JPH1168125A - 感度可変導波路型の半導体受光素子 - Google Patents
感度可変導波路型の半導体受光素子Info
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Abstract
つ低価格の光加入者系モジュール用受光素子を提供す
る。 【解決手段】 本受光素子10は、導波路型受光素子領
域12と、受光素子領域の前段に設けられた光減衰領域
14とをモノリシック集積した光減衰器集積導波路型受
光素子として構成されている。本受光素子は、n−In
P基板16上に順次に形成された、InP下部クラッド
層18、光導波路層20、InP上部クラッド層22、
及びGaInAsコンタクト層24から構成され、分離
溝26により受光素子領域12と光減衰領域14とに分
離されている。バンドギャップ・エネルギーが1.35
eVの上部InPクラッド層22とバンドギャップ・エ
ネルギーが0.85eVのGaInAsP光導波路層2
0bとの間にバンドギャップ・エネルギーが1.0eV
で厚さ5nmのGaInAsP中間層32を介在させて
いる。
Description
の半導体受光素子に関し、更に詳細には、大きな入力の
光信号に対しても線形性の良好な出力信号を出力する、
ダイナミックレンジの広い、光通信システムでの使用に
最適な、感度可変導波路型の半導体受光素子に関するも
のである。
低価格化には、入射光強度に依存することなく一定の吸
収光電流を得る、即ち大きな入力の光信号に対しても線
形性の良好な出力信号を出力する受光素子を提供するこ
とが重要であって、その実現を目指して研究が進んでい
る。そして、それを原理的に可能にする導波路型受光素
子として、感度可変導波路型の半導体受光素子が提案さ
れている。感度可変導波路型の半導体受光素子は、導波
路型受光素子領域と、その前段に配置された感度可変素
子領域とから構成され、入力光信号の信号強度を減衰さ
せる光減衰器を感度可変素子として採用した光減衰器集
積導波路受光素子が提案されている。光減衰器領域は、
電圧を印加することにより、光導波路層の光吸収を増大
させ、受光素子領域で受光される光量を減衰させる機能
を有する。
集積導波路受光素子の基本的構成を説明する。従来の光
減衰器集積導波路受光素子40は、導波路型受光素子領
域12と、その前段に配置され、受光素子領域で受光さ
れる光量を減衰させる機能を有する光減衰器として形成
された光減衰素子領域14とから構成されている。n−
InP基板16上に順次に形成された、InP下部クラ
ッド層18、光導波路層20、InP上部クラッド層2
2、及びGaInAsコンタクト層24から構成されて
いる。受光素子領域12及び光減衰素子領域14は、コ
ンタクト層24を分離し、上部クラッド層22を段違い
に形成して成るスリット状の切り欠き分離溝26により
p電極側で電気的に分離され、それぞれの領域12、1
4のコンタクト層24上にp電極28a、28bが形成
されている。また、基板16の裏面にはn電極30が形
成され、接地されている。光減衰素子領域14の光導波
路層20bは、受光素子領域12の光導波路層20aよ
りも禁制帯幅が大きな半導体層により形成され、受光素
子領域の動作波長に対する光吸収が無視できるほど小さ
い透明導波路として構成されている。
積層したヘテロ接合構造では、エネルギー的にはフェル
ミ準位が一致するように伝導帯及び価電子帯が曲がり、
ヘテロ接合界面でバンド不連続が生じる。特に、p型の
価電子帯のバンド不連続は、スパイク形状になり、受光
素子や光変調器では、光吸収により励起されたホール
が、ヘテロ界面に蓄積されるようになる。この現象は、
ホールのパイルアップとして、例えばD.Meglio, et.,a
l.,IEEEJ,Quantum-Electron, 31, pp.261-268
,1995に報告されている。これにより、感度可変領域
の光導波路層に印加される電界が低下し、入力光信号に
対する出力光信号には、非線形性が現れる。つまり、入
射光強度が大きい場合、吸収係数が低下する。
変導波路型の半導体受光素子、例えば光減衰器集積導波
路受光素子では、感度可変領域として備えられた光減衰
器は、光導波路層とクラッド層との間にヘテロ接合構造
を有する。このために、ホールのパイルアップの影響が
感度可変領域に現れることになり、入射光強度に対する
出力光強度の線形性を維持することが困難になる。そし
て、その結果、受光素子の歪み特性が劣化し、光加入系
モジュールの低価格化に必要な感度可変導波路型の半導
体受光素子を実現することが難しくなっている。
の影響を抑制して、入射光強度の線形性が良好で、広い
ダイナミックレンジを有し、低歪特性かつ低価格の光加
入者系モジュール用受光素子の提供を行うことを目的と
する。
に、本発明に係る感度可変導波路型の半導体受光素子
は、バンドギャップ・エネルギーがE1の光導波路層と
バンドギャップ・エネルギーがE2の光閉じ込め層とを
有して入力光信号の信号強度を減衰させる光減衰素子領
域と、光減衰素子領域の後段に配置された導波路型受光
素子領域とを備える感度可変導波路型の半導体受光素子
であって、光減衰素子領域では、光導波路層と光閉じ込
め層間に、光導波路層と同じ元素で構成され、E1<E
3<E2で規定されるE3のバンドギャップ・エネルギ
ーを有する少なくとも一層の半導体中間層が形成されて
いることを特徴としている。
が光導波路層と光閉じ込め層のそれぞれのバンドギャッ
プ・エネルギーの大きさの中間にある半導体中間層を双
方の間に介在させることにより、光導波路層と光閉じ込
め層との間のバンド不連続を緩和して、ホールのパイル
アップの影響を防ぎ、電圧印加時の非線形応答を抑制す
ることにより、入射光強度に対す出力線形性が良好な広
いダイナミックレンジと低歪特性を達成している。本発
明は、光導波路層の構成元素を問わず適用でき、例えば
GaInAsP系、AlGaAs系、AlGaInP
系、AlGaInN系、AlGaInAsPN系などの
元素系で構成した感度可変導波路受光素子に好適であ
る。また、半導体中間層によるバンド不連続の緩和作用
をより効果的にするためには、半導体中間層のバンドギ
ャップ・エネルギーE3が、E3a(E3a>E1)か
らE3b(E3b<E2)まで連続的に増大するよう
に、半導体中間層が構成されているようにする。半導体
中間層の成膜は、既知の有機金属気層成長法、分子線エ
ピタキシャル法、化学線エピタキシャル法等により行
う。また、好適には、半導体中間層の層厚tはt≧2n
mである。
を参照して、本発明の実施の形態を具体的かつ詳細に説
明する。実施例 本実施例は、本発明に係る感度可変導波路型の半導体受
光素子の実施例の一つであって、図1は感度可変導波路
型の半導体受光素子の本実施例の構成を示す模式的な断
面図である。本実施例の感度可変導波路型の半導体受光
素子10は、感度可変導波路型の半導体受光素子として
構成された光減衰器集積導波路型受光素子であって、導
波路型受光素子領域12と、入力光信号の信号強度を減
衰させるために、導波路型受光素子領域12の前段に設
けられた光減衰素子領域14とをモノリシック集積した
受光素子である。感度可変導波路型受光素子10は、光
減衰素子領域14において、逆バイアス電圧(Vatt )
を印加するとフランツ・ケルディッシュ効果により吸収
係数が増大し、後段の受光素子領域12に到達する光信
号光強度を減衰することが出来る。
6上に順次に形成された、層厚2μmのInP下部クラ
ッド層18、光導波路層20、層厚2μmでバンドギャ
ップ・エネルギーが1.35eVのInP上部クラッド
層22、及び層厚0.3μmのGaInAsコンタクト
層24から構成されている。受光素子領域12及び光減
衰素子領域14は、コンタクト層24を分離し、上部ク
ラッド層22を段違いに形成して成るスリット状の切り
欠き分離溝26によりp電極側で電気的に分離され、そ
れぞれの領域12、14のコンタクト層24上にp電極
28a、28bが形成されている。また、基板16の裏
面にはn電極30が形成され、接地されている。
は、層厚(datt )が0.8μmでバンドギャップ・エ
ネルギーが0.85eVのGaInAsP光導波路層2
0bとして構成され、受光素子領域12では、層厚(d
pd)が1.5μmのGaInAs光導波路層20aとし
て構成されている。。光減衰素子領域14のGaInA
sP光導波路層20bは、その禁制帯幅(バンドギャッ
プ・エネルギー)が受光素子領域12のGaInAs光
導波路層20aよりも大きく、受光素子の動作波長に対
して光吸収が無視できるほど小さい透明導波路である。
層22とは、異種半導体接合となるために、その接合界
面においてエネルギーバンドの不連続が生じる。特に、
価電子帯においては、バンド不連続はスパイク形状とな
り、光励起されたホールが蓄積される。その結果、Ga
InAsP光導波路層20b及びGaInAs光導波路
層20aに印加される電界強度が低下し、入力光信号に
対する出力光信号には、非線形性が現れる。このため、
入射光強度に対する出力光強度の線形性が良好な、広い
ダイナミックレンジで、低歪特性の受光素子の実現が困
難となる。
素子10の光減衰素子領域14では、ヘテロ接合界面で
のエネルギーバンドの不連続を緩和するために、図1に
示すように、バンドギャップ・エネルギーが1.35e
Vの上部InPクラッド層22とバンドギャップ・エネ
ルギーが0.85eVのGaInAsP光導波路層20
bとの間にバンドギャップ・エネルギーが1.0eVで
厚さ5nmのGaInAsP半導体中間層32を介在さ
せている。図2(a)は、GaInAsP半導体中間層
32を介在させた光減衰素子領域14のエネルギーバン
ド図である。
は、有機金属気層成長装置、分子線エピタキシャル装
置、化学線エピタキシャル装置などを使って形成でき
る。尚、p−InP基板上に光減衰器集積導波路受光素
子を作成した場合、下部InPクラッド層18と光導波
層20a、20bとの異種接合界面で上述のホールの蓄
積に起因する入力光信号に対する出力光信号の非線形応
答が問題となる。本発明によれば、p−InP基板上
に、入射光強度の線形性が良好な広いダイナミックレン
ジと低歪特性の感度可変導波路型の半導体受光素子を実
現できる。
連続を緩和する別の例であって、感度可変導波路型受光
素子10に設ける厚さ5nmのGaInAsP半導体中
間層として、バンドギャップ・エネルギーが不連続に変
化する実施例1の半導体中間層32に代えて、バンドギ
ャップ・エネルギーが0.85eVから1.35eVま
で連続的に増大するグレーデッド層34を介在させてい
る。図2(b)は、グレーデッド層34を介在させた光
減衰素子領域のエネルギーバンド図である。
備えていない、図1に示す層構造を有する受光素子は、
従来例であって、図2(c)は、その光導波層近傍のエ
ネルギーバンド図を示している。
可変導波路型受光素子10と受光素子10の改変例及び
従来例について、波長1.55μmの入力信号を受光し
た際の受光電流(Ipd)と光入力(Pin)との関係、
即ち受光電流(Ipd )の光入力(Pin)依存性を光減衰
素子領域14の印加電圧Vatt をVatt =0V、8Vに
した時についてそれぞれ試験した。
att =0Vとした時の受光電流(Ipd )と光入力(Pi
n)との関係を示すグラフである。図3から判る通り、
実施例1の感度可変導波路型受光素子10と受光素子1
0の改変例及び従来例の全てについて、電圧が印加され
ていない限り、Pin<10mWでは、I pd の線形性が
確認されている。これは、波長1.55μmに対し透明
な導波路である光減衰素子領域に電界が印加されていな
いために光が減衰せず、入力光信号をそのまま受光素子
領域12で受光電流として検出しているためと考えられ
る。
att をVatt =8Vとした時の受光電流(Ipd)と光入
力(Pin)との関係を示すグラフである。図4から判る
通り、光減衰素子領域の印加電圧Vatt =8Vの時、従
来例は、Pin<1mWの時で既にI pd の線形性が維持
できていない。実施例は、Pin=6mWまで線形性が確
認された。グレーデッド半導体中間層を有する改変例
は、、Pin=10mWまで線形性が確認された。図4
は、半導体中間層32、又は34を挿入することによ
り、光減衰素子領域12の上部InPクラッド層22と
GaInAsP光導波路層20b間のヘテロ界面でのホ
ールのパイルアップが抑制されることを示し、またその
抑制効果はグレーデッド半導体中間層34の方が大きい
ことを示している。
Ipd−Pin特性の半導体中間層32の層厚依存性を調べ
た。試験では、図5に示すように、半導体中間層32の
厚さtをそれぞれ1nm、2nm、5nm、10nm及
び100nmにして、Vatt=8Vとして受光電流Ipd
−光入力Pinとの関係を測定し、図5に示した。本試験
では、半導体中間層32として実施例と同様に一層で構
成されるバンドギャップ1eVのGaInAsP層を一
例として採用した。図5から判る通り、半導体中間層の
層厚tが、t<5nmでは、Pin=10(mW)までI
pdの線形応答が得られたが、t<2nmのときは、Pin
>5mWでは線形性を維持することが難しかった。これ
は、半導体中間層の層厚が薄く、半導体中間層のホール
のパイルアップ抑制効果が小さかったためと考えられ
る。なお、実験では、半導体中間層の層厚が100nm
まで、Ipdの線形性が得られた。従って、ホールのパイ
ルアップを抑制する半導体中間層の厚さは、2nm<t
とする必要がある。なお、同様の傾向が、グレーデッド
半導体中間層において成立することは、言うまでもな
い。
とする感度可変導波路受光素子10は、本発明を説明す
るための一例であって、AlGaAs系、AlGaIn
P系、AlGaInN系、AlGaInAsPN系など
他の材料系で構成した感度可変導波路受光素子において
も本発明は効果的である。
閉じ込め層との間にそれらのバンドギャップ・エネルギ
ーの中間のバンドギャップ・エネルギーを有する半導体
中間層を設けることにより、バンド不連続を緩和して、
ホールのパイルアップの影響を防ぎ、電圧印加時の非線
形応答を抑制することができる。これにより、本発明は
大入力の光信号に対して線形性の良好な出力信号を出力
し、広いダイナミックレンジと低歪特性の感度可変導波
路型の半導体受光素子を実現している。
の層構造を示す模式的基板断面図である。
実施例の受光素子、改変例の受光素子及び従来例の受光
素子の光減衰素子領域のエネルギーバンド図である。
Vで、波長1.55μmの入力信号を入れた際の受光電
流(Iin)の光入力(Pin)依存性を示すグラフであ
る。
8Vで、波長1.55μmの入力信号を入れた際の受光
電流(Iin)の光入力(Pin)依存性を示すグラフであ
る。
示すグラフである。
示す模式的基板断面図である。
の実施例 12 導波路型受光素子領域 14 光減衰素子領域 16 n−InP基板 18 InP下部クラッド層 20a、b 光導波路層 22 InP上部クラッド層 24 GaInAsコンタクト層 26 分離溝 28a、b p電極 30 n電極 32 半導体中間層 34 グレーデッド層 40 従来の感度可変導波路型の半導体受光素子
Claims (3)
- 【請求項1】 バンドギャップ・エネルギーがE1の光
導波路層とバンドギャップ・エネルギーがE2の光閉じ
込め層とを有して入力光信号の信号強度を減衰させる光
減衰素子領域と、光減衰素子領域の後段に配置された導
波路型受光素子領域とを備える感度可変導波路型の半導
体受光素子であって、 光減衰素子領域では、光導波路層と光閉じ込め層間に、
光導波路層と同じ元素で構成され、E1<E3<E2で
規定されるE3のバンドギャップ・エネルギーを有する
少なくとも一層の半導体中間層が形成されていることを
特徴とする感度可変導波路型の半導体受光素子。 - 【請求項2】 半導体中間層のバンドギャップ・エネル
ギーE3が、E3a(E3a>E1)からE3b(E3
b<E2)まで連続的に増大するように、半導体中間層
が構成されていることを特徴とする請求項1に記載の感
度可変導波路型の半導体受光素子。 - 【請求項3】 半導体中間層の層厚tがt≧2nmであ
ることを特徴とする請求項1又は2に記載の感度可変導
波路型の半導体受光素子。
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1997
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1998
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US7613217B2 (en) | 2003-07-30 | 2009-11-03 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Semiconductor surface emitting device |
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