JPH1167622A - 現像装置 - Google Patents

現像装置

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JPH1167622A
JPH1167622A JP21637297A JP21637297A JPH1167622A JP H1167622 A JPH1167622 A JP H1167622A JP 21637297 A JP21637297 A JP 21637297A JP 21637297 A JP21637297 A JP 21637297A JP H1167622 A JPH1167622 A JP H1167622A
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昌宏 美作
Akiko Tanaka
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幸宏 高村
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Coating Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板上の感光性膜に少量の現像液で均一な現
像処理を行うことができる現像装置を提供することであ
る。 【解決手段】 現像液吐出ノズル11は基板100に向
かって移動開始した後、現像液の吐出を開始する。基板
100の前方に液除去部材16が配置されている。液除
去部材16は基板100の外周端縁に沿って円弧状に形
成されている。現像液吐出ノズル11が液除去部材16
上を通過する際、現像液吐出ノズル11の先端に付着し
た現像液は液除去部材16により除去される。その後、
現像液吐出ノズル11は基板100上に達し、走査方向
Aに沿って移動しつつ現像液を吐出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上の感光性膜
に現像液を供給して現像処理を行う現像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体ウエハ、液晶表示装置用ガラス基
板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板等の
基板上に形成された感光性膜に現像処理を行うために現
像装置が用いられる。
【0003】例えば、回転式現像装置は、基板を水平に
保持して鉛直軸の周りで回転させる回転保持部と、基板
の表面に現像液を供給する現像液吐出ノズルとを備え
る。現像液吐出ノズルは、水平面内で回動自在に設けら
れたノズルアームの先端に取り付けられており、基板の
上方位置と待機位置との間を移動することができる。
【0004】現像処理時には、現像液吐出ノズルが待機
位置から基板の上方に移動した後、基板上の感光性膜に
現像液を供給する。供給された現像液は、基板の回転に
よって基板の全面に塗り広げられ、感光性膜と接触す
る。表面張力により基板上に現像液を保持した状態(液
盛り)で一定時間基板を静止させることにより感光性膜
の現像が行われる。現像液の供給が終了すると、現像液
吐出ノズルはノズルアームの回動により基板の上方から
退いた待機位置に移動する。
【0005】現像液吐出ノズルの吐出口付近の現像液が
大気に晒されると、現像液中の水分が蒸発することによ
る現像液の濃度の変化や空気と接触することによる変質
が起こる。そのため、現像処理を行う前に、予め待機位
置で現像液吐出ノズルの吐出口付近の現像液を吐出する
ことにより(プリディスペンス処理)、現像液吐出ノズ
ル内に供給されている現像液を均一化させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の回転式現像装置では、回転する基板に吐出開始時
の現像液が当たることにより基板上の感光性膜が大きな
衝撃を受ける。その衝撃で現像液中に気泡が生じ、感光
性膜の表面に残留する微小な気泡が現像欠陥となる場合
がある。また、吐出開始時の現像液による衝撃で感光性
膜が損傷するおそれもある。
【0007】また、プリディスペンス処理の後、現像液
吐出ノズルが待機位置から基板の上方へ移動する間に、
現像液吐出ノズルの吐出口付近の現像液が空気と接触す
ることになる。そのため、吐出開始直後に基板上に供給
される現像液は、その後連続的に供給される現像液に比
べて多少変質している可能性がある。それにより、吐出
開始直後の現像液が接触する基板上に現像欠陥が発生す
るおそれがある。また、現像液が空気との接触により乾
燥し、乾燥した現像液がパーティクルとなって基板上に
付着するおそれもある。
【0008】さらに、基板上に滴下された現像液が遠心
力により基板の全面に塗り広げられる過程で現像液にむ
らが生じるため、基板上の現像液が均一になるまで多量
の現像液を供給する必要がある。
【0009】本発明の目的は、基板上の感光性膜に少量
の現像液で均一な現像処理を行うことができる現像装置
を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段および発明の効果】上記課
題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者ら
は、現像液吐出ノズルの移動開始後であって静止した基
板上に達する前に現像液吐出ノズルから現像液の吐出を
開始し、その状態で現像液吐出ノズルを移動させて基板
に現像液を供給することによって、吐出された現像液が
基板に衝撃を与えることを回避する方法を見い出した。
【0011】また、この発明の過程において、図9に示
すように、基板100の手前で現像液吐出ノズル20か
ら現像液の吐出を開始し、一定の移動速度で現像液吐出
ノズル20を基板100の一方の端縁から他方の端縁側
に走査させると、基板100上の現像液の膜21に膜厚
の不均一な領域が生じることが判明した。図10は、現
像液が吐出された基板の平面模式図である。図中、矢印
Aは現像液吐出ノズル20の走査方向を示す。基板10
0の表面上では、現像液吐出ノズル20が初期に通過す
る部分に現像液の膜厚が大きい領域22が形成される。
このため、現像液の膜厚が大きい領域22と他の領域と
で現像状態が異なり、現像の不均一が生じる。
【0012】このような現象の原因について種々の検討
を行った結果、現像液吐出ノズル20の走査初期では、
現像液吐出ノズル20から吐出される現像液に加え、現
像液吐出ノズル20の先端部に表面張力の作用により付
着していた現像液が基板100の表面に供給されること
が判明した。このため、現像液吐出ノズル20の走査初
期では基板100の表面の単位面積当たりに供給される
現像液が多くなり、膜厚の不均一が生じるものである。
【0013】上記のような知見に基づいて、本発明者ら
は以下の発明を案出したものである。
【0014】第1の発明に係る現像装置は、基板を水平
姿勢で保持する基板保持手段と、現像液を吐出する現像
液吐出ノズルと、基板保持手段に静止状態で保持された
基板外の一方側の移動開始位置から基板上を通過して基
板外の他方側の停止位置まで現像液吐出ノズルを移動さ
せる移動手段と、現像液吐出ノズルの移動開始位置と基
板の一方側の端縁との間に設けられ、現像液吐出ノズル
の先端に付着した現像液を除去する液除去部材とを備え
たものである。
【0015】第1の発明に係る現像装置においては、基
板の外方から移動を開始した現像液吐出ノズルは液除去
部材を通過した後、基板上に達し、基板に現像液を供給
する。液除去部材を通過する際には、現像液吐出ノズル
の先端に付着した現像液が除去される。これにより、現
像液吐出ノズルの先端に付着した現像液が基板に供給さ
れることを防止される。それにより、現像液吐出ノズル
の先端に付着して変質した現像液が基板に供給されるこ
とにより現像むらが生じたり、現像液吐出ノズルの先端
に付着した現像液が供給されることにより基板上への現
像液の供給が過剰となり現像液の膜厚不均一が生じ、そ
れに起因する現像むらが生じたりすることが防止され
る。
【0016】第2の発明に係る現像装置は、第1の発明
に係る現像装置の構成において、現像液吐出ノズルが、
基板保持手段に保持された基板の表面に平行なスリット
状吐出口を有し、移動手段が、スリット状吐出口の長手
方向にほぼ直交する方向に現像液吐出ノズルを移動させ
るものである。
【0017】この場合、現像液吐出ノズルのスリット状
吐出口の周辺には表面張力の作用により現像液が付着す
る。この状態で移動手段が現像液吐出ノズルを移動させ
ると、液除去部材を通過する際に、スリット状吐出口周
辺の現像液が除去される。これにより、スリット状吐出
口から基板上に現像液が均一に供給され、現像むらの発
生が防止される。
【0018】第3の発明に係る現像装置は、第2の発明
に係る現像装置の構成において、前記液除去部材が、現
像液吐出ノズルの先端に付着した現像液に接触して現像
液を除去する上端部を有するものである。
【0019】この場合、液除去部材の上端部は、移動手
段により移動される現像液吐出ノズルの先端に付着した
現像液に接触することにより現像液吐出ノズルの先端か
ら現像液を除去する。これにより、変質した現像液や過
剰な現像液が基板上に供給されることが防止され、現像
むらの発生が防止される。
【0020】第4の発明に係る現像装置は、第3の発明
に係る現像装置の構成において、液除去部材の上端部
が、基板の外周端縁から等距離隔てて配置されたもので
ある。
【0021】この場合には、液除去部材の上端部によっ
て現像液吐出ノズルの先端に付着した現像液が除去され
てから基板の外周端縁に達するまでの時間が、現像液吐
出ノズルの先端の各部でほぼ均一となる。このため、基
板の外周端縁に到達した時点の現像液吐出ノズルの先端
における現像液の付着状態がほぼ均一となり、それによ
って基板上に均一に現像液を供給することができる。
【0022】第5の発明に係る現像装置は、第4の発明
に係る現像装置の構成において、液除去部材の上端部
が、基板の外周端縁に沿う円弧状に形成されたものであ
る。
【0023】この場合、半導体ウエハ等の基板に対し
て、円弧状の上端部を有する液除去部材を配置すること
によって現像液吐出ノズルの先端に付着した現像液が除
去されてから基板の外周端縁に到達するまでの時間が均
一化され、現像液吐出ノズルから基板上への現像液の供
給状態が均一化される。それにより、基板に対して現像
処理を均一に行わせることができる。
【0024】第6の発明に係る現像装置は、第3の発明
に係る現像装置の構成において、液除去部材の上端部
が、現像液吐出ノズルのスリット状吐出口に平行な直線
状に形成されたものである。
【0025】この場合には、直線状の液除去部材の上端
部が現像液吐出ノズルの先端に付着した現像液を除去す
る。これにより、基板上に現像液を均一に供給すること
が可能となる。
【0026】第7の発明に係る現像装置は、第2の発明
に係る現像装置の構成において、液除去部材が、現像液
吐出ノズルの先端に付着した現像液を吸引する吸引口を
有するものである。
【0027】この場合、液除去部材の吸引口を通して現
像液吐出ノズルの先端に付着した現像液が吸引されて現
像液吐出ノズルの先端から除去される。これにより、変
質した現像液や過剰な現像液が基板上に供給されること
が防止され、現像むらの発生を防止することができる。
【0028】第8の発明に係る現像装置は、第7の発明
に係る現像装置の構成において、液除去部材の吸引口
が、基板の外周端縁から等距離隔てて配置されたもので
ある。
【0029】この場合には、液除去部材の吸引口によっ
て現像液吐出ノズルの先端に付着した現像液が除去され
てから基板の外周端縁に達するまでの時間が、現像液吐
出ノズルの先端の各部でほぼ均一となる。このため、基
板の外周端縁に到達した時点の現像液吐出ノズルの先端
における現像液の付着状態がほぼ均一となり、それによ
って基板上に均一に現像液を供給することができる。
【0030】第9の発明に係る現像装置は、第8の発明
に係る現像装置の構成において、液除去部材の吸引口
が、基板の外周端縁に沿う円弧状に形成されたものであ
る。
【0031】この場合、半導体ウエハ等の基板に対して
円弧状の吸引口を有する液除去部材を配置することによ
って、現像液吐出ノズルの先端に付着した現像液が除去
されてから基板の外周端縁に到達するまでの時間が均一
化され、現像液吐出ノズルから基板上への現像液の供給
状態が均一化する。それにより、基板に対して現像処理
を均一に行わせることができる。
【0032】第10の発明に係る現像装置は、第7の発
明に係る現像装置の構成において、液除去部材の吸引口
が、現像液吐出ノズルのスリット状吐出口に平行な直線
状に形成されたものである。
【0033】この場合には、直線状の液除去部材の吸引
口が現像液吐出ノズルの先端に付着した現像液を除去す
る。これにより、基板上に現像液を均一に供給すること
が可能となる。
【0034】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施例における
現像装置の平面図、図2は図1の現像装置の主要部のX
−X線断面図、図3は図1の現像装置の主要部のY−Y
線断面図である。
【0035】図2および図3に示すように、現像装置
は、基板100を水平姿勢で吸引保持する基板保持部
(基板保持手段)1を備える。基板保持部1は、モータ
2の回転軸3の先端部に固定され、鉛直方向の軸の周り
で回転可能に構成されている。基板保持部1の周囲に
は、基板100を取り囲むように円形の内側カップ4が
上下動自在に設けられている。また、内側カップ4の周
囲には、正方形の外側カップ5が設けられている。
【0036】図1に示すように、外側カップ5の両側に
はそれぞれ待機ポット6,7が配置され、外側カップ5
の一方の側部側にはガイドレール8が配設されている。
また、ノズルアーム9がアーム駆動部10によりガイド
レール8に沿って走査方向Aおよびその逆方向に移動可
能に設けられている。外側カップ5の他方の側部側に
は、純水を吐出する純水吐出ノズル12が矢印Rの方向
に回動可能に設けられている。
【0037】ノズルアーム9には、下端部にスリット状
吐出口15を有する現像液吐出ノズル11がガイドレー
ル8と垂直に取り付けられている。これにより、現像液
吐出ノズル11は、待機ポット6の位置から基板100
上を通過して待機ポット7の位置まで走査方向Aに沿っ
て直線状に平行移動可能となっている。
【0038】図2に示すように、現像液吐出ノズル11
には、現像液供給系13により現像液が供給される。現
像液供給系13は、現像液吐出ノズル11に導く現像液
の流量を調整する流量調整弁を有する。制御部14は、
モータ2の回転動作、アーム駆動部10による現像液吐
出ノズル11の走査および現像液吐出ノズル11からの
現像液の吐出を制御する。
【0039】図4は現像液吐出ノズル11のスリット状
吐出口15を示す図である。スリット状吐出口15のス
リット幅tは0.02〜0.5mmであり、本実施例で
は0.1mmである。また、スリット状吐出口15の吐
出幅Lは処理対象となる基板100の直径と同じかまた
はそれよりも大きく設定されている。このスリット状吐
出口15は現像液吐出ノズル11の走査方向Aと直交す
る方向に配置される。
【0040】現像液吐出ノズル11は、スリット状吐出
口15が基板100の上面に対して0.2〜5mm、よ
り好ましくは0.5〜1.5mmの間隔を保つように走
査される。本実施例では、現像液吐出ノズル11のスリ
ット状吐出口15と基板100の上面との間隔が1.0
±0.1mmに設定される。
【0041】内側カップ4の内側には、液除去部材16
が配置されている。液除去部材16は現像液吐出ノズル
11の移動開始位置側に基板100の端縁から僅かに離
れて円弧状に形成されている。液除去部材16の上端部
は現像液吐出ノズル11のスリット状吐出口15の周辺
に付着する現像液に接触しうる高さに配置される。ま
た、現像液吐出ノズル11のスリット状吐出口15に沿
う方向の液除去部材16の大きさは、スリット状吐出口
の吐出幅Lよりも大きく形成されている。
【0042】図7は液除去部材の液除去動作の説明図で
ある。液除去部材16と基板100の端縁との水平距離
Dは液除去部材16により除去した現像液が基板100
と液除去部材16との隙間に貯留しない程度に設定され
る。例えば、この水平距離Dは2〜20mmの範囲に設
定され、本実施例では10mmに設定される。液除去部
材16は図示しない昇降機構により昇降自在に設けられ
る。現像処理時には上昇して現像液吐出ノズル11の先
端の現像液を除去し、基板100の搬入搬出時には下降
して基板保持部1に対する基板100の搬入および搬出
を可能とする。
【0043】次に図5を参照しながら図1の現像装置の
動作を説明する。図5は図1の現像装置の動作の説明図
である。以下の現像処理時には、基板100は基板保持
部1により静止状態で保持されている。
【0044】図5に示すように、待機時には、現像液吐
出ノズル11は、待機ポット6内の位置P0に待機して
いる。現像処理時には、現像液吐出ノズル11が上昇し
た後、走査方向Aに移動し、外側カップ5内の走査開始
位置P1で下降する。
【0045】その後、現像液吐出ノズル11は、走査開
始位置P1から所定の走査速度で走査を開始する。この
時点では、現像液吐出ノズル11からまだ現像液の吐出
は行わない。
【0046】現像液吐出ノズル11の走査開始後、現像
液吐出ノズル11のスリット状吐出口15が基板100
上に到達する前に、吐出開始位置P2にて所定の流量で
現像液吐出ノズル11による現像液の吐出を開始する。
【0047】現像液吐出ノズル11は現像液を吐出しな
がら吐出開始位置P2から基板100に向かって移動
し、液除去部材16の上方を通過する。このとき、液除
去部材16により現像液吐出ノズル11の先端に表面張
力により付着した現像液を除去する。この現像液の除去
動作については後に詳述する。
【0048】液除去部材16を通過した後、現像液吐出
ノズル11はさらに現像液を吐出しながら基板100上
を走査方向Aに直線状に移動する。これにより、基板1
00の全面に現像液が連続的に供給される。供給された
現像液は、表面張力により基板100上に保持される。
【0049】現像液吐出ノズル11が基板100上を通
過した後、基板100上から外れた吐出停止位置P3で
現像液吐出ノズル11による現像液の吐出を停止させ
る。そして、現像液吐出ノズル11が外側カップ5内の
走査停止位置P4に到達した時点で現像液吐出ノズル1
1の走査を停止させる。
【0050】その後、現像液吐出ノズル11は、走査停
止位置P4で上昇した後、他方の待機ポット7の位置P
5まで移動し、待機ポット7内に下降する。
【0051】基板100上に現像液が供給された状態を
一定時間(例えば60秒間)維持し、現像を進行させ
る。このとき、モータ2により基板保持部1を回転駆動
し、基板100を回転させてもよい。その後、純水吐出
ノズル12により純水を基板100上に供給しながら基
板100を回転させることにより基板100上の現像液
を洗い流し、純水供給を停止し、その後高速回転させる
ことにより純水を振り切り、基板100を乾燥させて現
像処理を終了する。
【0052】図6は現像液吐出ノズル11からの現像液
の吐出状態を示す正面図である。現像液の吐出直後に
は、図6(a)に示すように、現像液がスリット状吐出
口15から滴状に滲み出る。現像液の吐出から一定時間
が経過すると、図6(b)に示すように、滴状の現像液
がつながってスリット状吐出口15に沿って現像液が帯
状に形成される。
【0053】上記の走査開始位置P1は、現像液吐出ノ
ズル11が走査開始から基板100の端縁に到達するま
でに走査速度が所定の速度に達し、かつ図6(b)に示
すようにスリット状吐出口15の現像液が帯状になるた
めの時間が確保されるように設定する。例えば、走査開
始位置P1は、基板100の端縁から走査方向Aと反対
方向に10〜100mm程度離れた位置に設定する。本
実施例では、走査開始位置P1は基板100の端縁から
50mm離れた位置に設定する。
【0054】また、吐出開始位置P2は、現像液吐出ノ
ズル11の走査速度および現像液の吐出流量に応じて、
現像液吐出ノズル11が基板100の端縁に到達するま
でに現像液の吐出状態が帯状になるための時間が確保さ
れるように設定する。
【0055】走査速度が速くなれば、現像液吐出ノズル
11が走査開始位置P1から基板100の端縁に到達す
るまでの時間が短くなるため、吐出開始位置P2を走査
開始位置P1に近づける。例えば、走査速度が100m
m/秒の場合には走査開始時点から0.3秒後に現像液
の吐出を開始し、走査速度が30mm/秒の場合には走
査開始時点から1.3秒後に現像液の吐出を開始する。
【0056】また、現像液の吐出流量が多い場合には、
現像液の吐出状態が短時間で帯状になるので、吐出開始
位置P2を基板100の端縁に近づける。例えば、現像
液の吐出流量が1.5L/分であり、走査速度が70m
m/秒のときには、現像液吐出ノズル11が基板100
の端縁に到達する0.1〜1.0秒(例えば0.2秒)
前に現像液の吐出を開始する。
【0057】なお、現像液の無駄な消費量を低減するた
めには、現像液吐出ノズル11が基板100の端縁に達
するまでに現像液の吐出状態が帯状になる範囲で、吐出
開始位置P2を基板100の端縁に近づけることが望ま
しい。
【0058】次に、液除去部材16による現像液の除去
動作について説明する。現像液の吐出が開始された現像
液吐出ノズル11では、図6(b)に示すようにスリッ
ト状吐出口15から現像液が帯状に吐出される。また、
現像液吐出ノズル11の先端のスリット状吐出口15の
周辺には表面張力により現像液が付着して貯留してい
る。また、現像液の吐出開始の段階では、空気に触れて
変質した現像液が付着している場合がある。このような
状態で現像液吐出ノズル11が基板100上に移動する
と、現像液吐出ノズル11から吐出される現像液に加え
て、付着した現像液が基板100に供給される。このた
め、現像液の供給量が過剰となり、初期の動作区間で現
像液の膜厚の不均一が生じたり、変質した現像液による
現像むらが生じる。
【0059】そこで、液除去部材16は現像液吐出ノズ
ル11の先端に付着した現像液を除去する。図7におい
て、液除去部材16の上端部は、現像液吐出ノズル11
のスリット状吐出口15に接することなく、かつ現像液
吐出ノズル11の先端に付着した現像液に接触する高さ
に配置されている。このため、液除去部材16上を現像
液吐出ノズル11が通過すると、現像液吐出ノズル11
の先端に付着した現像液が液除去部材16の上端部に掻
き取られて現像液吐出ノズル11から除去される。除去
された現像液は液除去部材16の壁面を伝って落下す
る。
【0060】液除去部材16を通過した後、現像液吐出
ノズル11は現像液を吐出しながら基板100に到達す
る。このため、現像液吐出ノズル11の先端には再び僅
かな現像液の付着が生じる。しかしながら、液除去部材
16と基板100との水平距離Dを適宜選択することに
より、この間に現像液吐出ノズル11の先端に再付着す
る現像液の量を調整することができる。適切な現像液の
付着は基板100上に現像液を連続して供給し、部分的
な供給不足を防止するために有益である。
【0061】また、液除去部材16を基板100の外周
端縁に沿う円弧状に形成することにより、水平距離Dを
一定とすることができる。これにより、液除去部材16
から基板100の端縁に至る時間が現像液吐出ノズル1
1の先端の長手方向の全域にわたってほぼ均一となる。
したがって、現像液吐出ノズル11の先端の現像液の付
着状態が均一となる。
【0062】図8は液除去部材の他の例による液除去動
作の説明図である。この液除去部材17は、その上面に
現像液を吸引するための吸引口18が形成されている。
吸引口18は配管を通してアスピレータ19を介してド
レンに排出される。これにより、現像液吐出ノズル11
が液除去部材17の上方を通過する際、現像液吐出ノズ
ル11の先端に付着した現像液を吸引口18を通して吸
引除去する。このような構造により、現像液吐出ノズル
11の先端から、表面張力により付着した現像液を除去
することができる。
【0063】以上説明したように、本実施例の現像装置
では、現像液吐出ノズル11が静止した基板100上に
到達する前に現像液の吐出が開始されるので、吐出開始
時の現像液が基板100に衝撃を与えることが回避され
る。それにより、現像液中の気泡の発生が抑制され、現
像欠陥の発生が防止される。
【0064】さらに、現像液吐出ノズル11の移動中に
空気に接触するスリット状吐出口15付近の現像液が基
板100外に廃棄され、現像液吐出ノズル11が基板1
00上に到達した時点で現像液吐出ノズル11から新し
い現像液が静止した基板100上に供給される。それに
より、変質した現像液により現像欠陥が発生することが
防止されるとともに、乾燥した現像液によるパーティク
ルが基板100上の感光性膜の表面に付着することが防
止される。
【0065】さらに、現像液吐出ノズル11が静止した
基板100上をスリット状吐出口15と基板100の上
面とが近接した状態で水平方向に直線状に平行移動し、
スリット状吐出口15に形成された帯状の現像液が基板
100の表面に連続的に接触するので、基板100の表
面に衝撃が加わることなく基板100の全面に現像液が
均一に供給される。
【0066】また、現像液吐出ノズル11が基板100
上を通過するまで現像液の供給が続けられるので、吐出
停止時の衝撃による液盛り中の現像液への悪影響が防止
される。その結果、現像欠陥の発生が抑制されるととも
に、現像後の感光性膜パターンの線幅均一性が向上す
る。
【0067】また、現像液吐出ノズル11が基板100
上を通り過ぎた後に現像液の吐出が停止されるので、吐
出停止時の現像液の液だれにより基板100上の感光性
膜に衝撃が加わることが防止される。したがって、現像
欠陥の発生や感光性膜パターンの線幅均一性の劣化が防
止される。
【0068】さらに、基板100の外方の現像液吐出ノ
ズル11の移動開始位置側に液除去部材16,17を配
置したことにより、現像液吐出ノズル11の先端に付着
した現像液が除去された後、基板100に現像液の供給
が行われる。これにより、変質した現像液による現像欠
陥の発生が防止されるとともに、現像液吐出ノズル11
の初期の走査区間に現像液が過剰に供給されることによ
る現像むらの発生や感光性膜パターンの線幅均一性の劣
化が防止される。
【0069】なお、上記実施例においては、液除去部材
16,17が基板100の外周端縁に沿う円弧状に形成
されたものについて説明したが、このような形状に限定
されることなく、現像液吐出ノズル11のスリット状吐
出口15に平行な直線状に形成してもよく、あるいは現
像液吐出ノズル11の先端の長手方向の全幅にわたって
現像液を除去しうる形状であれば他の形状のものであっ
てもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における現像装置の平面図で
ある。
【図2】図1の現像装置の主要部のX−X線断面図であ
る。
【図3】図1の現像装置の主要部のY−Y線断面図であ
る。
【図4】現像液吐出ノズルのスリット状吐出口を示す図
である。
【図5】図1の現像装置の動作を説明するための図であ
る。
【図6】現像液吐出ノズルからの現像液の吐出状態を示
す正面図である。
【図7】液除去部材の動作を示す説明図である。
【図8】液除去部材の他の例の動作を示す説明図であ
る。
【図9】現像装置の動作の説明図である。
【図10】現像装置による基板上の現像液の状態を示す
模式図である。
【符号の説明】
1 基板保持部 4 内側カップ 5 外側カップ 6,7 待機スポット 8 ガイドレール 9 ノズルアーム 10 ノズル駆動部 11 現像液吐出ノズル 13 現像液供給系 14 制御部 15 スリット状吐出口 16,17 液除去部材 18 吸引口

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板を水平姿勢で保持する基板保持手段
    と、 現像液を吐出する現像液吐出ノズルと、 前記基板保持手段に静止状態で保持された基板外の一方
    側の移動開始位置から前記基板上を通過して前記基板外
    の他方側の停止位置まで前記現像液吐出ノズルを移動さ
    せる移動手段と、 前記現像液吐出ノズルの前記移動開始位置と前記基板の
    一方側の端縁との間に設けられ、前記現像液吐出ノズル
    の先端に付着した現像液を除去する液除去部材とを備え
    たことを特徴とする現像装置。
  2. 【請求項2】 前記現像液吐出ノズルは、前記基板保持
    手段に保持された前記基板の表面に平行なスリット状吐
    出口を有し、 前記移動手段は、前記スリット状吐出口の長手方向にほ
    ぼ直交する方向に前記現像液吐出ノズルを移動させるこ
    とを特徴とする請求項1記載の現像装置。
  3. 【請求項3】 前記液除去部材は、前記現像液吐出ノズ
    ルの先端に付着した現像液に接触して前記現像液を除去
    する上端部を有することを特徴とする請求項2記載の現
    像装置。
  4. 【請求項4】 前記液除去部材の上端部は、前記基板の
    外周端縁から等距離隔てて配置されたことを特徴とする
    請求項3記載の現像装置。
  5. 【請求項5】 前記液除去部材の上端部は、基板の外周
    端縁に沿う円弧状に形成されたことを特徴とする請求項
    4記載の現像装置。
  6. 【請求項6】 前記液除去部材の上端部は、前記現像液
    吐出ノズルの前記スリット状吐出口に平行な直線状に形
    成されたことを特徴とする請求項3記載の現像装置。
  7. 【請求項7】 前記液除去部材は、前記現像液吐出ノズ
    ルの先端に付着した現像液を吸引する吸引口を有するこ
    とを特徴とする請求項2記載の現像装置。
  8. 【請求項8】 前記液除去部材の吸引口は、前記基板の
    外周端縁から等距離隔てて配置されたことを特徴とする
    請求項7記載の現像装置。
  9. 【請求項9】 前記液除去部材の吸引口は、基板の外周
    端縁に沿う円弧状に形成されたことを特徴とする請求項
    8記載の現像装置。
  10. 【請求項10】 前記液除去部材の吸引口は、前記現像
    液吐出ノズルの前記スリット状吐出口に平行な直線状に
    形成されたことを特徴とする請求項7記載の現像装置。
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