JPH1167153A - メタルハライドランプ - Google Patents
メタルハライドランプInfo
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- JPH1167153A JPH1167153A JP9224674A JP22467497A JPH1167153A JP H1167153 A JPH1167153 A JP H1167153A JP 9224674 A JP9224674 A JP 9224674A JP 22467497 A JP22467497 A JP 22467497A JP H1167153 A JPH1167153 A JP H1167153A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- foil
- metal halide
- molybdenum
- halide lamp
- pinch
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J61/00—Gas-discharge or vapour-discharge lamps
- H01J61/02—Details
- H01J61/36—Seals between parts of vessels; Seals for leading-in conductors; Leading-in conductors
Landscapes
- Vessels And Coating Films For Discharge Lamps (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 電極とリード線とがMo箔にて接続され、該
Mo箔をピンチシールしたメタルハライドランプの長寿
命化を図る。 【解決手段】 ピンチシール部に埋設するMo箔をMo
−0.5%Y2O3とすることにより、その再結晶粒の大
きさを50μm以下とする。
Mo箔をピンチシールしたメタルハライドランプの長寿
命化を図る。 【解決手段】 ピンチシール部に埋設するMo箔をMo
−0.5%Y2O3とすることにより、その再結晶粒の大
きさを50μm以下とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電極とリード線と
をモリブデン箔(以下、「Mo箔」という。)によって
接続し、該Mo箔をピンチシールしたメタルハライドラ
ンプに関し、その長寿命化を図る技術に関する。
をモリブデン箔(以下、「Mo箔」という。)によって
接続し、該Mo箔をピンチシールしたメタルハライドラ
ンプに関し、その長寿命化を図る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】メタルハライドランプは、放電空間を形
成するために、ガラス管の両端にピンチシール部が設け
られる。
成するために、ガラス管の両端にピンチシール部が設け
られる。
【0003】ピンチシール部は放電空間内の電極に給電
するためのモリブデン箔及びリード線を挾持した状態で
ガラス管の両端部を圧潰することにより形成され、ガラ
ス管の内部を外気から遮断し、封入物質(キセノン、金
属ハロゲン化物、水銀)が外部に漏れないようにしてい
る。
するためのモリブデン箔及びリード線を挾持した状態で
ガラス管の両端部を圧潰することにより形成され、ガラ
ス管の内部を外気から遮断し、封入物質(キセノン、金
属ハロゲン化物、水銀)が外部に漏れないようにしてい
る。
【0004】ところで、メタルハライドランプのガラス
管として、例えば、硬質ガラスを用いた場合には、管壁
の温度が900℃程度と非常に高温になるため、変形、
失透など、耐熱の問題が発生する。また、そのガラス材
に添加物があるため、その添加物がアーク放電の時に、
発光してしまい所望の発光色を出せないという理由か
ら、一般に石英ガラスが用いられる。一方、硬質ガラス
は線膨張係数が50×10-7(1/℃)であるのに対
し、石英ガラスは約5.5×10-7(1/℃)であるた
め、従来の白熱電球やハロゲン電球のように60×10
-7(1/℃)の線膨張係数をもつモリブデン製のリード
線を直接ピンチシールすることができない。同様に40
×10-7(1/℃)の線膨張係数をもつタングステン電
極も直接ピンチシールすることができない。
管として、例えば、硬質ガラスを用いた場合には、管壁
の温度が900℃程度と非常に高温になるため、変形、
失透など、耐熱の問題が発生する。また、そのガラス材
に添加物があるため、その添加物がアーク放電の時に、
発光してしまい所望の発光色を出せないという理由か
ら、一般に石英ガラスが用いられる。一方、硬質ガラス
は線膨張係数が50×10-7(1/℃)であるのに対
し、石英ガラスは約5.5×10-7(1/℃)であるた
め、従来の白熱電球やハロゲン電球のように60×10
-7(1/℃)の線膨張係数をもつモリブデン製のリード
線を直接ピンチシールすることができない。同様に40
×10-7(1/℃)の線膨張係数をもつタングステン電
極も直接ピンチシールすることができない。
【0005】そのため、メタルハライドランプにあって
は、電極とリード線との間をMo箔により接続し、該M
o箔の部分をピンチシールすることが行われている。
は、電極とリード線との間をMo箔により接続し、該M
o箔の部分をピンチシールすることが行われている。
【0006】ピンチシールされたMo箔はピンチシール
部内(ガラス)において、膨張及び収縮が繰り返されて
もその形状が箔状であるため、両者の線膨張係数の差を
緩和する働きをし、これにより、上記リード線(線材)
をピンチシールしたものに比べ、ガラス材とMo箔との
間にすべり及び間隙が生ずることを少なくでき、クラッ
クの発生及びこれによる封入ガスのリークの発生を少な
くすることができる。
部内(ガラス)において、膨張及び収縮が繰り返されて
もその形状が箔状であるため、両者の線膨張係数の差を
緩和する働きをし、これにより、上記リード線(線材)
をピンチシールしたものに比べ、ガラス材とMo箔との
間にすべり及び間隙が生ずることを少なくでき、クラッ
クの発生及びこれによる封入ガスのリークの発生を少な
くすることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記したよ
うな従来のメタルハライドランプにあっても、Mo箔と
ピンチシール部(ガラス)との線膨張係数の差により、
少なからず、すべり及び間隙が生じ、クラックの発生及
びこれによる封入ガスのリークが生じるため、メタルハ
ライドランプの寿命は、所望の寿命に対し、半分以下と
なっていた。
うな従来のメタルハライドランプにあっても、Mo箔と
ピンチシール部(ガラス)との線膨張係数の差により、
少なからず、すべり及び間隙が生じ、クラックの発生及
びこれによる封入ガスのリークが生じるため、メタルハ
ライドランプの寿命は、所望の寿命に対し、半分以下と
なっていた。
【0008】そこで、出願人は、短寿命であったメタル
ハライドランプを解析した結果、以下のことが解った。
ハライドランプを解析した結果、以下のことが解った。
【0009】(1)ピンチシール部に埋設されたMo箔
は、その再結晶粒の大きさ(x)が50μm以上となっ
ている(図5参照)。尚、純モリブデン(99.95
%)の箔の場合は、50<x<100μmで、不純物を
多少含むモリブデン(99.90%)の箔の場合は、x
≧100μmであった。
は、その再結晶粒の大きさ(x)が50μm以上となっ
ている(図5参照)。尚、純モリブデン(99.95
%)の箔の場合は、50<x<100μmで、不純物を
多少含むモリブデン(99.90%)の箔の場合は、x
≧100μmであった。
【0010】(2)また、隣接する再結晶粒との凹凸が
少なく、Mo箔の表面が結晶レベルで見て平滑面となっ
ている(図6参照)。
少なく、Mo箔の表面が結晶レベルで見て平滑面となっ
ている(図6参照)。
【0011】このようなMo箔がガラス材の中において
伸縮した場合、再結晶粒が大きい分その膨張による伸び
が大きくその方向も一致しているため、ガラス材に与え
る応力が大きく(図5参照)、ガラス材との接触部分に
おいてすべりが生じやすく、よって、Mo箔の伸縮が繰
り返されると、ガラス材とMo箔との間のすべり及び間
隙が徐々に大きくなってしまう。
伸縮した場合、再結晶粒が大きい分その膨張による伸び
が大きくその方向も一致しているため、ガラス材に与え
る応力が大きく(図5参照)、ガラス材との接触部分に
おいてすべりが生じやすく、よって、Mo箔の伸縮が繰
り返されると、ガラス材とMo箔との間のすべり及び間
隙が徐々に大きくなってしまう。
【0012】そして、ランプの点灯時に放電空間内の内
部圧力が高くなると、電極周囲の間隙を縫ってその圧力
がピンチシール部におけるガラス材とMo箔との間の間
隙に達し、上記クラックを助長するものと考えられる。
部圧力が高くなると、電極周囲の間隙を縫ってその圧力
がピンチシール部におけるガラス材とMo箔との間の間
隙に達し、上記クラックを助長するものと考えられる。
【0013】ところで、Mo箔は、圧延製造されるた
め、本来、その結晶粒は微細化(5〜30μm)されて
いるが、ピンチシールを行うときに高温で軟化した石英
ガラスの間に挾持され圧潰されるため、Mo箔の結晶が
再結晶してしまうと考えられる。
め、本来、その結晶粒は微細化(5〜30μm)されて
いるが、ピンチシールを行うときに高温で軟化した石英
ガラスの間に挾持され圧潰されるため、Mo箔の結晶が
再結晶してしまうと考えられる。
【0014】すなわち、ピンチシールするときには、石
英ガラスを軟化温度以上の温度(1600〜2000
℃)に加熱してからMo箔を挟持して圧潰するため、M
o箔は1600〜2000℃に晒され、また、モリブデ
ンの再結晶は、約1300℃より始まるため、Mo箔の
結晶粒は再結晶して粗大化(50μm以上)してしま
う。
英ガラスを軟化温度以上の温度(1600〜2000
℃)に加熱してからMo箔を挟持して圧潰するため、M
o箔は1600〜2000℃に晒され、また、モリブデ
ンの再結晶は、約1300℃より始まるため、Mo箔の
結晶粒は再結晶して粗大化(50μm以上)してしま
う。
【0015】このように、従来のメタルハライドランプ
にあっては、ピンチシールした状態で、Mo箔の結晶粒
が粗大化してしまっており、メタルハライドランプの点
灯を繰り返すことにより、Mo箔が伸縮して、ガラス材
に大きな応力がかかり、応力に耐えられなくなると、ガ
ラスと箔の間ですべりが生じ、すべりが生じたところの
間隙は大きくなってしまい、クラックの発生及びこれに
よる封入ガスのリークが生じるため、メタルハライドラ
ンプが短寿命となってしまうことが解った。
にあっては、ピンチシールした状態で、Mo箔の結晶粒
が粗大化してしまっており、メタルハライドランプの点
灯を繰り返すことにより、Mo箔が伸縮して、ガラス材
に大きな応力がかかり、応力に耐えられなくなると、ガ
ラスと箔の間ですべりが生じ、すべりが生じたところの
間隙は大きくなってしまい、クラックの発生及びこれに
よる封入ガスのリークが生じるため、メタルハライドラ
ンプが短寿命となってしまうことが解った。
【0016】そこで、本発明は、電極とリード線とがM
o箔にて接続され、該Mo箔をピンチシールしたメタル
ハライドランプの長寿命化を図ることを課題とする。
o箔にて接続され、該Mo箔をピンチシールしたメタル
ハライドランプの長寿命化を図ることを課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明メタルハ
ライドランプは、上記した課題を解決するために、ピン
チシール部に埋設するMo箔の結晶粒の大きさを50μ
m以下としたものである。
ライドランプは、上記した課題を解決するために、ピン
チシール部に埋設するMo箔の結晶粒の大きさを50μ
m以下としたものである。
【0018】従って、本発明メタルハライドランプによ
れば、ピンチシール部に埋設されたMo箔の再結晶粒の
大きさを50μm以下にしたので、メタルハライドラン
プの点灯を繰り返しても、Mo箔の伸縮による応力は、
Mo箔の再結晶粒がその応力を分散させることができ、
また、結晶粒界のすべりや結晶粒間の弾性によりガラス
に与える応力を減少させることができる。
れば、ピンチシール部に埋設されたMo箔の再結晶粒の
大きさを50μm以下にしたので、メタルハライドラン
プの点灯を繰り返しても、Mo箔の伸縮による応力は、
Mo箔の再結晶粒がその応力を分散させることができ、
また、結晶粒界のすべりや結晶粒間の弾性によりガラス
に与える応力を減少させることができる。
【0019】また、再結晶粒が細かい場合、Mo箔の表
面に微細な凹凸があり、ガラスとの接合面積が増加する
ため、両者の接合強度を著しく増大させることになり、
これによっても、両者間の間隙から発生するクラックの
発生が減少するものと考えられる。
面に微細な凹凸があり、ガラスとの接合面積が増加する
ため、両者の接合強度を著しく増大させることになり、
これによっても、両者間の間隙から発生するクラックの
発生が減少するものと考えられる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明メタルハライドラ
ンプの詳細を添付図面に示した実施例に従って説明す
る。
ンプの詳細を添付図面に示した実施例に従って説明す
る。
【0021】尚、図面に示した実施例は、本発明メタル
ハライドランプを車両前照灯用メタルハライドランプに
適用したものである。
ハライドランプを車両前照灯用メタルハライドランプに
適用したものである。
【0022】図1は、車輌前照灯用メタルハライドラン
プ1の全体を示す縦断面図である。2は石英ガラスから
成るガラス球であり、楕円球状の放電空間3と該放電空
間3の長軸方向における両端から突出したピンチシール
部4、4が形成されている。
プ1の全体を示す縦断面図である。2は石英ガラスから
成るガラス球であり、楕円球状の放電空間3と該放電空
間3の長軸方向における両端から突出したピンチシール
部4、4が形成されている。
【0023】5、5は上記ピンチシール部4、4内に埋
設されたMo箔であり、該Mo箔はモリブデン(Mo)
に、イットリア(Y2O3)を0.5%(ドープ)添加し
たもの(Mo−0.5%Y2O3)を用いる。尚、Mo箔
へのイットリア(Y2O3)の添加量は0.5%に限ら
ず、0.1%〜2%の添加量であっても、多くの再結晶
粒の大きさを50μm以下とすることができたが、安定
した長寿命化を得るには、0.5%の添加量がもっとも
好ましい。
設されたMo箔であり、該Mo箔はモリブデン(Mo)
に、イットリア(Y2O3)を0.5%(ドープ)添加し
たもの(Mo−0.5%Y2O3)を用いる。尚、Mo箔
へのイットリア(Y2O3)の添加量は0.5%に限ら
ず、0.1%〜2%の添加量であっても、多くの再結晶
粒の大きさを50μm以下とすることができたが、安定
した長寿命化を得るには、0.5%の添加量がもっとも
好ましい。
【0024】6、6はタングステン製の電極棒であり、
これら電極棒6、6の一端は上記Mo箔5、5の一端に
連結され、他端は上記放電空間3の両端部に突出してい
る。この放電空間3内に突出した電極棒6、6の他端は
他の部分の直径より大きい直径を有する球体7、7が形
成されており、電極棒6、6の他端と球体7、7とによ
って放電電極8、8が形成されている。
これら電極棒6、6の一端は上記Mo箔5、5の一端に
連結され、他端は上記放電空間3の両端部に突出してい
る。この放電空間3内に突出した電極棒6、6の他端は
他の部分の直径より大きい直径を有する球体7、7が形
成されており、電極棒6、6の他端と球体7、7とによ
って放電電極8、8が形成されている。
【0025】9、9はモリブデン製のリード線であり、
その一端部が上記ピンチシール部4、4の外端から突出
した状態で一部がピンチシール部4、4に埋着され、か
つ、一端が前記Mo箔5、5の他端に接続されている。
その一端部が上記ピンチシール部4、4の外端から突出
した状態で一部がピンチシール部4、4に埋着され、か
つ、一端が前記Mo箔5、5の他端に接続されている。
【0026】また、ガラス球2の放電空間3内には水銀
と一乃至複数の金属沃化物が封入され、かつ、始動用ガ
スとしてアルゴン、キセノン、クリプトン等の不活性ガ
スを単独又はこれらの混合物が所定の圧力で充填されて
いる。
と一乃至複数の金属沃化物が封入され、かつ、始動用ガ
スとしてアルゴン、キセノン、クリプトン等の不活性ガ
スを単独又はこれらの混合物が所定の圧力で充填されて
いる。
【0027】そして、このようなメタルハライドランプ
1は、従来の製造方法と同様にして製造されるが、ピン
チシール部4、4に埋着されるMo箔5、5の材質が、
Mo−0.5%Y2O3であるため、ピンチシール時に高
温(1600〜2000℃)に晒されても、微細化され
たMo箔の結晶は再結晶しにくく、かつ、再結晶しても
結晶粒が粗大化しにくいため、ピンチシール後のMo箔
5、5の再結晶粒の大きさを50μm以下とすることが
できる。
1は、従来の製造方法と同様にして製造されるが、ピン
チシール部4、4に埋着されるMo箔5、5の材質が、
Mo−0.5%Y2O3であるため、ピンチシール時に高
温(1600〜2000℃)に晒されても、微細化され
たMo箔の結晶は再結晶しにくく、かつ、再結晶しても
結晶粒が粗大化しにくいため、ピンチシール後のMo箔
5、5の再結晶粒の大きさを50μm以下とすることが
できる。
【0028】
【表1】
【0029】表1は、メタルハライドランプの加速寿命
試験の結果で、Mo箔5、5の再結晶粒の大きさ、サン
プル数、メタルハライドランプの平均寿命を表わしたも
のである。
試験の結果で、Mo箔5、5の再結晶粒の大きさ、サン
プル数、メタルハライドランプの平均寿命を表わしたも
のである。
【0030】尚、本表において、(a)は従来のMo箔
であり、不純物が多少含まれたMo箔、(b)は別の従
来のMo箔であり、純度99.95%の純Mo箔、
(c)は本発明に係るMo箔(Mo−0.5%Y2O3)
を示す。
であり、不純物が多少含まれたMo箔、(b)は別の従
来のMo箔であり、純度99.95%の純Mo箔、
(c)は本発明に係るMo箔(Mo−0.5%Y2O3)
を示す。
【0031】また、係る加速寿命試験は、図2のタイム
チャート図に示すように、140秒点灯−10秒消灯−
40秒点灯−250秒消灯を1サイクルとして、これを
くり返して、どのくらいでメタルハライドランプ1の不
具合、すなわち、封入物質のリークが発生するかを試験
したものである。
チャート図に示すように、140秒点灯−10秒消灯−
40秒点灯−250秒消灯を1サイクルとして、これを
くり返して、どのくらいでメタルハライドランプ1の不
具合、すなわち、封入物質のリークが発生するかを試験
したものである。
【0032】この表1から明らかなように、不純物が多
少含まれたMo箔の場合(再結晶粒サイズ:x≧100
μm)では、4個のサンプル数でその平均寿命は113
hours、純Mo箔の場合(再結晶粒サイズ:50<x<
100μm)では、5個のサンプル数でその平均寿命は
341hours、Mo−0.5%Y2O3箔の場合(再結晶
粒サイズ:x≦50μm)では、10個のサンプル数で
その平均寿命は1084hours、という結果を得た。
少含まれたMo箔の場合(再結晶粒サイズ:x≧100
μm)では、4個のサンプル数でその平均寿命は113
hours、純Mo箔の場合(再結晶粒サイズ:50<x<
100μm)では、5個のサンプル数でその平均寿命は
341hours、Mo−0.5%Y2O3箔の場合(再結晶
粒サイズ:x≦50μm)では、10個のサンプル数で
その平均寿命は1084hours、という結果を得た。
【0033】表1の結果から、ピンチシール部4、4に
埋着されたMo箔5、5の再結晶粒の大きさが50μm
以下の場合には、その寿命が長くなることが解る。
埋着されたMo箔5、5の再結晶粒の大きさが50μm
以下の場合には、その寿命が長くなることが解る。
【0034】これは、Mo箔5、5の再結晶粒が小さい
と、そのMo箔5、5の表面が結晶レベルで見て凹凸と
なり(図4参照)、そのため、各結晶粒に生ずる応力の
方向もまちまちで、応力は分散され(図3参照)、ま
た、結晶粒界のすべりや結晶粒間の弾性により、全体と
してガラス材に与える応力が減少するからであると考え
られる。
と、そのMo箔5、5の表面が結晶レベルで見て凹凸と
なり(図4参照)、そのため、各結晶粒に生ずる応力の
方向もまちまちで、応力は分散され(図3参照)、ま
た、結晶粒界のすべりや結晶粒間の弾性により、全体と
してガラス材に与える応力が減少するからであると考え
られる。
【0035】また、Mo箔5、5の表面が結晶レベルで
見て微細な凹凸となっていると、ガラス材との接合面積
が増加して、両者の接合強度を著しく増大させることに
なり、これによっても、両者間のすべり及び間隙から発
生するクラックの発生が減少するものと考えられる。
見て微細な凹凸となっていると、ガラス材との接合面積
が増加して、両者の接合強度を著しく増大させることに
なり、これによっても、両者間のすべり及び間隙から発
生するクラックの発生が減少するものと考えられる。
【0036】しかして、上記メタルハライドランプ1に
よれば、従来のMo箔を用いた場合に比べ、3〜10倍
もの長寿命を達成することができた。
よれば、従来のMo箔を用いた場合に比べ、3〜10倍
もの長寿命を達成することができた。
【0037】尚、Mo箔の再結晶粒の大きさを、50μ
m以下とする手段として、Moに0.5%のイットリア
(Y2O3)をドープしたものについて説明したが、本発
明は、これに限らず、ピンチシール時の温度を低下させ
たり、ピンチシール時間を短縮することにより、従来の
Mo箔の成分でありながら、ピンチシール時にその再結
晶を極力防ぎ、これにより、ピンチシール後のMo箔の
再結晶粒の大きさを50μm以下とするようにしても良
い。
m以下とする手段として、Moに0.5%のイットリア
(Y2O3)をドープしたものについて説明したが、本発
明は、これに限らず、ピンチシール時の温度を低下させ
たり、ピンチシール時間を短縮することにより、従来の
Mo箔の成分でありながら、ピンチシール時にその再結
晶を極力防ぎ、これにより、ピンチシール後のMo箔の
再結晶粒の大きさを50μm以下とするようにしても良
い。
【0038】
【発明の効果】以上に記載したところから明らかなよう
に、請求項1に記載の本発明によれば、Mo箔の再結晶
粒の大きさを50μm以下としたので、Mo箔の伸縮が
繰り返されても、Mo箔とガラス材との間にすべり及び
間隔の発生によるクラックが生じにくく、メタルハライ
ドランプの長寿命化を実現することができる。
に、請求項1に記載の本発明によれば、Mo箔の再結晶
粒の大きさを50μm以下としたので、Mo箔の伸縮が
繰り返されても、Mo箔とガラス材との間にすべり及び
間隔の発生によるクラックが生じにくく、メタルハライ
ドランプの長寿命化を実現することができる。
【0039】請求項2に記載の本発明によれば、Mo箔
に0.5%のイットリア(Y2O3)をドープしたので、
従来と同様な製造工程であっても、ピンチシール後のM
o箔の再結晶粒の大きさを50μm以下とすることがで
き、従来の製造設備などをそのまま利用してもメタルハ
ライドランプの長寿命化を図ることができる。
に0.5%のイットリア(Y2O3)をドープしたので、
従来と同様な製造工程であっても、ピンチシール後のM
o箔の再結晶粒の大きさを50μm以下とすることがで
き、従来の製造設備などをそのまま利用してもメタルハ
ライドランプの長寿命化を図ることができる。
【0040】尚、前記した実施例において示した各部の
具体的な形状乃至構造は、本発明を実施するに当たって
の具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらに
よって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることが
あってはならないものである。
具体的な形状乃至構造は、本発明を実施するに当たって
の具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらに
よって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることが
あってはならないものである。
【図1】図3及び図4と共に、本発明メタルハライドラ
ンプの実施の一例を示すもので、本図は全体を示す縦断
面である。
ンプの実施の一例を示すもので、本図は全体を示す縦断
面である。
【図2】加速寿命試験の方法を示すタイムチャート図で
ある。
ある。
【図3】本発明に係るメタルハライドランプのMo箔の
拡大断面図である。
拡大断面図である。
【図4】図3を更に拡大して示すMo箔の拡大断面図で
ある。
ある。
【図5】図6と共に、従来のメタルハライドランプのM
o箔の拡大断面図である。
o箔の拡大断面図である。
【図6】図5を更に拡大して示すMo箔の拡大断面図で
ある。
ある。
1…メタルハライドランプ、4…ピンチシール部、5…
モリブデン箔(Mo−0.5%Y2O3)、8…放電電
極、9…リード線(Mo)
モリブデン箔(Mo−0.5%Y2O3)、8…放電電
極、9…リード線(Mo)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大島 由隆 静岡県清水市北脇500番地 株式会社小糸 製作所静岡工場内
Claims (2)
- 【請求項1】 電極とリード線とがモリブデン箔にて接
続され、該モリブデン箔がピンチシール部に埋設状に設
けられたメタルハライドランプであって、 上記モリブデン箔の再結晶粒の大きさを50μm以下と
したことを特徴とするメタルハライドランプ。 - 【請求項2】 モリブデン(Mo)にイットリア(Y2
O3)をドープしたことを特徴とする請求項1に記載の
メタルハライドランプ。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9224674A JPH1167153A (ja) | 1997-08-21 | 1997-08-21 | メタルハライドランプ |
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