JPH11696A - 汚泥等から重金属類を除去する装置並びにその装置の運転方法 - Google Patents

汚泥等から重金属類を除去する装置並びにその装置の運転方法

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JPH11696A
JPH11696A JP15563497A JP15563497A JPH11696A JP H11696 A JPH11696 A JP H11696A JP 15563497 A JP15563497 A JP 15563497A JP 15563497 A JP15563497 A JP 15563497A JP H11696 A JPH11696 A JP H11696A
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sludge
heavy metals
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dehydrator
elution
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JP15563497A
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Susumu Mori
享 森
Yasunobu Kajiwara
泰信 梶原
Masafumi Nasu
政文 那須
Kunio Fujita
邦夫 藤田
Hideaki Kameyama
英明 亀山
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Ishigaki Co Ltd
Original Assignee
Ishigaki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 下水汚泥等から有害な重金属類化合物を分離
除去する方法並びに除去装置を提供する。 【解決手段】 下水汚泥等に含まれる重金属類化合物を
分離除去するのに、汚泥に鉄塩を添加してpHを3.5
〜4.5に調整した後、次亜塩素酸ソーダを加えて汚泥
の酸化還元電位の制御範囲を500mv〜750mvと
して24時間以上亜鉛の溶出操作を継続するようにし
た。溶出液を分離して取出すことによって重金属類が分
離された汚泥を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下水等の処理工程
から発生する汚泥中に含まれる重金属化合物を分解・溶
出させた後、固液分離して汚泥より重金属類・とくに亜
鉛を除去または減少させる方法の装置及びその運転方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】下水等の処理工程から発生する汚泥中に
は、亜鉛、銅、カドミウム、ニッケル、水銀、クロム、
マンガン等の重金属類が含まれる。従来、これらの重金
属を含む汚泥は、重金属類の除去または低減処理を行わ
ず脱水機を用いて固液分離を行ない、脱水ケーキのまま
での埋め立て処分、脱水ケーキの焼却処分後、焼却灰の
投棄を行なう方法が主として実施されている。これらの
方法は、最終処分地に有害重金属が多量に集積され、浸
出液による周辺環境を汚染する等の問題点がある。近
年、環境保全と資源の再利用の観点から、汚泥の有効利
用が強く要請される状勢となり、まだ一部ではあるがコ
ンポスト化での緑農地への還元や焼却灰を利用した建築
資材の製造などが行われている。汚泥のコンポスト化に
よる緑農地への還元は、有機質に富み、この他に窒素、
リンなどの肥料成分を含む汚泥特性を生かした方法であ
る。しかし、汚泥中に含まれる重金属類、特に多量に含
まれる亜鉛が問題となっている。これは、緑農地へ散布
された汚泥中の重金属類は、土壌に蓄積され作物の生育
障害となったり、また、植物に吸収され食物連鎖で我々
人間に戻って来る危惧があるからである。これらの視点
から、最近汚泥中から重金属類を除去する方法が種々提
案されている。具体的には(1)硫酸、塩酸、硝酸など
の酸、またはこれらの酸と鉄塩を併用して汚泥中から重
金属類を溶出させた後、固液分離する方法。(2)鉄酸
化細菌あるいはイオウ酸化細菌単独か、または鉄酸化細
菌と硫酸鉄を併用して、汚泥中から重金属類を溶出させ
た後、固液分離する方法。(3)塩化第二鉄と次亜塩素
酸ソーダを用いて汚泥中から重金属類を溶出させた後、
固液分離する方法。などがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】汚泥中から重金属類を
除去する上記の方法において、硫酸、塩酸、硝酸などの
酸、またはこれらの酸と鉄塩を併用して汚泥中から重金
属類を溶出させる方法及び塩化第二鉄と次亜塩素酸ソー
ダを用いて汚泥中から重金属類を溶出させる方法では、
処理効果を高くそして確実にするためには、被処理汚泥
をpHを3.5以下程度とする必要があること、及び重
金属のキレート化合物の不安定化と高酸化還元電位を保
持させるために、添加する酸または鉄塩及び次亜塩素酸
ソーダ等の薬剤量を多くしなければならない。また、微
生物及び微生物と硫酸鉄を併用する方法では、処理効果
がバラつくなどの問題点がある。しかも、溶出操作にお
ける被処理汚泥の低pHは、固液分離を行うための高分
子凝集剤の効果を無くしたり、または多量の添加をしな
ければ脱水操作が不安定となり、アルカリ剤によるpH
調整などの薬剤と操作が必要となる。何れの方法におい
ても、従来の汚泥脱水処理の上に、さらに重金属除去操
作が付加されるため、操作が簡易でしかも処理コストが
極力安いことが望まれる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等はこれらの問
題点に着目して、上記の塩化第二鉄と次亜塩素酸ソーダ
を用いる方法よりは、溶出時間は長くかかるが使用する
薬剤量が削減でき、しかも処理効果が確実で操作が簡単
な方法を提供しようとするものである。その方法は、ま
ず所定量の汚泥に鉄塩を添加して汚泥pHを3.5〜
4.5程度に調整し、次に次亜塩素酸ソーダを加えて汚
泥の酸化還元電位を650mv前後とする。この状態か
らエアーリフトを用いた混合攪拌による溶出操作を継続
していくと、反応の進行に伴って被処理汚泥のpHは徐
々に上昇し、酸化還元電位は段々低下してくる。このよ
うな溶出条件の変動に対して、酸化還元電位が500〜
750mvの範囲となるように次亜塩素酸ソーダ添加量
を連続または間欠で制御して一日以上、必要に応じ2〜
4日間溶出操作を継続する。この溶出操作の途中で、次
の所定量の汚泥に鉄塩と次亜塩素酸ソーダを加えて溶出
条件を整えたものを追加投入する。このように処理汚泥
の投入は間欠で、溶出は連続で行ないながら所定時間の
溶出操作を経過した処理汚泥を間欠で引き抜き、次の工
程へ移送する。この操作で汚泥中に含まれる亜鉛の80
%以上が溶出したものとなる。次に、この処理液をpH
調整せず、そのままの状態に高分子凝集剤を添加して調
質を行なった後、脱水機を用いて固液分離を行うと、亜
鉛が除去された汚泥固形物と、分離した重金属類を含む
脱水ろ液が得られる。脱水ケーキは、消石灰または水酸
化マグネシウムを添加して混練を行ないpHを7〜9と
するとコンポスト化原料に非常に適性なものとなる。一
方、重金属類を多く含む脱水ろ液にもアルカリ剤を加え
てpHを10として、溶解している重金属類を析出・凝
集沈殿させる。そして、凝集沈殿させた濃縮液を脱水機
を用いて固液分離し、重金属類を回収する。(図2参
照)上記のように、エアーリフト攪拌方式を用いた溶出
装置とこのような運転方法を実施することによって、塩
化第二鉄と次亜塩素酸ソーダを用いてpHを3.5以
下、酸化還元電位を700mv以上とする方法に比べ
て、溶出のために必要な塩化第二鉄を大幅に削減でき、
しかも処理液の固液分離の際のpH調整のためのアルカ
リ剤が不要となるなどの処理コストが低減できる。下水
処理場で発生する汚泥量は、下水処理場の規模によって
異なり流域下水処理場、都市下水処理場等では大量の汚
泥が発生し、その汚泥処理は連続処理方式が実施されて
いるが、集落排水処理場、小規模下水処理場等では発生
汚泥量が少量であるため、発生汚泥を一時貯留しておき
数日間に一度の間欠で汚泥処理運転がなされるのが通常
である。このように、処理場の規模によって汚泥処理の
運転方式が異なるために、重金属の除去装置とその運転
方式も、汚泥処理の運転方式にマッチするものでなけれ
ばならない。本方式は、中規模下水処理場に適する方式
である。
【0005】
【発明の実施の形態】下水汚泥中には、亜鉛、銅、クロ
ム、ニッケル、水銀、マンガン、その他の重金属類が含
まれるが、最近では生活排水に由来する亜鉛が特に多く
含まれ、コンポスト化を行ない緑農地還元を行う場合、
この亜鉛量が問題となっている。汚泥中に含まれる重金
属類、特に亜鉛は有機物とのキレートまたは錯体など形
態及び硫化物そして炭酸塩などの化合物を形成している
ものが多い。炭酸塩及び硫化物等の無機化合物は、塩酸
等の酸に溶けて容易に溶出するが有機物とキレートまた
は錯体化合物を形成しているものは、酸のみを用いる方
法では困難である。我々が提示する方法は、塩化第二鉄
による酸化と次亜塩素酸ソーダより生成する塩素による
有機態化合物の不安定化作用によって、汚泥中から亜鉛
を酸化溶出させるのに特に有効である。この反応を制御
するための要因として、被処理汚泥のpHと酸化還元電
位を用いる。この方法を、さらに詳細に説明すると以下
の通りである。下水汚泥中の重金属類、特に亜鉛を溶出
させて除去するためには、被処理汚泥の化学的な性状を
亜鉛が溶存し得るpH6以下、酸化還元電位を−800
mv以上とする。次に、汚泥中の重金属類を酸化するた
めには3価の鉄イオンが存在することが重要であるた
め、被処理汚泥pHが3.5〜4.5の範囲で、添加さ
れる次亜塩素酸ソーダから生成する塩素によって酸化さ
れて3価の鉄イオンにするため、2価の鉄イオンが溶存
する条件の酸化還元電位を500mv程度以上とするこ
とが必要である。具体的には、汚泥に塩化第二鉄と次亜
塩素酸ソーダを添加してpHを3.5前後、酸化還元電
位を約650mv程度とし、混合攪拌による溶出を開始
する。この溶出操作を24時間継続すると汚泥pHが4
前後に上り、酸化還元電位が500mv程度に低下して
くる。これに次亜塩素酸ソーダを再添加して、酸化還元
電位を650mv程度に戻す。酸化還元電位をこのよう
に制御しながら、約3日以上溶出操作を継続すると汚泥
中に含有されている亜鉛量の70%以上が溶出する。
【0006】
【実施例】下水処理場で実際に発生している表−1に示
す性状の混合生汚泥を用いて、塩化第二鉄を添加して、
汚泥pHを3.5〜4.5に調整した後、次亜塩素酸ソ
ーダを加えて一日毎に酸化還元電位を500〜750m
vで制御しながら168時間連続溶出操作を継続した。
そして、この間の汚泥の出し入れは一日毎に最初の当入
量の1/5量とした。このような操作における亜鉛の溶
出率を表−2、図−1に、この処理液に高分子凝集剤を
添加してスクリュープレスでろ過脱水して生成した脱水
ケーキの性状を表−3に示す。
【0007】
【表1】
【0008】
【表2】
【0009】
【表3】
【0010】上記脱水ケーキに水酸化マグネシウムを添
加してpHを8.5に調整したものについて、環境庁告
示13号に基づく溶出試験結果を表−4に示す。
【0011】
【表4】
【0012】溶出した亜鉛を分離した脱水ろ液に、アル
カリ剤を添加してpHを10に調整した後、凝集沈殿濃
縮スラッジを加圧脱水機にてろ過脱水した回収ケーキの
性状を表−5に示す。
【0013】
【表5】
【0014】
【発明の効果】実施例から分かるように、被処理汚泥p
Hを3.5〜4に調整し、酸化還元電位を500〜75
0mvの範囲で制御しながら、汚泥の出し入れを一日ご
とに間欠で行う処理方式を行うことによって、汚泥中の
亜鉛量の70%以上を除去することができる。このよう
な処理方法は、添加する塩化第二鉄の量を大幅に低減す
ることができ、また処理液のろ過脱水のためのアルカリ
剤によるpH調整も必要なくなり、さらに溶出操作のた
めの維持管理作業も簡易化されるものとなる。溶出槽の
容量が増大してもエアーリフト式混合攪拌機を用いるこ
とによって、低動力で容易に均一混合攪拌がなされると
ともに、空気の酸化作用も補足される。そして、この処
理方法で亜鉛が除去された汚泥は残留亜鉛の溶出が抑制
されたものであり、肥料要素であるマグネシウムが添加
されているのでコンポスト原料及び土壌改良剤として、
緑農地還元に非常に適性なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る処理方法による酸化還元電位と
溶出率の推移グラフである。
【図2】この発明に係る処理方法のフローシート図面で
ある
【符号の説明】 1 溶出槽 1a 撹拌機 3 脱水機 4 中和機 5 凝集沈殿槽 6 脱水機

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 汚泥中から重金属類を溶出させるため
    の、塩化第二鉄と次亜塩素酸ソーダの添加装置を備え、
    これらと汚泥との混合攪拌のためのエアーリフト式混合
    攪拌機1aを設けた亜鉛の溶出槽1と、この溶出槽1の
    後段に位置して処理した汚泥を固液分離するための脱水
    機3と、この脱水機3の後段に位置して脱水機3から生
    成する脱水ケーキにアルカリ剤を添加する中和機4を設
    けるとともに、一方、脱水機3からの分離液にアルカリ
    剤を添加して分離液中の溶解物を析出させ、その析出物
    を凝集沈殿させる凝集沈殿槽5と、更にこの凝集沈殿槽
    5内に沈降濃縮したスラッジを固液分離するための脱水
    機6からなる汚泥等から重金属類を除去する装置。
  2. 【請求項2】 下水汚泥等に含まれる重金属類を化学的
    な処理によって溶出させて除去する方法において、汚泥
    に鉄塩を添加して汚泥pHを3.5〜4.5に調整した
    後、次亜塩素酸ソーダを加えて汚泥の酸化還元電位の制
    御範囲を500mv〜750mvとして、重金属類を溶
    出させるに当たり、その溶出操作を溶出槽内で24時間
    以上滞溜させて行うことを特長とする汚泥等から重金属
    類を除去する装置の運転方法。
JP15563497A 1997-06-13 1997-06-13 汚泥等から重金属類を除去する装置並びにその装置の運転方法 Pending JPH11696A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113171584A (zh) * 2021-04-26 2021-07-27 天津海成能源工程技术有限公司 一种脱除vcm装置高沸物铁离子的脱铁液及脱除方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113171584A (zh) * 2021-04-26 2021-07-27 天津海成能源工程技术有限公司 一种脱除vcm装置高沸物铁离子的脱铁液及脱除方法
CN113171584B (zh) * 2021-04-26 2022-07-01 天津海成能源工程技术有限公司 一种脱除vcm装置高沸物铁离子的脱铁液及脱除方法

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