JPH1167921A - 半導体集積回路のレイアウト方法 - Google Patents

半導体集積回路のレイアウト方法

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JPH1167921A
JPH1167921A JP9227947A JP22794797A JPH1167921A JP H1167921 A JPH1167921 A JP H1167921A JP 9227947 A JP9227947 A JP 9227947A JP 22794797 A JP22794797 A JP 22794797A JP H1167921 A JPH1167921 A JP H1167921A
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Masahiko Shihara
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 計算機援用設計によってレイアウトデータを
作成する場合に、レイアウト設計に要する時間を短縮さ
せて設計作業を効率化できる半導体集積回路のレイアウ
ト方法を提供する。 【解決手段】 計算機援用設計によってレイアウトデー
タを作成する半導体集積回路のレイアウト方法は、半導
体集積回路21の内部論理領域23にバッファ回路36
を配置する配置工程と、バッファ回路36に対して所望
のクロックネット33を配線する配線工程とを有してい
る。半導体集積回路のレイアウト方法は更に、内部論理
領域23を面積が相互に略等しい複数のブロック24A
〜24Iに分割し、各ブロック24A〜24Iに付属す
る遅延素子34aの数の大小によってクロック信号伝達
時の遅延量を各ブロック毎に調整してクロックスキュー
を低減するクロックスキュー低減工程Bとを有してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体集積回路の
レイアウト方法に関し、特に、クロックスキューを低減
させるための工程を有する半導体集積回路のレイアウト
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路(以下、LSIと呼ぶ)
では、1つのクロック信号や、位相が異なる複数のクロ
ック信号を入力し、このクロック信号をLSI内の各フ
リップフロップに分配し、クロック信号に同期して、各
種演算や、デコード及びメモリのためのリード及びライ
ト等の動作を行う。ここで、クロック信号の分配元から
各供給先までの配線長が異なると、クロックスキューが
発生し、各供給先へのクロック信号の到達タイミングに
ズレが発ずる。クロックスキューが大きくなると、誤っ
た信号がフリップフロップに取り込まれ、或いは、不要
なひげ状パルスが論理ゲートの出力に発生し、LSI全
体が誤動作することがある。このように、クロック同期
型のLSIにおいては、動作速度等の性能はクロックス
キューの大小によって決まる。
【0003】そこで、従来のLSIでは、クロックツリ
ーシンセシス(以下、簡単にCTSと呼ぶ)を用いるこ
とによって、クロックラインを高駆動バッファのツリー
構造として各ブロックへのクロック入力の相対スキュー
を最小限に抑える試みがある。
【0004】図11は、CTSによって配線した論理集
積回路(半導体集積回路)を示す模式図である。LSI
の内部論理領域13には、この論理領域13外部に設け
られたクロック信号入力端子11に接続されたバッファ
回路12aと、バッファ回路12aから順次に2倍、4
倍と2n倍で増加するように縦続接続されたバッファ回
路12b、12c、12d…とが配設される。内部論理
領域13には更に、複数のバッファ回路12dに夫々接
続された複数のフリップフロップ15が配設される。こ
のように、LSIでは、バッファ回路12aから末端の
フリップフロップ15まで、バッファ回路12b〜12
d等がクロックネット10でツリー状に接続される。こ
のため、各段のバッファ回路12a〜12dの負荷容
量、つまり配線容量及び次段ゲートの入力容量等が一致
するように、クロック分配系が設計される。
【0005】図12は、図11で説明したLSIを作成
する際のレイアウト方法を示すフローチャートである。
このレイアウト方法は、計算機援用設計((Computer Ai
dedDesign)以下簡単にCADと呼ぶ)によって行われ
る。まず、与えられた回路仕様を満たすトランジスタレ
ベルの回路構成及び素子特性を決定する回路設計を実行
し、各要素を内部論理領域13に初期配置する配置工程
を行う(ステップS1、S2)。次いで、設計された回
路の論理接続情報に従って、クロックネット10をツリ
ー状に分配するクロックネットの分割工程を行い、各段
の負荷容量が一致するように、バッファ回路12a〜1
2dを回路の論理接続情報に挿入する(ステップS3、
S4)。
【0006】次いで、挿入したバッファ回路12a〜1
2dを内部論理領域13内に配置し、クロックネット1
0を等長配線することによって、各段のバッファ回路1
2a〜12dの負荷容量を一致させてクロックスキュー
を低減させる(ステップS5、S6)。更に、回路で必
要な信号線を配線し、要素の配置変更や論理反転の要請
等に起因して満足できる配線がなされなくなった箇所、
つまり未配線状態の箇所の有無をチェックする(ステッ
プS7、S8)。この結果、未配線状態の箇所が存在す
る間はステップS2からの処理を繰り返し、未配線状態
の箇所が無くなった時点でステップS9に進み、レイア
ウトデータに基づいたマスクパターンデータの作成を行
う。
【0007】また、CTSを応用した手法による別の論
理集積回路が、特開平5-159080号公報に記載されてい
る。図13は、該公報に記載の論理集積回路を示す模式
図である。この論理集積回路では、内部論理領域13
が、相互に等しい面積を有する複数のブロックに分割さ
れている。分割された各ブロックには、クロック信号を
クロック発生源CLから入力するための入力端子11
と、入力端子11に接続された複数段のバッファ回路1
4とを含むクロック分配系とが夫々独立に設けられる。
このクロック分配系は、クロック供給元から各供給先で
ある末端回路に向かって枝分かれするツリー状に構成さ
れる。各段におけるバッファ回路14の相互間における
配線は、長さ及び容量が相互に等しく、且つ、各段のバ
ッファ回路14におけるファンアウト数が同一になるよ
うに設計される。
【0008】図14は、図13の論理集積回路を作成す
るレイアウト方法の手順を示すフローチャートである。
このフローチャートにおける各処理工程は、ステップS
10、S11が図11で説明したステップS1、S2に
共通し、ステップS13〜S19がステップS3〜S9
に共通しているが、配置工程とクロックネット分割工程
との間でチップブロック分割工程を行う点で異なる。す
なわち、上記公報に記載の論理集積回路をレイアウトす
る際には、内部論理領域13内に各要素を配置した後
に、内部論理領域13を任意のブロックに分割する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図12及び
図14を用いて夫々説明した従来のレイアウト方法で
は、クロックスキューを低減する処理が配置工程と配線
工程との間で同時進行的に行われていた(ステップS3
〜S6、ステップS12〜S16)。このため、未配線
状態の箇所が存在する場合には、そのための配線と同時
にクロックスキューの低減処理も同様に繰り返さなけれ
ばならず、レイアウト設計に要する時間が増大する不都
合を招いていた。
【0010】本発明は、上記に鑑み、計算機援用設計に
よってレイアウトデータを作成する場合に、レイアウト
設計に要する時間を短縮させて設計作業を効率化できる
半導体集積回路のレイアウト方法を提供することを目的
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の半導体集積回路のレイアウト方法は、計算
機援用設計によってレイアウトデータを作成する半導体
集積回路のレイアウト方法において、半導体集積回路の
内部論理領域に要素を配置する配置工程と、前記要素に
対して所望の信号線を配線する配線工程と、前記内部論
理領域を面積が相互に略等しい複数のブロックに分割
し、該各ブロックに付属する遅延素子数の大小によって
クロック信号伝達時の遅延量を各ブロック毎に調整して
クロックスキューを低減するクロックスキュー低減工程
とを有することを特徴とする。ここで、分割した各ブロ
ックに付属する遅延素子数には0個も含まれる。
【0012】本発明の半導体集積回路のレイアウト方法
では、分割したブロック毎に遅延素子数の大小を調整し
てクロックスキューを低減することができるので、低減
処理が簡便になると共に、クロックスキュー低減工程を
配置工程及び配線工程から独立させることができる。こ
のため、未配線状態の箇所が存在する場合でも、クロッ
クスキューの低減処理とは別に配置/配線工程のみを繰
り返せば良いので、レイアウト設計に要する時間を短縮
させることができる。
【0013】好ましくは、前記クロックスキュー低減工
程は、前記配置工程及び配線工程に後続し、前記分割し
た各ブロックに、フリップフロップと該フリップフロッ
プに対応する遅延素子群とをグループ化して配置する工
程と、半導体集積回路にクロック信号を供給する入力端
子に最も近接するブロックを基準にし該基準のブロック
から離れたブロックほど遅延量が低減する遅延値を算出
し、該算出結果に基づいて、前記遅延素子群に備えた遅
延素子数を調整する工程とを含む。この場合、フリップ
フロップ及び遅延素子群を1つのグループとして扱いつ
つ遅延素子数を調整することができるので、クロックス
キューの低減処理が容易且つ迅速になる。
【0014】更に好ましくは、前記クロックスキュー低
減工程が、前記各ブロックに配置された遅延素子の内で
不要な遅延素子を配線パターンに置換する工程を更に含
む。この場合、クロックスキューの低減処理がより簡便
になる。
【0015】また、前記クロックスキュー低減工程は、
前記配置工程及び配線工程に先行し、半導体集積回路に
クロック信号を供給する入力端子に最も近接するブロッ
クを基準にし該基準のブロックから離れたブロックほど
遅延量が低減する遅延値を算出し、該算出結果に基づい
て遅延素子数を調整した遅延素子群を各ブロックに配置
する工程を含むことも好ましい態様である。この場合、
分割したブロックに遅延素子群を例えば1個ずつ配置す
れば良いので、配置/配線工程の配線性や収容性への影
響をより少なくすることができる。
【0016】前記配置工程は、前記クロックスキュー低
減工程で配置した前記遅延素子群と対応する要素を前記
各ブロックに配置する工程を含むことが好ましい。この
場合、レイアウトデータの作成作業がより簡便になる。
【0017】好ましくは、前記クロックスキュー低減工
程は、前記配置工程及び配線工程に後続し、半導体集積
回路にクロック信号を供給する入力端子に最も近接する
ブロックを基準にし該基準のブロックから離れたブロッ
クほど遅延量が低減する遅延値を算出し、該算出結果に
基づいて遅延素子数を調整した遅延素子群を、前記各ブ
ロックに配置した各要素間に挿入する工程を含む。
【0018】この場合、配置/配線工程の終了後に、遅
延値の算出結果に対応して各ブロックに遅延素子群を挿
入するので、フリップフロップ群が配置されないブロッ
クを認識しつつ、必要なブロックのみに遅延素子群を挿
入することができる。このため、配置/配線工程におい
ての配線性や収容性への影響をより少なくすることがで
きる。
【0019】
【発明の実施の形態】図面を参照して本発明を更に詳細
に説明する。図1は、本発明の第1実施形態例のLSI
チップを模式的に示す平面図である。LSIチップ21
は、クロック信号を入力する外部入力端子31を備え、
チップ周縁部にI/Oブロックセル領域22を備える。
I/Oブロックセル領域22の内側に配置された内部論
理領域23は、面積が相互に等しい複数のブロック24
A〜24Iに分割される。
【0020】図2は、本実施形態例におけるLSIチッ
プを作成するレイアウト方法の手順を示すフローチャー
ト、図3及び図4は、このレイアウト方法によるLSI
チップの作成過程を模式的に示す正面図である。フロー
チャートに示すレイアウト処理は、計算機援用設計(C
AD)によって行われる。
【0021】本実施形態例では、クロックスキュー低減
処理の内容が、図12及び図14で説明した従来方式に
おけるクロックスキューの低減処理とは異なるので、ク
ロックスキュー低減処理を、配置工程及び配線工程から
独立させて配置/配線工程の後に行うことが可能になっ
た。
【0022】即ち、本実施形態例では、ステップS30
で、与えられた回路仕様を満たすトランジスタレベルの
回路構成及び素子特性を決定する回路設計を行い、次い
で、配置/配線工程Aとクロックスキュー低減処理Bと
を実行し、設計された回路を評価しこれを元に設計し直
す。
【0023】配置/配線工程Aでは、まず、内部論理領
域23に要素としてのバッファ回路36を初期配置する
配置工程を実行し、定められた通りに各バッファ回路3
6間をクロックネット(信号線)33で結線する配線工
程を実行する。次いで、要素の配置変更や論理反転の要
請等に起因して満足できる配線がなされなくなった箇
所、つまり未配線状態の箇所の有無をチェックする(ス
テップS31〜S33)。この結果、未配線状態の箇所
が有れば、ステップS31に戻って配置工程及び配線工
程を繰り返し実行し、未配線状態の箇所が無くなればク
ロックスキュー低減処理Bに進む。
【0024】クロックスキュー低減処理Bでは、まず、
LSIチップ21の内部論理領域23を面積が相互に等
しい複数のブロック24A〜24Iに分割する(ステッ
プS34)。次いで、図3に示すように、分割した各ブ
ロック24A〜24I毎に、フリップフロップ群35
と、フリップフロップ群35に対応する遅延素子群34
とをグループ化して一律に配置する(ステップS3
5)。これにより、ブロック24A〜24Iの夫々で
は、配置/配線工程Aで予め配置され且つ配線された各
バッファ回路36に対して、フリップフロップ群35及
び遅延素子群34が例えば1セットずつ接続されること
になる。
【0025】更に、LSIチップ21にクロック信号を
供給する外部入力端子31に最も近接するブロック24
Aを基準にし、この基準のブロック24Aから離れたブ
ロックほど遅延量が減少するように遅延素子群34の調
整を行う。この調整は、まず、ブロック24Aを基準と
し、他のブロック24B〜24Iに夫々配置されたフリ
ップフロップ群35に対する遅延値を算出する。この算
出結果に基づいて、ブロック24B〜24I夫々のフリ
ップフロップ群35に接続された遅延素子群34による
遅延値がブロック24Aにおける遅延値と等価になるよ
うに、遅延素子群34に備えた遅延素子34aをブロッ
ク単位で調整する。この際に、ブロック24A〜24I
の夫々においての不要な遅延素子34aを、図4に示す
ように配線パターンに置換する。同図において、規準の
ブロック24Aでは遅延素子34aが4個、ブロック2
4Aに隣接するブロック24B、24Dでは遅延素子3
4aが3個ずつ、ブロック24B、24Dに夫々隣接す
るブロック24C、24E、24Gでは遅延素子34a
が2個ずつ配置される。また、ブロック24C、24
E、24Gに夫々隣接するブロック24F、24Hでは
遅延素子34aが1個ずつ、ブロック24F、24Hに
隣接するブロック24Iでは遅延素子34aが0個配置
される。
【0026】上記のように、クロックスキュー低減処理
Bでは、基準のブロック24Aから他のブロック24B
〜24Iまでクロック配線する際に付加される配線遅延
値を遅延素子群34に置き換えて考え、各ブロック毎に
遅延素子群34の遅延値を調整する。これにより、各ブ
ロックに付属する遅延素子34aの数の大小によってク
ロック信号伝達時の遅延量を各ブロック毎に調整するこ
とにより、クロック信号の分配元から各供給先であるフ
リップフロップ群35までの遅延値を等価にして、内部
論理領域23におけるクロックスキューを減少させてい
る。
【0027】次いで、ステップS38で、レイアウトデ
ータに基づいて、マスクパターンのデータを作成する。
この場合には、まず、プロッタによって作図を行って検
図を行い、設計したマスクパターンデータに誤りが無い
ということを確認した上で、このデータをマスク作製装
置用のデータに変換する。
【0028】以上のように本実施形態例では、要素の配
置を変更し、或いは、論理を反転させる等によって配置
や配線に変更の要請が生じ易い配置/配線工程Aに対
し、変更が生じ難い手法にしたクロックスキュー低減処
理Bを独立させている。これにより、満足できる配線が
得られない未配線状態が発生した場合には、クロックス
キュー低減処理Bとは別個に配置/配線工程Aだけを繰
り返し行うことで目的を達成できる。従って、本実施形
態例のレイアウト方法によると、計算機援用設計によっ
てレイアウトデータを作成する場合に、レイアウト設計
に要する時間を短縮させて設計作業を効率化させること
ができる。
【0029】また、本実施形態例によると、複数のブロ
ック24A〜24Iに含まれるフリップフロップ群35
と遅延素子群34とを1つのグループとしてクロックス
キュー低減処理を行うことができる。従って、フリップ
フロップ単位でクロックスキュー低減処理を行う場合に
比較して、処理が容易になり処理時間を短縮させること
ができる。このため、例えば、フリップフロップが数千
を越えるような大規模なLSIチップを作成する場合に
特に有効になる。
【0030】次に、図5〜図7を参照して本発明の第2
実施形態例を説明する。図5は、本実施形態例における
LSIチップを作成するレイアウト方法の手順を示すフ
ローチャート、図6及び図7は、このレイアウト方法に
よるLSIチップの作成過程を模式的に示す正面図であ
る。フローチャートに示すレイアウト処理は、CADに
よって行われる。
【0031】本実施形態例においても、クロックスキュ
ー低減処理の内容が、従来タイプにおけるクロックスキ
ュー低減処理とは異なる。これにより、クロックスキュ
ー低減処理を、配置工程及び配線工程から独立させて配
置/配線工程の前に行うことができる。即ち、本実施形
態例では、ステップS40で回路設計を行った後に、ク
ロックスキュー低減処理B’、配置/配線工程Aを順次
に実行する。
【0032】クロックスキュー低減処理B’では、LS
Iチップ21の内部論理領域23を、図6に示すよう
に、面積が相互に等しい複数のブロック24A〜24I
に分割する(ステップS41)。次いで、LSIチップ
21にクロック信号を供給する外部入力端子31に最も
近接するブロック24Aを基準にし、この基準のブロッ
ク24Aから離れたブロックほど遅延量が低減する遅延
値を算出し、この算出結果に基づいて遅延素子数を調整
した遅延素子群34を各ブロックに配置する。即ち、ブ
ロック24Aを基準として、他のブロック24B〜24
I毎にそのフリップフロップ群35に対する遅延値を算
出する。更に、この算出結果に基づいて、各ブロック2
4A〜24I間における遅延値が等価になるように遅延
素子34aの数を調整した遅延素子群34を、各ブロッ
ク24A〜24Iに配置する(ステップS42)。
【0033】これにより、規準のブロック24Aでは遅
延素子34aを4個有する遅延素子群34、ブロック2
4Aに隣接するブロック24B、24Dでは遅延素子3
4aを3個ずつ有する遅延素子群34が配置される。ブ
ロック24B、24Dに夫々隣接するブロック24C、
24E、24Gでは遅延素子34aを2個ずつ有する遅
延素子群34、ブロック24C、24E、24Gに夫々
隣接するブロック24F、24Hでは遅延素子34aを
1個ずつ有する遅延素子群34が配置される。また、ブ
ロック24F、24Hに隣接するブロック24Iでは、
遅延素子34aを0個有する遅延素子群34が配置され
る。つまり、ブロック24Iには、遅延素子群34は配
置されないことになる。
【0034】次いで、配置/配線工程Aでは、ステップ
S43の配置工程で、遅延素子群34と対応する要素を
各ブロック24A〜24Iに配置する。即ち、各ブロッ
ク24A〜24Iの夫々に対して、フリップフロップ群
35及びバッファ回路36等の遅延素子群34以外の要
素を配置する。更に、ステップS44の配線工程で、定
められた通りに各要素間をクロックネット33によって
結線する。これにより、図7に示すように、ブロック2
4Aでは遅延素子34aが4個の遅延素子群34に対し
てバッファ回路36及びフリップフロップ群35が接続
され、ブロック24B、24Dでは遅延素子34aが3
個の遅延素子群34に対してバッファ回路36及びフリ
ップフロップ群35が接続される。ブロック24C、2
4E、24Gでは遅延素子34aが2個の遅延素子群3
4に対し、また、ブロック24F、24Hでは遅延素子
34aが1個の遅延素子群34に対してバッファ回路3
6及びフリップフロップ群35が夫々接続される。ま
た、ブロック24Iでは、遅延素子群34が無い状態
で、クロックネット33にバッファ回路36及びフリッ
プフロップ群35が接続される。
【0035】次いで、ステップS45で、未配線状態の
箇所の有無をチェックする。この結果、未配線状態の箇
所が有れば、ステップS43に戻って配置工程及び配線
工程を繰り返し、未配線状態の箇所が無くなればステッ
プS46に進む。更に、ステップS46で、レイアウト
データに基づいて、マスクパターンのデータを作成す
る。
【0036】以上のように、本第2実施形態例において
も、クロックスキュー低減処理B’を配置/配線工程A
から独立させているので、CADによってレイアウトデ
ータを作成する場合に、レイアウト設計に要する時間を
短縮させることができる。本実施形態例では更に、この
効果に加えて次のような効果を奏する。即ち、クロック
スキュー低減処理B’でクロックスキューを低減した後
に配置/配線工程Aを行うので、内部論理領域23が、
図6のように9つのブロック24A〜24Iに分割され
た場合には、最高で9つの遅延素子群34を配置すれば
足り、配置/配線工程Aにおける配線性や収容性に対す
る影響を少なくすることができる。
【0037】次に、図8〜図10を参照して本発明の第
3実施形態例を説明する。図8は、本実施形態例におけ
るLSIチップを作成するレイアウト方法の手順を示す
フローチャート、図9及び図10は、このレイアウト方
法によるLSIチップの作成過程を模式的に示す正面図
である。フローチャートに示すレイアウト処理は、CA
Dによって行われる。
【0038】本実施形態例においても、クロックスキュ
ー低減処理の内容が、従来タイプにおけるクロックスキ
ュー低減処理とは異なる。これにより、クロックスキュ
ー低減処理を配置/配線工程から独立させて、配置/配
線工程の後に行うことができる。即ち、本実施形態例で
は、ステップS50で回路設計を行った後に、クロック
スキュー低減処理B”、配置/配線工程Aを順次に実行
する。
【0039】配置/配線工程Aでは、ステップS51
で、内部論理領域23における各ブロック24A〜24
Iを予定する適所に、図9に示すように、遅延素子群3
4以外の要素であるフリップフロップ群35及びバッフ
ァ回路36を配置する。次いで、ステップS52で、定
められた通りに各要素間をクロックネット33によって
結線する。更に、ステップS53で、未配線状態の箇所
の有無をチェックし、未配線状態の箇所が有ればステッ
プS51に戻って配置工程及び配線工程を繰り返し、未
配線状態の箇所が無くなればクロックスキュー低減処理
B”に進む。
【0040】クロックスキュー低減処理B”では、LS
Iチップ21の内部論理領域23を、図10に示すよう
に、面積が相互に等しい複数のブロック24A〜24I
に分割する(ステップS54)。次いで、外部入力端子
31に最も近接したブロック24Aを基準として、他の
ブロック24B〜24I毎にそのフリップフロップ群3
5に対する遅延値を算出する。更に、この算出結果に基
づいて、各ブロック24B〜24I間における遅延値が
等価になるように遅延素子34aの数を調整した遅延素
子群34を各ブロック24A〜24Iに挿入する(ステ
ップS55)。これにより、LSIチップ21は、第1
実施形態例における図4と同様の状態になる。次いで、
ステップS56で、レイアウトデータに基づいて、マス
クパターンのデータを作成する。
【0041】以上のように、本第3実施形態例において
も、クロックスキュー低減処理B”を配置/配線工程A
から独立させているので、CADによってレイアウトデ
ータを作成する場合に、レイアウト設計に要する時間を
短縮できる。本実施形態例では更に、この効果に加えて
次のような効果を奏する。即ち、配置/配線工程Aの終
了後に各ブロック24A〜24Iに遅延素子群34を挿
入するので、フリップフロップ群35を配置しないブロ
ックを認識し、遅延素子群34を配する必要がないブロ
ックを予め認識することが可能である。従って、必要な
ブロックのみに遅延素子群34を挿入することができる
ので、配置/配線工程Aにおいての配線性や収容性に対
する影響を少なくすることができる。
【0042】ところで、図11及び図13で説明したC
TSによる従来のレイアウト方法では、クロックネット
及びバッファ回路が増加すると共に、ツリー状に接続し
た各段又は各ブロックにおけるバッファ回路の負荷容量
が一致するようにクロックネット10を配線しなければ
ならなかった。このため、負荷容量が増大してクロック
信号の遅延量が増え、また、配線長が増大してレイアウ
トに必要な配線チャネルが不足する等の不都合があっ
た。これに対し、第1〜第3実施形態例で説明した本発
明のレイアウト方法によると、各段又は各ブロックにお
けるバッファ回路の負荷容量が一致するようにクロック
信号の配線を設ける必要がない。従って、クロックネッ
ト33をツリー状に構成する必要がないので、クロック
信号の配線に要する時間が通常のデータ信号等の配線と
同様の時間で済む共に、クロックネット33の配線長を
短縮し、クロック信号の遅延値の増加を必要最小限に抑
えることができる。
【0043】また、従来のレイアウト方法では、クロッ
クネット10がツリー状に接続されることによってクロ
ック供給先のフリップフロップ15が増加すると、接続
に必要なクロックネット10及びバッファ回路12a〜
12d、14が、通常の接続方法の約2倍以上に増大す
る。このため、バッファ回路の駆動時の消費電力も約2
倍以上に増加する。これに対し、本発明のレイアウト方
法は、クロックネット33をツリー状に構成する必要が
ないので、接続されるバッファ回路36の数を従来の半
分以下に抑えることが可能であり、消費電力を抑えるこ
とができる。
【0044】以上、本発明をその好適な実施形態例に基
づいて説明したが、本発明の半導体集積回路のレイアウ
ト方法は、上記実施形態例にのみ限定されるものではな
く、上記実施形態例から種々の修正及び変更を施した半
導体集積回路のレイアウト方法も、本発明の範囲に含ま
れる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の半導体集
積回路のレイアウト方法は、計算機援用設計によってレ
イアウトデータを作成する場合に、レイアウト設計に要
する時間を短縮させて、設計作業を効率化させることが
できるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態例のLSIチップを模式
的に示す平面図である。
【図2】第1実施形態例におけるLSIチップを作成す
るレイアウト方法の手順を示すフローチャートである。
【図3】第1実施形態例におけるレイアウト方法による
LSIチップの作成過程を模式的に示す正面図である。
【図4】第1実施形態例におけるレイアウト方法による
LSIチップの作成過程を模式的に示す正面図である。
【図5】本発明の第2実施形態例におけるLSIチップ
を作成するレイアウト方法の手順を示すフローチャート
である。
【図6】第2実施形態例におけるレイアウト方法による
LSIチップの作成過程を模式的に示す正面図である。
【図7】第2実施形態例におけるレイアウト方法による
LSIチップの作成過程を模式的に示す正面図である。
【図8】本発明の第3実施形態例におけるLSIチップ
を作成するレイアウト方法の手順を示すフローチャート
である。
【図9】第3実施形態例におけるレイアウト方法による
LSIチップの作成過程を模式的に示す正面図である。
【図10】第3実施形態例におけるレイアウト方法によ
るLSIチップの作成過程を模式的に示す正面図であ
る。
【図11】CTSによって配線した従来の論理集積回路
を示す模式図である。
【図12】図11で説明したLSIを作成する際のレイ
アウト方法を示すフローチャートである。
【図13】公報に記載の従来の論理集積回路を示す模式
図である。
【図14】図13で説明したLSIを作成する際のレイ
アウト方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
21 半導体集積回路 23 内部論理領域 24A〜24I ブロック 31 入力端子 33 クロックネット 34 遅延素子群 34a 遅延素子 35 フリップフロップ群 36 バッファ回路 A 配置/配線工程 B、B’、B” クロックスキュー低減工程

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 計算機援用設計によってレイアウトデー
    タを作成する半導体集積回路のレイアウト方法におい
    て、 半導体集積回路の内部論理領域に要素を配置する配置工
    程と、 前記要素に対して所望の信号線を配線する配線工程と、 前記内部論理領域を面積が相互に略等しい複数のブロッ
    クに分割し、該各ブロックに付属する遅延素子数の大小
    によってクロック信号伝達時の遅延量を各ブロック毎に
    調整してクロックスキューを低減するクロックスキュー
    低減工程とを有することを特徴とする半導体集積回路の
    レイアウト方法。
  2. 【請求項2】 前記クロックスキュー低減工程は、前記
    配置工程及び配線工程に後続し、 前記分割した各ブロックに、フリップフロップと該フリ
    ップフロップに対応する遅延素子群とをグループ化して
    配置する工程と、 半導体集積回路にクロック信号を供給する入力端子に最
    も近接するブロックを基準にし該基準のブロックから離
    れたブロックほど遅延量が低減する遅延値を算出し、該
    算出結果に基づいて、前記遅延素子群に備えた遅延素子
    数を調整する工程とを含むことを特徴とする請求項1に
    記載の半導体集積回路のレイアウト方法。
  3. 【請求項3】 前記クロックスキュー低減工程は、前記
    各ブロックに配置された遅延素子の内で不要な遅延素子
    を配線パターンに置換する工程を更に含むことを特徴と
    する請求項2に記載の半導体集積回路のレイアウト方
    法。
  4. 【請求項4】 前記クロックスキュー低減工程は、前記
    配置工程及び配線工程に先行し、 半導体集積回路にクロック信号を供給する入力端子に最
    も近接するブロックを基準にし該基準のブロックから離
    れたブロックほど遅延量が低減する遅延値を算出し、該
    算出結果に基づいて遅延素子数を調整した遅延素子群を
    各ブロックに配置する工程を含むことを特徴とする請求
    項1に記載の半導体集積回路のレイアウト方法。
  5. 【請求項5】 前記配置工程は、前記クロックスキュー
    低減工程で配置した前記遅延素子群と対応する要素を前
    記各ブロックに配置する工程を含むことを特徴とする請
    求項4に記載の半導体集積回路のレイアウト方法。
  6. 【請求項6】 前記クロックスキュー低減工程は、前記
    配置工程及び配線工程に後続し、 半導体集積回路にクロック信号を供給する入力端子に最
    も近接するブロックを基準にし該基準のブロックから離
    れたブロックほど遅延量が低減する遅延値を算出し、該
    算出結果に基づいて遅延素子数を調整した遅延素子群
    を、前記各ブロックに配置した各要素間に挿入する工程
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回
    路のレイアウト方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001043261A (ja) * 1999-03-09 2001-02-16 Agency Of Ind Science & Technol デジタルシステム、デジタルシステムのクロック信号調整方法および、その調整方法で実行する処理プログラムを記録した記録媒体

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