JPH1165500A - 発光画像領域を有する電界発光表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】経済的負担の増大を回避しつつ視認性の維持が
可能な発光画像領域を有する電界発光表示装置を提供す
ること。 【解決手段】光透過性の開口領域（発光画像領域ともい
う）３１をもつ画像シート３が準備され、この画像シー
ト３の裏面に透光シ−ト４が剥離可能に密着される。透
光シ−ト４は開口領域（発光画像領域）３１を覆って配
設され、この透光シ−ト４の裏面に少なくとも開口領域
３１を覆ってＥＬシ−ト５が固定される。この装置によ
れば、例えばグラビア印刷された紙などの安価な表示媒
体で構成された非透明な画像シートの一部の表示パター
ン（発光画像領域）だけを選択的に発光させることがで
き、視認性、訴求性に優れた表示媒体を形成することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電界発光表示装置
に関し、特にパネル、ポスターやカタログやメニューな
どに形成された表示パターンの一部を発光表示させてそ
の視認性の向上を図った電界発光表示装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】文字、ロゴを含む各種画像すなわち表示
パターンを発光させる発光表示装置として、光透過パネ
ルに描写、印刷、貼着などにより表示パターンを形成し
て表示板を作成し、この表示板の裏側にＥＬパネルや蛍
光灯などの背景照明装置（バックライト装置）を設け
て、この表示板を発光させるバックライト型の発光表示
装置が知られている。

【０００３】また、透明フィルムの内側の透明電極膜と
裏面電極層との間にＥＬ（電界発光層）層を設けてなる
軟質のＥＬシートを、所定の画像形状の開口領域（発光
画像領域ともいう）をもつ画像シートの裏側に貼り付け
て、この開口領域（遮光領域に囲まれた透明領域を含
む）からなる表示パタ−ン（背景領域を含む）を発光表
示させる画像直接発光型の発光表示装置も知られてい
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記した開口領域切り
抜きＥＬシ−トを用いる画像直接発光型の発光表示装置
は、バックライト型の発光表示装置に比べて、可撓性、
可搬性、収納性、経済性に富むという利点をもつが、Ｅ
Ｌシ−トの経時的な輝度低下により、比較的早期に交換
を行うかまたは低輝度で視認性に劣る状態で使用する必
要があった。

【０００５】しかし、上記画像シートが特殊な美術印刷
物などであると、その頻繁な交換は経済的負担を増大さ
せる他、画像シートの表面に傷や皺などが付くと著しく
表示品質が低下してしまうので交換用の予備品の保管に
細心の注意を払う必要があり、厄介であった。特に、多
種類の画像シートを用いる場合、それらについて一々、
交換用の予備品を保管することは簡単ではなかった。

【０００６】また、場合によっては、まだＥＬシ−トの
輝度は十分実用に耐えるのに、プロジェクトの終了など
により画像シートの交換を行う場合などにおいては、Ｅ
Ｌシ−トの浪費を生じた。本発明は上記問題点に鑑みな
されたものであり、経済的負担の増大を回避しつつ視認
性の維持が可能な発光画像領域を有する電界発光表示装
置を提供することを、その目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の可撓性発
光表示シートによれば、光透過性の開口領域（発光画像
領域ともいう）をもつ画像シートが準備され、この画像
シートの裏面に透光シ−トが剥離可能に密着される。透
光シ−トは開口領域（発光画像領域）を覆って配設さ
れ、この透光シ−トの裏面に少なくとも開口領域を覆っ
てＥＬシ−トが固定される。

【０００８】この装置によれば、まず例えばグラビア印
刷された紙などの安価な表示媒体で構成された非透明な
画像シートの一部の表示パターン（発光画像領域）だけ
を選択的に発光させることができ、視認性、訴求性に優
れた表示媒体を形成することができる。また、ＥＬシ−
ト付きの透光シ−トを画像シートに密着した後は、ＥＬ
シ−トがずれたり、外れたりすることがなく、確実にＥ
Ｌシ−トの発光を開口領域から放射することができる。
また、ＥＬシ−トの交換特にその剥離の際にも、剥離に
伴って生じるストレスはほとんど透光シ−トにかかるの
でＥＬシ−トに過大なストレスがかかってその特性が劣
化することがない。更に、ＥＬシ−トの経時劣化により
交換の必要性が生じた場合、画像シートから透光シ−ト
を剥がして貼り代えるだけで交換を行うことができるの
で、ＥＬシ−トの交換ごとに画像シートを無駄にした
り、画像シートの交換ごとにＥＬシ−トを無駄にしたり
することがなく、安価に視認性を回復することができ
る。また、予備の画像シートの保管も不要となる。更
に、表示期間や表示パタ−ンが異なる多種類の画像シー
トに対しても予備のＥＬシ−トの共通化も可能となり、
予備品保持コストも低減できる。また更に、透光シ−ト
はＥＬシ−トの防湿、保護用のフィルム機能も奏するこ
とができる。

【０００９】なお、上記画像シートを開口せずにその上
にこの発光する発光シートを重ねることも考えられる
が、この場合には、表示媒体の表示面に凹凸が生じた
り、発光シートの側面が見えたり、この発光シートへの
給電線や非発光部分が見えてしまったりするので、美観
が著しく低下してしまう。請求項２記載の構成によれば
請求項１記載の電界発光表示装置において更に、一方が
透明な挟持保護パネルでＥＬシ−ト付きの透光シ−ト及
び画像シートを挟持、保護する構成としたので、枠をな
すこのパネルが透光シ−トと画像シートとの挟持手段を
兼ねるので、両シ−ト間に積極的な接着機能手段を設け
る必要がなく、構成が簡素で剥離が容易となる。

【００１０】請求項３記載の構成によれば請求項１記載
の電界発光表示装置において更に、画像シートの裏面と
透光シ−トの表面との間に剥離可能な両面接着シートを
設ける。このようにすれば、剥離、交換が容易、安価と
なる。

【００１１】

【発明を実施するための形態】ＥＬシ−トは、透明フィ
ルム、透明電極層、ＥＬ層（電界発光粒子（例えばＺｎ
Ｓなど）を含む誘電体層）、裏面電極層を印刷法などで
積層して構成されるが、周知の市販品であるので詳細な
説明は省略する。ＥＬシ−トをポリエステル樹脂、アク
リル樹脂、スチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂等の防湿
性に優れた樹脂フィルムからなる防湿フィルムで覆うこ
とも知られている。

【００１２】画像シートは、紙、樹脂フィルムコーティ
ングされた紙、樹脂シート、クロマリン（商品名）、ビ
ュ−カラ−（商品名）などを用いることができる。画像
シートの開口領域（透光性を有する発光画像領域）以外
の領域は開口領域とのとの間で表示の差異を生じさせる
ために遮光性を有するべきである。ただし、この画像シ
ートの表面は任意の表示パターンをもつことができ、こ
の表示パターンは印刷、貼着、塗着などで形成されるこ
とができる。

【００１３】

【実施例】本発明の好適な態様を以下の実施例によりさ
らに詳細に説明する。 （実施例１）本発明の発光画像領域を有する電界発光表
示装置を適用した発光画像パネルの水平断面図を図１に
示し、その要部部分断面図を図２に示す。

【００１４】１は枠箱、２はその開口にはめられたアク
リル板、３はアクリル板２の裏面に透明テ−プなどで剥
離可能に密着された画像シート、４は画像シート４の裏
面に剥離可能に密着された透光シ−ト、５は透光シ−ト
４の裏面に密着されたＥＬシ−ト、６はＥＬシ−ト５を
覆って透光シ−ト４の裏面に接着ないし融着された透明
な防湿フィルム、７は枠箱内に配設されたバックライト
用の蛍光燈、８はＥＬシ−ト５に発光用の交流電力をケ
−ブル９を通じて供給するインバ−タ装置を含む発光コ
ントロ−ラ、１０はコネクタである。

【００１５】画像シート３は、ビュ−カラ−からなり、
表面に所定の画像パターンがグラビア印刷された厚手の
紙であって、画像シート３の所定領域は透明な発光画像
領域（開口領域）３１となっている。図２のＡは発光画
像領域の水平幅を示す。透光シ−ト４は透明樹脂シ−ト
であって、両面接着テ−プ８により画像シート３の裏面
に剥離可能に密着されている。

【００１６】この装置の発光表示状態について説明する
と、蛍光燈８から放射された背景光はＥＬシ−トに隣接
しない画像シートの部分の内、透光性領域を通過して均
一に放射される。一方、ＥＬシ−ト５から放射された光
は主として発光画像領域（開口領域）から放射される。
ＥＬシ−ト５の点滅は視認性向上に有効である。ＥＬシ
−ト５の交換について、図３を参照して以下に説明す
る。

【００１７】まずコネクタ１０を分離し、透光シ−ト４
の下端を画像シート３から剥がし、順次上方へ向けて剥
がしていく。新しい透光シ−ト４は、まずその最上位の
部位を透明両面接着テ−プで画像シート３に固定した
後、順次下側へ向けて固定していく。このようにすれば
皺が生じにくく、透光シ−ト４の自重を利用して円滑に
交換ができる。

【００１８】なお、透光シ−ト４は透明シ−トでもよ
く、光散乱シ−トでもよい。 （実施例２）他の実施例を図４を参照して説明する。こ
の実施例では、実施例１のように両面接着テ−プ８によ
り画像シート３と透光シ−ト４とを接着するのではな
く、表面側のアクリル板２と、樹脂板である裏板１１と
の間に、画像シート３、透光シ−ト４及びＥＬシ−ト５
を挟み、裏板１１をアクリル板２の裏側にたとえば蝶番
機構やテ−プ、螺子などで固定することにより、固定す
るものである。

【００１９】このようにすれば、画像シート３及びＥＬ
シ−ト５は、更にアクリル板２及び裏板１１により良好
に保護されるとともに、画像シート３とＥＬシ−ト５と
のずれを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の画像直接発光型の発光表示装置の一実
施例を示す水平断面図である。

【図２】図１の装置の要部拡大図である。本発明の実施
例１の可撓性発光表示シートの裏面側の平面図である。

【図３】図１のＥＬシ−ト５の交換工程を示す部分垂直
断面図である。

【図４】本発明の画像直接発光型の発光表示装置の他の
実施例示す一部水平断面図である。

【符号の説明】

２はアクリル板（表面板）、３は画像シート、４は透光
シ−ト、５はＥＬシ−ト、８は両面接着シ−ト、１１は
裏板（裏面板）、３１は発光画像領域（開口領域）。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定の表示パターン形状を有する光透過
   性の開口領域をもつ可撓性の画像シートと、 少なくとも前記開口領域を覆って前記画像シートの裏面
   に脱着可能に密着された可撓性の透光シ−トと、 前記透光シ−トの裏面に接着されるとともに前記透光シ
   −トを介して前記開口領域を覆う可撓性のＥＬシ−ト
   と、 を備えることを特徴とする電界発光表示装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載の電界発光表示装置におい
   て、 前記画像シートに密接する透明な表面板と、前記透光シ
   −トの前記反画像シート側の表面及び前記ＥＬシ−トに
   密接する裏面板とを有し、前記両板で前記画像シート、
   透光シ−ト及びＥＬシ−トを挟持する挟持保護パネルを
   有することを特徴とする電界発光表示装置。
3. 【請求項３】 請求項１記載の電界発光表示装置におい
   て、 前記画像シートの裏面と前記透光シ−トの表面との間に
   介設される両面接着シートを有することを特徴とする電
   界発光表示装置。