JPH1167625A - 電子ビーム露光装置 - Google Patents

電子ビーム露光装置

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JPH1167625A
JPH1167625A JP21666997A JP21666997A JPH1167625A JP H1167625 A JPH1167625 A JP H1167625A JP 21666997 A JP21666997 A JP 21666997A JP 21666997 A JP21666997 A JP 21666997A JP H1167625 A JPH1167625 A JP H1167625A
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JP
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deflector
electron beam
deflection
amount
feedback
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JP21666997A
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Kenichi Kawakami
研一 川上
Takamasa Sato
高雅 佐藤
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Advantest Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 連続移動露光方式の電子ビーム露光装置のス
ループットの向上。 【解決手段】 大きな偏向領域を有する整定時間の長い
第1の偏向器16と小さな偏向領域を有する整定時間の短
い第2の偏向器13とを有する電子ビーム偏向手段と、試
料18を載置して移動する移動機構17と、移動に伴うずれ
を第2の偏向器にフィードバックするフィードバック機
構とを備え、第1の偏向器16の偏向量を固定した状態で
露光している間の、移動に伴うずれを第2の偏向器13で
補正し、ずれが第2の偏向器13の限界値に達した時に、
フィードバック値を変更すると共に第1の偏向器による
偏向量をフィードバック値の変更量分再設定する電子ビ
ーム露光装置において、第1の偏向器による偏向量を再
設定する時の第2の偏向器へのフィードバック値の変更
量を、移動速度と第1の偏向器の偏向整定待ち時間の積
と、フィードバック値を所定の値に戻すための変更量と
の和とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子ビーム露光装
置に関し、特にステージを連続的に移動しながら電子ビ
ームによりパターンを形成する電子ビーム露光装置に関
する。半導体集積回路は微細加工技術の進歩に伴って一
層高集積化される傾向にあり、微細加工技術に要求され
る性能は益々厳しいものになってきている。とりわけ露
光技術においては、従来使用されているステッパなどに
用いられる光露光技術の限界が予想されている。電子ビ
ーム露光技術は、光露光技術に代わって微細加工の次世
代を担う可能性の高い技術である。
【0002】
【従来の技術】従来から指摘されている電子ビーム露光
技術の問題は、処理速度が遅く、製造効率が悪い点であ
る。そのため、スループットを改善するためのさなざま
な技術の開発が行われており、ステージを移動しながら
連続して露光する連続移動露光(ステージスキャン)方
式もこのような技術の一例である。
【0003】従来の電子ビーム露光装置では、ステッパ
と同様に、ステージ上に試料(ウエハ)を載置し、所定
領域のパターンの露光が終了した後、ステージを移動さ
せて次の領域のパターンを露光するという操作を繰り返
して試料上に全パターンを露光するステップ&リピート
方式が使用されていた。例えば、1枚のウエハ上に15
mm角のチップを60個露光する場合、電子ビームの偏
向可能領域は約1.5mm程度であるから、1チップに
ついて100回ステージを移動する必要があり、1ウエ
ハについては6000回のステージ移動が必要になる。
ステージを移動させている間及びステージの移動に応じ
て変更する電子ビームの照射位置を正確に設定するまで
の間は露光は行えない。このような時間を、ここではス
テージ整定待ち時間と呼ぶことにする。ステージの移動
は機械的な移動であり、精密に移動させるにはある程度
の時間が必要であるため、ステージ整定時間はかなり長
く、現状では0.5秒程度である。従って、6000回
のステージ移動に要する時間は50分にもなり、処理速
度を向上させるのが難しかった。
【0004】連続移動露光方式は、露光領域を短冊状の
複数の領域に分割し、ステージを連続的に移動させなが
ら露光することによって、ステージ整定待ち時間をなく
し、処理速度を向上させる技術である。電子ビームの偏
向可能領域を約1.5mmとすると、1.5mm×十数
cmの領域をステージ整定待ち時間無しで一気に描画す
るため、ステージ整定待ち時間は1/100程度に減少
し、処理速度は大幅に向上する。従って、電子ビームを
走査してパターンを描画する方式では、連続移動露光方
式は必要不可欠な技術であるといえる。しかし、連続移
動露光方式ではパターン露光中に試料が移動するため、
それに応じて電子ビームの位置を補正する必要があり、
電子ビームの位置を決定するための各種の信号がダイナ
ミックに変化するため、ステップ&リピート方式に比べ
て電子ビームの位置制御がはるかに複雑になる。
【0005】通常の電子ビーム露光装置は、大きな偏向
領域を有するが応答速度の遅いメインデフレクタと、メ
インデフレクタに比べて偏向領域は小さいが応答速度が
速いサブデフレクタがある。露光の場合には、露光領域
を複数のサブフィールドに分割し、メインデフレクタに
よる偏向位置が1つのサブフィールドの中心付近になる
ように偏向量を固定した上で、サブデフレクタに露光デ
ータを印加してそのサブフィールド内のパターンを描画
する。このようにすることによって、整定の遅いメイン
デフレクタの偏向距離の変化(ジャップ)の回数を減ら
し、高速に露光できる。上記の連続移動露光方式におけ
るステージの移動に伴うずれの補正を、このサブデフレ
クタにより行うことが考えられる。その場合には、上記
のステージの移動量を露光データに加算した上でサブデ
フレクタに印加することになる。しかし、このような制
御では、サブフィールドの露光中に、露光位置がステー
ジの移動に伴ってサブデフレクタの正規の偏向範囲から
外れた場合の制御が非常に複雑になるため、ステージの
移動に伴うずれを補正するための偏向手段を別に設ける
ことが行われている。本明細書では、ステージの移動に
伴うずれを補正するためのフィードバックコイルと呼ば
れる偏向手段を別に設けた構成を例として説明を行うこ
ととする。但し、本発明はこれに限られるものではな
く、ステージの移動に伴うずれをサブデフレクタで補正
する構成にも適用可能である。
【0006】図1は、連続移動露光方式で露光を行う電
子ビーム露光装置の構成を示す図である。図1におい
て、参照番号1はプロセッサを、2は磁気ディスクを、
3は磁気テープ装置を示し、これらの装置はバス4を介
して互いに接続され、且つバス4及びインターフェイス
回路5をそれぞれ介してデータメモリ6及びステージ制
御回路7に接続されている。
【0007】一方、8は筐体で、内部には電子銃9、レ
ンズ10、ブランキング電極11、レンズ12、フィー
ドバックコイル13、サブデフレクタ用コイル14、レ
ンズ15、メインデフレクタ用コイル16、ステージ1
7及び試料18が配置されている。試料18はステージ
17上に載置されており、ステージ17はステージ制御
回路7の出力信号によりX方向及びY方向へ移動制御さ
れる。
【0008】また、前記データメモリ6から読み出され
たデータは、パターン発生回路19を通してパターン補
正回路20に供給される。パターン補正回路20は、ブ
ランキング信号をアンプ21を介してブランキング電極
11に印加し、また各々DAコンバータ(DAC)2
2、24及び26と、アンプ23、25及び27を介し
てコイル13、14及び16へ信号を印加する。
【0009】電子銃9により放射された電子ビームは、
レンズ10を通過し、ブランキング電極1により透過又
は遮断され、更に例えば3μm以下の平行な任意のショ
ットサイズの矩形ビームに整形された後、フィードバッ
クコイル13、サブデフレクタ用コイル14及びメイン
デフレクタ用コイル16により偏向されると共に、更に
投影レンズ15を通過して試料表面に収束される。フィ
ードバックコイル13、サブデフレクタ用コイル14及
びメインデフレクタ用コイル16の偏向可能領域は、こ
の順で大きくなる。すなわち、フィードバックコイル1
3の偏向可能領域はサブデフレクタ用コイル14のそれ
より小さく、サブデフレクタ用コイル14の偏向可能領
域はメインデフレクタ用コイル16より小さい。大きな
偏向可能領域を得るためにはそれだけコイルの巻き数を
大きくする必要があり、各コイルの応答速度は上記と逆
の順で遅くなる。すなわち、フィードバックコイル13
の整定待ち時間がもっとも短く、サブデフレクタ用コイ
ル14とメインデフレクタ用コイル16の順で長くな
る。
【0010】図2は、連続移動露光方式における描画領
域の変化を説明する図である。露光データは、1〜数チ
ップ分のデータを記述しており、整数×整数個のメイン
フィールドに分割されている。メインフィールドは、そ
の幅が電子ビームの偏向可能領域の幅より少し小さく設
定されている。各メインフィールドは、更にサブフィー
ルドに分割されており、サブフィールドはサブデフレク
タの偏向可能領域より少し小さく設定されている。図2
の(1)では、参照番号31がメインフィールドで、3
2が電子ビームの偏向可能領域で、A〜Jがサブフィー
ルドを示す。また、33はメインフィールドの中心を示
し、34は偏向可能領域の中心を示し、35はサブフィ
ールドAの中心を示す。各メインフィールドデータに
は、その範囲内に存在するすべてのパターンのメインデ
フレクタの偏向位置、露光データ(サブデフレクタの偏
向位置)及びフィードバック偏向位置が分かるようにな
っている。ステージを移動させて露光目標位置(露光し
たいサブフィールドの中心位置)が偏向可能領域に入る
と同時に、露光を開始する。この時のメインデフレクタ
によるデータ上の偏向位置Mdは、実際の偏向位置を表
すメインデフレクタデータMwと、偏向可能領域の中心
位置からパターンの存在するメインフィールドの中心位
置までのベクトルRを演算することにより得られる。
【0011】図2の(1)におけるサブフィールドを
A、B、…、Jの順に露光する場合、ステージの移動の
ために、サブフィールドA、B、…、Jは、図2の
(2)に示すな位置で露光されることになる。実際には
各サブフィールド内でも徐々にずれるが、ここでは説明
のためにサブフィールド毎にずれたように示してある。
各サブフィールドを露光する場合には、メインデフレク
タの偏向位置をサブフィールドの中心付近とし、サブデ
フレクタにサブフィールドの露光データを印加する。そ
れと同時に、ステージの移動に伴う露光位置のずれをフ
ィードバックコイル13に印加する。
【0012】上記のように、フィードバックコイル13
の偏向範囲は数μmと小さく、サブフィールド内にパタ
ーンが多い時やステージ速度が速い時には、サブフィー
ルドを描画し終わらないうちにフィードバックコイルに
よる偏向が限界に達する、すなわちフィードバックコイ
ルの偏向範囲を越えることがある。これをフィードバッ
クオーバーフローと呼んでいる。フィードバックオーバ
ーフローが起きると、メインデフレクタの偏向位置をそ
の時点のステージの位置に基づいて再設定し、フィード
バックコイルの偏向量をリセットし、引き続いてパター
ンを露光する。このような処理をメインデフレクタ再設
定と呼んでいる。フィードバックオーバーフローが何度
も起きると、メインデフレクタの偏向位置は偏向可能範
囲内を徐々にステージの移動方向に移動することにな
る。
【0013】図3は、移動に伴うフィードバックコイル
の動作とメインデフレクタ再設定を説明する図である。
フィードバックコイルの偏向量が、ステージの移動に伴
って変化して偏向可能範囲の一方の限界に達すると、フ
ィードバックコイルの偏向量を偏向可能範囲の他方の限
界に変化させ、同時にフィードバックコイルの偏向量の
変化分メインデフレクタの偏向量を変化させる。従っ
て、この時のフィードバックコイルの偏向量とメインデ
フレクタの偏向量を合わせた偏向量は変化しないことに
なる。従って、全体の偏向量は、図示のように、ステー
ジの移動に合わせて一定に変化することになる。なお、
ここではステージは一定速度で移動するものとしたが、
実際には描画するパターンの複雑さに応じて変化するの
で、フィードバックコイルの偏向量の変化も一定でなく
なる。更に、描画パターンが密な場合には、メインデフ
レクタの偏向位置がそのまま偏向可能範囲の外まで移動
してしまうことがある。これがメインデフレクタオーバ
ーフローで、この場合には露光不良となり、エラーとし
て処理される。実際にはこのような露光不良が起きない
程度に、ステージの速度を設定して露光を行う。
【0014】図3に示したのはメインデフレクタやフィ
ードバックコイルに印加する電圧を変化させた時に偏向
量が瞬時に変化するとした場合の例である。しかし、メ
インデフレクタやフィードバックコイルの電圧を変化さ
せた場合、実際には所望の偏向量になるまでに時間を要
する。これが前述の整定時間である。メインデフレクタ
とフィードバックコイルの制御部及び整定時間を考慮し
た場合のメインデフレクタの再設定動作を説明する。
【0015】図4は、従来の露光シーケンスを実現する
ためのメインデフレクタとフィードバックコイルの制御
回路の構成を示すブロック図である。参照番号40はス
テージの移動速度を検出する部分で、干渉計の出力する
パルスを計数してステージの移動量を検出するステージ
カウンタ41と、リセット時の発生されるパルスに従っ
てステージカウンタ41の出力をラッチするラッチ42
を有する。第1差分演算回路43は、ステージカウンタ
41の出力とラッチ42の出力の差を算出し、その出力
がフィードバックコイルの偏向量として出力される。こ
のブロック図では差分がゼロの時がフィードバックコイ
ルの偏向量が初期値であるようになっているが、後段で
オフセットを加算すれば自由な範囲でフィードバックコ
イルを使用することができる。また、第2差分演算回路
44で演算されたラッチ42の出力とフィールド目標位
置の差分から、フィードバックコイルによる偏向量を除
いたフィールド目標位置の相対距離が求まる。これを補
正演算回路46で補正し、メインデフレクタデータ値と
補正演算回路46の出力との差分を第3差分演算回路4
7で演算すれば実際のメインデフレクタの出力値が算出
できるので、それをメインデフレクタに出力する。この
ような制御回路において、フィードバックコイルの偏向
量が限界に達するとパルスがラッチ42に連続的に入力
され、メインデフレクタ整定待ち時間が終了するとパル
スの入力が停止され、露光が開始される。
【0016】図5は、上記のような制御回路によりメイ
ンデフレクタを再設定する時のシーケンスを示す図であ
り、図6は再設定する時のシーケンスをより詳しく示す
図である。メインデフレクタは、フィードバックコイル
の偏向量が限界に達して再設定されるだけでなく、サブ
デフレクタによるサブフィールの描画が終了した場合に
は、偏向位置が次のサブフィールドの中心になるように
設定される。図5ではメインデフレクタの再設定と設定
の両方を示している。図示のように、最初の部分では、
メインデフレクタの偏向位置は一定で、フィードバック
コイルの偏向量がステージの移動に応じて変化し、その
間にブランキング電極により電子ビームがオン・オフ制
御され、パターンが描画される。フィードバックコイ
ルの偏向量が限界に達すると、ブランキング電極はオフ
にされ、フィードバックコイルがリセットされ、ここか
らメインデフレクタの整定待ち時間の計数が開始され
る。フィードバックコイルがリセットされたことによ
るビームの照射位置の補正値が計算され、メインデフレ
クタの位置が変更される。この計算に要する時間は、約
5μsであり、図6のwがこれに相当する。メインデ
フレクタの位置が変更されたので、再びフィードバック
コイルがリセットされ、更にフィードバックコイルの
リセットに伴って再度ビームの照射位置の補正値が計算
され、メインデフレクタの偏向位置が変更される。ろ
の処理がメインデフレクタ整定待ち時間終了まで繰り
返し行われる。再びフィードバックコイルをリセット
するタイミングで、メインデフレクタの整定待ち時間が
終了していると、フィードバックコイルをリセットせず
に一定時間(5μs)待ち、引き続いて露光を再開す
る。上記のにおけるメインデフレクタによるビーム位
置の補正量は、直前の5μsの間にステージが移動する
距離であり、ステージの移動速度を20mm/sとする
と、0.1μmであり、において露光を開始する直前
の小ジャップ待ち時間は0.1μのメインデフレクタの
ジャップの整定を待つ時間である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上記のシーケンスにお
いて、フィードバックコイルを連続的にリセットする理
由は次の通りである。メインデフレクタ整定待ち時間の
間にフィードバックコイルがステージに追従して移動す
る場合、メインデフレクタ整定待ち時間終了時点ではフ
ィードバックコイルの偏向位置が偏向可能範囲の途中ま
で移動しており、残りの偏向可能範囲が小さくなってい
る。従って、そのまま露光を開始すると短い時間でフィ
ードバックコイルの偏向可能範囲の限界に達するため、
露光の時間が相対的に短くなり効率が低下する。そこ
で、メインデフレクタ整定待ち時間が経過した時点で、
フィードバックコイルの偏向位置がほぼ初期値になるよ
うにするためである。
【0018】しかし、この結果、メインデフレクタの再
設定のための待ち時間が終了した後、更にメインデフレ
クタの小ジャップ待ち時間の間待機せねばならない。偏
向器の整定時間は、ジャップ距離に比例せず、ジャップ
距離が1/nになっても整定時間は1/nより長くかか
るのが一般的であるから、上述のシーケンスのようにメ
インデフレクタが整定するまでの間に複数回メインデフ
レクタの偏向量を変更し、それに応じて複数回待ち時間
を生じるのは無駄が多く、スループットを低下させるこ
とになる。
【0019】また、電子ビーム装置を設置する時には、
小ジャップの待ち時間と通常のジャップ待ち時間の両方
を計測して設定しなければならず、立ち上げ時の工数が
増大すると共に、待ち時間の管理が必要でそのための手
間を要するという問題があった。本発明は、このような
問題を解決するためのもので、連続移動露光方式の電子
ビーム露光装置のスループットを向上させると共に、立
ち上げ時や管理の手間を削減することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の電子ビーム露光
装置は、上記目的を実現するため、フィードバックコイ
ルなどのステージの移動によるずれを補正する第2の偏
向器が限界になった時点で、第2の偏向器の偏向量が、
メインデフレクタなどの第1の偏向器の整定待ち時間終
了後ほぼ初期値になるような距離を計算し、この距離だ
け第2の偏向器へのフィードバック値を変更し、これに
連動して第1の偏向器のジャップ距離を計算して再設定
を行う。第2の偏向器へのフィードバック値は、第1の
偏向器の整定待ち時間とステージの移動速度の積、すな
わち第1の偏向器の整定待ち時間の間にステージが移動
する距離だけ余分に変更すればよい。
【0021】すなわち、本発明の電子ビーム露光装置
は、少なくとも大きな偏向領域を有する整定時間の長い
第1の偏向器と小さな偏向領域を有する整定時間の短い
第2の偏向器とを有する電子ビーム偏向手段と、試料を
載置して移動する移動機構と、移動機構による移動に伴
う試料と電子ビームのずれを第2の偏向器にフィードバ
ックするフィードバック機構とを備え、第1の偏向器に
よる偏向量を固定した状態で、試料への電子ビームによ
るパターン露光を行っている間の、移動機構による移動
に伴う試料と電子ビームのずれを第2の偏向器で補正
し、ずれが第2の偏向器の偏向量の限界値に達した時
に、フィードバック機構によるフィードバック値を変更
すると共に、第1の偏向器による偏向量をフィードバッ
ク値の変更量分再設定する電子ビーム露光装置におい
て、第1の偏向器による偏向量を再設定する時の第2の
偏向器へのフィードバック値の変更量を、移動機構の移
動速度と第1の偏向器の偏向整定待ち時間の積と、フィ
ードバック値を所定の値に戻すための変更量との和とす
ることを特徴とする。
【0022】図7は、本発明における第1の偏向器(メ
インデフレクタ)の再設定シーケンスを示す図である。
本発明によれば、第1の偏向器の整定待ち時間の間に第
2の偏向器のフィードバック値が変化することを考慮し
て、第2の偏向器の偏向量が他方の限界値である所定の
値を越えた値になるようにフィードバック値を決めてい
る。ここで、第2の偏向器の限界値は偏向量がリニアに
変化する範囲で設定されており、一般にはこれよりも広
い範囲で偏向可能である。第2の偏向器の偏向量を一旦
このリニアリティの不十分な範囲に入るようにするが、
リニアリティの不十分な範囲内にある期間は第1の偏向
器の整定待ち時間内であり、露光を行わないのでリニア
リティが不十分でも問題は生じない。このようにするこ
とで、第1の偏向器の整定待ち時間終了時点では、第2
の偏向器の偏向量がほぼ初期値になるため、直ちに露光
を開始することが可能で、第1の偏向器のジャップ待ち
時間が必要なくなるので、処理時間が短縮される。
【0023】また、第1の偏向器の整定待ち時間中、第
1の偏向器の偏向量の変更は最初に1回行うだけであ
り、第1の偏向器の整定に要する時間を短くできる。本
発明では、第2の偏向器へのフィードバック値の偏向量
を演算する時に第1の偏向器の整定待ち時間が必要であ
る。しかし、第1の偏向器の整定待ち時間は第1の偏向
器の偏向量の変化量に応じて変化し、演算時点では第1
の偏向器の最終的な偏向量が決定されていないため、第
1の偏向器の整定待ち時間が決定できないという問題が
ある。しかし、フィードバック値を限界値を越えて所定
値まで変化させた分だけ第1偏向器の偏向量を余分に変
化させた場合でも、それによる整定待ち時間の増加はほ
とんど無視できるため、演算の第1の偏向器の整定待ち
時間として、フィードバックコイルを限界から初期値ま
で戻した分ビームを振り戻すための第1の偏向器の整定
待ち時間を使用しても、実際にはほとんど差を生じな
い。
【0024】
【発明の実施の形態】図8は、本発明の実施例の制御回
路の構成を示す図である。この実施例は、図1に示し
た、ステージ17の移動に伴うずれの補正を、メインデ
フレクタ16とサブデフレクタ14とは別に設けたフィ
ードバックコイル13で行う電子ビーム露光装置に本発
明を適用した実施例である。図4の従来例の制御回路と
異なるのは、ステージの移動速度を検出する部分40
に、メインデフレクタ16の整定待ち時間とステージ移
動速度を積算する積算回路51と、積算回路51の出力
する積算結果とステージカウンタ41の出力する移動量
を加算する加算回路52を設け、加算回路52の出力を
ラッチ42に入力するようにしている。
【0025】この実施例におけるメインデフレクタの再
設定シーケンスは、図7に示したようになる。フィード
バックコイル13の偏向量が限界に達した時に、ラッチ
42に1回だけパルスが入力され、ステージカウンタ4
1の出力する現在の位置に、メインデフレクタ16の整
定待ち時間とステージ移動速度の積を加えた値をラッチ
する。ステージが走行しているため、ステージカウンタ
41の出力する値は、刻々と増加し、整定待ち時間が終
了した時点では、ラッチされた値とほぼ等しいくなり、
フィードバックコイルの偏向量はほぼ初期値になる。
【0026】これまで説明した従来例及び実施例では、
ステージ17の移動に伴うずれの補正を、メインデフレ
クタ16とサブデフレクタ14とは別に設けたフィード
バックコイル13で行う構成を例として説明したが、ス
テージ17の移動に伴うずれの補正をサブデフレクタ1
4で行うことも可能であり、図9はそのような変形例に
おける制御回路の構成を示す図である。図9において、
参照番号50は図8に示した制御回路であり、加算回路
61で露光データに第1差分演算回路43の出力を加
え、それをサブデフレクタ14に印加する。これによ
り、サブデフレクタ14は露光データに基づいてパター
ン描画のための偏向と共に、ステージ17の移動に伴う
ずれを補正するための偏向を行う。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
オペレータの負担を増加させることなしに、最適速度で
の露光が可能になる。また、2つのチップにまたがる部
分を1回の走査で露光する場合にも、誤動作や露光不良
を起こすことなく、最適な走査速度で走査し、露光する
ことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用し得る電子ビーム露光装置の一例
の構成を示す図である。
【図2】連続移動露光方式における露光領域の変化を示
す図である。
【図3】移動に伴うフィードバックコイルの動作とメイ
ンデフレクタの再設定を説明する図である。
【図4】従来例における制御回路の構成を示す図であ
る。
【図5】従来例におけるメインデフレクタの設定及び再
設定シーケンスを示す図である。
【図6】従来例におけるメインデフレクタの再設定シー
ケンスの詳細を示す図である。
【図7】本発明によるメインデフレクタの再っていシー
ケンスを示す図である。
【図8】本発明の実施例における制御回路の構成を示す
図である。
【図9】サブデフレクタにステージの移動によるずれを
フィードバックする変形例における制御回路の構成を示
す図である。
【符号の説明】
8…筐体(コラム) 9…電子銃 10、12、15…レンズ 11…ブランキング電極 13…フィードバックコイル 14…サブデフレクタ 16…メインデフレクタ 17…ステージ 18…試料

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも大きな偏向領域を有する整定
    時間の長い第1の偏向器と小さな偏向領域を有する整定
    時間の短い第2の偏向器とを有する電子ビーム偏向手段
    と、 試料を載置して移動する移動機構と、 該移動機構による移動に伴う前記試料と前記電子ビーム
    のずれを前記第2の偏向器にフィードバックするフィー
    ドバック機構とを備え、 前記第1の偏向器による偏向量を固定した状態で、前記
    試料への前記電子ビームによるパターン露光を行ってい
    る間の、前記移動機構による移動に伴う前記試料と前記
    電子ビームのずれを前記第2の偏向器で補正し、前記ず
    れが前記第2の偏向器の偏向量が限界値に達した時に、
    前記フィードバック機構によるフィードバック値を変更
    すると共に、前記第1の偏向器による偏向量を前記フィ
    ードバック値の変更量分再設定する電子ビーム露光装置
    において、 前記第1の偏向器による偏向量を再設定する時の前記第
    2の偏向器への前記フィードバック値の変更量を、前記
    移動機構の移動速度と前記第1の偏向器の偏向整定待ち
    時間の積と、前記フィードバック値を初期値に戻すため
    の変更量との和とすることを特徴とする電子ビーム露光
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電子ビーム露光装置で
    あって、 前記限界値と前記初期値は、前記第2の偏向器が線形性
    の良好な偏向を行える範囲を規定する値である電子ビー
    ム露光装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の電子ビーム露光装置で
    あって、 前記第1の偏向器はメイン偏向器であり、前記第2の偏
    向器はフィードバックコイルであり、 前記電子ビーム偏向手段は、露光データに応じて前記電
    子ビームを偏向するサブ偏向器を更に有する電子ビーム
    露光装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の電子ビーム露光装置で
    あって、 前記第1の偏向器はメイン偏向器であり、 前記第2の偏向器は、露光データに応じて前記電子ビー
    ムを偏向するサブ偏向器である電子ビーム露光装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20000076974A (ko) * 1999-04-21 2000-12-26 히로시 오우라 단축된 빔 편향 세팅 시간을 구비한 대전 입자빔 노출장치 및 노출 방법

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KR20000076974A (ko) * 1999-04-21 2000-12-26 히로시 오우라 단축된 빔 편향 세팅 시간을 구비한 대전 입자빔 노출장치 및 노출 방법

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