は可能な限り小さいことが望ましい。
【0073】また、負荷電流方向が図3と逆方向、つま
り負荷側から出力端子Oに負荷電流が流れている場合
の、トランジスタ2c、2dのターンオン、ターンオフ
動作は、上述したトランジスタ2a、2bのそれと同様
であるので、説明は省略する。この場合、回路動作の対
称性を考慮すると、式(8)から式(11)が、式
(9)から式(12)が、また式(10)から式(1
3)がそれぞれ得られる。 (L6+L7)≪L5 (11) (L5+L6+L7)≦LM (12) (L1+L2+L3+L4+L7)≦LM (13) 負荷電流が負荷側から出力端子Oに流れている場合、式
(11)に示すように、回路インダクタンスL6とL7
との和が、回路インダクタンスL5に対して充分に小さ
くなるようにすれば、トランジスタ2dターンオン時の
負荷電流の転流期間中のスナバコンデンサ4dの放電及
び再充電を抑制することができ、これによるスナバ抵抗
6dでの損失も抑制することができる。
【0074】以上、本実施の形態によるインバータ装置
の設計思想について説明したが、ここからは、図3に示
すインバータ装置において、式(8)及び式(11)の
回路インダクタンス配分を実現する具体的な方法につい
て説明する。式(8)及び式(11)の回路インダクタ
ンス配分を実現する方法は、上記実施の形態1と同様
に、部品としてリアクトルを接続する、構造的に配線イ
ンダクタンスを調整する、直流短絡保護用ヒューズを接
続してそのインダクタンス成分を利用する、以上の各手
法を組み合わせるなどが挙げられる。
【0075】構造的に配線インダクタンスを調整して、
式(8)及び式(11)の関係を満足させる方法として
は、図3においてP−P1間、N−N1間、C−C1間
の距離を短くして、配線リアクトルL1、L6、L7を
小さくする方法が挙げられる。この場合、P1は平滑コ
ンデンサ1の正極端子Pの直近に、N1は負極端子Nの
直近に、そしてC1は中性電位端子Cの直近に接続す
る。さらに、P−P1間、N−N1間、C−C1間を導
体板などを用いて接続する場合には、P−P1間を接続
する導体板とC−C1間を接続する導体板を並行近接配
置し、またC−C1間を接続する導体板とN−N1間を
接続する導体板も並行近接配置することによって磁気的
に結合させる。そして、このときそれぞれの導体板間に
生じる相互インダクタンスの効果によって、P−P1
間、N−N1間、C−C1間のインダクタンスを低減す
ることができる。
【0076】上述した方法による配線インダクタンスL
1、L6、そしてL7の低減効果が充分でなく、式
(8)、式(9)が満足できない場合には、P2−P3
間、N3−N2間を接続する配線を長くしたり、同区間
に部品としてリアクトルを接続したりすれば良い。
【0077】また、図3に示すインバータ装置を実用す
る場合には、トランジスタ2a〜2dが全て短絡故障し
た場合や、トランジスタ2aとクランプダイオード7a
が共に短絡故障した場合などの直流電源短絡を防止する
ため、P−P1−P2−P3−C1−C間と、C−C1
−N3−N2−N1−N間にそれぞれヒューズを接続す
るのが一般的である。このヒューズはそれ自身がインダ
クタンス成分となり、また接続端子などもインダクタン
ス成分となる。
【0078】従って、直流電源短絡防止のためにヒュー
ズを使用する場合、上述した式(8)及び式(11)を
満たすためには、図3において回路インダクタンスL2
とL5の位置、つまりP2−P3間とN3−N2間に接
続する必要がある。
【0079】いずれの手段によって式(8)、式(1
1)のインダクタンス配分を実現した場合にも、回路イ
ンダクタンスL1〜L7は必ず式(6)、式(9)、式
(10)、式(12)、及び式(13)の関係を満足し
ている必要がある。
【0080】以上のように、この実施の形態2によれ
ば、回路各部のインダクタンスの配分を、回路インダク
タンスL1とL7との和が、回路インダクタンスL2に
対して充分に小さくなるように構成したので、負荷電流
が出力端子Oから負荷側に流れている場合、トランジス
タ2aターンオン時の負荷電流の転流期間中のスナバコ
ンデンサ4aの放電及び再充電を抑制することができ、
これによるスナバ抵抗6aでの損失も抑制することがで
きる。
【0081】また、回路インダクタンスL6とL7との
和が、回路インダクタンスL5に対して充分に小さくな
るように構成したので、負荷電流が負荷側から出力端子
Oに流れている場合、トランジスタ2dターンオン時の
負荷電流の転流期間中のスナバコンデンサ4dの放電及
び再充電を抑制することができ、これによるスナバ抵抗
6dでの損失も抑制することができる。
【0082】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素
子との間のインダクタンスを、直流電源の正極端子と第
1のスイッチング素子との間のインダクタンスと、直流
電源の負極端子と第2のスイッチング素子との間のイン
ダクタンスとの和より大きくしたので、スナバ抵抗で発
生する損失を抑制して、効率の良いインバータ装置を得
る効果がある。
【0083】また、請求項2記載の発明によれば、第1
のスイッチング素子と第2のスイッチング素子との間の
インダクタンスをヒューズで構成するので、スナバ抵抗
で発生する損失を抑制して、効率の良いインバータ装置
を得る効果がある。
【0084】また、請求項3記載の発明によれば、第1
のスイッチング素子と第2のスイッチング素子との間の
インダクタンスを、直流電源の正極端子と第1のスイッ
チング素子との間のインダクタンスと、直流電源の中性
電位端子と第1及び第2のダイオードとの間のインダク
タンスとの和より大きく、且つ第3のスイッチング素子
と第4のスイッチング素子との間のインダクタンスを、
直流電源の中性電位端子と第1及び第2のダイオードと
の間のインダクタンスと、直流電源の負極端子と第4の
スイッチング素子との間のインダクタンスとの和より大
きくしたので、スナバ抵抗で発生する損失を抑制して、
効率の良いインバータ装置を得る効果がある。
【0085】また、請求項4記載の発明によれば、第1
のスイッチング素子と第2のスイッチング素子との間の
インダクタンス及び第3のスイッチング素子と第4のス
イッチング素子との間のインダクタンスをヒューズで構
成するので、スナバ抵抗で発生する損失を抑制して、効
率の良いインバータ装置を得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるインバータ装
置を示す構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態1によるインバータ装
置の電流経路を示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態2によるインバータ装
置を示す構成図である。
【図4】 この発明の実施の形態2によるインバータ装
置の電流経路を示す図である。
【図5】 従来のインバータ装置を示す構成図である。
【図6】 従来のインバータ装置の電流経路を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 平滑コンデンサ、2a、2b、2c、2d 自己消
弧型スイッチング素子、3a、3b、3c、3d フリ
ーホイールダイオード、4a、4b、4c、4dスナバ
コンデンサ、5a、5b、5c、5d スナバダイオー
ド、6a、6b、6c、6d スナバ抵抗、7a、7b
クランプダイオード、8a、8b ダイオード
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H03K 17/66 H03K 17/66 C

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電源と、この直流電源の正極端子と
    負極端子との間に直列接続された第1のスイッチング素
    子及び第2のスイッチング素子、上記直流電源の負極端
    子と上記第1のスイッチング素子との間に接続された第
    1のスナバ回路、上記直流電源の正極端子と上記第2の
    スイッチング素子との間に接続された第2のスナバ回路
    を備えたインバータ装置において、上記第1のスイッチ
    ング素子と上記第2のスイッチング素子との間のインダ
    クタンスを、上記直流電源の正極端子と第1のスイッチ
    ング素子との間のインダクタンスと、上記直流電源の負
    極端子と上記第2のスイッチング素子との間のインダク
    タンスとの和より大きくしたことを特徴とするインバー
    タ装置。
  2. 【請求項2】 第1のスイッチング素子と第2のスイッ
    チング素子との間のインダクタンスをヒューズで構成す
    ることを特徴とする請求項1記載のインバータ装置。
  3. 【請求項3】 中性電位端子を有する直流電源と、この
    直流電源の正極端子と負極端子との間に直列接続された
    第1乃至第4のスイッチング素子、上記直流電源の中性
    電位端子と上記第1のスイッチング素子との間に接続さ
    れた第1のスナバ回路、上記直流電源の負極端子と上記
    第2のスイッチング素子との間に接続された第2のスナ
    バ回路、上記直流電源の正極端子と上記第3のスイッチ
    ング素子との間に接続された第3のスナバ回路、上記直
    流電源の中性電位端子と上記第4のスイッチング素子と
    の間に接続された第4のスナバ回路、上記直流電源の中
    性電位端子と上記第2のスイッチング素子との間に接続
    された第1のダイオード、上記直流電源の中性電位端子
    と上記第3のスイッチング素子との間に接続された第2
    のダイオードを備えたインバータ装置において、上記第
    1のスイッチング素子と上記第2のスイッチング素子と
    の間のインダクタンスを、上記直流電源の正極端子と上
    記第1のスイッチング素子との間のインダクタンスと、
    上記直流電源の中性電位端子と上記第1及び第2のダイ
    オードとの間のインダクタンスとの和より大きく、且つ
    上記第3のスイッチング素子と上記第4のスイッチング
    素子との間のインダクタンスを、上記直流電源の中性電
    位端子と上記第1及び第2のダイオードとの間のインダ
    クタンスと、上記直流電源の負極端子と上記第4のスイ
    ッチング素子との間のインダクタンスとの和より大きく
    したことを特徴とするインバータ装置。
  4. 【請求項4】 第1のスイッチング素子と第2のスイッ
    チング素子との間のインダクタンス及び第3のスイッチ
    ング素子と第4のスイッチング素子との間のインダクタ
    ンスをヒューズで構成することを特徴とする請求項3記
    載のインバータ装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005167535A (ja) * 2003-12-02 2005-06-23 Fuji Electric Holdings Co Ltd 半導体スイッチング回路
CN102263488A (zh) * 2010-05-31 2011-11-30 无锡维赛半导体有限公司 低开关损耗的桥式电路

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