JP4056140B2 - 荷電粒子ビーム露光装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷電粒子ビーム露光装置に関し、特にステージを連続的に移動しながら荷電粒子ビームによりパターンを形成する荷電粒子ビーム露光装置に関する。
半導体集積回路は微細加工技術の進歩に伴って一層高集積化される傾向にあり、微細加工技術に要求される性能は益々厳しいものになってきている。とりわけ露光技術においては、従来使用されているステッパなどに用いられる光露光技術の限界が予想されている。電子ビーム露光技術などの荷電粒子ビーム露光技術は、光露光技術に代わって微細加工の次世代を担う可能性の高い技術である。以下、電子ビーム露光装置を例として説明を行う。
【0002】
【従来の技術】
従来から指摘されている電子ビーム露光技術の問題は、処理速度が遅く、製造効率が悪い点である。そのため、スループットを改善するためのさなざまな技術の開発が行われており、ステージを移動しながら連続して露光する連続移動露光(ステージスキャン)方式もこのような技術の一例である。
【0003】
従来の電子ビーム露光装置では、ステッパと同様に、ステージ上に試料(ウエハ)を載置し、所定領域のパターンの露光が終了した後、ステージを移動させて次の領域のパターンを露光するという操作を繰り返して試料上に全パターンを露光するステップ&リピート方式が使用されていた。例えば、1枚のウエハ上に15mm角のチップを60個露光する場合、電子ビームの偏向可能領域は約1.5mm程度であるから、1チップについて100回ステージを移動する必要があり、1ウエハについては6000回のステージ移動が必要になる。ステージを移動させている間及びステージの移動に応じて変更する電子ビームの照射位置を正確に設定するまでの間は露光は行えない。このような時間を、ここではステージ整定待ち時間と呼ぶことにする。ステージの移動は機械的な移動であり、精密に移動させるにはある程度の時間が必要であるため、ステージ整定時間はかなり長く、現状では0.5秒程度である。従って、6000回のステージ移動に要する時間は50分にもなり、処理速度を向上させるのが難しかった。
【0004】
連続移動露光方式は、露光領域を短冊状の複数の領域に分割し、ステージを連続的に移動させながら露光することによって、ステージ整定待ち時間をなくし、処理速度を向上させる技術である。電子ビームの偏向可能領域を約1.5mmとすると、1.5mm×十数cmの領域をステージ整定待ち時間無しで一気に描画するため、ステージ整定待ち時間は1/100程度に減少し、処理速度は大幅に向上する。従って、電子ビームを走査してパターンを描画する方式では、連続移動露光方式は必要不可欠な技術であるといえる。
【0005】
通常の電子ビーム露光装置は、大きな偏向領域を有するが応答速度の遅いメインデフレクタと、メインデフレクタに比べて偏向領域は小さいが応答速度が速いサブデフレクタがある。露光の場合には、露光領域を複数のサブフィールドに分割し、メインデフレクタによる偏向位置が1つのサブフィールドの中心付近になるように偏向量を固定した上で、サブデフレクタに露光データを印加してそのサブフィールド内のパターンを描画する。このようにすることによって、整定の遅いメインデフレクタの偏向距離の変化(ジャップ)の回数を減らし、高速に露光できる。上記の連続移動露光方式におけるステージの移動に伴うずれの補正を、このサブデフレクタにより行うことが考えられる。その場合には、上記のステージの移動量を露光データに加算した上でサブデフレクタに印加することになる。この他にも、制御を容易にするためにステージの移動に伴うずれを補正するための偏向手段を別に設ける場合もある。本明細書では、ステージの移動に伴うずれを補正するためのフィードバックコイルと呼ばれる偏向手段を別に設けた構成を例として説明を行うこととする。しかし、本発明はこれに限られるものではなく、ステージの移動に伴うずれをサブデフレクタ以外の手段で補正する構成にも適用可能である。
【0006】
図1は、連続移動露光方式で露光を行う電子ビーム露光装置の構成を示す図である。図1において、参照番号1はプロセッサを、2は磁気ディスクを、3は磁気テープ装置を示し、これらの装置はバス4を介して互いに接続され、且つバス4及びインターフェイス回路5をそれぞれ介してデータメモリ6及びステージ制御回路7に接続されている。
【0007】
一方、8は筐体で、内部には電子銃9、レンズ10、ブランキング電極11、レンズ12、フィードバックコイル13、サブデフレクタ用コイル14、レンズ15、メインデフレクタ用コイル16、ステージ17及び試料18が配置されている。試料18はステージ17上に載置されており、ステージ17はステージ制御回路7の出力信号によりX方向及びY方向へ移動制御される。
【0008】
また、前記データメモリ6から読み出されたデータは、パターン発生回路19を通してパターン補正回路20に供給される。パターン補正回路20は、ブランキング信号をアンプ21を介してブランキング電極11に印加し、また各々DAコンバータ(DAC)22、24及び26と、アンプ23、25及び27を介してコイル13、14及び16へ信号を印加する。
【0009】
電子銃9により放射された電子ビームは、レンズ10を通過し、ブランキング電極1により透過又は遮断され、更に例えば3μm以下の平行な任意のショットサイズの矩形ビームに整形された後、フィードバックコイル13、サブデフレクタ用コイル14及びメインデフレクタ用コイル16により偏向されると共に、更に投影レンズ15を通過して試料表面に収束される。フィードバックコイル13、サブデフレクタ用コイル14及びメインデフレクタ用コイル16の偏向可能領域は、この順で大きくなる。すなわち、フィードバックコイル13の偏向可能領域はサブデフレクタ用コイル14のそれより小さく、サブデフレクタ用コイル14の偏向可能領域はメインデフレクタ用コイル16より小さい。大きな偏向可能領域を得るためにはそれだけコイルの巻き数を大きくする必要があり、各コイルの応答速度は上記と逆の順で遅くなる。すなわち、フィードバックコイル13の整定待ち時間がもっとも短く、サブデフレクタ用コイル14とメインデフレクタ用コイル16の順で長くなる。
【0010】
図2は、連続移動露光方式における描画領域の変化を説明する図である。露光データは、1〜数チップ分のデータを記述しており、整数×整数個のフレーム30に分割されている。フレーム30は、その幅が電子ビームの偏向可能領域31の幅より少し小さく設定されている。各フレーム30は、更にサブフレーム32に分割されており、サブフレーム32はサブデフレクタの偏向可能領域より少し小さく設定されている。図2の(1)では、参照番号30がフレームで、31が電子ビームの偏向可能領域で、A〜Lのサブフレーム32が示されている。各フレームデータには、その範囲内に存在するすべてのパターンのメインデフレクタの偏向位置、露光データ(サブデフレクタの偏向位置)及びフィードバック偏向位置が分かるようになっている。ステージを移動させて露光目標位置(露光したいサブフレームの中心位置)が偏向可能領域に入ると同時に、露光を開始する。
【0011】
図2の(1)におけるサブフレームをA、B、…、Lの順に露光する場合、ステージの移動のために、サブフレームA、B、…、Lは、図2の(2)に示すな偏向位置で露光されることになる。実際には各サブフレーム内でも徐々にずれるが、ここでは説明のためにサブフレーム毎にずれたように示してある。各サブフレームを露光する場合には、メインデフレクタの偏向位置をサブフレームの中心付近とし、サブデフレクタにサブフレームの露光データを印加する。それと同時に、ステージの移動に伴う露光位置のずれをフィードバックコイル13に印加する。
【0012】
上記のように、フィードバックコイル13の偏向範囲は数μmと小さく、サブフレーム内にパターンが多い時やステージ速度が速い時には、サブフレームを描画し終わらないうちにフィードバックコイルによる偏向が限界に達する、すなわちフィードバックコイルの偏向範囲を越えることがある。これをフィードバックオーバーフローと呼んでいる。フィードバックオーバーフローが起きると、メインデフレクタの偏向位置をその時点のステージの位置に基づいて再設定し、フィードバックコイルの偏向量をリセットし、引き続いてパターンを露光する。このような処理をメインデフレクタ再設定と呼んでいる。フィードバックオーバーフローが何度も起きると、メインデフレクタの偏向位置は偏向可能範囲内を徐々にステージの移動方向に移動することになる。
【0013】
図3は、移動に伴うフィードバックコイルの動作とメインデフレクタ再設定を説明する図である。フィードバックコイルの偏向量が、ステージの移動に伴って変化して偏向可能範囲の一方の限界に達すると、フィードバックコイルの偏向量を偏向可能範囲の他方の限界に変化させ、同時にフィードバックコイルの偏向量の変化分メインデフレクタの偏向量を変化させる。従って、この時のフィードバックコイルの偏向量とメインデフレクタの偏向量を合わせた偏向量は変化しないことになる。従って、全体の偏向量は、図示のように、ステージの移動に合わせて一定に変化することになる。なお、ここではステージは一定速度で移動するものとしたが、実際には描画するパターンの複雑さに応じて変化するので、フィードバックコイルの偏向量の変化も一定でなくなる。更に、描画パターンが密な場合には、メインデフレクタの偏向位置がそのまま偏向可能範囲の外まで移動してしまうことがある。これがメインデフレクタオーバーフローで、この場合には露光不良となり、エラーとして処理される。実際にはこのような露光不良が起きない程度に、ステージの速度を設定して露光を行う。
【0014】
図3に示したのはメインデフレクタやフィードバックコイルに印加する電圧を変化させた時に偏向量が瞬時に変化するとした場合の例である。しかし、メインデフレクタやフィードバックコイルの電圧を変化させた場合、実際には所望の偏向量になるまでに時間を要する。これが前述の整定時間である。メインデフレクタとフィードバックコイルの制御部及び整定時間を考慮した場合のメインデフレクタの再設定動作を説明する。
【0015】
図4は、従来の露光シーケンスを実現するためのメインデフレクタとフィードバックコイルの制御回路の構成を示すブロック図である。参照番号40はステージの移動速度を検出する部分で、干渉計の出力するパルスを計数してステージの移動量を検出するステージカウンタ41と、リセット時の発生されるパルスに従ってステージカウンタ41の出力をラッチするラッチ42を有する。第1差分演算回路43は、ステージカウンタ41の出力とラッチ42の出力の差を算出し、その出力がフィードバックコイルの偏向量として出力される。このブロック図では差分がゼロの時がフィードバックコイルの偏向量が初期値であるようになっているが、後段でオフセットを加算すれば自由な範囲でフィードバックコイルを使用することができる。また、第2差分演算回路44で演算されたラッチ42の出力とフィールド目標位置の差分から、フィードバックコイルによる偏向量を除いたフィールド目標位置の相対距離が求まる。これを補正演算回路46で補正し、メインデフレクタデータ値と補正演算回路46の出力との差分を第3差分演算回路47で演算すれば実際のメインデフレクタの出力値が算出できるので、それをメインデフレクタに出力する。このような制御回路において、フィードバックコイルの偏向量が限界に達するとパルスがラッチ42に連続的に入力され、メインデフレクタ整定待ち時間が終了するとパルスの入力が停止され、露光が開始される。
【0016】
図5は、上記のような制御回路によりメインデフレクタを再設定する時のシーケンスを示す図である。メインデフレクタは、フィードバックコイルの偏向量が限界に達して再設定されるだけでなく、サブデフレクタによるサブフレームの描画が終了した場合には、偏向位置が次のサブフレームの中心になるように設定される。図5ではメインデフレクタの再設定と設定の両方を示している。図示のように、最初の部分では、メインデフレクタの偏向位置は一定で、フィードバックコイルの偏向量がステージの移動に応じて変化し、その間にブランキング電極により電子ビームがオン・オフ制御され、パターンが描画される。▲1▼フィードバックコイルの偏向量が限界に達すると、ブランキング電極はオフにされ、フィードバックコイルがリセットされ、ここからメインデフレクタの整定待ち時間の計数が開始される。▲2▼フィードバックコイルがリセットされたことによるビームの照射位置の補正値が計算され、メインデフレクタの位置が変更される。この計算に要する時間は、約5μsである。▲3▼メインデフレクタの位置が変更されたので、再びフィードバックコイルがリセットされ、▲4▼更にフィードバックコイルのリセットに伴って再度ビームの照射位置の補正値が計算され、メインデフレクタの偏向位置が変更される。▲3▼ろ▲4▼の処理がメインデフレクタ整定待ち時間終了まで繰り返し行われる。▲5▼再びフィードバックコイルをリセットするタイミングで、メインデフレクタの整定待ち時間が終了していると、フィードバックコイルをリセットせずに一定時間(5μs)待ち、引き続いて露光を再開する。上記の▲4▼におけるメインデフレクタによるビーム位置の補正量は、直前の5μsの間にステージが移動する距離であり、ステージの移動速度を20mm/sとすると、0.1μmであり、▲5▼において露光を開始する直前の小ジャップ待ち時間は0.1μのメインデフレクタのジャップの整定を待つ時間である。
【0017】
これまでの説明では、電子ビームの偏向可能領域31における電子ビームの偏向座標は直角座標系で、一方の軸がステージの移動方向と一致しているものとして説明した。しかし、これは理想的な場合で、実際の電子ビームの偏向座標では歪の発生が避けられない。座標の歪には各種あり、例えば、図6に示すような正方形が平行四辺形になる歪や、たる形や糸巻形になる歪などがある。図6に示すような歪がある場合に、隣接するサブフレームPとQを、サブフレームPは偏向可能領域内の図示の位置で露光し、サブフレームQは図示の位置で露光したとすると、横方向(移動に垂直な方向)にずれd1を生じる。同様に、隣接するサブフレームXとYを、それぞれ図示の位置で露光したとすると、横方向(移動に垂直な方向)にずれd2を生じる。図6の場合であれば、d2の方がd1より大きい。これは図6に示した正方形が平行四辺形になる歪に限らず、一般に離れた位置で露光を行うほどずれが大きくなる。このずれは、特に隣接するフレーム間で問題になる。
【0018】
もちろん、上記の歪はできるだけ小さくすることが必要であるが、完全にゼロにするのは難しいのが現状である。そこで、このようなずれを補正することが考えられるが、サブフレームの位置関係でずれ量が異なるため、これを補正するのは容易でなく、制御系が非常に複雑になるという問題がある。そこで、電子ビームの偏向可能領域31のうち実際に露光に使用する領域を、移動方向については狭くすることで、発生するずれを小さくすることが行われている。この実際に露光に使用する領域を可描画範囲と称している。
【0019】
図7は、可描画範囲の例と、そのような可描画範囲を設定した場合のサブフレームの露光の様子を示す図である。図7において、参照番号33が可描画範囲を示す。ずれを小さくするという観点からは、可描画範囲はできるだけ狭いことが望ましい。しかし、前述のように、描画パターンに応じてメインデフレクタの偏向位置が変化するため、可描画範囲を狭くするとメインデフレクタの偏向位置が可描画範囲の外まで移動してしまう、いわば可描画範囲に対するメインデフレクタオーバーフローが頻繁に発生することになる。このような可描画範囲に対するメインデフレクタオーバーフローが発生しないようにするには、ステージの移動速度を遅くすればよいが、これではスループットが低下し、連続移動露光方式の利点がなくなってしまう。そのため、可描画範囲はある程度広くする必要がある。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、可描画範囲はもっとも負荷の重い描画パターンを想定し、更にある程度の余裕をもって設定している。しかし、そのような重い負荷の描画パターンはまれであり、通常はサブフレームを描画するのにそれほどの時間を要しないため、実際に描画を行う偏向位置は、図7に示すように、一方に偏ることになる。このような描画の際の偏向位置の偏りが生じても、描画の際の移動方向が一方向に制限されていれば、他のフレームでも同じような偏向位置で描画が行われるため、隣接するサブフレーム間のずれは小さく特に問題は生じない。
【0021】
電子ビーム露光装置で、描画の際の移動方向を一方向にするには、一方から他方への移動が終了した後、一旦ステージを逆方向に戻した後、次のフレームの描画を開始する必要がある。これではステージを逆方向に戻す時間だけ遅くなり、スループットが低下するため、逆方向に戻る時にも描画を行うのが一般的である。
【0022】
図8は、ステージが逆方向に移動する場合の各サブフレームの偏向位置を説明する図である。可描画範囲33が図示のように設定されているので、矢印35でしめす一方の移動時のサブフレームの偏向位置は32aで示すように上側に偏り、矢印36でしめす他方向の移動時のサブフレームの偏向位置は32bで示すように下側に偏る。隣接するフレーム間では逆方向に移動しながら描画を行うため、常に可描画範囲33の両端部に対応するずれd3が生じることになる。図8の場合には、常に最大のずれが発生することになる。もちろん可描画範囲33はこのようなずれが生じても問題ないような幅に制限する必要があるが、たとえ許容範囲内であっても発生するずれはできるだけ小さいことが望ましい。
【0023】
本発明は、可描画範囲が設定されており、逆方向に移動しながら描画を行う荷電粒子ビーム露光装置において実際に発生するずれを低減することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上記目的を実現するため、本発明の荷電粒子ビーム露光装置は、可描画範囲を移動方向に応じて独立に設定できるようにし、偏向範囲の中心付近で2つの可描画範囲が重なるようにする。
すなわち、本発明の荷電粒子ビーム露光装置は、少なくとも大きな偏向領域を有する主偏向器と小さな偏向領域を有する副偏向器とを有する荷電粒子ビーム偏向手段と、試料を載置して移動する移動機構とを備え、試料のパターン露光範囲を複数の副領域に分割し、主偏向器による偏向量を設定した上で、副偏向器により荷電粒子ビームの偏向位置を変化させながら各副領域をパターン露光し、パターン露光は、移動機構により試料を移動しながら、移動に伴う試料と荷電粒子ビームのずれを荷電粒子ビーム偏向手段にフィードバックして露光位置を補正しながら行う荷電粒子ビーム露光装置であって、主偏向器による主偏向領域のうち、パターン露光に使用する試料の移動方向の範囲を制限する可描画範囲が設定されており、パターン露光は、試料を往復移動する時の逆方向の移動中にも行われ、可描画範囲は試料の移動方向に応じて独立に設定されていることを特徴とする。
【0025】
異なる移動方向の時の可描画範囲は、主偏向領域の中央部で重なり、異なる方向の可描画範囲は異なる方向に広がっていることが望ましい。
本発明の荷電粒子ビーム露光装置では、可描画範囲は試料の移動方向に応じて独立に設定できるので、通常のパターンを描画する場合にサブフレームが偏在する部分が重なるように可描画範囲を設定すれは、実際に発生するフレーム間のずれを小さくできる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例の電子ビーム露光装置は、これまで説明した従来のものと同じ構成を有し、移動方向に応じて異なる可描画範囲が設定されている点のみが異なる。
図9は、本発明の実施例の電子ビーム露光装置における可描画範囲を示す図である。参照番号33aが矢印35で示す方向に移動する時の可描画範囲を示し、参照番号33bが矢印36で示す方向に移動する時の可描画範囲を示す。
【0027】
図10は、実施例の電子ビーム露光装置でサブフレームの描画を行った場合の偏向位置を示す図であり、(1)は矢印35で示した第1の方向に移動した時の各サブフレーム32aの偏向位置を示し、(2)は矢印36で示した第2の方向に移動した時の各サブフレーム32bの偏向位置を示す。前述のように、通常のパターンを描画する場合には各サブフレームの偏向位置は可描画範囲の一方の側に偏るが、本実施例では、可描画範囲33aが主偏向範囲31の中心付近から下側に広がり、可描画範囲33bが主偏向範囲31の中心付近から上側に広がるので、第1と第2の移動方向の場合の各サブフレームの偏向位置は、主偏向範囲31の中心付近に偏在することになり、実質的に可描画範囲を非常に狭くしたのと同じ効果が得られる。従って、たとえ偏向座標が歪んで、座標軸がステージの移動方向と一致していない場合でも、隣接するフレーム間のずれは小さくなる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、一方の方向へのステージ移動の場合もそれと逆の他方向への移動の場合も、主偏向領域のほぼ同じ狭い範囲で描画が行われるため、隣接するフレームとのずれが小さくなり、描画品質を向上できる。また、上記のずれを偏向率などで補正する場合も、ずれが小さいので簡単である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用し得る電子ビーム露光装置の一例の構成を示す図である。
【図2】連続移動露光方式における露光領域の変化を示す図である。
【図3】移動に伴うフィードバックコイルの動作とメインデフレクタの再設定を説明する図である。
【図4】従来例における制御回路の構成を示す図である。
【図5】従来例におけるメインデフレクタの設定及び再設定シーケンスを示す図である。
【図6】偏向座標が歪んで、座標軸がステージの移動方向と一致しない場合のずれの発生を説明する図である。
【図7】可描画範囲と、可描画範囲内でのサブフレームの偏向位置の偏在を示す図である。
【図8】逆方向に移動する時にも描画を行う場合の問題を説明する図である。
【図9】本発明の実施例の電子ビーム露光装置における可描画範囲を示す図である。
【図10】本発明の実施例の電子ビーム露光装置における、二方向の移動におけるサブフレームの偏向位置を示す図である。
【符号の説明】
8…筐体(コラム)
9…電子銃
10、12、15…レンズ
11…ブランキング電極
13…フィードバックコイル
14…サブデフレクタ
16…メインデフレクタ
17…ステージ
18…試料
30…フレーム
31…主偏向領域
32…サブフレーム
33、33a、33b…可描画範囲

Claims (1)

  1. 少なくとも大きな偏向領域を有する主偏向器と小さな偏向領域を有する副偏向器とを有する荷電粒子ビーム偏向手段と、
    試料を載置して移動摺る移動機構とを備え、
    前記試料のパターン露光範囲を複数の副領域に分割し、前記主偏向器による偏向量を設定した上で、前記副偏向器により荷電粒子ビームの偏向位置を変化させながら各副領域をパターン露光し、該パターン露光は、前記移動機構により前記試料を移動しながら、該移動に伴う前記試料と前記荷電粒子ビームのずれを前記荷電粒子ビーム偏向手段にフィードバックして露光位置を補正しながら行う荷電粒子ビーム露光装置であって、
    前記主偏向器による主偏向領域の内、前記パターン露光に使用する前記試料の移動方向の範囲を制限する可描画範囲が設定されており、
    前記パターン露光は、前記試料を往復移動する時の逆方向の移動中にも行われ、前記可描画範囲は前記試料の移動方法に応じて独立に設定されており、
    前記試料が第1の方向に移動する時の前記可描画範囲は前記主偏向領域の中央部から前記第1の方向に伸び、
    前記試料が前記第1の方向と逆の第2の方向に移動する時の前記可描画範囲は前記主偏向領域の中央部から前記第2の方向に伸び、
    前記試料が第1の方向に移動する時の前記可描画範囲と前記試料が第2の方向に移動する時の前記可描画範囲は、前記主偏向領域の中央部で重なることを特徴とする荷電粒子ビーム露光装置。
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