JPH1166653A - 光磁気記録媒体の製造方法及び光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体の製造方法及び光磁気記録媒体

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JPH1166653A
JPH1166653A JP21741697A JP21741697A JPH1166653A JP H1166653 A JPH1166653 A JP H1166653A JP 21741697 A JP21741697 A JP 21741697A JP 21741697 A JP21741697 A JP 21741697A JP H1166653 A JPH1166653 A JP H1166653A
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JP
Japan
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JP21741697A
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Inventor
Masao Komatsu
昌生 小松
Asato Tanaka
麻人 田中
Shigeo Honda
茂男 本多
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 基板上に直接または下地層を介して記録層を
形成する光磁気記録媒体の製造方法であって、記録層と
して水素含有アルゴンガス雰囲気下によるスパッタリン
グでCo合金及び貴金属を交互に積層することを特徴と
する光磁気記録媒体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光磁気記録媒体の製
造方法と光磁気記録媒体に存し、特に短波長(300n
m〜500nm)レーザーを用いた高密度記録に好適な
光磁気記録媒体の製造方法及び光磁気記録媒体に存す
る。
【0002】
【従来の技術】光磁気記録媒体(以下、記録媒体又は媒
体と記すことがある。)はレーザー光と外部磁界によっ
て記録再生が行われる。記録はレーザー光による熱と外
部磁界により行われる。すなわち、レーザー光による温
度上昇によって、媒体の保磁力(以下、Hcと記すこと
がある)が減少し、外部磁界により磁化の方向が記録さ
れる。再生は媒体を反射したレーザー光の偏光の変化
(カー回転角)を検出することによる。現在650メガ
バイトの3.5インチ光磁気ディスク等が市販されてい
るが、さらに高容量のものが要求されている。
【0003】高容量化の一つの方法として、レーザーの
短波長化の検討が試みられている。レンズで集光される
レーザースポット径は波長に比例するため、短波長のレ
ーザー光により記録密度が大きくなるためである。現
在、波長は650〜780nmの波長が一般に用いられ
ているが、400nmになれば記録密度は2から4倍と
なる。しかし、媒体の記録層として一般に用いられてい
るTbFeCo系薄膜は、波長400nmにおけるカー
回転角が小さく(780nmにおけるそれの約半分)、
再生信号の低下が問題となっている。波長400nmで
大きなカー回転角を示すものとしては、Pt/Co等の
多層膜等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】光磁気記録媒体の記録
安定性を確保するためには、記録層の高保磁力化が必要
であるが、Pt/Co等の多層膜からなる記録層は一般
にTbFeCo系薄膜に比べて保磁力が小さい。特にC
oの比率(=記録層の膜厚)が多い場合は、大きな保磁
力を得難い。一方、400nmの波長におけるカー回転
は一般にCoの比率と比例するため、Coの多い比率を
用いる必要がある。従って、記録安定性と、大きなカー
回転角はトレードオフの関係にある。保磁力を増加させ
るために、従来より様々な研究がなされている。例え
ば、Carcia(Appl. Phys. Lett. 56, 2345(1990))らや、
Bertero(J.Magn. Magn.Mater.134, 173(1994)) らは、
キセノンやクリプトンをスパッタリングガスに用いるこ
とにより保磁力の増加を試みている。しかし、キセノン
やクリプトンは高価で実用上好ましくない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成する
に至った。すなわち本発明の要旨は、基板上に直接また
は下地層を介して記録層を形成する光磁気記録媒体の製
造方法において、記録層として水素含有アルゴンガスに
よるスパッタリングによりCo合金と貴金属を交互に積
層することによって達成される。また、このアルゴンガ
スが0.2%〜5%の水素を含む際に、より一層の効果
を示すものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の光磁気記録媒体の製造方
法では、水素含有のアルゴンガス雰囲気下でCo合金と
貴金属をスパッタリングにより積層して多層膜(以下、
Pt/Coとして記すことがある。)とした記録層を形
成する。このような記録層は保磁力が大きく、記録安定
性が良好となる。また、従来は用いることのできなかっ
た、大きな膜厚のCoの利用が可能となり、カー回転
角、キュリー温度等の媒体の設計範囲が広がるという特
徴がある。水素含有のアルゴンガスを用いてスパッタリ
ングにより記録層を形成することで保磁力が増加する原
因は、Pt/Coの界面性、結晶の配向性が関係してい
るものと考えられる。以下、具体的に説明する。
【0007】本発明に用いる基板としては、通常トラッ
キングサーボのために凹凸を設けたポリカーボネート樹
脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂等の樹脂基板、
ガラス、セラミック基板、アルミニウム合金等の金属基
板、または、これらの積層基板等を用いる。基板の厚み
は0.1〜2mmが一般的である。
【0008】これらの基板の上に直接、または下地層を
介して記録層を設ける。記録層の積層には、例えば図1
のようなスパッタリング装置を用いる。チャンバー内に
PtとCoの2元のターゲットを用意し、基板を回転さ
せながらPtとCoをスパッタにより周期的に積層させ
ていく。周期は、基板回転数と各ターゲット積層速度、
具体的には投入電力を調整することにより制御できる。
ターゲット間にはしきり板があり基板上ではPtとCo
の合金膜となるのを防いでいる。本発明においては、P
t層とCo層が分離した単独の層の積層でも、相互に拡
散した、組成が周期的に変調した、いわゆる連続膜であ
っても実用上の問題は無い。また、チャンバーの構造も
本質的な問題ではなく、例えば、しきり板を介してPt
とCoのターゲットが直線上に交互に配置された上を基
板を通過させる構造(スルータイプ)等であっても良
い。
【0009】これらのチャンバー内は真空ポンプで排気
される。本発明は、到達圧力に影響されないが、不純物
の混入、酸化を防ぐために、1×10-3パスカル以下に
排気するのが望ましい。排気後、水素含有のアルゴンガ
スをチャンバー内に導入する。これら水素とアルゴンを
別々に導入してもよい。水素含有アルゴンガスの圧力が
低すぎると放電そのものが不安定となり、逆に高すぎる
と膜の凹凸が大きくなり、光学的反射率がさがる等の問
題を生じることもある。よって、このガスの圧力は0.
01〜5パスカル、特に0.05〜2パスカルの間が好
ましい。ガス中での水素の比率は、ガス全体の0.2%
〜5%が好ましい。水素が少なくなると、水素量の制御
が困難となったり、又、多い場合には総アルゴン量の減
少のために記録層の積層速度が小さくなったり燃焼等の
危険性のため取り扱いが難しくなる。
【0010】スパッタリングは、基板とターゲットの間
に電力を投入することで行う。電力はターゲット面積当
たりの電力で0.3〜30(W/cm2 )が好ましい。
記録層の膜厚は5〜300nm程度が好ましい。5nm
より薄いと磁気光学効果が十分でなかったり、又、30
0nmより大きいと膜自身の磁化による漏洩磁界により
磁界感度が悪くなることがある。よって、記録層の膜厚
は、特に10〜40nmの膜厚が好ましい。積層の周期
は通常、Co合金層が0.2〜1nm、貴金属層が0.
5〜2nmとなるよう調整される。Co合金層は0.2
nmより小さいと十分なカー回転角が得られなったり、
又、1nmより大きいと膜の磁化が大きくなり垂直磁気
異方性が小さくなる等の問題を生じる場合がある。貴金
属層は0.5nmより小さいと垂直磁気異方性が低下し
たり、又、2nmより大きいと十分なカー回転角が得ら
れないこともある。貴金属としては、Pt、Pd、Au
等であり、またこれらの合金等でもよい。又、貴金属層
には特性制御のために微少な元素を添加しても良い。C
o合金としてはCo単体、またはCoを主成分とするC
oFe、CoCr等の合金を示し、これ以外に3元、4
元合金でも良い。Coの量が90原子量%より少ない場
合には結晶の配向性が悪くなることがあるのでCo合金
層におけるCoの量は90%以上であることが好まし
い。
【0011】本発明においては、記録層の酸化防止効
果、記録層の磁気特性の改善効果、光学的干渉効果を目
的として基板と記録層の間に下地層を設けてもよい。下
地層を設ける場合には、通常、SiO2 、Al2 3
Ta2 5 、Si3 4 等の酸化物、窒化物、およびこ
れらの混合物を用いる。膜厚は10〜300nm程度と
するのが好ましい。又、本発明においてはPt、Pd等
からなる層を基板又は下地層との間に用いると記録層の
保磁力が大幅に向上するので、記録層と基板または下地
層との間に、これらの合金層を設けても良い。この合金
層の膜厚は、薄すぎると、特性改善効果が少なく、厚す
ぎると情報記録/再生に用いるレーザー光を遮断するこ
とがあるので2〜10nmが好ましい。
【0012】これらの層の他、反射率、記録感度、信号
強度等を調整する目的で反射層を用いる。反射層として
はAl、Ag、Au、Pt、Pd、またはこれらの合金
の金属膜等を用いる。これらの反射層は光の反射以外に
光磁気記録媒体の記録感度、耐繰り返し再生安定性等を
向上させる、熱伝導の調整の目的にも用いられる。さら
に、各層の間に他の層を設ける場合がある。特に、光磁
気記録層と反射層の間に断熱層を設けることが好まし
い。
【0013】
【実施例】以下に実施例をもって本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下
の実施例に限定されるものではない。 実施例 はじめに本発明に用いた装置について記す。記録層は基
板回転2元高周波マグネトロンスパッタ装置(島津製作
所HSR521)により、スライドガラス基板上に作製
した。膜厚は表面粗さ計(東京精密製)で測定した。膜
の結晶構造および積層構造の測定は、X線回折装置(理
学電機製、ガイガー・フレックスRAD−IIA)を用
いた。磁気特性はVSM(理研電子製BHV−50
型)。磁気光学効果(カー回転角)の測定は極カー測定
装置(日本科学エンジニアリング社製BH−8006、
波長780nm)を用いた。カー回転角、楕円率はXe
ランプを用いた装置を作成し、位相変調法(佐藤勝昭
著:「光と磁気」(朝倉書店)参照)を用いて測定し
た。
【0014】記録層はチャンバーを6.7×10-5パス
カル以下に排気した後、アルゴンまたはアルゴン水素混
合ガス(以下、水素添加と記す場合がある。)を導入し
1.3パスカルとしてスパッタリングを行った。ターゲ
ットは直径100mmのCo(単体)、Pt(単体)を
用い、投入電力はCoが100〜200W(1.3〜
2.5W/cm2 )、Ptが60W(0.76W/cm
2 )とした。積層速度は0.1〜0.2nm/sとし、
基板回転速度を制御し、Coを0.3または0.5n
m、Ptを1nm周期的に積層して記録層の全膜厚が3
0nmとなるようにした。
【0015】図2にCo厚が0.3nm、水素濃度を0
(比較例)、0.1、0.2、0.3、0.5%とした
試料のX線の回折パターンを示す。水素濃度によらず、
小角領域で全ての試料において明瞭な一次ピークが観察
される。この試料およびCo厚が0.5nmの試料の保
磁力(Hc)、反転磁界(Hn)を図3、4に示す。
0.1%の濃度ではHc、Hnともに一旦減少している
が、それ以上の水素濃度では増加しているのがわかる。
特にCo0.3nmにおいて、水素0.3%濃度ではH
cはアルゴンのみの1.7倍に増加している。またCo
0.5nmにおいては、アルゴンのみの場合はHnがマ
イナスからプラスに転じている。これは、アルゴンのみ
では残留磁化が小さく実用上、使用できなかったCo:
0.5nm/Pt:1nmの積層膜が、水素添加によっ
て残留磁化1となり使用できるようになったことを意味
する。Coの厚い膜はカー回転角が大きく,実用上好ま
しい。図5,6に水素濃度、0〜5%での試料のHc、
及び780nmにおける反射率を示す。水素添加の効果
が維持されているのがわかる。
【0016】
【発明の効果】本発明の如く、光磁気記録媒体の製造方
法においては、水素含有のアルゴンガスによりスパッタ
リングされた記録層は、従来の様なアルゴンのみのガス
でスパッタリングされたものに比べてより保磁力を増大
させることが可能となり、光磁気記録の記録安定性を向
上させるとともに、従来は用いることのできなかった、
Co層を厚くした光磁気記録媒体の利用を可能とさせる
ものである。Co層を厚くすることで、磁気光学特性の
向上、信号強度の大幅な向上が可能であり、また、キュ
リー温度制御幅が広がる。一般にCo層厚が大きいとキ
ュリー温度は上昇するが、短波長のレーザースポット微
小化による温度上昇にも耐えることができ、繰り返し再
生特性の向上につながる。この製造方法はアルゴンガス
にごく少量の水素を添加させるだけで実現でき工業化が
容易である。また、クリプトン、キセノンのような高価
なガスではなく、安価な水素を用いることも工業上有意
義である。
【図面の簡単な説明】
【図1】スパッタリング装置の一例の概略図。
【図2】本発明における記録層のX線回折パターン図。
【図3】本発明における記録層の保磁力と水素ガス濃度
の図。
【図4】本発明における記録層の反転磁界と水素ガス濃
度の図。
【図5】本発明における記録層の保磁力と水素ガス濃度
の図。
【図6】本発明における記録層の反射率と水素ガス濃度
の図。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に直接または下地層を介して記録
    層を形成する光磁気記録媒体の製造方法であって、記録
    層として水素含有アルゴンガス雰囲気下によるスパッタ
    リングでCo合金及び貴金属を交互に積層することを特
    徴とする光磁気記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 アルゴンガスが0.2%〜5%の水素を
    含むことを特徴とする請求項1に記載の光磁気記録媒体
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2項記載の方法で製造され
    た光磁気記録媒体。
JP21741697A 1997-08-12 1997-08-12 光磁気記録媒体の製造方法及び光磁気記録媒体 Pending JPH1166653A (ja)

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JP21741697A JPH1166653A (ja) 1997-08-12 1997-08-12 光磁気記録媒体の製造方法及び光磁気記録媒体

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003036633A1 (fr) * 2001-10-25 2003-05-01 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Procede de production d'un film sur un disque optique

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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