JPH1164576A - 使用済窒化物燃料のリサイクル方法 - Google Patents

使用済窒化物燃料のリサイクル方法

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JPH1164576A
JPH1164576A JP21955997A JP21955997A JPH1164576A JP H1164576 A JPH1164576 A JP H1164576A JP 21955997 A JP21955997 A JP 21955997A JP 21955997 A JP21955997 A JP 21955997A JP H1164576 A JPH1164576 A JP H1164576A
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nitride
plutonium
cadmium
fuel
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JP21955997A
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English (en)
Inventor
Tsuguyuki Kobayashi
嗣幸 小林
Reiko Fujita
玲子 藤田
Akihiro Kawabe
晃寛 川辺
Shinichiro Matsuyama
慎一郎 松山
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies

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  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 カドミウム中に回収したプルトニウムを窒化
物に転換するとともに使用済溶融塩からウランやプルト
ニウムを回収することができ、ボンドナトリウムの機能
も保証できる使用済窒化物燃料のリサイクル方法を提供
する。 【解決手段】 小片にした使用済窒化物燃料を陽極電解
してウランおよびプルトニウムを含む超ウラン元素の窒
化物を溶融塩中に溶解する工程と、陰極電位を制御して
溶融塩中のウランのみを固体陰極に析出させるとともに
プルトニウムを含む超ウラン元素を濃縮する工程と、液
体カドミウム陰極を電解槽中に設置し、電位を制御して
プルトニウムを含む超ウラン元素をウランとともに液体
カドミウム陰極に析出させる工程とを含む方法におい
て、析出したウランまたはプルトニウムを含む超ウラン
元素を制御された流量の窒素ガスと反応させて直接顆粒
状モノ窒化物に転換し窒化物燃料を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子炉で使用した
窒化物燃料のリサイクル方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ウランやプルトニウムのモノ窒化物(以
下、窒化物燃料と称する。)をステンレス鋼等の金属製
の管(被覆管と称する。)に充填し、これを束ねて高速
増殖炉の燃料集合体として利用した場合には、高い熱伝
導度を有し、しかも窒化物燃料中のウラン・プルトニウ
ムと窒素の割合が1:1であることから、現在利用され
ている酸化物燃料に比べて優れた性能の高速炉が実現可
能なことが広く知られている。
【0003】しかし、窒化物燃料に含まれる窒素の同位
体の99.6%以上を占める14Nが原子炉内で中性子と
反応すると半減期が5730年の放射性の14Cが大量に
生成されるため、使用済窒化物燃料を現状のピューレッ
クス法でリサイクルした場合には、再生に用いるTBP
(リン酸トリブチル)中の炭素原子と14Cとがリサイク
ルの過程で混合され使用済みの有機溶媒が長期に亘り放
射能を持つことになる。
【0004】このため高レベルのガラス固化体なみの貯
蔵が要求される可能性が大きく窒化物燃料の大きな課題
となっていた。
【0005】この解決法として、14Cを生成しない15
をあらかじめ濃縮して用いることが提案されているが、
その場合には、濃縮コストを節約するためリサイクル工
程で15Nを回収し、リサイクルする必要があり、現状の
ピューレックス法では、硝酸中に含まれる窒素と15Νと
が混合されてしまうためリサイクルすることができな
い。 一方、最近、窒化物燃料のリサイクルに溶融塩電
解を利用する方法が提案されている(特開平7−120
580号公報)。この方法では、窒化物を溶融塩中で陽
極溶解し、金属として陰極に析出させた後、窒素ガスと
反応させて再び窒化物とする。生成された窒化物は、一
般的な粒子製造工程により球状燃料として熱伝達媒体と
して液体金属ナトリウムで満たされた被覆管内に充填
し、核燃料ピンとして再使用する。
【0006】この方法によれば、燃料費を軽水炉の1/
3に低減でき、しかも反応過程に炭素を含まないので14
Cは、炭素元素の形で分離され、実用上は、15Nを濃縮
する必要性がないといわれている。
【0007】仮に15Nを濃縮した窒化物燃料を用いて
も、15Nは、溶融塩中での溶解時に窒素ガスとして分離
されるので、電解槽中のガスから深冷分離(混合気体中
の成分元素の液化温度の差を利用して目的の元素を分離
する方法で、混合気体を液体窒素により外部から冷却す
れば、混合気体中の窒素のみが液化して分離できる)に
より15Nのみを分離回収し、リサイクルすることが可能
であると考えられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た窒化物燃料の溶融塩電解方法には、以下の解決すべき
課題が残っている。
【0009】(1)溶融塩電解でプルトニウムを回収す
る方法としては、米国のアルゴンヌ国立研究所が提案し
ている方法が実用的な唯一のものとしてよく知られてい
る(特開平1−237497号公報)。この方法は、最
初に、鉄製の陰極を用い陰極電位を制御することによっ
て溶融塩中のウランのみを回収し、使用済燃料中のプル
トニウムを溶融塩中に蓄積してから陰極を液体金属カド
ミウムに交換し、カドミウムに対するウランとプルトニ
ウムの析出電位がほぼ同じになることを利用してプルト
ニウムをウランとともに一括回収するものである。この
方法では回収したプルトニウム金属を窒化物に転換する
工程が解明されていない。
【0010】(2)使用済燃料中に含まれる核分裂生成
物(FP)、特に希土類元素のFPの分離性能が高くな
いため、一部の溶融塩を交換する必要がある。この溶融
塩中には、多量のウランやプルトニウムが含まれている
ためこれらを回収して電解槽に戻す必要があるが、この
工程が解明されていない。
【0011】(3)金属から転換した窒化物から粒子燃
料を作るプロセスが複雑で放射能の高い燃料に対して適
用するとコストが高くなる可能性がある。
【0012】(4)窒化物に対する液体金属ナトリウム
の濡れ性は低いと予想されるので被覆管中のボンドナト
リウムの中に粒子燃料を入れただけでは、ナトリウムが
燃料中に均一に密着せず、熱伝導の媒体としての機能が
保証できない。
【0013】本発明は、窒化物燃料の溶融塩電解による
リサイクルプロセスの持つ上記の課題を解決するために
なされたもので、カドミウム中に回収したプルトニウム
を窒化物に転換するとともに使用済溶融塩からウランや
プルトニウムを回収することができ、しかも、簡単なプ
ロセスで燃料を製造可能で、ボンドナトリウムの機能も
保証できる使用済窒化物燃料のリサイクル方法を提供す
ることを目的とする。
【0014】本発明によれば、公知の窒化物燃料の溶融
塩電解工程に残されていた上記課題を解決して、真に燃
料費の低い窒化物燃料サイクルを実現することができ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の使用済窒化物燃
料のリサイクル方法は、小片にした使用済窒化物燃料を
固体陰極を有する溶融塩電解槽中で陽極電解してウラン
およびプルトニウムを含む超ウラン元素の窒化物を溶融
塩中に溶解する工程と、溶融塩電解槽中の陰極電位を制
御して溶融塩中のウランのみを固体陰極に析出させると
ともにプルトニウムを含む超ウラン元素を所定の濃度に
なるまで濃縮する工程と、固体陰極に代えて液体カドミ
ウム陰極を電解槽中に設置しこの液体カドミウム陰極の
電位を制御して溶融塩中のプルトニウムを含む超ウラン
元素をウランとともに液体カドミウム陰極に析出させる
工程とを含む方法において、固体陰極または液体カドミ
ウム陰極に析出したウランまたはプルトニウムを含む超
ウラン元素を制御された流量の窒素ガスと反応させて直
接顆粒状モノ窒化物に転換し窒化物燃料を得ることを特
徴としている。
【0016】すなわち、本発明においては、まず、ウラ
ンおよびプルトニウムを含む超ウラン元素の窒化物から
なる使用済窒化物燃料を解体および剪断した後、脱被覆
することなく、この小片にされた使用済窒化物燃料を金
属、黒鉛もしくは電気伝導率の高い窒化物等のセラミッ
クスでできたバスケットの中に入れる。次いで、このバ
スケットを溶融塩を満たした電解槽の中に入れて陽極に
接続する。この電解槽には、棒状または板状の、金属、
黒鉛もしくは電気伝導率が高いセラミックスからなる固
体陰極を設置しておき、この陰極とバスケットを接続し
た陽極との間に電流を通じて陽極中の使用済物燃料中の
ウランおよびプルトニウムを含む超ウラン元素を含む超
ウラン元素を溶融塩中に電気化学的に溶解する。このと
き、陰極の電位を制御してウランのみを電気化学的に固
体陰極表面に析出させ、溶融塩中にプルトニウムを含む
超ウラン元素を所定の濃度になるまで濃縮する。次に、
酸化ジルコニウムや酸化アルミニウム等の電気的絶縁性
のセラミックスでできたルツボに溶融したカドミウムを
入れ、これを陰極とした液体カドミウム陰極を、前述し
た固体陰極の代わりに溶融塩中に設置し、陰極電位を制
御して陽極との間に電流を流す。これによりプルトニウ
ムを含む超ウラン元素はウランとともに液体カドミウム
陰極中に電気化学的に析出する。
【0017】固体陰極に析出したウランは、1000℃
〜1300℃で減圧蒸留して付着した溶融塩を揮発除去
した後、融点以上に加熱して制御された流量の窒素ガス
を吹き込むと窒素ガスとウランが反応して顆粒状モノ窒
化物に転換し窒化物燃料が得られる。
【0018】また、固体陰極に析出したウランを、40
0℃〜700℃で加熱した液体カドミウム中に溶解し、
制御された流量の窒素ガスと反応させて溶融カドミウム
中で顆粒状モノ窒化物に転換させた後、カドミウムを温
度500℃〜900℃で減圧蒸留して窒化物燃料を得る
こともできる。
【0019】さらに、液体カドミウム陰極に析出したウ
ランおよびプルトニウムを含む超ウラン元素を、700
℃〜1300℃で減圧蒸留し付着している溶融塩および
カドミウムを揮発除去した後、超ウラン元素の融点以上
に加熱して溶融し制御された流量の窒素ガスを吹き込む
ことにより窒素ガスと反応させて顆粒状モノ窒化物に転
換して窒化物燃料を得ることができる。
【0020】またさらに、液体カドミウム陰極に析出し
たウランおよびプルトニウムを含む超ウラン元素を、4
00℃〜700℃で加熱した液体カドミウム中に溶解
し、制御された流量の窒素ガスと反応させて溶融カドミ
ウム中で顆粒状モノ窒化物に転換させた後、カドミウム
を温度500℃〜900℃で減圧蒸留して窒化物燃料を
得ることもできる。
【0021】これらの方法により得られた顆粒状モノ窒
化物は、粉砕機により種々の粒径に破砕され、荒さの異
なるメッシュ等で3種類以上の粒径に分類した後、下部
が端栓により予め封印されているステンレス等の合金製
の被覆管の上部開口部より所定量の粒径の異なる顆粒を
混合しながら落下させ、被覆管を垂直に立てた状態で垂
直方向に振動させて所定の充填密度まで振動充填され
る。しかる後、被覆管上部に端栓を溶接により密封して
核燃料ピンが得られる。
【0022】また、顆粒状モノ窒化物を粉砕機により破
砕する代わりに、ウランおよびプルトニウムを含む超ウ
ラン元素を顆粒状モノ窒化物に転換する際、窒素ガスと
の反応時間を変化させて粒径の異なる顆粒状モノ窒化物
を製造することもできる。
【0023】このように、窒素ガスとの反応時間を変化
させて製造された粒径の異なる顆粒状モノ窒化物は、破
砕することなく荒さの異なるメッシュ等で3種類以上の
粒径に分類した後、同様にして核燃料ピンが製造され
る。これは、発明者らが、図4の装置に本発明のリサイ
クル方法で得られる顆粒状窒化物を入れて実験したとこ
ろ、温度550℃で、カドミウム中に流量を制御した窒
素ガスを吹き込み、反応時間を5時間から96時間まで
変えることによりウラン窒化物の粒径を1μm〜5mm
の範囲に制御できることを見出したことに基づく知見で
ある。
【0024】さらに、以上の各方法で製造された顆粒状
モノ窒化物から、次のようにしてナトリウムボンド型核
燃料を得ることができる。
【0025】すなわち、得られた顆粒状モノ窒化物を、
下部がポーラスな端栓により予め封印されているステン
レス等の合金製の被覆管の上部開口部より所定の充填密
度まで振動充填する。この被覆管を、内部に溶融ナトリ
ウムの入っている容器の中に入れ、中心部に穴の空いて
いる円盤状部材を充填した顆粒窒化物燃料の上部に乗
せ、部材中心の穴より核燃料棒内部を吸引することによ
り下部のポーラスプラグを通過して溶融ナトリウムを核
燃料棒内部に浸透させる。しかる後、この核燃料棒をナ
トリウムから取り出して冷却し、ナトリウムが顆粒状の
燃料中に浸透したことを確認の後、燃料棒下部および上
部に端栓を溶接することにより、核燃料棒内部にナトリ
ウムが充填されているナトリウムボンド型核燃料が得ら
れる。
【0026】また、ナトリウムボンド型核燃料は、次の
ような方法によっても製造することができる。
【0027】すなわち、顆粒状モノ窒化物を被覆管の下
部を密封した上で振動充填した後、被覆管内を真空に
し、上部からナトリウムを挿入して溶解する。被覆管上
部を開口して大気圧がナトリウム上面に加わるようにし
て、圧力差により溶融ナトリウムが顆粒燃料内部に浸透
させる。そして溶融ナトリウムが浸透したことを確認し
た後、燃料棒上部に端栓を溶接することにより、核燃料
棒内部にナトリウムが充填されているナトリウムボンド
型核燃料を製造することができる。
【0028】以上は、ウラン、あるいはウランおよびプ
ルトニウムを含む超ウラン元素を融点以上に加熱して、
あるいは加熱した液体カドミウム中にこれらの元素を溶
解して、この中に制御された流量の窒素ガスを吹き込む
ことにより窒素ガスと反応させて顆粒状モノ窒化物に転
換して窒化物燃料とする方法であるが、本発明は、この
ような実施態様に限定されない。
【0029】すなわち、使用済窒化物燃料中のウランお
よびプルトニウムを含む超ウラン元素を溶融塩中に溶解
し、これらの元素のイオンとした後、この溶融塩中に所
定の制御された流量の窒素ガスを吹き込んで窒化物イオ
ンを生成させ、この窒化物イオンを陰極に析出させて顆
粒状の窒化物燃料を得ることもできる。
【0030】この方法では、使用済窒化物燃料を、金属
製または黒鉛もしくは電気伝導率が高いセラミックスで
できた電解槽の中に入れて溶融塩中で陽極に接続し、電
流を流すことにより使用済窒化物燃料中のウランおよび
プルトニウムを含む超ウラン元素を溶融塩中に溶解して
これらの元素のイオンとする。次いで、溶融塩中に窒素
ガスを吹き込みながら、珪素またはアルミニウム類を添
加してこれらの元素の窒化物イオンを生成させ、固体陰
極および液体カドミウム陰極にウランおよびプルトニウ
ムを含む超ウラン元素を窒化物として析出させた後、溶
融塩およびカドミウムを低圧蒸留して顆粒状の窒化物燃
料が得られる。
【0031】使用済窒化物燃料の溶融塩電解で生じた使
用済塩は、第1の別容器に取り出され、所定量のリチウ
ムを溶解したカドミウムと接触、反応させることにより
使用済塩中のウランおよびプルトニウムを含む超ウラン
元素イオンの大部分を還元してカドミウム中に溶解、回
収する。さらに、残った使用済塩は第2の別容器に取り
出されてウランを溶解したカドミウムと接触され、残っ
ているウランおよびプルトニウムを含む超ウラン元素イ
オンがカドミウム中に金属として回収される。このよう
にして、カドミウム中に回収されたウランおよびプルト
ニウムを含む超ウラン元素は、前述した方法で、制御さ
れた流量の窒素ガスと反応されて溶融カドミウム中で顆
粒状モノ窒化物に転換された後、カドミウムが減圧蒸留
されて窒化物燃料が得られる。
【0032】ここで残った使用済溶融塩は、第3の別容
器に取り出され、再度リチウムを溶解したカドミウムと
接触、反応され、使用済溶融塩中のウランおよびプルト
ニウムを含む超ウラン元素イオンが希土類核分裂生成物
と共に完全に還元されて金属としてカドミウム中に溶解
され、溶融塩中の極微量のウランおよびプルトニウムを
含む超ウラン元素が完全に除去されて溶融塩をウランお
よび超ウラン元素を含まない廃棄物となる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下図1から図11を参照しなが
ら、使用済窒化物燃料のリサイクル方法の実施例を説明
する。
【0034】(実施例1)図1は本発明の使用済窒化物
燃料のリサイクル方法の全体のプロセスを概略的に示し
たものである。
【0035】使用済窒化物燃料は陽極溶解工程1におい
て溶融塩中に金属イオンとして溶解した後、固体陰極析
出工程2で金属ウランを回収し、回収した金属ウランは
蒸留工程3で付着した塩およびカドミウムを除去した
後、加熱溶融工程4で溶融して流量を制御された窒素ガ
スにより窒化工程5で窒化する。また、蒸留工程3で回
収した金属ウランは液体カドミウムに溶解工程6で溶解
して窒化工程7で窒化することも可能である。
【0036】一方、液体カドミウム陰極析出工程8でプ
ルトニウムを含む超ウラン元素を回収する。液体カドミ
ウム陰極析出工程8で回収したプルトニウムを含む超ウ
ラン元素はそのまま窒化工程12で窒化して超ウラン元
素窒化物とすることも可能である。
【0037】さらに、蒸留工程9において、塩とカドミ
ウムを除去した後、加熱溶融工程10で溶融して窒化工
程11で窒化することによりプルトニウムを含む超ウラ
ン元素の窒化物にする。
【0038】さらに、陽極溶解工程1で溶解した後、溶
融塩に流量を制御された窒素ガスを窒素ガスパージ工程
13で吹き込むことにより窒素塩化物イオンを生成し
て、このイオンを固体陰極析出窒化工程14で析出させ
て窒化物として回収する。
【0039】前記窒化工程5、7、11、12または1
4の工程で生成された窒化物は、必要に応じて破砕され
異なる粒径に分類された後、燃料ピン内に振動充填によ
って所定の充填密度で充填され核燃料ピンとしてリサイ
クルされる。
【0040】次に、図2は本発明の原理を説明するため
の概略断面図であり、図2によりまず全体の流れを概略
的に説明する。使用済窒化物燃料は、使用済金属燃料の
場合と同様に、溶融塩電解法の陽極溶解法により溶融さ
れるが、使用済窒化物燃料15を金属製または黒鉛もし
くは窒化物等の電気伝導率の高いセラミックスで構成さ
れたバスケットの中に入れて陽極18と接続して電圧を
印加する。印加する電圧は使用済窒化物燃料のうち、ウ
ラン、プルトニウムおよびマイナーアクチニドの窒化物
が以下の反応により溶解し、 UΝ → U3++1/2N2 +3e AcN→Ac3++1/2N2 +3e 貴金属のFΡおよび、バスケットを構成する材料が溶解
しないような電位に制御することが重要である。一方、
印加する電圧の陰極19の端子は、溶融塩中に浸漬した
金属または黒鉛もしくは電気伝導率の高いセラミックス
からなる陰極に接続する。この陰極にウランが析出する
ため、これを回収する。陰極ではウランの結晶核が安定
に析出するため、数ミリメートル程度の溝を設ける等の
表面処理が施されていることが重要である。また、溶融
塩中に溶解したプルトニウムを含む超ウラン元素は酸化
ジルコニウムや酸化アルミニウム等の電気的絶縁性セラ
ミック製のるつぼの中に入れた液体金属カドミウム陰極
に一部のウランと共に析出させることにより回収する。
金属の形態で析出回収されたウランおよびプルトニウム
を含む超ウラン元素は、溶融した状態で流量を制御され
た窒素ガスと直接反応させることにより、高次の窒化物
を生成することなしに低次のモノ窒化物を直接生成でき
るので、高次の窒化物をモノ窒化物に転換するプロセス
が不要である。
【0041】(実施例2)第2の実施例を図3に示す。
すなわち、図1に示す、実施例1の陽極溶解1および固
体陰極析出工程2を経た後、1000℃〜1300℃で
減圧蒸留する工程3により付着している溶融塩を揮発さ
せて除去した後、そのまま加熱溶融した金属ウランに流
量が制御された窒素ガスを反応させる(窒化工程5)。
【0042】すなわち、溶融した金属ウランと窒素ガス
を耐熱合金またはセラミックス製のるつぼ22中で効率
良く、直接反応させるため、窒素ガスの供給ライン23
は図3に示すように、金属ウラン24を溶融するるつぼ
22の底に設置し、かつ、供給ライン23の上部には、
多数の窒素吹き出し用の孔25を設けたことにより、溶
融金属ウランと窒素ガスが効率的に直接反応できる。溶
融金属ウランと窒素ガスが反応すると、窒化物UNxを
生成するか、窒化物燃料としてそのまま使用するため
に、供給する窒素ガスは、溶融ウラン量に対して過剰量
とならないように、流量制限することが重要である。
【0043】また、溶融金属ウランを加熱する温度は金
属ウランの融点1135℃から金属ウランの揮発が起こ
らないような温度1500℃までの範囲とする。生成し
た窒化ウラン(UN)はモノ窒化物であり、高次の窒化
物ではないので、そのまま低次の窒化物に転換すること
なしに窒化物燃料とすることができる。
【0044】(実施例3)第3の実施例では、実施例1
の陽極溶解工程1を経たプルトニウムを含む超ウラン元
素は、カドミウム陰極析出工程8において、セラミック
製のるつぼの中に入れた液体カドミウム陰極に一部のウ
ランと共に析出させることにより回収する。液体カドミ
ウム陰極に析出したプルトニウムを含む超ウラン元素は
1000℃〜1300℃で減圧蒸留する工程9により付
着している溶融塩を揮発させて除去した後、図3と同様
の装置でそのまま加熱溶融したプルトニウムを含む超ウ
ラン元素に窒素ガスを反応させる(窒化工程11)。
【0045】すなわち、溶融したプルトニウムを含む超
ウラン元素の液体に窒素ガスを効率良く、直接反応させ
るため、窒素ガスの供給ラインはプルトニウムを含む超
ウラン元素を溶融するるつぼの底に設置し、かつ、供給
ラインの上部には、多数の窒素吹き出し用の孔を設けた
ことにより、溶融プルトニウムを含む超ウラン元素と窒
素ガスを効率的に直接反応できる。溶融プルトニウムを
含む超ウラン元素の金属と窒素ガスが反応すると、窒化
物AcNxを生成するが、窒化物燃料としてそのまま使
用するために、供給する窒素ガスは、溶融プルトニウム
を含む超ウラン元素量に対して過剰量とならないよう
に、流量を制限することが重要である。
【0046】また、溶融プルトニウムを含む超ウラン元
素を加熱する温度はプルトニウムを含む超ウラン元素の
融点640℃からプルトニウムを含む超ウラン元素がお
互いに固溶体を生成しない温度である1500℃の範囲
とする。生成したプルトニウムを含む超ウラン元素窒化
物(AcNx)はモノ窒化物(AcN)であり、高次の
窒化物ではないので、そのまま低次の窒化物に転換する
ことなしに窒化物燃料とすることができる。
【0047】(実施例4)第4の実施例では、実施例1
の陽極溶解工程1および液体カドミウム陰極析出工程8
を経て、液体カドミウム陰極に析出したウランおよびプ
ルトニウムを含む超ウラン元素は、溶融カドミウム中に
存在した状態で窒素ガスと反応させている(窒化工程1
2)。
【0048】すなわち、図4に示すような装置で溶融し
たカドミウムの中に存在する超ウラン元素に窒素ガスを
効率良く、直接反応させるため、窒素ガスの供給ライン
28はウランおよびプルトニウムを含む超ウラン元素を
溶融するるつぼ27の底に設置し、かつ、供給ライン2
8の上部には、多数の窒素吹き出し用の孔を設け、かつ
攪拌機31を設けたことにより、液体カドミウム中のプ
ルトニウムを含む超ウラン元素と窒素ガスとを効率的に
直接反応できる。液体カドミウム中のプルトニウムを含
む超ウラン元素の金属と窒素ガスが反応すると、窒化物
AcNxを生成するが、窒化物燃料としてそのまま使用
するために、供給する窒素ガスは、溶解したプルトニウ
ムを含む超ウラン元素量に対して過剰量とならないよう
に、流量を制限することが重要である。窒素ガス量を過
剰に供給しないことにより転換の必要がないモノのプル
トニウムを含む超ウラン元素窒化物(AcΝ)が生成す
る。
【0049】(実施例5)第5の実施例では、実施例1
の陽極溶解工程1および固体陰極析出工程2を経て、固
体陰極に析出したウランは、減圧蒸留せずに、セラミッ
クス製のるつぼに入った温度400℃〜700℃に加熱
したカドミウム中に溶解する。液体カドミウムに溶解し
たウランは、図4と類似の装置でそのまま溶融したウラ
ンに窒素ガスを反応させている(窒化工程7)。
【0050】すなわち、溶融したカドミウムの中に溶解
したウランに窒素ガスを効率良く、直接反応させるた
め、窒素ガスの供給ラインはウランを溶融するるつぼの
底に設置し、かつ、供給ラインの上部には、多数の窒素
吹き出し用の孔を設けたことにより、液体カドミウム中
のウランと窒素ガスを効率的に直接反応できる。液体カ
ドミウム中のウランの金属と窒素ガスが反応すると、窒
化物UNxを生成するが、窒化物燃料としてそのまま使
用するために、供給する窒素ガスは、溶解したウラン量
に対して過剰量とならないように、流量を制限すること
が重要である。窒素ガス量を過剰に供給しないことによ
り転換の必要がないモノの窒化ウラン(UN)が生成す
る。
【0051】(実施例6)前記実施例1ないし5で生成
された顆粒状窒化物は、数ミリメートル以下の粒径で粒
径分布を持たないのでそのまま振動充填すると粒子間に
隙間が残るので充填密度を高くできない。所定の充填密
度を得るためには、これらの隙間を埋めるような小さい
粒径の顆粒が必要である。一般に、粒径の種類が多いほ
ど充填密度を高められることが知られている。そこで、
シュレッダーやジョークラッシャー等の破砕機によりさ
まざまな粒径になるように破砕する。破砕した顆粒は、
荒さの異なるメッシュと用いた分級機により 3種類以上
に分類し、混合しながら被覆管内に落下させた後、図5
に示すような振動充填装置で、顆粒状窒化物燃料36を
内包する被覆管35を垂直方向41に加振させる。振動
充填装置は、加振機39に設置された加振機可動部38
の上に窒化物燃料36を内包する被覆管35とその固定
治具37を乗せて垂直方向41に加振する装置で、充填
密度を向上するために押さえ具34を介してストッパー
32で固定された重り33の荷重が顆粒状窒化物燃料3
6の上部から加わるようにしている。また、被覆管の横
方向への振動を制限するため、横方向の振動のみ振幅を
制限する被覆管横振れ防止装置40が設置されている。
このような加振装置で、加振の周波数を連続的に変化さ
せ、最大100G程度の垂直方向の加速度を発生させる
ことにより、窒化物顆粒燃料36を内包する被覆管35
の垂直方向の共鳴周波数を含む範囲を複数回往復するよ
うに加振すると充填密度を効果的に上げることができ
る。
【0052】(実施例7)実施例1〜5で生成された顆
粒状窒化物を、図3または図4の装置に仕込み、反応時
間を長くすると窒化物の顆粒の粒径が大きくなる現象を
利用し、バッチ単位で反応時間を変化させたり、反応中
の様々な時間で窒化物の一部を取り出すことにより、所
定の粒径の窒化物を得る。
【0053】(実施例8)第8の実施例では、第7の実
施例で窒化物の粒径を制御できることを利用したもの
で、実施例6の燃料製造工程から面倒な破砕工程や粒径
分類を省略し、生成した粒径の異なる窒化物を直接被覆
管に混合しながら挿入して振動充填することができる。
【0054】(実施例9)第9の実施例を、図6に示
す。同図において、42はナトリウム容器、43は溶融
ナトリウム、44は核燃料棒の被覆管、45は顆粒状窒
化物燃料、46は円盤状部材、47は吸引管、48は吸
引装置である。まず、下部にポーラスプラグ49を設置
した被覆管44の中に、実施例1ないし5の窒化工程
5、7、11、12、14のいずれかで生成された顆粒
状窒化物燃料45を前記実施例6により振動充填法によ
り詰める。次に顆粒状窒化物燃料45上部に吸引管47
及び吸引装置48を接続した円盤状部材46を乗せ、吸
引装置48を駆動する。円盤状部材46は、中心に穴が
空けてあり、そこから吸引管を通して、核燃料棒内部の
吸引を行う。吸引装置48の吸引力及びナトリウム容器
42と核燃料棒内部での、溶融ナトリウムの液面高さの
差により、核燃料棒内部にナトリウムを浸透させる。溶
融ナトリウムは、ポーラスプラグを通じ、窒化物燃料間
に存在する気体を追い出しながら、上方に浸透してい
く。円盤状部材46まで、完全に溶融ナトリウムが浸透
したら、ナトリウム容器42より核燃料棒を取り出し、
円盤状部材46、吸引管47を核燃料棒より取り除き、
核燃料棒の下部および上部に端栓を溶接し、密封し、核
燃料ピンとしてリサイクルする。
【0055】(実施例10)実施例9の変形例である第
10の実施例を、図7に示す。同図において、下部に端
栓53を設置した被覆管50の中に、窒化物燃料51を
前記実施例6により振動充填法により詰める。それを気
密容器54の中に設置して容器54内を真空ポンプ55
によって真空に引いたのち窒化物燃料上部にナトリウム
52を挿入してから加熱溶解する。その後、弁56を開
いて被覆管の外部を不活性のへリウムガス57で加圧
し、ナトリウムを、圧力差によって窒化物燃料の隙間に
浸透させた後、被覆管上部に端栓を溶接して密封し、核
燃料要素としてリサイクルする。
【0056】(実施例11)ウランイオンは、アルミニ
ウムや珪素の存在下で以下の反応によってウラン窒化物
イオンに転換できることが報告されている。(K.Yoshih
ara et. al. J.lnorg Nウランcl.Chem,1971,vol.33,
pp3323) 6ウラン3++4Al+3N2 =6ウランN+ +4Al3+ 2ウラン3++Si+N2 =2ウランN+ +Si4+ そこで、この原理を利用した第11の実施例を、図8に
示す。この実施例では、第1の実施例と同様に使用済窒
化物燃料58を陽極バスケット59に装荷して電気化学
的にウランおよびプルトニウムを含む超ウラン元素をイ
オンとして溶解すると同時に、窒素ガス吹き込み管62
から溶融塩中に導入された流量を制御しながら窒素ガス
と溶融塩中に添加したアルミニウムまたは珪素による上
記反応によりウランおよびプルトニウムを含む超ウラン
元素の窒化物イオンに転換する。そこで、最初に、溶融
塩中のウラン窒化物イオンを、固体陰極63でウラン窒
化物に還元して析出させて、溶融塩中のプルトニウムを
含む超ウラン元素の窒化物イオンの濃度を所定の値まで
高めた後、液体カドミウム陰極64でウラン窒化物イオ
ンと共に還元され、窒化物として析出させる(固体陰極
析出工程14)。
【0057】(実施例12)実施例1〜11の電解終了
後の使用済塩にはウランおよびプルトニウムを含む超ウ
ラン元素が多分に含まれているので、そのまま廃棄物と
することは許されない。そこで、第12の実施例の使用
済塩処理装置を設置する。そこでは、図9に示すように
まず、移送管68、69を用いて反応容器71の中で使
用済塩65と所定量のリチウムを溶解したカドミウム合
金66を接触させ攪拌機67で攪拌する。ウランおよび
プルトニウムを含む超ウラン元素の中で最も塩化物が安
定なアメリシウム(Am)よりもリチウムはさらに塩化
物として安定なため、使用済塩中のウランおよびプルト
ニウムを含む超ウラン元素はリチウムにより塩素を奪わ
れ下記反応により、金属の形態となる。この際、溶融塩
中のすべてのウランおよびプルトニウムを含む超ウラン
元素をすべて金属にしようとすると希土類FPまで金属
として混入するので、ここでは、少量のウランおよびプ
ルトニウムを含む超ウラン元素は溶融塩中に残るように
リチウムの量を調節する必要がある。ここで生成したウ
ランおよびプルトニウムを含む超ウラン元素はカドミウ
ム中に溶解するので、この中に窒素ガスを吹き込むこと
によって実施例4、5と同様モノ窒化物として回収する
ことができる。
【0058】UCl3 (塩相)+ 3Li(金属相)→U
(金属相)+ 3LiCl(塩相) 次に溶融塩中に残ったプルトニウムを含む超ウラン元素
をなるべく希土類FPが混入しないように分離するた
め、カドミウム−リチウム合金と接触、反応させた後の
使用済塩を別容器に取り出し、リチウムに比べて還元力
の弱いUを溶解したウラン合金と接触させることによ
り、下記の平衡反応が起こり、ウランおよびプルトニウ
ムを含む超ウラン元素は塩相およびカドミウム相の両相
に分配される。
【0059】PuCl3 (塩相)+U(金属相)=Pu
(金属相)+UCl3 (塩相) ここで、塩相とカドミウム相における注目元素の濃度比
は一般的に分配係数Dと呼ばれ、以下の式で定義されて
いる。
【0060】D=塩相での元素のモル分率/カドミウム
相での元素のモル分率 さらに、ウランの分配係数に対する各元素の分配係数の
比を分離係数と定義すると、分離係数Dはウランから各
元素が分離されて溶融塩中に抽出される程度を示すパラ
メータとなる。図10にLiCl−ΚCl/カドミウム
系におけるプルトニウムを含む超ウラン元素および希土
類元素の分配係数を示す。この図よりプルトニウムを含
む超ウラン元素と希土類元素の分離係数の差を利用し
て、使用済塩中のプルトニウムを含む超ウラン元素をカ
ドミウム中に選択的に分離することが可能となる。
【0061】実施例として図11に示すようにFPとの
分離性能を高めるために少量のウランおよびプルトニウ
ムを含む超ウラン元素を含む使用済塩73とウランを溶
解したカドミウム74を多段的に向流接触させることに
より還元されたプルトニウムを含む超ウラン元素をカド
ミウム中に順次溶解させたのち、この中に窒素ガスを吹
き込むことによって実施例4、5と同様モノ窒化物とし
て回収することができる。ただし、ウランとの反応によ
り回収したプルトニウムを含む超ウラン元素の化学量当
量分のウランは、使用済塩中で増加するのでウランは、
ロスする。このため、図10の装置で大部分のプルトニ
ウムを含む超ウラン元素を回収しておくことが重要であ
る。
【0062】(実施例13)上記実施例12で処理した
使用済塩中には極微量のプルトニウムを含む超ウラン元
素が含まれる。この極微量のプルトニウムを含む超ウラ
ン元素を分離し、使用済塩を非TRU廃棄物とすること
により使用済塩の廃棄をより簡単なものにできる。そこ
で、第13の実施例では、極微量のプルトニウムを含む
超ウラン元素を含む使用済塩を図9と同様の別容器で再
度カドミウムに溶解したリチウムと接触、反応させる工
程を繰り返す。この工程を繰り返すことにより、使用済
塩中に残っているウランおよび超ウラン元素が金属形態
で希土類FPとともに分離されより処理が容易な金属廃
棄物として処理できる上、使用済塩を非TRU廃棄物と
することができ、使用済塩の廃棄を比較的簡単に行うこ
とができる。
【0063】
【発明の効果】本発明は、カドミウム中に回収したプル
トニウムを窒化物に転換でき、使用済溶融塩からウラン
やプルトニウムを回収でき、簡単なプロセスで顆粒状燃
料を製造でき、ボンドナトリウムの機能も保証できるよ
うに改良されたものである。これにより、窒化物燃料の
溶融塩電解工程に残っていた課題を解決でき、真に燃料
費の低い窒化物燃料リサイクルを実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリサイクルプロセスのさまざまな選択
手段を示したフロー図である。
【図2】本発明の窒化物燃料の電解精製工程の説明図で
ある。
【図3】電解で回収したウランまたはプルトニウムを溶
融状態で本発明により窒化する装置の縦断面図である。
【図4】図3は、電解で回収したウランまたはプルトニ
ウムをカドミウムに溶解して本発明により窒化する装置
の縦断面図である。
【図5】本発明により生成した窒化物燃料を被覆管内に
振動充填する装置の縦断面図である。
【図6】本発明により生成した窒化物燃料を内包する被
覆管内にボンドナトリウムを封入するための装置の縦断
面図である。
【図7】本発明により生成した窒化物燃料を内包する被
覆管内にボンドナトリウムを封入するための装置の縦断
面図である。
【図8】電解精製によって窒化物を析出させる場合の本
発明の電解槽の縦断面図である。
【図9】電解精製で生じた使用済塩から大部分のウラン
およびプルトニウムを含む超ウラン元素を回収するため
の反応装置の縦断面図である。
【図10】溶融塩とカドミウム系でのウランおよびプル
トニウムを含む超ウラン元素および希土類の分配データ
の差の説明図である。
【図11】少量のウランおよびプルトニウムを含む超ウ
ラン元素を含む使用済塩からウランおよびプルトニウム
を含む超ウラン元素を回収するための向流抽出装置の説
明図である。
【符号の説明】
1…陽極溶解工程、2…固体陰極析出工程、3…蒸留、
4…加熱溶融、5…窒素化、6…カドミウム溶解、7…
窒素化、8…カドミウム陰極析出工程、9…蒸留、10
…加熱溶融、11…窒素化、12…窒素化、13…窒素
ガス供給ライン、14…固体陰極析出工程、15…使用
済窒化物燃料、16…溶融塩、17…カドミウムプー
ル、18…陽極、19…固体陰極、20…カドミウム陰
極、21…電解槽、22…るつぼ、23…窒素ガスパー
ジ管、24…溶融金属ウランまたは溶融超ウラン元素金
属、25…吹き出し孔、26…反応容器、27…カドミ
ウム陰極るつぼ、28…窒素ガス供給ライン、29…カ
ドミウム、30…バスケット、31…撹拌機、32…ス
トッパー、33…重り、34…押さえ具、35…被覆
管、36…顆粒状窒化物燃料、37…被覆管固定治具、
38…加振機可動部、39…加振機、40…被覆管横揺
れ防止装置、41…加振方向、42…ナトリウム容器、
43…溶融ナトリウム、44…被覆管、45…顆粒状窒
化物燃料、46…円盤状部材、47…吸引管、48…吸
引装置、49…ポーラスプラグ、50…被覆管、51…
窒化物燃料、52…ナトリウム、53…端栓、54…気
密容器、55…真空ポンプ、56…弁、57…ヘリウム
ガス、58…使用済窒化物燃料、59…陽極バスケッ
ト、60…溶融塩、61…カドミウムプール、62…窒
素ガス吹き込み管、63…固体陰極、64…液体カドミ
ウム陰極、65…使用済塩、66…カドミウム合金、6
7…撹拌機、68…塩移送管、69…カドミウム移送
管、70…モーター、71…反応容器、72…反応容
器、73…使用済塩、74…カドミウム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松山 慎一郎 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 小片にした使用済窒化物燃料を固体陰極
    を有する溶融塩電解槽中で陽極電解してウランおよびプ
    ルトニウムを含む超ウラン元素の窒化物を溶融塩中に溶
    解する工程と、前記溶融塩電解槽中の陰極電位を制御し
    て前記溶融塩中のウランのみを前記固体陰極に析出させ
    るとともに前記プルトニウムを含む超ウラン元素を所定
    の濃度になるまで濃縮する工程と、前記固体陰極に代え
    て液体カドミウム陰極を前記電解槽中に設置し前記液体
    カドミウム陰極の電位を制御して前記溶融塩中のプルト
    ニウムを含む超ウラン元素をウランとともに前記液体カ
    ドミウム陰極に析出させる工程とを含む方法において、 前記固体陰極または液体カドミウム陰極に析出したウラ
    ンまたはプルトニウムを含む超ウラン元素を制御された
    流量の窒素ガスと反応させて直接顆粒状モノ窒化物に転
    換し窒化物燃料を得ることを特徴とする使用済窒化物燃
    料のリサイクル方法。
  2. 【請求項2】 前記固体陰極に析出したウランを100
    0℃〜1300℃で減圧蒸留して付着している溶融塩を
    揮発除去した後、ウランの融点以上に加熱して溶融した
    ウランに制御された流量の窒素ガスを吹き込んで反応さ
    せて顆粒状モノ窒化物に転換し窒化物燃料を得ることを
    特徴とする請求項1記載の使用済窒化物燃料のリサイク
    ル方法。
  3. 【請求項3】 前記液体カドミウム陰極に析出したウラ
    ンおよびプルトニウムを含む超ウラン元素を700℃〜
    1300℃で減圧蒸留して付着している溶融塩およびカ
    ドミウムを揮発除去した後、超ウラン元素の融点以上に
    加熱して溶融させ、この溶融した超ウラン元素に制御さ
    れた流量の窒素ガスを吹き込んで反応させて顆粒状モノ
    窒化物に転換し窒化物燃料を得ることを特徴とする請求
    項1記載の使用済窒化物燃料のリサイクル方法。
  4. 【請求項4】 前記液体カドミウム陰極に析出したウラ
    ンおよびプルトニウムを含む超ウラン元素を400℃〜
    700℃で加熱した液体カドミウム中に溶解し、制御さ
    れた流量の窒素ガスと反応させて溶融カドミウム中で顆
    粒状モノ窒化物に転換させた後、カドミウムを温度50
    0℃〜900℃で減圧蒸留し、窒化物燃料を得ることを
    特徴とする請求項1記載の使用済窒化物燃料のリサイク
    ル方法。
  5. 【請求項5】 前記固体陰極に析出したウランを400
    ℃〜700℃で加熱した液体カドミウム中に溶解させた
    後、制御された流量の窒素ガスと反応させて溶融カドミ
    ウム中で顆粒状モノ窒化物に転換させた後、カドミウム
    を温度500℃〜900℃で減圧蒸留し、窒化物燃料を
    得ることを特徴とする請求項1記載の使用済窒化物燃料
    のリサイクル方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかで得た前記
    顆粒状モノ窒化物を粉砕機により種々の粒径に破砕し、
    3種類以上の粒径に分類した後、被覆管に粒径の異なる
    顆粒を混合しながら落下させ振動充填することを特徴と
    する使用済窒化物燃料のリサイクル方法。
  7. 【請求項7】 前記ウランおよびプルトニウムを含む超
    ウラン元素を前記顆粒状モノ窒化物に転換する際、窒素
    ガスとの反応時間を変化させて粒径の異なる顆粒状モノ
    窒化物を製造することを特徴とする請求項1ないし5の
    いずれか1項記載の使用済窒化物燃料のリサイクル方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項7で製造した前記顆粒状モノ窒化
    物を破砕することなく3種類以上の粒径に分類した後、
    核燃料ピンを製造することを特徴とする請求項6記載の
    使用済窒化物燃料のリサイクル方法。
  9. 【請求項9】 前記顆粒状モノ窒化物を、ポーラスなプ
    ラグを設置した被覆管上で振動充填した後、前記被覆管
    の下部を溶融ナトリウムに浸漬し、前記被覆管内の顆粒
    状モノ窒化物上に穴空き円盤状部材を載せ、前記円盤状
    部材の穴より被覆管内部を吸引して下部のポーラスプラ
    グを通過して溶融ナトリウムを前記被覆管内部に浸透さ
    せて冷却した後、前記被覆管下部および上部に端栓を溶
    接して、前記被覆管内部にナトリウムが充填されたナト
    リウムボンド型核燃料を製造することを特徴とする請求
    項6記載の使用済窒化物燃料のリサイクル方法。
  10. 【請求項10】 前記顆粒状モノ窒化物を被覆管の下部
    を密封した上で振動充填した後、前記被覆管内を真空に
    し、上部からナトリウムを挿入し溶解させて、溶融ナト
    リウムを被覆管内部に浸透させた後、燃料棒上部に端栓
    を溶接して、被覆管内部にナトリウムが充填されたナト
    リウムボンド型核燃料を製造することを特徴とする請求
    項6記載の窒化物燃料のリサイクル方法。
  11. 【請求項11】 前記小片にした使用済窒化物燃料を溶
    融塩電解槽中で陽極電解してウランおよびプルトニウム
    を含む超ウラン元素を溶融塩中に溶解する工程におい
    て、 溶融塩中に制御された流量の窒素ガスを吹き込みながら
    珪素またはアルミニウムを添加してこれらの元素の窒化
    物イオンを生成させ、前記固体陰極および液体カドミウ
    ム陰極にウランおよびプルトニウムを含む超ウラン元素
    を窒化物として析出させた後、溶融塩およびカドミウム
    を低圧蒸留して窒化物燃料を得ることを特徴とする請求
    項1記載の使用済窒化物燃料のリサイクル方法。
  12. 【請求項12】 前記使用済窒化物燃料の溶融塩電解で
    生じた使用済溶融塩を第1の別容器に取り出し、所定量
    のリチウムを溶解したカドミウムと接触、反応させるこ
    とにより前記使用済溶融塩中のウランおよびプルトニウ
    ムを含む超ウラン元素イオンの大部分を還元させて、カ
    ドミウム中に溶解、回収した後、前記使用済溶融塩を第
    2の別容器に取り出し、所定量のウランを溶解したカド
    ミウムと接触させることにより前記使用済溶融塩中に残
    っているウランおよびプルトニウムを含む超ウラン元素
    イオンをカドミウム中に金属として回収し、このカドミ
    ウム中に回収されたウランおよびプルトニウムを含む超
    ウラン元素を請求項3、4または5の方法でモノ窒化物
    として回収することを特徴とする請求項1記載の使用済
    窒化物燃料のリサイクル方法。
  13. 【請求項13】 前記請求項12で処理した前記使用済
    溶融塩をさらに第3の別容器へ取り出し、再度リチウム
    を溶解したカドミウムと接触、反応させ、前記使用済塩
    中のウランおよびプルトニウムを含む超ウラン元素イオ
    ンを希土類核分裂生成物と共に完全に還元し、金属とし
    てカドミウム中に溶解し、溶融塩中の極微量のウランお
    よびプルトニウムを含む超ウラン元素を完全に除去して
    溶融塩をウランおよび超ウラン元素を含まない廃棄物と
    することを特徴とする請求項1記載の使用済窒化物燃料
    のリサイクル方法。
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