JPH1164439A - 恒温槽の温度制御装置 - Google Patents

恒温槽の温度制御装置

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JPH1164439A
JPH1164439A JP9243521A JP24352197A JPH1164439A JP H1164439 A JPH1164439 A JP H1164439A JP 9243521 A JP9243521 A JP 9243521A JP 24352197 A JP24352197 A JP 24352197A JP H1164439 A JPH1164439 A JP H1164439A
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裕規 田胡
Ichirou Edaki
一郎 枝木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 恒温槽内の温度制御を極めて厳格に行うこと
ができ、外乱発生時には槽内温度を迅速に設定温度にま
で回復できるようにする。 【構成】 PID動作で恒温槽11内の温度制御を行う
に当たって、温度制御手段17では、槽内温度を微細に
制御できるようにする通常の温度制御モードと、外乱発
生時に、迅速に槽内温度を回復する外乱発生時の温度制
御モードとにより温度制御できるようになし、テストボ
ード6が設定時間以上槽外に滞留していると、それを検
出して外乱発生時の温度制御モードとして、ヒータ12
で迅速に設定温度にまで回復させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多数のICデバイ
スをテストボードに搭載して、厳格に温度管理された恒
温槽内に搬入し、この恒温槽内でICデバイスを所定の
設定温度に加熱乃至冷却した状態で、テストヘッドに接
続することによって、その電気的特性の試験を行う試験
装置に設けられ、恒温槽の温度制御装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】ICデバイス(集積回路素子、以下単に
デバイスという)は、その製造後に電気的特性の試験が
行われるが、デバイスの電気的特性の試験装置として
は、デバイスに通電を行うテストヘッドを有するICテ
スタと、ローダ部及びアンローダ部と、デバイスの搬送
機構とを備えたハンドラとから構成される。デバイスの
テストは常温状態で行う場合だけでなく、デバイスを加
熱した状態での試験(高温テスト)や、冷却した状態で
の試験(低温テスト)が行われる。これら高温テストや
低温テストでは、全てのデバイスを同一の温度条件で試
験するために、厳格な温度管理のもとで行われる。デバ
イスの温度制御を行うために、恒温槽が用いられ、一定
の温度条件に保たれた恒温槽内にデバイスを所定の時間
滞留させて、デバイスを設定温度にまで加熱したり、冷
却したりして、テストヘッドに接続する。
【0003】恒温槽内の温度管理を厳格に行うために、
恒温槽には加熱手段または冷却手段からなる温度調整手
段の一方、もしくは双方を設けると共に、この恒温槽内
の温度を検出する温度センサを設置する。そして、温度
センサにより恒温槽内の温度を常にモニタリングして、
この恒温槽内の温度が変化した時には、温度調整手段を
作動させることにより槽内温度の一定化が図られる。こ
のための温度制御手段としては、通常は恒温槽内温度を
フィードバック系として、目標温度と温度センサによる
検出温度との偏差に基づいて温度調整手段を作動させ
る。この制御は、制御精度や応答性等の観点から、比例
動作と積分動作と微分動作とを組み合わせたPID動作
による制御を行うのが一般的である。
【0004】恒温槽は断熱壁で区画形成されて外気との
断熱性に優れているから、一度設定温度に到達させた後
に、そのまま放置しても、温度が変化する度合いは緩慢
なものである。PID動作での温度制御手段を行うに当
っては、単位時間当たりの温度変化が小さい場合には、
それに見合うように比例ゲインと、積分時間及び微分時
間とを設定すると、誤差範囲を最小限に抑制することが
できる。例えば、高温テストを行うに当たって、恒温槽
内における目標温度が110℃に設定されていたとする
と、前述した各パラメータの組み合わせによっては、誤
差範囲を±1℃以内に抑制することもできる。ただし、
このように微細な温度制御を行えるのは、槽内温度の変
化が小さいことを前提としているからであり、急激な温
度変化が発生すると、槽内を設定温度に復帰させるのに
長い時間が必要となり、応答性が悪くなる。要するに、
温度制御手段による槽内温度の制御を行う上で、その制
御を高精度化しようとすれば、槽内温度の変化に対する
応答速度が遅くなり、応答速度を速くすると、その分だ
け制御精度が低下することになる。従って、制御精度を
向上させるには、試験を行っている間に槽内温度の変化
を小さくする必要があり、このためには槽内外の温度差
に基づく変化はともかくとして、外乱要因による槽内温
度の変化を極力抑制しなければならない。
【0005】試験を効率的に行うために、多数のデバイ
スをテストボードに搭載して、多数のデバイスを同時に
試験を行うようにする。従って、テストボードはデバイ
スの電気的特性の試験を行うための専用の搬送治具であ
り、恒温槽にはテストボードが搬入されることになる。
デバイスは、通常、保管時や運搬時等には、その便宜性
を確保するために、トレーに収容させるようにする。従
って、ハンドラとしては、そのローダ部ではデバイスを
トレーから取り出してテストボードに搭載するローディ
ング作業が行われ、またアンローダ部でテストボードか
らデバイスをトレーに移載するアンローディング作業が
行われる。アンローディング作業は、試験結果に基づい
て分類分けしてトレーに収容させるが、良品,不良品に
分けたり、また良品,不良品,再検品の3種類に分けた
り、さらには良品を複数等級に分けたりしてトレーに収
容させる。また、トレーにおける各デバイスの収容部
と、それに収容されたデバイスの試験結果を記憶させる
ようにした場合には、トレーを分類分けしなくとも良
い。ローダ部には試験を行うべきデバイスを収容させた
トレーを段積みにして配置し、最上段のトレーから順次
デバイスを移載する。また、アンローダ部では空のトレ
ーを段積みしておき、トレーが満杯になると、そのトレ
ーを排出して、次の空トレーをデバイスを収容可能な位
置に配置する。
【0006】ローダ部ではトレーからテストボードにデ
バイスを移載し、またアンローダ部ではテストボードか
らトレーにデバイスを移載するが、これらローダ部及び
アンローダ部は恒温槽の外に設置されるから、テストボ
ードは恒温槽に搬入・搬出されることになる。従って、
外部から恒温槽内にテストボードが搬入される際に、こ
のテストボードの温度と槽内温度との間に差があると、
槽内温度が変化する。とりわけ、試験を効率的に行うた
めに、テストボードにはできるだけ多数のデバイスを搭
載するようにした場合には、テストボードも大型化する
から、熱容量がそれに応じて大きくなる。従って、テス
トボードの温度は、槽内温度を変化させる外乱要因とな
ってしまう。以上の点を考慮して、ハンドラの搬送機構
としては、テストボードを恒温槽内外に往復させるよう
に構成となし、しかもこのテストボードの恒温槽の外に
滞留する時間を短縮することによって、恒温槽内でデバ
イスの設定温度と実質的に同じ温度にまで加熱(または
冷却)されたテストボードの温度が変化するのを抑制で
きるようになり、もって恒温槽内での外乱による温度変
化を最小限に抑制できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】テストボードの恒温槽
の外に滞留する時間は必ずしも一定ではない。ICテス
タやハンドラに故障やトラブルが発生した時には、一部
のテストボードが恒温槽の外で所定の時間滞留させなけ
ればならない。このような故障やトラブルは、試験装置
全体を長時間停止しなければならないというような重大
な故障ものから、例えばデバイスの移載時にハンドリン
グ手段がデバイスを取り落とす等といった軽度なトラブ
ルもあり、軽度なトラブルにあっては、ハンドラを数分
間程度止めるなり待機状態にするなりして、修復できる
程度のものもある。
【0008】試験装置が正常に稼働している状態でも、
テストボードの恒温槽外での滞留時間が変化することが
ある。即ち、デバイスのローディング及びアンローディ
ング作業中にトレーの交換を行う必要が生じることがあ
る。従って、ローディング作業及びアンローディング作
業時にトレー交換が必要である場合と、その必要がない
場合とでは、テストボードの恒温槽外の滞留時間が変化
する。また、アンローディング作業時及びローディング
作業時の双方でトレー交換を行う必要があると、そのテ
ストボードはさらに長い時間恒温槽の外に滞留させなけ
ればならない。さらに、ローダ部やアンローダ部で全て
のトレーが払い出された場合には、トレーの補給をする
必要があり、この場合にはテストボードはさらに長い時
間恒温槽の外で待機させる必要がある。
【0009】以上のように、テストボードが長い時間恒
温槽の外に配置された後に恒温槽内に搬入されると、槽
内温度を大きく変化させる外乱要因となってしまう。前
述したPID制御等による槽内の温度制御は恒温槽内の
温度変化が微小であることを前提とした制御であり、長
時間恒温槽の外に滞留していたテストボードを搬入した
時には、外乱要因で恒温槽内の温度が大きく変化した時
にもなお同様の温度制御を実行すると、設定温度の範囲
に復帰させるのに長い時間が必要となるという問題点が
ある。
【0010】本発明は以上の点に鑑みてなされたもので
あって、その目的とするところは、テストボードの槽外
滞留時間により恒温槽内の温度を大きく変化した時に、
迅速に設定温度の範囲内に入るように制御できるように
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明は、多数のICデバイスを搭載したテス
トボードを所定の時間滞留させて、ICデバイスを設定
温度としてその電気的特性の試験を行うために、加熱手
段と冷却手段とのうちの少なくとも一方の温度調整手段
を備えた恒温槽を設け、前記テストボードをこの恒温槽
の内外を往復移動させるようになし、また前記恒温槽内
に温度センサを設けて、この温度センサの検出信号を制
御手段に取り込んで、前記温度調整手段を作動させて、
前記恒温槽内が所定の設定温度に維持するように温度制
御を行うものであって、前記制御手段は、前記テストボ
ードの恒温槽外での滞留時間に応じて、通常の温度制御
モードで行う温度制御と、前記恒温槽内の温度回復を行
う外乱発生時の温度制御モードで行う温度制御とに切り
換え可能な構成としたことをその特徴とするものであ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の一形態について説明する。まず、図1にデバイスの
電気的特性の試験装置の全体構成を示す。図中におい
て、1はローダ部、2は試験部、3はアンローダ部であ
り、ローダ部1にはトレーストッカ1aと空トレー回収
部1bとが設けられている。また、試験部2にはICテ
スタのテストヘッド4が臨み、さらにアンローダ部3に
は空トレー供給部3aと、良品デバイス収容部3b及び
不良品デバイス収容部3cが設けられている。
【0013】ローダ部1及びアンローダ部3には、図2
に示したようなトレー5が段積み状態にして設置されて
いる。このトレー5は平板状の部材からなり、縦横に多
数のデバイス収容部5aが形成されており、これら各デ
バイス収容部5aにデバイスDを収容させるようにして
いる。このトレー5はデバイスDの保管や運搬する等の
ために用いられるものであり、できるだけ多数のデバイ
スDを収容できるようにしている。
【0014】ローダ部1から試験部2に、また試験部2
からアンローダ部3にデバイスDを搬入するために、テ
ストボード6が用いられる。このテストボード6は、デ
バイスDを収容させた状態で、テストヘッド4と接続さ
せることから、デバイスDを正確に位置決めできるよう
になっている。このために、図3及び図4に示したよう
に、テストボード6は平板状の部材にデバイス載置部6
aを所要数設けたものである。デバイス載置部6aに
は、固定的に設けた位置決め壁7と、ばね8でクランプ
状態に付勢されたデバイスクランプ9とがそれぞれ一対
設けられており、デバイスDを搭載すると、位置決め壁
7により正確に位置決めされ、かつデバイスクランプ9
でクランプされて安定的に保持されるようになってい
る。
【0015】ローダ部1では、トレー5からテストボー
ド6にデバイスDを移載し、またアンローダ部3ではデ
バイスDはテストボード6からトレー5に移載される。
トレー5のデバイス収容部5a内に格別の位置決め手段
や固定手段が設けられていないから、ロボットの真空吸
着ヘッドでデバイスDのパッケージ部Pを吸着すること
により、容易に取り出したり、収容させたりすることが
できる。これに対して、テストボード6は、デバイスD
をクランプすることから、デバイスDを搭載したり、取
り出したりするために、デバイスクランプ9によるクラ
ンプを解除する必要がある。このために、図4に示した
ように、ローダ部1及びアンローダ部3において、デバ
イスDの移載手段としてのロボット10には、真空吸着
ヘッド10aに加えてデバイスクランプ10の解除手段
としての一対の押動棒10bが装着されている。これに
よって、ロボット10を下降させると、まずその押動棒
10bでデバイスクランプ9を押動して、デバイスDの
クランプを解除し、次いで真空吸着ヘッド10aでデバ
イスDをクランプできるようになされている。
【0016】ここで、この試験装置では、デバイスDを
所定の温度条件として、その電気的特性の試験を行うよ
うにしている。このために、試験部2には恒温槽11が
設けられている。そして、図5に示したように、この恒
温槽11内でデバイスDを一定の温度状態にした上で、
そのリードLをテストヘッド4の接点ピン4aと当接さ
せることによって、このデバイスDの電気的特性の試験
が行われる。デバイスDは個別的にテストヘッド4に接
続されるのではなく、テストボード6に搭載した状態
で、全てのデバイスDを同時に試験するようになってい
る。
【0017】例えば、デバイスDを110℃等というよ
うに、高温条件下で試験を行う高温テストの場合には、
恒温槽11内はこの設定温度になるように温度制御がな
される。恒温槽11内を外気と遮断するために周囲の壁
は断熱壁で形成されている。そして、この恒温槽11内
の温度制御を行うために、恒温槽11の内部構造は、例
えば図6に示した構成となっている。即ち、同図に示し
たように、恒温槽11内には温度調整手段としてのヒー
タ12が設けられており、このヒータ12の熱を恒温槽
11内に循環させるために、循環用のファン13及びダ
クト14が設けられている。ダクト14には空気の吸い
込み口14aと、複数の吹き出し口14bとを設けたも
のであり、このダクト14により恒温槽11内全体に熱
が行き渡るように内部空気の循環が行われる。
【0018】以上の構成は、高温テストを行う場合のも
のであり、低温テストを行う場合には、温度調整手段と
しては、加熱手段としてのヒータ12に代えて液体窒素
等の冷媒を供給する冷却手段が設けられ、また高温テス
トと低温テストとを行う場合には、ヒータと冷却手段と
の双方を設ける。また、高温テストでも、低温テストで
も、槽内温度をより厳格に制御するために、ヒータと冷
却手段との双方の温度調整手段を作動させるように構成
したものもある。以下の説明では、高温テストで、ヒー
タ12のみで恒温槽11内の温度を調整するように構成
したものとするが、本発明の温度制御装置は、低温テス
トにも適用でき、また温度調整はヒータと冷却手段とを
用いて行うようにすることもできる。
【0019】恒温槽11内には、複数のテストボード6
が上下方向に並ぶようにして収容されるようになってい
る。これら複数のテストボード6のうち、最上段のテス
トボードを除く各段のテストボードが位置する部位はプ
リヒート位置であり、最上段は試験位置である。図1及
び図6からも明らかなように、恒温槽11には、プリヒ
ート位置の最下段に搬入用のシャッタ15aが設けられ
ており、プリヒート位置と試験位置との間には搬出用の
シャッタ15bが設けられている。従って、テストボー
ド6は、恒温槽11の下部側のシャッタ15aを開い
て、この恒温槽11内に搬入され、上方に向けてピッチ
送りされる間に、このテストボード6に搭載したデバイ
スDを試験を行う設定温度にまで加熱される。そして、
最上段に至ると、テストヘッド4と接続されて、電気的
特性の試験が行われ、試験終了後には、上部側のシャッ
タ15bを開いて恒温槽11から搬出される。
【0020】恒温槽11の内部温度は常に設定温度を維
持するようになされている。このために、恒温槽11内
の温度を検出する温度センサ16が設けられる。そし
て、温度センサ16により恒温槽11内の温度を常時検
出して、温度が低下した時には、ヒータ12を作動させ
て設定温度にまで上昇させる。このために、図7に示し
たように、温度制御手段17が設けられており、この温
度制御手段17は例えばマイクロコンピュータ等から構
成され、温度センサ16からの検出温度が入力され、こ
の温度センサ16からの検出温度と予め設定した目標温
度とを比較して、検出温度に偏差があると、ヒータ12
を制御して、槽内温度を目標温度となるように調整す
る。ここで、この温度制御は、制御の微細性及び応答性
を考慮して、比例動作と積分動作と微分動作との各パラ
メータが所定の値となるように設定したPID制御によ
り行われ、温度センサ16で検出される槽内温度と目標
温度との偏差に基づいて制御動作信号と調整信号とを作
り出して、ヒータ12の作動制御がなされる。これによ
って、恒温槽11内を目標温度に対する誤差を±1℃以
内に抑制するというように、微細な温度制御を行うよう
にしている。
【0021】恒温槽11は断熱性が良好であり、格別の
外乱要因が存在しなければ、槽内温度の変化は緩慢であ
る。槽内温度を変化させる外乱要因としては、テストボ
ード6の出し入れの際であり、特にテストボード6の温
度が低下していると、それが恒温槽11内に搬入された
時に、槽内温度が低下する。しかも、試験の効率を上げ
るためにテストボード6に搭載されるデバイスDの数を
多くするために、テストボード6を大型化させる必要が
あり、熱容量も大きくなり、かつ恒温槽11内全体の温
度均一化を図り、省エネルギ的な運転を可能にするため
に、恒温槽11の内容積を小さくすると、テストボード
6の温度と恒温槽11内の温度との差に基づいて、恒温
槽11内の温度が大きく変化してしまう。しかしなが
ら、前述したように、恒温槽11内の温度制御の微細性
を確保するには、温度制御時における単位時間当たりの
温度変化を小さくする必要がある。そうすると、外乱要
因等により槽内温度が急激に変化した時には、設定温度
に回復するまでに長い時間を必要とすることになり、そ
のまま試験を継続すると、試験時のデバイスDの温度に
ばらつきが生じてしまう。
【0022】テストボード6は、ローダ部1から試験部
2を経てアンローダ部3に移行し、再びローダ部1に復
帰するというように、閉鎖ループを取るよになってい
る。しかも、恒温槽11内ではデバイスDと共にテスト
ボード6も設定温度に加熱される。従って、テストボー
ド6が恒温槽11からアンローダ部3に搬出されて行う
アンローディング作業と、ローダ部1で行うローディン
グ作業とを迅速に行えば、その間におけるテストボード
6の温度低下は最小限に抑制されて、再度恒温槽11内
に搬入された時に、あまり槽内温度を低下させることは
ない。
【0023】恒温槽11の内外を往復移動するテストボ
ード6のうち、少なくとも1個のテストボードは恒温槽
11の外に位置する。装置のいずれかに故障が発生し
て、試験装置全体が完全に停止した場合には、再起動動
作を行うことになる。ただし、試験装置を完全に停止さ
せるに至らないトラブルが生じることがあり、この場合
にはハンドラは待機状態とする。また、トラブルの発生
ではないが、ローダ部1におけるトレーストッカ1aか
ら全てのトレー5が完全に払い出されたり、空トレー回
収部1bが空のトレー5で満杯になったり、アンローダ
部3での空トレー供給部3aで空のトレー5が完全に払
い出される等の状態になると、トレーの補給等の作業を
行わなければならないが、この場合もハンドラは待機状
態となる。ハンドラが一時的な待機状態となっても、再
作動時には、再起動動作を行うのではなく、それ以後の
動作が継続されることになる。待機状態では、恒温槽1
1の外に位置しているテストボード6はそのままの位置
で滞留することになる。
【0024】待機状態等において、テストボード6が恒
温槽11の外に滞留している時間は大きく変化し、例え
ば数秒というように極短時間の待機の場合もあり、また
数分乃至それ以上の長い時間待機状態となる場合もあ
る。長い時間恒温槽11の外にテストボード6が滞留し
ていると、その温度が著しく低下することになる。この
テストボード6が恒温槽11内に搬入されると、槽内温
度が極端に低下してしまう。この状態で、温度制御手段
17により通常の微細制御を行うPID動作で温度制御
させようとすると、設定温度にまで回復するのにかなり
長い時間が必要となる。
【0025】そこで、テストボード6の恒温槽11の外
での滞留時間を検出して、このテストボード6の槽外に
位置する時間が設定されている時間より長くなると、通
常の温度制御モードとは異なる外乱発生時の温度制御モ
ードでヒータ12の作動を制御して温度制御を行い、恒
温槽11内の温度を設定値にまで迅速に回復させるよう
に、温度制御手段17には2つの温度制御モードが設定
されている。通常の温度制御モードは、恒温槽11内の
温度を大きく乱す外乱要因が存在しないことを前提とし
た温度管理である。このように、外乱要因がなければ、
恒温槽11内の温度変化は極めて緩慢なものであるか
ら、単位時間当たりのゲインを小さくすることによっ
て、より高精度な温度管理を行い、誤差を±1℃以下に
抑制する。一方、外乱要因による温度制御モードの場合
には、恒温槽11内の温度が大きく変化することから、
設定温度乃至その近傍にまで迅速に回復させるように、
単位時間当たりのゲインを大きくする。ただし、この外
乱発生時の温度制御モードでは通常の温度制御モードの
ようには温度の微細制御を行えない。従って、通常の温
度管理と外乱発生時の温度管理とでは、PID動作によ
る比例ゲイン,積分時間,微分時間の各パラメータを変
えた制御を行う。これらのパラメータは、恒温槽11の
設定温度と、その容積や、テストボード6の材質と大き
さ等に基づいて適宜設定される。ここで、微分動作は制
御速度に重大な影響を与えることから、通常の温度制御
モードと外乱発生時の温度制御モードとでは、少なくと
も微分時間を変化させる必要がある。
【0026】恒温槽11内の温度が変化する程度にまで
テストボード6が槽外に滞留したか否かは、ハンドラの
作動機構の動作により検出できる。例えば、ハンドラが
待機状態になると、その駆動機構が停止するが、この停
止時間を計測することによりテストボード6の恒温槽1
1外での滞留時間を検出できる。特に、テストボード6
の恒温槽11内外に搬送するために、コンベア等の搬送
手段が設けられ、この搬送手段は間欠的に動作するが、
その停止時間を測定すれば、テストボード6の恒温槽1
1外での滞留時間を検出することができる。
【0027】また、恒温槽11におけるテストボード6
の搬入及び搬出を制御するシャッタ15a,15bの動
作に基づいてテストボード6の槽外に滞留する時間を検
出することも可能である。即ち、テストボード6が恒温
槽11に搬入される際には、シャッタ15aが開き、搬
入が完了すると、直ちにシャッタ15aが閉じる。ま
た、テストボード6に搭載したデバイスDの試験が終了
した後には、シャッタ15bが開いて、このテストボー
ド6が搬出され、次いでシャッタ15bが閉じることに
なる。そして、テストボード6の搬入及び搬出のタイミ
ングとしては、まず試験が終了したテストボード6が搬
出され、プリヒート位置にある各テストボード6が1ピ
ッチ上方に送られた後に、新たなデバイスDを搭載した
テストボード6が搬入される。従って、シャッタ15b
が開いて、テストボード6が恒温槽11から搬出された
後に、もう一度シャッタ15bが開いた後に、シャッタ
15aが開くと、このテストボード6が再び恒温槽11
内に搬入される。従って、時間計測を行うカウンタを設
けて、シャッタ15bが開いた時にカウントを開始し
て、2度目にシャッタ15aが開くとカウントを終了す
ることにより、テストボード6の槽外に配置されている
時間を計測する。ただし、カウンタで時間計測を行って
いる間に、シャッタ15bがもう一度開くことになるか
ら、カウンタは2個設けて、シャッタ15bが開く毎に
カウントを開始するようにしなければならない。
【0028】ハンドラの作動状態に基づくにしろ、シャ
ッタ15a,15bの開閉動作に基づくにしろ、テスト
ボード6の槽外に滞留されている時間を計測して、温度
制御手段17に予め設定された時間(例えば2〜5分程
度)と比較する。この計測結果がこの設定時間以下であ
れば、温度制御手段17からは通常の温度制御モードに
よる温度制御を行う。また、設定時間を越える場合に
は、外乱発生時の温度制御モードに切り換えて、迅速に
槽内温度を設定温度範囲にまで上昇させた後に、通常の
温度制御モード状態に復帰させる。そこで、図8のフロ
ーチャートに基づいて、恒温槽11内の温度管理を実行
する方法について説明する。
【0029】まず、装置の起動時(再起動動作時を含
む)には、恒温槽11の槽内温度を速やかに設定温度に
まで上昇させなければならない。装置が起動すると、温
度センサ16も作動して、常に槽内温度が検出される状
態になる。そこで、設定温度と比較して、温度センサ1
6による槽内温度が設定温度となったか否かを検出を行
う(ステップ1)。そして、槽内温度が設定温度以下で
あれば、ヒータ12を連続作動させて、槽内温度を設定
温度にまで上昇させる(ステップ2)。
【0030】恒温槽11内の温度が設定温度になると、
通常の温度制御モードで恒温槽11内の温度を制御する
状態にする(ステップ3)。この状態になれば、テスト
ボード6を搬送して、このテストボード6に搭載したデ
バイスDの電気的特性の試験が開始される(ステップ
4)。試験が開始されると、テストボード6の恒温槽1
1外での滞留時間を検出する(ステップ5)。この時間
検出は、具体的には、テストボード6の搬送手段の停止
時間を測定したり、シャッタ15a,15bの開閉時間
を測定したり等により行うことができる。
【0031】テストボード6の恒温槽11外での滞留時
間が設定時間以内であれば、ステップ3に戻り通常の温
度制御モードでの温度制御を継続する。設定時間を越え
たことが検出されると、このテストボード6の恒温槽1
1内への搬入により、恒温槽11内の温度が急激に低下
することになる。そこで、槽外のテストボード6を恒温
槽11内に搬入し(ステップ6)、その直後に外乱発生
時の温度制御モードに移行すると共に、テストボード6
の移動を中断する(ステップ7)。これによって、一時
的にデバイスDの試験が中断されることになり、この状
態は槽内温度が設定温度に回復するまで継続される(ス
テップ8)。槽内温度が設定温度にまで回復すると、ス
テップ3に戻って通常の温度制御モードで温度制御が行
われるようになって、デバイスDの試験が再開される。
ここで、外乱発生時の温度制御モードで温度回復を行う
に当たっては、1個のテストボード6が新たに恒温槽1
1から搬出されて、槽外で滞留することになる。ただ
し、この恒温槽11内は迅速に温度回復がなされること
から、新たに槽内に搬入されたテストボード8が極端に
長い時間の槽外滞留によって温度低下が著しい場合を除
き、新たに恒温槽11から搬出されたテストボード6の
槽外滞留時間が設定時間を越す可能性は殆どない。ま
た、設定時間を越したとしても、このテストボード6の
恒温槽11内への再搬入に時に、再度外乱発生時の温度
制御モードに移行して、迅速な温度回復が行われる。従
って、最大限2度外乱発生時の温度制御モードでの温度
制御を実行すれば、恒温槽11内の温度を完全に回復さ
せることができる。
【0032】以上のように、外乱発生により恒温槽11
内の温度が急激に変化した時には、それを検出して槽内
温度を迅速に回復することによって、恒温槽11内の温
度を正確に管理でき、全てのデバイスDを同じ温度条件
下で電気的特性の試験を行うことができ、試験精度が向
上すると共に、試験温度のばらつきに起因する再検査の
必要がなくなる。しかも、やむを得ず生じる槽内温度の
変化時には、温度回復できるまでの時間が短縮できるの
で、試験の中断時間を最小限に抑制できるようになり、
装置の効率的な作動が確保される。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、通常の
温度制御モードで恒温槽内の温度制御を行っている間
に、外乱発生により槽内温度が大きく変化する場合に
は、外乱発生時の温度制御モードに切り換えるように構
成したから、恒温槽内の温度制御を極めて厳格に行うこ
とができ、かつ外乱発生時には槽内温度を迅速に設定温
度にまで回復できるようになる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の温度制御装置が適用されるICデバイ
スの電気的特性の試験装置の概略構成図である。
【図2】トレーとデバイスとを示す外観図である。
【図3】テストボードの要部構成図である。
【図4】デバイスの移載手段と共に示すテストボードの
断面図である。
【図5】テストボードによってデバイスをテストヘッド
に接続している状態を示す説明図である。
【図6】恒温槽の内部構成を示す構成説明図である。
【図7】恒温槽内の温度制御機構の構成説明図である。
【図8】恒温槽の温度制御を行う手順を示すフローチャ
ート図である。
【符号の説明】
1 ローダ部 2 試験部 3 アンローダ部 4 テストヘ
ッド 5 トレー 6 テストボ
ード 11 恒温槽 12 ヒータ 16 温度センサ 17 温度制
御手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数のICデバイスを搭載したテストボ
    ードを所定の時間滞留させて、ICデバイスを設定温度
    としてその電気的特性の試験を行うために、加熱手段と
    冷却手段とのうちの少なくとも一方の温度調整手段を備
    えた恒温槽を設け、前記テストボードをこの恒温槽の内
    外を往復移動させるようになし、また前記恒温槽内に温
    度センサを設けて、この温度センサの検出信号を制御手
    段に取り込んで、前記温度調整手段を作動させて、前記
    恒温槽内が所定の設定温度に維持するように温度制御を
    行うものにおいて、前記制御手段は、前記テストボード
    の恒温槽外での滞留時間に応じて、通常の温度制御モー
    ドで行う温度制御と、前記恒温槽内の温度回復を行う外
    乱発生時の温度制御モードで行う温度制御とに切り換え
    可能な構成としたことを特徴とする恒温槽の温度制御装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012517591A (ja) * 2009-02-10 2012-08-02 クウォリタウ・インコーポレーテッド 改良温度制御を備えた電気/信頼性試験のための統合されたユニット
CN117092489A (zh) * 2023-09-26 2023-11-21 思迹半导体技术(上海)有限公司 智能恒温测试系统、温度控制方法及计算机可读介质

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